JP7266786B2 - インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、及び記録物 - Google Patents

インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、及び記録物 Download PDF

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本発明は、インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、及び記録物に関する。
インクジェット記録方式は、他の記録方式に比べてプロセスが簡単で、かつフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られるという利点があることから普及し、パーソナルからオフィス用途、商業印刷や工業印刷の分野へと広がりつつある。このようなインクジェット記録方式では、色材として水溶性染料を用いた水系インク組成物が主に使用されているが、耐水性及び耐光性に劣るという欠点があるため、水溶性染料に代わる水不溶性の顔料を用いた顔料インクの開発が進められている。
特許文献1には、長期にわたって安定して連続吐出させることができるとともに、光沢性に優れた画像を記録可能な水性インクとして、顔料、前記顔料を分散するための樹脂分散剤、アルカノールアミン、及びウレタン樹脂を含有するインクジェット用の水性インクであって、前記顔料が、C.I.ピグメントレッド122及びC.I.ピグメントバイオレット19を含む固溶体であるとともに、前記固溶体中の前記C.I.ピグメントレッド122の割合(質量%)が、固溶体全質量を基準として、10質量%以上90質量%以下である水性インクが開示されている。
本発明は、普通紙は勿論のこと商業印刷用紙に対しても優れた発色性が得られ、保存安定性及び吐出安定性に優れ、ビーディングが抑制された良好な品位の記録が可能なインクを提供することを目的とする。
上記課題は、次の<1>の発明によって解決される。
<1> 顔料、有機溶剤、下記一般式(1)または下記一般式(2)で表される化合物を含むインクであって、
前記顔料がC.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122との混晶であり、C.I.ピグメントバイオレット19と、C.I.ピグメントレッド122との質量比が50/50~70/30であることを特徴とするインク。
Figure 0007266786000001
(式中、Rは炭素数8~15のアルキル基を示し、Aは水素原子又はメチル基を示し、nは2~12の整数を示す。)
Figure 0007266786000002
(式中、m=0~7、k=2~15である。)
本発明によれば、普通紙は勿論のこと商業印刷用紙に対しても優れた発色性が得られ、保存安定性及び吐出安定性に優れ、ビーディングが抑制された良好な品位の記録が可能なインクを提供することができる。
本発明に係る記録装置の一例を模式的に示す斜視図である。 本発明に係るインク収容容器の一例を模式的に示す斜視図である。
以下、上記本発明<1>について詳しく説明するが、その実施の形態には次の<2>~
<9>も含まれるので、これらについても併せて説明する。
<2> 前記顔料におけるC.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122との質量比が55/45~65/35である、上記<1>に記載のインク。
<3> 前記顔料におけるC.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122との質量比が60/40~65/35である、上記<1>に記載のインク。
<4> 前記有機溶剤が、SP値9.0以上、11.0以下の溶剤Aを含み、前記溶剤Aの含有量が10質量%未満である、上記<1>~<3>のいずれかに記載のインク。
<5> 前記溶剤Aの含有量が、2質量%以上8質量%以下である、上記<4>に記載のインク。
<6> 下記一般式(3)で表されるキナクリドン誘導体を含む、上記<1>~<5>のいずれかに記載のインク。
Figure 0007266786000003
(式中、R,R,RおよびRは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、RおよびRは炭素数1~4のアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。m、nは0~2の整数を表す。ただし、m、nが同時に0である場合を除く。)
<7> 上記<1>~<6>のいずれかに記載のインクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
<8> 上記<7>に記載のインクカートリッジと、前記インクカートリッジから供給されるインクを吐出する吐出手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
<9> 記録媒体上に、上記<1>~<6>のいずれかに記載のインクを用いて記録された画像を有してなることを特徴とする記録物。
<インク>
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%~60質量%がより好ましい。
-色材-
色材分散形態には、界面活性剤で顔料を分散した界面活性剤分散、樹脂で顔料を分散した樹脂分散、顔料の表面を樹脂で被覆した樹脂被覆分散及び顔料表面に親水基を設けた自己分散などがあるが、水分散性のものが好ましい。中でも前記樹脂被覆顔料又は自己分散顔料であって、顔料表面に少なくとも一つの親水基を有するものが好ましい。
このような親水基としては、-COOM、-SOM、-POHM、-PO、-CONM、-SONM、-NH-C-COOM、-NH-C-SOM、-NH-C-POHM、-NH-C-PO、-NH-C-CONM、-NH-C-SONMが挙げられる。これらの親水基は公知の方法で導入することができる。
また、カウンターイオンMは四級アンモニムイオンが好ましい。その具体例としては、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン、ベンジルトリメチルアンモニウムイオン、ベンジルトリエチルアンモニウムイオン及びテトラヘキシルアンモニウムイオンが挙げられ、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン及びベンジルトリメチルアンモニウムイオンが好ましく、テトラブチルアンモニウムイオンが特に好ましい。
