JP5090608B2 - 触媒作用下におけるチアゾール誘導体の製法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は各場合において遊離形態または塩形態にある、下記式:
【化8】
Figure 0005090608
で表され、場合によっては、E/Z異性体、E/Z異性体混合物および/またはその互変異性体の形態を有し、上記式において、QがCHまたはN;YがNO2またはCN;ZがCHR3、O、NR3 またはS;R1およびR2が互いに水素またはR4によって置換されないかまたは置換されるC1-C8アルキルであるか、または2個または3個の炭素原子を有し、場合によってはNR5、OおよびSから成るグループから選択されるヘテロ原子を含むアルキレン・ブリッジであり、R3がHまたはR4によって置換されない、または置換されるC1-C12アルキルである化合物の製法であって:
【0002】
a)公知であるか、または公知の方法で製造でき、Xが離脱基を表す、下記式
【化9】
Figure 0005090608
で表される、化合物を塩素化剤と反応させることによって、下記式
【化10】
Figure 0005090608
で表される各場合において遊離または塩の形態にある、化合物、場合によってはその互変異性体を、形成する工程と;
b)このようにして得られた式(III)の化合物を、公知であるか、またはそれ自体は公知の方法で製造でき、R1、R2、Y、ZおよびQが式(I)の化合物に関して定義したのと同じ内容を表す下記式:
【化11】
Figure 0005090608
の化合物を反応させる工程と;
を含み、製造工程a)における塩素化を、触媒作用量のSO2の存在下で塩素化剤を使用して行うことを特徴とする上記製法と;
上記製造工程による式(III)の化合物の製法と;上記製法における式(II)、(III)および(IV)の化合物の利用と、に係わる。
【0003】
式(I)の化合物は貴重な殺虫剤として知られ、この化合物の合成方法は文献に記載されている。しかし、文献から公知の製法は安全上重大な問題を伴うことが判明している。また、公知の製法で製造された式(III)が純度の点で必要条件を満たさず、恐らくは不純物が原因で熱的に不安定であり、そのことが生産設備における深刻な問題につながる恐れがあること、さらに、これらの公知製法が、例えば、収量、合成周期の長さ、体積収量、生態学的および毒物学的に問題となる廃棄物、例えば、溶剤、SO2などの処分等々、種々のパラメータに関しても重大な欠点を伴うことが判明している。
【0004】
従って、公知の製法はすべての点で満足できないものであり、これらの問題に鑑み、式(I)、特に式(III)の化合物の製法に改良を加える必要がある。
【0005】
欧州特許公開第446913号の例1では、式(II)の化合物を塩素と反応させることによって、73%の粗収率で式(III)の2−クロロ−5−クロロメチル−チアゾールを得ている。欧州特許公開第446913号の例2では、同じ反応を、塩素の代わりにSO2Cl2を使用して行っている。この例では、粗収率は82%である。欧州特許公開第446913号の例1では2−クロロ‐5-クロロメチル‐チアゾールの含量が記述されていない。例2では、90%をやや上回る2‐クロロ‐5‐クロロメチル‐チアゾールの含量が記述されており、このことから約74%の理論上の収率を期待することができる。SO2Cl2を使用する製法の場合、収率が高いということ自体が工業的規模での量産にとって大きい利点であり、SO2Cl2を使用する製法では、Cl2を使用する場合と比較して、同じ単位時間により大量の材料を処理でき、発生する廃棄物がはるかに少なく、この点でも有益である。しかし、SO2Cl2の使用には軽視できない欠点がある。
【0006】
即ち、化学量論量のSO2が生成し、これを除去するため、Cl2を使用してSO2をSO2Cl2にリサイクルするか、または酸化によってSO2をSO4 2-に変換しなければならない。ところが、SO4 2-は生態学的に有害ではないが、廃水浄化システムのコンクリート壁を著しく損傷させるから、極めて厄介である。他方、Cl2を使用してSO2をSO2Cl2に変換するには、当然のことながら特殊な生成装置を設置しなければならない。本発明はこれらの問題を意外に簡単な手段で解決することができた。
【0007】
このことに関連して、欧州特許公開第446913号の例1には、下記式:
【化12】
Figure 0005090608
の化合物をクロロホルム中で塩素化すると、
【化13】
Figure 0005090608
及び
【化14】
Figure 0005090608
で表わされる構造を有すると想定される中間体の混合物が形成されることを記述している。
【0008】
この中間体混合物を約+40℃に冷却すれば、完全に反応して式(III)の化合物を形成することができる。ところが、この方法を採用した場合、とりわけ危険な発熱ポテンシャルが増大し、最悪の場合、大事故につながる。本発明の製法の一実施例では、反応を連続的に行い、単位時間に蓄積される前記中間体の量を極力少なくし、個々の反応装置における滞留時間を短くすることによって、この問題を回避する。
【0009】
式(I)〜(IV)で表される化合物のうちには、不斉炭素を含有し、その結果として、化合物が光学活性形態を呈することがある。式(I)〜(IV)このような異性体のすべて、およびその混合物、例えばラセミ体またはE/Z異性体混合物を含むものとする。
【0010】
本明細書中に使用する一般的な用語は、特に断らない限り、下記のような内容を意味する:
【0011】
