JP5089070B2 - インクジェット記録用インク及び記録方法 - Google Patents
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Description
1.耐カール性
普通紙に代表されるセルロースを含有する記録媒体に水系インクを多量に付与すると、いわゆるカールという現象が生じる。強いカール現象が発生すると、紙が筒状に丸まってしまう。カール発生のメカニズムは、抄紙段階における紙を乾燥する工程において、一定方向にテンションが加わった状態で水が蒸発し、セルロース間での水素結合が形成されることに起因していると考えられる。この状態の紙に水系インクが付着すると水によりセルロース間の水素結合が壊れ、水によって結合部が置換されるが、その水が蒸発すると再びセルロース間の水素結合が形成される。水素結合の再形成の際には紙にテンションが働いていないため、インク付着面側に紙が収縮し、その結果カールが発生するものと考えられる。
オンデマンド型インクジェット方式、特にサーマルジェット方式において、高い駆動周波数で連続して吐出させようとした場合、インクの物理的・化学的性質によってはインクのノズルへのリフィルが間に合わなくなる。そのためにリフィルされる前に次のインク吐出が始まってしまうことがある。この結果、インクの吐出不良を起こしたり、インクの吐出量が極端に低下したりする状況となる。又、この現象は吐出させるインクの液滴が5pl(ピコリットル)以下といった小液滴であるほどより顕著である。
オンデマンド方式において液滴形成が一定時間行われないと、ノズル先端でのインク中の水分の蒸発による相対的な色材濃度の増加が起こる。そのためにノズル先端部分のインク粘度が上昇し、インクの吐出が正常に行われなくなる。その結果、ドットプレスメントが正確でなくなったり書き始めの部分でドット径が小さくなったりする、いわゆるスタートアップ特性の低下が生じる。そして、このような現象は、インクのノズル先端からの蒸発が促進される低湿度環境下やインク全体の粘度が上昇する低温環境下で特に顕著になる。この特性は、インクの小液滴化が進むと、特に顕著になる問題である。
(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ水素原子、同一又は異なる炭素数1から4のアルキル基を示し、R4は、炭素数1から5のアルキレン基を示す。)
(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ水素原子、同一又は異なる炭素数1から4のアルキル基を示し、R4は、炭素数1から5のアルキレン基を示す。)
(インクの全体構成)
本発明のインクは、水と、色材と、インク全量のうちの8質量%から40質量%の下記一般式(I)で示される化合物と、総量がインク全量のうちの0.4質量%から4質量%の複数種のノニオン界面活性剤とを少なくとも含有し、前記複数種のノニオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物であり、下記一般式(I)で示される化合物の質量(A)と上記複数種のノニオン界面活性剤の質量(B)との質量比(A:B)が、5:1から90:1の範囲であることを特徴としている。
(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ水素原子、同一又は異なる炭素数1から4のアルキル基を示し、R4は、炭素数1から5のアルキレン基を示す。)
本発明のインクは、本発明を特徴づける前記一般式(I)で示される両性イオン化合物を含有することが必須である。一般式(I)で示される化合物は、砂糖大根より精製分離することにより得ることもできるが、常法によって各種合成可能でもある。上記一般式(I)で示される化合物の好ましい具体例をその置換基であるR1、R2、R3及びR4を記載することによって下記表1に示すが、本発明はこれらの例示に限定するものではない。これらの化合物の中で特に好ましい化合物としては、単位質量あたりの保水力等の点から化合物(1)であるトリメチルグリシンが挙げられる。
本発明のインクは、よりバランスのよい吐出安定性を得るために、インク中に複数種のノニオン界面活性剤を含有することが必須である。2種類以上のノニオン界面活性剤であれば特に制約はないが、中でも複数種の内の1種は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ノニオン界面活性剤a)又はアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(ノニオン界面活性剤b)であることが好ましい。特に好ましい組み合わせはノニオン界面活性剤aとノニオン界面活性剤bとの併用である。上記ノニオン界面活性剤aのエチレンオキサイドの付加数は10から40が好ましく、アルキル基としては、例えば、セチル基、ステアリル基等が挙げられ、特にセチル基が好ましい。又、他方の界面活性剤bとしてはアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。そのエチレンオキサイドの付加数は3から30が好ましい。界面活性剤aと界面活性剤bとの併用質量比は、界面活性剤a100質量部あたり界面活性剤bが10質量部から1,000質量部であることが好ましい。
(式中、R5及びR6は、水素原子若しくはCnH2nOH(n=2、3)を示し、R5及びR6は、同時に水素原子ではない。)
