JP2006335715A - 高品質ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル及びその製造方法 - Google Patents

高品質ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 レジスト用途等に有用なビニル安息香酸含量が0.5重量%以下であり、かつ高沸不純物含量が0.5重量%以下である不純物含量の少ない高品質のビニル安息香酸−第3級ブチルエステル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 グリニャール試薬とジ−第3級ブチルジカーボネートを反応させて、ビニル安息香酸−第3級ブチルエステルを製造する方法において、反応後に、反応液をアルカリ水溶液洗浄し、さらに、ニトロソ化合物に代表される蒸留安定剤を添加して薄膜蒸留することにより製造する。
【選択図】 選択図なし

Description

本発明は、半導体レジスト原料、その他機能性高分子の原料として有用な、式(1)で表されるビニル安息香酸及び高沸不純物含量の少ない式(2)で表される高品質ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル及びその製造方法に関するものである。
Figure 2006335715
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ビニル安息香酸−第3級ブチルエステルは、例えば、式(3)で表されるグリニャール試薬に、式(4)で表されるジ−第3級ブチルジカーボネートを反応させて製造される(例えば、非特許文献1参照)。
Figure 2006335715
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この反応は、通常有機溶媒中で実施されるが、得られた反応液には、各種の不純物が存在しているため、精製処理が行われる。精製方法としては通常蒸留精製が考えられるが、本発明のビニル安息香酸−第3級ブチルエステルは高温や酸分存在下における安定性が不十分であり、従来の蒸留方法では分解や重合を起こし、ビニル安息香酸や高沸不純物が副生し、高い品質の要求されるレジスト用途等に使用可能な高品質のビニル安息香酸−第3級ブチルエステルを効率よく製造することはできなかった。
非特許文献1には、シリカゲルカラム及び蒸留による精製方法でビニル安息香酸−第3級ブチルエステルを得るとの記載はあるが、工業的スケールでの製造にはそのまま適用できず、分解や重合を起こしやすい本化合物について、工業的規模でのビニル安息香酸及び高沸不純物含量の少ない、高品質のビニル安息香酸−第3級ブチルエステルを提供する方法については何ら開示されていない。
Macromolecules,第23卷,(1990年)2590頁
本発明の目的は、レジスト用途等に有用なビニル安息香酸含量が0.5重量%以下であり、かつ高沸不純物含量が0.5重量%以下である高品質のビニル安息香酸−第3級ブチルエステル及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討した結果、上記反応で得られる反応液をアルカリ水溶液で洗浄し、さらに、ニトロソ化合物などに代表される蒸留安定剤を添加して薄膜蒸留することにより、分解や重合が抑制され、ビニル安息香酸及び高沸不純物含量の少ない高品質のビニル安息香酸−第3級ブチルエステルが効率よく製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、上記反応で得られるビニル安息香酸−第3級ブチルエステル反応液を、アルカリ水溶液洗浄操作及びニトロソ化合物などに代表される蒸留安定剤を添加して薄膜蒸留する操作を併用することにより、分解や重合によるビニル安息香酸及び高沸不純物の生成を抑制し、さらに、これら不純物を効率的に除去して得られる高品質のビニル安息香酸−第3級ブチルエステル及びその製造方法に関するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における不純物である高沸不純物とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにおいて生成したビニル安息香酸−第3級ブチルエステルよりも先に分離溶出するものであり、ビニル安息香酸−第3級ブチルエステルなどの2量体以上の重合物である。
レジスト用途等における本発明のビニル安息香酸−第3級ブチルエステル中の不純物含有量は、ビニル安息香酸が0.5重量%以下、高沸不純物が0.5重量%以下であれば良いが、ビニル安息香酸が0.2重量%以下、高沸不純物が0.2重量%以下が好ましい。
本発明の製造方法で得られるビニル安息香酸−第3級ブチルエステルとしては、2−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル、3−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル及び4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル等が挙げられる。
本発明の反応で使用されるグリニャール試薬は、溶媒中で活性化された金属マグネシウムとハロゲン化スチレンとを反応させることにより容易に製造できる。使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエ−テル等が挙げられる。使用されるハロゲン化スチレンとしては、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、2−ブロモスチレン、3−ブロモスチレン、4−ブロモスチレン、2−ヨードスチレン、3−ヨードスチレン、4−ヨードスチレン等が挙げられる。
