JP4343503B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度、高品位な画像を高速で印刷可能である。
【0003】
近年、このようなインクジェット記録方法により、複数のカラーインクを用いてカラー画像を形成することが行われている。例えば、カラー画像の形成には、イエローインク、マゼンタインク、及びシアンインクの3色のインクからなるインクセット、この3色のインクにブラックインクを加えた4色のインクからなるインクセット、更には、マゼンタやシアンに関して、同一の色相を有しながら着色力を異ならせた2種のインクを加えて6色のインクからなるインクセットなどが用いられている。ところで、近年、インクジェットプリンタ、特にプロッタのような大型のインクジェットプリンタにおいて、より一層の改善された記録画像の堅牢性(耐光性)等への要求への高まりから、色材として水不溶性の色材、例えば顔料等を用いたインクが採用されつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記したような技術的背景の下で、色材として顔料を水性媒体中に分散態で含み、且つ顔料の濃度が互いに異なる2種以上のインクが1台のインクジェットプリンタに搭載される場合について検討を重ねたところ、インクジェットヘッドへのインクの供給や記録ヘッドの吸引回復動作などが不安定になる場合があることを見出した。そしてその原因を追求した結果、インク間の物性の差、特には粘度の差が、上記インクジェット特性の不安定化の原因の一つであることが分った。具体的には、例えばインクの吸引回復動作に関していえば、相対的に粘度の低いインクが充填されているノズルの吸引回復が優先して行なわれてしまい、相対的に粘度の高いインクが充填されているノズルの回復が不十分になる場合があることを見出した。かかる技術課題は、顔料濃度が異なる複数のインクを搭載したインクジェットプリンタについて詳細な検討を重ねた結果として初めて認識されたものであり、本発明者らは、これまでは、このような技術課題については、その存在すら認識していなかったものであり、本発明者らは、4色、或いは6色のインクの色材として、その全てに水不溶性の色材を採用する場合には、このインク間での物性のばらつきに起因する技術課題を解決することが、耐光性、耐候性に優れている水不溶性の色材を含むインクを搭載したインクジェットプリンタの商品価値をより一層高める上で重要である、という認識を得るに至ったものである。
【0005】
そこで、本発明の目的は、インクジェット記録画像を安定して形成することのできる、色材として顔料を含むインクを複数含んでいるインクセットを用いたインクジェット記録方法を提供する点にある。
【0006】
また本発明の他の目的は、堅牢性に優れたインクジェット記録画像をより安定に形成することのできるインクジェット記録方法を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に用いるインクセットは、第1〜第nのインクジェット記録用の水性インクを含んでいるインクセットであって、各々の水性インクは、顔料、水性媒体、該顔料を該水性媒体に分散させるための樹脂分散剤、及び水溶性有機化合物、を含んでおり、該第1〜第nの水性インクは、各々のインクの全質量を基準とした該顔料の濃度が互いに異なっており、該第1〜第nの水性インクは、同一色相で顔料濃度が異なるインクを含んでおり、顔料の量に対する樹脂分散剤の割合をB/P比としたときに、同一色相の顔料濃度の低いインクのB/P比が顔料濃度の高いインクのB/P比よりも高く、該第1〜第nの水性インクのうち、該顔料の濃度の最も高いインクの顔料の濃度をPmax、該顔料の濃度の最も低いインクの顔料の濃度をPminとしたときに、Pmax/Pminが3以上であり、該第1〜第nの水性インクの25℃に於ける粘度の平均値をηaveとしたときに、各々のインクの25℃に於ける粘度がηave±15%の範囲内にあることを特徴とするものである(但しnは2以上の整数)。
【0009】
発明の一態様にかかるインクジェット記録方法は、上記のインクセットを構成している第1〜第nの水性インクの各々をインクジェット法で吐出させる工程及び該第1〜第nの水性インクの吸引回復動作を共通の回復ユニットで行う工程を有することを特徴とするものである。
【0010】
また本発明に用いる一態様のインクカートリッジは、上記のインクセットを構成している第1〜第nの水性インクの各々を収納しているインクタンクを具備していることを特徴とするものである。
【0011】
また本発明に用いる一態様の記録ユニットは、上記のインクセットを構成している第1〜第nの水性インクの各々を収納しているインクタンクと、該インクタンクに収容されている各々のインクジェット用水性インクを吐出する複数のインクジェット記録ヘッドと、を具備していることを特徴とする。
【0012】
更に本発明に用いる一態様のインクジェット記録装置は、上記のインクセットを構成している第1〜第nのインクジェット用水性インクの各々を収容しているインクタンクと、該インクタンクに収容されている各々のインクジェット用水性インクを吐出する複数のインクジェット記録ヘッドと、を具備していることを特徴とする。
【0013】
本発明に用いるインクセットの特徴事項の1つは、第1〜第nのインクジェット記録用の水性インクを含んでいるインクセットであって、各々の水性インクは、顔料、水性媒体、該顔料を該水性媒体に分散させるための樹脂分散剤、及び水溶性有機化合物、を含んでおり、該第1〜第nの水性インクは、各々のインクの全質量を基準とした顔料の濃度が互いに異なっており、且つ該第1〜第nの水性インクの粘度は同一、若しくは実質的に同一である点である(但しnは2以上の整数)。
【0014】
ここで第1〜第nの水性インクの実使用温度に於ける粘度が同一、若しくは実質的に同一とは、インクの実使用温度(T1)(一般的には10〜50℃の範囲内)25℃における粘度の平均値をηaveとしたときに、各々のインクの温度T1に於ける粘度がηave±15%の範囲内を意味する。
【0015】
そして特には、各々のインクの、温度T1に於ける粘度が、ηave±13%の範囲内、更にはηave±10%の範囲内とすることが好ましい。尚、ここでηave±15%の範囲内とは、
(1±0.15)×ηaveの範囲内、即ち0.85×ηave〜1.15×ηaveの範囲に、全てのインクの粘度が納まっていることを意味している。
【0016】
そしてかかる条件を満たすことにより、粘度の差異による前記したような問題を緩和し、あるいはそのような問題の発生を未然に防ぐことが可能となる。ここでηaveは、測定温度や、用いるインクジェット記録ヘッドによっても異なるが、例えば、25℃においては、2.0mPa・s〜3.5mPa・s程度が適当な値である。また、インク実使用温度(10〜50℃)におけるηaveは、1.5Pa・s〜10mPa・sの範囲が適当な値である。
【0017】
