JP5090145B2 - 感光性樹脂および感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂および感光性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂および感光性樹脂を含有する感光性樹脂組成物に関する。詳しくは、希アルカリに可溶で柔軟性および難燃性に優れたソルダーレジストインキ、特にフレキシブルプリント基板に好適な感光性樹脂および感光性樹脂組成物に関する。
近年、プリント配線板用ソルダーレジストインキは作業性や環境問題から希アルカリ現像型の液状ソルダーフォトレジストインキが広く用いられている。例えば特許文献1に示される様な、カルボキシル基を側鎖に有するノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物が提案され、現在主流となっている。
また、電子機器の小型化、デザインの自由度の高さから柔軟なフレキシブル基板の使用が増えている。このようなフレキシブル基板ではソルダーレジストにも柔軟性が要求されるが特許文献1に記載の技術では柔軟性が不十分であり改善が求められている。
現在フレキシブル基板用のソルダーレジストには上記柔軟性の点からポリイミドフィルムが用いられている。しかしながら、パターン作成に高価な金型が必要なこと、微細パターンの作成が困難であることおよび小ロットでの製造が難しいことから、希アルカリ現像型の液状フォトソルダーレジストインキの要求が強く上がっている。
特許文献2にはゴム変性エポキシアクリレート等に酸無水物付加させた反応物をベースポリマーとしたアルカリ現像可能な液状ソルダーレジストが開示されている。しかしながら、上記組成物で得られるソルダーレジスト膜は、柔軟性の向上が見られるが、ポリブタジエン骨格を主鎖に含んでおり、内部オレフィン結合由来の空気酸化を受けやすく、物性(可撓性、耐PCT性等)の長期信頼性に欠けること、分散ポリブタジエン粒子径がミクロンオーダーであることから、基材に対する密着性に欠けるという欠点を有していた。また、特許文献3には、アクリルゴム分散・エポキシ樹脂と多塩基酸無水物変成したエポキシアクリレートとをベースポリマーとしたアルカリ現像可能な液状ソルダーレジストが開示されている。この技術は、上記の特許文献2に記載の技術と比較して、分散アクリルゴム粒子径がサブミクロンであり、基材に対する密着性や柔軟性が向上している。しかし、アクリルゴム分散・エポキシ樹脂を合成する際、乳化工程で乳化剤が入り、レジストインキとして使用する際のエポキシ樹脂、光重合開始剤、希釈剤、フィラー等の配合練和工程で発泡が著しいという欠点を有していた。
また、カルボキシル基を有するウレタンアクリレートを使用する提案もなされている。例えば、特許文献4にはカルボキシル基を有するウレタンアクリレート、光重合開始剤、希釈剤を組み合わせた組成物が、特許文献5にはカルボキシル基を有するウレタンアクリレート、多塩基酸無水物変性エポキシアクリレート、光重合開始剤、希釈剤を組合あわせた組成物が開示されている。これらの樹脂組成物を使用することにより、柔軟性を付与することはできるが、他の性能として特に熱乾燥時の表面タック性や耐プレッシャークッカー性などに問題があった。
さらに、ウレタン変性ビニルエステル樹脂を使用する提案もなされている。例えば、特許文献6にはビニルエステル樹脂またはそのビニルエステル樹脂とカルボキシル基を有するジオール化合物との混合物をポリイソシアネートと反応させたウレタン変性ビニルエステル樹脂、光重合開始剤、希釈剤を組み合わせた組成物が開示されている。これらの樹脂はビニルエステル樹脂またはこれと1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有するジオール化合物との混合物に、ポリイソシアネートを反応させるため、ビニルエステル樹脂が有する不飽和基がウレタン変性ビニルエステル樹脂の骨格中にランダムに点在し、このため指触乾燥性や半田耐熱性は付与されるが、十分な柔軟性を付与することができないという欠点があった。また、アルカリ現像性を付与する手段として、樹脂の末端に酸無水物を付加する、または樹脂骨格中にカルボキシル基を導入する方法をとるが、末端のみに酸無水物を付加するだけでは、アルカリ現像性は得られず、十分なアルカリ現像性を付与させるため、ウレタン骨格中にジメチロールブタン酸等の少なくとも1個のカルボキシル基、少なくとも2個の水酸基を有する化合物を多く導入すると、ウレタン結合が増加し、柔軟性が失われてしまう等の問題がある。
特許文献7には1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基および2個の水酸基を有する化合物と、ジオール化合物と、ポリイソシアネート化合物とを反応させて、カルボキシル基を有する末端イソシアネート化合物を一度合成し、これに、1分子中に重合性不飽和基、カルボキシル基および少なくとも1個の水酸基を有する化合物を逐次反応させた感光性樹脂またはさらに多塩基酸無水物を付加させた感光性樹脂、エポキシ樹脂、光重合開始剤、および重合性不飽和化合物および/または溶剤を加えた感光性樹脂組成物が希アルカリ水溶液での現像性に優れ、且つ硬化後の塗膜は、特にフィルム上に塗布した場合、硬化させた時の反りが少なく、耐屈曲性に優れ、更に柔軟性、耐熱性、半田耐熱性、密着性、耐水性、耐薬品性等に優れた感光性樹脂および感光性レジストインキ組成物が開示されている。しかしながら後述の難燃性に関する要求には対応できない。
また電子機器には安全のために難燃性が要求される。通常のマザーボード用ソルダーレジストの場合、マザーボードが比較的厚くさらに難燃性が付与されているためソルダーレジストに対して比較的難燃性の要求は低い。しかしながらフレキシブル基板の場合、基材が薄いためソルダーレジストにも難燃性の要求が高い。また、環境問題の面から従来使われていた臭素系難燃剤のようなハロゲンを使用しないことも要求が強い。ハロゲンを含まずに難燃性を付与するため、添加型のリン系の難燃剤を使用する検討がされているが、添加型のため硬化物中からの溶出の問題などがあり信頼性の面で不十分である。