上記顔料を用いたインクは、特に経時保存安定性が高く、水分蒸発時の粘度上昇が抑制される。これは、水リッチなインクから水分が蒸発し、有機溶剤リッチとなった際にも、四級アンモニウムイオンを有する親水基により、顔料の分散が安定に保てるためであると推測される。
前記親水基を有する顔料以外の色材としては、ポリマー微粒子に顔料を含有させたポリマーエマルションが好ましい。顔料はポリマー微粒子中に封入されていても、ポリマー微粒子の表面に吸着されていてもよい。この場合、全ての顔料が封入又は吸着されている必要はなく、一部がエマルション中に分散していてもよい。ポリマー微粒子用のポリマーとしてはビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマーなどが挙げられるが、特に好ましいのは、ビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーである。その具体例としては、特開2000-53897号公報、特開2001-139849号公報に開示されたものが挙げられる。
前記顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)とC.I.ピグメントレッド122(2,9-ジメチルキナクリドン)からなる混晶を用いる。C.I.ピグメントバイオレット19と、C.I.ピグメントレッド122との質量比は50/50~70/30が好ましく、55/45~65/35がより好ましく、60/40~65/35が更に好ましい。
混晶の作成方法としては、化学修飾基の異なる2種類以上のキナクリドンを任意の比率で混合し、無機塩を添加してボールミルなどの物理的粉砕を行い、得られた粉末を希硫酸と有機液体と界面活性剤を含む液体中に分散して加熱した後、有機液体を除去する方法が用いられる。本願の混晶顔料の一次粒子は40~100nmに調整して作成したものを用いた。
使用する顔料のBET比表面積は、好ましくは約10~約1500m/g、より好ましくは約20~約600m/g、更に好ましくは約50~約300m/gである。所望の比表面積のものの利用が容易ではない場合には、顔料を比較的小さい粒径にするため、一般的なサイズ減少又は粉砕処理(例えば、ボールミル粉砕、ジェットミル粉砕、超音波処理)を行えば良い。
前記水分散性色材の50%累積体積粒径(D50)は、インク中において10~200nmが好ましい。
前記水分散性色材のインク中の含有量は、固形分で1~15質量%が好ましく、2~10質量%がより好ましい。含有量が1質量%以上であれば、インクの発色性及び画像濃度が良くなり、15質量%以下であれば、インクが増粘して吐出性が悪くなることはなく、更に経済的にも好ましい。
なお、本発明では、色調調整の目的で染料を併用しても構わないが、耐候性を劣化させない範囲内で使用する必要がある。
-界面活性剤-
本発明のインクは下記一般式(1)、下記一般式(2)で表される界面活性剤を用いるが、それ以外のシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも併用可能である。
Figure 0007266786000004
(式中、Rは炭素数8~15のアルキル基を示し、Aは水素原子又はメチル基を示し、nは2~12の整数を示す。)
Figure 0007266786000005
(式中、m=0~7、k=2~15である。)
(一般式(1)で表される界面活性剤)
本発明のインクには、上記一般式(1)のポリオキシエチレンアルキルエステルまたはポリオキシプロピレンアルキルエステルを含有し、他の界面活性剤に較べて表面張力が高く、泡立ちが少ないという特徴があり、ビーディングの発生を抑える効果が得られる。
上記一般式(1)で示される化合物の例としては、下記式(1-1)で表される化合物(1-1)、下記式(1-2)で表される化合物(1-2)が挙げられる。
Figure 0007266786000006
Figure 0007266786000007
本発明で用いるインクの材料として、前記一般式(2)で表されるポリエーテル変性シロキサン化合物を用いることもできる。これにより、ヘッドノズルプレート撥インク層に濡れ難いインクとなり、インクのノズル付着による吐出不良を防ぎ、吐出安定性が向上する。また、特に問題になりやすいノズル撥インク層面にインクが付着し難く、吐出不良が生じ難いインクとなる。前記一般式(2)で示されるものの中でも、特に、水分散性の色材の種類や有機溶剤の組合せによって分散安定性を損なわず、動的表面張力が低く、浸透性、レベリング性の高いものが好ましい。これらのポリエーテル変性シロキサン化合物は、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
上記一般式(2)で示される化合物の例としては、下記式(2-1)で表される化合物(2-1)、下記式(2-2)で表される化合物(2-2)が挙げられる。
Figure 0007266786000008
Figure 0007266786000009
本発明において、前記C.I.ピグメントバイオレット19と、C.I.ピグメントレッド122との混晶(固溶体)と、前記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物とを合わせて用いることで、詳細な理由は不明であるが、記録媒体へのインクの濡れ性や顔料の分散が良好となり、光沢や色再現性が向上すると考えられる。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤のインク中の含有量は、0.001~5質量%が好ましく、0.5~3質量%がより好ましい。0.001質量%以上であれば、界面活性剤の添加効果が得られる。しかし、5質量を超えると添加効果が飽和するため増量しても意味がない。
-有機溶剤-
本発明のインクは、SP値が9.0~11.0の溶剤Aを少なくとも1種含有する。これにより、記録媒体への濡れ性が向上し、塗工層を持つ吸インク性の悪いコート紙などの商業印刷用紙にもインク成分が浸透し、ビーディングを抑制することが可能となる。
