JP2018039969A - インク、インクの製造方法、インク収容容器、記録装置及び記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保存安定性と吐出安定性に優れ、ビーディングを抑制した高画質な画像形成が可能なインクを提供すること。【解決手段】キナクリドン顔料および溶解パラメーターが9.00以上11.80以下の有機溶剤を含有するインクであって、前記有機溶剤の前記インクの全量に対する含有量が30質量%以上60質量%以下であり、前記インクを80℃で4週間、密封加熱したときに、加熱前後の粘度変化率および加熱前後の粒径変化率がともに−5%以上1%以下であるインク。【選択図】なし

Description

本発明は、インク、インクの製造方法、インク収容容器、記録装置及び記録方法に関する。
インクジェット記録方式は、他の記録方式に比べてプロセスが簡単で、かつフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られるという利点があることから普及し、パーソナルからオフィス用途、商業印刷や工業印刷の分野へと広がりつつある。このようなインクジェット記録方式では、色材として水溶性染料を用いた水系インク組成物が主に使用されているが、耐水性及び耐光性に劣るという欠点があるため、水溶性染料に代わる水不溶性の顔料を用いた顔料インクの開発が進められている。
オフィス用途のインクジェット印刷では、記録媒体として主に普通紙が使用され、高い画像濃度が要求されている。一般に、顔料インクを普通紙に印字した場合、顔料は紙表面に留まることなく紙中へ浸透するため、紙表面の顔料密度が低くなり、画像濃度が低下する。インク中の顔料濃度を高くすれば画像濃度は高くなるが、インクの粘度が増大し、吐出安定性が低下する。
高速印字化対策として記録媒体に付着したインクの乾燥速度を早めるため、インクに疎水性溶剤等の浸透剤を添加して記録媒体中に浸透させることにより、乾燥を速める手段がとられている。この高速印字化対策は高画質化としても有効であり、疎水性溶剤等の浸透剤を記録媒体中に速やかに浸透させることで、ビーディング(紙面における隣接ドット間でのインク滴の合一)や色境界におけるにじみを抑制できることから、疎水性溶剤を多く含むインクにおいて高い分散安定性が必要となる。
上記の背景に対して特許文献1に記載の発明では溶解パラメーターが5.0〜15.0という比較的疎水性な水溶性有機溶剤を多く含有させることで、分散剤に用いられている水溶性ポリマーの溶出を防ぎ吐出性安定性と高画像濃度を両立している。
また、特許文献2に記載の発明では着色剤を包含するポリマーの芳香環量を多くすることで、アルキレングリコールなどの浸透剤を添加しても高い安定性と高画質を両立している。
従来のインクにおいては、マゼンタインクの保存安定性は十分ではなかった。また、印刷速度が向上可能なラインヘッド型プリンタのような、インクジェットヘッドのノズル面をキャップできない方式においては、長時間の放置で吐出液滴の曲がりやインク詰まりが発生することがあり、十分な吐出安定性は確保できていなかった。
そこで、本発明は、上記従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、保存安定性と吐出安定性に優れ、ビーディングを抑制した高画質な画像形成が可能なインクの提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のインクは下記(1)に記載する通りの構成を有するものである。
(1)キナクリドン顔料および溶解パラメーターが9.00以上11.80以下の有機溶剤を含有するインクであって、前記有機溶剤の前記インクの全量に対する含有量が30質量%以上60質量%以下であり、前記インクを80℃で4週間、密封加熱したときに、加熱前後の粘度変化率および加熱前後の粒径変化率がともに−5%以上1%以下であるインク。
本発明によれば、保存安定性と吐出安定性に優れ、ビーディングを抑制した高画質な画像形成が可能なインクを提供することができる。
本発明に係る記録装置の一例を模式的に示す斜視図である。 本発明に係るインク収容容器の一例を模式的に示す斜視図である。 循環型液体吐出ヘッドの外観斜視説明図である。 同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向の断面説明図である。 同ヘッドのノズル配列方向と平行な方向の一部断面説明図である。 同ヘッドのノズル板の平面説明図である。 同ヘッドの流路部材を構成する各部材の平面説明図である。 同ヘッドの共通液室部材を構成する各部材の平面説明図である。 本発明に係る液体循環システムの一例を示すブロック図である。 循環型液体吐出ヘッドを有する装置の一例の要部平面説明図である。 同装置の要部側面説明図である。 本発明に係る液体吐出ユニットの他の例の要部平面説明図である。
以下、本発明に係るインク、インクの製造方法、インク収容容器、記録装置及び記録方法について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明のインクは溶解パラメーターが9.00以上11.80以下の有機溶剤をインク全量に対して30質量%以上60質量%以下含有している。このように疎水性溶剤を多く含むことで紙面におけるインクの浸透速度を上げることができ、紙面における隣接ドット間でのインク滴の合一(ビーディング)や色境界におけるにじみを抑制できる。
また、本発明のインクは、インクを80℃で4週間、密封加熱したときに、加熱前後の粘度変化率および加熱前後の粒径変化率がともに−5%以上1%以下であり、保存安定性及び吐出安定性に優れている。
前記加熱前後の粒径変化率は、インク中の固形分の90%累積体積粒径(D90)の変化率を言う。またインク中の固形分の50%累積体積粒径(D50)の変化率も−5%以上1%以下であることが好ましい。
また、前記密封加熱は、本発明においては、インクを容器入れて蓋を閉じ、さらに容器と蓋の境界部分をシールテープで封止を行ない、インク揮発を抑制した状態で加熱を行った。
疎水性溶剤を多く含むインクとすることで色材である顔料の分散安定性は損なわれ、特にキナクリドン顔料では分散安定性の悪化が顕著であるが、本発明のインクを用いることにより高い保存安定性および吐出安定性を実現できた。特に、顔料、シナジスト、分散剤を選定し、加熱処理を用いることでさらに高い保存安定性および吐出安定性を実現できた。これは顔料、シナジスト、分散剤を適切に選定することで、分散剤が顔料表面により強固に吸着でき、さらに本発明の加熱処理を行うことで、分散剤の疎水性部分と親水性部分の立体構造を最適化できることから従来技術では実現できなかった疎水性溶剤を多く含むインクにおいても高い分散安定性を実現することができ、保存安定性および吐出安定性に優れたインクを実現できた。
以下、本発明のインクの構成について詳細を説明する。
<インク>
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
<有機溶剤>
本発明のインクは高画質化を目的として溶解パラメーターが9.00以上11.80以下の有機溶剤をインク全量に対して30質量%以上60質量%以下含有している。
溶解パラメーターが9.00よりも小さい有機溶剤を用いた場合は、有機溶剤の疎水性が強すぎるためにキナクリドン顔料の分散安定性が損なわれる。一方、溶解パラメーターが11.80を超える場合は、有機溶剤の疎水性が劣ることから紙面におけるインクの浸透速度を十分に上げることができず、ビーディングやにじみといった不良画像が発生する場合がある。また有機溶剤の量についても同様に、含有量が60質量%よりも多い場合は分散安定性が悪化する場合があり、30質量%よりも少ない場合は不良画像が発生する場合がある。
前記溶解パラメーターとは互いの溶けやすさを数値化したものであり、互いの分子間の引き合う力、即ち、凝集エネルギー密度CED(Cohesive Energy Density)の平方根で表される。なお、前記CEDとは、1mLのものを蒸発させるのに要するエネルギー量である。
溶解パラメーター(SP値)はHildebrandによって導入された正則溶液理論により定義され、二成分系溶液の溶解度の目安となる。溶解パラメーターの計算方法については諸説あるが、本発明においては一般的に用いられているFedorsの方法により下記式(B)を用いてSP値を計算することができる。
溶解パラメーター(SP値)=(CED値)1/2=(E/V)1/2 ・・・式(B)
前記式(B)において、Eは分子凝集エネルギー(cal/mol)、Vは分子容(cm3/mol)であり、原子団の蒸発エネルギーをΔei、モル体積をΔviとした場合、下記式(C)、及び式(D)で示される。
E=ΣΔei ・・・式(C)
V=ΣΔvi ・・・式(D)
なお、前記計算方法、各原子団の蒸発エネルギーΔei及びモル体積Δviの諸データとしては、「接着の基礎理論」(井本稔著、高分子刊行会発行、第5章)に記載のデータを用いることができる。また、−CF基などの値が示されていないものに関しては、Robert F.Fedors,Polymer Engineering and Science,1974,Vol14,No.2,147−154を参照することができる。
溶解パラメーターの単位は(cal/cm31/2である。
本発明における溶解パラメーターが9.00以上11.80以下の有機溶剤の具体例を溶解パラメーターとともに以下に挙げる。
3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(9.03)、N,N−ジメチル−3−プロパンアミド(9.08)、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(9.13)、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(9.19)、3−メトキシ−3−メチルブタノール(9.64)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(9.66)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(9.77)、3−メチル−1−ブタノール(9.79)、1−プロポキシ−2−プロパノール(9.82)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(9.86)、3−メトキシ−1−ブタノール(9.98)、2−ブタノール(9.98)、エチレングリコールモノブチルエーテル(9.99)、1−ペンタノール(9.99)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(10.14)、1−メトキシ−2−プロパノール(10.19)、1−ブタノール(10.21)、2−プロパノール(10.24)、1−プロパノール(10.52)、1−メチル−2−ピロリドン(10.84)、エタノール(10.96)、δ−バレロラクトン(11.06)、3−エチル−3−オキセタンメタノール(11.31)、テトラエチレングリコール(11.58)、γ−ブチロラクトン(11.62)、メノタール(11.68)、3−メチル−3−オキセタンメタノール(11.79)等。
