JP2010065111A - インクジェット記録用顔料インクおよびインクジェット記録用顔料インクの評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 印刷物の光学濃度が高く、且つ、印刷前に染料インクと接触しても、顔料の凝集による不吐出が生じることのないインクジェット記録用顔料インクを提供する。
【解決手段】 顔料および水を含むインクジェット記録用顔料インクであって、さらに、水溶性染料を含み、前記インク100重量部に対し、塩化ナトリウム水溶液10重量部を添加した場合、1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が分散を維持し、2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が凝集することを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 顔料および水を含むインクジェット記録用顔料インクであって、さらに、水溶性染料を含み、前記インク100重量部に対し、塩化ナトリウム水溶液10重量部を添加した場合、1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が分散を維持し、2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が凝集することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、インクジェット記録用顔料インク、インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、インクジェット記録用顔料インクの評価方法およびインクジェット記録用顔料インクの製造方法に関する。
従来から、顔料および水を含むインクジェット記録用顔料インクが汎用されている。前記顔料インクを用いて印字された印刷物は、耐候性および耐水性に優れる。しかし、前記顔料インクには、印刷用紙などの被記録媒体に定着しにくく、印刷物の光学濃度が低いという問題があった。また、前記顔料インクには、顔料が凝集しやすく、分散安定性に劣るという問題もあった。
前記光学濃度の問題を解決するために、水溶性樹脂を添加した顔料インクが提案されている(特許文献1および2)。この顔料インクでは、前記水溶性樹脂を添加することで、被記録媒体上における顔料の凝集を促進し、印刷物の光学濃度を高めている。
また、印刷物の光学濃度を高め、且つ、顔料の分散安定性を高めるために、アクリル系樹脂を含む顔料インクが提案されている(特許文献3)。
しかし、前記水溶性樹脂を添加した顔料インクでは、顔料の凝集が促進されることで、分散安定性が低下している。このため、この顔料インクを、インクジェット記録装置において染料インクと併用する場合、前記染料インクが前記顔料インクと接触すると前記顔料が凝集し、インクジェットヘッドのノズルに前記凝集物が付着することにより、不吐出が生じる原因となる。また、前記アクリル系樹脂を添加した顔料インクにおいても、印刷前の染料インクとの接触による凝集の問題は解決されていない。すなわち、従来の顔料インクには、印刷物の光学濃度が高く、且つ、印刷前の染料インクとの接触による不吐出が防止されたものがなかった。
そこで、本発明は、印刷物の光学濃度が高く、且つ、印刷前に染料インクと接触しても、顔料の凝集による不吐出が生じることのないインクジェット記録用顔料インクを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のインクジェット記録用顔料インクは、顔料および水を含むインクジェット記録用顔料インクであって、
さらに、水溶性染料を含み、
前記インク100重量部に対し、塩化ナトリウム水溶液10重量部を添加した場合、
1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が分散を維持し、
2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が凝集することを特徴とする。
さらに、水溶性染料を含み、
前記インク100重量部に対し、塩化ナトリウム水溶液10重量部を添加した場合、
1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が分散を維持し、
2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が凝集することを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用顔料インクは、水溶性染料を含むことで、被記録媒体上における顔料の凝集が促進されることが特徴の一つである。さらに、本発明の顔料インクは、1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が分散を維持し、2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が凝集するものである。このため、本発明の顔料インクは、印刷前の前記顔料の分散安定性に優れ、印刷前に染料インクと接触しても、前記顔料の凝集による不吐出を生じることがなく、且つ、印刷物の光学濃度が高い。
本発明において、「顔料が分散を維持」とは、例えば、後述実施例の顔料の凝集性評価において、塩化ナトリウム水溶液を添加した場合に顔料が凝集しなかった場合をいう。また、本発明において、「顔料が凝集」とは、例えば、後述実施例の顔料の凝集性評価において、塩化ナトリウム水溶液を添加した場合に顔料が凝集した場合をいう。
本発明のインクジェット記録用顔料インクにおいて、前記顔料および前記水溶性染料は、1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が分散を維持し、2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が凝集するという条件を満足する割合で、配合されている。