SP値は溶解パラメータのことで、溶剤、樹脂や顔料など、水や溶剤に対して溶解または分散して用いられる材料の親和性、溶解性の指標として一般に広く用いられている。SP値の求め方は、実験により測定する方法や、浸漬熱など物理特性の測定から計算する方法、分子構造から計算する方法など様々な方法が提唱されているが、本発明ではFedorsが提唱した分子構造から計算する方法を用いる。この方法は分子構造がわかればSP値が計算できる点と、実験による測定値との差が小さい点で有効である。Fedorsの方法では、各原子や原子団の25℃における蒸発エネルギーΔe、モル体積Δvを下表のように定め、この値を式(1)に代入することでSP値を求めることができる。なお、本発明では25℃におけるSP値を用い、温度換算等は行わない。
Figure 0007266786000010
なお上記式(1)において、ΔE:凝集エネルギー密度、V:モル体積、Δe:原子または原子団の蒸発エネルギー、Δv:原子または原子団のモル体積、である。例えば、イソプロピリデングリセロール(iPDG)のSP値は、下記表1の値より次のように計算される。
SP値=(14150/139.8)0.5=10.1(cal/cm0.5
Figure 0007266786000011
前記溶剤AとしてはSP値9.0以上、11.0以下の水溶性溶剤が好ましい。
SP値が9.0以上の有機溶剤は、一般に水への溶解性が良く分離が発生しにくいため、本発明のような水性インクへの使用に適している。また、SP値が11.0以下である有機溶剤は、乾燥性やビーディングが良好であるため適している。
上記SP値はヒルデブラント(Hildebrand)によって導入された正則溶液論により定義された値であり、二成分系溶液の溶解度の目安となる。また、本発明におけるSP値は、Fedors法で算出した値である。正則溶液理論における凝集エネルギー密度の平方根で示され、単位は(cal/cm0.5である。一般に普及している簡易ソフトで算出できる。
SP値が9.0~11.0の溶剤Aの含有量は、インク全体の10質量%未満が好ましく、更に好ましくは2質量%以上8質量%以下である。含有量が2質量%以上であれば、商業印刷用紙上でのビーディング抑制効果が十分得られる。また、含有量が8質量%以下であれば、インクの粘度上昇により吐出安定性が悪化するようなことはない。
-樹脂エマルション-
樹脂エマルションとしては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えたものが、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用であり、例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル-シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。また、樹脂エマルションとしては、樹脂自身が親水基を持ち自己分散性を持つもの、樹脂自身は分散性を持たず界面活性剤や親水基を持つ樹脂により分散性を付与したものが使用できる。これらの中でも、特にアクリル樹脂またはウレタン樹脂が好ましく、前記樹脂エマルションを2種類以上併用してもよい。
不飽和単量体の乳化重合の場合には、不飽和単量体、重合開始剤、界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、及びpH調整剤などを添加した水中で反応させて樹脂エマルションを得るため、容易に水分散性樹脂を得ることができ、樹脂構成を替えやすく、目的の性質を作りやすい。
樹脂エマルションは、強アルカリ性、強酸性下では分散破壊や加水分解などの分子鎖の断裂が引き起こされるため、pHは4~12が好ましく、特に水分散性色材との混和性の点から、6~11がより好ましく、7~10が更に好ましい。
樹脂エマルションの50%累積体積粒径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インク化した時に過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の50%累積体積粒径(D50)は50nm以上が好ましい。また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくても粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させる。そこで、インク吐出性を阻害させないため50%累積体積粒径(D50)は200nm以下がより好ましく、150nm以下が更に好ましい。50%累積体積粒径(D50)は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
また、樹脂エマルションは、水分散性色材を紙面に定着させる働きを有し、常温で被膜化して色材の定着性を向上させる機能を有する。そのため、樹脂エマルションの最低造膜温度(MFT)は30℃以下であることが好ましい。また、ガラス転移温度が-40℃以下になると、樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度は-30℃以上であることが好ましい。
樹脂エマルションのインク中の含有量は、固形分で0.5~10質量%が好ましく、1~8質量%がより好ましい。
-浸透剤-
浸透剤としては、炭素数8~11の非湿潤剤性ポリオール化合物又はグリコールエーテル化合物を少なくとも1種が好ましい。ここで、非湿潤剤性とは、25℃の水中において0.2~5.0質量%の間の溶解度を有することを意味する。これらの浸透剤の中でも、下記一般式(7)で表される1,3-ジオール化合物が好ましく、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール[溶解度:4.2%(25℃)]、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール[溶解度:2.0%(25℃)]が特に好ましい。
その他の非湿潤剤性ポリオール化合物としては、例えば、2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3,3-ジメチル-1,2-ブタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、5-ヘキセン-1,2-ジオールなどの脂肪族ジオールが挙げられる。
浸透剤のインク中の含有量は、0.5~4質量%が好ましく、1~3質量%がより好ましい。0.5質量%以上であれば、インクの浸透性効果が得られ、画像品質が向上する。また、4質量%以下であれば、インクに十分に溶解するので、分離したりインク初期粘度が高くなったりする等の不具合は生じない。
-ワックス-
