JP2017014150A - キナクリドン混合物、それを含むインク、インク収容容器、インクジェット記録物の製造方法、インクジェット記録装置、および記録物 - Google Patents

キナクリドン混合物、それを含むインク、インク収容容器、インクジェット記録物の製造方法、インクジェット記録装置、および記録物 Download PDF

Info

Publication number
JP2017014150A
JP2017014150A JP2015132595A JP2015132595A JP2017014150A JP 2017014150 A JP2017014150 A JP 2017014150A JP 2015132595 A JP2015132595 A JP 2015132595A JP 2015132595 A JP2015132595 A JP 2015132595A JP 2017014150 A JP2017014150 A JP 2017014150A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
group
copolymer
pigment dispersion
pigment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015132595A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6512443B2 (ja
Inventor
島田 知幸
Tomoyuki Shimada
知幸 島田
永井 一清
Kazukiyo Nagai
一清 永井
顕芳 左部
Akiyoshi Sabe
顕芳 左部
祐介 小飯塚
Yusuke Koiizuka
祐介 小飯塚
彰彦 松山
Akihiko Matsuyama
彰彦 松山
原田 成之
Nariyuki Harada
成之 原田
宜輝 梁川
Yoshiteru Yanagawa
宜輝 梁川
誠之 福岡
Masayuki Fukuoka
誠之 福岡
拓哉 山崎
Takuya Yamazaki
拓哉 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2015132595A priority Critical patent/JP6512443B2/ja
Publication of JP2017014150A publication Critical patent/JP2017014150A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6512443B2 publication Critical patent/JP6512443B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

【課題】顔料分散体およびインクの良好な保存安定性を両立し、吐出安定性に優れたインクの実現にも有効な新規のキナクリドン混合物の提供を目的とする。
【解決手段】下記一般式(1)において、m=1かつn=1の場合のキナクリドン化合物と、m=1かつn=1の場合以外のキナクリドン化合物とを含有するキナクリドン混合物。