特に断らない限り、炭素を含む基および化合物はそれぞれ1〜8個の、好ましくは1〜6個の、特には1〜4個の、より特には1または2個の炭素原子を含む。
【0012】
アルキルは、基自体である場合でも、例えば、ハロアルキル、アリールアルキルおよびヒドロキシアルキルのように他の基および化合物の構造要素である場合でも、問題の基または化合物に含まれる炭素の特定個数に応じて直鎖アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルであるか、または側鎖アルキル、例えば、イソプロピル、イソブチル、第2ブチル、第3ブチル、イソペンチル、ネオペンチルまたはイソヘキシルである。
【0013】
アルケニルは、基自体である場合でも、例えば、ハロアルケニルやアリールアルケニルのように他の基および化合物の構造要素である場合でも、問題の基または化合物に含まれる炭素の特定個数に応じて直鎖アルケニル、例えば、ビニル、1−メチルビニル、アリル、1−ブテニルまたは2−ヘキセニルであるか、または側鎖アルケニル、例えば、イソプロペニルである。
【0014】
アルキニルは、基自体である場合でも、例えば、ハロアルキニルのように他の基および化合物の構造要素である場合でも、問題の基または化合物に含まれる炭素の特定個数に応じて、直鎖アルキニル、例えば、プロパルギル、2−ブチニルまたは5−ヘキシニルであるか、または側鎖アルキニル、例えば、2−エチニルプロピルまたは2−プロパルギルイソプロピルである。
【0015】
3‐C6シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル、特にシクロヘキシルである。
【0016】
アリールはフェニルまたはナフチル、特にフェニルである。
【0017】
ヘテロアリールとは、N、OおよびS、特にNおよびSのうちから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員単環式芳香環、または一方の環、例えば、キノリニル、キノキサリニル、インドリニル、ベンゾチオフェニルまたはベンゾフラニルのみに、または双方の環、例えば、プテリジニルまたはプリニルに、互に独立に、N、OおよびSのうちから選択される1個または2個以上のヘテロ原子を含むことがある双環式ヘテロアリールを意味する。主なヘテロアリールとしては、ピリジル、ピリミジニル、チアゾリルおよびベンゾチアゾリルが挙げられる。
【0018】
ハロゲンは、基自体である場合でも、例えば、ハロアルキル、ハロアルケニルおよびハロアルキニルのように他の基および化合物の構造要素である場合でも、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、特にはフッ素、塩素または臭素であり、より特には塩素または臭素であり、さらに特には塩素である。
【0019】
例えばハロアルキルやハロアルケニルのような、ハロ置換された炭素含有基および化合物は部分ハロゲン化または過ハロゲン化が可能であり、多重ハロゲン化の場合のハロゲン置換基は同一か、または異なる。ハロアルケニルの例としては、基自体である場合でも、例えば、ハロアルケニルのように他の基および化合物の構造要素である場合でも、フッ素、塩素および/または臭素によって1〜3置換されたメチル、例えばCHF2またはCF3;フッ素、塩素および/または臭素によって1〜5置換されたエチル、例えば、CH2CF3、CF2CF3、CF2CCl3、CF2CHCl2、CF2CHF2、CF2CFCl2、CF2CHBr2、CF2CHClF、CF2CHBrFまたはCClFCHClF;それぞれがフッ素、塩素および/または臭素によって1〜7置換されたプロピルまたはイソプロピル、例えば、CH2CHBrCH2Br、CF2CHFCF3、CH2CF2CF3またはCH(CF32;およびフッ素、塩素および/または臭素によって1〜9置換されたブチル、またはその異性体の1つ、例えば、CF(CF3)CHFCF3またはCH2(CF22CF3が挙げられる。ハロアルケニルは例えば、CH2CH=CHCl、CH2CH=CCl2、CH2CF=CF2またはCH2CH=CHCH2Brである。
【0020】
離脱基Xとは、当業者には公知のように、化学反応のために考慮される除去可能な基、特にフッ素、塩素、臭素またはヨウ素、−O−C(=O)−A、−O−P(=O)(−A)2、−O−Si(C1―C8アルキル)3、−O−(C1−C8アルキル)、−O−アリール、−O−S(=O)2A、−S−P(=O)(−A)2、−S−P(=S)(−A)2、−S−(C1−C8アルキル)、−S−アリール、−S(=O)A、−S(=O)2Aまたは−O−C(=O)−Aであり、上記化学式において、Aは非置換または置換C1−C8アルキル、C2−C8アルケニルまたはC2−C8アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ベンジル、C1−C8アルコキシまたはジ(C1−C8アルキル)アミン(但し、アルキル基は互いに独立);NO3、NO2、または硫酸塩、亜硫酸塩、燐酸塩、カルボン酸塩、イミノ・エステル、N2またはカルバミン酸塩である。
【0021】
式(I)〜(IV)で表される化合物のうちには、互変体の形態を呈するものがある。従って、これらの化合物は、特に断らない場合でも、対応の互変体をも含むものとする。
【0022】
