JP2011225834A - インクジェット用水性顔料分散液及びインクジェット用水性顔料インク - Google Patents

インクジェット用水性顔料分散液及びインクジェット用水性顔料インク Download PDF

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Abstract

【課題】長期休止後もヘッド目詰まりしにくく、析出した顔料凝集物をヘッドクリーニング操作で簡便に再溶解可能であり、吐出安定性が保持され、保存安定性に優れたインクジェット用水性顔料インクを提供可能なインクジェット用水性顔料分散液を提供する。
【解決手段】顔料と、顔料誘導体と、高分子分散剤とを含むインクジェット用水性顔料分散液である。顔料誘導体が、その分子内に酸性基が1つ以上化学修飾された酸性顔料誘導体であり、高分子分散剤が、親水性ブロックと疎水性ブロックからなるジブロックポリマーであり、親水性ブロックの構成モノマーに少なくともアクリル酸を含有し、疎水性ブロックの構成モノマーに少なくともベンジルメタクリレートを含有し、疎水性ブロックの数平均分子量が400〜3,000である。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェットプリンタ用水性顔料分散液及びインクに関する。更に詳細には、顔料が高度に微分散され、良好な保存安定性を保持し、長期休止後もヘッド目詰まりしにくく、ヘッド回復性が良好なインクジェットプリンタ用水性顔料インク、及びそのインクに用いられるインクジェットプリンタ用水性顔料分散液に関する。
インクジェットプリンタ用インクで使用される色材は染料と顔料とに大別される。色材として顔料を使用するインクジェットプリンタ用インクは、色材として染料を使用するインクと比較して、印刷物の耐水性や耐光性などの堅牢性が優れるという特徴がある。また、染料インクは色材である染料をインク媒体中に溶解して使用するのに対し、顔料インクは色材である顔料をインク媒体中に微細に分散した顔料分散液として使用される。
特に、インクジェットプリンタは、数十μmの非常に細いノズルからインク滴を吐出して画像を記録する印刷方法であるため、インクがノズルを詰まらせないこと、長期休止後ノズル詰まりが発生してもすぐに回復すること、すなわちインクの吐出安定性が優れ、かつクリーニング特性が優れること、が必要となる。さらに、インクがこれら特性を長期間維持すること、すなわち高い保存安定性を有することが必要である。
インクの高い吐出安定性や保存安定性に関しては、顔料のカプセル化手法が検討されており、水不溶性樹脂(特許文献1参照)や、ウレタン結合を有する高分子(特許文献2参照)が利用されている。また、顔料と分散剤の結合を強固にするため、酸性顔料誘導体とアミノ基を有する分散剤の組み合わせ(特許文献3及び4参照)が提案されている。それ以外にも、ノズル詰まりを起こさせないよう、ノズル詰まり防止剤を添加する方法(特許文献5及び6参照)も提案されており、さらに、吐出安定性、保存安定性、クリーニング特性の全ての性能を満足させるものが求められている。
特開2003−191864号公報 特開2002−167536号公報 特開1994−136311号公報 特開2004−51813号公報 特開2006−8881号公報 特開2010−18742号公報
一方、全てのインクジェットプリンタについて、噴射安定性が低下するといったインク由来の問題がある。この問題は、操作の間や長期操作中断後に生ずるノズル障害である。噴射安定性が低下する原因は、インク中の媒体が蒸発して空気/液体界面においてインクの固形成分が析出又は晶出するためであることが多い。特に、水性顔料インクについては、蒸発によって生ずる溶剤組成の変化により、分散された顔料が凝集してしまうことがある。その際に析出した顔料凝集物は、ヘッドクリーニング操作において簡便に再分散される必要性がある。
したがって、本発明の目的は、インクジェットプリンタにおいて生ずるインク由来の問題である噴射安定性を改善することにある。具体的には、長期休止後もヘッド目詰まりしにくく、析出した顔料凝集物をヘッドクリーニング操作で簡便に再溶解可能であり、吐出安定性が保持され、保存安定性に優れたインクジェット用水性顔料インクを提供可能なインクジェット用水性顔料分散液、及びこれを用いたインクジェット用水性顔料インクを提供することにある。
本発明者らは、特定の酸性誘導体を含有する有機顔料と、特定の構成単位を有するブロックポリマーとを用いて水性顔料分散液を調製することで、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の構成からなる。
[1]顔料と、顔料誘導体と、高分子分散剤とを含むインクジェット用水性顔料分散液であって、前記顔料誘導体が、その分子内に酸性基が1つ以上化学修飾された酸性顔料誘導体であり、前記高分子分散剤が、親水性ブロックと疎水性ブロックからなるジブロックポリマーであり、前記親水性ブロックの構成モノマーに少なくともアクリル酸を含有し、前記疎水性ブロックの構成モノマーに少なくともベンジルメタクリレートを含有し、前記疎水性ブロックの数平均分子量が400〜3,000であることを特徴とするインクジェット用水性顔料分散液。
[2]前記酸性基がスルホン酸基である前記[1]に記載のインクジェット用水性顔料分散液。
[3]前記顔料100質量部に対する前記酸性顔料誘導体の含有割合が、0.1〜20質量部である前記[1]又は[2]に記載のインクジェット用水性顔料分散液。
[4]前記高分子分散剤の酸価が40〜200mgKOH/gである前記[1]〜[3]のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料分散液。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料分散液を含有することを特徴とするインクジェット用水性顔料インク。