(式中、R1,R2,R3およびR4は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R5およびR6は炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。m、nは0〜2の整数を表す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、キナクリドン混合物、それを含むインク、インク収容容器、インクジェット記録物の製造方法、インクジェット記録装置、および記録物に関する。
インクジェット記録方式は、他の記録方式に比べてプロセスが簡単で、かつフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られるという利点があることから普及し、パーソナルからオフィス用途、商業印刷や工業印刷の分野へと広がりつつある。このようなインクジェット記録方式では、色材として水溶性染料を用いた水系インク組成物が主に使用されているが、耐水性及び耐光性に劣るという欠点があるため、水溶性染料に代わる水不溶性の顔料を用いた顔料インクの開発が進められている。
オフィス用途のインクジェット印刷では、記録媒体として主に普通紙が使用され、高い画像濃度が要求されている。一般に、顔料インクを普通紙に印字した場合、顔料は紙表面に留まることなく紙中へ浸透するため、紙表面の顔料密度が低くなり、画像濃度が低下する。インク中の顔料濃度を高くすれば画像濃度は高くなるが、インクの粘度が増大し、吐出安定性が低下する。
高速印字化対策として記録媒体に付着したインクの乾燥速度を早めるため、インクに疎水性溶剤等の浸透剤を添加して水を記録媒体中に浸透させることにより乾燥を速める手段がとられる。
水溶媒の顔料分散体と疎水性溶媒のインクの両方の環境下で分散安定性を満たすことが求められている。
また、上記のインクジェット記録方式や筆記具に使用する水性顔料インクは、染料を水に溶解して調製する水性染料インクと異なり、水に溶解しない顔料を水中に長期間安定的に分散させる必要があるため、種々の顔料分散体が開発されている。
例えば、特許文献1では、分散剤として側鎖に芳香環を含むグラフトポリマーが提案されている。このグラフトポリマーを顔料分散剤として用いることにより、70℃で3日間のインク保存安定性が確保されている。
また特許文献2、3および特許文献4では、スルホン酸基等が置換された顔料誘導体を用いた顔料分散体が開示されている。
しかしながら従来からの顔料分散体、及びそれを用いたインクは、長期間の保存安定性の点では不十分である。
すなわち、有機溶媒を添加したインクに対して、前記グラフトポリマーを適用すると、分散性は低下し、長期間の保存安定性は確保できない。
また、前記スルホン酸基等が置換された顔料誘導体を用いた顔料分散体は、インクジェット記録用インクの高速印字対策のためにインクを疎水化するにつれて保存性が低下し、保存性はいまだ不十分である。
本発明は、上記従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、顔料分散体およびインクの良好な保存安定性を両立し、吐出安定性に優れた水性インクの実現にも有効な新規のキナクリドン混合物の提供を目的とする。
上記課題は、次のキナクリドン混合物によって解決される。
(1)下記一般式(1)において、m=1かつn=1の場合のキナクリドン化合物と、m=1かつn=1の場合以外のキナクリドン化合物とを含有することを特徴とするキナクリドン混合物。
(式中、R1,R2,R3およびR4は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R5およびR6は炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。m、nは0〜2の整数を表す。)
本発明により、顔料分散体およびインクの良好な保存安定性を両立し、吐出安定性に優れたインクの実現に有効な新規のキナクリドン混合物が提供される。
本発明のインクカートリッジの一例を示す図。 図1のインクカートリッジ例のケース(に外装)も含めた説明図。 本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。 図3に示すインクジェット記録装置における一部拡大断面図。 図3に示すインクジェット記録装置における他の一部拡大断面図。 実施例1で得られたキナクリドン混合物(Sy−1)の赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)図。 実施例1で得られたキナクリドン混合物(Sy−1)のマススペクトル図。 比較例1で得られたキナクリドン化合物(Sy−2)の赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)図。
本発明のキナクリドン混合物は、下記一般式(1)において、m=1かつn=1の場合のキナクリドン化合物と、m=1かつn=1の場合以外のキナクリドン化合物とを含有する。
(式中、R1,R2,R3およびR4は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R5およびR6は炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。m、nは0〜2の整数を表す。)
一般式(1)中、R1,R2,R3およびR4のアルキル基、または、R5およびR6のアルキル基は炭素数1〜4のメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を表し、同一でも異なっていてもよい。
前記「m=1かつn=1の場合以外のキナクリドン化合物」としては、m=0かつn=0の、すなわちキナクリドン化合物、m=1〜2かつn=0のジアルキルアミノスルホン酸基置換キナクリドン化合物、およびm=0かつn=1〜2のスルホン酸基置換キナクリドン化合物等が挙げられる。
前記一般式(1)においてm=1かつn=1の場合のキナクリドン化合物と、m=1かつn=1の場合以外のキナクリドン化合物とを含有するキナクリドン混合物は下記反応式(1)〜(2)に示す反応により得ることができる。
まず、下記反応式(1)に示すようにキナクリドン化合物(A−1)と過剰量のクロロスルホン酸を無溶媒下で反応させて水洗することによりクロロスルホン酸基及びスルホン酸基が置換されたキナクリドン混合物(A−2)を得る。次いで反応式(2)に示すように前記(A−2)とジアルキルアミンとを反応させて一般式(1)においてm=1かつn=1の場合のキナクリドン化合物と、m=1かつn=1の場合以外のキナクリドン化合物とを含有するキナクリドン混合物(A−3)を得る。
前記キナクリドン混合物において、前記一般式(1)においてm=1かつn=1の場合のキナクリドン化合物を含有することは、例えば質量分析によって確認することができる。
例えば、得られたキナクリドン混合物の質量分析において、556.1±0.1の正の分子イオンピークを有し、かつ554.1±0.1の負イオン分子ピークを有する場合、置換位置は特定できないが、以下の式で表されるm=1かつn=1であるキナクリドン化合物が混在していることが確認される。また正イオン測定で611.2に正の分子イオンピークがみられると、以下の式で表されるm=2かつn=0のキナクリドン化合物も混在していることがわかる。
質量分析においては装置により質量精度、分解能は異なるが、ここで言う「±0.1」はこの質量分析の誤差範囲を表している。この範囲内に入れば本発明におけるm=1かつn=1のキナクリドン化合物を特定できたものとする。
本発明のインクは少なくとも前記一般式(1)においてm=1かつn=1の場合のキナクリドン化合物と、m=1かつn=1の場合以外のキナクリドン化合物とを含有するキナクリドン混合物を有する。
また前記一般式(1)においてm=1かつn=1の場合のキナクリドン化合物と、m=1かつn=1の場合以外のキナクリドン化合物とを含有するキナクリドン混合物は単独で用いることができるが、さらには一般的な顔料、及び分散剤を組み合わせて使用することもできる。
−顔料−
本発明で用いる一般式(1)においてm=1かつn=1の場合のキナクリドン化合物と、m=1かつn=1の場合以外のキナクリドン化合物とを含有するキナクリドン混合物と組み合わすことのできる一般的な顔料の例としては、ピグメントレッド4、5、9、23、48、49、52、53、57、97、112、122、123、144、146、147、149、150、166、168、170、177、180、184、185、192、202、207、214、215、216、217、220、221、223、224、226、227、228、238、240、242、254、255、264、272、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50などから選ばれる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
比較的に安価に入手でき、色調に優れ広い色再現範囲をとることができるため、この中でもキナクリドン系顔料のC.I.ピグメントレッド122やC.I.ピグメントバイオレット19を使用することが好ましい。
一般式(1)においてm=1かつn=1の場合のキナクリドン化合物と、m=1かつn=1の場合以外のキナクリドン化合物とを含有するキナクリドン混合物は、インク中の色材である先に具体例を示した顔料とのπ−πスタッキングにより、優れた顔料吸着力を有し表面に吸着しやすい。
また、置換基であるスルホン酸基やジアルキルアミノスルホン酸基は、その立体障害により顔料同士の凝集を防ぎ、顔料を分散させる。さらに、酸性親水基であるスルホン酸基と塩基性疎水基であるジアルキルアミノスルホン酸基の両方を有するため、アニオン性基、カチオン性基の両極性、およびノニオン性基を有する分散剤のいずれに対しても高い親和性を有し、良好な分散性を示す。
一般式(1)においてm=1かつn=1の場合のキナクリドン化合物と、m=1かつn=1の場合以外のキナクリドン化合物とを含有するキナクリドン混合物に含まれるスルホン酸基およびジアルキルアミノスルホン酸基の数は製造条件により分布を有する。キナクリドン混合物に含まれるこれらスルホン酸基およびジアルキルスルホン酸基の合計数は、特に分離精製しない限り平均値で表される。平均導入数は0.5〜3.0個であることが好ましく、1.0〜2.0個がより好ましい。
置換基数が少ないと、目的とする顔料表面の改質効果が薄くなる傾向にあり、置換基を多く持つと、効果が高いものの、媒体との親和性が強くなりブリードの原因となってしまう場合がある。
インク中の顔料濃度は1質量%以上15質量%以下が好ましく、2質量%以上12質量%以下がさらに好ましく、3質量%以上9質量%以下がより好ましい。顔料濃度が1質量%以上であることにより着色力が充分となり、画像濃度や画像の彩色度が良好になる。また、顔料濃度が15質量%以下とすることにより、充分なインクの保存安定性が得られ、また、画像のくすみが生じないようにすることができる。
−分散剤−
本発明で用いる分散剤としては、特に制限はなく、顔料分散液の調製時に用いられる分散剤の中から目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン系界面活性剤、あるいは、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルホスホン酸塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルカルボン酸塩、ラウリルエーテルホスホン酸塩、オクチルエーテルカルボン酸塩、ジスチリルフェニルエーテル硫酸塩、スチリルフェニルエーテルホスホン酸塩、β−ナフチルエーテルカルボン酸塩等のアニオン系界面活性剤を分散剤として用いることができる。
本発明においては下記の一般式(2)で表される分散剤を特に有用に用いることができる。
ただし、一般式(2)の式中、A1は、炭素数8〜12の分枝してもよいアルキル基、β−ナフチル基、スチレン化フェノール基、及びジスチレン化フェノール基からなる群より選択される基を表し、B1は、COOM1、SO31、及びPO31 2からなる群より選択される基を表し、M1は、Na、K、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、及びエタノールアミンからなる群より選択される基を表す。
一般式(2)で表される分散剤の例としては、例えば、表1に記載した一般式(2)−1、一般式(2)−2、一般式(2)−3、一般式(2)−4、一般式(2)−5などが挙げられる。
また、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合重合体−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、アクリル−シリコン共重合体、変性ポリウレタン樹脂等の高分子分散剤を用いることができる。これらの分散剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明では、一般式(3)で表される分散剤を特に有用に用いることができる。
(式中、p、q、及びrはそれぞれ5〜50の自然数を表し、B1はCOOM1、SO31、及びPO31 2からなる群より選択される基を表し、M1はNa、K、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、及びエタノールアミンからなる群より選択される基を表す。
また、R7は下記一般式(4)のポリシロキサン構造を表す。
(ただし、R8は水酸基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群より選択されるいずれかの基を表し、R9はメチル基、エチル基、ヘキシル基、ヒドロキシメチル基、及びヒドロキシエチル基からなる群より選択されるいずれかの基を表し、lは1〜10の自然数を表す。))
一般式(3)で表される分散剤の例としては、例えば、表2に記載した一般式(3)−1、一般式(3)−2、一般式(3)−3、一般式(3)−4、一般式(3)−5などが挙げられる。
上記一般式(3)で表される分散剤は、アクリル系モノマーとシラン化合物を重合して得ることができる。アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸エステルモノマー;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルモノマー;N−メチロールアクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミド等のアミド系アクリレート;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸含有モノマー等が挙げられる。
前記R7の一般式(4)のポリシロキサン構造は一般的にシランカップリング剤として知られている単量体を用いることもでき、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、等が挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、顔料に対して前記一般式(2)で表される分散剤、及び前記一般式(3)で表される分散剤は10質量%から100質量%の比率範囲で使用することが好ましく、より好ましくは20質量%から50質量%である。分散剤量が10質量%以上であれば顔料を充分に微細化することができる。また、分散剤量が100質量%以下であれば、顔料に吸着していない過剰成分を抑制することができ、インク物性に影響を与えることがなく、画像滲みや、耐水性、耐擦性の劣化を防止することができる。
また、インク中の分散微粒子の含有量は顔料と分散剤を合わせた固形分で2〜20質量%程度が好ましく、より好ましくは3〜15質量%である。
本発明では、分散剤として下記一般式(5)で表される構造単位を有する共重合体を特に有用に用いることができる。
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、L1は炭素数2〜18のアルキレン基を表す。)
また、一般式(5)において、Rは水素原子又はメチル基であり、L1は炭素数が2〜18のアルキレン基であり、好ましくは炭素数が2〜16のアルキレン基、より好ましくは炭素数が2〜12のアルキレン基である。1端がオープンエンド(開放端、つまり換言すればペンダント構造部)中のL1を介して末端に存在するナフチル基は、水性インク中の色材である顔料とのπ−πスタッキングにより、優れた顔料吸着力を有する。
上記「ペンダント中のL1を介して末端に存在するナフチル基」の記載から理解されるように、一般式(5)で表される構造単位は、典型的にはL1を介して垂下する末端ナフチル基や側鎖カルボキシル基のようなペンダント基を有する共重合体の主鎖であってよい。しかし、当然、一部が側鎖に含まれる場合を除外するものではない。
例えば、分枝構造を生成する副次的ラジカル重合反応を完全に排除するのが困難であることはよく知られている事実である。
また、顔料を水に分散した顔料分散体を調製する際に、前記共重合体を用いると、共重合体の側鎖の末端にナフチル基が存在するため、顔料表面に吸着し易く、顔料との吸着力が高いため、分散性の高い長期間安定な分散体が得られる。
一般式(1)で表されるキナクリドン混合物と前記共重合体と併用することによりインク溶媒下で顔料をより安定に分散させることができる。
また、インクジェットプリンタのヘッドノズル部等においてインクが乾燥しインク中の固形分比率が増加した場合、顔料粒子は凝集状態となる。このとき、一般式(5)で表される構造単位を有する共重合体により架橋凝集が起き、顔料の再分散性が低下する場合がある。しかし、立体障害をもつ一般式(1)で表されるキナクリドン混合物と併用することで、一般式(5)で表される構造単位を有する共重合体による顔料間の架橋を防ぐことができる。
顔料の再分散性を向上させることにより、インク乾燥後にもクリーニングで迅速に顔料分散状態に復帰することができ、優れた吐出信頼性を有することができる。
前記一般式(5)で表される構造単位を有する共重合体の重量平均分子量Mwは、好ましくは4000〜80000の範囲であり、より好ましく9000〜60000の範囲であり、更に好ましくは7000〜40000の範囲である。
分子量が4000以上であると共重合体の立体障害により分散安定性が向上する。また、80000以下であると共重合体同士の絡まりが少なくなることにより粘度上昇がおきず、吐出安定性が向上する。
前記共重合体の重量平均分子量は、重合温度や重合開始剤量及び反応時のモノマー濃度により、ある程度制御が可能である。前記重合温度については、高温かつ短時間で重合すると低分子量の共重合体を得やすく、低温で長時間かけて重合すると高分子量の共重合体を得やすい傾向にある。
前記一般式(5)で表される構造単位を有する共重合体は、前記一般式(5)で表される構造単位以外に、少なくとも一種類以上のその他の重合性の親水性モノマーからなる繰り返し単位を有することができる。
前記重合性の親水性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸又はその塩、マレイン酸又はその塩、マレイン酸モノメチル、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、フマル酸、4−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、或いはリン酸、ホスホン酸、アレンドロン酸又はエチドロン酸を含有した不飽和エチレンモノマー等のアニオン性不飽和エチレンモノマー;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド等のノニオン性不飽和エチレンモノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メタクロイルコリンクロリド等のカチオン性不飽和エチレンモノマーなどが挙げられる。
前記一般式(5)で表される構造単位を有する共重合体は、前記一般式(5)で表される構造単位以外に、その他の重合性モノマーからなる繰り返し単位を有することができる。
前記その他の重合性モノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合性の疎水性モノマー、重合性界面活性剤などが挙げられる。
前記重合性の疎水性モノマーとしては、例えば、α−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−クロロメチルスチレン等の芳香族環を有する不飽和エチレンモノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、(メタ)アクリル酸ラウリル(C12)、(メタ)アクリル酸トリデシル(C13)、(メタ)アクリル酸テトラデシル(C14)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル(C15)、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル(C16)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル(C17)、(メタ)アクリル酸ノナデシル(C19)、(メタ)アクリル酸エイコシル(C20)、(メタ)アクリル酸ヘンイコシル(C21)、(メタ)アクリル酸ドコシル(C22)等の(メタ)アクリル酸アルキル;1−ヘプテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、1−ノネン、3,5,5−トリメチル−1−ヘキセン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ドコセン等のアルキル基を持つ不飽和エチレンモノマー、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性界面活性剤は、ラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を分子内に少なくとも1つ以上有するアニオン性又はノニオン性の界面活性剤である。