本発明の反応方法は、通常、ジ−第3級ブチルジカーボネートを溶媒に溶解させた溶液に、上記で調製されたグリニャール試薬溶液を添加し、反応させることによりビニル安息香酸−第3級ブチルエステルを製造することができる。ジ−第3級ブチルジカーボネートを溶解させる溶媒としては、テトラヒドロフランやベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、または、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。反応温度は特に制限はないが、室温以下が好ましい。
本発明の反応で得られた反応液は、常法に従い酸性水溶液を加えて処理した後、有機層を分離する。この有機層には、生成したビニル安息香酸−第3級ブチルエステルに対して数重量%の副生ビニル安息香酸及び高沸不純物等と溶解分の酸性水溶液が含まれている。次に、その分離有機層にアルカリ水溶液を加え、洗浄操作を施す。この操作で、副生したビニル安息香酸及び含有酸分を除去することにより、後工程の濃縮・蒸留時における生成したビニル安息香酸−第3級ブチルエステルの分解を抑制できる。
アルカリ水溶液洗浄操作に使用するアルカリとしては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素リチウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩を挙げることができるが、工業的には経済性の面で炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が好ましい。このアルカリ水溶液の濃度及び使用量については特に制限はないが、濃度は概ね5〜30重量%とすれば良く、その使用量は分離有機層に対して概ね10〜100重量%であれば良い。洗浄の操作については特に制限されないが、一般的には、得られた分離有機層に前記アルカリ水溶液を混合し、所望により攪拌した後に静置して、有機層とアルカリ水溶液層とに分離させる。このアルカリ水溶液洗浄操作で分離した有機層は、必要に応じて水洗浄処理を行い、濃縮により溶媒を除去することにより粗生成物を得る。
次に、上記粗生成物にニトロソ化合物などに代表される蒸留安定剤を添加して薄膜蒸留する操作を施す。この操作により、高温、長時間の蒸留においても重合を抑制しつつ、高沸不純物を除去でき、効率的に高品質のビニル安息香酸−第3級ブチルエステルを得ることができる。通常の蒸留では、高温や酸分存在下における安定性が不十分な本発明のビニル安息香酸−第3級ブチルエステルは、蒸留中の早期に重合が起こり、蒸留搭の閉塞や製品回収が困難となる問題が発生するため好ましくない。この問題は、ニトロソ化合物などに代表される蒸留安定剤を添加して薄膜蒸留する本発明の方法により解決できる。
薄膜蒸留に使用される蒸留安定剤としては、2−t−ブチルハイドロキノンなどのキノン化合物、p−第3級ブチルカテコールなどのフェノール化合物、2,4−ジニトロ−1−ナフトールなどのニトロ化合物及びニトロソ化合物が挙げられる。その中でもニトロソ化合物がより好ましい。ニトロソ化合物とは、構造式中にニトロソ基を含有するものをいう。ニトロソ化合物としては、例えば、ニトロソベンゼン、ニトロソトルエン、p−ニトロソフェノール、ニトロソレゾルシノール、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール等のニトロソ芳香族炭化水素、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ−N−メチルアニリン、N−ニトロソ−N−フェニルアニリン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩(金属塩、アンモニウム塩等)等のN−ニトロソ類が挙げられる。その中でもN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩(金属塩、アンモニウム塩等)が好適に使用できる。その使用量は、上記粗生成物中のビニル安息香酸−第3級ブチルエステルに対し、10〜50000ppm、好ましくは100〜10000ppmの範囲が選ばれる。添加量が10ppm未満では、重合禁止効果が十分に発揮されない。また、50000ppmを越えると添加量の割には効果の向上が見られず、むしろ経済的に不利となり、薄膜蒸留装置の蒸発面に析出あるいは回転部分に滞り、蒸留効率の低下や蒸留を妨げるため好ましくない。
本発明の方法における薄膜蒸留温度は特に制限はないが、通常、50〜200℃の範囲であり、好ましくは50〜150℃である。蒸留温度がこの範囲内であれば、重合抑制効果が十分に発揮される。また、本薄膜蒸留の圧力としては0.01〜1kPaの範囲が選ばれる。この薄膜蒸留条件により重合を抑制しつつ、高沸不純物を除去でき、効率的に高品質のビニル安息香酸−第3級ブチルエステルを得ることができる。
本発明は、アルカリ水溶液洗浄操作とニトロソ化合物などに代表される蒸留安定剤を添加して薄膜蒸留する操作を併用することを特徴としており、この併用によりビニル安息香酸含量0.5重量%以下及び高沸不純物含量0.5重量%以下の高品質ビニル安息香酸−第3級ブチルエステルが製造可能となる。
以上の説明から明らかなように、本発明の方法によれば、レジスト用途等に有用なビニル安息香酸含量0.5重量%以下及び高沸不純物含量0.5重量%以下である不純物含量の少ない高品質のビニル安息香酸−第3級ブチルエステルを効率よく製造できる。
以下に、本発明の方法を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
本発明で得られたビニル安息香酸−第3級ブチルエステルの測定は、以下の方法で行った。
1)ガスクロマトグラフィー測定
装置:島津製作所製 GC−17A
カラム:NB−5 0.32mmI.D.×30m,df=0.4μm
