JP5087885B2 - 駐車支援装置、及び駐車支援方法 - Google Patents

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Description

本発明は、駐車支援装置、及び駐車支援方法に関するものである。
従来、自車周囲の鳥瞰画像を作成して表示し、ユーザによって目標駐車位置とその方向が指示されると、現在位置から目標駐車位置への進路を計算し、その計算結果を鳥瞰画像に重ねて表示して駐車支援を行うものがあった(特許文献1参照)。
特開2005−239048号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、現在位置から目標駐車位置への進路を計算する際に、駐車の妨げとなる領域を考慮していない。
本発明の課題は、駐車の妨げとなる領域を考慮し、より現実的な駐車支援を行うことである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る駐車支援装置は、自車両の周囲を撮像し、撮像した画像から俯瞰画像を作成して表示し、表示した俯瞰画像に対して乗員が駐車位置及び進入不可領域を指定した場合、進入不可領域を回避し且つ進退の切換え回数が最小となる現在位置から駐車位置までの軌道を算出するために、駐車位置で最小旋回半径の軌道円を算出し、算出した軌道円上に到達する自車両の軌道を算出し、算出した軌道を俯瞰画像に重畳表示することを特徴とする。
本発明に係る駐車支援装置によれば、進入不可領域を回避し且つ進退の切換え回数が最小となる現在位置から駐車位置までの軌道を俯瞰画像に重畳表示することで、駐車の妨げとなる領域を考慮した、より現実的な駐車支援を行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
《一実施形態》
《構成》
図1は、車両の概略構成である。自動車1には、前後左右の四方を撮像する4台のカメラ2a〜2dと、タッチパネルモニタ3とを搭載し、夫々をコントローラ4に接続する。コントローラ3は、カメラ2a〜2dから入力された画像から俯瞰画像を作成し、これをタッチパネルモニタ3に表示する。一方、タッチパネルモニタ3は、乗員のタッチ操作によって所定の指示が入力されたときに、これをコントローラ4に伝送する。
また、コントローラ3には、車速センサ5と、車輪速センサ6と、舵角センサ7と、スピーカ8とを接続する。スピーカ8は、各種信号音や音声案内を提供するためのものである。
次に、コントローラ4で実行する駐車支援処理を、図2のフローチャートに従って説明する。この駐車支援処理は、例えば目標駐車位置の近傍に停車している状態で、運転者によって駐車支援の開始指令が入力されたときに起動される。
先ずステップS1では、図3に示すように、周囲の俯瞰画像を作成し、これをタッチパネルモニタ3に表示する。
続くステップS2では、目標とする駐車位置が決定されたか否かを判定する。これは、乗員によって駐車位置を決定するタッチ操作がなされたか否かを判定する。ここで、駐車位置が決定されたらステップS3に移行するが、それまではスピーカ8による音声案内の報知や、タッチパネルモニタ3による操作案内の表示によって、駐車位置の決定を乗員に促しながら待機する。
ステップS3では、目標とする駐車位置を俯瞰画像に重畳表示する。このとき、駐車方向は、所定方向としてもよいが、例えば画像処理により、路面の白線、路肩、縁石などのエッジを抽出して、これに沿った方向としてもよい。
続くステップS4では、目標とする駐車方向が決定されたか否かを判定する。これは、乗員によって駐車方向を決定するタッチ操作がなされたか否かを判定する。ここで、駐車方向が決定されたらステップS5に移行するが、それまではスピーカ8による音声案内の報知や、タッチパネルモニタ3による操作案内の表示によって、駐車方向の決定を乗員に促しながら待機する。なお、駐車方向の調整は、既に画像表示された目標駐車位置を、タッチ操作による回転移動や並進移動させて行うものとする。
ステップS5では、進入不可領域が決定されたか否かを判定する。これは、乗員によって進入不可領域を決定するタッチ操作がなされたか否かを判定する。ここで、進入不可領域が決定されたらステップS6に移行するが、それまではスピーカ8による音声案内の報知や、タッチパネルモニタ3による操作案内の表示によって、進入不可領域があれば、その決定を乗員に促しながら待機する。なお、進入不可領域の決定は、少なくとも下記1〜4の何れかの方法で行うものとする。
1.画像の縦枠又は横枠の一つを指定し、それを任意の位置までドラッグすることにより、縦枠又は横枠を一辺の長さとする矩形の進入不可領域を指定する(図4参照)。
2.画像内で一点を指定し、そこから対角方向つまり縦方向と横方向に任意の位置までドラッグすることにより、矩形の進入不可領域を指定する(図5参照)。