これらの有機溶剤の中では、保存安定性と高画質画像形成の両立という点から、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、N,N−ジメチル−3−プロパンアミド、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−エチル−3−オキセタンメタノールおよび3−メチル−3−オキセタンメタノールが好ましい。これらは1種でも2種以上でもいずれも好ましく用いることができる。これら溶解パラメーターが9.00以上11.80以下の有機溶剤の含有量は、インク全量に対して30質量%以上60質量%以下であり、より好ましくは40質量%以上50質量%以下である。
本発明のインクにおいては、溶解パラメーターが9.00以上11.80以下の有機溶剤として、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、N,N−ジメチル−3−プロパンアミド、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−エチル−3−オキセタンメタノールおよび3−メチル−3−オキセタンメタノールから選択される有機溶剤を用い、さらに炭素数が5〜7のアルカンジオール(シクロアルカンジオールを含む)を含有させても良い。
炭素数が5〜7のアルカンジオールとしては特に制限されないが、具体例としては、例えば、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3,4−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,3−ペンタンジオール、4−メチル−1,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,2−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−エチル−1,2−ブタンジオール、3−エチル−1,3−ブタンジオール、3−エチル−1,4−ブタンジオール、2,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,3−ジメチル−1,3−ブタンジオール、2,3−ジメチル−1,4−ブタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,3−ヘプタンジオール、1,4−ヘプタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2,3−ヘプタンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2,5−ヘプタンジオール、2,6−ヘプタンジオール、3,4−ヘプタンジオール、3,5−ヘプタンジオール、2−メチル−1,2−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,4−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,2−ヘキサンジオール、3−メチル−1,3−ヘキサンジオール、3−メチル−1,4−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、2,3−ジメチル−1,2−ペンタンジオール、2,3−ジメチル−1,3−ペンタンジオール、2,3−ジメチル−1,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,2−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,4−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールなどが挙げられる。特には炭素数が6のアルカンジオールが良好に用いられる。このようなアルカンジオールを用いることで、インクジェットヘッドのノズル面をキャップできないラインヘッド型プリンタやインク中の水分が揮発しやすい循環吐出型ヘッドと組み合わせた場合においても、十分な吐出安定性と保存安定性を実現することが可能となった。これは分散剤に含まれる疎水基や親水基とのバランスを良好に保てるためと考えられるが、特にはこのようなアルカンジオールを用いることで分散剤中に含まれるポリオキシエチレン構造といった親水性鎖を適切な長さとすることができ、水分が揮発して顔料粒子同士の距離が近づいた場合においても、顔料表面から伸びている分散剤の親水性鎖同士が絡み合わない長さにできることから、長期間に渡って良好な保存安定性と吐出安定性を両立することが可能となった。
前記炭素数が5〜7のアルカンジオールの含有量は、インク全量に対して5質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
前記炭素数が5〜7のアルカンジオールは、溶解パラメーターが9.00以上11.80以下であっても、その範囲外であってもよい。溶解パラメーターが9.00以上11.8以下の場合は、その含有量は、溶解パラメーターが9.00以上11.80以下の有機溶剤の含有量に含まれる。
本発明のインクは、溶解パラメーターが9.00以上11.80以下の有機溶剤及び炭素数が5〜7のアルカンジオールの他にインクの有機溶剤として通常に使用されるその他の有機溶剤を併用しても良い。
その他の有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、30質量%以上60質量%以下が好ましく、35質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、30質量%以上65質量%以下が好ましく、35質量%〜55質量%がより好ましい。
<色材>
本発明においては、色材としては色域および耐候性の点からキナクリドン顔料を用いる。
キナクリドン顔料としては置換基を有するか置換基を有しないキナクリドンが挙げられる。置換基としてはメチル基、クロロ基、メトキシ基等を挙げることができる。キナクリドン顔料の例としてはC.I.ピグメントレッド122(2,9−ジメチルキナクリドン)、C.I.ピグメントレッド202(2,9−ジクロロキナクリドン)、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209(3,10−ジクロロキナクリドン)、及びC.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、3,10−ジメチルキナクリドン、3,10−ジクロロキナクリドン、3,10−ジメトキシキナクリドン、4,11−ジメチルキナクリドン、4,11−ジクロロキナクリドン、4,11−ジメトキシキナクリドン、キナクリドンキノン等が挙げられる。これらのキナクリドン顔料は少なくとも1種を良好に用いることができるが、色相や分散安定性の点からC.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントバイオレット19を良好に用いることができる。
本発明におけるキナクリドン顔料は、色域拡大などの目的に応じて2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種以上のキナクリドン顔料を用いる場合、良好な組み合わせとしては無置換キナクリドン、ジメチルキナクリドン、ジクロロキナクリドンから少なくとも2種を含む組み合わせが好ましい。より具体的にはC.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントバイオレット19が挙げられ、これらの混合物や固溶体など組み合わせの形態には関係なくいずれも良好に用いることができる。
キナクリドン顔料は結晶構造に異方性を有していることから、顔料表面全体に分散剤を強固に吸着させることが難しく分散安定性に課題があった。本発明においてはシナジスト、分散剤および加熱処理を用いることでさらに高い保存安定性および吐出安定性を実現できた。これは顔料、シナジスト、分散剤を適切に選定することで、分散剤が顔料表面により強固に吸着でき、さらに本発明の加熱処理を行うことで、分散剤の疎水性部分と親水性部分の立体構造を最適化できることから従来技術では実現できなかった疎水性溶剤を多く含むインクにおいても高い分散安定性を実現することができ、保存安定性および吐出安定性に優れたインクを実現できた。
インク中のキナクリドン顔料の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
上記顔料に加えて用いることのできる色材としては公知のものがある。色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料をインク中に分散させるには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法などが挙げられる。顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。このような自己分散顔料は単独で用いることもできるが、親水性官能基を導入していない顔料とシナジストを組み合わせて用いることも可能であり、本発明のキナクリドン顔料に対してはキナクリドンのスルホン酸誘導体をシナジストとして良好に用いることができる。