少なくとも1個の塩基中心(basic centre)を有する式(I)〜(IV)化合物は、例えば、酸付加塩を形成することができる。これらの酸付加塩は、鉱酸のような無機強酸(例えば、過塩素酸、硫酸、硝酸、亜硝酸、燐酸またはハロゲン化水素酸)、非置換または置換、例えば、ハロ置換C1−C4アルカンカルボン酸(例えば、酢酸)、飽和または不飽和ジカルボン酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸およびフタル酸)、ヒドロキシカルボン酸(例えば、アスコルビン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、または安息香酸)、または、非置換または置換、例えば、ハロ置換C1−C4アルカン−またはアリール−スルホン酸(例えば、メタン−またはp−トルエン−スルホン酸)とで形成することができる。また、少なくとも1個の酸根を有する式(I)〜(IV)の化合物は塩基性塩を形成することができる。好適な塩基性塩としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属塩(例えば、ナトリウム、カリウムおよびマグネシウム塩)のような金属塩のほか、モルフォリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ−、ジ−またはトリ−低級アルキルアミン(例えば、エチル−、ジエチル−またはジメチル−プロピル−アミン)、またはモノ−、ジ−またはトリ−ヒドロキシ−低級アルキルアミン(例えば、モノ−、ジ−またはトリ−エタノールアミン)のようなアンモニアまたは有機アミンを有する塩が挙げられる。さらにまた、対応の分子内塩を形成することもできる。式(I)〜(IV)の化合物という場合、遊離形態の式(I)〜(IV)の化合物のほか、対応の塩も含まれるものとする。式(I)〜(IV)の化合物の互変体およびその塩についても同様である。式(I)および(III)の化合物の場合、遊離形態での製法に重きが置かれる。
【0023】
本発明は特に式(I)で表される化合物の製法に係わり、
(1)式(I)および(IV)の化合物において、R1およびR2はそれぞれ他と独立に水素またはC1−C4アルキルであるか、または共に、NR5、OおよびSのうちから選択されるヘテロ原子を含むこともある2−または3−員アルキレン・ブリッジを形成し、R5はHまたはC1−C4アルキルであり;
【0024】
特には、水素であるか、または共にNR5、OおよびSのうちから選択されるヘテロ原子を含むこともある2−または3−員アルキレン・ブリッジを形成し;
【0025】
より特には、R1およびR2が共に−CH2−O−CH2−、−CH2−CH2−CH2−または−CH2−CH2−を形成し;
【0026】
(2)QがNであり;
(3)YがNO2であり;
(4)ZがNR3、R3がHまたはC1−C4アルキルであり;
(5)製造工程a)において、反応温度は−30℃〜100℃の範囲、好ましくは0℃〜50℃の範囲、特に好ましくは20℃〜45度の範囲であり;
【0027】
(6)製造工程a)の反応は0℃〜30℃の温度範囲で、好ましくは20℃において、アセトニトリル中で行われ;
【0028】
(7)式(II)の化合物におけるXは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素のようなハロゲン、−O−C(=O)−A、−O−P(=O)(A)2、−O−S(=O)2A、−S−P(=O)(−A)2、−S−P(=S)(−A)2、−S(=O)Aまたは−S(=O)2Aであり、上記化学式におけるAは、非置換または置換C1−C8アルキル、C2−C8アルケニルまたはC2−C8アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ベンジル、C1−C8アルコキシまたはジ(C1−C8アルキル)アミンであり、アルキル基が互いに独立であり;特には、Xが塩素、臭素またはヨウ素、より特には塩素または臭素であり;さらに特にはXが塩素であり;
【0029】
(8)式(II)で表される出発物質に対して、1モル%〜50モル%、好ましくは10モル%〜40モル%、さらに好ましくは15モル%〜30モル%の量のSO2を使用し;
(9)SO2をSO2ガスの形態で、またはSO2−放出剤、好ましくはSO2Cl2の形態で使用し;
【0030】
(10)製造工程a)に連続法を採用する。
【0031】
特に好適な製造条件は、実施例において詳細に説明する。
本発明の製法は国際公開第98/32747号パンフレットから公知のチアメトキサム;および欧州特許公開第446913号から公知のTi-435(クロチアニジン)の製造に特に好適である。
【0032】
製造工程 a ):
ここに述べる製造工程a)の反応は、もし必要なら、不活性ガス雰囲気中でおよび/または無水条件下で、加圧下の密閉容器内で行われる。特に有益な反応条件は実施例において詳細に説明する。
【0033】