前記アニオン性界面活性剤としては、硫酸アンモニウム塩基(−SO3 -NH4 +)などの硫酸塩基とアリル基(−CH2−CH=CH2)とを有する炭化水素化合物、硫酸アンモニウム塩基(−SO3 -NH4 +)などの硫酸塩基とメタクリル基〔−CO−C(CH3)=CH〕とを有する炭化水素化合物、又は硫酸アンモニウム塩基(−SO3 -NH4 +)などの硫酸塩基と1−プロペニル基(−CH=CH2CH3)とを有する芳香族炭化水素化合物が挙げられる。その具体例としては、三洋化成社製のエレミノールJS−20、及びRS−300、第一工業製薬社製のアクアロンKH−10、アクアロンKH−1025、アクアロンKH−05、アクアロンHS−10、アクアロンHS−1025、アクアロンBC−0515、アクアロンBC−10、アクアロンBC−1025、アクアロンBC−20、及びアクアロンBC−2020などが挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、1−プロペニル基(−CH=CH2CH3)とポリオキシエチレン基〔−(C24O)n−H〕とを有する炭化水素化合物又は芳香族炭化水素化合物が挙げられる。その具体例としては、第一工業製薬社製のアクアロンRN−20、アクアロンRN−2025、アクアロンRN−30、及びアクアロンRN−50、花王社製のラテムルPD−104、ラテムルPD−420、ラテムルPD−430、及びラテムルPD−450などが挙げられる。
前記重合性界面活性剤は、1種又は2種以上を混合し前記一般式(5)で表される構造単位を形成するモノマー、重合性の親水性モノマー、重合性の疎水性モノマーの合計量に対して、0.1〜10質量%使用してもよい。
前記共重合体の構造は、NMRやIRなど一般的な分析方法を使用すれば分析可能である。
また、共重合体を構成する構造単位のモル比は、共重合体を合成する際に用いたモノマーのモル比により求めることができる。また、共重合体から、NMRにより求めることができる。
前記一般式(5)で表される構造単位を有する共重合体は、例えば、下記反応式(3)〜(4)に示す反応により得ることができる。まず、下記反応式(3)に示すように、ナフタレンカルボニルクロリド(B−1)と過剰量のジオール化合物を、アミン又はピリジンなどの酸受容剤の存在下で縮合反応させて、ナフタレンカルボン酸ヒドロキシアルキルエステル(B−2)を得る。次いで、下記反応式(4)に示すように、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(B−3)と前記(B−2)とを反応させて、モノマー(B−4)を得る。
その後、ラジカル重合開始剤の存在下でモノマー(B−4)と少なくとも一種以上のモノマーとを共重合させれば、前記一般式(5)で表される構造単位を有する共重合体が得られる。
ここで、モノマー(B−4)の分子量は、一般式(5)のL1が炭素数2〜18のアルキレン基、及びR3が水素原子またはメチル基であることから、357〜596である。
前記ラジカル重合開始剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、シアノ系のアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビス(2,2’−イソバレロニトリル)、非シアノ系のジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、などが挙げられる。これらの中でも、分子量の制御がしやすく分解温度が低い点から、有機過酸化物、アゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物が特に好ましい。
前記ラジカル重合開始剤の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合性モノマーの総量に対して、1〜10質量%が好ましい。
前記ポリマーの分子量を調整するために、連鎖移動剤を適量添加してもよい。
前記連鎖移動剤の例としては、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2−プロパンチオール、2−メルカプトエタノール、チオフェノール、ドデシルメルカプタン、1−ドデカンチオール、チオグリセロール、などが挙げられる。
重合温度は特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜150℃が好ましく、60℃〜100℃がより好ましい。重合時間も特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3〜48時間が好ましい。
インクにおける前記共重合体の含有量は、顔料分散剤として使用する場合は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、顔料100質量部に対して、10〜100質量部が好ましい。含有量がこの範囲であれば高い画像濃度が得られる。また、共重合体の分散剤としての効果を損なわない範囲で、他の分散剤を併用してもよい。
本発明では、分散剤として下記一般式(6)で表される構造単位を有する共重合体を特に有用に用いることができる。
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、L2は単結合又はその酸素原子がビフェニルと結合している−(CH2)−O−であり、nは2〜16の整数である。)
また、一般式(6)において、Rは水素原子又はメチル基であり、L2は単結合又はその酸素原子がビフェニルと結合している−(CH2)−O−であり、nは2〜16の整数である。1端がオープンエンド(開放端、つまり換言すればペンダント構造部)中のL2を介して末端に存在するビフェニリル基は、水性インク中の色材である顔料とのπ−πスタッキングにより、優れた顔料吸着力を有する。
上記「ペンダント中のL2を介して末端に存在するビフェニリル基」の記載から理解されるように、一般式(6)で表される構造単位は、典型的にはL2を介して垂下する末端ビフェニリル基や側鎖カルボキシル基のようなペンダント基を有する共重合体の主鎖であってよい。しかし、当然、一部が側鎖に含まれる場合を除外するものではない。
例えば、分枝構造を生成する副次的ラジカル重合反応を完全に排除するのが困難であることはよく知られている事実である。
また、顔料を水に分散した顔料分散体を調製する際に、前記共重合体を用いると、共重合体の側鎖の末端にビフェニリル基が存在するため、顔料表面に吸着し易く、顔料との吸着力が高いため、分散性の高い長期間安定な分散体が得られる。
一般式(1)で表されるキナクリドン混合物と一般式(6)で表される構造単位を有する共重合体と併用することによりインク溶媒下で顔料をより安定に分散させることができる。
また、インクジェットプリンタのヘッドノズル部等においてインクが乾燥しインク中の固形分比率が増加した場合、顔料粒子は凝集状態となる。このとき、一般式(6)で表される構造単位を有する共重合体により架橋凝集が起き、顔料の再分散性が低下する場合がある。しかし、立体障害をもつ一般式(1)で表されるキナクリドン混合物と併用することで、一般式(6)で表される構造単位を有する共重合体による顔料間の架橋を防ぐことができる。
顔料の再分散性を向上させることにより、インク乾燥後にもクリーニングで迅速に顔料分散状態に復帰することができ、優れた吐出信頼性を有することができる。
前記一般式(6)で表される構造単位を有する共重合体の重量平均分子量Mwは、好ましくは4000〜80000の範囲であり、より好ましく9000〜60000の範囲であり、更に好ましくは9000〜40000の範囲である。
分子量が4000以上であると共重合体の立体障害により分散安定性が向上する。また、80000以下であると共重合体同士の絡まりが少なくなることにより粘度上昇がおきず、吐出安定性が向上する。
前記共重合体の重量平均分子量は、重合温度や重合開始剤量及び反応時のモノマー濃度により、ある程度制御が可能である。前記重合温度については、高温かつ短時間で重合すると低分子量の共重合体を得やすく、低温で長時間かけて重合すると高分子量の共重合体を得やすい傾向にある。
前記一般式(6)で表される構造単位を有する共重合体は、前記一般式(6)で表される構造単位以外に、少なくとも一種類以上のその他の重合性の親水性モノマーからなる繰り返し単位を有することができる。
また、その他の重合性モノマーからなる繰り返し単位を有することができる。前記その他の重合性モノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合性の疎水性モノマー、重合性界面活性剤などが挙げられる。
前記重合性の親水性モノマー、重合性の疎水性モノマー、重合性界面活性剤としては、前記一般式(5)で表される構造単位を有する共重合体で挙げたものと同じものを同様に用いることができる。
前記共重合体の構造は、NMRやIRなど一般的な分析方法を使用すれば分析可能である。
また、共重合体を構成する構造単位のモル比は、共重合体を合成する際に用いたモノマーのモル比により求めることができる。また、共重合体から、NMRにより求めることができる。
前記一般式(6)で表される構造単位を有する共重合体は、例えば、下記反応式(5)〜(6)に示す反応により得ることができる。
まず前記一般式(6)中、L2が単結合の場合は、下記反応式(5)に示すように、アクリロイルオキシエチルイソシアネート化合物(C−1)とヒドロキシビフェニル化合物(C−2)とを反応させて、モノマー(C−3)を得る。
また、L2がその酸素原子がビフェニルと結合している−(CH2)−O−であり、nは2〜18の整数である場合は、下記反応式(6)に示すようにアクリロイルオキシエチルイソシアネート化合物(C−1)とヒドロキシビフェニル化合物(C−4)とを反応させて、モノマー(C−5)を得る。
その後、ラジカル重合開始剤の存在下でモノマー(C−3)もしくは(C−5)と、少なくとも一種以上のモノマーとを共重合させれば、一般式(6)で表される構造単位を有する共重合体が得られる。
前記ラジカル重合開始剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、シアノ系のアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビス(2,2’−イソバレロニトリル)、非シアノ系のジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、などが挙げられる。これらの中でも、分子量の制御がしやすく分解温度が低い点から、有機過酸化物、アゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物が特に好ましい。
前記ラジカル重合開始剤の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合性モノマーの総量に対して、1〜10質量%が好ましい。
前記ポリマーの分子量を調整するために、連鎖移動剤を適量添加してもよい。
前記連鎖移動剤の例としては、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2−プロパンチオール、2−メルカプトエタノール、チオフェノール、ドデシルメルカプタン、1−ドデカンチオール、チオグリセロール、などが挙げられる。
重合温度は特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜150℃が好ましく、60℃〜100℃がより好ましい。重合時間も特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3〜48時間が好ましい。
インクにおける前記共重合体の含有量は、顔料分散剤として使用する場合は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、顔料100質量部に対して、10〜100質量部が好ましい。含有量がこの範囲であれば高い画像濃度が得られる。また、共重合体の分散剤としての効果を損なわない範囲で、他の分散剤を併用してもよい。
上記の分散剤を水系媒体に溶解させ、次に顔料を加えて充分に湿潤させた後、ホモジナイザーによる高速撹拌、ビーズミルやボールミルのようなボールを用いた混練分散機、ロールミルのような剪断力を用いた混練分散機、超音波分散機等の方法で分散体を作製することができる。ただし、このような分散工程の後には粗大粒子が含まれていることが多く、インクジェットノズルや供給経路の目詰まりの原因となるため、フィルターや遠心分離器を用いて粒径1μm以上の粒子を除去する必要がある。
前記水系媒体の水としては、イオン交換水等が挙げられ、インクにおける水の含有量はインク全体の20〜60質量%が好ましい。
また、本発明のインクは、1種以上の水溶性有機溶剤及び/又は界面活性剤を含有することが好ましい。
−水溶性溶剤−
本発明のインクは水を液媒体として使用するものであるが、インクの乾燥を防止する湿潤剤として、また、分散安定性の向上や、普通紙におけるカール防止の目的で下記の水溶性溶剤が使用される。これら水溶性溶剤は複数混合して使用してもよい。
水溶性溶剤の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプロピリデングリセロール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド等のアミド類;
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;
ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等である。
これら水溶性溶剤の中でも、特に3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、イソプロピリデングリセロール、N,N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミドが好ましい。これらは普通紙におけるカールを防止するために優れた効果を得ることができる。
その他、本発明においては湿潤剤として糖を含有することができる。
糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースなどがあげられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖、酸化糖、アミノ酸、チオ酸などがあげられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどがあげられる。
顔料と湿潤剤の比は、ヘッドからのインク吐出安定性に非常に影響がある。顔料固形分が高いのに湿潤剤の配合量が少ないとノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み吐出不良をもたらす。湿潤剤の配合量はインク全体に対して、10〜70質量%が好ましく、より好ましくは20〜50質量%である。この範囲にあるインクは、乾燥性や保存試験や信頼性試験が非常に良好となる。
−浸透剤−
浸透剤をインクに添加することで、表面張力が低下し、ノズルへのインク充填性が向上し、吐出の安定性が向上することに加え、記録媒体にインク滴が着弾した後の記録媒体中への浸透が速くなるため、フェザリングやカラーブリードを軽減することができる。浸透剤としては界面活性剤や浸透性を有する溶剤などが用いられる。
界面活性剤は、親水基によりアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤に大別され、疎水基によりフッ素系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤等に大別することができる。
アニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオール、グリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、アセチレングリコールなどが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエーテル化合物等が挙げられ、下記構造式(7)で表されるフッ素系界面活性剤を特に有用に用いることができる。
アセチレングリコール系の界面活性剤としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレングリコール系(例えばエアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485あるいはTGなど)をもちいることができるが、特にサーフィノール465、104やTGが良好な印字品質を示す。
浸透性のある溶剤としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどの炭素数8以上のポリオール、あるいはグリコールエーテルを用いることができる。
上記界面活性剤は、単独または二種以上を混合して用いることができる。本発明の好ましい態様によれば、インク全体に対する浸透剤の添加量は0.01質量%から5質量%の比率範囲で使用することが好ましく、より好ましくは0.03質量%から2質量%である。界面活性剤量が少ないと印字後のドットの広がりが悪く、ドット径が小さくなることで、ベタ画像の埋まりが悪くなり、画像濃度や彩度が低下してしまう。界面活性剤量が多すぎると泡立ちやすくなることで、ノズル内の流路を泡が塞ぐことで吐出しなくなるなどの問題が発生してしまう。
本発明の記録用インク組成物には必要に応じて、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤など従来より知られている添加剤を適宜選択し、加えることができる。
−pH調整剤−
pH調整剤を加えてアルカリ性に保つことで分散状態を安定化し、吐出を安定化することができる。また、pH11以上ではインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や、漏洩、吐出不良等の問題が発生してしまう。pH調整剤を加えるのは、顔料を分散剤とともに水に混錬分散する際に加えておくほうが、混錬分散後、湿潤剤、浸透剤等の添加剤とともに加えるよりも望ましい。これは、pH調整剤によっては添加することで分散を破壊する場合もあるためである。
pH調整剤としては、アルコールアミン類、アルカリ金属水酸化物、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩を一種類以上含むものが好ましく、アルコールアミン類として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等がある。アルカリ金属元素の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等がある。アンモニウムの水酸化物としては、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物がある。アルカリ金属の炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
−防腐防黴剤−
防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が本発明に使用できる。
−防錆剤−
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
−酸化防止剤−
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
−紫外線吸収剤−
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
本発明のインクは、例えば、水、前記キナクリドン混合物、顔料、前記分散剤、及び必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、攪拌混合して製造することができる。また、前記分散剤は顔料分散体作製の際の顔料分散剤として用いてもよい。
前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
製造に際しては、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
本発明のインクの物性には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、3〜20mPa・sが好ましい。粘度が3mPa・s以上であると、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。また、20mPa・s以下とすることにより、インクの吐出性を確保できる。
前記粘度は、例えば、粘度計(RE80L、東機産業社製)を用いて、25℃で測定することができる。
(インク収容容器)
本発明のインク収容容器は、本発明のインクを収容するインク収容部を備え、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を有する。
前記容器の形状、構造、大きさ、材質には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルムなどで形成されたインク収容部を少なくとも有するものなどが好適に挙げられる。