本発明のインクジェット記録用顔料インクにおいて、前記顔料は、自己分散型顔料を含んでもよい。
本発明のインクジェット記録用顔料インクにおいて、前記顔料は、ブラック顔料を含んでもよい。
本発明のインクジェット記録用顔料インクにおいて、前記水溶性染料は、ブラック染料を含んでもよい。
本発明のインクジェット記録用インクセットは、顔料インクおよび染料インクを含むインクジェット記録用インクセットであって、前記顔料インクとして、本発明の前記インクジェット記録用顔料インクを含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録装置は、インク収容部およびインク吐出手段を備え、前記インク収容部に収容されたインクを前記インク吐出手段によって吐出するインクジェット記録装置であって、前記インク収容部に、本発明の前記インクジェット記録用顔料インクまたは本発明の前記インクジェット記録用インクセットを構成するインクが収容されていることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法は、インクを吐出して被記録媒体表面に記録するインクジェット記録方法であって、前記インクとして、本発明の前記インクジェット記録用顔料インクまたは本発明の前記インクジェット記録用インクセットを構成するインクを用いることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用顔料インクの評価方法は、顔料、水および水溶性染料を含むインクジェット記録用インクの評価方法であって、
前記インク100重量部に対し、塩化ナトリウム水溶液10重量部を添加する顔料の凝集性評価方法を含み、
前記顔料の凝集性評価方法は、
1.0重量%塩化ナトリウム水溶液を添加する第1の凝集性評価と、
2.0重量%塩化ナトリウム水溶液を添加する第2の凝集性評価とを含み、
前記第1の凝集性評価により、印刷前の前記顔料の分散安定性を評価し、
前記第2の凝集性評価により、印刷物の光学濃度を評価することを特徴とする。
前記インク100重量部に対し、塩化ナトリウム水溶液10重量部を添加する顔料の凝集性評価方法を含み、
前記顔料の凝集性評価方法は、
1.0重量%塩化ナトリウム水溶液を添加する第1の凝集性評価と、
2.0重量%塩化ナトリウム水溶液を添加する第2の凝集性評価とを含み、
前記第1の凝集性評価により、印刷前の前記顔料の分散安定性を評価し、
前記第2の凝集性評価により、印刷物の光学濃度を評価することを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用顔料インクの製造方法は、顔料、水および水溶性染料を含むインクジェット記録用顔料インクの製造方法であって、
本発明の前記インクジェット記録用顔料インクの評価方法により、前記第1の凝集性評価で前記顔料が分散を維持し、且つ、前記第2の凝集性評価で前記顔料が凝集するように、前記顔料及び前記水溶性染料の配合割合を予め決定しておき、
前記配合割合に従って、前記顔料および前記水溶性染料を配合することを特徴とする。
本発明の前記インクジェット記録用顔料インクの評価方法により、前記第1の凝集性評価で前記顔料が分散を維持し、且つ、前記第2の凝集性評価で前記顔料が凝集するように、前記顔料及び前記水溶性染料の配合割合を予め決定しておき、
前記配合割合に従って、前記顔料および前記水溶性染料を配合することを特徴とする。
つぎに、本発明のインクジェット記録用顔料インクについて詳細に説明する。
本発明において、前記顔料は、限定されず、例えば、カーボンブラック、無機顔料および有機顔料などが使用できる。前記カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなどがあげられる。前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄系およびカーボンブラック系などをあげることができる。前記有機顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料;フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料などの多環式顔料;塩基性染料型レーキ顔料、酸性染料型レーキ顔料などの染料レーキ顔料;ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック昼光蛍光顔料などがあげられる。また、その他の顔料であっても水相に分散可能なものであれば使用できる。これら顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、6および7;C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、15、16、17、55、73、74、75、83、93、94、95、97、98、114、128、129、138、150、151、154、180、185および194;C.I.ピグメントオレンジ31および43;C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、12、15、16、48、48:1、53:1、57、57:1、112、122、123、139、144、146、149、166、168、175、176、177、178、184、185、190、202、221、222、224および238;C.I.ピグメントバイオレット196;C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、22および60;C.I.ピグメントグリーン7および36などがあげられる。
前記顔料は、自己分散型顔料を含んでもよい。前記自己分散型顔料は、例えば、顔料粒子の表面にカルボキシル基、カルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン基などの親水性官能基およびそれらの塩の少なくとも一種が、直接または多価の基を介して化学結合により導入されていることによって、分散剤を使用しなくても水に分散可能なものである。