本発明のインクは、水を必須成分とするが、インク中の水の含有量は、インク全質量中において30質量%以上であることが好ましく、又、85質量%以下であることが好ましい。又、水と水溶性物質が併用された水性媒体が使用される場合も多い。水と併用される水溶性物質としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−ペンタノール等の炭素数1から5のアルキルアルコール類が挙げられる。又、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類が挙げられる。又、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類が挙げられる。又、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が挙げられる。又、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン重合体が挙げられる。又、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレン基が2から6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類が挙げられる。又、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類が挙げられる。又、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル、ブチル)エーテル等のグリコールの低級アルキルエーテル類が挙げられる。又、トリエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類が挙げられる。又、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類が挙げられる。又、ジグリセリン、トリグリセリン等のポリグリセリン類が挙げられる。又、スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、尿素、エチレン尿素、ビスヒドロキシエチルスルホン等が挙げられる。
本発明のインクに含まれる色材としては、染料及び顔料が使用できる。色材のインク中の含有量は、この範囲に限定されるものではないが、インク全質量中において0.1質量%から15質量%、好ましくは0.2質量%から12質量%、より好ましくは、0.3質量%から10質量%である。インクに用いられる染料としては、カラーインデックス(COLOR INDEX)に記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、塩基性染料及び反応性染料はその殆ど全てが使用できる。又、カラーインデックスに記載のないものでも、水溶性染料であれば使用できる。
色材として顔料を使用する場合には、顔料の分散剤を用いることが好ましい。顔料を分散する分散剤としては、水溶性であれば特に制約はないが、具体的には下記の如き単量体のブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体等の共重合体、或いはその塩等が挙げられる。上記共重合体を構成する単量体としては、少なくとも1つは親水性単量体であることが好ましい。単量体としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等が挙げられる。又、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体が挙げられる。又、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等が挙げられる。中でも、本発明を実施する上で特に好ましい分散剤は、ブロック共重合体である。特に熱エネルギーを用いたヘッドにて、高い駆動周波数、例えば、10kHz以上で駆動させた場合に、上記のブロック共重合体を本発明のインクに用いることにより、吐出性の向上効果はより顕著になる。
又、本発明のインクは、所望の物性値を有するインクとするために、上記した成分の他に、必要に応じて、添加剤として、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤等を添加することができる。添加剤の選択はインクの表面張力が25mN/m以上、好ましくは28mN/m以上になるようにすることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、以上の本発明のインクを、インクジェットヘッドを用いて、セルロースを含有する記録媒体に、記録面積が15cm2以上で、且つインク付与量が0.03mg/cm2から30mg/cm2の範囲でインクを付与する工程を有することを特徴としている。
本発明のインクジェット記録装置は、前記本発明のインクを収容しているインク収容部と、該インクを吐出させるインクジェットヘッドとを具備していることを特徴としている。前記インクジェットヘッドは、サーマルインクジェットヘッドであることが好ましい。
(インク1の調製)
下記の成分を十分に混合撹拌して、インク1を調製した。
・C.I.ダイレクトブルー199 3.5%
・前記表1に記載の化合物(1) 20%
・ビスヒドロキシエチルスルホン 2%
・ポリオキシエチレンセチルエーテル
(エチレンオキサイド付加数20、HLB17、
ノニオン界面活性剤) 0.5%
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製
、HLBが10以上のノニオン界面活性剤) 0.5%
・イオン交換水 残部
(インク2の調製)
下記の成分を十分に混合撹拌して、インク2を調製した。
・C.I.アシッドレッド35 3%
・前記表1に記載の化合物(2) 15%