本発明のインク収容容器の一例を図1、図2に示す。図1はインク収容容器の概略平面図、図2は図1のインク収容容器のケース(外装)を含めた概略平面図である。
インク収容容器200は、図1に示すように、インク注入口242からインク収容部241内にインクを充填し、排気した後、該インク注入口242を融着により閉じる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給する。インク収容部241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク収容部241は、図2に示すように、通常、プラスチックス製の収容容器ケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
(インクジェット記録装置)
本発明のインクジェット記録装置は、インクをインクジェットヘッドを用いて記録媒体に情報または画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記インクが、本発明のインクである。本発明のインクをインクジェットヘッドから飛翔させて記録媒体に情報または画像を記録するインク飛翔手段を有する。この記録装置は、インクを吐出させるインク飛翔手段を少なくとも有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば刺激発生手段、制御手段等を有する。
前記インク飛翔手段は、本発明のインクに刺激を印加し飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適である。また、前記刺激発生手段としては、例えば過熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト等が挙げられる。具体的には、圧電素子などの圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ、などが挙げられる。
前記インクの飛翔の態様には特に制限はなく、前記刺激の種類等に応じて異なる。
例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子を撓ませ、圧力室の容積を縮小させて、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、実施例でも用いた本発明のインクジェット記録装置、及び該記録装置を用いたインクジェット記録物の製造方法について概要を説明する。
図3は、本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。この記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、装置本体101の前面112の一端部側に、前面112から前方側に突き出し、上カバー111よりも低くなったインク収容容器装填部104とを有する。インク収容容器装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インク収容容器装填部104は、インク収容容器200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内では、図4、図5(図3の記録装置の一部拡大断面図)に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とで、キャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータによって図5に示すように矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を、複数のインク吐出口が主走査方向と交叉するように配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しないインク供給チューブを介して、インク収容容器装填部104に装填された本発明のインク収容容器200からインクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とを備えている。
また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156を備えている。搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材〔例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)〕で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。
なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。
両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト151が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。
記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより記録動作を終了し、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。そして、サブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インク収容容器200から所要量のインクがサブタンク135に補給される。
このインクジェット記録装置において、インク収容容器200中のインクを使い切ったときには、インク収容容器200における筐体を分解して内部のインク収容部だけを交換することができる。また、インク収容容器200は、縦置きで前面装填構成としても安定したインクの供給を行うことができる。したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納したりする場合、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インク収容容器200の交換を容易に行うことができる。
なお、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
本発明のインクジェット記録装置は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
(記録物及び記録物の製造方法)
本発明の記録物は、本発明のインクを用いて記録媒体(記録用メディア)上に情報または画像が記録されたものである。本発明の記録物は、インクにインク飛翔手段を介して刺激を印加し、記録ヘッドから該インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含む方法により製造することができる。
前記記録媒体としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、普通紙、印刷用塗工紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、普通紙及び印刷用塗工紙のいずれかが好ましい。前記普通紙は安価である点で有利である。また、前記印刷用塗工紙は光沢紙に比べて比較的安価でしかも平滑な光沢ある画像を与える点で有利である。しかし、乾燥性が悪く一般にインクジェット用には使用困難であったが、本発明のインクにより乾燥性が向上し使用可能となった。
本発明の記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」は、特に明示しない限り「質量部」及び「質量%」を表す。
(質量分析測定)
装置としてはMALDI-TOFMS Bruker Daltonics社製 autoflex IIIを用い以下の測定条件にて分析をおこなった。
・測定条件
正イオン測定時
Ion Source1 : 19.00 kV
Ion Source2 : 16.65 kV
Lens : 8.20 kV
Reflector1 : 21.00 kV
Reflector2 : 9.70 kV
Laser : Smart beam2(wavelength: 355nm,532 nm,1064 nm,808±5 nm)
Matrix : なし
Detection mode:reflector
Detection ion :Positive
Calibration : CsI3
負イオン測定時
Ion Source1 : 19.00 kV
Ion Source2 : 16.65 kV
Lens : 8.50 kV
Reflector1 : 21.00 kV
Reflector2 : 9.70 kV
Laser : Smart beam2(wavelength: 355nm,532 nm,1064 nm,808±5 nm)
Matrix : なし
Detection mode:reflector
Detection ion :Negative
Calibration : CsI3
(共重合体の重量平均分子量)
カラム恒温槽には島津製作所製CTO−20A、検出器には島津製作所製RID−10A、溶離液流路ポンプには島津製作所製LC−20AD、デガッサには島津製作所製DGU−20A、オートサンプラーには島津製作所製SIL−20Aを用いてGPC法によって測定した。カラムは東ソー株式会社製の水系SECカラムTSKgelG3000PWXL(排除限界分子量2×105)とTSKgelG5000PWXL(排除限界分子量2.5×106)とTSKgelG6000PWXL(排除限界分子量5×107)を接続したものを用いた。サンプルは溶離液で2g/100mLの濃度に調製し、測定に用いた。溶離液には酢酸、及び酢酸ナトリウムを各々0.5モル/リットルに調整した水溶液を使用した。カラム温度は40℃、流速は1.0mL/分で実施した。
標準サンプルとして分子量1,065、5,050、24,000、50,000、107,000、140,000、250,000、540,000、920,000の9種のポリエチレングリコールを用いて較正曲線を求め、その較正曲線を基に、共重合体の重量平均分子量を求めた。
[実施例1:キナクリドン混合物(Sy−1)の合成]
氷水浴にて冷却した200mL四ツ口フラスコに、クロロスルホン酸50部を仕込み、C.I.Pigment Red 122(クラリアント社製ホスタパームピンクE)5部を10〜15℃の温度にて5分間かけ少しずつ添加した。さらに80℃で3時間攪拌を行い、室温にもどした後、反応溶液を氷水600部中に攪拌しながら加えてスルホン化物を析出させた。次いで、濾別して、0.1%塩酸300部で洗浄し、更にイオン交換水300部で洗浄し、赤色の中間物ウエットケーキを得た。このウエットケーキに水150mLを加え撹拌しながら氷水浴で4℃に冷却した。これにジエチルアミン10.75gを5分間かけ滴下し、さらに70℃の温度で3時間撹拌した。室温まで冷却した後、撹拌しながら濃塩酸15.6gを加え、析出している赤色沈殿物を濾取した。このウエットケーキをイオン交換水にて撹拌ろ過洗浄をおこない、60℃にて加熱減圧乾燥2日間することにより、えび茶色粉末のキナクリドン混合物(Sy−1)2.67gを得た。
このものの赤外線吸収スペクトル図(KBr錠剤法)を図6にしめす。
また、得られたキナクリドン混合物の質量分析をおこなったところ正イオン測定時に[M+H]+が556.1に、負イオン測定時に[M−H]-が554.1に分子イオンピークが観測されたことから置換位置は特定できないが、前記一般式(1)においてm=1かつn=1である以下の式で表されるキナクリドン化合物が混在していることが確認された。また正イオン測定で611.2に[M+H]+の分子イオンピークがみられたことから、前記一般式(1)においてm=2かつn=0である以下の式で表されるキナクリドン化合物も混在していることがわかった。
この質量分析チャートを図7に示す。
以下の実施例2〜9、比較例1〜2に示す調製処方により顔料分散体、およびインクを調製し、以下に記した方法により顔料分散体の保存安定性、インクの保存安定性、ならびに吐出安定性を評価した。評価結果を表3に記した。
<顔料分散体の保存安定性>
各顔料分散体をガラス容器に充填して70℃で2週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を下記式から求め、下記の基準で評価した。
粘度の測定には、粘度計(RE80L、東機産業社製)を使用し、25℃における粘度を、50回転で測定した。
〔評価基準〕
A:粘度の変化率が±3%以内
B:粘度の変化率が±3%を超え、±5%以内
C:粘度の変化率が±5%を超え、±8%以内
D:粘度の変化率が±8%を超え、±10%以内
E:粘度の変化率が±10%を超え、±30%以内
F:粘度の変化率が±30%を超える(ゲル化して評価不能)
<インクの保存安定性>
各インクをインクカートリッジに充填して70℃で1週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を下記式から求め、下記の基準で評価した。
粘度の測定には、粘度計(RE80L、東機産業社製)を使用し、25℃における粘度を、50回転で測定した。
<吐出信頼性>
各インクを、インクジェットプリンタ(IPSiO GX−e5500(リコー製))に充填してセットし、10分間連続印字を行ない、ヘッド面にインクが付着した状態で保湿キャップをしてプリンタを50℃60%RH環境下で1ヶ月間放置した後、クリーニングを実施して放置前と同等に復帰させた。この後、以下の条件で間欠印写試験を行ない吐出安定性を評価した。
即ち、印刷パターンチャートを20枚連続で印字した後、20分間印字を実施しない休止状態にし、これを50回繰り返し、累計で1000枚印写した後、もう1枚同じチャートを印写した時の5%チャートベタ部の筋、白抜け、噴射乱れの有無を目視により下記の基準で評価した。なお、印刷パターンは、紙面全面積中、各色の印字面積が5%であるチャートにおいて、各インクを100%dutyで印字した。印字条件は、記録密度600×300dpi、ワンパス印字とした。
ランクA、Bが許容範囲である。
[評価基準]
A:ベタ部にスジ、白抜け、噴射乱れが無い
B:ベタ部にスジ、白抜け、噴射乱れが若干認められる
C:ベタ部にスジ、白抜け、噴射乱れが認められる
D:ベタ部全域にわたってスジ、白抜け、噴射乱れが認められる
[実施例2]
<分散体1>
構造式(3)−1で表される分散剤6部をイオン交換水44部に溶解させ、実施例1で製造したキナクリドン混合物(Sy−1)1.0部とキナクリドン系顔料(C.I.Pigment Red 122 クラリアント社製ホスタパームピンクE)14.0部及びイオン交換水35.0部を加えて超音波ホモジナイザーにより10分間プレ分散を行った後で、0.03mmのジルコニアビーズを用いたウルトラアスペックミルUAM015型(寿工業(株)製)に投入して2時間分散処理を行った。得られた分散体を1μmフィルターでろ過することで顔料濃度15質量%の分散体1を得た。
<インク処方>
分散体1 40.0質量部
グリセリン 20.0質量部
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン 10.0質量部
N,N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミド 10.0質量部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0質量部
前記構造式(7)で表される界面活性剤 0.05質量部
2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール 0.5質量部
プロキセルLV 0.1質量部
(アーチ・ケミカルズ・ジャパン製、防腐防黴剤)
イオン交換水 17.35質量部
分散体1以外の上記材料をイオン交換水に溶解してビヒクルを作製した後、分散体1と混合し、1μmのフィルターでろ過してインク1を得た。
[実施例3]
<分散体2>
分散剤を構造式(2)−1で表される分散剤に代えた以外は実施例2の分散体の調製と同様に操作して分散体2を得た。
<インク処方>
分散体2 40.0質量部
グリセリン 20.0質量部
1,3−ブタンジオール 5.0質量部
イソプロピリデングリセロール 10.0質量部
N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド 5.0質量部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0質量部
前記構造式(7)で表される界面活性剤 0.05質量部
2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール 0.5質量部
プロキセルLV 0.1質量部
(アーチ・ケミカルズ・ジャパン製、防腐防黴剤)
イオン交換水 17.35質量部
分散体2以外の上記材料をイオン交換水に溶解してビヒクルを作製した後、分散体2と混合し、1μmのフィルターでろ過してインク2を得た。
[実施例4]
<分散体3>
分散剤をEFKA−4520(変性ポリウレタン樹脂、分子量16000、エフカ・アディティブ・ジャパン(株)製)にかえた以外は、実施例2の分散体の調製と同様に操作して分散体3を得た。
<インク処方>
分散体3 40.0質量部
グリセリン 20.0質量部
エチレングリコールモノブチルエーテル 10.0質量部
イソプロピリデングリセロール 5.0質量部
N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド 5.0質量部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0質量部
前記構造式(7)で表される界面活性剤 0.05質量部
2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール 0.5質量部
プロキセルLV 0.1質量部
(アーチ・ケミカルズ・ジャパン製、防腐防黴剤)
イオン交換水 17.35質量部
分散体3以外の上記材料をイオン交換水に溶解してビヒクルを作製した後、分散体3と混合し、1μmのフィルターでろ過してインク3を得た。
[実施例5]
<分散体4>
分散剤を下記構造式(8)で表される分散剤に代えた以外は実施例2の分散体の調製と同様に操作して顔料分散体4を得た。
<インク処方>
分散体4 40.0質量部
グリセリン 20.0質量部
1,3−ブタンジオール 20.0質量部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0質量部
エマルゲンLS−106 1.0質量部
(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、花王(株)製)
2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール 0.5質量部
プロキセルLV 0.1質量部
(アーチ・ケミカルズ・ジャパン製、防腐防黴剤)
イオン交換水 16.4質量部
分散体4以外の上記材料をイオン交換水に溶解してビヒクルを作製した後、分散体4と混合し、1μmのフィルターでろ過してインク4を得た。
[実施例6]
キナクリドン混合物(Sy−1)を1.5部にキナクリドン系顔料(C.I.Pigment Red 122 クラリアント社製ホスタパームピンクE)を13.5部に代えた以外は実施例5と同様に操作して分散体5とインク5を得た。
[実施例7]
キナクリドン混合物(Sy−1)とキナクリドン系顔料(C.I.Pigment Red 122 クラリアント社製ホスタパームピンクE)をそれぞれ7.5部に代えた以外は実施例5と同様に操作して分散体6とインク6を得た。
[実施例8]
キナクリドン系顔料をC.I.Pigment Red 122(クラリアント社製ホスタパームピンクEB)からC.I.Pigment Violet 19(クラリアント社製PV ファーストレッドE5B)に代えた以外は実施例5と同様に操作して分散体7とインク7を得た。
[実施例9]
キナクリドン混合物(Sy−1)を15.0部とし、かつキナクリドン系顔料(C.I.Pigment Red 122 クラリアント社製ホスタパームピンクE)と分散剤を加えなかった以外は実施例5と同様に操作して分散体8とインク8を得た。
[比較例1]
<比較化合物キナクリドン化合物Sy−2の製造>
特開2007−63407号公報の合成例1の方法に従い以下の構造式で示されるモノスルホン化されたキナクリドン化合物(Sy−2)を得た。このものの赤外線吸収スペクトル図(KBr錠剤法)を図8にしめす。
実施例5の顔料分散体4の調製におけるキナクリドン混合物Sy−1の代わりに上記Sy−2を用いた以外は実施例5と同様にして、比較顔料分散体1と比較インク1を得た。
[比較例2]
実施例5の顔料分散体の調製においてキナクリドン混合物(Sy−1)を加えず、かつキナクリドン系顔料を15部とした以外は同様に操作して、比較顔料分散体2と比較インク2を得た。
実施例2〜9の本発明の一般式(1)においてm=1かつn=1の場合のキナクリドン化合物と、m=1かつn=1の場合以外のキナクリドン化合物とを含有するキナクリドン混合物を用いて作製した顔料分散体、およびインクは、比較例1〜2に比べ保存安定性、吐出安定性に優れていることがわかる。
[製造例1:共重合体CP1−1の合成]
62.0g(525mmol)の1,6−ヘキサンジオール(東京化成社製)を700mLの塩化メチレンに溶解し、20.7g(262mmol)のピリジンを加えた。