前記自己分散型顔料は、限定されず、例えば、特開平8−3498号公報、特表2000−513396号公報などに記載の方法によって表面処理された自己分散型顔料を用いることができる。前記自己分散型顔料は、例えば、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「CAB−O−JET(登録商標)200、250、260、300および700」、オリエント化学工業(株)製の「BONJET(登録商標)BLACK CW−1、CW−2およびCW−3」、東洋インキ製造(株)製の「LIOJET(登録商標)WD BLACK 002C」などがあげられる。
前記自己分散型顔料の原料として用いることができる顔料は、限定されず、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。また、前記表面処理を行うのに適した顔料としては、例えば、三菱化学(株)製の「MA8および100」、デグサ社製の「カラーブラックFW200」などのカーボンブラックがあげられる。
前記顔料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記水は、イオン交換水または純水であることが好ましい。前記インク全体に対する前記水の配合割合(水割合)は、所望のインク特性などに応じて適宜決定される。前記水割合は、例えば、他の成分の残部としてもよい。
本発明の顔料インクは、さらに、水溶性染料を含む。前記水溶性染料は、限定されず、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料などがあげられる。前記水溶性染料の具体例としては、例えば、C.I.ダイレクトブラック、C.I.ダイレクトブルー、C.I.ダイレクトレッド、C.I.ダイレクトイエロー、C.I.ダイレクトオレンジ、C.I.ダイレクトバイオレット、C.I.ダイレクトブラウン、C.I.ダイレクトグリーン、C.I.アシッドブラック、C.I.アシッドブルー、C.I.アシッドレッド、C.I.アシッドイエロー、C.I.アシッドオレンジ、C.I.アシッドバイオレット、C.I.ベーシックブラック、C.I.ベーシックブルー、C.I.ベーシックレッドおよびC.I.ベーシックバイオレット、C.I.フードブラックなどがあげられる。前記C.I.ダイレクトブラックとしては、例えば、C.I.ダイレクトブラック17、19、32、51、71、108、146、154および168などがあげられる。前記C.I.ダイレクトブルーとしては、例えば、C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、86、90、106および199などがあげられる。前記C.I.ダイレクトレッドとしては、例えば、C.I.ダイレクトレッド1、4、17、28、83および227などがあげられる。前記C.I.ダイレクトイエローとしては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー12、24、26、86、98、132および142などがあげられる。前記C.I.ダイレクトオレンジとしては、例えば、C.I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46および60などがあげられる。前記C.I.ダイレクトバイオレットとしては、例えば、C.Iダイレクトバイオレット47および48などがあげられる。前記C.I.ダイレクトブラウンとしては、例えば、C.I.ダイレクトブラウン109などがあげられる。前記C.I.ダイレクトグリーンとしては、例えば、C.I.ダイレクトグリーン59などがあげられる。前記C.I.アシッドブラックとしては、例えば、C.I.アシッドブラック2、7、24、26、31、52、63、112および118などがあげられる。前記C.I.アシッドブルーとしては、例えば、C.I.アシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、117、120、167、229および234などがあげられる。前記C.I.アシッドレッドとしては、例えば、C.I.アシッドレッド1、6、32、37、51、52、80、85、87、92、94、115、180、256、289、315および317などがあげられる。前記C.I.アシッドイエローとしては、例えば、C.I.アシッドイエロー11、17、23、25、29、42、61および71などがあげられる。前記C.I.アシッドオレンジとしては、例えば、C.I.アシッドオレンジ7および19などがあげられる。前記C.I.アシッドバイオレットとしては、例えば、C.I.アシッドバイオレット49などがあげられる。前記C.I.ベーシックブラックとしては、例えば、C.I.ベーシックブラック2などがあげられる。前記C.I.ベーシックブルーとしては、例えば、C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、24、25、26、28および29などがあげられる。前記C.I.ベーシックレッドとしては、例えば、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14および37などがあげられる。前記C.I.ベーシックバイオレットとしては、例えば、C.I.ベーシックバイオレット7、14および27などがあげられる。前記C.I.フードブラックとしては、例えば、C.I.フードブラック1および2などがあげられる。
前記例示の水溶性染料は、例えば、鮮明性および安定性などの特性に優れる。前記水溶性染料は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前述のとおり、本発明の顔料インクにおいては、前記顔料および前記水溶性染料が、1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が分散を維持し、2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が凝集するという条件を満足する割合で、配合されている。前記インク全体に対する前記顔料の固形分配合割合(顔料割合)は、好ましくは、1重量%〜10重量%であり、より好ましくは、2重量%〜9重量%であり、さらに好ましくは、3重量%〜8重量%である。前記インク全体に対する前記水溶性染料の配合割合(染料割合)は、好ましくは、0.1重量%〜5重量%であり、より好ましくは、0.25重量%〜4重量%であり、さらに好ましくは、0.4重量%〜3重量%である。