本発明によるインク組成物はワックスを含み、ワックスは水溶性、水分散性のいずれであってもよい。水溶性ワックスとしては、水酸基、カルボキシル基、エチレンオキサイド基、アミン基等の親水基を有すワックス、水分散性ワックスとしては、主として、ワックスエマルションとして使用することができる。
具体的には、カルナバワックス、キャンデリラワックス、みつろう、ライスワックス、ラノリン等の植物、動物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト等の鉱物系ワックス、カーボンワックス、へキストワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸アミド等の合成ワックス類、αオレフイン・無水マレイン酸共重合体等の天然・合成ワックスエマルションや配合ワックス等を単独または複数種を混合して使用することができる。また、その他のラテックス、コロイド溶液、懸濁液等も使用することができる。本発明においては、水溶性溶剤との溶解性・分散性が良好であるポリエチレンワックスが望ましい。
ワックスは市販されているものを利用することも可能であり、その具体例としてはセロゾール524(カルナバワックス、融点83℃、粒径200nm、中京油脂製)、HYTEC E-6500(ポリエチレンワックス、融点140℃、粒径60nm、東邦化学製)、HYTEC E-8237(ポリエチレンワックス、融点106℃、粒径80nm、東邦化学製)、HYTEC P-9018(ポリプロピレンワックス、融点156℃、粒径60nm、東邦化学製)、ノプコートPEM-177(ポリオレフィンワックス、融点105℃、粒径10nm、サンノプコ製)、AQUACER498(パラフィン系ワックス、融点58℃、ビックケミージャパン製)、AQUACER535(混合系ワックス、融点95℃,ビックケミージャパン製)、AQUACER531(ポリエチレンワックス、融点130℃、粒径123nm、ビックケミージャパン製)、AQUACER515(ポリエチレンワックス、融点135℃、粒径33nm、ビックケミージャパン製)などが挙げられる。
ワックスの融点は、70℃~170℃の範囲が好ましく、より好ましくは100℃~140℃である。融点が70℃以上であれば画像がべたつくことがなく、画像を重ねても画像転写は発生しない。融点が170℃以下であれば、画像を擦ったときの摩擦熱で融解し、滑り性が得られるため、画像の耐擦過性は良好となる。
ワックスの体積平均粒径は、200nm以下が好ましく、より好ましくは20nm~150nmである。200nm以下であれば、ノズルやヘッド内のフィルターに引っかかることがなく、良好な吐出が得られる。
インクに対するワックス固形分の添加量は0.05~2質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.1~0.5質量%である。添加量が0.1質量%以上であれば、印字後の画像表面に滑り性を付与することができ、画像の耐擦過性を高く維持することができる。また、添加量が0.5質量%以下であれば、インク中の溶剤にワックスが溶解または分散することができるため、ヘッドに析出して付着することがなくなるため、良好にインク滴を吐出することが可能となる。
-その他の成分-
本発明のインクには、前記成分の他に、必要に応じて、公知の種々の添加剤を加えても良い。その例としては、浸透剤、抑泡剤(消泡剤)、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤などが挙げられる。
-抑泡剤-
抑泡剤は、インクに微量添加することによって、その発泡を抑えるために用いられる。ここで、発泡とは液体が薄い膜になって空気を包むことである。この泡の生成にはインクの表面張力や粘度等の特性が関与する。即ち、水のように表面張力が高い液体は、液体の表面積をできるだけ小さくしようとする力が働くため発泡し難い。これに対し、高粘度で高浸透性のインクは、表面張力が低いために発泡し易く、溶液の粘性により生成した泡が維持されやすく消泡し難い。
通常、抑泡剤は、泡膜の表面張力を局部的に低下させて泡を破壊するか、発泡液に不溶な抑泡剤を発泡液表面に点在させることにより泡を破壊する。インクに界面活性剤として表面張力を低下させる働きの極めて強いポリエーテル変性シロキサン化合物界面活性剤を用いた場合には、前者の機構による抑泡剤を用いても泡膜の表面張力を局部的に低下させることができない。そこで、後者の発泡液に不溶な抑泡剤を用いるが、この場合、溶液に不溶な抑泡剤によりインクの安定性が低下する。
-pH調整剤-
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを7~11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
その例としては、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
pHが7~11の範囲を外れると、インクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-エチル-1,3プロパンジオール等が挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。
前記ホスホニウム水酸化物としては、例えば、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
-防腐防黴剤-
防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2-ピリジンチオール-1-オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
-キレート試薬-
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
-防錆剤-
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
-酸化防止剤-
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
-紫外線吸収剤-
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
-インクの製造-
本発明のインクは、色材、有機溶剤、水、及び必要に応じて添加するその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。この攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