・R5R6NCONHCH2CH2OH
(R5=H、R6=CH2CH2OH) 5%
・ビスヒドロキシエチルスルホン 1%
・ポリオキシエチレンセチルエーテル
(エチレンオキサイド付加数40、HLB20、
ノニオン界面活性剤) 0.3%
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製
、HLBが10以上のノニオン界面活性剤) 0.4%
・イオン交換水 残部
(インク3の調製)
下記の成分を十分に混合撹拌して、インク3を調製した。
・C.I.ダイレクトイエロー132 3%
・前記表1に記載の化合物(5) 15%
・ビスヒドロキシエチルスルホン 2%
・ポリエチレングリコール(平均分子量200)5%
・トリグリセリン 1%
・ポリオキシエチレンセチルエーテル
(エチレンオキサイド付加数20、HLB17、
ノニオン界面活性剤) 2%
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製
、HLBが10以上のノニオン界面活性剤) 0.5%
・イオン交換水 残部
(インク4の調製)
下記の成分を十分に混合撹拌して、インク4を調製した。
・C.I.フードブラック2 3%
・前記表1に記載の化合物(1) 30%
・ポリオキシエチレンセチルエーテル
(エチレンオキサイド付加数40、HLB20、
ノニオン界面活性剤) 0.2%
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製
、HLBが10以上のノニオン界面活性剤) 0.2%
・イオン交換水 残部
(顔料分散液1の調製)
先ず、ベンジルメタクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価250、重量平均分子量3,000のAB型ブロックポリマーを合成した。更に、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50%ポリマー水溶液を作成した。得られたポリマー水溶液を180g、C.I.ピグメントブルー15:3を100g及びイオン交換水220gを混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン色の顔料分散液1とした。得られた顔料分散液1は、その顔料濃度が10%、分散剤濃度が10%であった。
インク5の調製は、上記で得たシアン色の顔料分散液1を使用し、これに下記の成分を加えて所定の濃度にした。これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度2%、分散剤濃度2%のインク5を調製した。
・前記表1に記載の化合物(9) 9%
・ジグリセリン 3%
・ビスヒドロキシエチルスルホン 2%
・ポリオキシエチレンセチルエーテル
(エチレンオキサイド付加数20、HLB17、
ノニオン界面活性剤) 0.4%
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製
、HLBが10以上のノニオン界面活性剤) 0.2%
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:サーフィノール 440;日信化学工業製
、HLBが10以上のノニオン界面活性剤) 0.1%
・イオン交換水 残部
(顔料分散液2の調製)
顔料分散液1の調製で使用したと同様のポリマー水溶液を100g、C.I.ピグメントレッド122を100g、及びイオン交換水300gを混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してマゼンタ色の顔料分散液2とした。得られた顔料分散液2は、その顔料濃度が10%、分散剤濃度が5%であった。
インク6の調製は、上記マゼンタ色の顔料分散液2を使用し、これに下記の成分を加えて所定の濃度にした。これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度4%、分散剤濃度2%のインク6を調製した。
・前記表1に記載の化合物(1) 15%
・ポリエチレングリコール(平均分子量300)2%
・ポリエチレングリコール(平均分子量1,000)
1%
・ポリオキシエチレンセチルエーテル
(エチレンオキサイド付加数20、HLB17、
ノニオン界面活性剤) 0.5%
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製
、HLBが10以上のノニオン界面活性剤) 0.2%
・イオン交換水 残部
(顔料分散液3の調製)
先ず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価300、重量平均分子量4,000のAB型ブロックポリマーを合成した。更に、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50%ポリマー水溶液を作成した。上記のポリマー水溶液を110g、C.I.ピグメントイエロー128を100g及びイオン交換水290gを混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。更に、上記で得た顔料分散液3を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去して顔料分散液3とした。得られた顔料分散液3は、その顔料濃度が10%、分散剤濃度が6%であった。
インク7の調製は、上記イエロー色の顔料分散液3を使用し、これに下記の成分を加えて所定の濃度にした。これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度5%、分散剤濃度3%のインク7を調製した。