シナジストは顔料骨格に酸性基や塩基性基といった極性基を導入した顔料誘導体であり、π−π相互作用や疎水性相互作用によって顔料表面に吸着し、顔料表面を酸性もしくは塩基性に改質できる。これによって顔料粒子同士での静電反発大きくなることから分散安定性を高めることができ、また分散剤に導入された酸性基や塩基性基などの親水性部分とも静電的な吸着力が高められることから、シナジストを介して顔料表面に分散剤が強固に吸着できるようになり、顔料粒子同士の静電反発に加えて立体障害の点でも分散安定性は高められる。シナジストとして用いられる顔料骨格としてはアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、イソインドリン顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ピランスロン顔料、チオインジゴ顔料、及びキノフタロン顔料等が挙げられる。
極性基としては、アルキルアミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、及びフタルイミド基等が挙げられる。本発明におけるシナジストとしては公知のもの(例えば日本ルブリゾール社製ソルスパース5000、ソルスパース12000、ソルスパース22000)も有効に用いることができるが、本発明に用いられるキナクリドン顔料との吸着力を向上するという点でシナジストの顔料骨格としてはキナクリドン顔料が良好である。またシナジストに導入される極性基としては、導入の容易さの点からスルホン酸基を良好に用いることができ、シナジストとしてはキナクリドンのスルホン酸誘導体が特に良好に用いられる。
インク中のシナジストの含有量は、良好な分散安定性および色域や色再現性の点から、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上5質量%以下である。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、公知の低分子型分散剤や高分子型分散剤を用いて分散する方法が挙げられ、分散安定性の点から高分子分散剤が良好である。
高分子分散剤としてはDISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、DISPERBYK−107、DISPERBYK−108、DISPERBYK−109、DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、DISPERBYK−115、DISPERBYK−118、DISPERBYK−140、DISPERBYK−142、DISPERBYK−145、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−180、DISPERBYK−181、DISPERBYK−182、DISPERBYK−184、DISPERBYK−185、DISPERBYK−187、DISPERBYK−190、DISPERBYK−191、DISPERBYK−192、DISPERBYK−193、DISPERBYK−194N、DISPERBYK−199、DISPERBYK−2000、DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2008、DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2010、DISPERBYK−2012、DISPERBYK−2013、DISPERBYK−2015、DISPERBYK−2022、DISPERBYK−2025、DISPERBYK−2026、DISPERBYK−2050、DISPERBYK−2051、DISPERBYK−2052、DISPERBYK−2055、DISPERBYK−2063、DISPERBYK−2064、DISPERBYK−2200、BYKJET−9131、BYKJET−9132、BYKJET−9133、BYKJET−9142、BYKJET−9150、BYKJET−9151、BYKJET−9152、BYKJET−9170(以上BYK−chemie社製)、Dispex AA 4040 NS(old Dispex A40)、Dispex AA 4140 NS、Dispex AA 4144(old Hydropalat 44)、Dispex CX 4240(old Dispex GA40)、Dispex CX 4320(old Pigment Disperser MD 20) 、Dispex CX 4325 (old Dispex HDN)、Dispex CX 4340(old Dispex G40) 、Dispex CX 4910(old Dispex N100)、Dispex Ultra FA 4404(old Hydropalat 3204)、Dispex Ultra FA 4420(old Efka 6220)、Dispex Ultra FA 4425(old Efka 6225)、Dispex Ultra FA 4431(old Efka 6230)、Dispex Ultra FA 4436(old Hydropalat 3216)、Dispex Ultra FA 4480 NU(old Hydropalat 1080)、Dispex Ultra PA 4501(old Efka 1501)、Dispex Ultra PA 4503(old Efka 1503)、Dispex Ultra PA 4510(old Efka 4510)、Dispex Ultra PA 4530(old Efka 4530)、Dispex Ultra PA 4550(old Efka 4550)、Dispex Ultra PA 4560(old Efka 4560)、Dispex Ultra PA 4570(old Efka 4570)、Dispex Ultra PA 4580(old Efka 4580)、Dispex Ultra PA 4590(old Efka 4590)、Dispex Ultra PA 4590(old Efka 7441)、Dispex Ultra PX 4585(old Efka 4585)(以上BASF社製)などが挙げられる。
これらは1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。また分散安定性の点からポリオキシエチレン構造を有するものが好ましい。さらにこれらの分散方法は組み合わせて用いることも可能であり、分散安定性の点から特には親水性官能基を導入した顔料を分散剤を用いて分散させる方法、親水性官能基を導入していない顔料とシナジストとを分散剤を用いて分散させる方法が好ましい。
本発明のインクを構成する顔料と、シナジストと、分散剤との質量比は、顔料に対してシナジストと分散剤が吸着する能力の点から、以下の範囲が好ましい。すなわち、顔料:シナジスト:分散剤の質量比は、70〜100/0.1〜20/5〜100が好ましく、より好ましくは75〜95/0.5〜15/7.5〜75であり、更に好ましくは80〜90/1〜10/10〜50である。
本発明のインクは、キナクリドン顔料および溶解パラメーターが9.00以上11.80以下の有機溶剤を含有するインクの原料混合物を加熱処理する工程を有する製造方法により得ることができる。加熱処理は各種ヒーター等を用いる従来の方法を用いることができるが、組成変動や分散安定性の点から加熱処理はインク揮発を抑制した密封状態で行なうことが好ましい。
本発明においてはシナジストおよび加熱処理を用いることで溶解パラメーターが9.00以上11.80以下の有機溶剤をインク全量に対して30〜60質量%と多量に含有するインク中においてもキナクリドン顔料の分散安定性を高めている。ここで用いられる分散剤としては親水性部分を有する高分子分散剤を良好に用いることができ、さらには親水性部分としてポリオキシエチレン構造を有するものが好ましい。このような親水性部分を有する分散剤は本発明における加熱処理により、分散剤の疎水性部分と親水性部分の立体構造を最適化でき、特に親水性部分がポリオキシエチレン構造である分散剤については、加熱処理によりポリオキシエチレン構造部分の親水性が低下するが、これによって親水性鎖の長さが適度に短くなることで、キナクリドン顔料表面に吸着した分散剤同士の相互作用を低減できることから高い分散安定性を実現できる。
色材に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。
顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。さらに本発明のインクについては分散安定化を目的として加熱処理を行うことが好ましい。加熱処理条件はインクに用いる材料によって適切に制御する必要があるが、加熱処理における加熱温度は25℃〜100℃、より好ましくは40〜70℃である。加熱処理の時間は数分〜10日、より好ましくは1時間〜1日である。このような加熱処理を行うことでインク物性の更なる安定化が可能となる。
<樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。
中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
Figure 2018039969
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 2018039969
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
一般式(F−2)
n2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)a−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCm2m+1でmは1〜6の整数、又はCH2CH(OH)CH2−C2m+1でmは4〜6の整数、又はCp2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。
この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<インク収容容器>
本発明のインク収容容器は、インクを収容するインク収容部を備えたインク収容容器であって、前記インク収容部に収容されたインクが、本発明のインクである。前記インクを容器中に収容し、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を有する。
前記容器には特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例として、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク収容部などを少なくとも有するもの、例えば、インク収容部を有するメインタンク、インクカートリッジなどが好適である。