本発明のインクジェット用水性顔料分散液によれば、吐出安定性や保存安定性を損なうことなくインクの噴射安定性を改善することができる。このため、本発明のインクジェット用水性顔料分散液を用いたインクジェット用水性顔料インクは、インクジェットプリンタで印刷した際の吐出安定性に優れるとともに噴射安定性が良好で、かつ、長期操作中断後に発生し易いノズル詰まりの原因となる顔料凝集物を、ヘッドクリーニング操作により簡便に再分散させることができる。すなわち、本発明によれば、ヘッドクリーニング特性にも優れたインクジェット用水性顔料インクを提供することができる。
以下に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
先ず、本発明で用いる顔料について説明する。顔料は従来公知の有機顔料、無機顔料が使用でき、特に限定はない。例えば、有機顔料としては、フタロシアニン系、アゾ系、アゾメチンアゾ系、アゾメチン系、アンスラキノン系、ぺリノン・ペリレン系、インジゴ・チオインジゴ系、ジオキサンジン系、キナクリドン系、イソインドリン系、イソインドリノン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、インダスレン系顔料などの有彩色顔料や、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック顔料などが挙げられる。また、無機顔料としては、体質顔料、酸化チタン系顔料、酸化鉄系顔料、スピンネル顔料などが挙げられる。
目的により顔料の種類、粒子径、処理の種類を選んで使用することが望ましい。着色物に隠蔽力を必要とする場合以外は、有機系の微粒子顔料が望ましい。特に、高精彩で透明性の高い着色物を形成したい場合には、ソルトミリングなどの湿式粉砕又は乾式粉砕で顔料を微細化することが望ましい。さらに、印刷時のノズル詰まりも考慮して、0.5μmを超える粒子径を有する有機顔料を除去し、平均粒径を0.15μm以下とすることが望ましい。
このような顔料をカラーインデックス(以下、C.I.と略記)ナンバーでより具体的に例示すると、C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、94、95、97、109、110、117、120、125、128、129、137、138、147、148、150、151、153、154、155、166、168、175、180、181、185、191、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、64、71、73、C.I.ピグメントレッド4、5、9、23、48、49、52、53、57、97、112、122、123、144、146、147、149、150、166、168、170、177、180、184、185、192、202、207、214、215、216、217、220、221、223、224、226、227、228、238、240、242、254、255、264、272、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36などが挙げられ、これらの顔料は単独で使用しても、二種以上を混合して使用してもよい。また、混合する方法としては、粉末顔料での混合、ペースト顔料での混合、顔料化での混合による固溶体の調製などがあり、これらのいずれの方法を用いてもよい。
上記した顔料の中で、インクジェットインク用の水性顔料としては、その発色性、分散性、及び耐候性から、青色はピグメントブルー15:3、赤色はピグメントレッド122、ピグメントバイオレット19、黄色はピグメントエロー74、155、緑色はピグメントグリーン7が最も好ましい。
次に、本発明で用いる顔料誘導体について説明する。本発明で用いる顔料誘導体は、分子内に1つ以上の酸性基が化学修飾された酸性顔料誘導体である。酸性基の具体例としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などを挙げることができる。なかでも、少ない量で顔料表面の極性を変化させることができるために、強い酸性を示すスルホン酸基が有利である。
酸性顔料誘導体は、以下の(a)〜(c)の少なくともいずれかであることが好ましい。
(a)顔料自体に1つ以上のスルホン酸基が化学修飾(導入)されたもの。
(b)顔料に類似する構造を有する顔料類似物に1つ以上のスルホン酸基が化学修飾(導入)されたもの。
(c)顔料の表面が、スルホン酸基を有する薬剤によって改質されたもの。
使用することができる顔料は、有機顔料と無機顔料のいずれであってもよく、前述の従来公知の顔料を用いることができる。これらの顔料は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
スルホン酸基を有する酸性顔料誘導体の製造方法は特に限定されるものではない。一般的には、発煙硫酸、濃硫酸、クロロ硫酸などで顔料を処理してスルホン化すれば、酸性顔料誘導体(スルホン化物)を製造することができる。スルホン化物は、水に分散させて得られたスラリーをろ過及び洗浄し、硫酸などの残留酸を十分に除去し、ペーストの状態で回収する。このペーストをそのまま使用してもよく、必要に応じて乾燥及び粉砕を行ってもよい。乾燥及び粉砕を行う場合は、一度塩酸で洗浄することが一般的である。また、顔料を直接スルホン化することが困難な場合は、スルホン酸基を含有する出発原料を用いて酸性顔料誘導体を合成してもよい。
上記のようにして得られた酸性顔料誘導体の分子に含まれるスルホン酸基の数は、分布を有する。このため、酸性顔料誘導体に含まれるスルホン酸基の数は、特に分離精製しない限り平均値で表わされる。酸性顔料誘導体に含まれるスルホン酸基の平均数は、1以上2以下であることが好ましい。1未満であると、目的とする顔料表面に対する極性変化の効果が薄くなる傾向にある。一方、2を超えると、効果は高いものの、親水性が強すぎるために、ブリードの原因となってしまう場合がある。