また本発明に係る第1〜第nのインクに関して、顔料濃度の最も高いインクの顔料濃度をPmax、最も低い顔料濃度のインクの顔料濃度をPminとしたときに、Pmax/Pminが3以上、特には3.5以上、更には4以上となった場合には、インク間での粘度に差が生じやすくなるため、本発明にかかるインク間の粘度を揃えるという技術思想は、特に有効に機能する。なお、Pmax/Pminに関して、本発明に関わる特徴事項との直接の関連においては上限値は特に規定されるものでないが、1台のインクジェットプリンタに搭載されるインク間での顔料濃度を極端に異ならせることは、画像品位、特に中間調の再現性、画像の粒状性、画像の濃度等を考慮すると現実的でない。よってPmax/Pminの上限値としては、20、特には15、更には10程度である。
【0018】
ところで、色材濃度の異なる水性インク間での粘度の調整方法としては、例えば、本発明に係る水性インクの構成成分を用いる方法が有効であり、具体的には下記(i)や(ii)の方法が挙げられる:
(i)水溶性有機化合物、例えば水溶性の有機溶媒を用いて粘度調整する方法、及び
(ii)水不溶性色材の分散剤を用いる方法。
【0019】
そして特に上記(ii)の方法は、複数のインクの間で、記録媒体に対する浸透性が大きく異なってしまったり、インク中の水不溶性色材の水性媒体への分散性の不安定化を招くことがないか、或いは比較的少ないため、本発明に於いて、好ましい態様ということができる。
【0020】
ここで上記(ii)の方法について、色材として顔料を用いた場合について、より具体的に述べる。
【0021】
顔料を水性媒体に分散させる場合、樹脂分散剤は、質量基準で顔料の0.5〜1倍の量用いられるのが一般的である。このことにより、顔料濃度が異なるインクの間では、樹脂分散剤の量も大きく変化することとなり、インク間で粘度の差が出てしまうものである。そして、上記(ii)の方法は、顔料濃度が相対的に低いインクに対して、顔料分散に必要な量を超える量の分散剤を添加し、その粘度を、顔料濃度が相対的に高いインクの粘度と等しく、或いは実質的に等しくするものである。
【0022】
ところで、上記(ii)の方法によってインク間の粘度調整を図る場合には、各々のインクの間で、水溶性有機化合物のインク中に於ける濃度は、等しくするか、或いは実質的に等しくすることが好ましい。ここで、各々のインクの間で、水溶性有機化合物の濃度が等しい、又は実質的に等しいとは、第1〜第nのインクにおいて、水溶性有機化合物のインク全量に対する割合が最も高いインクの水溶性有機化合物の濃度をSmax、水溶性有機化合物のインク全量に対する割合が最も低いインクの水溶性有機化合物の濃度をSminとしたときに、Smin/Smaxは0.6以上、好ましくは0.7以上であることを意味する。ここで、Smin/Smaxは1に近いほど水溶性有機化合物の濃度のばらつきが小さいことを示し、0に近いほど水溶性有機化合物の濃度のばらつきが大きいことを示す。このようにインク間で、水溶性有機化合物の量を等しくするか、或いは実質的に等しくすることにより、インク間での保存安定性がばらついたり、記録特性がばらつくことを有効に抑えることができる。
【0023】
上記(ii)の具体的方法としては、分散剤をインクに添加する方法が挙げられる。添加の仕方は、あらかじめ分散工程(顔料を分散させた分散液を作成する工程)で、分散剤を多く入れておいて分散してもよいし、インク作成時(分散液と他の成分を混合する際)に分散剤を添加してもよい。ここで、添加する分散剤は、どのような分散剤でもよいが、顔料を分散する際に用いるものと同一の分散剤を用いる方が好ましい。
【0024】
(分散剤)
分散剤としては、通常の水溶性樹脂(但し、いわゆる樹脂エマルジョンは含まない)を用いることができる。水溶性樹脂の具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、あるいはランダム共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。上記重合体の構造としては、ランダム重合体およびブロック共重合体、枝分かれ重合体、またはグラフト重合体が挙げられる。ところで、上記(ii)の方法によれば、インク中には顔料分散に必要な量を超える量の樹脂分散剤が存在することになる。従って、樹脂分散剤としては、インク中に多量に存在していても、当該インクの吐出に影響を与えない、もしくは極力影響を与えないものを選択して用いることが好ましい。そしてブロック重合体は、インク中に多量に含有させた場合においても、当該インクの吐出に与える影響が無いか、或いは軽微であると言う点において、極めて好ましいものである。
【0025】
とくに熱エネルギーを用いたヘッドにて、高周波数で駆動させた場合に、これらブロック共重合体を用いることによる、インクジェット吐出安定性の向上効果はより顕著である。
【0026】
ブロック共重合体としては、AB、BAB、およびABC型構造等(ここで、A、B、Cは互いに構造の異なるポリマーブロックを示している)が挙げられるがブロック部が存在していれば構造の制約はない。疎水性のブロックと親水性のブロックとを有し、また分散安定性に貢献する均衡のとれたブロックサイズを有するブロック重合体は、本発明を実施する上で有利である。官能基を疎水性ブロック(着色剤が結合するブロック)に組み込むことができ、それによって分散安定性を改善するために分散剤と着色剤との間の特異的相互作用がよりいっそう強化される。さらに熱エネルギーを利用したインクジェット記録方式、特に小液滴対応のインクジェット記録ヘッドに使用した場合、そのレオロジー適性により、より好ましいものである。インク中の重合体の量は、該重合体の構造、分子量、および他の特性、さらにインク組成物の他の成分に依存する。本発明を実施する上で選択される重合体の数平均分子量は、40,000未満、好ましくは20,000未満、より好ましくは2,000ないし10,000の範囲内である。
【0027】
また、これらの重合体についての製造法は、特開平05-179183号公報、06-136311号公報、07-053841号公報、10-87768号公報、11-043639号公報、11-236502号公報、11-269418号公報において開示されている。
【0028】
ブロック共重合体に用いることができる代表的な疎水性モノマーとしては、次のモノマーがあるがこれらに限定されるものではない:ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート(EMA)、プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート(BMAまたはNBMA)、ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート(LMA)、ステアリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ヒドロキシルエチルメタクリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート、メタクリロニトリル、2-トリメチルシロキシエチルャ^クリレート、グリシジルメタクリレート(GMA)、p-トリルメタクリレート、ソルビルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、フェニルアクリレート、2-フェニルエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリロニトリル、2-トリメチルシロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、p-トリルアクリレートおよびソルビルアクリレートなどである。
