JP2017226619A - (メタ)アクリル酸エステル化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1によれば、反応時間を長くすると3−メチルブタン−1,3−ジオールに含まれる第3級水酸基もエステル化されジエステルが生成するため、反応は3−メチルブタン−1,3−ジオールのモノエステルが生成してから、ジエステルが生成する前に停止することが必要であると記載されている。しかし本発明者らの検討によると、特許文献1の方法では、モノエステルへの反応転化率を高めるとジエステルが数%副生し、ジエステルの副生を抑えるためにはモノエステルへの反応転化率を抑えなければならず、結果、モノエステルを選択的に高収率で得ることはできなかった。
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、Rbは炭素数1〜4の2価の炭化水素基を表し、Rc及びRdは、それぞれ独立して炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表す。)
(式(1)及び式(2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、1価の脂環基、又は1価の芳香環基を表す。ただし、R1とR2、R2とR3及びR4とR5の少なくとも1つが互いに結合して環を形成していてもよい。)
R1、R2、R3、R4、R5、R6、又はR7となる1価の脂環基又は1価の芳香環基、及び、R1とR2、R2とR3、又はR4とR5が互いに結合して形成される脂環基又は芳香環基は置換基を有していてもよい。これら置換基としては、例えば、ハロゲン基、水酸基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、ホルミル基、アシル基、及びスルホン酸基などが挙げられる。
また、上記鉄の錯体を製造する際に使用する鉄の前駆体に制限はなく、例えば、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、硝酸第一鉄等の第一鉄塩、又は、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩基性酢酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸鉄等の第二鉄塩等が用いられる。これらは、その結晶形態において含まれる結晶水を含有していてもよい。
実施例及び比較例における反応液の分析は、以下試験例1及び2に従って行った。
フィルター濾過した反応液をガスクロマトグラフィーで分析し、トリデカンを内部標準として、イソプレングリコール、イソプレングリコールモノメタクリレート、イソプレングリコールジメタクリレートを定量した。
(ガスクロマトグラフィーの条件)
装置:GC−2014(島津製作所製)
カラム:DB−1 0.25mmφ×30mm、膜厚0.25μm(アジレント社製)
インジェクション温度: 280℃
カラム温度:50℃で5分保持、10℃/分で280℃まで昇温、その後、3分間保持。
FID検出器温度:280℃
キャリアガス:ヘリウム、カラム流速1.5mL/分
注入量:0.2μL
カールフィッシャー水分測定法により、用いた各原料の水分量と留分の水分量を測定し、以下の式に従って、反応液の含水率を求めた。
原料の水分量(g)=原料の重量(g)×原料の含水率(ppm)
留分の水分量(g)=留分の重量(g)×留分の含水率(ppm)
反応液の含水率(ppm)={原料の水分量(g)−留分の水分量(g)}/反応液の重量(g)×1000000
(カールフィッシャー水分測定の条件)
装置:CA−100(三菱化学社製)
陽極液:アクアミクロンAX(三菱化学社製)
陰極液:アクアミクロンCXU(三菱化学社製)
注入量: 0.2g
還流塔、滴下ロート、温度計、分留受器及び乾燥管を取り付けた50mL三口フラスコに、N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン鉄(II)0.64g(2mmol)、イソプレングリコール1.04g(10mmol)、メタクリル酸メチル40g(含水率1650ppm、400mmol)、フェノチアジン0.08g、トリデカン0.2gを仕込んだ後、常圧攪拌条件下で、フラスコの内温を100〜105℃になるようにフラスコを120℃に設定したオイルバスに浸漬し、分留受器に留出してくる留分を取り出しつつ、留分と同体積のメタクリル酸メチル(含水率1650ppm)を連続滴下しながら、1時間反応を行った。なお、反応開始から15分後、30分後、60分後に反応液の含水率を測定したところ、いずれも1500ppm〜2100ppmの範囲の値であり、その平均値は1818ppmであった。反応開始から1時間後の反応液を試験例1に従って定量分析した結果、反応液の組成は原料のイソプレングリコール0.0モル%、イソプレングリコールモノメタクリレート99.3モル%、イソプレングリコールジメタクリレート0.7モル%であった。
メタクリル酸メチルの含水率が2600ppmであったこと、及び反応開始から15分後、30分後、60分後の反応液の含水率がいずれも2500ppm〜2900ppmの範囲の値であり、その平均値が2655ppmであったこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応開始から1時間後の反応液を試験例1に従って定量分析した結果、反応液の組成は原料のイソプレングリコール0.0モル%、イソプレングリコールモノメタクリレート99.9モル%、イソプレングリコールジメタクリレート0.1モル%であった。
メタクリル酸メチルの含水率が60ppmであったこと、及び反応開始から15分後、30分後、60分後の反応液の含水率がいずれも50ppm〜100ppmの範囲の値であり、その平均値が66ppmであったこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応開始から1時間後の反応液を試験例1に従って定量分析した結果、反応液の組成は原料のイソプレングリコール0.0モル%、イソプレングリコールモノメタクリレート90.7モル%、イソプレングリコールジメタクリレート9.3モル%であった。
メタクリル酸メチルの含水率が500ppmであったこと、及び反応開始から15分後、30分後、60分後の反応液の含水率がいずれも400ppm〜800ppmの範囲の値であり、その平均値が585ppmであったこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応開始から1時間後の反応液を試験例1に従って定量分析した結果、反応液の組成は原料のイソプレングリコール0.0モル%、イソプレングリコールモノメタクリレート96.2モル%、イソプレングリコールジメタクリレート3.8モル%であった。
Claims (5)
- 下記一般式(1)又は一般式(2)で表される配位子が配位した鉄の錯体を含む触媒を用いて、第1級水酸基及び/又は第2級水酸基を有し、かつ、第3級水酸基を有する多価アルコール化合物と(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応を行う工程(I)を有する、前記第1級水酸基及び/又は第2級水酸基がエステル化された(メタ)アクリル酸エステル化合物の製造方法であって、エステル交換反応系内の含水率が1000ppm超であることを特徴とする前記(メタ)アクリル酸エステル化合物の製造方法。
(式(1)及び式(2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、1価の脂環基又は1価の芳香環基を表す。ただし、R1とR2、R2とR3及びR4とR5の少なくとも1つが互いに結合して環を形成していてもよい。) - 前記多価アルコール化合物の水酸基に対し鉄原子0.1〜20mol%に相当する量の前記触媒が用いられる、請求項1に記載の製造方法。
- 前記多価アルコール化合物が下記一般式(3)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の製造方法。
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、Rbは炭素数1〜4の2価の炭化水素基を表し、Rc及びRdは、それぞれ独立して、炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表す。) - 前記多価アルコール化合物がイソプレングリコールである、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
- さらに工程(I)で得られた反応液を蒸留する工程(II)を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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2016
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