・前記表1に記載の化合物(1) 15%
・トリエチレングリコール 4%
・グリセリン 2%
・ポリオキシエチレンセチルエーテル
(エチレンオキサイド付加数20、HLB17、
ノニオン界面活性剤) 0.5%
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製
、HLBが10以上のノニオン界面活性剤) 0.3%
・イオン交換水 残部
(顔料分散液4の調製)
先ず、ベンジルメタクリレート、メタクリル酸及びエトキシエチレングリコールメタクリレートを原料として、常法により、酸価350、重量平均分子量5,000のABC型ブロックポリマーを合成した。更に、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50%ポリマー水溶液を作成した。上記のポリマー水溶液を60g、カーボンブラックを100g及びイオン交換水340gを混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去して黒色の顔料分散液4とした。得られた顔料分散液4は、その顔料濃度が10%、分散剤濃度が3.5%であった。
インク8の調製は、上記黒色の顔料分散液4を使用し、これに下記の成分を加えて所定の濃度にした。これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度3%、分散剤濃度1.05%のインク8を調製した。
・前記表1に記載の化合物(1) 15%
・ジグリセリン 4%
・ビスヒドロキシエチルスルホン 2%
・ポリオキシエチレンセチルエーテル
(エチレンオキサイド付加数20、HLB17、
ノニオン界面活性剤) 0.5%
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製
、HLBが10以上のノニオン界面活性剤) 0.3%
・イオン交換水 残部
(インク9の調製)
実施例1の前記表1に記載の化合物(1)の含有量を20%から7%に変更し、次の組成として実施例1と同様にインク9を得た。
・C.I.ダイレクトブルー199 3.5%
・前記表1に記載の化合物(1) 7%
・ビスヒドロキシエチルスルホン 2%
・ポリオキシエチレンセチルエーテル
(エチレンオキサイド付加数20、HLB17、
ノニオン界面活性剤) 0.5%
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製
、HLBが10以上のノニオン界面活性剤) 0.5%
・イオン交換水 残部
(インク10の調製)
実施例1の前記表1に記載の化合物(1)の含有量を20%から41%に変更し、次の組成として実施例1と同様にインク10を得た。
・C.I.ダイレクトブルー199 3.5%
・前記表1に記載の化合物(1) 41%
・ビスヒドロキシエチルスルホン 2%
・ポリオキシエチレンセチルエーテル
(エチレンオキサイド付加数20、HLB17、
ノニオン界面活性剤) 0.5%
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製
、HLBが10以上のノニオン界面活性剤) 0.5%
・イオン交換水 残部
(インク11の調製)
実施例1のアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を除去し、次の組成として実施例1と同様にインク11を得た。
・C.I.ダイレクトブルー199 3.5%
・前記表1に記載の化合物(1) 20%
・ビスヒドロキシエチルスルホン 2%
・ポリオキシエチレンセチルエーテル
(エチレンオキサイド付加数20、HLB17、
ノニオン界面活性剤) 0.5%
・イオン交換水 残部
(インク12の調製)
実施例1のポリオキシエチレンセチルエーテルを除去し、次の組成として実施例1と同様にインク12を得た。
・C.I.ダイレクトブルー199 3.5%
・前記表1に記載の化合物(1) 20%
・ビスヒドロキシエチルスルホン 2%
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製
、HLBが10以上のノニオン界面活性剤) 0.5%
・イオン交換水 残部
(インク13の調製)
実施例2の2種のノニオン界面活性剤の含有量を変更し、次の組成として実施例2と同様にインク13を得た。
・C.I.アシッドレッド35 3%
・前記表1に記載の化合物(2) 15%
・R5R6NCONHCH2CH2OH
(R5=H、R6=CH2CH2OH) 5%
・ビスヒドロキシエチルスルホン 1%
・ポリオキシエチレンセチルエーテル
(エチレンオキサイド付加数40、HLB20、
ノニオン界面活性剤) 0.1%
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製
、HLBが10以上のノニオン界面活性剤) 0.1%
・イオン交換水 残部
(インク14の調製)
実施例2の2種のノニオン界面活性剤の含有量を変更し、次の組成として実施例2と同様にインク14を得た。
・C.I.アシッドレッド35 3%
・前記表1に記載の化合物(2) 15%
・R5R6NCONHCH2CH2OH
(R5=H、R6=CH2CH2OH) 5%
・ビスヒドロキシエチルスルホン 1%
・ポリオキシエチレンセチルエーテル
(エチレンオキサイド付加数40、HLB20、
ノニオン界面活性剤) 2.6%
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製
、HLBが10以上のノニオン界面活性剤) 2.5%