【0029】
好ましい疎水モノマーはベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、2-フェニルエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレートであり、これらから製造されたホモポリマーおよびコポリマー、例えばメチルメタクリレートとブチルメタクリレートとのコポリマーを用いてブロック共重合体を製造することが好ましい。
【0030】
また、ブロック共重合体に用いることができる代表的な親水性モノマーとしては、次のモノマーがあるがこれらに限定されるものではない:メタクリル酸(MAA)、アクリル酸、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、ジエチルアミノエチルメタクリレート、第3-ブチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、メタクリルアミド、アクリルアミドおよびジメチルアクリルアミド等が挙げられる。メタクリル酸、アクリル酸またはジメチルアミノエチルメタアクリレートのホモポリマーまたはコポリマーを用いてブロック共重合体を製造することが好ましい。
【0031】
酸を含有するポリマーは直接製造されるかまたは重合後除去されるブロッキング基を有するブロックされたモノマーから製造される。ブロッキング基の除去後に、アクリル酸またはメタクリル酸を生ずるブロックされたモノマーの例としては、トリメチルシリルメタクリレート(TMS-MAA)、トリメチルシリルアクリレート、1-ブトキシエチルメタクリレート、1-エトキシエチルメタクリレート、1-ブトキシエチルアクリレート、1-エトキシエチルアクリレート、2-テトラヒドロピラニルアクリレートおよび2-テトラヒドロピラニルメタクリレートが挙げられる。
【0032】
好ましいインク中の分散剤濃度は0.4質量%〜10質量%、より好ましくは0.6質量%〜8質量%、更に好ましくは0.8〜6質量%の範囲である。
【0033】
(顔料)
次に本発明に用いる顔料について説明する。
【0034】
使用できる顔料の例としては、顔料インクの黒色インクに使用される顔料としてはカーボンブラックが好適に使用される。
【0035】
カラー顔料としては、カラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示すと、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、55、74、83、86、93、97、98、109、110、117、120、125、128、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、71、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192、202、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が例示できる。これらの中でも、C.I.ピグメントイエロー13、17、55、74、93、97、98、110、128、138、139、147、150、151、154、155、180、185、C.I.ピグメントレッド122、202、209、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4が好ましい。
【0036】
好ましいインク中の顔料濃度は0.1質量%〜10質量%、より好ましくは0.3質量%〜6質量%の範囲である。
【0037】
本発明において、第1〜第nのインクは、互いに異なる色相を有する画像を与えるインク、即ち色の異なるインク群を含んでいてもよい。また第1〜第nのインクは、互いに同一の色相を有する画像を与えるインクであり、かつ着色力の異なるインク群、即ち濃インク(dark ink)と淡インク(light ink)との組み合わせを含んでいる。そして実際には、1台のインクジェットプリンタに搭載されるインク群の中で、顔料濃度に最も差が生じる例は、同一の色相を有し、着色力を異ならせたインク群であると考えられる。例えば、高品位な銀塩写真調の画像の形成に多用される、着色力の弱いインク(所謂淡インク)は、インクジェットのドットを目立たなくする(粒状感の低減)ために、一般的には顔料濃度がインク全質量基準で1質量%以下に調製されることが多い。淡インクの顔料濃度は、濃インクとのバランスで決められることが多く、単独で論じることは難しいが、一般に顔料濃度が1質量%以上の領域は、1ドット単位での輪郭が目視で見えて粒状感が目立ってしまう傾向がある為、好ましくは1質量%以下、より好ましくは、0.8質量%以下、さらに好ましくは、0.6質量%以下に設定される。
【0038】
そして本発明において、第1〜第nのインク群が、濃インク(dark ink)と淡インク(light ink)とを含み、その濃淡インク間で、上記(ii)の方法によって粘度調整を行った場合には、インクジェット記録画像の堅牢性の向上という更なる効果を得ることができる。即ち、顔料インクにより形成された画像は、一般に堅牢性(耐光性、耐ガス性などを含む)に優れていると考えられている。しかし、近年の検討によれば、顔料を色材として含む濃インクによる画像と淡インクによる画像とでは、堅牢性において淡インクの画像が濃インクの画像に劣るとの知見を得ている。しかしながら、本発明に従って、淡インクの粘度を濃インクの粘度に近づけるべく、樹脂分散剤を添加した結果として得られた淡インクによる画像は、その堅牢性が改善されたのである。これは、淡インクにおいて、顔料の量に対する樹脂分散剤の割合(Binder/Pigment比)が高くなったことにより、淡インクによる画像の堅牢性向上に寄与していることを意味している。従って、本発明に係る第1〜第nインク中に、濃淡インクを含み、且つ淡インクの粘度調整に前記方法(ii)を採用する場合に、淡インクのB/P比を、濃インクのB/P比よりも高くなるようにすることで、安定したインクジェット記録が可能となることに加え、堅牢性に極めて優れたインクジェット画像を形成することができる、という効果をも享受できる。なお、WO01/48100には、濃淡インクでB/P比を変化させる技術を開示しているものの、本発明の特徴事項であるインクの粘度調整については何らの開示もなく、またその実施例もインクの粘度の特定に必要な事項、例えば分散方法等が記載されていない為、検証することもできず、よって本発明に関する重要な資料とはなり得ないものである。
【0039】
