JP2005194512A - インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインク吐出の安定化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水、顔料、前記顔料を分散させるための分散剤、及び、臨界ミセル濃度が0.0005mol/l以下のアニオン性界面活性剤を含んでなることを特徴とするインクジェット記録用インク、インクカートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインク吐出の安定化方法。
【選択図】なし
Description
1.スタートアップ特性
オンデマンド方式において液滴形成が一定時間行われないと、ノズル先端でのインク中の水分の蒸発による相対的な顔料濃度の増加が起こり、ノズル先端部分のインク粘度が上昇し、インクの吐出が正常に行われなくなる。その結果、ドットプレースメントが正確でなくなったり、書き始めの部分でドット径が小さくなったりする、所謂スタートアップ特性の低下が生じる。そして、このような現象は、インクのノズル先端からの蒸発が促進される低湿度環境下や、インク全体の粘度が上昇する低温環境下で特に顕著になる。この特性は、分散剤という染料インク中には含まれることのない成分を更に含む顔料インク(以下インクという)の場合、特に顕著になる課題である。
又、ノズル先端で生じるインクの水分蒸発によって生じる別の問題としては、プリンタがある期間使用されないで放置されたとき、或いは、インクタンクとプリントヘッドが一体型の場合において、プリントヘッド自体がプリンタから外された状態で放置されたとき、或いは、インクタンクとプリントヘッドが分離可能な形態では、インクタンクがプリンタから外された状態で放置されたとき等、水分蒸発によってノズル先端で生じる色材の固着による目詰まりの発生が挙げられる。この現象は、色素そのものが分子として働き、水や溶剤に対して可溶性である染料に対し、分子自体が水にも溶剤にも基本的には不溶であり、しかも最低でも粒子径が100nm程度になるまで会合している顔料の場合、格段に対応の難しい課題となっている。これは、インク中の水分が蒸発すると、顔料濃度が相対的に増大し、顔料間のネットワーク形成が進み、目詰まり性の劣化が加速されるためである。水分蒸発しない場合でも分散が不良であると顔料間の凝集が進み、この場合は、インクの製造直後より、目詰まり性が悪い場合が多い。
インクが低温及び高温に放置された場合にも、凝集、増粘等の物性変化がなく、pHの変化やインク流通経路からの溶出物の影響がなく、いつも安定した吐出が得られるように、インクを安定な状態に維持することも重要である。インクの安定性は、上記した耐目詰まり性にも大きく影響する。とりわけ顔料は、一般的には、分散剤によってインク媒体中に均一に分散されているものであるため、保存により顔料と分散剤の剥離が起きたり、顔料に吸着している分散剤の溶解性が酸化やイオン反応等により低下すると分散が壊れ、急激な物性変化が起きてしまう。インクの液滴量が10pl以下のプリンタに使用されるインクでは、わずかの凝集や増粘等の影響が諸特性に対して大きくなるので、格段の保存性能の向上が求められている。
本発明にかかるインクは、水を必須成分とするが、インク中の水の含有量は、インク全質量に対して、30質量%以上であることが好ましく、又、95質量%以下であることが好ましい。
本発明にかかるインクは、臨界ミセル濃度が0.0005mol/l以下のアニオン性界面活性剤を必須成分として含有する。以下、本発明を特徴づける当該アニオン性界面活性剤について説明する。臨界ミセル濃度がこの範囲のアニオン性界面活性剤であれば、いかなるものも使用できる。具体的には、ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム等が挙げられるが、中でも、分子構造中に環状ペプチドを有する一連のアニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。上記の環状ペプチド構造中に含まれるアミノ酸としては、具体的には、グリシン、アラニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、ジヨードチロシン、スリナミン、トレオニン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロキシン、メチオニン、シスチン、システイン、α−アミノ酪酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、ヒスチジン等が例示できる。
次に、本発明にかかるインクの必須成分である顔料について説明する。黒色インクに使用される顔料としては、カーボンブラックが好適である。具体的には、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料であり、その一次粒径が15〜40nm、BET法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%の特性をもつものが好ましく用いられる。