本発明の顔料インクは、さらに、水溶性有機溶剤を含むことが好ましい。前記水溶性有機溶剤は、例えば、インクジェットヘッドの先端部におけるインクの乾燥を防止する湿潤剤および記録紙面上での乾燥速度を調整する浸透剤に分類される。
前記湿潤剤は、限定されず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトンなどのケトン;ジアセトンアルコールなどのケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;ポリアルキレングリコール、アルキレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール;2−ピロリドン;N−メチル−2−ピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどがあげられる。前記ポリアルキレングリコールは、限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどがあげられる。前記アルキレングリコールは、限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコールなどがあげられる。これらの中でも、アルキレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールが好適である。これらの湿潤剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記インク全体に対する前記湿潤剤の配合割合(湿潤剤割合)は、特に制限されず、例えば、0重量%〜95重量%であり、好ましくは、10重量%〜80重量%であり、さらに好ましくは、10重量%〜50重量%である。
前記浸透剤は、限定されず、例えば、グリコール系エーテルがあげられる。前記グリコール系エーテルは、限定されず、例えば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールプロピルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールプロピルエーテルおよびトリプロピレングリコールブチルエーテルなどがあげられる。前記浸透剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記インク全体に対する前記浸透剤の配合割合(浸透剤割合)は、特に制限されず、例えば、0重量%〜20重量%である。前記浸透剤割合を前記範囲とすることで、前記顔料インクの紙への浸透性を、より好適なものとできる。前記浸透剤割合は、好ましくは、0.1重量%〜15重量%であり、より好ましくは、0.5重量%〜10重量%である。
本発明の顔料インクは、必要に応じて、さらに、従来公知の添加剤を含んでもよい。前記添加剤としては、例えば、界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、防黴剤などがあげられる。前記粘度調整剤は、限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性樹脂などがあげられる。
イオン性物質を添加することでインク中の顔料の凝集性を制御する手段としては、インク中に前記水溶性染料を添加するといった方法以外にも、イオン性樹脂、有機酸塩、無機塩などを添加するといった方法も考えられる。しかし、イオン性樹脂の添加は、インクの粘度上昇を引き起こすため、インクの粘度制御が困難となり好ましくない。また、有機酸塩や無機塩の添加は、あまりにも急激に顔料の凝集を引き起こしてしまうため、インク調製時における顔料と前記塩との混合段階において、顔料のショック凝集を引き起こす可能性が高くなり、インクの安定生産に与える影響が懸念される。また、有機酸塩や無機塩を添加することで顔料の凝集性を本発明の目的とする範囲内となるように制御する場合には、前記塩の濃度を極めて低くする必要があり、前記塩の濃度制御が困難となるという意味においても、インクの安定生産には不向きである。また、特に、有機酸塩の添加は、有機酸塩が経時的に分解し、インクのpHを下げる可能性があるため好ましくない。
本発明の顔料インクは、例えば、顔料、水および水溶性染料と、必要に応じて他の添加成分とを、従来公知の方法で均一に混合し、フィルタなどで不溶解物を除去することにより調製できる。
前述のとおり、本発明の顔料インクは、1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が分散を維持する。このため、本発明の顔料インクは、例えば、インクジェットヘッドのノズル面において染料インクと接触しても、前記顔料が分散した状態で維持され、前記顔料の凝集による不吐出を生じることがない。すなわち、1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の評価が、印刷前の前記顔料の分散安定性の評価となる。
前述のとおり、本発明の顔料インクは、2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が凝集する。ここで、印刷用紙などの被記録媒体には様々な無機塩が含まれており、そのうち水に対し溶解度が高い塩化ナトリウムなどが、本発明の顔料インクが前記被記録媒体表面に着弾した際にインク中に溶解するため、前記顔料が即座に凝集する。これにより、本発明の顔料インクを用いた印刷物の光学濃度が高くなる。すなわち、2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の評価が、印刷物の光学濃度の評価となる。