特許文献8や特許文献9ではイソシアネートと反応可能な活性水素を有するリン化合物を含むウレタンアクリレートが提案されている。しかし特許文献8では分子量が低く十分な柔軟性を得ることが難しく、また希アルカリ溶液への溶解性がないため本発明が想定する用途への使用は難しい。また特許文献9では感光性基が分子鎖の末端にしか存在しないため架橋点が少なく、プレッシャークッカー性などに問題がある。
特公平1−54390号公報 特開平8−134331号公報 特開平9−40751号公報 特開2000−131836号公報 特開2000−128957号公報 特開平9−52925号公報 特許第03523857号公報 特開2000−336143号公報 特開2003−212954号公報
従って本発明の目的は、特にフレキシブルプリント基板用ソルダーレジストインキにおいて、柔軟性、難燃性および信頼性を有する感光性樹脂及び感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の問題点を解決するために鋭意検討した結果、以下に示す発明を開発した。
具体的には、(1)下記化合物(a)、化合物(b)および化合物(c)を反応させて得られた化合物(X)の末端イソシアネート基に、下記化合物(d)をさらに反応させて得られる感光性樹脂(A)
(a)以下に表される一般式(1)または(2)の化合物から選択される少なくとも1種である、リン原子を有するジオール化合物
(b)1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基および2個の水酸基を有する化合物
(c)ジイソシアネート化合物
(d)1分子中に1個以上の重合性不飽和基、1個以上のカルボキシル基および2個以上の水酸基を有する化合物、
Figure 0005090145
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(式中R は水素又はメチル基)
(2)前記化合物(d)は、エポキシ基含有化合物(e)に前記化合物(b)および不飽和一塩基酸(f)を反応させて得られた化合物(Y)に、さらに不飽和多塩基酸無水物(g)を反応させて得られる化合物である、(1)に記載の感光性樹脂(A)、
(3)前記化合物(b)がジメチロールブタン酸またはジメチロールプロピオン酸のいずれかである、(1)または(2)に記載の感光性樹脂(A)、
)固形分酸価が30〜120mgKOH/gである、(1)から()のいずれかに記載の感光性樹脂(A)、
)(1)〜()のいずれかに記載の感光性樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、反応性希釈剤(C)および光重合開始剤(D)を含む感光性樹脂組成物、
)()に記載の感光性樹脂組成物を硬化させてなる硬化塗膜、
)()に記載の感光性樹脂組成物を含むソルダーレジストインキ、および
)フレキシブルプリント基板用である()に記載のソルダーレジストインキである。
本発明により提供される感光性樹脂または感光性樹脂組成物は、現像性、密着性等に優れ、中でも柔軟性および難燃性に優れることに特徴を有するソルダーレジスト、特にフレキシブル基板用ソルダーレジストに有用である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂(A)を得るために、リン原子を含有するジオール化合物(a)を使用する。リン原子を含有するジオール化合物(a)は、その構造中にアルコール性水酸基と難燃構造を有し、本発明の感光性樹脂に難燃性を付与する働きを持つ。リン原子を含有するジオール化合物(a)としては2個のアルコール性水酸基とリン原子を持つものであれば特に限定されないが、たとえば下記一般式(1)、(2)であらわされる化合物や、一般式(3)であらわされるアミノホスホネート化合物や、一般式(4)であらわされるホスフィン化合物および一般式(5)であらわされるリン系ポリオール等が挙げられる。これらの中で、本発明では化学式(1)および(2)で表される化合物が使用される
Figure 0005090145
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(式中Rは水素又はメチル基)
Figure 0005090145
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(式中、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル又はアルケニル基、Rは炭素数1〜10のアルキル基又はアルケニル基。)
一般式(1)で表される化合物は9、10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(例えば三光(株)製、商品名HCA)と無水イタコン酸の反応物にジエチレングリコールを反応させることで得ることが出来る(例えば三光(株)製、商品名M−Ester)。一般式(2)で表される化合物は9、10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドとグリセリンモノ(メタ)アクリレートを反応させることで得ることが出来る。
一般式(3)で表される化合物の例としては、ジエチル−N、N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート(例えばADEKA(株)製アデカポリオールFC−450など)が挙げられる。一般式(4)で表される化合物の例としては、n−ブチル−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキサイド(例えば日本化学工業(株)製PO−4500など)が挙げられるが、これに限定されない。