この溶液に、50.0g(262mmol)の2−ナフタレンカルボニルクロリド(東京化成社製)を100mLの塩化メチレンに溶解した溶液を、2時間かけて攪拌しながら滴下した後、室温で6時間攪拌した。得られた反応溶液を水洗した後、有機相を単離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物を、溶離液として塩化メチレン/メタノール(体積比98/2)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、52.5gの2−ナフトエ酸−2−ヒドロキシエチルエステルを得た。
次に、42.1g(155mmol)の2−ナフトエ酸−2−ヒドロキシエチルエステルを80mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解し、60℃まで加熱した。この溶液に、24.0g(155mmol)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズMOI)を20mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解した溶液を、1時間かけて攪拌しながら滴下した後、70℃で12時間攪拌した。室温まで冷却した後、溶媒を留去した。残留物を、溶離液として塩化メチレン/メタノール(体積比99/1)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、57.0gの下構造式(5−1)で表される構造を有するモノマーM5−1を得た。
次いで、2.60g(36mmol)のアクリル酸(東京化成社製)、及び15.42g(36mmol)のモノマーM5−1を90mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解してモノマー溶液を調製した。モノマー溶液の10%をアルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.592(3.6mmol)の2,2’−アゾイソ(ブチロニトリル)(東京化成社製)を溶解した溶液を1.5時間かけて5滴下し、75℃で6時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。上澄み液を捨て、析出した共重合体を得た。得られた共重合体をテトラヒドロフランに溶解させ、エバポレーションを行った後、減圧乾燥して、18.00gの共重合体(重量平均分子量Mw:25000、数平均分子量Mn:10000)を得た。
次いで、得られた共重合体を、共重合体の濃度が20%かつpHが8.0となるようにテトラエチルアンモニウムヒドロキシド溶液に溶解して共重合体CP1−1の水溶液を調製した。
[製造例2:共重合体CP1−2の合成]
ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n≒4.5)(日油社製)、及び製造例1で合成したモノマーM5−1を用いて、製造例1と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:23000、数平均分子量Mn:9200)を得た。次に、得られた共重合体を、共重合体の濃度が20%となるようにイオン交換水に溶解して共重合体CP1−2の水溶液を調製した。
[製造例3:共重合体CP1−3の合成]
ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(東京化成社製)、及び製造例1で合成したモノマーM5−1を用いて、製造例1と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:20000、数平均分子量Mn:8000)を得た。次に、得られた共重合体を、共重合体の濃度が20%かつpH8.0となるように塩酸溶液に溶解して共重合体CP1−3の水溶液を調製した。
[製造例4:共重合体CP1−4の合成]
1,6−ヘキサンジオールに代えて、エチレングリコール(東京化成社製)を用いた点以外は、製造例1と同様にして下記構造式(5−2)で表される構造を有するモノマーM5−2を得た。
次に、アクリル酸及び得られたモノマーM5−2を用いて、製造例1と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:24000、数平均分子量Mn:9600)を得た。製造例1と同様にして共重合体CP1−4の水溶液を調製した。
[製造例5:共重合体CP1−5の合成]
1,6−ヘキサンジオールに代えて、1,12−ドデカンジオール(東京化成社製)を用いた点以外は、製造例1と同様にして下記構造式(5−3)で表される構造を有するモノマーM5−3を得た。
次に、アクリル酸及び得られたモノマーM5−3を用いて、製造例1と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:26000、数平均分子量Mn:10400)を得た。製造例1と同様にして共重合体CP1−5の水溶液を調製した。
[製造例6:共重合体CP1−6の合成]
1,6−ヘキサンジオールに代えて、1,16−ヘキサデカンジオール(東京化成社製)を用いた点以外は、製造例1と同様にして下記構造式(5−4)で表される構造を有するモノマーM5−4を得た。
次に、アクリル酸及び得られたモノマーM5−4を用いて、製造例1と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:28000、数平均分子量Mn:11200)を得た。製造例1と同様にして共重合体CP1−6の水溶液を調製した。
[製造例7:共重合体CP1−7の合成]
アクリル酸、及び製造例1で合成したモノマーM5−1を450mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解させた以外は製造例1と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:7000、数平均分子量Mn:3000)を得た。製造例1と同様にして、共重合体CP1−7の水溶液を調製した。
[製造例8:共重合体CP1−8の合成]
アクリル酸、及び製造例1で合成したモノマーM5−1を225mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解させた以外は製造例1と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:14000、数平均分子量Mn:5600)を得た。製造例1と同様にして、共重合体CP1−8の水溶液を調製した。
[製造例9:共重合体CP1−9の合成]
アクリル酸、及び製造例1で合成したモノマーM5−1を60mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解させた以外は製造例1と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:40000、数平均分子量Mn:16000)を得た。製造例1と同様にして、共重合体CP1−9の水溶液を調製した。
[製造例10:共重合体CP1−10の合成]
アクリル酸、及び製造例1で合成したモノマーM5−1を45mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解させた以外は製造例1と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:60000、数平均分子量Mn:24000)を得た。製造例1と同様にして、共重合体CP1−10の水溶液を調製した。
[製造例11:共重合体CP1−11の合成]
アクリル酸及び製造例1で合成したモノマーM5−1を表4に示す割合に変更した以外は製造例1と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:24000、数平均分子量Mn:9600)を得た。製造例1と同様にして、共重合体CP1−11の水溶液を調製した。
[製造例12:共重合体CP1−12の合成]
アクリル酸及び製造例1で合成したモノマーM5−1を表4に示す割合に変更した以外は製造例1と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:27000、数平均分子量Mn:10800)を得た。製造例1と同様にして、共重合体CP1−12の水溶液を調製した。
[製造例13:共重合体CP1−13の合成]
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートに代えて、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートを用いた点以外は、製造例1と同様にして下記構造式(5−5)で表される構造を有するモノマーM5−5を得た。
次に、アクリル酸及び得られたモノマーM5−5を用いて、製造例1と同様にして共重合体CP1−13(重量平均分子量Mw:24000、数平均分子量Mn:9600)を得て、製造例1と同様にして共重合体CP1−13の水溶液を調製した。
以下の実施例10〜28、比較例3〜4に示す処方により顔料分散体、およびインクを調製し、実施例2と同様な方法により顔料分散体の保存安定性、インクの保存安定性、ならびに吐出安定性を評価した。評価結果を表5に記した。
[実施例10;インクGJ1−1の調製]
(顔料分散体PD1−1の調製)
実施例1で製造した1.0部のキナクリドン混合物(Sy−1)と、製造例1で調整した25.0部の共重合体CP1−1水溶液と、20.0部のマゼンダ顔料(C.I.Pigment Red 122 クラリアント社製ホスタパームピンクE)とにイオン交換水29.0部を加えて12時間攪拌した。得られた混合物をディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)を用いて、周速10m/sで1時間循環分散した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のイオン交換水を加えて、顔料分散体PD1−1(顔料固形分濃度:20%)を得た。
(インクの作製)
30.0部の顔料分散体PD1−1、10.0部の1,3−ブタンジオール、10.0部のグリセリン、10.0部の3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、1.0部のゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤、固形分40質量%)、及び39.0部のイオン交換水を混合し、1時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明のインクGJ1−1を得た。
[実施例11;インクGJ1−2の調製]
実施例10の顔料分散体の調製における共重合体CP1−1の水溶液の代わりに、共重合体CP1−2の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD1−2を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−2を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ1−2を得た。
[実施例12;インクGJ1−3調製]
実施例10の顔料分散体の調製における共重合体CP1−1の水溶液の代わりに、共重合体CP1−3の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD1−3を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−3を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インクGJ1−3を得た。
[実施例13;インクGJ1−4の調製]
実施例10の顔料分散体の調製における共重合体CP1−1の水溶液の代わりに、共重合体CP1−4の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD1−4を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−4を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ1−4を得た。
[実施例14;インクGJ1−5の調製]
実施例10の顔料分散体の調製における共重合体CP1−1の水溶液の代わりに、共重合体CP1-5の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD1−5を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−5を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ1−5を得た。
[実施例15;インクGJ1−6の調製]
実施例10の顔料分散体の調製における共重合体CP1−1の水溶液の代わりに、共重合体CP1−6の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD1−6を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−6を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ1−6を得た。
[実施例16;インクGJ1−7の調製]
実施例10の顔料分散体の調製における共重合体CP1−1の水溶液の代わりに、共重合体CP1−7の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD1−7を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−7を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ1−7を得た。
[実施例17;インクGJ1−8の調製]
実施例10の顔料分散体の調製における共重合体CP1−1の水溶液の代わりに、共重合体CP1−8の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD1−8を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−8を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インクGJ1−8を得た。
[実施例18;インクGJ1−9の調製]
実施例10の顔料分散体の調製における共重合体CP1−1の水溶液の代わりに、共重合体CP1−9の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD1−9を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−9を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ1−9を得た。
[実施例19;インクGJ1−10の調製]
実施例10の顔料分散体の調製における共重合体CP1−1の水溶液の代わりに、共重合体CP1−10の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD1−10を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−10を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ1−10を得た。
[実施例20;インクGJ1−11の調製]
実施例10の顔料分散体の調製における共重合体CP1−1の水溶液の代わりに、共重合体CP1−11の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD1−11を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−11を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ1−11を得た。
[実施例21;インクGJ1−12の調製]
実施例10の顔料分散体の調製における共重合体CP1−1の水溶液の代わりに、共重合体CP1−12の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD1−12を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−12を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ1−12を得た。
[実施例22;インクGJ1−13の調製]
実施例10の顔料分散体の調製における共重合体CP1−1の水溶液の代わりに、共重合体CP1−13の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD1−13を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−13を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ1−13を得た。
[実施例23;インクGJ1−14の調製]
実施例10の顔料分散体の調製における共重合体水溶液を12.5部に変更した以外は同様にして、顔料分散体PD1−14を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−14を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ1−14を得た。
[実施例24;インクGJ1−15の調製]
実施例10の顔料分散体の調製における共重合体水溶液を15.0部に変更した以外は同様にして、顔料分散体PD1−15を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−15を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ1−15を得た。
[実施例25;インクGJ1−16の調製]
実施例10の顔料分散体の調製における共重合体水溶液を45.0部に変更した以外は同様にして、顔料分散体PD1−16を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−16を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ1−16を得た。
[実施例26;インクGJ1−17の調製]
実施例10の顔料分散体の調製における共重合体水溶液を50.0部に変更した以外は同様にして、顔料分散体PD1−17を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−17を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ1−17を得た。
[実施例27;インクGJ1−18の調製]
実施例10の顔料分散体の調製におけるキナクリドン混合物(Sy−1)を1.5部に変更した以外は同様にして、顔料分散体PD1−18を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−18を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ1−18を得た。
[実施例28;インクGJ1−19の調製]
実施例10の顔料分散体の調製におけるキナクリドン混合物(Sy−1)を2.0部に変更した以外は同様にして、顔料分散体PD1−19を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体PD1−19を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ1−19を得た。
[比較例3;比較インクRGJ1−1の調製]
実施例10の顔料分散体の調製におけるキナクリドン混合物(Sy−1の)代わりに比較例1で製造した(Sy−2)を用いた以外は同様にして、顔料分散体RPD1−1を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体RPD1−1を用いた点以外は同様にして、本発明の比較インクRGJ1−1を得た。
[比較例4;比較インクRGJ1−2の調製]
実施例10の顔料分散体の調製においてキナクリドン混合物(Sy−1)を加えなかった以外は同様にして、顔料分散体RPD1−2を得た。
次に、実施例10のインクの作製における顔料分散体PD1−1の代わりに、顔料分散体RPD1−2を用いた点以外は同様にして、本発明の比較インクRGJ1−2を得た。
実施例10〜28の本発明の一般式(1)で表されるキナクリドン混合物と、一般式(5)で表される構造単位を有する共重合体を用いて作製した顔料分散体、およびインクは、比較例3〜4に比べ保存安定性、吐出安定性に優れていることがわかる。
[製造例14:共重合体CP2−1の合成]
2−フェニルフェノール(東京化成社製)40.0g(235mmol)、6−ブロモ−1−ヘキサノール(東京化成社製)51.06g(282mmol)を600mLのメチルエチルケトンに溶解した。この溶液に炭酸カルシウム97.4gを加え、8時間加熱還流した。室温まで冷却した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた薄茶色液体を塩化メチレンに溶解し、有機層を分液ロートにて水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られる残渣を溶離液として塩化メチレンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、6−(2−フェニルフェノキシ)ヘキサン−1−オール105.3gを得た。