本発明で用いることのできる酸性顔料誘導体の例を以下に示す(誘導体(1)〜(7))。なお、本発明のインクジェット用水性顔料分散液に含まれる酸性顔料誘導体は、以下に示すものに限定されない。
Figure 2011225834
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なお、前記誘導体(5)及び(6)中、x及びyは、相互に独立に0又は1を表す。また、x+y=n(式1)とした場合、前記誘導体(1)、(2)、(3)、(7)及び(式1)中、nは1又は2を表す。
顔料100質量部に対する酸性顔料誘導体の含有割合は、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.5〜15質量部であることがさらに好ましく、1〜10質量部であることが特に好ましい。0.1質量部未満であると、その表面が改質された酸性顔料誘導体を含有させる効果が十分に発揮されない場合がある。一方、20質量部を超えると、顔料の性質が薄れてしまい、形成される印刷物の耐候性や耐水性が低下する傾向にある。
酸性顔料誘導体は、水中では疎水性相互作用により顔料に吸着することができる。これは、両者に含まれる芳香環同士が重なり合いやすいため(π−πスタッキングしやすいため)であると推測される。これにより、顔料と酸性顔料誘導体とは、相互に強固に吸着することができる。すなわち、顔料と酸性顔料誘導体の化学構造は類似していることが望ましく、酸性顔料誘導体は、その母体となる顔料と組み合わせて使用するのが好ましい。具体的には、顔料としてフタロシアニン顔料を用いる場合には、酸性顔料誘導体としてフタロシアニン誘導体を用いることが好ましい。また、顔料としてキナクリドンを用いる場合には、酸性顔料誘導体としてキナクリドン誘導体を用いることが好ましい。
次に、本発明で用いる高分子分散剤について説明する。本発明で用いる高分子分散剤は、そのブロック構造が一般式(1):「A−B」で表わされるA−Bジブロックポリマーである。なお、一般式(1)中のA及びBは、それぞれ一種以上の付加重合性モノマーからなるポリマーブロック(Aブロック及びBブロック)を表す。以下、「Aブロック」は、少なくとも酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含む親水性ブロックを示すものとし、「Bブロック」は、疎水性モノマーに由来する構成単位を含む疎水性ブロックを示すものとする。具体的には、高分子分散剤は、親水性ブロック(Aブロック)の構成モノマーとして少なくともアクリル酸を含み、疎水性ブロック(Bブロック)の構成モノマーとして少なくともベンジルメタクリレートを含む。また、疎水性ブロックの数平均分子量は400〜3,000であることが必要である。なお、AブロックとBブロック、いずれも(メタ)アクリレート系モノマーで構成される(メタ)アクリレート系ポリマーであることが好ましい。
従来のラジカル重合法により(メタ)アクリレート系ポリマーを合成する場合、得られるブロックポリマーなどの構造が制御されてしまうだけでなく、分子量分布の狭いアクリレート系ポリマーを得ることが極めて困難であった。これに対して、近年、リビングラジカル重合法が開発されている。このリビングラジカル重合法によれば、A−Bジブロックポリマーのような特定の構造に制御しながら、分子量分布の狭い(メタ)アクリレート系ポリマーを合成することができる。
A−Bジブロックポリマーを製造(合成)する方法は特に限定されない。A−Bジブロックポリマーの合成方法としては、例えば、触媒として銅やルテニウムなどの金属錯体を用いるとともに、開始化合物として有機ハロゲン化物を用いて、酸化還元によって行う原子移動ラジカル重合;ニトロキサイドの−N−O・ラジカルが移動するニトロキサイド方法;ジチオカルボン酸エステルなどを用いる可逆的付加開裂型連鎖移動重合;及びヨウ素移動重合などを挙げることができる。
また、上記のヨウ素移動重合の具体例としては、触媒としてラジカルとなってヨウ素と結合することが可能なリン原子、窒素原子、酸素原子、及び炭素原子を有する化合物を用いる可逆的移動触媒重合;有機テルルや有機ビスマスを用いる方法;触媒としてコバルト系化合物を用いる付加開裂型連鎖移動重合などを挙げることができる。
次に、顔料分散の際におけるAブロックとBブロックのそれぞれの作用について説明する。疎水性のBブロックは、顔料表面に吸着する。一方、親水性のAブロックが水や水溶性有機溶剤を含む水溶液(以下、「水系媒体」とも記す)に溶解する。このように、AブロックとBブロックがそれぞれ機能することで、顔料の安定な分散系が成立すると考えられる。Bブロックは、水系媒体に不溶なポリマーブロックであるため、顔料に吸着して堆積し、顔料を被覆してカプセル化する。そして、Bブロックは水系媒体に溶解し難いので、顔料がカプセル化された状態が維持される。一方、Aブロックは、カルボキシル基を有するポリマーブロックであるため、カルボキシル基をアルカリにて中和することで、イオン化させて水系媒体に溶解させることができる。このため、Aブロックは、イオン化されて電気的反発を生じさせるとともに、立体障害を有するので、顔料の凝集や沈降を防止して保存安定性を高めることができる。カプセル化されて高度に安定化された顔料は、乾燥時にも強固な凝集体を形成することがない。このため、顔料凝集物が析出した場合であっても、新たな水系媒体を添加することで簡単に再分散させることができる。すなわち、本発明のインクジェット用水性顔料分散液を用いれば、優れた自己分散性が付与されたインクジェット用水性顔料インクを提供することができる。このような自己分散性は、インクジェット印刷時に発生するインク乾燥物や顔料凝集物によるノズル詰まりを回復するクリーニング操作において有効な性質である。
次に、A−Bジブロックポリマーの構成について説明する。親水性ブロック(Aブロック)は、その構成モノマーに、酸基を有するモノマーであるアクリル酸を含有することを特徴とする。