反応体はそのまま、即ち、溶剤も希釈剤も必要とせずに、例えば、溶融した形態で互に反応させることができる。但し、多くの場合、溶剤または希釈剤を添加することが好ましい。好適な溶剤としては、非プロトン性溶剤、特に例えば下記のものが挙げられる:ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレンおよびテトラクロロエチレンのような脂肪族、芳香族および脂環式炭化水素;エチルアセテート、メチルアセテート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、エトキシエチルアセテートおよびメトキシエチルアセテートのようなエステル;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメトキシジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンのようなエーテル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトンおよびメチルイソブチルケトンのようなケトン;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンおよびヘキサメチル燐酸トリアミドのようなアミド;アセトニトリルおよびプロピオニトリルのようなニトリル;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド;ニトロメタン、ニトロエタンおよびニトロベンゼンのような芳香族ニトロ化合物;またはこれらの溶剤の混合物。好ましいのは極性非プロトン性溶媒、特にアミドやニトリルのようなカルボン酸誘導体であり;特に好ましい溶剤は実施例において詳細に説明する。
【0034】
好適な塩素化剤としては、特に塩素、POCl3、PCl3、PCl5およびSO2Cl2;より特には塩素またはSO2Cl2、さらに特には塩素およびSO2Cl2が挙げられる。
【0035】
触媒作用量とは、式(II)の出発物質に基づく化学量論量以下の量である。SO2はそのものをガス状で添加するか、SO2を放出できる化合物を添加すればよい。この目的にはSO2Cl2が特に好適である。
【0036】
製造工程a)の好ましい実施態様においては、触媒作用に必要なSO2Cl2の一部または全部を先ず計量してから、塩素化剤、好ましくはCl2を添加する。
【0037】
製造工程 b ):
反応体はそのままで、即ち、溶剤や希釈剤を添加することなく、例えば、溶融形態において互に反応させることができる。但し、多くの場合、不活性の溶剤または希釈剤、またはその混合物を添加することが有益である。ここに述べる溶剤または希釈剤の例は製造工程a)に関して述べたのと多少とも同じであるが、アルコールやプロトン性アミドのようなプロトン性溶剤も好適である。問題の反応を塩基の存在において行う場合、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルフォリンまたはN,N−ジエチルアニリンのような余剰に使用される塩基は溶剤または希釈剤としても作用する。
【0038】
反応は好ましくは約0℃〜約+180℃、特に約+10℃〜約+80℃の温度、多くの場合、室温と溶剤還流温度の間で行われる。製造工程b)の特に好ましい実施例では、式(IV)の化合物を、0℃〜120℃、特には20℃〜80℃、好ましくは30℃〜60℃において、エステル、特にジメチルかルボネート中で、好ましくは塩基、特にK2CO3の存在において反応させる。
【0039】
反応は好ましくは常圧下において行う。
反応時間は特に規定されないが、0.1〜48時間、特に0.5〜12時間か好ましい。
【0040】
生成物を、通常の方法、例えば、濾過、晶析、蒸留またはクロマトグラフィーまたはこれらの方法の適当な組合せによって分離する。
達成される収率はまずまず良好である。理論値の80%に相当する収率が得られることが多い。
【0041】
好ましい反応条件は実施例に関連して説明する。
式(I)〜(IV)の化合物の塩は、それ自体が公知の方法で製造することができる。例えば、適当な酸または適当なイオン交換試薬で処理することによって酸添加塩が得られ、適当な塩基または適当なイオン交換試薬で処理することによって塩基性塩が得られる。
【0042】
式(I)〜(IV)の化合物の塩は、通常の方法で式(I)〜(IV)の遊離化合物に変換することができ;酸添加塩は、例えば、適当な塩基性媒質または適当なイオン交換試薬で処理することによって変換でき、塩基性塩は、例えば、適当な酸または適当なイオン交換試薬で処理することによって変換することができる。
【0043】
式(I)〜(IV)の化合物の塩はそれ自体公知の方法で式(I)〜(IV)の化合物の異なる塩に変換することができる;例えば、塩酸塩のような無機酸の塩を、適当な溶剤、即ち、溶剤中で塩化銀のような無機塩が形成され、この無機塩が不溶性であり、従って反応混合物から沈殿するような溶剤中で、酸のナトリウム、バリウムまたは銀塩のような適当な金属塩、例えば、酢酸銀で処理することによって酸付加塩を異なる酸付加塩に変換することができる。
【0044】
方法および/または反応条件に応じて、塩形成性の式(I)〜(IV)の化合物を遊離の形態で、または塩の形態で得ることができる。
【0045】
遊離または塩形態を呈する式(I)〜(IV)の化合物、および場合によってはそれらの互変体は、例えば、分子中に含まれる不斉炭素数とその絶対および相対配置に応じておよび/または分子中の非芳香族二重結合の配置に応じて、純粋異性体、例えば、対掌体および/またはジアステレオマーの形態、または鏡像異性体の混合物のような異性体混合物、例えば、ラセミ体、ジアステレオマー混合物またはラセミ混合物の形態を呈する;従って、立体化学的な詳細を記述しない場合でも、本発明は純粋異性体だけでなく、考えられるあらゆる異性体混合物にも係わる。
【0046】
出発物質および手順に応じて本発明の製法で、またはその他の手段によって得られる式(I)〜(IV)の化合物のジアステレオマー混合物またはラセミ混合物、またはそれらの塩は、構成成分の物理的化学的相違点に基づき、公知の方法、例えば、分別晶析、蒸留および/またはクロマトグラフィーによって分離することができる。
【0047】