温度:100℃→250℃,(5℃/分)
キャリアガス:ヘリウム 75kPa
インジェクター:スプリッター 1:100,温度=250℃
ディテクター:FID,温度=250℃
レンジ:10
サンプルサイズ:0.2μl
2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定
サンプル:0.1g/THF4ml
装置:東ソー製 デュアルポンプCCPS
東ソー製 示差屈折計 RI−8022
カラム:TSKゲル G2000HXL 7.5mmI.D.×30cm
流速:THF 1ml/分
サンプルサイズ:100μl
実施例1
窒素雰囲気で置換した500mlフラスコに、金属マグネシウム7.92g(0.326mol)、テトラヒドロフラン253.0g、臭化エチル1.44g(0.013mol)を仕込み、50℃で30分攪拌した。続いて同温度で、4−クロロスチレン 42.8g(0.308mol)を約4時間かけて滴下した。さらに、同温度で3時間攪拌し、グリニャール試薬を得た。
窒素雰囲気で置換した1000mlフラスコに、予めジ−第3級ブチルジカーボネート 63.9g(0.293mol)、トルエン185.0gを仕込み、液温を0℃に保持し、上記の操作で得られたグリニャール試薬の上澄液を、この反応液の温度を0〜10℃で保持しながら3時間かけて滴下し、さらに同温度で30分攪拌を行った。
反応終了後、反応液に5重量%塩酸水溶液225.0gを、この反応液の温度を0〜10℃で保持しながら1時間かけて滴下し、生成した塩を溶解した後に静置し、有機層を分離した。この分離有機層に5重量%の炭酸ナトリウム水溶液を150g加え、攪拌洗浄してから有機層を分離した。さらに、この分離有機層を100gの水で洗浄した。得られた有機層の溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。
これに蒸留安定剤であるN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩(和光純薬工業株式会社製)0.1gを加え、100℃/0.1kPaの条件で薄膜蒸留を行い、4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル留分 44.8gを得た。この留分をガスクロマトグラフィー及びゲルパーミエーションクロマトグラフィー(示差屈折検出)で分析した結果、4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステルの純度は99.5%であり、ビニル安息香酸を0.08重量%、高沸不純物を0.04重量%含有していた。4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル収率は71.0%(4−クロロスチレン基準)であった。
実施例2
実施例1と同一の反応方法及び反応条件下で得られた反応液に、10重量%塩酸水溶液110.0gを、この反応液の温度を0〜10℃で保持しながら1時間かけて滴下し、生成した塩を溶解した後に静置し、有機層を分離した。次に、この分離有機層に5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を100g加え、攪拌洗浄してから有機層を分離した。さらに、この分離有機層を100gの水で洗浄した。得られた有機層の溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。これに蒸留安定剤であるN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩(和光純薬工業株式会社製)0.2gを加え、110℃/0.2kPaの条件で薄膜蒸留を行い、4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル留分 43.6gを得た。この留分をガスクロマトグラフィー及びゲルパーミエーションクロマトグラフィー(示差屈折検出)で分析した結果、4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステルの純度は99.4%であり、ビニル安息香酸を0.10重量%、高沸不純物を0.09重量%含有していた。4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル収率は69.0%(4−クロロスチレン基準)であった。
実施例3
実施例1と同一仕込み、同一条件の反応、酸処理、アルカリ洗浄処理及び水洗処理により得られた有機層の溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。これに蒸留安定剤であるp−第3級ブチルカテコール 0.2gを加え、110℃/0.2kPaの条件で薄膜蒸留を行い、4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル留分 42.3gを得た。この留分をガスクロマトグラフィー及びゲルパーミエーションクロマトグラフィー(示差屈折検出)で分析した結果、4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステルの純度は98.9%であり、ビニル安息香酸を0.40重量%、高沸不純物を0.38重量%含有していた。4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル収率は66.6%(4−クロロスチレン基準)であった。
実施例4