Aブロックの構成モノマー(構成成分)として、カルボキシル基を有するモノマーであるアクリル酸を用いることによって、得られるAブロック中のカルボキシル基を中和及びイオン化して、Aブロックを水可溶性とすることができる。アクリル酸は、カルボキシル基を有するアクリルモノマーの中では酸性度が高いので、得られるAブロックを水可溶性にするには最も効果的である。
Aブロックは、アクリル酸と、アクリル酸以外の(メタ)アクリレート系モノマーとを共重合させることにより合成される。(メタ)アクリレート系モノマーとしては、従来公知のものが使用される。(メタ)アクリレート系モノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの脂肪族又は脂環式アルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレートなどのグリコール系(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの(メタ)アクリレート系モノマーは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
Aブロックは、アクリル酸に由来する構成単位10〜30質量%と、メチルメタクリレートに由来する構成単位90〜70質量%とで構成されることが好ましい。このような組成で構成されることで、Aブロックの水系媒体に対する溶解性がより効果的に発揮される。
疎水性ブロック(Bブロック)は、水系媒体に不溶なポリマーブロックである。前述のように、このBブロックが顔料に吸着及び堆積することで顔料はカプセル化される。
Bブロックは、その構成モノマーにベンジルメタクリレートを含有することを特徴とする。構成モノマー(構成成分)としてベンジルメタクリレートを用いることによって、換言すれば、カルボキシル基などの酸基を有しないモノマーを用いることによって、Bブロックは水系媒体に不溶となる。このため、顔料を有効にカプセル化することができるといった効果が発揮される。
Bブロックは、ベンジルメタクリレートのみからなるポリマーブロックであること(すなわち、ベンジルメタクリレートに由来する構成単位の含有割合が100質量%であること)が好ましい。但し、Bブロックは、ベンジルメタクリレートと、(メタ)アクリレート系モノマーとを共重合させたものであってもよい。しかしながら、水に対する溶解性が付与されるモノマーの使用量を低減させることが好ましい。このような「水に対する溶解性が付与されるモノマー」の具体例としては、ポリエチレングリコール系のモノマー;スルホン酸基やカルボキシル基を有するモノマー等を挙げることができる。Bブロックを形成するために用いる「水に対する溶解性が付与されるモノマー」の割合は、モノマー全量(100質量%)に対して5質量%以下とすることが好ましく、2質量%以下とすることがさらに好ましい。
一般的に、PDI(重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn))が小さいほど分子量分布が狭く分子量のそろった高分子(ポリマー)であり、PDIが1.0の場合に最も分子量分布が狭い。これに対して、PDIが大きいほど分子量分布が広く、分子量の大きいポリマーから小さいポリマーまで幅広く含まれることになる。分子量が過剰に大きいポリマーを高分子分散剤として用いると、多粒子間の吸着によって微粒子分散できない可能性があるとともに、粘度も高くなるので、表面張力が減少して噴射安定性に好ましくない影響を及ぼす可能性がある。一方、分子量が過剰に小さいポリマーを高分子分散剤として用いると、溶解しやすく、インクジェット用水性顔料分散液中での顔料の分散に寄与しがたい成分となってしまう場合がある。このため、分子量の小さいポリマーが顔料分散液の粘度を過剰に上げたり、顔料の分散安定性を損ねたり、インクジェット用水性顔料インクの噴射時に非ニュートニアン性の挙動を示して噴射安定性を損ねたりする場合がある。このため、本発明のインクジェット用水性顔料分散液に高分子分散剤として含有されるA−Bジブロックポリマーは、顔料をカプセル化するように高度に設計された分子量であるとともに、分子量分布(PDI)が比較的狭いことが好ましい。より具体的には、A−Bジブロックポリマー(高分子分散剤)のPDIは1.8以下であることが好ましく、1.6以下であることがさらに好ましく、1.5以下であることが特に好ましい。
また、Bブロックの数平均分子量は400〜3,000であることを要する。Bブロックの数平均分子量が400未満であると、A−Bジブロックポリマー中の顔料に吸着する部分が小さくなりすぎてしまい、良好な状態にカプセル化した顔料を形成することができない。このため、インクジェット用水性顔料分散液の経時安定性が低下してしまう。一方、Bブロックの数平均分子量が3,000を超えると、疎水性が強すぎてしまい、得られるインクジェット用水性顔料インクの再分散性及びクリーニング特性が低下してしまう。なお、本明細書における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される、ポリスチレン換算の値である。
A−Bジブロックポリマー(高分子分散剤)の酸価は40〜200mgKOH/gであることが好ましく、50〜180mgKOH/gであることがさらに好ましい。A−Bジブロックポリマーの酸価が40mgKOH/g未満であると、水に対する溶解性が低下してしまい、インクジェット用水性顔料分散液の経時安定性が低下する傾向にある。また、得られるインクジェット用水性顔料インクのヘッドクリーニング特性が低下する傾向にある。一方、A−Bジブロックポリマーの酸価が200mgKOH/gを超えると、水に対する溶解性が高すぎてしまい、得られるインクジェット用水性顔料インクの耐水性が低下する傾向にある。
顔料100質量部に対する高分子分散剤(A−Bジブロックポリマー)の含有割合は、5〜50質量部であることが好ましく、10〜40質量部であることがさらに好ましい。高分子分散剤(A−Bジブロックポリマー)の含有割合を上記の範囲内とすることで、顔料をより良好な状態でカプセル化することができる。