<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
記録媒体としては、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
<記録物>
本発明のインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
本発明の記録装置は、本発明のインクを吐出ヘッドから吐出させて記録媒体に情報又は画像を記録するインク吐出手段を有する。
本発明の記録方法は、本発明のインクにインク吐出手段を介して刺激を印加し、吐出ヘッドから該インクを吐出させて記録媒体に情報又は画像を記録するインク吐出工程を含む。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれ、吐出ヘッドとしては、複数の個別液室内の液体を循環させる循環型吐出ヘッド、循環型ではない吐出ヘッドのいずれも用いることができる。
高画質と高生産性の両立を狙って循環型吐出ヘッドと組み合わせた場合は、循環タンク内においては負圧下でインクが循環されるため、インクの水分が揮発することでインクは疎水的な組成へと変動する。このように親水性および疎水性のバランスが変わることで、インク中に含まれる顔料の分散安定性が損なわれてしまい、連続して印字をした場合吐出乱れがおき易くなるという課題が生じる。
しかし、本発明によれば、保存安定性と吐出安定性に優れ、ビーディングを抑制した高画質な画像形成が可能なインクを提供することができ、さらに、この効果は循環型吐出ヘッドと組み合わせた場合においても十分に発揮される。また、循環型吐出ヘッドを用いると吐出乱れの少ない高品位な画像が得られるのと同時にメンテナンスインクを少なくできることから、上記インクと循環型ヘッドを組み合わせると、ビーディングや吐出乱れといった画像欠陥の少ない高品位な画像が、高い生産性で得られる。循環型吐出ヘッドについては別途後述する。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
<循環型吐出ヘッドを有する記録装置、記録方法>
循環型吐出ヘッドを有する記録装置は、前記インク吐出手段が、前記インクを吐出するノズル、前記ノズルに連通する複数の個別液室、前記インクを個別液室に流入させる流入流路、及び前記インクを前記個別液室から流出させる流出流路を有するインク吐出ヘッドと、前記インクを前記個別液室から流出させる負圧を発生する負圧発生手段と、を備えている。
循環型吐出ヘッドを有する記録方法は、前記インク吐出工程が、インクを流入流路により個別液室に流入させた後、負圧の発生により前記インクを個別液室から流出流路により流出させる工程を含む。
以下に循環型吐出ヘッドの一例について図3ないし図8を参照して説明する。図3は同液体吐出ヘッドの外観斜視説明図、図4は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向の断面説明図、図5は同ヘッドのノズル配列方向と平行な方向の断面説明図、図6は同ヘッドのノズル板の平面説明図、図7は同ヘッドの流路部材を構成する各部材の平面説明図、図8は同ヘッドの共通液室部材を構成する各部材の平面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、ノズル板1と、流路板2と、壁面部材としての振動板部材3とを積層接合している。そして、振動板部材3を変位させる圧電アクチュエータ11と、共通液室部材20と、カバー29を備えている。
ノズル板1は、液体を吐出する複数のノズル4を有している。
流路板2は、ノズル4に通じる個別液室6、個別液室6に通じる流体抵抗部7、流体抵抗部7に通じる液導入部8を形成している。また、流路板2は、ノズル板1側から複数枚の板状部材41〜45を積層接合して形成され、これらの板状部材41〜45と振動板部材3を積層接合して流路部材40が構成されている。
振動板部材3は、液導入部8と共通液室部材20で形成される共通液室10とを通じる開口としてのフィルタ部9を有している。
前記流入流路は、個別液室6に接続された流路であって個別液室流入「前」の流路であればよく、前記液導入部8や共通液室10が流入流路に該当する。
振動板部材3は、流路板2の個別液室6の壁面を形成する壁面部材である。この振動板部材3は2層構造(限定されない)とし、流路板2側から薄肉部を形成する第1層と、厚肉部を形成する第2層で形成され、第1層で個別液室6に対応する部分に変形可能な振動領域30を形成している。
ここで、ノズル板1には、図6にも示すように、複数のノズル4が千鳥状に配置されている。
流路板2を構成する板状部材41には、図7(a)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部(溝形状の貫通穴の意味)6aと、流体抵抗部51、循環流路52を構成する貫通溝部51a、52aが形成されている。
同じく板状部材42には、図7(b)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6bと、循環流路52を構成する貫通溝部52bが形成されている。
同じく板状部材43には、図7(c)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6cと、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53aが形成されている。
同じく板状部材44には、図7(d)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6dと、流体抵抗部7を構成する貫通溝部7aと、液導入部8を構成する貫通溝部8aと、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53bが形成されている。同じく板状部材45には、図7(e)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6eと、液導入部8を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部8b(フィルタ下流側液室となる)と、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53cが形成されている。
振動板部材3には、図7(f)に示すように、振動領域30と、フィルタ部9と、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53dが形成されている。
このように、流路部材を複数の板状部材を積層接合して構成することで、簡単な構成で複雑な流路を形成することができる。
以上の構成により、流路板2及び振動板部材3からなる流路部材40には、各個別液室6に通じる流路板2の面方向に沿う流体抵抗部51、循環流路52及び循環流路52に通じる流路部材40の厚み方向の循環流路53が形成される。なお、循環流路53は後述する循環共通液室50に通じている。
前記流出流路は、個別液室6に接続された流路であって個別液室流入「後」の流路であればよく、前記循環流路52、53、循環共通液室50が流出流路に該当する。
一方、共通液室部材20には、供給・循環機構494から液体が供給される共通液室10と循環共通液室50が形成されている。
共通液室部材20を構成する第1共通液室部材21には、図8(a)に示すように、圧電アクチュエータ用貫通穴25aと、下流側共通液室10Aとなる貫通溝部10aと、循環共通液室50となる底の有る溝部50aが形成されている。
同じく第2共通液室部材22には、図8(b)に示すように、圧電アクチュエータ用貫通穴25bと、上流側共通液室10Bとなる溝部10bが形成されている。
また、図3も参照して、第2共通液室部材22には、共通液室10のノズル配列方向の一端部と供給ポート71を通じる供給口部となる貫通穴71aが形成されている。
同様に、第1共通液室部材21及び第2共通液室部材22には、循環共通液室50のノズル配列方向の他端部(貫通穴71aと反対側の端部)と循環ポート81を通じる貫通穴81a、81bが形成されている。
なお、図8において、底の有る溝部については面塗りを施して示している(以下の図でも同じである)。
このように、共通液室部材20は、第1共通液室部材21及び第2共通液室部材22によって構成され、第1共通液室部材21を流路部材40の振動板部材3側に接合し、第1共通液室部材21に第2共通液室部材22を積層して接合している。
ここで、第1共通液室部材21は、液導入部8に通じる共通液室10の一部である下流側共通液室10Aと、循環流路53に通じる循環共通液室50とを形成している。また、第2共通液室部材22は、共通液室10の残部である上流側共通液室10Bを形成している。
このとき、共通液室10の一部である下流側共通液室10Aと循環共通液室50とはノズル配列方向と直交する方向に並べて配置されるとともに、循環共通液室50は共通液室10内に投影される位置に配置される。
これにより、循環共通液室50の寸法が流路部材40で形成される個別液室6、流体抵抗部7及び液導入部8を含む流路に必要な寸法による制約を受けることがなくなる。
そして、循環共通液室50と共通液室10の一部が並んで配置され、循環共通液室50は共通液室10内に投影される位置に配置されることで、ノズル配列方向と直交する方向のヘッドの幅を抑制することができ、ヘッドの大型化を抑制できる。共通液室部材20は、ヘッドタンクや液体カートリッジから液体が供給される共通液室10と循環共通液室50を形成する。
一方、振動板部材3の個別液室6とは反対側に、振動板部材3の振動領域30を変形させる駆動手段としての電気機械変換素子を含む圧電アクチュエータ11を配置している。
この圧電アクチュエータ11は、図5に示すように、ベース部材13上に接合した圧電部材12を有し、圧電部材12にはハーフカットダイシングによって溝加工して1つの圧電部材12に対して所要数の柱状の圧電素子12A、12Bを所定の間隔で櫛歯状に形成している。
ここでは、圧電部材12の圧電素子12Aは駆動波形を与えて駆動させる圧電素子とし、圧電素子12Bは駆動波形を与えないで単なる支柱として使用しているが、すべての圧電素子12A、12Bを駆動させる圧電素子として使用することもできる。