なお、本発明に於いて、濃淡インクは、各々のインクが与える画像の色相が同一である、と定義したが、同一の色相とは、濃インク及び淡インクの各々を、吐出量が20〜50pl(ピコリットル)程度のインクジェット記録ヘッドを用いて、360dpi(dot per inch)×720dpiの画像を普通紙上に形成して得られた画像を、目視で観察し、その色相を、マンセルの色票に基づくマンセル記号の10のカテゴリー(R,YR,Y,GY,G,BG,B,PB,P,RP)に分類したときに、各々の画像が同じカテゴリーに属しているか、或いは隣接するカテゴリーに属していることを意味する。
【0040】
[水溶性有機化合物]
(界面活性剤)
また、熱エネルギーをもちいたヘッドの場合、本発明のインクにノニオン系の界面活性剤を添加することにより、より吐出持続性がえられる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物等が好ましい。HLBは、10以上、好ましくは12以上、よりこのましくは15以上のものが好ましい。これら界面活性剤はインク中へ0.3〜3質量%使用するとよい。好ましくは0.5〜2.5質量%、より好ましくは0.8〜2.0質量%使用すると好適である。
【0041】
(水溶性有機溶剤)
本発明においてインクに使用する水溶性有機溶剤としては、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n-ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレンもしくはオキシプロピレンの多量体(二量体、三量体、四量体等);エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;スルホラン、N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0042】
これらの溶剤の中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2-ピロリドン、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオールの使用が特に好ましい。
【0043】
本発明の水性インク中に含有される上記したような水溶性有機溶剤の含有量は、特に限定されないが、インク全重量に対して、好ましくは3〜50質量%、より好ましくは10〜35質量%の範囲である。又、インクに含有される水の含有量は、インク全重量に対して、好ましくは50〜95質量%の範囲である。
【0044】
又、保湿剤として、尿素やエチレン尿素、トリメチロールプロパンの使用も好ましい。とくにエチレン尿素、トリメチロールプロパンは本発明に非常に適したものである。これらを1〜20質量%使用することが好ましい。
【0045】
(インクジェット記録方法、それに用いる装置等、)次に、本発明に係るインクジェット記録方法は、(i)第1〜第nのインクジェット用水性インクを含み、各々の水性インクが、顔料、水性媒体、該顔料を該水性媒体に分散させる為の樹脂分散剤、及び水溶性有機化合物、を含んでおり、該第1〜第nの水性インクは、各々のインクの全質量を基準とした該顔料の濃度が互いに異なっており、該第1〜第nの水性インクは、同一色相で顔料濃度が異なるインクを含んでおり、顔料の量に対する樹脂分散剤の割合をB/P比としたときに、同一色相の顔料濃度の低いインクのB/P比が顔料濃度の高いインクのB/P比よりも高く、該第1〜第nの水性インクのうち、該顔料の濃度の最も高いインクの顔料の濃度をPmax、該顔料の濃度の最も低いインクの顔料の濃度をPminとしたときに、Pmax/Pminが3以上であり、該第1〜第nの水性インクの25℃に於ける粘度の平均値をηaveとしたときに、各々のインクの25℃に於ける粘度がηave±15%の範囲内にあるインクセットを用意する工程;(ii)該第1〜第nの水性インクの各々をインクジェット法で吐出する工程;及び(iii)該第1〜第nの水性インクの吸引回復動作を共通の回復ユニットで行う工程を有する(但しnは2以上の整数を示す)。
【0046】
そして係る記録方法に用いることができる。
【0047】
本発明を適用したインクジェット記録装置について、インクジェットプリンターを具体例として説明する。図1は、吐出時に気泡を大気と連通する吐出方式の液体吐出ヘッドとしての液体吐出ヘッド及びこのヘッドを用いる液体吐出装置としてのインクジェットプリンタの一例の要部を示す概略斜視図である。
【0048】
図1においては、インクジェットプリンタは、ケーシング1008内に長手方向に沿って設けられる記録媒体としての用紙1028を図中に示す矢印Pで示す方向に間欠的に搬送する搬送装置1030と、搬送装置1030による用紙1028の搬送方向Pに略直交する矢印S方向に、ガイド軸1014に沿って略平行に往復運動せしめられる記録部1010と、記録部1010を往復運動させる駆動手段としての移動駆動部1006とを含んで構成されている。
【0049】
上記搬送装置1030は、互いに略平行に対向配置されている一対のローラユニット1022a及び1022bと、一対のローラユニット1024a及び1024bと、これらの各ローラユニットを駆動させるための駆動部1020とを備えている。かかる構成により、搬送装置1030の駆動部1020が作動状態とされると、用紙1028が、それぞれのローラユニット1022a及び1022bと、ローラユニット1024a及び1024bにより狭持されて、矢印P方向に間欠送りで搬送されることとなる。移動駆動部1006は、所定の間隔をもって対向配置される回転軸に配されるプーリ1026a、及び、プーリ1026bに巻きかけられるベルト1016、ローラユニット1022a、及び、ローラユニット1022bに略平行に配置され記録部1010のキャリッジ部材1010aに連結されるベルト1016を順方向及び逆方向に駆動させるモータ1018とを含んで構成されている。
【0050】
モータ1018が作動状態とされてベルト1016が矢印R方向に回転したとき、記録部1010のキャリッジ部材1010aは矢印S方向に所定の移動量だけ移動される。又、モータ1018が作動状態とされてベルト1016が図中に示した矢印R方向とは逆方向に回転したとき、記録部1010のキャリッジ部材1010aは矢印S方向とは反対の方向に所定の移動量だけ移動されることとなる。更に、移動駆動部1006の一端部には、キャリッジ部材1010aのホームポジションとなる位置に、記録部1010の吐出回復処理を行うための回復ユニット1026が記録部1010のインク吐出口配列に対向して設けられている。
【0051】