実施例1の4−クロロスチレンを3−クロロスチレンに代えた以外は、すべて実施例1と同一仕込み、同一条件の反応、酸処理、アルカリ洗浄処理及び水洗処理により得られた有機層の溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。これに蒸留安定剤であるN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩(和光純薬工業株式会社製)0.1gを加え、100℃/0.1kPaの条件で薄膜蒸留を行い、3−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル留分 43.2gを得た。この留分をガスクロマトグラフィー及びゲルパーミエーションクロマトグラフィー(示差屈折検出)で分析した結果、3−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステルの純度は99.4%であり、ビニル安息香酸を0.10重量%、高沸不純物を0.06重量%含有していた。3−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル収率は68.3%(3−クロロスチレン基準)であった。
比較例1
実施例1と同一仕込み、同一条件の反応及び酸処理で得られた有機層を、アルカリ洗浄を実施せずにそのまま分離し、100gの水で洗浄した。得られた有機層の溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。これに蒸留安定剤であるp−第3級ブチルカテコール 0.2gを加え、120℃/0.3kPaの条件で還流比を調整しながら精製蒸留を行ったところ、蒸留途上で加熱していた粗生成物が分解、重合し、ビニル安息香酸が留出路に析出し、ボトムは固化して蒸留困難となった。得られた4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル留分は5.2gであり、この留分をガスクロマトグラフィー及びゲルパーミエーションクロマトグラフィー(示差屈折検出)で分析した結果、4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステルの純度は96.5%であり、ビニル安息香酸を1.9重量%、高沸不純物を0.8重量%含有していた。4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル収率は8.0%(4−クロロスチレン基準)であった。
比較例2
実施例1と同一仕込み、同一条件の反応及び酸処理で得られた有機層を、アルカリ洗浄を実施せずにそのまま分離し、100gの水で2回洗浄した。得られた有機層の溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。これに蒸留安定剤であるp−第3級ブチルカテコール 0.2gを加え、100℃/0.1kPaの条件で薄膜蒸留を行ったところ、蒸留途上で粗生成物中に含まれていたビニル安息香酸が蒸発面及び留出路に析出し、留出路を閉塞して蒸留困難となった。得られた4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル留分は27.7gであり、この留分をガスクロマトグラフィー及びゲルパーミエーションクロマトグラフィー(示差屈折検出)で分析した結果、4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステルの純度は97.5%であり、ビニル安息香酸を1.5重量%、高沸不純物を0.6重量%含有していた。4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル収率は42.0%(4−クロロスチレン基準)であった。
比較例3
実施例1と同一仕込み、同一条件の反応、酸処理及びアルカリ水溶液洗浄で得られた有機層を、さらに100gの水で洗浄した。得られた有機層の溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。これに蒸留安定剤であるp−第3級ブチルカテコール 0.2gを加え、120℃/0.3kPaの条件で還流比を調整しながら精製蒸留を行ったところ、蒸留途上で加熱していた粗生成物が重合固化して蒸留困難となった。得られた4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル留分は19.2gであり、この留分をガスクロマトグラフィー及びゲルパーミエーションクロマトグラフィー(示差屈折検出)で分析した結果、4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステルの純度は98.5%であり、ビニル安息香酸を0.8重量%、高沸不純物を0.6重量%含有していた。4−ビニル安息香酸−第3級ブチルエステル収率は30.2%(4−クロロスチレン基準)であった。

Claims (4)

  1. 式(1)で表されるビニル安息香酸含量が0.5重量%以下であり、かつ高沸不純物含量が0.5重量%以下であることを特徴とする式(2)で表されるビニル安息香酸−第3級ブチルエステル。
    Figure 2006335715
    Figure 2006335715
  2. 式(3)で表されるグリニャール試薬に、式(4)で表されるジ−第3級ブチルジカーボネートを反応させて、ビニル安息香酸−第3級ブチルエステルを製造する方法において、反応後にアルカリ水溶液洗浄操作と薄膜蒸留操作を併用して用い、精製することを特徴とする請求項1に記載のビニル安息香酸−第3級ブチルエステルの製造方法。
    Figure 2006335715
    Figure 2006335715
  3. 蒸留安定剤を添加して薄膜蒸留操作することを特徴とする請求項2に記載のビニル安息香酸−第3級ブチルエステルの製造方法。
  4. 蒸留安定剤としてニトロソ化合物を添加し、薄膜蒸留操作することを特徴とする請求項2乃至請求項3に記載のビニル安息香酸−第3級ブチルエステルの製造方法。
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