つぎに、本発明のインクジェット記録用インクセットについて説明する。前述のとおり、本発明のインクセットは、顔料インクおよび染料インクを含むインクジェット記録用インクセットであって、前記顔料インクとして、本発明の前記インクジェット記録用顔料インクを含むことを特徴とする。
前記染料インクは、イエローインク、マゼンタインクおよびシアンインクからなる群から選択される少なくとも一つのインクを含むことが好ましく、前記3色のインク全てを含むことが特に好ましい。本発明のインクセットは、前記3色のインクを全て含むことで、フルカラー記録に対応可能である。本発明のインクセットは、さらに他の色の染料インクを含んでもよい。前記他の色の染料インクとしては、例えば、ブラックインク、レッドインク、グリーンインク、ブルーインク、染料濃度が低いライトインク(ライトイエローインク、ライトマゼンタインク、ライトシアンインク、ライトブラックインク、ライトレッドインク、ライトグリーンインク、ライトブルーインクなど)などがあげられる。前記染料インクとしては、例えば、従来公知のものを使用できる。
つぎに、本発明のインクジェット記録装置について説明する。前述のとおり、本発明のインクジェット記録装置は、インク収容部およびインク吐出手段を備え、前記インク収容部に収容されたインクを前記インク吐出手段により吐出するインクジェット記録装置であって、前記インク収容部に、本発明の前記インクジェット記録用顔料インクまたは本発明の前記インクジェット記録用インクセットを構成するインクが収容されていることを特徴とする。これらを除き、本発明のインクジェット記録装置の構成は、例えば、従来公知のインクジェット記録装置と同様であってもよい。
前記インク収容部としては、例えば、インクカートリッジなどがあげられる。前記インクカートリッジの本体としては、例えば、従来公知のものを使用できる。
図1に、本発明のインクジェット記録装置の一例の構成を示す。図示のとおり、このインクジェット記録装置1は、4つのインクカートリッジ2と、インクジェットヘッド3と、ヘッドユニット4と、キャリッジ5と、駆動ユニット6と、プラテンローラ7と、パージ装置8とを主要な構成部材として含む。
前記4つのインクカートリッジ2は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のインクを、それぞれ1色ずつ含む。例えば、前記ブラックインクが、本発明の前記インクセットにおける顔料インクであり、前記イエローインク、マゼンタインクおよびシアンインクが、本発明の前記インクセットにおける染料インクである。前記インクジェットヘッド3は、印刷用紙などの被記録媒体Pに印字を行う。前記ヘッドユニット4は、前記インクジェットヘッド3を備えている。前記キャリッジ5には、前記4つのインクカートリッジ2および前記ヘッドユニット4が搭載される。前記駆動ユニット6は、前記キャリッジ5を直線方向に往復移動させる。前記プラテンローラ7は、前記キャリッジ5の往復方向に延び、前記インクジェットヘッド3と対向して配置されている。
前記駆動ユニット6は、キャリッジ軸9と、ガイド板10と、2つのプーリ11および12と、エンドレスベルト13とを含む。前記キャリッジ軸9は、前記キャリッジ5の下端部に配置され、前記プラテンローラ7と平行に延びている。前記ガイド板10は、前記キャリッジ5の上端部に配置され、前記キャリッジ軸9と平行に延びている。前記2つのプーリ11および12は、前記キャリッジ軸9と前記ガイド板10との間であって、前記キャリッジ軸9の両端部に配置されている。前記エンドレスベルト13は、前記2つのプーリ11および12の間に掛け渡されている。
このインクジェット記録装置1において、前記プーリ11がキャリッジモータ101の駆動により正逆回転されると、前記プーリ11の正逆回転に伴って、前記エンドレスベルト13に接合されている前記キャリッジ5が、前記キャリッジ軸9および前記ガイド板10に沿って、直線方向に往復移動する。
前記被記録媒体Pは、このインクジェット記録装置1の側方または下方に設けられた給紙カセット(図示せず)から給紙される。前記被記録媒体Pは、前記インクジェットヘッド3と、前記プラテンローラ7との間に導入される。すると、前記被記録媒体Pに、前記インクジェットヘッド3から吐出されるインクにより所定の印字がなされる。前記被記録媒体Pは、その後、前記インクジェット記録装置1から排紙される。図1においては、前記被記録媒体Pの給紙機構及び排紙機構の図示を省略している。
前記パージ装置8は、前記プラテンローラ7の側方に設けられ、前記ヘッドユニット4がリセット位置(この例においては、前記パージ装置8の上部)にある時に、前記インクジェットヘッド3と対向するように配置されている。前記パージ装置8は、パージキャップ14と、ポンプ15およびカム16と、インク貯留部17とを含む。前記パージキャップ14は、前記ヘッドユニット4が前記リセット位置にある時に、前記インクジェットヘッド3の複数のノズル(図示せず)を覆う。前記ポンプ15は、前記カム16の駆動により前記インクジェットヘッド3の内部に溜まる気泡などを含んだ不良インクを吸引する。これにより、前記インクジェットヘッドの回復が図られる。前記吸引された不良インクは、前記インク貯留部17に貯められる。
前記パージ装置8の前記プラテンローラ7側の位置には、前記パージ装置8に隣接してワイパ部材20が配設されている。前記ワイパ部材20は、へら状に形成されており、前記キャリッジ5の移動に伴って、前記インクジェットヘッド3のノズル形成面を拭うものである。図1において、キャップ18は、インクの乾燥を防止するため、印字が終了すると前記リセット位置に戻される前記インクジェットヘッド3の複数のノズルを覆うものである。
この例のインクジェット記録装置1においては、前記4つのインクカートリッジ2は、1個のキャリッジ5に搭載されている。ただし、本発明は、これに限定されない。本発明のインクジェット記録装置において、前記4つのインクカートリッジは、複数のキャリッジに搭載されていてもよい。また、前記インクカートリッジは、前記キャリッジには搭載されず、インクジェット記録装置内に配置、固定されていてもよい。この態様においては、例えば、前記インクカートリッジと、前記キャリッジに搭載された前記ヘッドユニットとが、チューブなどにより連結され、前記インクカートリッジから前記ヘッドユニットに前記インクが供給される。