そして、圧電素子12Aを振動板部材3の振動領域30に形成した島状の厚肉部である凸部30aに接合している。また、圧電素子12Bを振動板部材3の厚肉部である凸部30bに接合している。
この圧電部材12は、圧電層と内部電極とを交互に積層したものであり、内部電極がそれぞれ端面に引き出されて外部電極が設けられ、外部電極にフレキシブル配線部材15が接続されている。
このように構成した循環型吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子12Aに与える電圧を基準電位から下げることによって圧電素子12Aが収縮し、振動板部材3の振動領域30が下降して個別液室6の容積が膨張することで、個別液室6内に液体が流入する。
その後、圧電素子12Aに印加する電圧を上げて圧電素子12Aを積層方向に伸長させ、振動板部材3の振動領域30をノズル4に向かう方向に変形させて個別液室6の容積を収縮させることにより、個別液室6内の液体が加圧され、ノズル4から液体が吐出される。
そして、圧電素子12Aに与える電圧を基準電位に戻すことによって振動板部材3の振動領域30が初期位置に復元し、個別液室6が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室10から個別液室6内に液体が充填される。そこで、ノズル4のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行なうこともできる。また、上述した実施形態では、個別液室6に圧力変動を与える圧力発生手段として積層型圧電素子を用いて説明したが、これに限定されず、薄膜状の圧電素子を用いることも可能である。更に、個別液室6内に発熱抵抗体を配し、発熱抵抗体の発熱によって気泡を生成して圧力変動を与えるものや、静電気力を用いて圧力変動を生じさせるものを使用することができる。
次に、循環型吐出ヘッドを用いた液体循環システムの一例を、図9を用いて説明する。
図9は、液体循環システムを示すブロック図である。
図9に示すように、液体循環システムは、メインタンク、液体吐出ヘッド、供給タンク、循環タンク、コンプレッサ、真空ポンプ、第一送液ポンプ、第二送液ポンプ、レギュレータ(R)、供給側圧力センサ、循環側圧力センサなどで構成されている。前記真空ポンプが負圧を発生する手段に該当する。供給側圧力センサは、供給タンクと液体吐出ヘッドとの間であって、液体吐出ヘッドの供給ポート71(図3参照)に繋がった供給流路側に接続されている。循環側圧力センサは、液体吐出ヘッドと循環タンクとの間であって、液体吐出ヘッドの循環ポート81(図3参照)に繋がった循環流路側に接続されている。
循環タンクの一方は第一送液ポンプを介して供給タンクと接続されており、循環タンクの他方は第二送液ポンプを介してメインタンクと接続されている。これにより、供給タンクから供給ポート71を通って液体吐出ヘッド内に液体が流入し、循環ポートから排出されて循環タンクへ排出され、更に第一送液ポンプによって循環タンクから供給タンクへ液体が送られることによって液体が循環する。
また、供給タンクにはコンプレッサがつなげられていて、供給側圧力センサで所定の正圧が検知されるように制御される。一方、循環タンクには真空ポンプがつなげられていて、循環側圧力センサで所定の負圧が検知されるよう制御される。これにより、液体吐出ヘッド内を通って液体を循環させつつ、メニスカスの負圧を一定に保つことができる。
また、循環型吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出すると、供給タンク及び循環タンク内の液体量が減少していくため、適宜メインタンクから第二送液ポンプを用いて、メインタンクから循環タンクに液体を補充することが望ましい。メインタンクから循環タンクへの液体補充のタイミングは、循環タンク内のインクの液面高さが所定高さよりも下がったら液体補充を行うなど、循環タンク内に設けた液面センサなどの検知結果によって制御することができる。
次に、循環型吐出ヘッド内における液体の循環について説明する。図3に示すように、共通液室部材20の端部に、共通液室に連通する供給ポート71と、循環共通液室50に連通する循環ポート81が形成されている。供給ポート71及び循環ポート81は夫々チューブを介して液体を貯蔵する供給タンク・循環タンク(図9参照)につなげられている。そして、供給タンクに貯留されている液体は、供給ポート71、共通液室10、液導入部8、流体抵抗部7を経て、個別液室6へ供給される。
更に、個別液室6内の液体が圧電素子12の駆動によりノズル4から吐出される一方で、吐出されずに個別液室6内に留まった液体の一部もしくは全ては流体抵抗部51、循環流路52、53、循環共通液室50、循環ポート81を経て、循環タンクへと循環される。
なお、液体の循環は循環型吐出ヘッドの動作時のみならず、動作休止時においても実施することができる。動作休止時に循環することによって、個別液室内の液体は常にリフレッシュされると共に、液体に含まれる成分の凝集や沈降を抑制できるので好ましい。一方でメニスカスの負圧を一定に保つために循環タンクには真空ポンプがつなげられているが、揮発性が高い成分が液体中に含まれている場合、これが徐々に揮発し、液体の組成が経時で変動するという課題もある。特に水を含む水系顔料インクを用いた場合はインクに含まれる水分が揮発することで、インクは疎水的な組成へと変動する。このように親水性および疎水性のバランスが変わることで、インク中に含まれる顔料の分散安定性が損なわれてしまい、連続して印字をした場合吐出乱れがおき易くなるという課題が生じるが、疎水性が高い組成においても良好な分散安定性を維持することができる、本発明のインクを用いることで循環型ヘッドを組み合わせた場合においても吐出乱れといった画像欠陥の少ない高品位な画像を、高い生産性で得ることができる。
次に、循環型吐出ヘッドを用いて液体を吐出する装置の一例について図10及び図11を参照して説明する。図10は同装置の要部平面説明図、図11は同装置の要部側面説明図である。
この装置は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
このキャリッジ403には、液体吐出ヘッド404を搭載した液体吐出ユニット440を搭載している。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド404は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
液体吐出ヘッド404の外部に貯留されている液体を液体吐出ヘッド404に供給するための供給・循環機構494により、液体が液体吐出ヘッド404内に供給・循環される。なお、本例において、供給・循環機構494は、供給タンク、循環タンク、コンプレッサ、真空ポンプ、送液ポンプ、レギュレータ(R)等で構成される。また、供給側圧力センサは、供給タンクと液体吐出ヘッドとの間であって、液体吐出ヘッドの供給ポート71に繋がった供給流路側に接続されている。循環側圧力センサは、液体吐出ヘッドと循環タンクとの間であって、液体吐出ヘッドの循環ポート81に繋がった循環流路側に接続されている。
この装置は、用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
搬送ベルト412は用紙410を吸着して液体吐出ヘッド404に対向する位置に搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド404の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド404のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、供給・循環機構494、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
このように構成したこの装置においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド404を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成する。
このように、この装置では、循環型吐出ヘッドを備えているので、高画質画像を安定して形成することができる。
次に、液体吐出ユニットの他の例について図12を参照して説明する。図12は同ユニットの要部平面説明図である。
この液体吐出ユニットは、前記液体を吐出する装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、液体吐出ヘッド404で構成されている。
なお、この液体吐出ユニットの例えば側板491Bに、前述した維持回復機構420、及び供給・循環機構494の少なくともいずれかを更に取り付けた液体吐出ユニットを構成することもできる。
本願において、「液体吐出ヘッド」とは、ノズルから液体を吐出・噴射する機能部品である。
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
この記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。さらに、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
本発明は下記の(1)のインクに係るものであるが、次の(2)〜(15)も実施の形態として含む。
(1)キナクリドン顔料および溶解パラメーターが9.00以上11.80以下の有機溶剤を含有するインクであって、前記有機溶剤の前記インクの全量に対する含有量が30質量%以上60質量%以下であり、前記インクを80℃で4週間、密封加熱したときに、加熱前後の粘度変化率および加熱前後の粒径変化率がともに−5%以上1%以下であるインク。
(2)前記キナクリドン顔料がC.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド209、及びC.I.ピグメントバイオレット19から選ばれる1つ以上の顔料である上記(1)に記載のインク。
(3)前記有機溶剤が3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、N,N−ジメチル−3−プロパンアミド、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−エチル−3−オキセタンメタノールおよび3−メチル−3−オキセタンメタノールから選ばれる1つ以上の有機溶剤である上記(1)又は(2)に記載のインク。
