JP2017226619A - (メタ)アクリル酸エステル化合物の製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステル化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄の錯体を含む触媒を用いた、第1級水酸基及び/又は第2級水酸基を有し、かつ、第3級水酸基を有する多価アルコール化合物と(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応によって、前記多価アルコール化合物に含まれる第1級水酸基及び/又は第2級水酸基を高選択的にエステル化せしめ、(メタ)アクリル酸エステル化合物を製造する方法を提供すること。【解決手段】特定の配位子が配位した鉄の錯体を含む触媒を用いて、第1級水酸基及び/又は第2級水酸基を有し、かつ、第3級水酸基を有する多価アルコール化合物と(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応を行う工程(I)を有する前記第1級水酸基及び/又は第2級水酸基がエステル化された(メタ)アクリル酸エステル化合物の製造方法であって、エステル交換反応系内の含水率が1000ppm超であることを特徴とする前記(メタ)アクリル酸エステル化合物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、第1級水酸基及び/又は第2級水酸基を有し、かつ、第3級水酸基を有する多価アルコール化合物(以下、「多価アルコール化合物(A)」と称することがある)と(メタ)アクリル酸エステルを鉄錯体の存在下でエステル交換し、第1級水酸基及び/又は第2級水酸基が選択的にエステル化された(メタ)アクリル酸エステル化合物を製造する方法に関する。
従来から、多価アルコール化合物と(メタ)アクリル酸メチルとのエステル交換反応を鉄の錯体を触媒として用いて行うことが知られている。例えば、特許文献1には、鉄触媒の存在下、3−メチルブタン−1,3−ジオールとメタクリル酸メチルとのエステル交換反応を行うことにより、第1級水酸基がエステル化された3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレートが得られることが記載されている。
特開昭64−034947号公報
多価アルコール化合物(A)の第1級水酸基及び/又は第2級水酸基のみがエステル化された化合物と、第1級水酸基及び/又は第2級水酸基に加えて第3級水酸基もエステル化された化合物とが混合している場合、各々の化合物を分離することは通常困難である。そのため、多価アルコール化合物(A)の第1級水酸基及び/又は第2級水酸基のみがエステル化された化合物を製造する場合には、エステル化する水酸基の選択率を高め、第3級水酸基がエステル化された化合物の生成を抑制することが重要である。
特許文献1によれば、反応時間を長くすると3−メチルブタン−1,3−ジオールに含まれる第3級水酸基もエステル化されジエステルが生成するため、反応は3−メチルブタン−1,3−ジオールのモノエステルが生成してから、ジエステルが生成する前に停止することが必要であると記載されている。しかし本発明者らの検討によると、特許文献1の方法では、モノエステルへの反応転化率を高めるとジエステルが数%副生し、ジエステルの副生を抑えるためにはモノエステルへの反応転化率を抑えなければならず、結果、モノエステルを選択的に高収率で得ることはできなかった。
本発明の目的は、鉄の錯体を含む触媒を用いて、多価アルコール化合物(A)の第1級水酸基及び/又は第2級水酸基が高選択的にエステル化された(メタ)アクリル酸エステル化合物(以下、「(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)」と称する)を収率よく製造できる方法を提供することにある。
本発明は、下記一般式(1)又は一般式(2)で表される配位子が配位した鉄の錯体を含む触媒を用いて、多価アルコール化合物(A)と(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応を行う工程(I)を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)の製造方法であって、エステル交換反応系内の含水率が1000ppm超であることを特徴とする。
(式(1)及び式(2)中、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、1価の脂環基又は1価の芳香環基を表す。ただし、RとR、RとR及びRとRの少なくとも1つが互いに結合して環を形成していてもよい。)
本発明の製造方法においては、前記多価アルコール化合物(A)の水酸基に対し、鉄原子0.1〜20mol%に相当する量の前記触媒を用いることが好ましい。
本発明の製造方法においては、前記多価アルコール化合物(A)は、下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4の2価の炭化水素基を表し、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表す。)
本発明の製造方法においては、前記多価アルコール化合物(A)はイソプレングリコールが好ましい。
本発明の製造方法においては、前記工程(I)で得られた反応液をさらに蒸留する工程(II)を含んでもよい。
本発明の製造方法によれば、多価アルコール化合物(A)の第1級水酸基及び/又は第2級水酸基を高選択的にエステル化せしめ、高収率で(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)を製造できる。例えば、第1級水酸基及び第3級水酸基を有するアルコール化合物であるイソプレングリコールとメタクリル酸アルキルから、第1級水酸基のみがエステル化されたイソプレングリコールモノメタクリレートを高収率で得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書では、メタクリルとアクリルを総称して「(メタ)アクリル」と記載することがある。