これらの顔料のインク中への添加量は、この範囲に限定されるものではないが、0.1〜15質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜12質量%、更に好ましくは、0.3〜10質量%である。
次に、本発明にかかるインクの必須成分である分散剤について説明する。本発明で使用する顔料を分散させる分散剤としては、水溶性であれば特に制約はないが、具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。中でも、本発明を実施する上で特に好ましい分散剤は、ブロック共重合体である。
又、本発明にかかるインクは、所望の物性値を有するインクとするために、上記した成分の他に必要に応じて、添加剤として、例えば、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤等を添加することができる。添加剤の選択はインクの表面張力が25mN/m以上、好ましくは28mN/m以上になるようにすることが好ましい。
上記した構成の本発明にかかるインクは、下記に説明するインクジェット記録方法及びこれを実施する装置に特に好適に用いられる。本発明にかかるインクジェット記録装置につき、インクジェットプリンタを具体例として説明する。図1は、吐出時に気泡を大気と連通する吐出方式の液体吐出ヘッドとしての液体吐出ヘッド及びこのヘッドを用いる液体吐出装置としてのインクジェットプリンタの一例の要部を示す概略斜視図である。
(顔料分散液1の調製)
先ず、ベンジルメタクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価250、重量平均分子量3,000のAB型ブロックポリマーを作り、更に、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50%ポリマー水溶液を作成した。得られたポリマー水溶液を180g、C.I.ピグメントブルー15:3を100g、及びイオン交換水220gを混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン色の顔料分散液1とした。得られた顔料分散液1は、その顔料濃度が10%、分散剤濃度が10%であった。
インク1の調製は、上記で得たシアン色の顔料分散液1を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度2%、分散剤濃度2%のインク1を調製した。下記に示すように、インク1には、環状ペプチド構造アニオン性界面活性剤であるアミノフェクト(商品名:昭和電工製、臨界ミセル濃度0.000003mol/l)を添加した。又、これと併用してノニオン性界面活性剤である、ポリオキシエチレンセチルエーテルと、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物とを用いた。
・グリセリン 7部
・トリメチロールプロパン 8部
・エチレン尿素 2部
・ポリオキシエチレンセチルエーテル(エチレンオキ
サイド付加数=30、HLB19.5) 0.5部
・環状ペプチド構造アニオン性界面活性剤 0.5部
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH、川研ファインケミカ
ル製) 0.3部
・イオン交換水 61.7部
(顔料分散液2の調製)
顔料分散液1の調製で使用したと同様のポリマー溶液を100g、C.I.ピグメントレッド122を100g、及びイオン交換水300gを混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してマゼンタ色の顔料分散液2とした。得られた顔料分散液2は、その顔料濃度が10%、分散剤濃度が5%であった。
インク2の調製は、上記マゼンタ色の顔料分散液2を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度4%、分散剤濃度2%のインク2を調製した。下記に示すように、インク2には、環状ペプチド構造アニオン性界面活性剤であるアミノフェクト(商品名:昭和電工製、臨界ミセル濃度0.000003mol/l)を添加した。又、これと併用してノニオン性界面活性剤である、ポリオキシエチレンセチルエーテルと、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物とを用いた。
・グリセリン 7部
・エチレン尿素 2部
・2−ピロリドン 3部
・1,2,6−ヘキサントリオール 5部
・ポリオキシエチレンセチルエーテル(エチレンオキ
サイド付加数=20、HLB17) 0.1部
・環状ペプチド構造アニオン性界面活性剤 1部
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH、川研ファインケミカ
ル製) 0.3部
・イオン交換水 41.6部
(顔料分散液3の調製)