(4)前記インクはさらに炭素数が5〜7のアルカンジオールを含む上記(3)に記載のインク。
(5)前記アルカンジオールが炭素数6のアルカンジオールである上記(4)に記載のインク。
(6)前記アルカンジオールの含有量が、インク全量に対して5質量%以上30質量%以下である上記(4)又は(5)に記載のインク。
(7)前記インクがシナジストを含む上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のインク。
(8)前記シナジストがキナクリドンのスルホン酸誘導体である上記(7)に記載のインク。
(9)前記インクがポリオキシエチレン構造を有する分散剤を含む上記(1)乃至(8)のいずれかに記載のインク。
(10)上記(1)乃至(9)のいずれかに記載のインクの製造方法であって、キナクリドン顔料および溶解パラメーターが9.00以上11.80以下の有機溶剤を含有するインクの原料混合物を加熱処理する工程を有するインクの製造方法。
(11)上記(1)乃至(9)のいずれかに記載のインクを収容したインク収容容器。
(12)上記(1)乃至(9)のいずれかに記載のインクを吐出ヘッドから吐出させて記録媒体に情報又は画像を記録するインク吐出手段を有する記録装置。
(13)前記インク吐出手段が、前記インクを吐出するノズル、前記ノズルに連通する複数の個別液室、前記インクを個別液室に流入させる流入流路、及び前記インクを前記個別液室から流出させる流出流路を有するインク吐出ヘッドと、前記インクを前記個別液室から流出させる負圧を発生する負圧発生手段と、を備えている上記(12)に記載の記録装置。
(14)上記(1)乃至(9)のいずれかに記載のインクにインク吐出手段を介して刺激を印加し、吐出ヘッドから該インクを吐出させて記録媒体に情報又は画像を記録するインク吐出工程を含む記録方法。
(15)前記インク吐出工程が、インクを流入流路により個別液室に流入させた後、負圧の発生により前記インクを個別液室から流出流路により流出させる工程を含む上記(14)に記載の記録方法。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
また、以下の記載においては特に明記しない限り、「部」は「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示す。
(実施例1)
<顔料分散体の作製>
ポリオキシエチレン構造を有する高分子分散剤(ビックケミー社製、BYKJET−9151)の10質量%の水溶液を調製した。この水溶液100gとキナクリドンのスルホン酸誘導体シナジストを含有するキナクリドン顔料(DIC社製、FASTOGEN Super Magenta JM2120、C.I.ピグメントレッド202/ピグメントバイオレット19混晶)50gとイオン交換水150gを加えて12時間攪拌した。得られた混合物をディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)を用いて、周速10m/sで1時間循環分散した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のイオン交換水を加えて、顔料分散体(固形分濃度:15質量%)を得た。
<インクの作製>
上記の顔料分散体30g、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(溶解パラメーター:9.03)30g、ゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤、固形分濃度40質量%)1g、及びイオン交換水39gを混合し、1時間攪拌した後、密封状態で、80℃で6時間の加熱処理を行った。さらに孔径0.8μmのメンブレンフィルターでろ過することで実施例1のインクを得た。
(実施例2)
<顔料分散体の作製>
ポリオキシエチレン構造を有する高分子分散剤(ビックケミー社製、BYKJET−9152)の10質量%の水溶液を調製した。この水溶液100gとキナクリドンのスルホン酸誘導体シナジストを含有するキナクリドン顔料(DIC社製、FASTOGEN Super Magenta RFS、C.I.ピグメントレッド122/ピグメントバイオレット19混晶)50gとイオン交換水150gを加えて12時間攪拌した。得られた混合物をディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)を用いて、周速10m/sで1時間循環分散した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のイオン交換水を加えて、顔料分散体(固形分濃度:15質量%)を得た。
<インクの作製>
上記の顔料分散体30g、N,N−ジメチル−3−プロパンアミド(溶解パラメーター:9.08)40g、ゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤、固形分濃度40質量%)1g、及びイオン交換水29gを混合し、1時間攪拌した後、密封状態で、70℃で12時間の加熱処理を行った。さらに孔径0.8μmのメンブレンフィルターでろ過することで実施例2のインクを得た。
(実施例3)
<シナジストの合成>
100mL四ツ口フラスコに98%硫酸40gを仕込み、2,9−ジメチルキナクリドン5gを少しずつ加えた。次に温度を90℃とし5時間攪拌することで反応を行い、その後温度を室温に戻した。氷水400gを攪拌している中に反応溶液を少しずつ加え赤紫色の析出物を得た。これをガラスフィルターで濾別し、200gのイオン交換水で3回洗浄したのち、60℃で加熱減圧乾燥を行い2,9−ジメチルキナクリドンのスルホン酸誘導体2.3gを得た。
<高分子分散剤の合成>
アクリル酸10g、ブレンマーPME−1000(日油社製、ポリオキシエチレン構造を有する反応性モノマー)20g、ベンジルメタクリレート5gおよびブチルメタクリレート5gを150mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解してモノマー溶液を調製した。モノマー溶液の10%をアルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.62gの2,2’−アゾイソ(ブチロニトリル)を溶解した溶液を1.5時間かけて滴下し、75℃で6時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。上澄み液を捨て、析出した共重合体を得た。得られた共重合体をテトラヒドロフランに溶解させ、エバポレーションを行った後、減圧乾燥して、39.2gの高分子分散剤A(重量平均分子量Mw:16500、数平均分子量Mn:7200)を得た。
<顔料分散体の作製>
上記ポリオキシエチレン構造を有する高分子分散剤Aの10%の水溶液を調製した。この水溶液100gとキナクリドン顔料(DIC社製、FASTOGEN Super Magenta RTS、C.I.ピグメントレッド122)47gと2,9−ジメチルキナクリドンのスルホン酸誘導体3gとイオン交換水150gを加えて12時間攪拌した。得られた混合物をディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)を用いて、周速10m/sで1時間循環分散した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のイオン交換水を加えて、顔料分散体(固形分濃度:15質量%)を得た。
<インクの作製>
上記の顔料分散体30g、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(溶解パラメーター:9.13)50g、ゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤、固形分濃度40質量%)1g、及びイオン交換水19gを混合し、1時間攪拌した後、密封状態で、60℃で24時間の加熱処理を行った。さらに孔径0.8μmのメンブレンフィルターでろ過することで実施例3のインクを得た。
(実施例4)
<シナジストの合成>
100mL四ツ口フラスコに98%硫酸40gを仕込み、3,10−ジクロロキナクリドン5gを少しずつ加えた。次に温度を90℃とし5時間攪拌することで反応を行い、その後温度を室温に戻した。氷水400gを攪拌している中に反応溶液を少しずつ加え赤紫色の析出物を得た。これをガラスフィルターで濾別し、200gのイオン交換水で3回洗浄したのち、60℃で加熱減圧乾燥を行い3,10−ジクロロキナクリドンのスルホン酸誘導体2.2gを得た。
<顔料分散体の作製>
高分子分散剤(BASF社製、Dispex Ultra PA 4550)の10%の水溶液を調製した。この水溶液100gとキナクリドン顔料(DIC社製、FASTOGEN Super Magenta Red 209228−6736、C.I.ピグメントレッド209)47gと3,10−ジクロロキナクリドンのスルホン酸誘導体3gとイオン交換水150gを加えて12時間攪拌した。得られた混合物をディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)を用いて、周速10m/sで1時間循環分散した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のイオン交換水を加えて、顔料分散体(固形分濃度:15質量%)を得た。
<インクの作製>
上記の顔料分散体30g、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(溶解パラメーター:9.19)60g、ゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤、固形分濃度40質量%)1g、及びイオン交換水9gを混合し、1時間攪拌した後、密封状態で、50℃で48時間の加熱処理を行った。さらに孔径0.8μmのメンブレンフィルターでろ過することで実施例4のインクを得た。
(実施例5)
<シナジストの合成>
100mL四ツ口フラスコに98%硫酸40gを仕込み、2,9−ジクロロキナクリドン5gを少しずつ加えた。次に温度を90℃とし5時間攪拌することで反応を行い、その後温度を室温に戻した。氷水400gを攪拌している中に反応溶液を少しずつ加え赤紫色の析出物を得た。これをガラスフィルターで濾別し、200gのイオン交換水で3回洗浄したのち、60℃で加熱減圧乾燥を行い2,9−ジクロロキナクリドンのスルホン酸誘導体2.1gを得た。