・イオン交換水 残部
(インク15の調製)
実施例3の前記表1に記載の化合物(5)の含有量を変更し、次の組成として実施例3と同様にインク15を得た。
・C.I.ダイレクトイエロー132 3%
・前記表1に記載の化合物(5) 10%
・ビスヒドロキシエチルスルホン 2%
・ポリエチレングリコール(平均分子量200)5%
・トリグリセリン 1%
・ポリオキシエチレンセチルエーテル
(エチレンオキサイド付加数20、HLB17、
ノニオン界面活性剤) 2%
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製
、HLBが10以上のノニオン界面活性剤) 0.5%
・イオン交換水 残部
(インク16の調製)
実施例4の前記表1に記載の化合物(1)の含有量を変更し、次の組成として実施例4と同様にインク16を得た。
・C.I.フードブラック2 3%
・前記表1に記載の化合物(1) 37%
・ポリオキシエチレンセチルエーテル
(エチレンオキサイド付加数40、HLB20、
ノニオン界面活性剤) 0.2%
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製
、HLBが10以上のノニオン界面活性剤) 0.2%
・イオン交換水 残部
実施例1から8(インク1から8)及び比較例1から8(インク9から16)で得られた各インクを、下記のようにして評価した。評価項目(1)、(2)及び(3)で使用されたインクジェット記録装置を図1、2に示した。尚、ここで用いた記録ヘッドは、1,200dpiの記録密度を有し、1ドット当たりの吐出体積は4plであった。
(1)周波数応答性
サーマル方式のキヤノン製インクジェット記録装置を用いて、駆動周波数0.1kHzで吐出させ、徐々に周波数を上げてゆき、吐出形状が主滴の存在しない形状の不安定な吐出になった時点で周波数を測定し、判定した。評価結果を下記表2に示した。
A:10kHzを超える。
B:5から10kHz。
C:5kHz未満。
上記記録装置のヘッドクリーニング操作を行った後、周波数1kHzでA4サイズの普通紙(SW−101、キヤノン(株)製)にベタ印字し、キャッピングしない状態でヘッドを25℃、湿度30%環境下で放置した。30秒後に再びベタ印字し、各ノズルの最初の1発目の吐出状態を確かめた。評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示す。
A:各ノズルとも正常な吐出をしている。
B:吐出方向がずれたり、吐出量の低下がみられる。
C:不吐出のノズルがみられる。
上記記録装置を用い、A4サイズの普通紙(SW−101、キヤノン(株)製)に、記録面積が4cm×5cmとなるようにインクの付与量10mg/cm2でベタ印字を行った。得られた記録物を25℃/55%環境下に置き、1時間後、10日後の状態を観察し、目視で評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を下記表2に示した。
A:ほぼ平らな状態を保っている。
B:端の部分が立ち上がっている。
C:筒状になっている。
Claims (7)
- 水と、色材と、インク全量のうちの8質量%から40質量%の下記一般式(I)で示される化合物と、総含有量がインク全量のうちの0.4質量%から4質量%の複数種のノニオン界面活性剤とを少なくとも含有し、
前記複数種のノニオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物であり、
下記一般式(I)で示される化合物の質量(A)と上記複数種のノニオン界面活性剤の質量(B)との質量比(A:B)が、5:1から90:1の範囲であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ水素原子、同一又は異なる炭素数1から4のアルキル基を示し、R4は、炭素数1から5のアルキレン基を示す。) - 前記一般式(I)の化合物が、トリメチルグリシンである請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
- インクジェット記録ヘッドを用いて、セルロースを含有する記録媒体にインクを付与して記録を行う工程を有するインクジェット記録方法において、上記記録媒体における記録面積が15cm2以上であって、該記録媒体へのインクの付与量が0.03mg/cm2から30mg/cm2であり、
該記録媒体に付与するインクが、水と、色材と、インク全量のうちの8質量%から40質量%の下記一般式(I)で示される化合物と、総含有量がインク全量のうちの0.4質量%から4質量%の複数種のノニオン界面活性剤とを少なくとも含有し、
前記複数種のノニオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物であり、
下記一般式(I)で示される化合物の質量(A)と上記複数種のノニオン界面活性剤の質量(B)との質量比(A:B)が、5:1から90:1の範囲であることを特徴とするインクジェット記録方法。
(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ水素原子、同一又は異なる炭素数1から4のアルキル基を示し、R4は、炭素数1から5のアルキレン基を示す。) - 前記記録媒体へのインクの付与量が、0.1mg/cm2から20mg/cm2の範囲である請求項4に記載のインクジェット記録方法。
- 前記セルロースを含有する記録媒体が、普通紙である請求項4又は5に記載のインクジェット記録方法。
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