次に、本発明のインクジェット用水性顔料分散液の調製方法の一例について説明する。本発明のインクジェット用水性顔料分散液を調製するには、まず、酸性顔料誘導体を顔料に吸着させる。酸性顔料誘導体を顔料に吸着させる方法としては、ソルトミリングや乾式粉砕などの顔料微細化の際に行う方法;それぞれの粉末同士を混合する方法;スラリー同士を混合する方法;高分子分散剤を使用しての分散工程中に行う方法等を挙げることができる。顔料表面に対して均一に酸性顔料誘導体を吸着させるためには、高分子分散剤を使用しての分散工程中に酸性顔料誘導体を顔料に吸着させることが最も好ましい。
分散方法は、従来公知の方法であればよく、特に限定されない。具体的には、顔料と、アルカリで中和された高分子分散剤と、水と、有機溶媒とを混合撹拌して、従来公知の分散機にて顔料を分散させる方法が挙げられる。
高分子分散剤を中和するために用いられるアルカリとしては、特に限定されないが、例えばアンモニア、第一級、第二級又は第三級の有機アミン(塩基性含窒素複素環化合物を含む)、水酸化アルカリ金属などの化合物が好ましい。これらのアルカリ(化合物)は一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、水としては、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。特に、2価の金属イオンは水系における顔料の分散を阻害する傾向にあるので、予め除去しておくことが好ましい。
有機溶媒としては、水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。水溶性有機溶剤の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。
また、分散方法は、前分散と本分散に分けて行うのが好ましい。特に、乾物化した顔料や誘導体を使用する場合は、前分散が重要である。前分散によって、疎水性の顔料表面が濡れ、表面の空気層が水と置換される。その後の本分散によって、速やかに分散が進行する。前分散が不十分であると、本分散時における分散の進行が遅くなってしまい、無駄な機械的衝撃が顔料に与えられてしまう場合がある。この場合、顔料の結晶構造そのものが破壊されやすくなるので、得られるインクジェット用水性顔料分散液の安定性が低下する場合がある。
前分散は、一般的なディゾルバーを使用して行うことが可能であるが、高速撹拌機を使用して行うことが好ましい。高速撹拌機としては、TKホモミキサー、TKロボミックス、TKフィルミックス(以上、プライミクス社製、商品名);クリアミックス(エムテクニック社製、商品名);ウルトラディスパー(浅田鉄鋼社製、商品名)などが好ましい。
本分散には、例えば、ニーダー、二本ロール、三本ロールの他;SS5(エムテクニック社製、商品名)、ミラクルKCK(浅田鉄鋼社製、商品名)といった混練機;超音波分散機;マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製、商品名)といった高圧ホモジナイザー;ナノマイザー(吉田機械興業社製、商品名);スターバースト(スギノマシン社製、商品名);G−スマッシャー(リックス社製、商品名)等の分散機を使用することができる。また、ガラスやジルコンなどのビーズメディアを用いるボールミル、サンドミル、横型メディアミル分散機、コロイドミル等を使用することもできる。なお、ビーズミルにおいて用いるメディアは、直径1mm以下のビーズメディアが好ましく、直径0.5mm以下のビーズメディアがさらに好ましい。
得られたインクジェット用水性顔料分散液はそのまま用いてもよいが、遠心分離機、超遠心分離機又はろ過機を使用して、僅かに存在しうる粗大粒子を除去することも好ましい。粗大粒子はインクジェット用水性顔料インク中で沈降物となって堆積する場合がある。また、インクジェット印刷においてノズル詰まりの原因にもなるので、粗大粒子の含有割合は少ないほうが好ましい。
以上のようにして、本発明のインクジェット用水性顔料分散液を得ることができる。そして、得られたインクジェット用水性顔料分散液に対して、粘度調整剤、表面張力調整剤、浸透剤、及び水などを配合することで、本発明のインクジェット用水性顔料インクを調製することができる。
本発明のインクジェット用水性顔料インク(以下、単に「インク」とも記す)には、一般的なインクジェット用のインクに配合される添加剤であれば問題なく添加することができる。インクの表面張力を調整するため、或いは紙への浸透性を調整するためには、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、又は両性の界面活性剤や高分子界面活性剤を添加することができる。なお、これらの界面活性剤の添加量が多すぎると、顔料の分散安定性を損なう場合があるので留意する必要がある。このため、界面活性剤をはじめとするこれらの添加剤の配合割合は、インク100質量%中、通常0.01〜5質量%程度であり、好ましくは0.1〜2質量%程度である。
本発明のインクには、所望の物性とするために、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上記の成分以外の界面活性剤、消泡剤、及び防腐剤などを添加することができる。さらに、ノズル乾燥防止剤として尿素、チオ尿素、エチレン尿素、又はそれらの誘導体を含有させることもできる。
次に、合成例、実施例、及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は以下に示す例によってなんら限定されるものではない。なお、以下の文中「部」及び「%」とあるのは、いずれも質量基準である。
1.高分子分散剤(A−Bジブロックポリマー)の合成
[合成例1]