先ず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価300、重量平均分子量4,000のAB型ブロックポリマーを作り、更に、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50%ポリマー水溶液を作成した。上記のポリマー溶液を110g、C.I.ピグメントイエロー128を100g、及びイオン交換水290gを混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。更に、上記で得たイエロー色の顔料分散液3を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去して顔料分散液3とした。得られた顔料分散液3は、その顔料濃度が10%、分散剤濃度が6%であった。
インク3の調製は、上記イエロー色の顔料分散液3を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度5%、分散剤濃度3%のインク3を調製した。下記に示すように、インク3には、アニオン性界面活性剤であるラウロイルグルタミン酸モノナトリウム(臨界ミセル濃度0.0003mol/l)を添加した。又、これと併用してノニオン性界面活性剤である、ポリオキシエチレンオレイルエーテルと、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物とを用いた。
・グリセリン 6部
・ポリエチレングリコール(平均分子量200)2部
・ジエチレングリコール 4部
・エチレングリコール 5部
・ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム 0.3部
・ポリオキシエチレンオレイルエーテル(エチレンオ
キサイド付加数10、HLB14.5) 0.5部
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:サーフィノール440、エアープロダクツ
製) 0.2部
・イオン交換水 32部
(顔料分散液4の調製)
先ず、ベンジルメタクリレート、メタクリル酸及び2−エトキシエチルメタクリレートを原料として、常法により、酸価350、重量平均分子量5,000のABC型ブロックポリマーを作り、更に、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50%ポリマー水溶液を作成した。上記のポリマー溶液を60g、カーボンブラックを100g、及びイオン交換水340gを混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去して黒色の顔料分散液4とした。得られた顔料分散液4は、その顔料濃度が10%、分散剤濃度が3.5%であった。
インク4の調製は、上記黒色の顔料分散液4を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度3%、分散剤濃度1.05%のインク4を調製した。下記に示すように、インク4には、環状ペプチド構造アニオン性界面活性剤であるアミノフェクト(商品名:昭和電工製、臨界ミセル濃度0.000003mol/l)を添加した。又、これと併用してノニオン性界面活性剤である、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルと、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物とを用いた。
・グリセリン 3部
・エチレン尿素 6部
・トリエチレングリコール 4部
・ポリエチレングリコール(平均分子量400)2部
・ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(エチレンオ
キサイド付加数20、HLB16.5) 1.5部
・環状ペプチド構造アニオン性界面活性剤 0.1部
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH、川研ファインケミカ
ル製) 0.3部
・イオン交換水 53.1部
(顔料分散液5の調製)
先ず、ベンジルアクリレート、メタクリル酸及び2−エトキシエチルメタクリレートを原料として、常法により、酸価350、重量平均分子量2,500のABC型ブロックポリマーを作り、更に、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50%ポリマー水溶液を作成した。上記のポリマー溶液を550g、C.I.ピグメントブルー15:4を100g、及びイオン交換水350gを混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン色の顔料分散液5とした。得られた顔料分散液5は、その顔料濃度が5%、分散剤濃度が15%であった。
インク5の調製は、上記シアン色の顔料分散液5を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度0.3%、分散剤濃度3%のインク5を調製した。下記に示すように、インク5には、環状ペプチド構造アニオン性界面活性剤であるアミノフェクト(商品名:昭和電工製、臨界ミセル濃度0.000003mol/l)を添加した。又、これと併用してノニオン性界面活性剤である、ポリオキシエチレンベへニルエーテルと、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物とを用いた。
・上記50%ポリマー溶液 4.2部
・グリセリン 10部