<顔料分散体の作製>
高分子分散剤(BASF社製、Dispex Ultra PA 4560)の10%の水溶液を調製した。この水溶液100gとキナクリドン顔料(BASF社製、Cinquasia Magenta D 4500 J、C.I.ピグメントレッド202/ピグメントバイオレット19混晶)47gと2,9−ジクロロキナクリドンのスルホン酸誘導体3gとイオン交換水150gを加えて12時間攪拌した。得られた混合物をディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)を用いて、周速10m/sで1時間循環分散した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のイオン交換水を加えて、顔料分散体(固形分濃度:15質量%)を得た。
<インクの作製>
上記の顔料分散体30g、3−エチル−3−オキセタンメタノール(溶解パラメーター:11.31)40g、ゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤、固形分濃度40質量%)1g、及びイオン交換水29gを混合し、1時間攪拌した後、密封状態で、40℃で72時間の加熱処理を行った。さらに孔径0.8μmのメンブレンフィルターでろ過することで実施例5のインクを得た。
(実施例6)
<シナジストの合成>
100mL四ツ口フラスコに98%硫酸40gを仕込み、無置換キナクリドン5gを少しずつ加えた。次に温度を90℃とし5時間攪拌することで反応を行い、その後温度を室温に戻した。氷水400gを攪拌している中に反応溶液を少しずつ加え赤紫色の析出物を得た。これをガラスフィルターで濾別し、200gのイオン交換水で3回洗浄したのち、60℃で加熱減圧乾燥を行い無置換キナクリドンのスルホン酸誘導体2.0gを得た。
<顔料分散体の作製>
高分子分散剤(BASF社製、 PX 4585)の10%の水溶液を調製した。この水溶液100gとキナクリドン顔料(クラリアント社製、Ink Jet Magenta E7B VP 3958、C.I.ピグメントレッド122/ピグメントバイオレット19混晶)47gと無置換キナクリドンのスルホン酸誘導体3gとイオン交換水150gを加えて12時間攪拌した。得られた混合物をディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)を用いて、周速10m/sで1時間循環分散した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のイオン交換水を加えて、顔料分散体(固形分濃度:15質量%)を得た。
<インクの作製>
上記の顔料分散体30g、3−メチル−3−オキセタンメタノール(溶解パラメーター:11.79)40g、ゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤、固形分濃度40質量%)1g、及びイオン交換水29gを混合し、1時間攪拌した後、密封状態で、30℃で120時間の加熱処理を行った。さらに孔径0.8μmのメンブレンフィルターでろ過することで実施例6のインクを得た。
(実施例7)
実施例5のインクの作製に用いた3−エチル−3−オキセタンメタノール(溶解パラメーター:11.31)40gを以下のように変更した以外は実施例5と同様に実施例7のインクを得た。
3−エチル−3−オキセタンメタノール(溶解パラメーター:11.31)30g
1,2−ペンタンジオール(溶解パラメーター:12.21)10g
(実施例8)
実施例5のインクの作製に用いた3−エチル−3−オキセタンメタノール(溶解パラメーター:11.31)40gを以下のように変更した以外は実施例5と同様に実施例8のインクを得た。
3−エチル−3−オキセタンメタノール(溶解パラメーター:11.31)10g
1,2−ヘキサンジオール(溶解パラメーター:11.80)30g
(実施例9)
実施例5のインクの作製に用いた3−エチル−3−オキセタンメタノール(溶解パラメーター:11.31)40gを以下のように変更した以外は実施例5と同様に実施例9のインクを得た。
3−エチル−3−オキセタンメタノール(溶解パラメーター:11.31)35g
1,7−ヘプタンジオール(溶解パラメーター:11.61)5g
(比較例1)
実施例1のインクの作製を以下のように変更した以外は実施例1と同様にして比較例1のインクを作製した。
<インクの作製>
実施例1で作製した顔料分散体30g、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(溶解パラメーター:9.03)25g、ゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤、固形分濃度40質量%)1g、及びイオン交換水44gを混合し、1時間攪拌した後、密封状態で、80℃で6時間の加熱処理を行った。さらに孔径0.8μmのメンブレンフィルターでろ過することで比較例1のインクを得た。
(比較例2)
実施例4のインクの作製を以下のように変更した以外は実施例4と同様にして比較例2のインクを作製した。
<インクの作製>
実施例4で作製した顔料分散体30g、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(溶解パラメーター:9.19)65g、ゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤、固形分濃度40質量%)1g、及びイオン交換水4gを混合し、1時間攪拌した後、密封状態で、50℃で48時間の加熱処理を行った。さらに孔径0.8μmのメンブレンフィルターでろ過することで比較例2のインクを得た。
(比較例3)
実施例3の顔料分散体を以下のように変更した以外は実施例3と同様にして比較例3のインクを作製した。
<顔料分散体の作製>
高分子分散剤(ビックケミー社製、BYKJET−9170)の10%の水溶液を調製した。この水溶液100gとキナクリドン顔料(DIC社製、FASTOGEN Super Magenta RTS、C.I.ピグメントレッド122)50gとイオン交換水150gを加えて12時間攪拌した。得られた混合物をディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)を用いて、周速10m/sで1時間循環分散した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のイオン交換水を加えて、顔料分散体(固形分濃度:15質量%)を得た。
(比較例4)
実施例3で用いた高分子分散剤を以下のように合成したものに変更した以外は実施例3と同様にして比較例4のインクを作製した。
<高分子分散剤の合成>
アクリル酸10g、スチレン10g、ベンジルメタクリレート10gおよびブチルメタクリレート10gを150mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解してモノマー溶液を調製した。モノマー溶液の10%をアルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.82gの2,2’−アゾイソ(ブチロニトリル)を溶解した溶液を1.5時間かけて滴下し、75℃で6時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。上澄み液を捨て、析出した共重合体を得た。得られた共重合体をテトラヒドロフランに溶解させ、エバポレーションを行った後、減圧乾燥して、38.8gの高分子分散剤B(重量平均分子量Mw:15000、数平均分子量Mn:6300)を得た。
(比較例5)
実施例3で用いたインクの加熱処理を行わなかった以外は実施例3と同様に比較例5のインクを作製した。
(比較例6)
実施例1のインクの作製を以下のように変更した以外は実施例1と同様にして比較例6のインクを作製した。
<インクの作製>
実施例1で作製した顔料分散体30g、3−ヘキシルオキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(溶解パラメーター:8.96)25g、ゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤、固形分濃度40質量%)1g、及びイオン交換水44gを混合し、1時間攪拌した後、密封状態で、80℃で6時間の加熱処理を行った。さらに孔径0.8μmのメンブレンフィルターでろ過することで比較例6のインクを得た。
(比較例7)
実施例1のインクの作製を以下のように変更した以外は実施例1と同様にして比較例7のインクを作製した。
<インクの作製>
実施例1で作製した顔料分散体30g、シクロペンタノール(溶解パラメーター:11.87)25g、ゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤、固形分濃度40質量%)1g、及びイオン交換水44gを混合し、1時間攪拌した後、密封状態で、80℃で6時間の加熱処理を行った。さらに孔径0.8μmのメンブレンフィルターでろ過することで比較例7のインクを得た。
以上の実施例1〜9、比較例1〜7のインクの成分及びインク中の顔料分散体、有機溶剤、界面活性剤及びイオン交換水の配合割合を表1〜表3に示す。
また、実施例1〜9、比較例1〜7のインクを用いて、保存安定性、吐出安定性、ビーディングを評価した。
また、保存安定性については粘度変化率、D50変化率、D90変化率を評価した。
評価方法を下記に示す。また、評価結果を表4に示す。
(評価方法)
<保存安定性>
実施例および比較例のインクを作製後、インク20gをガラス容器(アズワン製 ラボランスクリュー管瓶No.6 30mL)に秤り入れて蓋を閉じ、さらにガラス容器と蓋の境界部分をPTFEシールテープ(アズワン製 フッ素シールテープ)で封止を行ない、インク揮発を抑制した状態で24時間室温で静置した。このサンプルについて以下に示す条件で粘度および粒径を測定し、実施例および比較例のインクの保存前の特性値を得た。次に、上記と同様にインク20gをガラス容器(アズワン製 ラボランスクリュー管瓶No.6 30mL)に秤り入れて蓋を閉じ、さらにガラス容器と蓋の境界部分をPTFEシールテープ(アズワン製 フッ素シールテープ)で封止を行ない、保存経時でのインク揮発を抑制した状態で80℃に設定した小型環境試験器(エスペック株式会社製 SU−221)内で4週間静置保存した。4週間の保存終了後にサンプルを小型環境試験器から取り出し、室温環境で3時間静置することでサンプル温度を室温に戻した後、シールテープおよび蓋を開け粘度および粒径を測定することで保存後の特性値を得た。保存前後の特性値を用いて、以下の式から特性値の変化率を求めた。また、保存経時におけるインクの揮発量については、4週間の保存前後においてサンプル質量を測定することで確認し、保存後のインク質量減少が0.05g以下であることを確認し、著しいインク揮発がないことを確認した。