記録部1010は、インクジェットカートリッジ(以下、単にカートリッジと記述する場合がある)1012Y、1012M、1012C及び1012Bが各色、例えばイエロー、マゼンタ、シアン及びブラック毎にそれぞれ、キャリッジ部材1010aに対して着脱自在に備えられる。この場合に於いては、本発明に係る第1〜第nのインクは、各々独立のカートリッジに収納されているが、他の例としては、図3に示したように、例えば本発明に係る第1のインクと第2のインクとの各々を収納しているインク収納部301と303を備え、図4に示す様にインクジェット記録ヘッド401に対して着脱可能に構成されているインクカートリッジ305が挙げられる。そして図3に係るインクカートリッジは、図4に示した様にインクジェット記録ヘッド401に装着されることにより、第1のインク及び第2のインクの各々が記録ヘッドに供給され、各々のインクが吐出されることとなるものである。更に図3、4ではインクカートリッジとインクジェット記録ヘッドとが着脱可能な構成について説明したが、インクカートリッジとインクジェット記録ヘッドとが一体となった構成も他の例として挙げることができる。
【0052】
図2は上述のインクジェット記録装置に搭載可能なインクジェットカートリッジの一例を示す。本例におけるカートリッジ1012は、シリアルタイプのものであり、インクジェット記録ヘッド100と、インク等の液体を収容する液体タンク1001とで主要部が構成されている。
【0053】
インクジェット記録ヘッド100は液体を吐出するための多数の吐出口832が形成されており、インク等の液体は、液体タンク1001から図示しない液体供給通路を介して液体吐出ヘッド100の共通液室(不図示)へと導かれるようになっている。図2に示したカートリッジ1012は、インクジェット記録ヘッド100と液体タンク1001とを一体的に形成し、必要に応じて液体タンク1001内に液体を補給できるようにしたものであるが、この液体吐出ヘッド100に対し、液体タンク1001を交換可能に連結した構造を採用するようにしてもよい。
【0054】
なお、インクジェット記録ヘッドを備えたインクジェットカートリッジが記録ユニットである。従って、上記図4にかかる、インクカートリッジがインクジェット記録ヘッドに装着されてなる形態は、本発明に於ける記録ユニットの範疇のものである。
【0055】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する(実施例1、3、4、比較例1)。
【0056】
先ず、本発明の実施例1で使用するインクセットの各インク(イエローインク1、マゼンタインク1、シアンインク1、ブラックインク1、淡マゼンタインク1および淡シアンインク1)を下記の方法で作製した。
【0057】
<イエローインク1(Y1)>
(1)分散液の作製
まず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価300、数平均分子量2500のAB型ブロックポリマーを作り、更に、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50質量%ポリマー水溶液を作製した。
【0058】
上記のポリマー溶液を140g、C.I.ピグメントイエロー138を100gおよびイオン交換水を260gを混合し、そして30分間プレミキシングをした。ついで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約10,000psi(約70MPa)下でセラミックL型チャンバ内に5回通すことによって処理した。
【0059】
更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してイエロー分散液とした。得られたイエロー分散液は、その顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が7.5質量%であった。
【0060】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記イエロー分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度4.5質量%、分散剤濃度3.38質量%の顔料インクを調製した。
上記イエロー分散液 45部
グリセリン 10部
ジエチレングリコール 10部
アセチレングリコールのEO付加物 0.5部
(商品名:アセチレノールEH、川研ファインケミカル製。EOはエチレンオキサイドを意味する)
イオン交換水 34.5部。
【0061】
<マゼンタインク1(M1)>
(1)分散液の作製
イエローインク1で使用したポリマー溶液を100g、C.I.ピグメントレッド122を100gおよびイオン交換水を300gを混合し、そして30分間プレミキシングをした。ついで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約10,000psi(約70MPa)下でセラミックL型チャンバ内に5回通すことによって処理した。
【0062】
更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してマゼンタ分散液とした。得られたマゼンタ分散液は、その顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が5質量%であった。
【0063】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記マゼンタ分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度4質量%、分散剤濃度2質量%の顔料インクを調製した。
上記マゼンタ分散液 40部
グリセリン 10部
ジエチレングリコール 10部
アセチレングリコールのEO付加物 0.5部
(商品名:アセチレノールEH、川研ファインケミカル社製)
イオン交換水 39.5部。
【0064】
<シアンインク1(C1)>
(1)分散液の作製
まず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価250、数平均分子量3000のAB型ブロックポリマーを作り、更に、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50質量%ポリマー水溶液を作製した。
【0065】
上記のポリマー溶液を180g、C.I.ピグメントブルー 15:3 を100gおよびイオン交換水を220gを混合し、そして30分間プレミキシングをした。ついで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約10,000psi(約70MPa)下でセラミックL型チャンバ内に5回通すことによって処理した。
【0066】
更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン分散液とした。得られたシアン分散液は、その顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が10質量%であった。
【0067】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記シアン分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度2質量%、分散剤濃度2質量%の顔料インクを調製した。
上記シアン分散液 20部
グリセリン 10部
ジエチレングリコール 10部