本発明の感光性樹脂(A)は、リン原子を有するジオール化合物(a)の他に、リン原子を含有しないジオール類を含むことができる。そのジオール類としては特に限定されないが、好ましくはオリゴマージオールを使用することができる。オリゴマージオールの例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコールなどのポリエーテルポリオールやポリカプロラクトン、ポリブチロラクトンなどのラクトン系ポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド変性物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド変性物、シクロヘキサンジメタノールのエチレンオキサイド変性物、シクロヘキサンジメタノールのプロピレンオキサイド変性物などがあげられる。中でも分子量500〜3000のポリオールが有利に使用できる。
1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基および2個の水酸基を有する化合物(b)としては特に限定されないが、例えば、1,6−ヒドロキシヘキサデカン酸、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、ジメチロールカプロン酸などや、3官能以上のポリオール化合物と多塩基酸無水物との反応生成物などを挙げることができる。このなかでも特に、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸の使用が好ましい。化合物(b)は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明で使用するジイソシアネート化合物(c)としては、公知のジイソシアネート化合物が使用できる。例えばブタン−1,1−ジイソシアネート、エタン−1,2−ジイソシアネート、プロパン−1,3−ジイソシアネート、ブタン−1,2−ジイソシアネート、2−メチルブタン−1,4−ジイソシアネート、ペンタン−1,5−ジイソシアネート、ω,ω'−1,3−ジメチルベンゼンジイソシアネート、ω,ω'−1,4−ジメチルナフタレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメトキシジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4'−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどのジイソシアネート類やヘキサメチレンジイソシアネートの3量体、イソホロンジイソシアネートの3量体などのイソシアヌレート化合物等が挙げられる。好ましくは現像性およびタックフリー性および硬化塗膜のはんだ耐熱性の観点より、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
本発明で使用する1分子中に1個以上の重合性不飽和基、1個以上のカルボキシル基および2個以上の水酸基を有する化合物(d)は、本発明の感光性樹脂(A)に感光性及び希アルカリに対する溶解性を導入する。化合物(d)としては、エポキシ基含有化合物(e)に前記化合物(b)および不飽和一塩基酸(f)を反応させて得られた化合物(Y)に、さらに不飽和多塩基酸無水物(g)を反応させて得ることができる。
化合物(d)を調製するために用いられるエポキシ基含有化合物(e)としては、1分子中に少なくとも1.2個のエポキシ基を含んでいればよく、好ましくは1.8〜4.0個、さらに好ましくは1.9〜2.2個含んだものを有利に使用することができる。
化合物(e)の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール−クレゾールノボラック共縮合型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニロールメタン型エポキシ樹脂、アルキル置換トリフェニロールメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官能フェノールにエピクロルヒドリンを反応させて得られるエポキシ樹脂、多官能ヒドロキシナフタレン類にエピクロルヒドリンを反応させて得られるエポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンと一級または二級アミンとの反応によって得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネート等の複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらエポキシ樹脂の1種もしくは2種以上を併用してもよい。中でも、樹脂中に水酸基含有量の少ない核対数1のビスフェノール型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂が好ましい。また、Tgを確保した上で靭性を向上させる目的からイソシアネート変性エポキシ樹脂の使用や難燃性付与の観点からリン含有エポキシ樹脂などを使用することも有効である。イソシアネート変性エポキシ樹脂の具体例としては、上記のエポキシ樹脂とイソシアネート化合物を使用し、オキサゾリドン形成触媒を存在させ合成もので、詳細は特公昭53−45757号公報、特開平5−43657号公報等に記載がある。オキサゾリドン環を有するイソシアネート変性エポキシ樹脂の市販品としては、商品名XAC4151、XAC4152(旭化成エポキシ(株)製)等がある。リン含有エポキシの具体例としては、商品名エポトートZX−1548−3(東都化成(株)製)等がある。