・テトラエチレングリコール 3部
・エチレン尿素 10部
・ポリオキシエチレンベへニルエーテル(エチレンオ
キサイド付加数15、HLB14) 0.5部
・環状ペプチド構造アニオン性界面活性剤0.01部
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH、川研ファインケミカ
ル製) 0.3部
・イオン交換水 65.99部
(インク6の調製)
インク6の調製は、インク1の調製に用いたシアン色の顔料分散液1を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度2%、分散剤濃度2%のインク6を調製した。下記に示すように、インク6には、界面活性剤を添加しなかった。
・グリセリン 7部
・トリメチロールプロパン 8部
・エチレン尿素 2部
・イオン交換水 63部
(インク7の調製)
インク7の調製は、インク1の調製に用いたシアン色の顔料分散液1を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度2%、分散剤濃度2%のインク7を調製した。下記に示すように、インク7には、アニオン性界面活性剤を添加せず、ノニオン性界面活性剤である、ポリオキシエチレンセチルエーテルと、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物のみを添加した。
・グリセリン 7部
・トリメチロールプロパン 8部
・エチレン尿素 2部
・ポリオキシエチレンセチルエーテル(エチレンオキ
サイド付加数30、HLB19.5) 1部
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH、川研ファインケミカ
ル製) 0.3部
・イオン交換水 61.7部
インク8の調製は、インク2の調製に用いたマゼンタ色の顔料分散液2を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度4%、分散剤濃度2%のインク8を調製した。下記に示すように、インク8には、アニオン性界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム(臨界ミセル濃度0.0082mol/l)を添加した。又、これと併用してノニオン性界面活性剤である、ポリオキシエチレンセチルエーテルと、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物とを用いた。
・グリセリン 7部
・エチレン尿素 2部
・2−ピロリドン 3部
・1,2,6−ヘキサントリオール 5部
・ポリオキシエチレンセチルエーテル(エチレンオキ
サイド付加数20、HLB17) 0.1部
・ラウリル硫酸ナトリウム 1部
・アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH、川研ファインケミカ
ル製) 0.3部
・イオン交換水 41.6部
実施例1〜5(インク1〜5)及び比較例1〜3(インク6〜8)で得られた各インクと、前記インクをポリエチレン製容器に60℃で1ヶ月間保存した後の各インクについて、下記のようにして評価した。具体的には、記録信号に応じた熱エネルギーを付与することによりインクを吐出させるオンデマンド型記録ヘッドを複数個有するインクジェットカラー記録装置カラーバブルジェット(登録商標)大判プリンタ(商品名:W8200、顔料インクモデル、キヤノン製)のインクタンクに、上記の各インクを充填後プリンタに搭載し、下記の方法及び基準で評価を行った。尚、上記プリンタにおける、サーマルインクジェットヘッドの一吐出動作当たりのインク液滴サイズは、約8.5plである。
(1)スタートアップ特性
プリンタのヘッドクリーニング操作を行った後、25℃、湿度10%環境下でプリンタの電源をOFFとした。OFF状態のまま、更に25℃、湿度10%環境下で2時間放置した後に電源を入れ、最初の印字状態を確かめた。評価基準は以下の通りである。評価結果を下記表1に示した。
A:放置前の印字状態と差異がない。
B:放置前の印字状態と多少差異がある。
C:明らかに放置前の印字状態と差異がある。
35℃、湿度10%環境下でプリンタに搭載しているヘッドを本体からはずして1週間放置した後、プリンタに装着して、通常の回復動作で印字が回復可能か否かをチェックした。評価基準は以下の通りである。評価結果を下記表1に示した。
A:1回の本体回復動作で回復する。
B:数回の本体回復動作で回復する。
C:本体回復動作で回復しない。
上記のプリンタを用いて、20ノズルについて、駆動周波数7.5kHzで3×108パルス連続吐出させ、それらを耐久ノズルとした。そして、上記連続吐出を行っていないノズル(未耐久ノズル)と、耐久ノズルとを用いて、ベタパターンを印字し、得られたベタパターンの濃度の差を目視で評価した。即ち、7.5kHzという高周波で駆動を行ったときに、ヒーター近傍でインク中の顔料の分散の破壊が生じれば、耐久ノズルのヒーター面には固着物が付着し、その結果として、耐久ノズルを用いて形成したベタパターンと、未耐久ノズルで形成したパターンとに差が生じるものである。評価基準は以下の通りである。評価結果を下記表1に示した。
A:未耐久ノズルと耐久ノズルで濃度の差が見られない。