つぎに、本発明のインクジェット記録方法について説明する。前述のとおり、本発明のインクジェット記録方法は、インクを吐出して被記録媒体表面に記録するインクジェット記録方法であって、前記インクとして、本発明の前記インクジェット記録用顔料インクまたは本発明の前記インクジェット記録用インクセットを構成するインクを用いることを特徴とする。本発明のインクジェット記録方法は、例えば、本発明の前記インクジェット記録装置を用いて実施可能である。本発明のインクジェット記録方法のその他の条件は、本発明の前記顔料インクまたは本発明の前記インクセットと同様である。
つぎに、本発明のインクジェット記録用顔料インクの評価方法について説明する。前述のとおり、本発明の評価方法は、顔料、水および水溶性染料を含むインクジェット記録用顔料インクの評価方法であって、前記インク100重量部に対し、塩化ナトリウム水溶液10重量部を添加する顔料の凝集性評価方法を含み、前記顔料の凝集性評価方法は、1.0重量%塩化ナトリウム水溶液を添加する第1の凝集性評価と、2.0重量%塩化ナトリウム水溶液を添加する第2の凝集性評価とを含み、前記第1の凝集性評価により、印刷前の前記顔料の分散安定性を評価し、前記第2の凝集性評価により、印刷物の光学濃度を評価することを特徴とする。従来、前記顔料インクにおける前記顔料の分散安定性および印刷物の光学濃度は、保存安定性試験や印字試験を行うことで評価することが一般的であった。本発明の評価方法によれば、塩化ナトリウム水溶液を添加するという簡便な方法によって、印刷前の染料インクとの接触による前記顔料の凝集性と、印刷物の光学濃度との双方を評価できる。すなわち、本発明の評価方法によれば、前記第1の凝集性評価において前記顔料が分散を維持する顔料インクを、印刷前に染料インクと接触しても、前記顔料の凝集による不吐出が生じることのない顔料インクと判定できる。このように、印刷前の染料インクとの接触による前記顔料の凝集性を塩化ナトリウム水溶液の添加で評価できる点は、本発明者らが初めて見出したものである。また、本発明の評価方法によれば、前記第2の凝集性評価において前記顔料が凝集する顔料インクを、印刷物の光学濃度がより高い顔料インクと判定できる。本発明の評価方法のその他の条件は、本発明の前記顔料インクと同様である。
つぎに、本発明のインクジェット記録用顔料インクの製造方法について説明する。前述のとおり、本発明の製造方法は、顔料、水および水溶性染料を含むインクジェット記録用顔料インクの製造方法であって、本発明の前記インクジェット記録用顔料インクの評価方法により、前記第1の凝集性評価で前記顔料が分散を維持し、且つ、前記第2の凝集性評価で前記顔料が凝集するように、前記顔料および前記水溶性染料の配合割合を予め決定しておき、前記配合割合に従って、前記顔料および前記水溶性染料を配合することを特徴とする。本発明の製造方法によれば、印刷物の光学濃度が高く、且つ、印刷前に染料インクと接触しても、前記顔料の凝集による不吐出が生じることのない顔料インクを得るために適した前記顔料および前記水溶性染料の配合割合を、前記凝集性評価により容易に割り出すことができる。本発明の製造方法におけるその他の条件は、本発明の前記顔料インクと同様である。
本発明の評価方法および製造方法において、前記顔料は、自己分散型顔料を含んでもよい。
本発明の評価方法および製造方法において、前記顔料は、ブラック顔料を含んでもよい。
本発明の評価方法および製造方法において、前記水溶性染料は、ブラック染料を含んでもよい。
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は、下記の実施例および比較例によってなんら限定ないし制限されない。
[実施例1〜5および比較例1〜11]
インク組成成分(表1および表2)のうち、CAB−O−JET(登録商標)300を除く成分を、均一に混合しインク溶媒を得た。つぎに、CAB−O−JET(登録商標)300に前記インク溶媒を徐々に加え、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)でろ過することで、実施例1〜5および比較例1〜11のインクジェット記録用顔料インクを得た。
インク組成成分(表1および表2)のうち、CAB−O−JET(登録商標)300を除く成分を、均一に混合しインク溶媒を得た。つぎに、CAB−O−JET(登録商標)300に前記インク溶媒を徐々に加え、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)でろ過することで、実施例1〜5および比較例1〜11のインクジェット記録用顔料インクを得た。
各実施例および各比較例の顔料インクの各種特性および物性を、下記の方法により評価または測定した。
(a)顔料の凝集性評価
各実施例および各比較例の顔料インク10gをビーカーに量り取った。ついで、前記顔料インクをマグネチックスターラーで撹拌しながら、1.0重量%または2.0重量%塩化ナトリウム水溶液を1g添加した。10分ほど撹拌を続けた後、レーザー顕微鏡にて前記顔料インクを観察し、下記評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準において、「顔料が凝集しなかった」とは、面積が最大となる断面における最大距離が1.0μm以上の二次粒子が観察されなかったことを意味し、「顔料が凝集した」とは、前記最大距離が1.0μm以上の二次粒子が観察されたことを意味する。前記最大距離とは、前記断面におけるある1点から最も遠い点までの距離のうち、最大のものをいう。