化合物(d)を調製するために用いられる不飽和一塩基酸(f)としては、公知のものを使用することができる。その具体例としては、1個のカルボキシル基と少なくとも1個の重合性不飽和基を有する一塩基酸であり、アクリル酸またはメタクリル酸を好適に使用することができる。その他、クロトン酸,桂皮酸,ソルビタン酸,アクリル酸ダイマー、ラクトン変性(メタ)アクリレート、モノメチルマレート、モノプロピルマレート、モノブチルマレート、1個のヒドロキシル基と少なくとも1個のアクリロイル基を有する多官能アクリレートまたはメタクリレートと後述の多塩基酸無水物のうち二塩基酸との反応物であるカルボキシル基含有多官能アクリレートまたはメタクリレートが挙げられる。これら不飽和一塩基酸は、2種以上を併用してもよい。
化合物(d)を調製するために、用いられる1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基および2個のアルコール性水酸基を有する化合物としては、前述の化合物(b)である。
化合物(d)を調製するために用いられる多塩基酸無水物(g)は、公知の飽和および/または不飽和多塩基酸無水物が使用でき、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等が挙げられ、好ましくはテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸または無水コハク酸が挙げられる。これら多塩基酸無水物は、2種以上を併用してもよい。多塩基酸無水物(g)は水酸基と反応しカルボキシル基を生成する。化合物(d)中の水酸基はエポキシ化合物(e)中に含まれる水酸基及び化合物(b)に含まれる水酸基、エポキシ化合物(e)と化合物(b)及び不飽和一塩基酸(f)を反応させる際に生じる水酸基のモル数の総和であり、1分子中に水酸基を2個以上残すためにはこれら水酸基の総モル数と多塩基酸無水物(g)のモル数の差が2モル以上になるように設定すればよい。
化合物(d)を調製する場合、反応触媒を使用することが出来る。例えば3級アミン、4級アンモニウム塩、ホスフィン類、有機金属塩等を使用することができる。3級アミンの例としては、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルベンジルアミン等を挙げることができる。4級アンモニウム塩の例としては、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド等を挙げることができる。ホスフィン類の例としては、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等を挙げることができる。有機金属塩の例としては、ナフテン酸リチウム、酢酸クロム、オクチル酸クロム、ナフテン酸クロム、ナフテン酸鉄、オクチル酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸マンガンなどを挙げることができる。触媒は反応生成物である樹脂100質量部に対して0.001〜5質量部の割合で加えることができる。
また化合物(d)を調製する際にゲル化を防ぐ目的で空気を吹き込んだり、重合禁止剤を使用したりすることが好ましい。重合禁止剤の例としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、メトキノン、フェノチアジン、p−トルキノン、p−メトキシフェノール、塩化銅等が挙げられる。重合禁止剤としては反応生成物の樹脂100質量部に対して0.001〜2質量部の割合で加えておくのが有利である。さらに反応時の攪拌効率を高めるため、あらかじめ希釈剤を反応時に加えておくのが有効である。
反応温度は50〜160℃で合成可能であり、好ましくは80〜130℃である。なお、(d)の調製は、エポキシ基含有化合物(e)のエポキシ基に対する、1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基および2個のアルコール性水酸基を有する化合物(b)並びに不飽和一塩基酸(f)の(カルボキシル基の)当量比を0.8〜1.2となるように反応させるのが好ましく、特に好ましくは約0.9〜1.1である。また前記化合物(b)に対する、不飽和一塩基酸(f)の割合はモル比で0.25以上、特に1.0以上が好ましい。前記比が0.25より小さい場合は二重結合当量が大きく、架橋密度が小さくなり硬化塗膜のはんだ耐熱性、無電解金メッキ耐性等が悪くなる場合がある。
このようにして得られた化合物(d)の酸価は、例えば20〜350KOHmg/gであり、好ましくは30〜150KOHmg/g、さらに好ましくは40〜120KOHmg/gである。
化合物(a)、(b)とジイソシアネート化合物(c)との反応物の末端イソシアネート化合物(X)を得る反応は、化合物(a)(b)の全水酸基に対する、ジイソシアネート化合物(c)のイソシアネート基の当量比を1.0以上となるように反応させるのがよいが、より好ましくは1.1〜3.0である。仕込み当量比が1.1より小さい場合にはイソシアネート基当量が小さく、硬化塗膜のはんだ耐熱性、無電解金メッキ耐性等が悪く、3.0より大きい場合にはイソシアネート基当量が大きく、現像性、硬化塗膜の屈曲性が低下する場合がある。
末端イソシアネート化合物(X)に化合物(d)を反応させるには、末端イソシアネート化合物(X)のイソシアネート基に対する(d)の水酸基の当量比を1.0以上となるように反応させるのがよいが、より好ましくは1.1〜2.0である。当量比が1.1より小さい場合には、現像性が低下する場合があり、また当量比が2.0より大きい場合には分子量が増大しないためにタックフリー性および硬化膜の屈曲性が必ずしも良くない場合がある。
反応時に使用する希釈剤(溶剤)は公知のものが使用でき、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチルジューキゾール等のエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤等の有機溶剤類を挙げることが出来る。また、カルビトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシヌレートトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ポリエステルアクリレートなどの反応性単量体類を使用することも可能である。