B:未耐久ノズルと耐久ノズルで濃度の差が若干見られる。
C:未耐久ノズルと耐久ノズルで濃度の差が明らかに見られる。
耐熱性のガラス瓶にインクを100gずつ入れ、密栓して、60℃の恒温槽に2ヶ月間保存した後、粘度、粒径を測定して保存前の状態と変化があるかを評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を下記表1に示した。
A:保存前後で粘度、粒径値の差が5%未満。
B:保存前後で粘度、粒径値の差が5%以上10%未満。
C:保存前後で粘度、粒径値の差が10%以上。
比較例1の処方の分散液1を20部、イオン交換水を63部用いる代わりに直接染料であるC.I.ダイレクトブルー199を2部、イオン交換水を81部用いた以外は、比較例1のインク6と同様の操作を行い、インク9を得た。このインクは、製造時インク、保存インクとも本願の評価4項目すべてにA評価であった。つまり、染料インクにおいては、本願が解決する課題は発生せず、本願の構成が必須でないことがわかる。
832:吐出口
1001:インクタンク
1006:移動駆動部
1008:ケーシング
1010:記録部
1010a:キャリッジ部材
1012:カートリッジ
1012Y、M、C、B:インクジェットカートリッジ
1014:ガイド軸
1016:ベルト
1018:モータ
1020:駆動部
1022a、1022b:ローラユニット
1024a、1024b:ローラユニット
1026:回復ユニット
1026a、1026b:プーリ
1028:用紙
1030:搬送装置
P:用紙の搬送方向
R:ベルトの回転方向
S:用紙の搬送方向と略直交する方向
Claims (16)
- 水、顔料、前記顔料を分散させるための分散剤、及び、臨界ミセル濃度が0.0005mol/l以下のアニオン性界面活性剤を含んでなることを特徴とするインクジェット記録用インク。
- 更に、ノニオン性界面活性剤を含む請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記分散剤が、アニオン性の水溶性官能基を有したものである請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記分散剤が、ブロック共重合体である請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記アニオン性界面活性剤が、分子構造中に環状ペプチドを有するものである請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェット記録用インク。
- サーマルインクジェット用のインクである請求項1〜5の何れか1項に記載のインクジェット記録用インク。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載のインクジェット記録用インクを収容しているインク収容部を具備していることを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載のインクジェット記録用インクを収容しているインク収容部と、前記インクを吐出させるためのインクジェットヘッドとを具備していることを特徴とする記録ユニット。
- 前記インクジェットヘッドが、サーマルインクジェットヘッドである請求項8に記載の記録ユニット。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載のインクジェット記録用インクをインクジェットヘッドを用いて吐出させる工程を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 前記インクジェットヘッドが、サーマルインクジェットヘッドである請求項10に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インクジェットヘッドによる一吐出動作当たりのインク吐出量が20pl(ピコリットル)以下である請求項10又は11に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インクジェットヘッドを5kHz以上の周波数で駆動する工程を有する請求項10〜12の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載のインクジェット記録用インクを収容しているインク収容部と、前記インクジェット記録用インクを吐出させるためのインクジェットヘッドとを具備していることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 前記インクジェットヘッドが、サーマルインクジェットヘッドである請求項14に記載のインクジェット記録装置。
- 一吐出動作当たりのインク吐出量が20pl以下のサーマルインクジェットヘッドを、5kHz以上の周波数で駆動させてインクを吐出する工程を有するインクジェット記録におけるインク吐出の安定化方法であって、上記インクとして請求項6に記載のインクジェット記録用インクを用意する工程を有することを特徴とするインク吐出の安定化方法。
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