-インク物性-
本発明のインクの物性には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。しかし、インクの静的表面張力が20mN/m以上であり、且つ、最大泡圧法によるバブルライフタイム15msec時の動的表面張力が34mN/m以下にすると、記録媒体に対し十分な濡れ性を確保することができるにも関わらず、インクジェットヘッドのノズルプレートオプツール撥水膜に濡れ難くなり、吐出安定性も確保でき、極めて安定なインクとなるので好ましい。
また、インクの25℃での粘度は5~25mPa・sが好ましく、6~20mPa・sがより好ましい。5mPa・s以上であれば印字濃度や文字品位の向上効果が得られる。また25mPa・s以下であれば、インク吐出性を確保することができる。
上記粘度は、例えば粘度計(RE-550L、東機産業社製)を用いて、25℃で測定することができる。
本発明のインクは、インクジェットヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特公平2-51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特公昭61-59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6-71882号公報参照)などのいずれのインクジェットヘッドを搭載するプリンタにも良好に使用できる。
また、本発明のインクは、インクカートリッジ等の容器中に収容して使用しても良い。
<記録媒体>
本発明のインクを用いて記録を行うことが可能な記録媒体には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷用紙などが挙げられる。しかし、本発明のインクは、商業印刷用紙に対しても他の用紙と同様に良好な記録が可能である点で、非常に優れたものである。
ここでいう商業印刷用紙とは、支持体の少なくとも一方の面上に塗工層を有する印刷用紙のことであり、例えば、塗工層材料として炭酸カルシウムやカオリン等のフィラーを用いた印刷用紙が挙げられる。また、商業印刷用紙の一例である印刷コート紙は、塗工層がクレー(カオリン)や炭酸カルシウムなどの白色顔料と、デンプンなどの接着剤(バインダー)で作られている。
本発明のインクを用いて形成された画像を有する記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像が記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
記録媒体の中でも、画像品質(画像濃度、色再現性、ビーディング、カラーブリード)に優れ、かつ光沢性が高く、更にスミア定着性にも優れた画像が記録できる点から、吸液特性が一定範囲内の記録媒体が好適である。具体的には、支持体の少なくとも一方の面上に塗工層を有する商業印刷用紙が挙げられ、前記塗工層を有する面の、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の前記印刷用紙への転移量が2~35mL/mであり、かつ接触時間400msにおける純水の前記印刷用紙への転移量が3~40mL/mである印刷用紙が好ましい。これよりも純水の転移量が少なすぎると、ビーディング(隣り合ったドットが引き付けあったりして画像にブツブツ感が出るような現象)及びカラーブリード(色間の滲み)が発生し易くなることがあり、純水の転移量が多すぎると、記録後のインクドット径が所望の径よりも小さくなりベタ画像が埋まらないことがある。
純水の転移量は、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工社製)を用いて測定することができる。接触時間100msにおける転移量は、それぞれ接触時間の近隣接触時間における転移量の測定値から補間により求めることができる。
吸液特性が前記一定範囲内にある印刷用紙の市販品としては、例えば、PODグロスコート、OKトップコート+、OK金藤+、SA金藤+(王子製紙社製)、スーパーMIダル、オーロラコート、スペースDX(日本製紙社製)、αマット、ミューコート(北越製紙社製)、雷鳥アート、雷鳥スーパーアート(中越パルプ工業社製)、パールコートN(三菱製紙社製)などが挙げられる。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。さらに、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
記録媒体、メディア、被印刷物は、いずれも同義語とする。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」は、特に断りのない限り、「質量部」及び「質量%」である。
<キナクリドン誘導体混合物の作製>
氷水浴にて冷却した200mL四ツ口フラスコに、クロロスルホン酸50部を仕込み、C.I.ピグメントレッド122(大日精化社製レッドNo.81)5部を10~15℃の温度にて5分間かけ少しずつ添加した。さらに80℃で3時間攪拌を行い、室温にもどした後、反応溶液を氷水600部中に攪拌しながら加えてスルホン化物を析出させた。次いで、濾別して、0.1%塩酸300部で洗浄し、更にイオン交換水300部で洗浄し、赤色の中間物ウエットケーキを得た。このウエットケーキに水150mLを加え撹拌しながら氷水浴で4℃に冷却した。これにジエチルアミン10.75gを5分間かけ滴下し、さらに70℃の温度で3時間撹拌した。室温まで冷却した後、撹拌しながら濃塩酸15.6gを加え、析出している赤色沈殿物を濾取した。このウエットケーキをイオン交換水にて撹拌ろ過洗浄をおこない、60℃にて加熱減圧乾燥2日間することにより、下記式(3-1)で表される化合物(3-1)と、下記式(3-2)で表される化合物(3-2)との混合物である、えび茶色粉末の[キナクリドン誘導体混合物]2.67gを得た。
Figure 0007266786000012
Figure 0007266786000013
<共重合体の作製>