イソシアネート基と水酸基の反応を促進するために、例えば、3級アミン、有機金属化合物を使用することができる。3級アミンの例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエチレンジアミン等を挙げることができる。有機金属化合物の例としては、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウリレート等を挙げることができる。該触媒の使用量は反応原料混合物100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部の割合で加えることができる。反応温度は、30〜130℃で合成可能であり、好ましくは60〜100℃である。また、反応時間は、好ましくは5〜20時間である。
また、末端イソシアネート化合物(X)に化合物(d)を反応させた感光性樹脂(A)にさらに前記多塩基酸無水物(g)を反応させることも出来る。反応は、感光性樹脂(A)中のヒドロキシル基に対する多塩基酸無水物(g)の当量比を1.0以下となるようにして反応させることができる。反応時には反応触媒を使用するのが効果的であり、例えば3級アミン、4級アンモニウム塩等を使用すると、反応時間を大幅に短縮することができる。反応温度は50〜160℃で合成可能であり、好ましくは80〜130℃である。反応時間は、好ましくは1〜5時間である。
化合物(a)、(b)と、ジイソシアネート化合物(c)との反応物の末端イソシアネート化合物(X)に、化合物(d)を逐次反応させてなる感光性樹脂(A)またはこれに多塩基酸無水物(g)を反応させてなる感光性樹脂の酸価は例えば10〜300KOHmg/gであり、好ましくは30〜240KOHmg/gがよい。
このようにして得られた本発明の感光性樹脂は、ある程度の分子量を有する末端イソシアネート化合物(X)の間に感光性基を有する化合物(d)が導入される構造となるため、ランダムに化合物(d)が構造中に含まれる構造と比べて柔軟性が良好となる。また構造中に感光性基を有するため分子末端にのみ感光性基を含む構造に比べると架橋密度が高くなり、硬化物の信頼性も良好である。
本発明の別の見地によれば、前記感光性樹脂(A)、及びエポキシ樹脂(B)、反応性希釈剤(C)、光重合開始剤(D)を含む感光性樹脂組成物が提供される。さらに、本発明は、前記感光性樹脂組成物を硬化させてなる硬化塗膜もしくはソルダーレジスト用、特にフレキシブルプリント基板に有用である感光性樹脂組成物を提供するものである。
エポキシ樹脂(B)としては、例えば1分子中にエポキシ基を少なくとも1個有するものであって、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール−クレゾールノボラック共縮合型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂あるいはそれらのハロゲン化エポキシ化合物、トリフェニロールメタン型エポキシ樹脂、アルキル置換トリフェニロールメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官能フェノールにエピクロルヒドリンを反応させて得られるエポキシ樹脂、多官能ヒドロキシナフタレン類にエピクロルヒドリンを反応させて得られるエポキシ樹脂、シリコーン変成エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変成エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンと一級または二級アミンとの反応によって得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシヌレート等の複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらエポキシ樹脂の1種もしくは2種以上を併用してもよい。また、Tgを確保した上で靭性を向上させる目的からイソシアネート変性エポキシ樹脂の使用や難燃性付与の観点からリン含有エポキシ樹脂などを使用することも有効である。イソシアネート変性エポキシ樹脂の具体例としては、上記のエポキシ樹脂とイソシアネート化合物を使用し、オキサゾリドン形成触媒を存在させた合成もので、詳細は特公昭53−45757号公報、特開平5−43657号公報等に記載がある。オキサゾリドン環を有するイソシアネート変性エポキシ樹脂の市販品としては、商品名XAC4151、XAC4152(旭化成エポキシ(株)製)等がある。リン含有エポキシ樹脂の具体例としては商品名エポトートZX−1548−3(東都化成(株)製)等がある。
前記熱硬化成分としてのエポキシ樹脂(B)の使用目的は、感光性樹脂(A)のカルボキシル基と反応することで密着性、耐熱性、耐メッキ性等のソルダーレジストとしての諸特性を向上させるものである。
エポキシ樹脂(B)は、単独または2種以上の混合物として用いられ、本発明の組成物に含まれるエポキシ樹脂の量は、感光性樹脂(A)100質量部に対し5〜200質量部、好ましくは、5〜100質量部である。
前記熱硬化成分としてのエポキシ樹脂(B)を使用する場合には、硬化性、密着性、耐薬品、耐熱性等の特性をより一層向上するためにエポキシ硬化剤を併用することが望ましい。このようなエポキシ樹脂硬化剤としては、イミダゾール誘導体、フェノール誘導体、ジシアンジアミド、ジシアンジアミド誘導体、ヒドラジド誘導体、アミン類、酸無水物等が挙げられる。上記硬化剤は1種類または2種類以上混合して使用することができる。上記硬化剤の使用量はエポキシ樹脂(B)のエポキシ基に対しエポキシ硬化剤の活性水素量が0.5〜1.2当量になる割合が好ましい。