本発明の製造方法は、特定の触媒を用いて、多価アルコール化合物(A)と(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応を行う工程(I)を有する。
本発明で用いる多価アルコール化合物(A)は特に限定されず、公知の化合物を用いることができる。前記多価アルコール化合物(A)は、2価アルコール化合物であっても、3価以上の多価アルコール化合物であってもよい。
前記多価アルコール化合物(A)としては、例えば下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。

(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4の2価の炭化水素基を表し、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表す。)
前記一般式(3)で表される化合物としては、例えば、イソプレングリコール、4−メチル−2,4−ペンタンジオール、5−メチル−3,5−ヘキサンジオール、6−メチル−4,6−ヘプタンジオール、7−メチル−5,7−オクタンジオール、4−メチル−1,4−ペンタンジオール、5−メチル−1,5−ヘキサンジオール、6−メチル−1,6−ヘプタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ヘキサンジオール、3−プロピル−1,3−ヘキサンジオール、3−エチル−1,3−ヘプタンジオール、3−メチル−1,3−ノナンジオール、4−メチル−1,4−ヘキサンジオール、5−メチル−1,5−ヘプタンジオール、6−メチル−1,6−オクタンジオールなどが挙げられる。例えば、イソプレングリコールモノメタクリレートを製造する場合には、原料である多価アルコール化合物(A)としてイソプレングリコールを用いる。
本発明で用いる(メタ)アクリル酸エステルは特に限定されないが、反応に伴い生成するアルコールを留去しやすい観点から、アルキル基がメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基である(メタ)アクリル酸エステルを用いるのが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸t−ブチルなどが挙げられる。例えば、イソプレングリコールモノメタクリレートを製造する場合には、(メタ)アクリル酸エステルとしてメタクリル酸メチルを好適に用いることができる。
本発明で用いる触媒は、下記一般式(1)又は一般式(2)で表される配位子が配位した鉄の錯体を含む。

(式(1)及び式(2)中、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、1価の脂環基、又は1価の芳香環基を表す。ただし、RとR、RとR及びRとRの少なくとも1つが互いに結合して環を形成していてもよい。)
前記一般式(1)及び(2)において、R、R、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立して表すアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、デシル基等が挙げられる。
前記一般式(1)及び(2)において、R、R、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立して表す1価の脂環基としては、炭素数3〜20の脂環基が好ましく、炭素数3〜10の脂環基がより好ましい。このような脂環基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロプロピル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
前記一般式(1)及び(2)において、R、R、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立して表す1価の芳香環基としては、炭素数4〜20の芳香環基が好ましく、炭素数4〜15の芳香環基がより好ましい。このような芳香環基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;ピリジル基、フリル基、チエニル基等の芳香族複素環基;等が挙げられる。
前記一般式(1)及び(2)において、RとR、RとR、又はRとRが互いに結合して形成される環としては、脂環基、芳香環基などが挙げられる。脂環基は、その炭素環が飽和炭化水素のみからなるものであってもよく不飽和炭化水素を含むものであってもよい。また、脂環基、芳香環基の環に含まれる炭素原子の一部は窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子に置き換えられたものであってもよい(ただし、ヘテロ原子で連続して置換されることはない)。
、R、R、R、R、R、又はRとなる1価の脂環基又は1価の芳香環基、及び、RとR、RとR、又はRとRが互いに結合して形成される脂環基又は芳香環基は置換基を有していてもよい。これら置換基としては、例えば、ハロゲン基、水酸基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、ホルミル基、アシル基、及びスルホン酸基などが挙げられる。
前記一般式(1)又は一般式(2)で表される配位子としては、例えば、N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン、N,N’−ビス(サリチリデン)オルトフェニレンエチレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチル−3−オキソブチリデン)−4−メチルオルトフェニレンエチレンジアミン等が挙げられる。
本発明で用いる鉄の錯体としては、例えば、N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン鉄(II)、N,N’−ビス(サリチリデン)オルトフェニレンエチレンジアミン鉄(II)、N,N’−ビス(1−メチル−3−オキソブチリデン)−4−メチルオルトフェニレンエチレンジアミン鉄(II)が挙げられる。中でも、原料入手性及び触媒活性の観点から、N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン鉄(II)が好ましい。