各実施例および各比較例の顔料インク10gをビーカーに量り取った。ついで、前記顔料インクをマグネチックスターラーで撹拌しながら、1.0重量%または2.0重量%塩化ナトリウム水溶液を1g添加した。10分ほど撹拌を続けた後、レーザー顕微鏡にて前記顔料インクを観察し、下記評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準において、「顔料が凝集しなかった」とは、面積が最大となる断面における最大距離が1.0μm以上の二次粒子が観察されなかったことを意味し、「顔料が凝集した」とは、前記最大距離が1.0μm以上の二次粒子が観察されたことを意味する。前記最大距離とは、前記断面におけるある1点から最も遠い点までの距離のうち、最大のものをいう。
顔料の凝集性 評価基準
G:1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は顔料が凝集しなかったが、2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は顔料が凝集した。
NG(1):1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加および2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の双方の場合において、顔料が凝集しなかった。
NG(2):1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加および2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の双方の場合において、顔料が凝集した。
G:1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は顔料が凝集しなかったが、2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は顔料が凝集した。
NG(1):1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加および2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の双方の場合において、顔料が凝集しなかった。
NG(2):1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加および2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の双方の場合において、顔料が凝集した。
(b)光学濃度(OD)値
ブラザー工業(株)製のインクジェットプリンタ搭載デジタル複合機DCP−330Cを使用し、普通紙(Hammermill社製のLaser Print)上に解像度600dpi×300dpi(一液滴量:約19pL)で印字を行い、評価サンプルを作製した。前記評価サンプルの光学濃度(OD)値を、Gretag Macbeth社製の分光測色計Spectrolino(光源:D50、視野:2°、ANSI T)により測定し、下記評価基準に従って評価した。
ブラザー工業(株)製のインクジェットプリンタ搭載デジタル複合機DCP−330Cを使用し、普通紙(Hammermill社製のLaser Print)上に解像度600dpi×300dpi(一液滴量:約19pL)で印字を行い、評価サンプルを作製した。前記評価サンプルの光学濃度(OD)値を、Gretag Macbeth社製の分光測色計Spectrolino(光源:D50、視野:2°、ANSI T)により測定し、下記評価基準に従って評価した。
光学濃度(OD)値 評価基準
A:OD値が、1.25以上
B:OD値が、1.2以上1.25未満
C:OD値が、1.2未満
A:OD値が、1.25以上
B:OD値が、1.2以上1.25未満
C:OD値が、1.2未満
(c−1)染料インクとの接触試験1
各実施例および各比較例の顔料インク10gをビーカーに量り取った。ついで、前記顔料インクをマグネチックスターラーで撹拌しながら、ブラザー工業(株)製のインクカートリッジLC10Mに充填されたマゼンタインク(染料インク)を1g添加した。10分ほど撹拌を続けた後、レーザー顕微鏡にて前記顔料インクを観察し、下記評価基準に従って評価した。下記評価基準における用語の意味は、前記顔料の凝集性試験におけるものと同様である。
各実施例および各比較例の顔料インク10gをビーカーに量り取った。ついで、前記顔料インクをマグネチックスターラーで撹拌しながら、ブラザー工業(株)製のインクカートリッジLC10Mに充填されたマゼンタインク(染料インク)を1g添加した。10分ほど撹拌を続けた後、レーザー顕微鏡にて前記顔料インクを観察し、下記評価基準に従って評価した。下記評価基準における用語の意味は、前記顔料の凝集性試験におけるものと同様である。
染料インクとの接触試験1 評価基準
G :顔料が凝集しなかった。
NG:顔料が凝集した。
G :顔料が凝集しなかった。
NG:顔料が凝集した。
(c−2)染料インクとの接触試験2
各実施例および各比較例の顔料インク10gをビーカーに量り取った。ついで、前記顔料インクをマグネチックスターラーで撹拌しながら、ブラザー工業(株)製のインクカートリッジLC10Yに充填されたイエローインク(染料インク)を1g添加した。10分ほど撹拌を続けた後、レーザー顕微鏡にて前記顔料インクを観察し、下記評価基準に従って評価した。下記評価基準における用語の意味は、前記顔料の凝集性試験におけるものと同様である。
各実施例および各比較例の顔料インク10gをビーカーに量り取った。ついで、前記顔料インクをマグネチックスターラーで撹拌しながら、ブラザー工業(株)製のインクカートリッジLC10Yに充填されたイエローインク(染料インク)を1g添加した。10分ほど撹拌を続けた後、レーザー顕微鏡にて前記顔料インクを観察し、下記評価基準に従って評価した。下記評価基準における用語の意味は、前記顔料の凝集性試験におけるものと同様である。
染料インクとの接触試験2 評価基準
G :顔料が凝集しなかった。
NG:顔料が凝集した。
G :顔料が凝集しなかった。
NG:顔料が凝集した。
各実施例の顔料インクの組成および評価結果を、表1に示す。また、各比較例の顔料インクの組成および評価結果を、表2に示す。