反応性希釈材(C)は、活性エネルギー光線に対する硬化性および/またはレジストインキとして使用する場合の塗工性を向上させる目的と硬化性樹脂組成物の作業性を上げる目的で使用するものである。活性エネルギー光線硬化性のあるモノマー類が好ましく、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、N-ビニルピロリドン、N-アクリロイルモルフォリン、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N ジエチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシポリエチレングリコールアクリレート、メラミンアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシプロピルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリジプロピレングリコールジアクリレート、1、6−ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド変性ジアクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド変性ジアクリレート、ビスフェノールFジアクリレート、ビスフェノールFのエチレンオキサイド変性ジアクリレート、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド変性ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセリンジアクリレート、イソボロニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートおよびこれらに対応する各種メタクリレートが挙げられる。これら重合性不飽和化合物(C)は1種もしくは2種以上を併用してもよい。
反応性希釈材(C)は、単独または2種類以上の混合物として用いられる。使用量は、前記(A)および(B)成分の総和100質量部に対して、10〜200質量部、好ましくは20〜150質量部である。使用量が10質量部未満では、光感度が低すぎ、一方200質量部を超えるとレジストインキとして使用する場合に粘度が低くなりすぎ、1回の塗布により必要な厚さの塗膜を形成することが困難となるおそれがあり、硬化塗膜としての耐性が不十分な場合がある。
光重合開始剤(D)の具体例としては、ベンゾイン類、アセトフェノン類、アントラキノン類、チオキサントン類、ベンゾフェノン類、リン系等が挙げられ、例えば、ベンゾイン類では、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等の誘導体、アセトフェノン類では、アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン等の誘導体、アントラキノン類では、2-メチルアントラキノン、2-クロロアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン等の誘導体、チオキサントン類では、チオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン等の誘導体、ベンゾフェノン類では、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’―ジクロロベンゾフェノン、N,N-ジメチルアミノベンゾフェノン等の誘導体、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、リン系の例としてはアシルフォスフィンオキサイド等があり、単独あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。また本発明の組成物に含まれる光重合開始剤(D)の量は、組成物中の0.5〜25質量%、好ましくは1.0〜20質量%である。さらに、光重合開始剤(D)は、公知の光増感剤を併用してもよい。具体的には、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアミノ酸安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート等が挙げられる。上記の光増感剤は1種類または2種類以上混合して使用することができる。
反応性希釈材(C)と併用して溶剤を使用することも出来る。溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート等が挙げられる。反応に使用した溶剤をそのまま使用してよい。これらの溶剤は1種もしくは2種以上を併用してもよい。
この他、本発明の組成物には必要に応じて、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等の無機充填剤、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ロイコ染料、酸化チタン、カーボンブラック等の着色顔料、シリコーンオイル等の消泡剤、レベリング剤等の各種添加剤の他、ハイドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ピロガノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t-ブチルカテコール、フェノチアジン等の重合防止剤を使用することができる。