本発明で用いる鉄の錯体の製造方法に特に制限はなく、例えば、特開昭55−143935号公報や特開2002−226678号公報に記載の公知の方法を用いて製造できる。
また、上記鉄の錯体を製造する際に使用する鉄の前駆体に制限はなく、例えば、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、硝酸第一鉄等の第一鉄塩、又は、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩基性酢酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸鉄等の第二鉄塩等が用いられる。これらは、その結晶形態において含まれる結晶水を含有していてもよい。
本発明の製造方法では、反応液の含水率が高いほど、第3級水酸基のエステル化に対する第1級水酸基及び/又は第2級水酸基のエステル化の選択率が高まり、目的物である(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)の収率が向上する。エステル交換反応を行う際の反応系内(反応液中)の含水率は1000ppm超が好ましく、1500ppm超がより好ましく、1700ppm超がさらに好ましく、2000ppm超が特に好ましく、2500ppm超が極めて好ましい。反応系内の含水率が上記範囲を下回ると第3級水酸基に対するエステル交換活性が高まり、第3級水酸基のエステル化が進行し、目的物である(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)の収率が低下する。
本発明においてエステル交換反応系内の含水率を上記範囲に維持する方法は、反応系内の含水率を上記範囲に維持できる限り特に制限されない。例えば、反応を行う前に使用原料に水を添加しておく方法や、反応系へ水を供給しながら反応を行う方法が挙げられる。
本発明の製造方法における出発原料の多価アルコール化合物(A)に含まれる水酸基と(メタ)アクリル酸エステルに含まれるアシル基とのモル比は、経済性、沸点、共沸性等を考慮して適切に選択されるが、好ましくは1:1〜1:50であり、より好ましくは1:1〜1:40であり、さらに好ましくは1:1〜1:30であり、特に好ましくは1:1〜1:25である。
本発明の製造方法における触媒の使用量は、多価アルコール化合物(A)の水酸基の総数に対し、好ましくは鉄原子0.1〜20mol%に相当する量であり、より好ましくは鉄原子0.5〜17mol%に相当する量であり、さらに好ましくは鉄原子1〜15mol%に相当する量であり、特に好ましくは鉄原子1.5〜12mol%に相当する量である。使用量が上記範囲を超える場合にはコストが増大する一方でそれに見合う効果が得られず、使用量が上記範囲未満では反応時間が長くなり生産性が低下する傾向にある。
本発明の製造方法における反応温度は、好ましくは70〜150℃、より好ましくは80〜120℃、さらに好ましくは90〜110℃である。反応温度が上記範囲未満では、反応時間が長くなり生産性が低下する。また、反応温度が上記範囲を超える場合には、重合反応を併発する傾向となる。反応圧力は常圧でよいが、反応に伴い生成するアルコールの除去を容易にするため、減圧にしてもよい。反応時間は、生産性の観点から好ましくは24時間以下であり、より好ましくは16時間以下であり、さらに好ましくは8時間以下である。
本発明の製造方法においては、溶媒を用いてもよい。溶媒は、多価アルコール化合物(A)や(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)と副反応を生じたり、エステル交換反応を阻害しない限り特に制限はなく、例えば、トルエン、キシレン、2−ブタノン、ジオキサン、ベンゼン、シクロヘキサンなどが挙げられ、水及び副生するアルコールとの共沸性及び反応温度などを考慮して適宜選択できる。溶媒を用いる場合、その使用量は多価アルコール化合物(A)に対して1〜500質量%が好ましく、10〜300質量%がより好ましく、50〜100質量%がさらに好ましい。
上記の工程(I)により得られた反応液は、さらに未反応の原料等を除去する蒸留工程(II)に供してもよい。蒸留方法は、薄膜蒸留、充填塔を用いた蒸留等が挙げられる。特に、本発明の製造方法は選択率が高く目的物である(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)の純度が高いことから、蒸留方法として薄膜蒸留が好ましい。
本発明の製造方法においては、重合反応の併発を防止するため、重合禁止剤の添加及び/又は反応系内への酸素の導入を行うことが好ましい。重合禁止剤は、公知の物質を特に限定なく用いることができ、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、フェノチアジン、N,N’−ジナフチル−p−フェニレンジアミンなどを単独で、あるいは、組み合わせて使用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例及び比較例における反応液の分析は、以下試験例1及び2に従って行った。
<試験例1> 反応液の定量分析
フィルター濾過した反応液をガスクロマトグラフィーで分析し、トリデカンを内部標準として、イソプレングリコール、イソプレングリコールモノメタクリレート、イソプレングリコールジメタクリレートを定量した。
(ガスクロマトグラフィーの条件)
装置:GC−2014(島津製作所製)
カラム:DB−1 0.25mmφ×30mm、膜厚0.25μm(アジレント社製)
インジェクション温度: 280℃
カラム温度:50℃で5分保持、10℃/分で280℃まで昇温、その後、3分間保持。
FID検出器温度:280℃
キャリアガス:ヘリウム、カラム流速1.5mL/分
注入量:0.2μL
<試験例2> 含水率
カールフィッシャー水分測定法により、用いた各原料の水分量と留分の水分量を測定し、以下の式に従って、反応液の含水率を求めた。
原料の水分量(g)=原料の重量(g)×原料の含水率(ppm)
留分の水分量(g)=留分の重量(g)×留分の含水率(ppm)
反応液の含水率(ppm)={原料の水分量(g)−留分の水分量(g)}/反応液の重量(g)×1000000