Figure 2018039969
粘度の測定には、粘度計(東機産業株式会社製、TVE−25L)を使用し、標準コーンロータ(1゜34’×R24)で1.1mlのサンプルについて粘度を測定した。サンプル温度は循環恒温槽を用いて25℃になるよう設定した。また粘度測定時のローター回転数については測定値が測定上限値の50〜90%となるように設定した。その他の測定条件は以下の通りとした。
測定モード : 時間オートストップ測定モード
測定レンジ : M
測定単位 : mPas
測定停止時間 : 120秒
プリヒート機能 : ON
プリヒート時間 : 120秒
粒径の測定には粒子径分布測定装置(日機装株式会社製、Nanotrac Wave)を使用し、測定条件を以下のように設定した。セル内の洗浄は純水装置(オルガノ株式会社製、ピュアライトPRO−0100)から得た清浄な純水で十分に行ない、清浄な純水をセル内に投入した。セル内に気泡が入っていないことおよびセル内に揺らぎや動きがないことを目視で確認してからセットゼロ測定を行い、その後、セル内の純水を取り出した。次に顔料濃度が0.05%となるようにインクを純水で希釈したサンプル溶液を作製し、このサンプル溶液を用いてセル内を3回共洗いしてからセル内にサンプル溶液を投入し、セル内に気泡が入っていないことおよびセル内に揺らぎや動きがないことを目視で確認してから粒径分布を測定し、50%径および90%径を測定した。
セットゼロ時間 : 60秒
測定時間 : 120秒
測定回数 : 1回
透過性 : 透過
粒子屈折率 : 1.51
形状 : 非球形
密度 : 1.40
溶媒屈折率 : 1.333
高温時粘度 : 30℃ 0.797
低温時粘度 : 20℃ 1.002
フィルター : Stand:Norm
感度 : Standard
<吐出安定性>
各インクを循環型吐出ヘッドではない吐出ヘッドを有するインクジェットプリンタ(リコー製、IPSiO GX−e5500)にセットし、印字面積が5%の印刷チャートを1000枚印刷した。1000枚印刷直後及び印刷終了から24時間休止した後にベタ画像、ハーフトーン画像、ノズルチェックパターンを産業用インクジェット用紙(三菱製紙社製、SWORD iJET 4.3 グロス)に5枚ずつ印刷し、画像の均一性やノズル抜けの有無を目視で観察することで吐出の乱れやノズル詰まりについて評価を行った。印字条件は100%duty、600×300dpiの記録密度でワンパス印字とした。評価基準は以下に示す。
[評価基準]
A : 吐出の乱れがなく、ノズル詰まりもない
B : 吐出が若干乱れるが、ノズル詰まりはない
C : 吐出が大きく乱れ、ノズルも詰まる
<ビーディング>
上記の吐出安定性で印刷したベタ画像について濃度ムラの程度を目視で評価した。以下の評価基準でランクをつけた。
[評価基準]
A : 濃度ムラなし
B : 若干濃度ムラあり
C : 大きな濃度ムラあり
<循環型吐出ヘッドを用いた吐出安定性>
図3から図11で示した循環型吐出ヘッドを搭載したインクジェットプリンタ(リコー製、IPSiO GX−e5500改造機)に各インクをセットし、印字面積が5%の印刷チャートを1000枚印刷した。1000枚印刷直後及び印刷終了から48時間休止した後にベタ画像、ハーフトーン画像、ノズルチェックパターンを産業用インクジェット用紙(三菱製紙社製、SWORD iJET 4.3 グロス)に5枚ずつ印刷し、画像の均一性やノズル抜けの有無を目視で観察することで吐出の乱れやノズル詰まりについて評価を行った。印字条件は100%duty、600×300dpiの記録密度でワンパス印字とした。評価基準は以下に示す。なお本評価中、インクの循環は循環型吐出ヘッドの動作・休止に関わらず負圧下で常に行なった。
[評価基準]
A : 吐出の乱れがなく、ノズル詰まりもない
B : 吐出がわずかに乱れるが、ノズル詰まりはない
C : 吐出が若干乱れるが、ノズル詰まりはない
D : 吐出が大きく乱れ、ノズルも詰まる
実施例1〜9の本発明のインクは、比較例1〜7のインクに比べ保存安定性、吐出安定性および高画質画像形成の点で優れていることがわかる。さらに循環型吐出ヘッドを用いた記録装置においても本発明のインクは優れた吐出安定性を有していることがわかる。
尚、比較例3、4、6においては、保存安定性の変化率が大きかったため、吐出安定性、ビーディング、循環型吐出ヘッドを用いた吐出安定性の評価は行っていない。
Figure 2018039969
Figure 2018039969
Figure 2018039969
Figure 2018039969
(図1〜図2について)
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
(図3〜図8について)
1 ノズル板
2 流路板
3 振動板部材
4 ノズル
6 個別液室
6a、6b、6c、6d、6e 個別液室を構成する貫通溝部
7 流体抵抗部
7a 流体抵抗部を構成する貫通溝部
8 液導入部
8a、8b 液導入部を構成する貫通溝部
9 フィルタ部
10 共通液室
10A 下流側共通液室
10a 貫通溝部
10B 上流側共通液室
10b 溝部
11 圧電アクチュエータ
12 圧電部材
12A、12B 圧電素子
13 ベース部材
15 フレキシブル配線部材
20 共通液室部材
21 第1共通液室部材
22 第2共通液室部材
25a、25b 圧電アクチュエータ用貫通孔
30 振動領域
30a、30b 凸部
40 流路部材
41〜45 板状部材
50 循環共通液室
50a 溝部
51 流体抵抗部
51a 流体抵抗部を構成する貫通溝部
52、53 循環流路
52a、52b 循環流路を構成する貫通溝部
53a、53b、53c、53d 循環流路を構成する貫通溝部
71 供給ポート
71a 貫通穴
81 循環ポート
81a、81b 貫通穴
(図10〜図12について)
401 ガイド部材
403 キャリッジ
404 液体吐出ヘッド
405 主走査モータ
406 駆動プーリ
407 従動プーリ
408 タイミングベルト
410 用紙
412 搬送ベルト
413 搬送ローラ
414 テンションローラ
416 副走査モータ
417 タイミングベルト
418 タイミングプーリ
420 維持回復機構
421 キャップ部材
422 ワイパ部材
440 液体吐出ユニット
491A、491B 側板
491C 背板
493 主走査移動機構
494 供給・循環機構
495 搬送機構
特開2011−144348号公報 特開2008−69355号公報

Claims (15)

  1. キナクリドン顔料および溶解パラメーターが9.00以上11.80以下の有機溶剤を含有するインクであって、
    前記有機溶剤の前記インクの全量に対する含有量が30質量%以上60質量%以下であり、
    前記インクを80℃で4週間、密封加熱したときに、加熱前後の粘度変化率および加熱前後の粒径変化率がともに−5%以上1%以下であるインク。
  2. 前記キナクリドン顔料がC.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド209、及びC.I.ピグメントバイオレット19から選ばれる1つ以上の顔料である請求項1に記載のインク。
  3. 前記有機溶剤が3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、N,N−ジメチル−3−プロパンアミド、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−エチル−3−オキセタンメタノールおよび3−メチル−3−オキセタンメタノールから選ばれる1つ以上の有機溶剤である請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記インクはさらに炭素数が5〜7のアルカンジオールを含む請求項3に記載のインク。
  5. 前記アルカンジオールが炭素数6のアルカンジオールである請求項4に記載のインク。
  6. 前記アルカンジオールの含有量が、インク全量に対して5質量%以上30質量%以下である請求項4又は5に記載のインク。
  7. 前記インクがシナジストを含む請求項1乃至6のいずれかに記載のインク。
  8. 前記シナジストがキナクリドンのスルホン酸誘導体である請求項7に記載のインク。
  9. 前記インクがポリオキシエチレン構造を有する分散剤を含む請求項1乃至8のいずれかに記載のインク。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載のインクの製造方法であって、キナクリドン顔料および溶解パラメーターが9.00以上11.80以下の有機溶剤を含有するインクの原料混合物を加熱処理する工程を有するインクの製造方法。
  11. 請求項1乃至9のいずれかに記載のインクを収容したインク収容容器。
  12. 請求項1乃至9のいずれかに記載のインクを吐出ヘッドから吐出させて記録媒体に情報又は画像を記録するインク吐出手段を有する記録装置。
  13. 前記インク吐出手段が、前記インクを吐出するノズル、前記ノズルに連通する複数の個別液室、前記インクを個別液室に流入させる流入流路、及び前記インクを前記個別液室から流出させる流出流路を有するインク吐出ヘッドと、前記インクを前記個別液室から流出させる負圧を発生する負圧発生手段と、を備えている請求項12に記載の記録装置。
  14. 請求項1乃至9のいずれかに記載のインクにインク吐出手段を介して刺激を印加し、吐出ヘッドから該インクを吐出させて記録媒体に情報又は画像を記録するインク吐出工程を含む記録方法。
  15. 前記インク吐出工程が、インクを流入流路により個別液室に流入させた後、負圧の発生により前記インクを個別液室から流出流路により流出させる工程を含む請求項14に記載の記録方法。
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