本発明の組成物は、各種成分を好ましくは前記の割合で配合し、ディゾルバー、ロールミル、ボールミル、ビーズミルなどで均一に攪拌、練肉することにより得られる。本発明の組成物をレジストインキとして使用する場合は、例えば以下のような方法で硬化し、硬化物を得ることができる。すなわち、リジットプリント配線板やフレキシブルブリント配線板に、スクリーン印刷法、スプレー法、カーテンコート法、ロールコート法、ディップコート法、ドクターナイフ法、静電塗装法等の方法により10〜200μmの膜厚で本発明の組成物を塗布し、塗膜を60〜110℃で乾燥させ、有機溶剤を除去する。乾燥後、ネガフィルムを塗膜に直接に接触または間接(非接触)に配置させ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を用いて、紫外線を照射(露光)し、未露光部分を1〜2%程度の希アルカリ水溶液で洗い流した後、更に諸物性の向上のために、ポストベーク(例えば100〜200度で30〜60分)することによって十分な硬化を行い、硬化被膜を得る。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明を具体的に説明する。なお、部及びパーセントとあるのは特に断らない限りすべて質量基準である。
合成例1(化合物dの合成例)
4つ口フラスコに攪拌器、温度計、空気導入管、還流冷却器をセットした反応装置に、エピクロン850F (大日本インキ化学工業株式会社製ビスフェノールA型エポキシ、エポキシ当量188)188部(1.0モル)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート188部、ジメチロールプロピオン酸22.2部(0.15モル)、アクリル酸61.2部(0.85モル)、メチルハイドロキノン0.2部、トリフェニルホスフィン0.2部を仕込み、空気を吹き込みながら130℃に加熱し、約10時間反応させ、酸価0.5mgKOH/gの反応物を得た。次に温度を90℃まで下げテトラヒドロ無水フタル酸45.6部(0.3モル)を仕込み90℃で6時間反応させた。その後樹脂固形分60%になるようにジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを加え、固形分酸価53.1mgKOH/gの化合物d−1を得た。
合成例2(感光性樹脂A−1の合成例)
4つ口フラスコに攪拌器、温度計、窒素導入管、還流冷却器をセットした反応装置にジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート717部、リン原子を含有するジオールとして三光株式会社製M−ESTER(分子量390)234部(0.6モル)、ジメチロールプロピオン酸107.2部(0.8モル)を仕込み、窒素を吹き込み十分窒素置換し60℃に昇温した。次いでイソホロンジイソシアネート555部(2.5モル)、ジブチルチンジラウリレート3部を仕込み60℃で8時間反応を行った。次いで窒素導入を止めて乾燥空気の吹き込みを開始し、d−1を1585部(1.5モル)仕込み80℃で5時間反応を行い、固形分酸価51.6mgKOH/gの感光性樹脂A−1を得た。
合成例3(一般式(2)で表されるリン化合物の合成例)
4つ口フラスコに攪拌器、温度計、空気導入管、還流冷却器をセットした反応装置にグリセリンモノメタクリレート(日本油脂(株)製ブレンマーGLM)160部(1.0モル)とメトキノン0.3部を仕込み空気を導入しながら昇温を開始した。内温110℃に達したところで9、10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(三光(株)製HCA)216部(1.0モル)を導入し、赤外分光系によりHCA中のリン−水素結合由来のピークが消失するまで反応を行い、目的のリン化合物を得た。
合成例4(感光性樹脂A−2の合成例)
リン原子を含有するジオールとして合成例3で合成したリン化合物(分子量376)225.6部(0.6モル)に変えた以外は実施例2と同様に合成を行い、固形分酸価51.9mgKOH/gの感光性樹脂A−2を得た。
合成例5(感光性樹脂A−3の合成例)
リン原子を含有するジオールとして日本化学工業株式会社製PO−4500(分子量188、一般式(4)であらわされる化合物)112.8部(0.6モル)に変えた以外は実施例2と同様に合成を行い、固形分酸価55.3mgKOH/gの感光性樹脂A−3を得た。
合成例6(感光性樹脂A−4の合成例)
リン原子を含有するジオールとしてADEKA(株)社製FC−450(分子量287、一般式(3)で表されるリン化合物)172.2部(0.6モル)に変えた以外は実施例2と同様に合成を行い、固形分酸価53.4mgKOH/gの感光性樹脂A−4を得た。
合成例7(感光性樹脂A−5の合成例)
感光性樹脂A−1に更にテトラヒドロ無水フタル酸を152部(1.0モル)仕込み100℃で1時間反応を行なった後に、樹脂固形分が60%になるようにジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを加え、固形分酸価75.8mgKOH/gの感光性樹脂A−5を得た。
(比較合成例1)
M−Esterを使用せず、ポリエーテルポリオール(三井武田ケミカル株式会社製、ポリエーテルポリオール、分子量1020)、612部(0.6モル)に変更した以外は合成例2と同様に合成を行ない固形分酸価42.9mgKOH/gの感光性樹脂B−1を得た。
(比較合成例2)
4つ口フラスコに攪拌器、温度計、窒素導入管、還流冷却器をセットした反応装置にジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート717部、化合物d−1 1585部(1.5モル)とリン原子を含有するジオールとして三光株式会社製M−ESTER(分子量390)234部(0.6モル)、ジメチロールプロピオン酸107.2部(0.8モル)を仕込み、窒素を吹き込み十分窒素置換し60℃に昇温した。次いでイソホロンジイソシアネート555部(2.5モル)、ジブチルチンジラウリレート2部を仕込み60℃で8時間反応を行ない、固形分酸価51.6mgKOH/gの感光性樹脂B−2を得た。