1,6-ヘキサンジオール(東京化成工業株式会社製)62.0部(525mmol)を塩化メチレン700mLに溶解し、ピリジン20.7部(262mmol)を加えた。この溶液に、2-ナフタレンカルボニルクロリド(東京化成工業株式会社製)50.0部(262mmol)を塩化メチレン100mLに溶解した溶液を、2時間かけて撹拌しながら滴下した後、室温で6時間撹拌した。得られた反応溶液を水洗した後、有機相を単離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物を、溶離液として塩化メチレン/メタノール(体積比:98/2)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、2-ナフトエ酸-2-ヒドロキシエチルエステル52.5部を得た。
次に、2-ナフトエ酸-2-ヒドロキシエチルエステル42.1部(155mmol)を乾燥メチルエチルケトン80mLに溶解し、60℃まで加熱した。この溶液に、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(カレンズMOI、昭和電工株式会社製)24.0部(155mmol)を乾燥メチルエチルケトン20mLに溶解した溶液を、1時間かけて撹拌しながら滴下した後、70℃で12時間撹拌した。室温まで冷却した後、溶媒を留去した。残留物を、溶離液として塩化メチレン/メタノール(体積比:99/1)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記式(4)で表される構造を有する化合物である[モノマーA]57.0部を得た。
Figure 0007266786000014
次いで、アクリル酸(シグマアルドリッチ社製)1.20部(16.7mmol)、及び前記モノマーA 7.12部(16.7mmol)を乾燥メチルエチルケトン40mLに溶解してモノマー溶液を調製した。モノマー溶液の10%をアルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に2,2’-アゾイソ(ブチロニトリル)(東京化成工業株式会社製)0.273部(1.67mmol)を溶解した溶液を1.5時間かけて滴下し、60℃で15時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出した共重合体をろ別し、減圧乾燥して共重合体8.13部を得た。得られた共重合体を100%酸中和するようにジメチルエタノールアミン水溶液に溶解しながら、共重合体の濃度が10%になるようにイオン交換水で濃度調整することで[共重合体溶液A]を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は、21,800であった。
[実施例1]
<分散体1の作製>
イオン交換水53部に、前記[共重合体溶液A]32部を投入して溶解し、C.I.ピグメントバイオレット19とピグメントレッド122の比率が50/50である混晶顔料15.0部を加えて、超音波ホモジナイザーにより10分間プレ分散を行った。これを0.05mmのジルコニアビーズを用いたウルトラアスペックミルUAM015型(寿工業(株)製)に投入して1時間分散処理を行い、得られた分散体を1μmフィルターでろ過することで顔料濃度15%の分散体1を得た。
<インク1の作製>
・分散体1 ・・・40.0部
・3-メチル-1,3-ブタンジオール ・・・15.0部
・1,2-プロパンジオール ・・・15.0部
・2-エチル-1,3-ヘキサンジオール ・・・ 2.0部
・化合物(1-1) ・・・ 1.0部
・アクリル樹脂エマルション ・・・15.0部
(NANOCLYL-S KPX、トーヨーケム株式会社製、40.0%水分散液)
・AQUACER515 ・・・ 1.0部
(BYK製、ポリエチレンワックス、固形分45%)
・2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール ・・・ 0.5部
・防腐防黴剤 ・・・0.1部
(プロキセルLV、アーチ・ケミカルズ・ジャパン社製)
・イオン交換水 ・・・10.4部
分散体1以外の前記成分をイオン交換水に溶解してビヒクルを作製した後、分散体1と混合し、平均孔径が1μmのフィルターでろ過してインク1を得た。
[実施例2]
実施例1の分散体1において、顔料をC.I.ピグメントバイオレット19とピグメントレッド122の比率が56/44の混晶顔料に変更した以外は実施例1と同様の処方、方法を用いて分散体2を得た。次に実施例1のインク1における分散体1を分散体2に変えた以外は実施例1と同様の処方、方法を用いてインク2を得た。
[実施例3]
実施例1の分散体1において、顔料をC.I.ピグメントバイオレット19とピグメントレッド122の比率が62/38の混晶顔料に変更した以外は実施例1と同様の処方、方法を用いて分散体3を得た。次に実施例1のインク1における分散体1を分散体3に変えた以外は実施例1と同様の処方、方法を用いてインク3を得た。
[実施例4]
実施例1の分散体1において、顔料をC.I.ピグメントバイオレット19とピグメントレッド122の比率が70/30の混晶顔料に変更した以外は実施例1と同様の処方、方法を用いて分散体4を得た。次に実施例1のインク1における分散体1を分散体4に変えた以外は実施例1と同様の処方、方法を用いてインク4を得た。
[実施例5]
実施例1のインク1において、化合物(1-1)を化合物(2-1)に変更した以外は実施例1と同様の処方、方法を用いてインク5を得た。
[実施例6]
実施例2のインク2において、化合物(1-1)を化合物(2-1)に変更した以外は実施例2と同様の処方、方法を用いてインク6を得た。
[実施例7]
実施例3のインク3において、化合物(1-1)を化合物(2-1)に変更した以外は実施例3と同様の処方、方法を用いてインク7を得た。
[実施例8]
実施例4のインク4において、化合物(1-1)を化合物(2-1)に変更した以外は実施例4と同様の処方、方法を用いてインク8を得た。
[実施例9]
実施例1のインク1において、化合物(1-1)1.0部を化合物(1-2)0.5部に変更し、化合物(2-2)0.5部を追加した以外は実施例1と同様の処方、方法を用いてインク9を得た。
[実施例10]
実施例2のインク2において、化合物(1-1)1.0部を化合物(1-2)0.5部に変更し、化合物(2-2)0.5部を追加した以外は実施例2と同様の処方、方法を用いてインク10を得た。
[実施例11]
実施例3のインク3において、界面活性剤[(1)-1]化合物(1-1)1.0部を化合物(1-2)0.5部に変更し、化合物(2-2)0.5部を追加した以外は実施例3と同様の処方、方法を用いてインク11を得た。
[実施例12]