エチレングリコール 6部
アセチレングリコールのEO付加物 0.5部
(商品名:アセチレノールEH、川研ファインケミカル社製)
イオン交換水 53.5部。
【0068】
<ブラックインク1(Bk1)>
(1)分散液の作製
イエローインク1で使用したポリマー溶液を100g、カーボンブラックを100gおよびイオン交換水を300gを混合し、そして30分間プレミキシングをした。ついで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約10,000psi(約70MPa)下でセラミックL型チャンバ内に5回通すことによって処理した。
【0069】
更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してブラック分散液とした。得られたブラック分散液は、その顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が6質量%であった。
【0070】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記ブラック分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度5質量%、分散剤濃度3質量%の顔料インクを調製した。
上記ブラック分散液 50部
グリセリン 10部
トリエチレングリコール 10部
トリメチロールプロパン 4部
アセチレングリコールのEO付加物 0.5部
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル社製)
イオン交換水 25.5部。
【0071】
<淡マゼンタインク1(LM1)>
(1)分散液の作製
イエローインク1で使用したポリマー溶液を450g、C.I.ピグメントレッド122を100gおよびイオン交換水を450gを混合し、そして30分間プレミキシングをした。ついで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約10,000psi(約70MPa)下でセラミックL型チャンバ内に5回通すことによって処理した。
【0072】
更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してマゼンタ分散液とした。得られたマゼンタ分散液は、その顔料濃度が5質量%、分散剤濃度が12質量%であった。
【0073】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記マゼンタ分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度0.9質量%、分散剤濃度2.16質量%の顔料インクを調製した。
上記マゼンタ分散液 18部
グリセリン 13部
トリエチレングリコール 7部
2-ピロリドン 3部
アセチレングリコールのEO付加物 0.5部
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル社製)
イオン交換水 58.5部。
【0074】
<淡シアンインク1(LC1)>
(1)インクの作製
インクの作製は、シアンインク1で用いたシアン分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度0.6質量%、分散剤濃度1.8質量%の顔料インクを調製した。
シアンインク1で用いたシアン分散液 6部
シアンインク1で用いたポリマー溶液 2.4部
グリセリン 12部
ジエチレングリコール 8部
エチレングリコール 8部
アセチレングリコールのEO付加物 0.5部
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル社製)
イオン交換水 63.1部。
【0075】
次に、本発明の実施例2で使用するインクセットの各インク(イエローインク2、マゼンタインク2およびシアンインク2)を下記の方法で作製した。
【0076】
<イエローインク2(Y2)>
(1)イエロー分散液の作製
スチレン-アクリル酸共重合体 8部
(数平均分子量:約4000;ランダムポリマー)
水酸化カリウム 1部
グリセリン 5部
イオン交換水 66部。
【0077】
先ず、上記成分を容器の中に入れて混合し、ウォーターバスで70℃に加熱し、樹脂分を完全に溶解させた。次に、この溶液に、C.I.ピグメントイエロー128を20部加え、30分間プレミキシングを行った後、バッチ式サンドミル(アイメックス社製)に仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間かけて分散処理を行なった。
【0078】
更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してイエロー分散液とした。得られたイエロー分散液は、その顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が4質量%であった。
【0079】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記イエロー分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度3質量%、分散剤濃度1.2質量%の顔料インクを調製した。
上記イエロー分散液 30部
グリセリン 6.5部
エチレン尿素 8部
アセチレングリコールのEO付加物 0.2部
(商品名:サーフィノール465;日信化学工業株式会社製)
イオン交換水 55.3部。
【0080】
<マゼンタインク2(M2)>
(1)マゼンタ分散液の作製
スチレン-アクリル酸メチルアクリレート 11部
(数平均分子量:約2500;ランダムポリマー)
水酸化カリウム 1部
ジエチレングリコール 5部
イオン交換水 63部。
【0081】
先ず、上記成分を容器の中に入れて混合し、ウォーターバスで70℃に加熱し、樹脂分を完全に溶解させた。次に、この溶液に、C.I.ピグメントレッド122を20部加え、30分間プレミキシングを行った後、イエローインク2に用いるイエロー分散液の作製の場合と同様の分散処理を行ってマゼンタ分散液を作製した。得られたマゼンタ分散液は、その顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が5.5質量%であった。
【0082】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記マゼンタ分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度2質量%、分散剤濃度1.1質量%の顔料インクを調製した。
上記マゼンタ分散液 20部
グリセリン 12部
ジエチレングリコール 5部
エチレン尿素 8部
アセチレングリコールのEO付加物 0.5部
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製)
イオン交換水 54.5部。
【0083】