次に、6−(2−フェニルフェノキシ)ヘキサン−1−オール14.10g(52mmol)を50mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解させ、40℃まで加熱撹拌した。この溶液に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズMOI)8.09g(52mmol)を30分間かけて滴下した後、70℃で12時間攪拌した。室温まで冷却し、溶媒を留去した残留物を、溶離液として塩化メチレン/メタノール(体積比98/2)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し18.88gの下構造式(6−1)で表される構造を有するモノマーM6−1を得た。
次いで、2.60g(36mmol)のアクリル酸(東京化成社製)、及び15.36g(36mmol)のモノマーM6−1を65mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解してモノマー溶液を調製した。モノマー溶液の10%をアルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.592(3.6mmol)の2,2’−アゾイソ(ブチロニトリル)(東京化成社製)を溶解した溶液を1.5時間かけて滴下し、75℃で6時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。上澄み液を捨て、析出した共重合体を得た。得られた共重合体をテトラヒドロフランに溶解させ、エバポレーションを行った後、減圧乾燥して、17.56gの共重合体(重量平均分子量Mw:24000、数平均分子量Mn:9900)を得た。
次いで、得られた共重合体を、共重合体の濃度が20%かつpHが8.0となるようにテトラエチルアンモニウムヒドロキシド溶液に溶解して共重合体CP2−1の水溶液を調製した。
[製造例15:共重合体CP2−2の合成]
ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n≒4.5)(日油社製)、及び製造例14で合成したモノマーM6−1を用いて、表6に記載の比率とした以外は製造例14と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:22000、数平均分子量Mn:9100)を得た。次に、得られた共重合体を、共重合体の濃度が20%となるようにイオン交換水に溶解して共重合体CP2−2の水溶液を調製した。
[製造例16:共重合体CP2−3の合成]
ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(東京化成社製)、及び製造例14で合成したモノマーM6−1を用いた以外は、製造例14と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:19000、数平均分子量Mn:8000)を得た。次に、得られた共重合体を、共重合体の濃度が20%かつpH8.0となるように塩酸溶液に溶解して共重合体CP2−3の水溶液を調製した。
[製造例17:共重合体CP2−4の合成]
4−フェニルフェノール12.00g(86mmol)を乾燥メチルエチルケトン50mLに溶解し、40℃まで加熱撹拌した。この撹拌溶液に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズMOI)12.68g(74mmol)を、30分間かけて滴下した後、70℃で12時間攪拌した。次いで室温まで冷却した後、溶媒を留去した。残渣を溶離液として塩化メチレン/メタノール(体積比98/2)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して下記構造式(6−2)で表される構造を有するモノマーM6−2を20.6g得た。
次に、アクリル酸及び得られたモノマーM6−2を用いた以外は、製造例14と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:23000、数平均分子量Mn:8900)を得た。製造例14と同様にして共重合体CP2−4の水溶液を調製した。
[製造例18:共重合体CP2−5の合成]
6−ブロモ−1−ヘキサノールに代えて、2−ブロモエタノール(東京化成社製)を用いた点以外は、製造例14と同様にして下構造式(6−3)で表される構造を有するモノマーM6−3を得た。
次に、アクリル酸及び得られたモノマーM6−3を用いた以外は、製造例14と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:23500、数平均分子量Mn:9400)を得た。製造例14と同様にして共重合体CP2−5の水溶液を調製した。
[製造例19:共重合体CP2−6の合成]
6−ブロモ−1−ヘキサノールに代えて、16−ブロモ−1−ヘキサデカノール(Astatech,Inc社製)を用いた点以外は、製造例14と同様にして下構造式(6−4)で表される構造を有するモノマーM6−4を得た。
次に、アクリル酸及び得られたモノマーM6−4を用いた以外は、製造例14と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:25500、数平均分子量Mn:10700)を得た。製造例14と同様にして共重合体CP6−6の水溶液を調製した。
[製造例20:共重合体CP2−7の合成]
アクリル酸、及び製造例14で合成したモノマーM6−1を325mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解させた以外は製造例14と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:9000、数平均分子量Mn:3900)を得た。製造例14と同様にして、共重合体CP2−7の水溶液を調製した。
[製造例21:共重合体CP2−8の合成]
アクリル酸、及び製造例14で合成したモノマーM6−1を160mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解させた以外は製造例14と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:13000、数平均分子量Mn:5500)を得た。製造例14と同様にして、共重合体CP2−8の水溶液を調製した。
[製造例22:共重合体CP2−9の合成]
アクリル酸、及び製造例14で合成したモノマーM6−1を45mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解させた以外は製造例14と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:40000、数平均分子量Mn:15900)を得た。製造例14と同様にして、共重合体CP2−9の水溶液を調製した。
[製造例23:共重合体CP2−10の合成]
アクリル酸、及び製造例14で合成したモノマーM6−1を35mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解させた以外は製造例14と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:60000、数平均分子量Mn:23900)を得た。製造例14と同様にして、共重合体CP2−10の水溶液を調製した。
[製造例24:共重合体CP2−11の合成]
アクリル酸及び製造例14で合成したモノマーM6−1を表6に示す割合に変更した以外は製造例14と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:26000、数平均分子量Mn:10700)を得た。製造例14と同様にして、共重合体CP2−11の水溶液を調製した。
[製造例25:共重合体CP2−12の合成]
アクリル酸及び製造例14で合成したモノマーM6−1を表6に示す割合に変更した以外は製造例14と同様にして共重合体(重量平均分子量Mw:27000、数平均分子量Mn:10800)を得た。製造例14と同様にして、共重合体CP2−12の水溶液を調製した。
[製造例26:共重合体CP2−13の合成]
6−(2−フェニルフェノキシ)ヘキサン−1−オール24.51g(90mmol)を60mLの乾燥塩化メチレンに溶解し40℃まで加熱撹拌した。この溶液に2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズAOI)14.61g(104mmol)を、30分間かけて滴下した後、40℃で12時間攪拌した。次いで室温まで冷却し、溶媒を留去した。残渣を溶離液として塩化メチレン/メタノール(体積比98/2)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し下記構造式(6−5)で表される構造を有するモノマーM6−5を31.28g得た。
次に、アクリル酸及び得られたモノマーM6−5を用いた以外は、製造例14と同様にして共重合体CP2−13(重量平均分子量Mw:23000、数平均分子量Mn:9500)を得て、製造例14と同様にして共重合体CP2−13の水溶液を調製した。
以下の実施例29〜47、比較例5〜6に示す処方により顔料分散体、およびインクを調製し、実施例2と同様な方法により顔料分散体の保存安定性、インクの保存安定性、ならびに吐出安定性を評価した。評価結果を表7に記した。
[実施例29;インクGJ2−1の調製]
(顔料分散体PD2−1の調製)
実施例1で製造した1.0部のキナクリドン混合物(Sy−1)と、製造例14で調整した25.0部の共重合体CP2−1水溶液と、20.0部のマゼンダ顔料(C.I.Pigment Red 122 クラリアント社製ホスタパームピンクE)とにイオン交換水29.0部を加えて12時間攪拌した。得られた混合物をディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)を用いて、周速10m/sで1時間循環分散した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のイオン交換水を加えて、顔料分散体PD2−1(顔料固形分濃度:20%)を得た。
(インクの作製)
30.0部の顔料分散体PD2−1、10.0部の1,3−ブタンジオール、10.0部のグリセリン、10.0部の3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、1.0部のゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤、固形分40質量%)、及び39.0部のイオン交換水を混合し、1時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明のインクGJ2−1を得た。
[実施例30;インクGJ2−2の調製]
実施例29の顔料分散体の調製における共重合体CP2−1の水溶液の代わりに、共重合体CP2−2の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD2−2を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−2を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ2−2を得た。
[実施例31;インクGJ2−3調製]
実施例29の顔料分散体の調製における共重合体CP2−1の水溶液の代わりに、共重合体CP2−3の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD2−3を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−3を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インクGJ2−3を得た。
[実施例32;インクGJ2−4の調製]
実施例29の顔料分散体の調製における共重合体CP2−1の水溶液の代わりに、共重合体CP2−4の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD2−4を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−4を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ2−4を得た。
[実施例33;インクGJ2−5の調製]
実施例29の顔料分散体の調製における共重合体CP2−1の水溶液の代わりに、共重合体CP2−5の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD2−5を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−5を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ2−5を得た。
[実施例34;インクGJ2−6の調製]
実施例29の顔料分散体の調製における共重合体CP2−1の水溶液の代わりに、共重合体CP2−6の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD2−6を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−6を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ2−6を得た。
[実施例35;インクGJ2−7の調製]
実施例29の顔料分散体の調製における共重合体CP2−1の水溶液の代わりに、共重合体CP2−7の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD2−7を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−7を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ2−7を得た。
[実施例36;インクGJ2−8の調製]
実施例29の顔料分散体の調製における共重合体CP2−1の水溶液の代わりに、共重合体CP2−8の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD2−8を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−8を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インクGJ2−8を得た。
[実施例37;インクGJ2−9の調製]
実施例29の顔料分散体の調製における共重合体CP2−1の水溶液の代わりに、共重合体CP2−9の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD2−9を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−9を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ2−9を得た。
[実施例38;インクGJ2−10の調製]
実施例29の顔料分散体の調製における共重合体CP2−1の水溶液の代わりに、共重合体CP2−10の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD2−10を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−10を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ2−10を得た。
[実施例39;インクGJ2−11の調製]
実施例29の顔料分散体の調製における共重合体CP2−1の水溶液の代わりに、共重合体CP2−11の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD2−11を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−11を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ2−11を得た。
[実施例40;インクGJ2−12の調製]
実施例29の顔料分散体の調製における共重合体CP2−1の水溶液の代わりに、共重合体CP2−12の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD2−12を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−12を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ2−12を得た。
[実施例41;インクGJ2−13の調製]
実施例29の顔料分散体の調製における共重合体CP2−1の水溶液の代わりに、共重合体CP2−13の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体PD2−13を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−13を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ2−13を得た。
[実施例42;インクGJ2−14の調製]
実施例29の顔料分散体の調製における共重合体水溶液を12.5部に変更した以外は同様にして、顔料分散体PD2−14を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−14を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ2−14を得た。
[実施例43;インクGJ2−15の調製]
実施例29の顔料分散体の調製における共重合体水溶液を15.0部に変更した以外は同様にして、顔料分散体PD2−15を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−15を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ2−15を得た。
[実施例44;インクGJ2−16の調製]
実施例29の顔料分散体の調製における共重合体水溶液を45.0部に変更した以外は同様にして、顔料分散体PD2−16を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−16を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ2−16を得た。
[実施例45;インクGJ2−17の調製]
実施例29の顔料分散体の調製における共重合体水溶液を50.0部に変更した以外は同様にして、顔料分散体PD2−17を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−17を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ2−17を得た。
[実施例46;インクGJ2−18の調製]
実施例29の顔料分散体の調製におけるキナクリドン混合物(Sy−1)を1.5部に変更した以外は同様にして、顔料分散体PD2−18を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−18を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ2−18を得た。
[実施例47;インクGJ2−19の調製]
実施例29の顔料分散体の調製におけるキナクリドン混合物(Sy−1)を2.0部に変更した以外は同様にして、顔料分散体PD2−19を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体PD2−19を用いた点以外は同様にして、本発明のインクGJ2−19を得た。
[比較例5;比較インクRGJ2−1の調製]
実施例29の顔料分散体の調製におけるキナクリドン混合物(Sy−1の)代わりに比較例1で製造した(Sy−2)を用いた以外は同様にして、顔料分散体RPD2−1を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体RPD2−1を用いた点以外は同様にして、本発明の比較インクRGJ2−1を得た。
[比較例6;比較インクRGJ2−2の調製]
実施例29の顔料分散体の調製においてキナクリドン混合物(Sy−1)を加えなかった以外は同様にして、顔料分散体RPD2−2を得た。
次に、実施例29のインクの作製における顔料分散体PD2−1の代わりに、顔料分散体RPD2−2を用いた点以外は同様にして、本発明の比較インクRGJ2−2を得た。
実施例29〜47の本発明の一般式(1)で表されるキナクリドン混合物と一般式(6)で表される構造単位を有する共重合体を用いて作製した顔料分散体、およびインクは、比較例5〜6に比べ保存安定性、吐出安定性に優れていることがわかる。
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 装置本体の前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インク収容容器
241 インク収容部
242 インク注入口
243 インク排出口
244 収容容器ケース
特許第5512240号公報 特許第4320991号公報 特許第5666956号公報 特開2007−63407号公報