このようにして得られる鏡像異性体混合物、例えば、ラセミ体混合物は、公知の方法、例えば、光学活性溶剤からの再結晶、キラル吸収剤でのクロマトグラフィー、例えば、適当な微生物を利用するアセチルセルロースでの高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、唯一の鏡像異性体がキラル錯体である場合なら、例えば、キラル・クラウンエーテルを使用した包含化合物の形成を介しての、特定固定化酵素による切断、または、ジアステレオマー塩への変換、例えば、塩基性最終生成物であるラセミ体とカルボン酸のような光学活性酸、例えば、カンフル酸、酒石酸またはリンゴ酸、またはカンフルスルホン酸のようなスルホン酸との反応に続いて、こうして得られるジアステレオマー混合物を、それぞれ異なる溶解度に基づき、分別晶析によってジアステレオマーに分離することによって光学対掌体に分離することができ、適当な、例えば、塩基性媒質の作用下に、所要の鏡像異性体を遊離させることができる。
【0048】
純粋なジアステレオマーおよび鏡像異性体は、対応の異性体混合物の分離に限らず、本発明では、適当な立体化学特性を有する出発物質で本発明の製法を実施することにより、公知のジアステレオマー選択または鏡像異性体選択合成でも得ることが出来る。
【0049】
式(I)〜(IV)の化合物およびその塩は、水化物の形態でも得られ、および/または他の溶剤、例えば、固形の化合物の晶析に利用できる溶剤を含むことができる。
【0050】
本発明は、いずれかの製造工程において出発物質または中間体として得られる化合物を出発物質として使用し、残りの工程のすべてまたは幾つかを実施するか、または出発物質を誘導体または塩および/またはそのラセミ体または対掌体の形態で使用するか、または特に、出発物質を反応条件下で形成する、すべての実施態様に係わる。
【0051】
本発明の製法または他の手段によって得られる式(I)〜(IV)の化合物は、それ自体は公知の方法で種々の対応する化合物に変換することができる。
本発明の製法においては、出発物質および中間体を、いずれの場合にも、遊離または塩形態で使用することが好ましく、従って、頭書の式(I)の化合物またはその塩が特に有用である。
【0052】
本発明は特に、実施例において述べる製法に係わる。
本発明はまた、上記製造工程a)に従って式(II)の化合物から式(III)の化合物を製造する方法にも係わる。
式(IV)の化合物の好ましい置換基は式(I)の化合物の製法に関連して述べた置換基と同じである。
【0053】
式(II)および(IV)の化合物は、例えば、殺虫剤を製造するための中間体として公知であるか、またはそれ自体は公知の製法を利用して製造することが出来る。
【0054】
製造例
A)2−クロロ−5−クロロメチル−チアゾールの製造
例P1:133gのクロロベンゼンに73gの2−クロロ−3−イソチオシアネート−1−プロペンを溶かした溶液に、20℃において10gのSO2を導入する。次いで、6時間かけて45gの塩素を液面下に導入する。次いで、反応混合物を50℃に加熱し、ガス放出が止むまで50℃に維持する。得られた232gの溶液は、ガスクロマトグラフィー分析によれば、29.4重量%の2−クロロ-―クロロメチル-チアゾールを含有する。収率:2-クロロ-3−イソチオシアネート-1−プロペンに基づく理論収率81.3%。
【0055】
例P2:同様の実験において、触媒無しで49gの塩素を使用し、その他の使用化学物質の量および反応パラメータは例1と同じに設定する。得られた236gの溶液は、ガスクロマトグラフィー分析の結果、20.9重量%の2−クロロ-5−クロロメチル-チアゾールを含有する。収率:2-クロロ-3−イソチオシアネート-1−プロペンに基づく理論収率58.5%。
【0056】
例P3:931gのクロロベンゼンに509gの2−クロロ-3−イソチオシアネート-1−プロペンを溶かした溶液に、30℃において35gのSO2を導入する。次いで、6時間かけて290gの塩素を液面下に導入する。反応混合物を50℃に加熱し、ガス放出が止むまで攪拌する。次いで120ミリバールの真空を作用させ、1時間に亙ってこの状態を維持する。得られた1589gの溶液は、ガスクロマトグラフィー分析の結果、30.8重量%の2−クロロ-5−クロロメチル-チアゾールを含有する。収率:2−クロロ−3−イソチオシアネート−1−プロペンに基づく理論収率83.2%。
【0057】
得られた粗溶液1571gを、温度75℃、内部圧力5ミリバールにおいて蒸留することにより、94.5重量%の2−クロロ−5−クロロメチル−チアゾールを含有する488.2gの材料を生成する。
【0058】
例P4:266gのクロロベンゼンに146gの2−クロロ−3−イソチオシアネート−1−プロペンを溶かした溶液に、20℃において21gのSO2Cl2を導入する。次いで、40℃において、5時間かけて69gの塩素を液面下に導入する。反応混合物を50℃に加熱し、ガス放出が止むまで攪拌する。120ミリバールの真空を作用させ、この状態を1時間持続する。得られた441gの溶液は、ガスクロマトグラフィー分析の結果、31.2重量%の2−クロロ−5−クロロメチル−チアゾールを含有する。収率:2−クロロ−3−イソチオシアネート−1−プロペンに基づく理論収率81.9%。
【0059】
例P5:266gのアセトニトリルに146gの2−クロロ−3−イソチオシアネート−1−プロペンに溶かした溶液に、20℃において、11gのSO2を、次いで、6時間かけて82gの塩素を液面下へ導入する。反応混合物を50℃に加熱し、ガス放出が止むまで攪拌する。580ミリバールの真空を作用させ、この状態を1時間に亙って維持する。このようにして得られた溶液は、ガスクロマトグラフィー分析の結果、32.7重量%の2−クロロ−5−クロロメチル−チアゾールを含有する。収率:2−クロロ−3−イソチオシアネート−1−プロペンに基づく理論収率90.8%。