<シアンインク2(C2)>
(1)シアン分散液の作製
スチレン-アクリル酸共重合体 13.5部
(数平均分子量:約4000;ランダムポリマー)
水酸化カリウム 1部
ジエチレングリコール 5部
イオン交換水 70.5部。
【0084】
先ず、上記成分を容器の中に入れて混合し、ウォーターバスで70℃に加熱し、樹脂分を完全に溶解させた。次に、この溶液に、C.I.ピグメントブルー 15:3 を10部加え、30分間プレミキシングを行った後、イエローインク2に用いるイエロー分散液の作製の場合と同様の分散処理を行ってシアン分散液を作製した。得られたシアン分散液は、その顔料濃度が5質量%、分散剤濃度が6.8質量%であった。
【0085】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記シアン分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度0.95質量%、分散剤濃度1.29質量%の顔料インクを調製した。
上記シアン分散液 19部
グリセリン 10部
ジエチレングリコール 4部
トリメチロールプロパン 3部
アセチレングリコールのEO付加物 0.1部
(商品名:サーフィノール440;日信化学工業株式会社)
イオン交換水 63.9部。
【0086】
次に、本発明の実施例3で使用するインクセットの各インク(シアンインク3および淡シアンインク2)を下記の方法で作製した。
【0087】
<シアンインク3(C3)>
(1)分散液の作製
まず、ベンジルアクリレート、メタクリル酸およびエトキシエチレングリコールメタクリレートを原料として、常法により、酸価350、数平均分子量2500のABC型ブロックポリマーを作り、さらに、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50%ポリマー水溶液を作成した。上記の50%ポリマー溶液を250g、C.I.ピグメントブルー15:3を100gおよびイオン交換水を150g混合し、30分間プレミキシングを行った。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下でセラミックL型チャンバ内に5回通すことによって処理した。さらに、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン分散液とした。得られたシアン分散液は、その顔料濃度が10%、分散剤濃度が14%であった。
【0088】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記シアン分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度1.8%、分散剤濃度2.52%の顔料インクを調製した。
【0089】
Figure 0004343503
【0090】
<淡シアンインク2(LC2)>
(1)分散液の作製
シアンインク3で用いたポリマー溶液を550g、C.I.ピグメントブルー15:4を100gおよびイオン交換水を350g混合し、30分間プレミキシングを行った。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下でセラミックL型チャンバ内に5回通すことによって処理した。
【0091】
さらに、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン分散液とした。得られたシアン分散液は、その顔料濃度が5%、分散剤濃度が15%であった。
【0092】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記シアン分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度0.3%、分散剤濃度3%の顔料インクを調製した。
Figure 0004343503
【0093】
次に、比較例1で使用するインクセットの各インク(シアンインク4、ブラックインク2、淡マゼンタインク2および淡シアンインク3)を下記の方法で作製した。
【0094】
<シアンインク4(C4)>
(1)インクの作製
インクの作製は、シアンインク1に用いたシアン分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度2質量%、分散剤濃度2質量%の顔料インクを調製した。
【0095】
シアンインク1に用いたシアン分散液 20部
グリセリン 10部
ジエチレングリコール 10部
アセチレングリコールのEO付加物 0.5部
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製)
イオン交換水 59.5部。
【0096】
<ブラックインク2(BK2)>
(1)インクの作製
インクの作製は、ブラックインク1に用いたブラック分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度5質量%、分散剤濃度3質量%の顔料インクを調製した。
ブラックインク1に用いたブラック分散液 50部
グリセリン 10部
トリエチレングリコール 10部
アセチレングリコールのEO付加物 0.5部
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製)
イオン交換水 29.5部。
【0097】
<淡マゼンタインク2(LM2)>
(1)インクの作製
インクの作製は、マゼンタインク1に用いたマゼンタ分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度0.9質量%、分散剤濃度0.45質量%の顔料インクを調製した。
マゼンタインク1に用いたマゼンタ分散液 9部
グリセリン 13部
トリエチレングリコール 7部
アセチレングリコールのEO付加物 0.5部
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製)
イオン交換水 70.5部。
【0098】
<淡シアンインク3(LC3)>
(1)インクの作製
インクの作製は、シアンインク1で用いたシアン分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度0.6質量%、分散剤濃度0.6質量%の顔料インクを調製した。
シアンインク1で用いたシアン分散液 6部。
グリセリン 12部
ジエチレングリコール 8部
アセチレングリコールのEO付加物 0.5部
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製)
イオン交換水 73.5部。
【0099】
次に、本発明の実施例4で使用するインクセットの各インク(淡マゼンタインク3および淡シアンインク4)を下記の方法で作製した。
【0100】
<淡マゼンタインク3(LM3)>
(1)インクの作製
インクの作製は、マゼンタインク1に用いたマゼンタ分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度0.9質量%、分散剤濃度0.45質量%の顔料インクを調製した。