表1に示すとおり、実施例1〜5の顔料インクは、顔料の凝集性評価、光学濃度(OD)値および染料インクとの接触試験のすべての結果が、良好であった。一方、表2に示すとおり、前記水溶性染料を含まず、顔料の凝集性評価結果がNG(1)であった比較例1の顔料インクは、光学濃度(OD)値が極めて低かった。また、前記水溶性染料割合が少なく、顔料の凝集性評価結果がNG(1)であった比較例2、4、6、8および10の顔料インクも、光学濃度(OD)値が低かった。そして、前記水溶性染料割合が多く、顔料の凝集性評価結果がNG(2)であった比較例3、5、7、9および11の顔料インクは、染料インクとの接触試験結果が劣っていた。
以上のように、本発明のインクジェット記録用顔料インクは、印刷物の光学濃度が高く、且つ、印刷前に染料インクと接触しても、顔料の凝集による不吐出が生じることのないものである。本発明のインクジェット記録用顔料インクの用途は、限定されず、各種のインクジェット記録に広く適用可能である。
1 インクジェット記録装置
2 インクカートリッジ
3 インクジェットヘッド
4 ヘッドユニット
5 キャリッジ
6 駆動ユニット
7 プラテンローラ
8 パージ装置
9 キャリッジ軸
10 ガイド板
2 インクカートリッジ
3 インクジェットヘッド
4 ヘッドユニット
5 キャリッジ
6 駆動ユニット
7 プラテンローラ
8 パージ装置
9 キャリッジ軸
10 ガイド板
Claims (10)
- 顔料および水を含むインクジェット記録用顔料インクであって、
さらに、水溶性染料を含み、
前記インク100重量部に対し、塩化ナトリウム水溶液10重量部を添加した場合、
1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が分散を維持し、
2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が凝集することを特徴とするインクジェット記録用顔料インク。 - 前記顔料および前記水溶性染料が、1.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が分散を維持し、2.0重量%塩化ナトリウム水溶液の添加の場合は前記顔料が凝集するという条件を満足する割合で、配合されている請求項1記載のインクジェット記録用顔料インク。
- 前記顔料が、自己分散型顔料を含む請求項1または2記載のインクジェット記録用顔料インク。
- 前記顔料が、ブラック顔料を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用顔料インク。
- 前記水溶性染料が、ブラック染料を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用顔料インク。
- 顔料インクおよび染料インクを含むインクジェット記録用インクセットであって、前記顔料インクとして、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用顔料インクを含むことを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
- インク収容部およびインク吐出手段を備え、前記インク収容部に収容されたインクを前記インク吐出手段によって吐出するインクジェット記録装置であって、前記インク収容部に、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用顔料インクまたは請求項6記載のインクジェット記録用インクセットを構成するインクが収容されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
- インクを吐出して被記録媒体表面に記録するインクジェット記録方法であって、前記インクとして、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用顔料インクまたは請求項6記載のインクジェット記録用インクセットを構成するインクを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
- 顔料、水および水溶性染料を含むインクジェット記録用顔料インクの評価方法であって、
前記インク100重量部に対し、塩化ナトリウム水溶液10重量部を添加する顔料の凝集性評価方法を含み、
前記顔料の凝集性評価方法は、
1.0重量%塩化ナトリウム水溶液を添加する第1の凝集性評価と、
2.0重量%塩化ナトリウム水溶液を添加する第2の凝集性評価とを含み、
前記第1の凝集性評価により、印刷前の前記顔料の分散安定性を評価し、
前記第2の凝集性評価により、印刷物の光学濃度を評価することを特徴とするインクジェット記録用顔料インクの評価方法。 - 顔料、水および水溶性染料を含むインクジェット記録用顔料インクの製造方法であって、
請求項9記載のインクジェット記録用顔料インクの評価方法により、前記第1の凝集性評価で前記顔料が分散を維持し、且つ、前記第2の凝集性評価で前記顔料が凝集するように、前記顔料および前記水溶性染料の配合割合を予め決定しておき、
前記配合割合に従って、前記顔料および前記水溶性染料を配合することを特徴とするインクジェット記録用顔料インクの製造方法。
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JP2008231878A JP2010065111A (ja) | 2008-09-10 | 2008-09-10 | インクジェット記録用顔料インクおよびインクジェット記録用顔料インクの評価方法 |
US12/556,982 US8616698B2 (en) | 2008-09-10 | 2009-09-10 | Method for evaluating pigment ink for ink-jet recording and method for producing pigment ink for ink-jet recording |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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