攪拌機、逆流コンデンサー、温度計、及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコ(反応装置)に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(以下、「ジグライム」と記す)125部、2−アイオド−2−シアノプロパン3部、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」と略記する)76部、アクリル酸(以下、「AA」と略記する)24部、アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」と略記する)2.5部、及びアイオドスクシンイミド0.1部を添加し、窒素を流しながら撹拌した。反応温度を75℃として3時間重合させた。
3時間後に重合溶液の一部をサンプリングして固形分濃度を測定したところ42.1%であり、ほとんどのモノマーが重合してポリマーが形成されていることが確認された。また、GPCにてポリマーの分子量を測定したところ、数平均分子量(以下、「Mn」とも記す)は5,000であり、分散度(以下、「PDI」とも記す)は1.42であり、分子量分布が狭く、分子量が揃ったポリマーを得ることができた。
上記の重合溶液に、メタクリル酸ベンジル(以下、「BzMA」と略記する)19部とAIBN0.2部との混合物を添加し、75℃で3時間重合させた。3時間後に重合溶液の一部をサンプリングして固形分濃度を測定したところ49.0%であり、ほとんどのモノマーが重合してポリマーが形成されていることが確認された。また、GPCにてポリマーの分子量を測定したところ、Mnは5,500であり、PDIは1.44であった。また、ベンジル基に由来するUV吸収が確認され、UV吸収から算出したポリマーのMnは5,400であり、PDIは1.44であった。(1)GPCの可視領域から算出したMnと、UV吸収から算出したMnがほとんど同じであること、(2)MMA/AAポリマーブロックに、BzMAポリマーブロックが結合することでMnが大きくなっていることから、MMA/AAポリマーブロックにBzMAポリマーブロックがブロック共重合したジブロックポリマーが形成されたと考えられる。なお、ジブロックポリマーの酸価は154mgKOH/gであった。
重合溶液に、ジブロックポリマー中のカルボキシル基を中和する当量の水酸化カリウム水溶液を添加してカルボキシル基を中和した後、純水を添加して固形分濃度を40%に調整してポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液は透明であり、ジブロックポリマーの析出は認められなかった。これは、BzMAポリマーブロックも析出することなく、溶解していたことを意味する。ポリマー溶液を50℃で2時間処理してジブロックポリマー末端のヨウ素を分解し、高分子分散剤−1を得た。
また、得られた高分子分散剤−1を10倍の水で希釈したところ、ほとんど透明な青い微分散液となった。これは、BzMAポリマーブロックが微粒子となって分散しているものと考えられる。
[合成例2〜8]
表1−1及び1−2に記載した原料組成としたこと以外は、前述の合成例1と同様にして高分子分散剤−2〜8を得た。得られた高分子分散剤(ジブロックポリマー)のMn、PDI、及び酸価を表1−1及び1−2に示す。
Figure 2011225834
Figure 2011225834
表1−1及び1−2中の略語の意味は以下の通りである。
(1)MMA:メタクリル酸メチル
(2)AA:アクリル酸
(3)BzMA:メタクリル酸ベンジル
(4)MAA:メタクリル酸
(5)St:スチレン
2.高分子分散剤(ランダムポリマー)の合成
[合成例9]
合成例1で用いたものと同様の反応装置にジグライム80部を添加して75℃に加温した。MMA76部、AA24部、BzMA19部、及びAIBN1.8部を混合して均一化したモノマー混合液を別容器に用意した。反応装置にモノマー混合液の1/3量を添加した後、モノマー混合液の残り(2/3量)を1.5時間かけて滴下し、次いで4.5時間重合させた。重合溶液の一部をサンプリングして固形分濃度を測定したところ49.8%であり、ほとんどのモノマーが重合してポリマーが形成されていることが確認された。また、GPCにてポリマーの分子量を測定したところ、Mnは6,000であり、PDIは1.95であった。また、ポリマーの酸価は154mgKOH/gであった。
上記の重合溶液に、ポリマー中のカルボキシル基を中和する当量の水酸化カリウム水溶液を添加してカルボキシル基を中和した後、純水を添加して固形分濃度を40%に調整して透明のポリマー溶液(高分子分散剤−9)を得た。得られた高分子分散剤−9を10倍の水で希釈したところ、透明の溶液が得られた。このポリマー溶液に含まれるポリマーはランダムコポリマーであって、分子量や形状が制御されていないものである。すなわち、ポリマー中にはカルボキシル基がランダムに配置されているので、このポリマーは水に均一に溶解すると考えられる。
[合成例10]
表2に記載した原料組成としたこと以外は、前述の合成例9と同様にして高分子分散剤−9を得た。得られた高分子分散剤(ランダムコポリマー)のMn、PDI、及び酸価を表2に示す。
Figure 2011225834
高分子分散剤−9及び10のポリマー構造は「ランダム」であるのに対し、高分子分散剤−1及び2のポリマー構造は「ブロック」である。なお、高分子分散剤−9と高分子分散剤−1、及び高分子分散剤−10と高分子分散剤−2は、モノマー組成と酸価がそれぞれ同一になるように設計してあり、Mnも類似している。
3.インクジェット用水性顔料インクの調製
[実施例1]
合成例1で得た高分子分散剤−1を175部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル70部、及び純水370部を混合して均一な溶液を得た。得られた溶液は透明で析出や濁りはなかった。この溶液に、青色顔料である銅フタロシアニンブルー(シアニンブルーKBM、大日精化工業社製、以下、「青色顔料1」と記す)350部、及び下記誘導体(1)(n=1,2)35部を添加し、ディスパーで30分間解膠してミルベースを調製した。横型メディア分散機を用いてミルベース中に顔料を十分に分散させた後、純水316部を添加して、顔料濃度を約18%とした。横型メディア分散機から取り出したミルベースを水で希釈し、顔料濃度10%のインクジェット用青色水性顔料分散液を得た。