マゼンタインク1に用いたマゼンタ分散液 9部。
グリセリン 13部
トリエチレングリコール 7部
2-ピロリドン 3部
ジチレングリコール 8部
トリメチロールプロパン 5部
アセチレングリコールのEO付加物 0.5部
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製)
イオン交換水 54.5部。
【0101】
<淡シアンインク4(LC4)>
(1)インクの作製
インクの作製は、シアンインク1で用いたシアン分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度0.6質量%、分散剤濃度0.6質量%の顔料インクを調製した。
シアンインク1で用いたシアン分散液 6部
グリセリン 18部
ジエチレングリコール 16部
アセチレングリコールのEO付加物 0.5部
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル製)
イオン交換水 59.5部。
【0102】
実施例及び比較例で用いるインクセットを構成するインクの組成並びに物性を表1にまとめた。
【0103】
【表1】
Figure 0004343503
【0104】
なお、各実施例、比較例にかかるインクセットを構成するインクの粘度は、E形粘度RE80L型粘度計(東機産業(株)製)を使用して、25℃において測定したものである。
【0105】
次に、各実施例及び比較例のインクセットについて、各々のインクセットを構成しているインクをインクジェットプリンタ(商品名:BJF8500;キヤノン(株)社製)のインクタンクに充填し、プリントヘッドのクリーニング動作を10回連続して行ったときの廃インク量の重さを、各インク毎に測定した。その結果、実施例1〜4のインクセットに関しては、各インクの廃インクの量のばらつきは殆どなかった。一方比較例1のインクセットの関しては、特に濃淡インク間、即ちM1とLM1、C3とLC2との間での廃インク量の差が極めて大きかった。
【0106】
次に実施例1のインクセットを構成している各々のインクをBJF8500に充填し、普通紙(キヤノン社製PPC用紙)に写真調のフルカラー画像の印刷を行った。同様に、比較例1のインクセットを構成しているインクセットをBJF8500に充填し、同じ写真調画像を印刷した。得られた2枚の印刷物を、耐光性試験機(商品名:スーパーキセノンSX-75;スガ試験機社製)を用いて、キセノンランプの光を300時間照射して初期の画像からの劣化の程度を観察した。その結果、(比較例1の画像は、目視によっても明らかな色調の変化が認められ、初期画像に対し劣化したことが明白であった。一方実施例1の画像は、若干の色調の変化が認められるものの、未だ十分に観賞に耐えるものであった。)。
【0107】
更に、実施例1、3、4、参照例2のインクセットの各々のインクを耐熱性のガラス瓶に100ccずつ入れ、密栓して60℃の恒温層に1ヶ月間保存後、粘度、粒径を測定し、保存前の状態と変化があるかを評価した。その結果、実施例1、3、参照例2のインクセットについては、インクの増粘や、インク中の色材粒子の凝集などは認められず、保存性が良好であることが確認された。一方実施例4のインクについては、増粘、色材の凝集が観察され、実施例1、3、参照例2のインクセットに比較すると、保存性に劣るとの結果が得られた。
【0108】
【発明の効果】
本発明により、顔料インクを用いた場合でも、インクセット全体として、インク供給機構、回復機構に支障なく、かつインクの保存性が良好なインクセットを用いたインクジェット記録方法が提供された。
【0109】
また、本発明のインクジェット記録方法によれば、長期間にわたって良好な画像記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体吐出ヘッドを搭載可能なインクジェットプリンタの一例の要部を示す概略斜視図である。
【図2】液体吐出ヘッドを備えたインクジェットカートリッジの一例を示す概略斜視図である。
【図3】本発明に用いるインクカートリッジの一実施態様を示す概略図である。
【図4】本発明に用いる記録ユニットの一実施態様を示す概略図である。
【符号の説明】
100:インクジェット記録ヘッド
832:吐出口
1001:液体タンク
1006:移動駆動部
1008:ケーシング
1010:記録部
1010a:キャリッジ部材
1012:カートリッジ
1012Y,M,C,B:インクジェットカートリッジ
1014:ガイド軸
1016:ベルト
1018:モータ
1020:駆動部
1022a、1022b:ローラユニット
1024a、1024b:ローラユニット
1026:回復ユニット
1026a、1026b:プーリ
1028:用紙
1030:搬送装置
P:用紙の搬送方向
R:ベルトの回転方向
S:用紙の搬送方向と略直交する方向

Claims (4)

  1. (i)第1〜第nのインクジェット用水性インクを含み、各々の水性インクが、顔料、水性媒体、該顔料を該水性媒体に分散させる為の樹脂分散剤、及び水溶性有機化合物、を含んでおり、
    該第1〜第nの水性インクは、各々のインクの全質量を基準とした該顔料の濃度が互いに異なっており、
    該第1〜第nの水性インクは、同一色相で顔料濃度が異なるインクを含んでおり、
    顔料の量に対する樹脂分散剤の割合をB/P比としたときに、同一色相の顔料濃度の低いインクのB/P比が顔料濃度の高いインクのB/P比よりも高く、
    該第1〜第nの水性インクのうち、該顔料の濃度の最も高いインクの顔料の濃度をPmax、該顔料の濃度の最も低いインクの顔料の濃度をPminとしたときに、Pmax/Pminが3以上であり、
    該第1〜第nの水性インクの25℃に於ける粘度の平均値をηaveとしたときに、各々のインクの25℃に於ける粘度がηave±15%の範囲内にあるインクセットを用意する工程;
    (ii)該第1〜第nの水性インクの各々をインクジェット法で吐出する工程;及び
    (iii)該第1〜第nの水性インクの吸引回復動作を共通の回復ユニットで行う工程を有することを特徴とするインクジェット記録方法(但しnは2以上の整数を示す)。
  2. 該第1〜第nの水性インクの、25℃に於けるηaveが2.0mPa・s〜3.5mPa・sの範囲内である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 該第1〜第nの水性インク中で、水溶性有機化合物の濃度の最も高いインクの水溶性有機化合物の濃度をSmax、水溶性有機化合物の濃度の最も低いインクの水溶性有機化合物の濃度をSminとしたときに、Smin/Smaxが0.6以上である請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 該インクジェット法が、サーマルインクジェット法である請求項1〜3の何れかに記載のインクジェット記録方法。
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