(比較合成例3)
4つ口フラスコに攪拌器、温度計、窒素導入管、還流冷却器をセットした反応装置にジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート713.5部、リン原子を含有するジオールとして三光株式会社製M−ESTER(分子量390)234部(0.6モル)、ジメチロールプロピオン酸107.2部(0.8モル)を仕込み、窒素を吹き込み十分窒素置換し60℃に昇温した。次いでイソホロンジイソシアネート555部(2.5モル)、ジブチルチンジラウリレート2部を仕込み、60℃で8時間反応を行った。次いで2−ヒドロキシエチルアクリレート174部(1.5モル)を投入し、60℃で8時間反応を行い、固形分酸価41.9mgKOH/gの感光性樹脂B−3を得た。
(実施例1〜、比較例1〜3)
表1の配合表で示した組成物を3本ロールで調製した。次いでこれを回路パターン作成済みの銅張り積層版又はポリイミドフィルム(厚み75μm、東レ・デュポン株式会社製)にスクリーン印刷で乾燥膜厚20.0μm厚みになるように塗工し、80℃の乾燥機に20分間入れて溶剤乾燥を行ない予備乾燥塗膜を得た(以下予備乾燥塗膜とする)。次にパターンマスクを介し超高圧水銀灯を用いて露光量200mJ/cmで露光を行なった。次にスプレー現像装置(現像液:1%炭酸ナトリウム水溶液、液温30℃)で60秒現像し、純水で30秒リンスを行ない、乾燥した。次に150℃の乾燥機に30分入れてポストベークし、硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜および予備乾燥塗膜を以下の項目を評価した。結果を表2に示す。なお特に説明のない項目は銅張り積層板を使用した。
また、実施例3および4は参考例である。
(柔軟性)
ポリイミドフィルム上に作成した硬化塗膜について、その硬化塗膜が外側になるようにして180度折り曲げた後の硬化塗膜の外観を観察し、以下の基準で評価した。
◎:変化なし。
○:僅かに筋が残る。
△:筋が残る。
×:クラックが入る。
(難燃性)
ポリイミドフィルム上に作成した硬化塗膜をUL−94難燃性試験に準じて評価を行った。
なお、表2中の「V−0」は「V−1」よりも難燃性が高いことを示す。
(現像性)
予備乾燥時間を20分、80分、120分とした乾燥塗膜を、1%炭酸ナトリウム水溶液を用い、スプレー圧2.0kgf/cm2で60秒間現像を行い、現像後の塗膜の有無を観察し、以下の基準で評価した。
○:現像時、完全にインキが除去され、現像できたもの。
△:一部現像できない部分があるもの
×:完全に現像できないもの。
(密着性)
JIS D 0202の試験方法に従って硬化膜に碁盤目状にクロスカットを入れ、次いでセロハンテープによるによるピーリングテスト後の剥れの状態を目視判定した。評価は、以下の基準で行った。
○:全く剥がれの無いもの。
△:クロスカット部が少し剥がれたもの。
×:塗膜に剥がれがあるもの。
(半田耐熱性)
JIS C 6481の試験方法に従って、試験片を260℃の半田浴に10秒間、3回浸漬を行ない、取り出した後、外観の変化を観察した。評価は、以下の基準で行った。
○:外観変化なしのもの。
△:硬化膜の変色が認められたもの。
×:硬化膜の浮き、剥れ、半田潜りありのもの。
(耐PCT性)
試験片を121℃、2atm、飽和蒸気雰囲気下で100時間放置後の塗膜の外観で判断した。評価は、以下の基準で行った。
○:塗膜にふくれ、剥れがないもの。
△:ややふくれやはがれのあるもの。
×:ふくれ、剥れのあるもの。
薬品耐性
硬化塗膜を室温の10%水酸化ナトリウム水溶液または10%塩酸水溶液、塩化メチレン中に試験片を30分浸漬し外観変化の有無を確認した。
○:外観変化無し。
×:外観変化あり。
Figure 0005090145
Figure 0005090145

Claims (8)

  1. 下記化合物(a)、化合物(b)および化合物(c)を反応させて得られた化合物(X)の末端イソシアネート基に、下記化合物(d)をさらに反応させて得られる感光性樹脂(A)。
    (a)以下に表される一般式(1)または(2)の化合物から選択される少なくとも1種である、リン原子を有するジオール化合物
    (b)1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基および2個の水酸基を有する化合物
    (c)ジイソシアネート化合物
    (d)1分子中に1個以上の重合性不飽和基、1個以上のカルボキシル基および2個以上の水酸基を有する化合物
    Figure 0005090145
    Figure 0005090145
    (式中R は水素又はメチル基)
  2. 前記化合物(d)は、エポキシ基含有化合物(e)に前記化合物(b)および不飽和一塩基酸(f)を反応させて得られた化合物(Y)に、さらに不飽和多塩基酸無水物(g)を反応させて得られる化合物である、請求項1に記載の感光性樹脂(A)。
  3. 前記化合物(b)がジメチロールブタン酸またはジメチロールプロピオン酸のいずれかである、請求項1または2に記載の感光性樹脂(A)。
  4. 固形分酸価が30〜120mgKOH/gである、請求項1〜のいずれか1項に記載の感光性樹脂(A)。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の感光性樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、反応性希釈剤(C)および光重合開始剤(D)を含む感光性樹脂組成物。
  6. 請求項に記載の感光性樹脂組成物を硬化させてなる硬化塗膜。
  7. 請求項に記載の感光性樹脂組成物を含むソルダーレジストインキ。
  8. フレキシブルプリント基板用である請求項に記載のソルダーレジストインキ。
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