【0060】
例P6:(連続反応法)20℃〜22℃において、370mlの容積を有するループ型反応装置へ、アセトニトリル中に33(重量)%の2−クロロ−3−イソチオシアネート−1−プロペンを含有する925gの溶液、177.5gの塩素および24.7gのSO2を毎時、連続的に且つ同時に導入する。内部温度が50℃の後段反応装置へ導入する。後段反応装置からは、32.2重量%の2−クロロ−5−クロロメチル−チアゾールを含有する1086gの反応溶液を得る。これは2−クロロ-3−イソチオシアネート-1−プロペンに基づく理論収率91.1%に相当する。
【0061】
B)3−(2−クロロ - チアゾール - 5−イル - メチル)−5−メチル‐4−ニトロイミノ - ペルヒドロ - 1,3,5−オキサジアジンの製造
例P7:スルホン化フラスコ中の400gのジメチルカーボネートに、184gの3−メチル−4−ニトロイミノ−ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン100%を導入し、168gの2−クロロ−5−クロロメチル−チアゾール100%を添加する。混合物を65℃に加熱する。62〜68℃において攪拌しながら、350gのジメチルカーボネート、4gのテトラメチル水酸化アンモニウムペンタハイドレートおよび242gの炭酸カリウムから成る混合物を60分かけて計量導入し、99%以上の2−クロロ−5−クロロメチルチアゾールが変換されるまで、反応混合物を充分に攪拌する。
【0062】
次いで、反応混合物を冷却し、600gの水を添加する。約260gの32%塩酸を利用してpHを6.5に調整し;相が分離するまで混合物を放置し、有機相を分離する。最終重量が600gとなるまで有機相を真空中で濃縮する。混合物をゆっくり0〜5℃まで冷却し、この状態を1時間に亙って維持する。得られた懸濁液を濾過する。
【0063】
98〜99%の純度(2−クロロ−5−クロロメチルチアゾール100%に基づく理論純度74%)を有する218gの表題生成物が得られる。
【0064】
本発明はまた、
(B)
c)(A)において述べた式(II)の化合物を塩素化剤と反応させることによって、下記式:
【化15】
Figure 0005090608
の、各場合において遊離または塩形態にある、化合物、または場合によってはその互変体を形成し;そして
d)得られた式(III)の化合物を(A)において述べた式(IV)の化合物と反応させ;
式(III)の化合物を融液結晶化法で中間精製することを特徴とする、(A)において述べた式(I)の化合物の製法;
工程c)において得られる式(III)の化合物の製法および上記工程において得られる式(II)、(III)および(IV)の化合物の利用;
にも係わる。
【0065】
式(I)の化合物は貴重な殺虫剤として知られ、この化合物の合成方法は文献に記載されている。しかし、公知の製法で製造された式(III)が純度の点で必要条件を満たさず、恐らくは不純物が原因で熱的に不安定であり、そのことが生産設備における深刻な問題につながる恐れがあること、さらに、これらの公知製法が、例えば、上記式(I)の最終生成物の収量や品質などのようなパラメータに関しても重大な欠点を有することが判明している。
【0066】
従って、公知の製法はすべての点で満足できないものであり、これらの問題に鑑み、式(I)、特に式(III)の化合物の製法に改良を加える必要がある。本発明の精製方法を採用すれば式(III)の化合物を、例えば、高純度で製造でき、化合物2−クロロ−5−クロロメチルチアゾールの使用および貯蔵が、文献から公知の製法に比較して安全性リスクの著しい軽減につながるとの所見が得られた。
【0067】
2−クロロ−5−クロロメチルチアゾールの融液結晶化による精製には、他の精製方法に比較して幾つかの長所がある。2−クロロ−5−クロロメチルチアゾールは熱的に不安定であり、その上、熱的応力が増大すると化合物が不安定になるといういわゆる“熱記憶”を有するから、いかなる種類であれ、熱的応力を極力避けねばならない。さらに、例えば蒸留精製の場合、副次的生成物をすべて分離することは容易ではない。蒸留精製には多数のプレートを有するカラムが必要であり、従って高い蒸留温度が必要であり、その分だけ生成物のロスが大きくなり、蒸留工程の熱的安全性が低下する。
【0068】
融液結晶化は少なくとも98%の純度を有する2−クロロ−5−クロロメチルチアゾールの精製を可能にする。含有されている2−クロロ−5−クロロメチルチアゾールを回収するために母液をリサイクルすることも可能である。さらに、融液結晶化は作業温度が低く、しかも工程には溶剤も添加剤も使用されないから、装置が腐食するリスクが極めて低い。
【0069】
本発明はその範囲(B)内において、特に式(I)で表される化合物の製法に係わり、
(1)式(I)および(IV)の化合物において、R1およびR2は共に−CH2−O−CH2−、−CH2−CH2−CH2−または−CH2−CH2−であり;
(2)QがNであり;
(3)YがNO2であり;
(4)ZがNR3、R3がHまたはC1−C4アルキルであり;
【0070】
(5)精製工程が0℃〜+25℃、特に+5℃〜+15℃で製造工程a)において行われ;
(6)式(II)の化合物におけるXがフッ素、塩素または臭素;特には塩素または臭素、さらに特には塩素であり;
【0071】