Claims (18)

  1. 下記一般式(1)において、m=1かつn=1の場合のキナクリドン化合物と、m=1かつn=1の場合以外のキナクリドン化合物とを含有することを特徴とするキナクリドン混合物。
    (式中、R1,R2,R3およびR4は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R5およびR6は炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。m、nは0〜2の整数を表す。)
  2. 前記キナクリドン混合物が、質量分析において、556.1±0.1の正の分子イオンピークを有し、かつ554.1±0.1の負イオン分子ピークを有することを特徴とする請求項1に記載のキナクリドン混合物。
  3. 請求項1又は2に記載のキナクリドン混合物を含むことを特徴とするインク。
  4. 更に、顔料、分散剤を含むことを特徴とする請求項3に記載のインク。
  5. 前記顔料が、キナクリドン系顔料であることを特徴とする請求項4に記載のインク。
  6. 前記分散剤が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項4又は5に記載のインク。
    (式中、A1は炭素数8〜12の分枝してもよいアルキル基、β−ナフチル基、スチレン化フェノール基、及びジスチレン化フェノール基からなる群より選択される基を表し、B1はCOOM1、SO31、及びPO31 2からなる群より選択される基を表し、M1はNa、K、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、及びエタノールアミンからなる群より選択される基を表す。)
  7. 前記分散剤が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項4又は5に記載のインク。
    (式中、p、q、及びrはそれぞれ5〜50の自然数を表し、B1はCOOM1、SO31、及びPO31 2からなる群より選択される基を表し、M1はNa、K、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、及びエタノールアミンからなる群より選択される基を表す。
    また、R7は下記一般式(4)のポリシロキサン構造を表す。
    (ただし、R8は水酸基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群より選択されるいずれかの基を表し、R9はメチル基、エチル基、ヘキシル基、ヒドロキシメチル基、及びヒドロキシエチル基からなる群より選択されるいずれかの基を表し、lは1〜10の自然数を表す。))
  8. 前記分散剤が、下記一般式(5)で表される構造単位を有する共重合体であることを特徴とする請求項4又は5に記載のインク。
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、L1は炭素数2〜18のアルキレン基を表す。)
  9. 前記共重合体がアニオン性基、またはノニオン性基を有することを特徴とする請求項8記載のインク。
  10. 前記一般式(5)で表される構造単位のL1が炭素数2〜12のアルキレン基であることを特徴とする請求項8又は9に記載のインク。
  11. 前記共重合体の重量平均分子量Mwが7000〜40000であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載のインク。
  12. 前記分散剤が、下記一般式(6)で表される構造単位を有する共重合体であることを特徴とする請求項4又は5に記載のインク。
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、L2は単結合又はその酸素原子がビフェニルと結合している−(CH2)−O−であり、nは2〜16の整数である。)
  13. 前記共重合体がアニオン性基、またはノニオン性基を有することを特徴とする請求項12に記載のインク。
  14. 前記共重合体の重量平均分子量Mwが9000〜40000であることを特徴とする請求項12又は13に記載のインク。
  15. インクを収容するインク収容部を備えたインク収容容器であって、前記インク収容部に収容されたインクが、請求項3乃至14のいずれかに記載のインクであることを特徴とするインク収容容器。
  16. 請求項3乃至14のいずれかに記載のインクにインク飛翔手段を介して刺激を印加し、記録ヘッドから該インクを飛翔させて記録媒体に情報または画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録物の製造方法。
  17. インクをインクジェットヘッドを用いて記録媒体に情報または画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記インクが、請求項3乃至14のいずれかに記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  18. インクを用いて記録媒体に情報または画像が記録されている記録物であって、前記インクが、請求項3乃至14のいずれかに記載のインクであることを特徴とする記録物。
JP2015132595A 2015-07-01 2015-07-01 キナクリドン混合物、それを含むインク、インク収容容器、インクジェット記録物の製造方法、インクジェット記録装置、および記録物 Expired - Fee Related JP6512443B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015132595A JP6512443B2 (ja) 2015-07-01 2015-07-01 キナクリドン混合物、それを含むインク、インク収容容器、インクジェット記録物の製造方法、インクジェット記録装置、および記録物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015132595A JP6512443B2 (ja) 2015-07-01 2015-07-01 キナクリドン混合物、それを含むインク、インク収容容器、インクジェット記録物の製造方法、インクジェット記録装置、および記録物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017014150A true JP2017014150A (ja) 2017-01-19
JP6512443B2 JP6512443B2 (ja) 2019-05-15