実施例4のインク4において、化合物(1-1)1.0部を化合物(1-2)0.5部に変更し、化合物(2-2)0.5部を追加した以外は実施例4と同様の処方、方法を用いてインク12を得た。
[実施例13]
実施例3のインク3において、3-メチル-1,3-ブタンジオールを14.0部に変更し、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン 1.0重量部を追加した以外は実施例3と同様の処方、方法を用いてインク13を得た。
[実施例14]
実施例3のインク3において、3-メチル-1,3-ブタンジオールを13.0部に変更し、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン 2.0重量部を追加した以外は実施例3と同様の処方、方法を用いてインク14を得た。
[実施例15]
実施例3のインク3において、3-メチル-1,3-ブタンジオールを8.0部に変更し、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン 7.0部を追加した以外は実施例3と同様の処方、方法を用いてインク15を得た。
[実施例16]
実施例3のインク3において、3-メチル-1,3-ブタンジオールを6.0部に変更し、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン 9.0部を追加した以外は実施例3と同様の処方、方法を用いてインク16を得た。
[実施例17]
実施例11のインク11において、3-メチル-1,3-ブタンジオールを13.0部に変更し、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン 2.0部を追加した以外は実施例11と同様の処方、方法を用いてインク17を得た。
[実施例18]
実施例11のインク11において、3-メチル-1,3-ブタンジオールを8.0部に変更し、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 7.0部を追加した以外は実施例11と同様の処方、方法を用いてインク18を得た。
[実施例19]
実施例8のインク8において、3-メチル-1,3-ブタンジオールを6.0部に変更し、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 9.0部を追加した以外は実施例8と同様の処方、方法を用いてインク19を得た。
[実施例20]
<分散体5>
イオン交換水53部に、前記[共重合体溶液A]32部を投入して溶解し前記[キナクリドン誘導体混合物]1.0部とC.I.ピグメントバイオレット19とピグメントレッド122の比率が50/50の混晶顔料15.0部を加えて超音波ホモジナイザーにより10分間プレ分散を行った。これを0.05mmのジルコニアビーズを用いたウルトラアスペックミルUAM015型(寿工業(株)製)に投入して0.5時間分散処理を行い、得られた分散体を1μmフィルターでろ過することで顔料濃度15%の分散体5を得た。
次に実施例1のインク1における分散体1を分散体5に変えた以外は実施例1と同様の処方、方法を用いてインク20を得た。
[実施例21]
実施例20の分散体5において、顔料をC.I.ピグメントバイオレット19とピグメントレッド122の比率が56/44の混晶顔料に変更した以外は実施例20と同様の処方、方法を用いて分散体6を得た。次に実施例20のインク20における分散体5を分散体6に変えた以外は実施例1と同様の処方、方法を用いてインク21を得た。
[実施例22]
実施例20の分散体5において、顔料をC.I.ピグメントバイオレット19とピグメントレッド122の比率が62/38の混晶顔料に変更した以外は実施例20と同様の処方、方法を用いて分散体7を得た。次に実施例20のインク20における分散体5を分散体7に変えた以外は実施例20と同様の処方、方法を用いてインク22を得た。
[実施例23]
実施例20の分散体5において、顔料をC.I.ピグメントバイオレット19とピグメントレッド122の比率が70/30の混晶顔料に変更した以外は実施例20と同様の処方、方法を用いて分散体8を得た。次に実施例20のインク20における分散体5を分散体8に変えた以外は実施例20と同様の処方、方法を用いてインク23を得た。
[比較例1]
実施例1の分散体1において、顔料をC.I.ピグメントバイオレット19とピグメントレッド122の比率が45/55の混晶顔料に変更した以外は実施例1と同様の処方、方法を用いて分散体9を得た。
次に実施例9のインク9における分散体1を分散体9に変えた以外は実施例9と同様の処方、方法を用いてインク24を得た。
[比較例2]
実施例4の分散体4において、顔料をC.I.ピグメントバイオレット19とピグメントレッド122の比率が75/25の混晶顔料に変更した以外は実施例4と同様の処方、方法を用いて分散体10を得た。
次に実施例4のインク4における分散体4を分散体10に変えた以外は実施例4と同様の処方、方法を用いてインク25を得た。
[比較例3]
実施例21のインク21において、化合物(1-1)をアセチレングリコール系界面活性剤(サーフィノール465、日信化学製)に変更した以外は実施例21と同様の処方、方法を用いてインク26を得た。
[比較例4]
実施例18のインク18において、化合物(1-1)0.5部と化合物(2-2)0.5部をポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(エマルゲンLS-106、花王株式会社製)1.0部に変更した以外は実施例18と同様の処方、方法を用いてインク27を得た。
実施例1~23及び比較例1~4で得たインク1~27の処方を表3に示す。
また、表3中のインク成分の略称で示される材料は表2に示すとおりである。
Figure 0007266786000015
Figure 0007266786000016
<インク保存安定性評価>
各インクをインクカートリッジに充填して70℃で14日間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を下記式から求め、下記の基準により評価した。
Figure 0007266786000017
なお、粘度の測定には、粘度計(RE80L、東機産業社製)を使用し、50回転又は100回転で25℃における粘度を測定した。評価結果を表4に示す。
[評価基準]
A:粘度の変化率が±5%以内
B:粘度の変化率が±5%を超え、±10%以内
C:粘度の変化率が±10%を超え、±30%以内