(7)工程c)において、比誘電率が10超、特には20超、より特には25超;さらに特には30超の非プロトン性極性溶剤が使用され;
【0072】
(8)工程c)において、溶剤としてアセトニトリル、プロイオニトリルまたはブチロニトリルのようなカルボン酸ニトリル;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミドまたは1−メチルピロリジン−2−オンのようなカルボン酸アミド;プロピレンカーボネートのようなカルボン酸エステル;ニトロメタンまたはニトロエタンのようなニトロアルカン;ニトロベンゼン;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド;スルホラン;ヘキサメチル燐酸トリアミド;1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン;テトラメチルウレアのような尿素誘導体;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルまたはジメトキシジエチルエーテルのようなエーテル;またはこれらの溶剤の混合物が使用され;
【0073】
(9)ハロゲン化剤としてCl2、Cl2とSO2の混合物またはCl2とSO2Cl2の混合物を使用し;特に、塩素化を、触媒作用量のCl2、およびSO2またはSO2Cl2を使用して行い、より特には、式(II)の出発物質に対して10〜40モル%のSO2またはSO2Cl2を使用し;
【0074】
(10)製造工程c)において、式(III)の粗生成物の製造に連続法を採用する。
【0075】
この製法は国際公開第98/32747号パンフレットから公知のチアメトキサム;および欧州特許公開第446913号から公知のTi-435(クロチアニジン)の製造に特に好適である。
【0076】
好適な溶剤の比誘電率は、例えば、C.Reichardt, Solvents and Solvent Effect, VCH Verlagsgesellschaft, Weinheim, 1988, Table A-1, pp. 408-410に記載されている。これらの値が適応する温度も上記表に記載されている。
【0077】
その他の点については、工程c)およびd)に適用される条件は(A)において述べた工程a)およびb)の条件と同じである。
式(I)〜(IV)の化合物の塩は、(A)において述べたようなそれ自体公知の方法で製造することができる。
【0078】
式(I)〜(IV)の化合物の塩は(A)において述べたような公知の方法で式(I)〜(IV)の遊離化合物に変換することもできる。
【0079】
式(I)〜(IV)の化合物は、それ自体公知の方法で式(I)〜(IV)の化合物の異なる塩に変換することができる。
【0080】
式(I)〜(IV)の化合物、およびその塩は、水化物の形態でも得ることが出来、および/または他の溶剤、例えば、固形の化合物の晶析に使用できる溶剤を含むことができる。
【0081】
本発明は、いずれかの製造工程において出発物質または中間体として得られる化合物を出発物質として使用し、残りの工程のすべてまたは幾つかを実施するか、または出発物質を誘導体または塩および/またはそのラセミ体または対掌体の形態で使用するか、または特に、出発物質を反応条件下で形成する、すべての実施態様に係わる。
【0082】
本発明の製法または他の手段によって得られる式(I)、(III)および(IV)の化合物は、それ自体は公知の方法で種々の対応する化合物に変換することができる。
【0083】
本発明の製法においては、出発物質および中間体を、いずれの場合にも、遊離または塩形態で使用することが好ましく、従って、頭書の式(I)の化合物またはその塩が特に有用である。
【0084】
本発明は式(III)の化合物を精製するための融液結晶化法にも係わる。
【0085】
本発明は特に、実施例において述べる製法に係わる。
式(IV)の化合物の好ましい置換基は式(I)の化合物の製法に関連して述べた置換基と同じである。
【0086】
式(II)および(IV)の化合物は、例えば、殺虫剤を製造するための中間体として公知であるか、またはそれ自体は公知の製法を利用して製造することが出来る。
【0087】
製造例
例P8:150gのアセトニトリルに147.5gの2−クロロ−3−イソチオシアネート−1−プロペンに溶かした溶液に、20℃において、約2時間かけて143.2gのスルフリルクロライドを計量添加する。反応はやや発熱性である。反応の終了近くに、溶液を40℃に加熱し、1時間に亙ってこの温度に維持し、この1時間に亙って顕著なガス放出が観察される。溶剤を塩酸と一緒に真空中で濃縮する。2−クロロ−5−クロロメチル−チアゾールの77%溶液187.0gが得られる。これは2−クロロ−3−イソチオシアネート−1−プロペンに基づく理論収率86%に相当する。
【0088】
例P9:20℃において、75mlのジメチルホルムアミドに67.5gの2−クロロ−3−イソチオシアネート−1−プロペンを導入し、反応混合物に6.8gのスルフリルクロライド(0.05モル)を添加する。次いで、余剰の出発物質が検出できなくなるまで、約2時間かけて32.5gの塩素を導入する。添加が完了したら、反応溶液を50℃に加熱し、この温度を1時間維持する。最後に、形成されたHClおよび溶剤真空中において抜取る。含量72%の2−クロロ−5−クロロメチル−チアゾールが得られる。
【0089】