Family

ID=57827865

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015132595A Expired - Fee Related JP6512443B2 (ja) 2015-07-01 2015-07-01 キナクリドン混合物、それを含むインク、インク収容容器、インクジェット記録物の製造方法、インクジェット記録装置、および記録物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6512443B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020012782A1 (ja) * 2018-07-12 2020-01-16 Dic株式会社 キナクリドン顔料組成物及びこれを有するインキ組成物
JP2020055985A (ja) * 2018-02-09 2020-04-09 株式会社リコー インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、及び記録方法
KR102139367B1 (ko) * 2019-03-26 2020-07-29 한국화학연구원 마젠타 안료 시너지스트, 분산 및 저장성이 우수한 마젠타 안료 잉크 조성물 및 이의 제조 방법
JP2020183474A (ja) * 2019-05-08 2020-11-12 株式会社リコー インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、及び記録物
US11059983B2 (en) 2018-02-09 2021-07-13 Ricoh Company, Ltd. Ink, ink container, inkjet recording device, and recording method
JP2022075758A (ja) * 2017-02-21 2022-05-18 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 水性塗料組成物および複層塗膜

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS504019B1 (ja) * 1969-11-15 1975-02-13
JP2001139865A (ja) * 1999-11-18 2001-05-22 Sharp Corp 水性インク組成物
JP2003171574A (ja) * 2001-12-06 2003-06-20 Toyo Ink Mfg Co Ltd 水性顔料分散体およびそれを用いたインクジェット記録液
JP2006152109A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Fuji Photo Film Co Ltd インク組成物およびインクジェット記録方法
JP2011105866A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Fujifilm Corp グラフトポリマー、水性分散物および水性インク組成物
JP2011225834A (ja) * 2010-04-01 2011-11-10 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd インクジェット用水性顔料分散液及びインクジェット用水性顔料インク

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS504019B1 (ja) * 1969-11-15 1975-02-13
JP2001139865A (ja) * 1999-11-18 2001-05-22 Sharp Corp 水性インク組成物
JP2003171574A (ja) * 2001-12-06 2003-06-20 Toyo Ink Mfg Co Ltd 水性顔料分散体およびそれを用いたインクジェット記録液
JP2006152109A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Fuji Photo Film Co Ltd インク組成物およびインクジェット記録方法
JP2011105866A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Fujifilm Corp グラフトポリマー、水性分散物および水性インク組成物
JP2011225834A (ja) * 2010-04-01 2011-11-10 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd インクジェット用水性顔料分散液及びインクジェット用水性顔料インク

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022075758A (ja) * 2017-02-21 2022-05-18 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 水性塗料組成物および複層塗膜
JP7360490B2 (ja) 2017-02-21 2023-10-12 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 水性塗料組成物および複層塗膜
JP2020055985A (ja) * 2018-02-09 2020-04-09 株式会社リコー インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、及び記録方法
US11059983B2 (en) 2018-02-09 2021-07-13 Ricoh Company, Ltd. Ink, ink container, inkjet recording device, and recording method
JP7115220B2 (ja) 2018-02-09 2022-08-09 株式会社リコー インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、及び記録方法
WO2020012782A1 (ja) * 2018-07-12 2020-01-16 Dic株式会社 キナクリドン顔料組成物及びこれを有するインキ組成物
JP6705578B1 (ja) * 2018-07-12 2020-06-03 Dic株式会社 キナクリドン顔料組成物及びこれを有するインキ組成物
KR102139367B1 (ko) * 2019-03-26 2020-07-29 한국화학연구원 마젠타 안료 시너지스트, 분산 및 저장성이 우수한 마젠타 안료 잉크 조성물 및 이의 제조 방법
JP2020183474A (ja) * 2019-05-08 2020-11-12 株式会社リコー インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、及び記録物
JP7266786B2 (ja) 2019-05-08 2023-05-01 株式会社リコー インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、及び記録物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6512443B2 (ja) 2019-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9028056B1 (en) Ink for inkjet recording, ink container, inkjet recorder and recorded matter
JP5942708B2 (ja) インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインク記録物
JP6287608B2 (ja) インクジェット記録用インク組成物、記録装置及び記録物
US8960885B2 (en) Ink for inkjet recording, and ink cartridge, inkjet recording method, inkjet recorder, ink-recorded matter and method of producing the ink-recorded matter using the ink
US8974895B2 (en) Inkjet ink, ink storage container, inkjet recording device, and recorded matter
JP6224990B2 (ja) インクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録物の製造方法、インクジェット記録装置、およびインク記録物
JP6512443B2 (ja) キナクリドン混合物、それを含むインク、インク収容容器、インクジェット記録物の製造方法、インクジェット記録装置、および記録物
JP6115110B2 (ja) 顔料分散剤、顔料分散体、インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP6596955B2 (ja) インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、及び記録物
JP2016014127A (ja) インクジェット記録用インク組成物、記録装置及び記録物
JP2015193781A (ja) インク組成物、インクカートリッジ、インクジェット記録装置及び記録物
JP6032069B2 (ja) インクジェット記録用インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物、及び該記録物の製造方法
US9217091B2 (en) Inkjet recording ink and ink cartridge using the ink, inkjet recording apparatus, inkjet recording method and ink recorded matter
JP6255922B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクの製造方法、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物の製造方法及び記録物
JP6032071B2 (ja) インクジェット記録用インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物の製造方法、記録物
JP6051840B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置およびインク記録物
JP6225581B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、インク記録物
JP2013185109A (ja) インクジェット用インク、インクカートリッジ及び記録物
JP6279344B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録物の製造方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物
JP6043658B2 (ja) インクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法及びインク記録物
JP6504360B2 (ja) インク、インク収容容器、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及び記録物
JP6018000B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、インク記録物
JP6289088B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、インク記録物
JP6197628B2 (ja) インクジェットインク及びその製造方法
JP2018002935A (ja) インク、収容容器、画像形成方法及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190327

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6512443

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees