JP7188661B1 - 顔料組成物、着色剤、及びインクジェットインク - Google Patents
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Abstract
Description
『項1. キナクリドン顔料と、下記式(I)で表される化合物を含有する顔料組成物。
[式(I)中、nは1~8の整数である]
項2. 前記キナクリドン顔料として少なくともC.I.ピグメントレッド122を含む項1に記載の顔料組成物。
項3. 前記式(I)で表される化合物として、レーザー脱離イオン化質量分析法のネガティブモードでm/z値が541の分子を含有する項1又は2に記載の顔料組成物。
項4. 前記キナクリドン顔料100質量部に対して、前記式(I)で表される化合物の含有量が0.5質量部以上20.0質量部以下である項1~3のいずれか1項に記載の顔料組成物。
項5. 項1~4のいずれか1項に記載の顔料組成物を含む着色剤。
項6. 項5に記載の着色剤を含有するインクジェット(IJ)インク。』
に関する。
本発明の顔料組成物は、キナクリドン顔料と、下記式(I)で表される化合物を含有する。以下、式(I)で表される化合物を、顔料誘導体(I)と称する。
[式(I)中、nは1~8の整数である]
本発明に用いるキナクリドン顔料としては、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209などが挙げられる。特に、工業的にはC.I.ピグメントレッド122が重要であり、本発明では少なくともC.I.ピグメントレッド122を含むことが好ましい。また、キナクリドン顔料は、複数の前記C.I.ピグメントナンバーの顔料よりなる固溶体顔料であってもよく、C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントバイオレット19固溶体、C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド202固溶体、C.I.ピグメントレッド202/C.I.ピグメントバイオレット19固溶体などが挙げられ、特に、C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントバイオレット19固溶体が重要である。
次に、本発明の顔料組成物を得る方法の一例を以下に述べるが、本発明はこれらに限定して解釈されるべきものではない。
本発明の着色剤は、本発明の顔料組成物を含む限り特に制限されない。本発明の着色剤としては、特にIJインク用途が好ましい。
上記IJインクは、本発明の顔料組成物とそれを分散させるための溶媒、バインダー樹脂とを含むことが好ましい。さらに本発明のIJインクは、必要に応じて湿潤剤(乾燥抑止剤)、浸透剤、界面活性剤など、また、その他の添加剤として防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを含んでいてもよい。
[測定条件]
測定試料:HST社製の384スポット測定プレートに、測定溶液1μLをスポットし風乾させる
測定モード:スパイラルTOF・ネガティブモード
レーザー強度:50%
遅延引き出し時間(DelayTime):200ナノ秒
Detector:50%
トレース回数:200~250ショット
C.I.ピグメントレッド122(DIC株式会社製)10部を98%硫酸(関東化学株式会社製)100部に加え、100℃で24時間撹拌した。反応液を室温まで冷やした後、エタノール(関東化学株式会社製)500部を加えて1時間撹拌し、濾過、エタノール500部により洗浄した。得られた濾物を純水100部に加えて撹拌し懸濁させた後、遠心分離により液相と固相に分けた。液相を捨てて固相を取り出し、C.I.ピグメントレッド122スルホン酸(PR122SA)のウェットケーキを得た。レーザー脱離イオン化質量分析法のネガティブモードでこのPR122SAの測定を行ったが、m/z値が541の分子は検出できなかった。このPR122SAは、以下の化合物であると推測される(以下、PR122SAにおけるnは1又は2である)。
PR122SAのウェットケーキ(固形分18.5%)27部を純水200部に加え、撹拌しながら80℃に昇温した。ウェットケーキの塊が消滅した後、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH11.5に調整し、30分間撹拌、さらに硫酸アルミニウム14~18水和物(関東化学株式会社製)3.3部を加えて30分間撹拌した。これを25%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.0に調整し、濾過して、化学式(I-1)で表されるC.I.ピグメントレッド122スルホン酸のアルミニウム塩(PR122SA-Al)のウェットケーキを得た。レーザー脱離イオン化質量分析法のネガティブモードでこのPR122SA-Alの測定を行い、m/z値が541の分子を確認した。
C.I.ピグメントレッド209(DIC株式会社製)20部を98%硫酸(関東化学株式会社製)200部に加え、110℃で5時間撹拌した。反応液を室温まで冷やした後、冷水1000部に反応液を注いで1時間撹拌し、濾過、水洗した。得られた濾物を800mLのエタノールに加え、撹拌し懸濁させた後、遠心分離により液相と固相に分けた。液相を捨てて固相を取り出し、C.I.ピグメントレッド209スルホン酸(PR209SA)のウェットケーキを得た。