Figure 2011225834
得られたインクジェット用青色水性顔料分散液に含まれる顔料の数平均粒子径は84.0nmであった。また、インクジェット用青色水性顔料分散液の粘度は2.75mPa・s、pHは8.9であった。このインクジェット用青色水性顔料分散液を70℃で一週間保存したところ、顔料の数平均粒子径は85.0nm、粘度は2.74mPa・sとなり、保存安定性は良好であった。
次に、このインクジェット用青色水性顔料分散液を用いて、以下に示す処方でインクジェット用水性顔料インクを調製した。
・インクジェット用青色水性顔料分散液 100部
・水 85部
・1,2−ヘキサンジオール 12.5部
・グリセリン 50部
・サーフィノール465(エアープロダクト社製、商品名) 2.5部
調製したインクジェット用水性顔料インクに含まれる顔料の数平均粒子径は81.0nmであった。また、インクジェット用水性顔料インクの粘度は3.17mPa・s、pH8.8であった。このインクジェット用水性顔料インクを70℃で一週間保存したところ、顔料の数平均粒子径は76.0nm、粘度は3.07mPa・sとなり、保存安定性は良好であった。
調製したインクジェット用水性顔料インクをインクカートリッジに充填し、インクジェットプリンタを使用して印刷試験を行った。その結果、インクジェットヘッドの全てのノズルから問題なく吐出可能であることを確認した。印刷試験後、インクジェットヘッドを45℃で24時間加熱乾燥し、全てのノズルを強制的に目詰まりさせて吐出不可の状態にした。その後、インクジェットプリンタのヘッドクリーニング操作を1回行ったところ、驚くべきことに全てのノズルから問題なくインクを吐出することが確認できた。すなわち、本発明のインクジェット用水性顔料分散液を用いて調製したインクジェット用水性顔料インクは、一旦乾燥した場合であっても、その乾燥物は再溶解性が良好なものであることが明らかである。これは、顔料が高分子分散剤によりカプセル化され、自己分散性が付与されたためであると考えられる。
[実施例2、比較例1〜6]
顔料、顔料誘導体、及び分散剤をそれぞれ表3に示す組み合わせで配合したこと以外は、前述の実施例1と同様にしてインクジェット用青色水性顔料分散液を得た。得られたインクジェット用青色水性顔料分散液を水で希釈し、顔料濃度10%に調整したものの保存安定性はいずれも良好であった。
Figure 2011225834
次に、得られたインクジェット用青色水性顔料分散液を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてインクジェット用水性顔料インクを調製した。得られたインクの保存性及びクリーニング特性を評価した。結果を表4に示す。
Figure 2011225834
[評価基準]
なお、各評基準は以下の通りである。また、以下同様の試験結果においては同様の評価基準とする。
<顔料の数平均粒子径>
○:変化率±10%未満
×:変化率±10%以上
<粘度>
○:粘度が低く、変化率±10%未満
△:粘度が高く、変化率±10%未満
×:変化率±10%以上
<クリーニング特性>
○:ヘッドクリーニング動作1回で全ノズル回復
△:ヘッドクリーニング動作2又は3回で全ノズル回復
×:ヘッドクリーニングで全ノズル回復せず
実施例1及び2では、インク保存性とクリーニング特性が両立されていた。このことから、これらの二つの特性を両立させるには、酸性顔料誘導体と、A−Bジブロックポリマーとを組み合わせることが必要であることが明らかである。一方、比較例1では、高分子分散剤−1を用いているが、酸性顔料誘導体を用いていないものである。高分子分散剤−1は、疎水部が小さく、酸価が高いA−Bジブロックポリマーである。このため、比較例1では、高分子分散剤−1の水への溶解力が強すぎてしまい、分散はできたが保存安定性が悪く、クリーニング特性も悪かった。このことからも、酸性顔料誘導体が、顔料の安定なカプセル化に必須であることが示唆される。
比較例2及び3で用いた高分子分散剤−9のモノマー組成は、高分子分散剤−1のモノマー組成と同様である。しかしながら、高分子分散剤−9のポリマー構造は「ランダム」であるため、PDIが大きく、親水部・疎水部が非局在化している。このため、高分子分散剤−9を用いた比較例2及び3では、酸性顔料誘導体の有無にかかわらず、インク保存性を確保できるものの粘度が高くなってしまい、完全に安定化しているとは言い難かった。また、クリーニング特性も良好ではなかった。さらに、比較例4で用いた高分子散剤−2は、疎水部が大きく、酸価が低いA−Bジブロックポリマーである。このため、酸性顔料誘導体を添加しなくても保存安定性は確保できたが、クリーニング特性は悪かった。
比較例5及び6で用いた高分子分散剤−10のモノマー組成は、高分子分散剤−2のモノマー組成と同様である。しかしながら、高分子分散剤−10のポリマー構造は「ランダム」であるため、PDIが大きく、親水部・疎水部が非局在化している。このため、高分子分散剤−9を用いた比較例2及び3では、酸性顔料誘導体の有無にかかわらず、インク保存性を確保できるものの、クリーニング特性は良好ではなかった。以上より、酸性顔料誘導体と、A−Bジブロックポリマーとを組み合わせることによって、顔料が高分子分散剤によってカプセル化され、自己分散性が付与されると考えられる。
[実施例3及び4、比較例7〜10]
顔料、顔料誘導体、及び分散剤をそれぞれ表5に示す割合で配合したこと以外は、前述の実施例1と同様にしてインクジェット用青色水性顔料分散液を得た。得られたインクジェット用青色水性顔料分散液を水で希釈し、顔料濃度10%に調整したものの保存安定性はいずれも良好であった。