例P10:20℃において、100mlのニトロメタンに87.7gの2−クロロ−3−イソチオシアネート−1−プロペンを導入する。次いで、余剰の出発物質を検出できなくなるまで、約2時間かけて41.5gの塩素を導入する。次いで、反応溶液を40℃で1時間攪拌し、再び冷却する。真空中でHClを抜取り、ニトロメタンを蒸留する。含量91%の2−クロロ−5−クロロメチル−チアゾールが得られる。生成物は下記式:
【化16】
Figure 0005090608
で表される約1%の副次生成物を含有する。
【0090】
例P11:二重壁反応装置において、300gの1,2−ジクロロエタンに166.6gの2−クロロ−3−イソチオシアネート−プロペンを導入する。30℃において、4〜5時間かけて78gの塩素を導入する。次いで、反応混合物を60℃に加熱し、ガス(HCl)放出が止むまで、この温度を60分間維持する。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、攪拌しながら200gの37%塩酸を添加する。相が分離したら、さらに4回、毎回100gの37%塩酸を使用して有機相を抽出する。表題生成物を含有する水性抽出物を一括し、800gの水を添加し、合計500gを5つの部分に分けた1,2−ジクロロエタンによる抽出を行う。抽出物を一括し、溶剤を蒸発させる。含有率約92%の粗融解生成物が得られる。
【0091】
例P12:含有率95%の2.5kgの液状2−クロロ−5−クロロメチル−チアゾールをガラスビーカー中で10℃に冷却し、種結晶を加え、5時間に亙って10℃で放置する。褐色の液体上相と結晶状の下相とを有する2相混合物が形成される。液相を分離し、固相をフィルタに移して濾過する。含有率99%以上、融点28℃〜29℃の白色針状の表題生成物2.3kgが得られる。
【0092】
例P13:3−(2−クロロ−チアゾール−5−イル−メチル)−5−メチル−4−ニトロイミノ−ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン:スルホン化フラスコ中の400gのジメチルカーボネートに184gの3−メチル−4−ニトロイミノ−ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン100%を導入し、含有率99%の170gの2−クロロ−5−クロロ−メチルチアゾールを添加する。混合物を65℃に加熱する。62℃〜68℃において攪拌しながら、350gのジメチルカーボネート、4gのテトラメチル水酸化アンモニウムペンタハイドレートおよび242gの炭酸カリウムから成る混合物を60分かけて計量導入し、99%以上の2−クロロ−5−クロロメチルチアゾールが変換されるまで(LCによってモニター)反応混合物を充分に攪拌する。
【0093】
次いで、反応混合物を冷却し、600gの水を添加する。約260gの32%塩酸を使用してpHを6.5に調整し;相が分離するまで混合物を放置し、有機相を分離する。60℃において真空中で有機相を最終重量が600gとなるまで濃縮する。混合物を0〜5℃までゆっくり冷却し、この温度を1時間維持する。次いで、得られた懸濁液を濾過する。
【0094】
純度が98〜99%(2−クロロ−5−クロロメチルチアゾール100%に基づく理論値74%に相当)の表題生成物218gが得られる。

Claims (4)

  1. 各場合において遊離形態または塩形態にある、下記式(I)
    Figure 0005090608
    {式中、
    QがCHまたはNであり
    YがNO2またはCNであり
    がNR 3 であり
    1およびR2がいずれも互いに独立に、水素またはC 1 -C 4 アルキルであるか、あるいは一緒になって、2個または3個の炭素原子を有し、場合によってはNR5、OおよびSから成るから選択されるヘテロ原子を含むアルキレン・ブリッジであり;
    3がHまたはC 1 -C 4 アルキルであり;そして
    5がHまたはC1−C 4 アルキルである。}で表される化合物、場合によっては、そのE/Z異性体、E/Z異性体混合物および/または互変異性体の製法であって、以下のステップ:
    a)下記式(II)
    Figure 0005090608
    {式中、離脱基である。}で表される化合物を、SO 2 ガスの形態の又はSO 2 Cl 2 から放出された上記式(II)の出発物質に対して10モル%〜40モル%量のSO 2 の存在下で、塩素と反応させて、各場合において遊離または塩の形態にある、下記式(III)
    Figure 0005090608
    で表される化合物形成そして
    b)こうして得られた式(III)の化合物を、下記式(IV)
    Figure 0005090608
    {式中、R1、R2、Y、ZおよびQは前記式(I)の化合物に関して定義したのと同じである。}で表される化合物反応させ
    を含む前記製法。
  2. 製造ステップa)をアセトニトリル中で行う、請求項1に記載の製法。
  3. 製造ステップa)において、連続的方法を採用する、請求項1または2に記載の製法。
  4. 下記式(III)
    Figure 0005090608
    で表される化合物の製法であって、以下のステップ:
    遊離または塩の形態にある、下記式(II)
    Figure 0005090608
    {式中、離脱基である。}で表される化合物を、SO 2 ガスの形態の又はSO 2 Cl 2 から放出された上記式(II)の出発物質に対して10モル%〜40モル%量のSO 2 の存在下で、塩素と反応させる、
    を含む製法
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