前記調整例2のPR122SAのウェットケーキをPR209SAのウェットケーキ(固形分17.1%)29部に変更した以外は同様の操作を行い、C.I.ピグメントレッド209スルホン酸のアルミニウム塩(PR209-SA)のウェットケーキを得た。レーザー脱離イオン化質量分析法のネガティブモードでこのPR209SA-Alの測定を行ったが、m/z値が541の分子は検出できなかった。
PR122SA-Alのウェットケーキ(固形分11.8%)8.47部を純水30部に加え、30分間撹拌し、PR122SA-Alの水スラリーを作製した。これとは別に、C.I.ピグメントレッド122(DIC株式会社製,固形分21.3%)93.9部を純水400部に加え、撹拌しながら80℃に昇温し、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH8.5に調整した。ここに、PR122SA-Alの水スラリーを加え、30分間撹拌し、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に調整した。次に、反応液を濾過し、純水2000部で洗浄、送風乾燥(98℃、18時間)、粉砕し、キナクリドン顔料組成物(QA-1)を得た。
C.I.ピグメントレッド122(DIC株式会社製,固形分21.3%)93.9部を、送風乾燥(98℃、18時間)、粉砕し、キナクリドン顔料組成物(QA-1’)を得た。
PR122SAのウェットケーキ(固形分18.5%)5.41部を純水30部に加え、30分間撹拌し、PR122SAの水スラリーを作製した。これとは別に、C.I.ピグメントレッド122(DIC株式会社製,固形分21.3%)93.9部を純水400部に加え、撹拌しながら80℃に昇温し、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH8.5に調整した。ここに、PR122SAの水スラリーを加え、30分間撹拌し、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に調整した。次に、反応液を濾過し、純水2000部で洗浄、送風乾燥(98℃、18時間)、粉砕し、キナクリドン顔料組成物(QA-2’)を得た。
PR209SA-Alのウェットケーキ(固形分17.1%)5.85部を純水30部に加え、30分間撹拌し、PR209SA-Alの水スラリーを作製した。これとは別に、C.I.ピグメントレッド122(DIC株式会社製,固形分21.3%)93.9部を純水400部に加え、撹拌しながら80℃に昇温し、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH8.5に調整した。ここに、PR209SA-Alの水スラリーを加え、30分間撹拌し、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に調整した。次に、反応液を濾過し、純水2000部で洗浄、送風乾燥(98℃、18時間)、粉砕し、キナクリドン顔料組成物(QA-3’)を得た。
下記表1に示す通り、上記合成例1~4で得られたキナクリドン顔料組成物それぞれについて、キナクリドン顔料組成物10.0部、スチレン-アクリル樹脂(DIC株式会社製)7部(樹脂分3部)、イソプロパノール(関東化学株式会社製)1.0部、5%水酸化カリウム水溶液9.7部、純水72.3部、0.5mmジルコニアビーズ250部を100mLポリエチレン製広口瓶に入れ、ペイントシェーカー(株式会社東洋精機製作所製)で2時間分散し、顔料分散液を得た。続いて、得られた顔料分散液を、高速遠心機H-2000B(コクサン株式会社製)を用いて6000Gで30分間遠心分離し、上澄みを採取することで顔料濃度9.5%の水性顔料分散体を得た。
上記水性顔料分散体42.1部、界面活性剤としてサーフィノール465(エボニックインダストリーズ製)1.0部、保湿剤としてグリセリン(関東化学株式会社製)15.0部、プロピレングリコール(関東化学株式会社製)を10.0部、さらに合計質量が100部となるよう純水を混合した。次に、MF-Milipore SCWP(Merck株式会社製)および、GLASS FIBER PREFILTERS AP25(Merck株式会社製)を用いて減圧濾過することで、顔料濃度が4.0%の評価用水性IJインクを得た。
上記方法で作製した直後の評価用水性IJインクの粘度を、20℃の環境下でE型粘度計を用いて測定した(初期粘度)。次に、水性インク10mLをガラス容器に密閉し、70℃で2週間静置し、静置後のIJインクの粘度を、E型粘度計を用いて測定した(経時粘度)。
IJインクの貯蔵試験前後の変化率を下記式に基づき算出し、以下の基準に基づき分散安定性を評価した。
粘度変化率(%)=(経時粘度-初期粘度)/初期粘度×100
分散安定性A:粘度変化率±10%未満
分散安定性B:粘度変化率±10%以上、±50%未満
分散安定性C:粘度変化率±50%以上
Claims (6)
- 前記キナクリドン顔料として少なくともC.I.ピグメントレッド122を含む請求項1に記載の顔料組成物。
- 前記式(I)で表される化合物として、レーザー脱離イオン化質量分析法のネガティブモードでm/z値が541の分子を含有する請求項1又は2に記載の顔料組成物。
- 前記キナクリドン顔料100質量部に対して、前記式(I)で表される化合物の含有量が0.5質量部以上20.0質量部以下である請求項1又は2に記載の顔料組成物。
- 請求項1又は2に記載の顔料組成物を含む着色剤。
- 請求項5に記載の着色剤を含有するインクジェットインク。
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