(カールフィッシャー水分測定の条件)
装置:CA−100(三菱化学社製)
陽極液:アクアミクロンAX(三菱化学社製)
陰極液:アクアミクロンCXU(三菱化学社製)
注入量: 0.2g
<実施例1>
還流塔、滴下ロート、温度計、分留受器及び乾燥管を取り付けた50mL三口フラスコに、N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン鉄(II)0.64g(2mmol)、イソプレングリコール1.04g(10mmol)、メタクリル酸メチル40g(含水率1650ppm、400mmol)、フェノチアジン0.08g、トリデカン0.2gを仕込んだ後、常圧攪拌条件下で、フラスコの内温を100〜105℃になるようにフラスコを120℃に設定したオイルバスに浸漬し、分留受器に留出してくる留分を取り出しつつ、留分と同体積のメタクリル酸メチル(含水率1650ppm)を連続滴下しながら、1時間反応を行った。なお、反応開始から15分後、30分後、60分後に反応液の含水率を測定したところ、いずれも1500ppm〜2100ppmの範囲の値であり、その平均値は1818ppmであった。反応開始から1時間後の反応液を試験例1に従って定量分析した結果、反応液の組成は原料のイソプレングリコール0.0モル%、イソプレングリコールモノメタクリレート99.3モル%、イソプレングリコールジメタクリレート0.7モル%であった。
<実施例2>
メタクリル酸メチルの含水率が2600ppmであったこと、及び反応開始から15分後、30分後、60分後の反応液の含水率がいずれも2500ppm〜2900ppmの範囲の値であり、その平均値が2655ppmであったこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応開始から1時間後の反応液を試験例1に従って定量分析した結果、反応液の組成は原料のイソプレングリコール0.0モル%、イソプレングリコールモノメタクリレート99.9モル%、イソプレングリコールジメタクリレート0.1モル%であった。
<比較例1>
メタクリル酸メチルの含水率が60ppmであったこと、及び反応開始から15分後、30分後、60分後の反応液の含水率がいずれも50ppm〜100ppmの範囲の値であり、その平均値が66ppmであったこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応開始から1時間後の反応液を試験例1に従って定量分析した結果、反応液の組成は原料のイソプレングリコール0.0モル%、イソプレングリコールモノメタクリレート90.7モル%、イソプレングリコールジメタクリレート9.3モル%であった。
<比較例2>
メタクリル酸メチルの含水率が500ppmであったこと、及び反応開始から15分後、30分後、60分後の反応液の含水率がいずれも400ppm〜800ppmの範囲の値であり、その平均値が585ppmであったこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応開始から1時間後の反応液を試験例1に従って定量分析した結果、反応液の組成は原料のイソプレングリコール0.0モル%、イソプレングリコールモノメタクリレート96.2モル%、イソプレングリコールジメタクリレート3.8モル%であった。
上記実施例及び比較例の結果を表1に示す。
実施例及び比較例の結果からわかるように、エステル交換反応系内の含水率が1000ppm超の場合、イソプレングリコールジメタクリレートの生成が抑制され、第1級水酸基のみがエステル化されたイソプレングリコールモノメタクリレートが選択的に得られた。すなわち、反応液の含水率を1000ppm超に調整することにより、多価アルコール化合物(A)の第1級水酸基及び/又は第2級水酸基が選択的にエステル化された(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)を高収率で製造することができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)又は一般式(2)で表される配位子が配位した鉄の錯体を含む触媒を用いて、第1級水酸基及び/又は第2級水酸基を有し、かつ、第3級水酸基を有する多価アルコール化合物と(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応を行う工程(I)を有する、前記第1級水酸基及び/又は第2級水酸基がエステル化された(メタ)アクリル酸エステル化合物の製造方法であって、エステル交換反応系内の含水率が1000ppm超であることを特徴とする前記(メタ)アクリル酸エステル化合物の製造方法。


    (式(1)及び式(2)中、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、1価の脂環基又は1価の芳香環基を表す。ただし、RとR、RとR及びRとRの少なくとも1つが互いに結合して環を形成していてもよい。)
  2. 前記多価アルコール化合物の水酸基に対し鉄原子0.1〜20mol%に相当する量の前記触媒が用いられる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記多価アルコール化合物が下記一般式(3)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の製造方法。

    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4の2価の炭化水素基を表し、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表す。)
  4. 前記多価アルコール化合物がイソプレングリコールである、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
  5. さらに工程(I)で得られた反応液を蒸留する工程(II)を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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