D:粘度の変化率が±30%を超える(ゲル化して評価不能)
<インク吐出装置>
市販のインクジェットプリンタ(リコー製、IPSiO GX-e5500)に実施例、比較例で作成したインクをセットし、印字面積が5%の印刷チャートを1000枚印刷する動作を行った。印刷終了から24時間休止した後に、以下の<吐出安定性>、<色再現性>、<ビーディング>、<光沢>について評価を行った。評価基準は以下に示す。結果を表4に示す。
<吐出安定性>
前記インク吐出装置を用いて、全てのノズルから液滴の捨て打ちを1時間行った。
1時間後に、インクジェット用光沢紙(画彩写真仕上げValue、富士フイルム株式会社製)上にノズルチェックパターンを印刷して、全ノズル数384に対してインクが吐出された吐出ノズル数を確認し、以下の基準で評価した。結果を表4に示す。
[評価基準]
A:吐出ノズル数が384(全ノズル吐出)
B:吐出ノズル数が368以上(実使用上問題のないレベル)
C:吐出ノズル数が192以上368未満
D:吐出ノズル数が192未満
<色再現性(色差ΔE)>
各インクを、インクジェットプリンタ(リコー製、IPSiO GX-e5500)を用いて、下記評価紙に記録密度1,200dpi×1,200dpiでベタ画像を印字し、乾燥後、反射型カラー分光測色濃度計(X-Rite社製)を用いて、Lの値を測定した。測定値と標準色(Japan color ver.2)のマゼンタ色(L:46.3、a:74.4、b:-4.8)との色差ΔEを下記数式から求め、下記評価基準に基づき、色再現性を評価した。色差ΔEが小さいほど、色再現性に優れる。なお、ランクA、Bが許容範囲である。
Figure 0007266786000018
[評価紙]
コート紙:OKトップコート+(王子製紙株式会社製)
[評価基準]
A:色差ΔEが5未満
B:色差ΔEが5以上7.5未満
C:色差ΔEが7.5以上10未満
D:色差ΔEが10以上
<ビーディング>
前記<色再現性>評価と同様の方法を用いて形成した5cm×5cmのベタ画像のビーディングを目視により確認し、以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
A:全くなし(15cmの距離からは視認できない)
B:ごく僅かにあり
(15cmの距離からは視認できるが、50cmの距離からは視認できない)
C:僅かにあり
(50cmの距離からは視認できるが、1mの距離からは視認できない)
D:激しくあり(1mの距離から視認できる)
<光沢>
実施例および比較例におけるインクジェット記録用インクを、インクジェットプリンタ(リコー製、IPSiO GX-e5500)に充填し、ワンパスでベタ画像の印字を行った。印刷評価はOKトップコート+を用い、印字乾燥後、60°光沢をBYK Gardner 4501(ビッグ・ガードナー社製)で測定した。0階調(印字していない記録メディア表面)の光沢度Gに対する0階調以外の各諧調における光沢度Xの差分ΔG=|G-G|を算出し、下の評価基準にしたがって評価した。結果を表4に示すが、ランクA、Bが許容範囲である。
[評価基準]
A:|ΔG|≦10
B:10<|ΔG|≦20
C:20<|ΔG|≦40
D:40<|ΔG|
Figure 0007266786000019
表4に示されるように、C.I.ピグメントバイオレット19と、C.I.ピグメントレッド122との質量比が50/50~70/30を満たすと色再現性及び光沢の評価がそれぞれB、Bであり、55/45~65/35を満たすとそれぞれB、Aであり、60/40~65/35を満たすと、A、Aとなることが分かる。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特開2018-150515号公報

Claims (8)

  1. 顔料、有機溶剤、下記一般式(1)または下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表されるキナクリドン誘導体と、を含むインクであって、
    前記顔料がC.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122との混晶であり、C.I.ピグメントバイオレット19と、C.I.ピグメントレッド122との質量比が50/50~70/30であることを特徴とするインク。
    Figure 0007266786000020
    (式中、Rは炭素数8~15のアルキル基を示し、Aは水素原子又はメチル基を示し、nは2~12の整数を示す。)
    Figure 0007266786000021
    (式中、m=0~7、k=2~15である。)
    Figure 0007266786000022
    (式中、R ,R ,R およびR は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R およびR は炭素数1~4のアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。m、nは0~2の整数を表す。ただし、m、nが同時に0である場合を除く。)
  2. 前記顔料におけるC.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122との質量比が55/45~65/35である、請求項1に記載のインク。
  3. 前記顔料におけるC.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122との質量比が60/40~65/35である、請求項1に記載のインク。
  4. 前記有機溶剤が、SP値9.0以上、11.0以下の溶剤Aを含み、前記溶剤Aの含有量が10質量%未満である、請求項1~3のいずれかに記載のインク。
  5. 前記溶剤Aの含有量が、2質量%以上8質量%以下である、請求項4に記載のインク。
  6. 請求項1~のいずれかに記載のインクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
  7. 請求項に記載のインクカートリッジと、前記インクカートリッジから供給されるインクを吐出する吐出手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 記録媒体上に、請求項1~のいずれかに記載のインクを用いて記録された画像を有してなることを特徴とする記録物。
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