Figure 2011225834
次に、得られたインクジェット用青色水性顔料分散液を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてインクジェット用水性顔料インクを調製した。得られたインクのクリーニング特性を評価した。結果を、前述の実施例1及び2の結果とあわせて表6に示す。なお、インクの保存性については、いずれも「○」評価であった。
Figure 2011225834
実施例1〜4では、クリーニング特性の評価が「○〜△」であった。酸価と疎水性ブロック(Bブロック)のMnにある程度の幅を有する高分子分散剤を用いてこのような評価が得られたのは、高分子分散剤が特定の要件を満たすものであるためと考えられる。すなわち、親水性ブロック(Aブロック)にはAAが使用されており、疎水性ブロック(Bブロック)にはBzMAが使用されているためであると考えられる。このようなA−Bジブロックポリマーからなる高分子分散剤を用いることで、顔料がカプセル化されて自己分散性が付与され、クリーニング特性について良好な結果が得られたと考えられる。また、酸価が高く、疎水性ブロック(Bブロック)のMnが大きい高分子分散剤−3を用いた実施例3では、クリーニング特性の評価が「△」であった。これは、高分子分散剤−3は、酸価と疎水性ブロック(Bブロック)のMnがいずれも大きく、親水性と疎水性がともに強くなって、他の実施例に比してバランスが若干不安定になり、顔料のカプセル化に影響したものと考えられる。この点については、疎水性ブロック(Bブロック)のMnが特に大きい高分子分散剤−5を用いた比較例7のクリーニング特性の評価が「×」であったことからも裏付けられる。すなわち、比較例7で用いた高分子分散剤−5は、疎水性ブロック(Bブロック)のMnが大きすぎたため、一度乾燥して固まってしまうと再分散しにくくなったためと考えられる。
また、比較例8及び9では、AAに比して酸性度の低いMAAにより親水性ブロック(Aブロック)が構成されている。このため、親水性ブロック(Aブロック)の酸価は低くなってしまい、クリーニング特性が低下したものと考えられる。さらに、比較例10では、BzMAに比して疎水性の高いStにより疎水性ブロック(Bブロック)が構成されている。このため、疎水性ブロック(Bブロック)の疎水性は、実施例で用いた高分子分散剤の疎水性ブロック(Bブロック)の疎水性に比して高くなってしまい、クリーニング特性が低下したものと考えられる。
[実施例5〜12、比較例11〜18]
顔料、顔料誘導体、及び分散剤をそれぞれ表7に示す組み合わせで配合したこと以外は、前述の実施例1と同様にしてインクジェット用水性顔料分散液を得た。得られたインクジェット用水性顔料分散液を水で希釈し、顔料濃度10%に調整したものの保存安定性はいずれも良好であった。
Figure 2011225834
表7中の各色の顔料は以下の通りである。
(1)赤色顔料1:ジメチルキナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド122)
(2)黄色顔料1:モノアゾエロー顔料(C.I.ピグメントエロー74)
(3)黄色顔料2:ジスアゾエロー顔料(C.I.ピグメントエロー155)
(4)緑色顔料1:フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントグリーン7)
次に、得られたインクジェット用水性顔料分散液を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてインクジェット用水性顔料インクを調製した。得られたインクの保存性及びクリーニング特性を評価した。結果を表8に示す。
Figure 2011225834
全ての色(赤色、黄色、緑色)において、青色の場合と同様の傾向が認められた。すなわち、高分子分散剤−1又は2と、酸性顔料誘導体とを組み合わせた場合に、保存性が高く、クリーニング特性も良好なインクを得ることができた。このことから、インクジェットインクに用いられる一般的な有彩色顔料と、高分子分散剤としてA−Bジブロックポリマーとを組み合わせてインクジェット用水性顔料分散液を調製することは、極めて有用であることが確認できた。
本発明のインクジェット用水性顔料分散液を用いれば、長期休止後もヘッド目詰まりしにくく、析出した顔料凝集物をヘッドクリーニング操作で簡便に再溶解可能であり、吐出安定性が保持され、保存安定性に優れたインクジェット用水性顔料インクを調製することができる。

Claims (5)

  1. 顔料と、顔料誘導体と、高分子分散剤とを含むインクジェット用水性顔料分散液であって、
    前記顔料誘導体が、その分子内に酸性基が1つ以上化学修飾された酸性顔料誘導体であり、
    前記高分子分散剤が、親水性ブロックと疎水性ブロックからなるジブロックポリマーであり、
    前記親水性ブロックの構成モノマーに少なくともアクリル酸を含有し、
    前記疎水性ブロックの構成モノマーに少なくともベンジルメタクリレートを含有し、
    前記疎水性ブロックの数平均分子量が400〜3,000であることを特徴とするインクジェット用水性顔料分散液。
  2. 前記酸性基がスルホン酸基である請求項1に記載のインクジェット用水性顔料分散液。
  3. 前記顔料100質量部に対する前記酸性顔料誘導体の含有割合が、0.1〜20質量部である請求項1又は2に記載のインクジェット用水性顔料分散液。
  4. 前記高分子分散剤の酸価が40〜200mgKOH/gである請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット用水性顔料分散液。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット用水性顔料分散液を含有することを特徴とするインクジェット用水性顔料インク。
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