3.画像内で任意の領域を囲むことにより、進入不可領域を指定する(図6参照)。
4.画像内で進入不可領域とそれ以外の領域との境界線を指定し、進入不可領域の側を指定することにより、進入不可領域を指定する(図7参照)。
ステップS6では、自車両の旋回特性、現在位置、向き、並びに目標とする駐車位置、及び駐車方向に基づいて、進入不可領域を回避すると共に、進退の切換え回数が最小となる現在位置から駐車位置までの軌道を算出する。
ここで、図8〜図10を例に考える。
先ず、目標となる駐車位置Cで最小旋回半径の軌道円を描く(図8参照)。この軌道円に沿って走行するときに、車両が進入不可領域と干渉すると判断したら、その進入不可領域と干渉しない位置まで、上記の軌道円を平行移動させる(図9参照)。そして、この軌道円上で、初期位置つまり現在位置Aと平行になる位置を算出し、これを進退の切換え位置Bとする(図10参照)。なお、軌道の算出は、直線、円弧、クロソイド曲線の組合わせにより行う。
続くステップS7では、現在位置から駐車位置までの軌道を、少なくとも下記1〜3の何れかの方法で俯瞰画像に重畳表示してから所定のメインプログラムに復帰する。
1.進退の切換え位置Bを含む、現在位置Aから駐車位置Cまで、車体輪郭の射影が描く断続的な軌道を俯瞰画像に重畳表示する(図11参照)。
2.進退の切換え位置Bを含む、現在位置Aから駐車位置Cまで、車体輪郭の射影が通過する領域を俯瞰画像に重畳表示する(図12参照)。
3.進退の切換え位置Bを含む、現在位置Aから駐車位置Cまで、車体輪郭の射影が描く断続的な軌道、及び車体輪郭の射影が通過する領域の双方を俯瞰画像に重畳表示する(図13参照)。
《作用》
次に、一実施形態の作用について説明する。
今、図3に示すような俯瞰画像に対して、運転者によって目標とする駐車位置Cが指定されたとする(ステップS2、S4の判定が“Yes”)。周囲には、既に他の駐車車両が存在しており、その場所には駐車することができず、そこを通過することもできないので、図4〜図7の何れかの要領で、運転者は進入不可領域を指定する(ステップS5の判定が“Yes”)。障害物が存在すれば、これも進入不可領域として指定すればよい。
こうして、駐車位置Cと進入不可領域が指定されたら、図8〜図10に示すように、進入不可領域を回避する現在位置Aから駐車位置Cまでの軌道を算出する(ステップS6)。このとき、駐車位置Cで最小旋回半径の軌道円を描き、その軌道上に到達する自車両の軌道を算出することで、進退の切換え回数が最小となる軌道を算出する。
そして、図11〜図13に示すように、少なくとも現在位置A、進退の切換え位置B、駐車位置Cを含め、車体の射影が描く軌道を俯瞰画像に重畳表示する(ステップS7)。
運転者は、この俯瞰表示された画像を見ることにより、周囲の状況を把握しながら適切な駐車操作を行うことができる。
《応用例》
なお、上記の一実施形態では、単に車体の射影を俯瞰画像に重畳表示しているが、この車体の射影を所定量だけ拡張させて俯瞰画像に重畳表示してもよい。これによれば、余裕を持った駐車操作を行うことができる。
また、上記の一実施形態では、単に車体の射影を俯瞰画像に重畳表示しているが、駐車位置Cでの車体の射影にはドアの可動範囲を追加して俯瞰画像に重畳表示してもよい。これによれば、ドアを開くためのスペースを考慮した駐車を促すことができる。また、乗員の着座位置から乗員の降車ドアを予測し、予測した降車ドアの可動範囲だけを追加したり、乗員の乗降ドアを運転者が判断し、運転者によって指定されたドアの可動範囲だけを追加したりしてもよい。
また、上記の一実施形態では、単に車体の射影が描く軌道を俯瞰画像に重畳表示しているが、車両が駐車動作に移行したら、その実際の走行軌跡を俯瞰画像に重畳表示してもよい。これによれば、目標軌道と実際の走行軌跡との差を把握することができるので、運転者の駐車技能の向上に役立つ。
また、上記の一実施形態では、単に進退の切換え位置Bを表示しているが、その切換え回数を運転者に報知してもよい。これによれば、進退の切換え回数が2回以上となるような場合に、面倒な駐車操作に運転者を備えさせることができる。
また、上記の一実施形態では、俯瞰画像に対して、現在位置Aから駐車位置Cまでの軌道を重畳表示するだけの駐車支援を行っているが、勿論、目標となる軌道に沿って車両が移動するように、ステアリング制御、アクセル制御、ブレーキ制御などを行う駐車支援を行ってもよい。これによれば、運転者の操作負担を更に軽減できる。
また、上記の一実施形態では、4台のカメラ2a〜2dを設置して前後左右の四方を撮像しているが、周囲360度を撮像できれば、3台以下でも5台以上でも構わない。3台以下の場合には、広画角のカメラや可動式のカメラを設置すればよい。
また、上記の一実施形態では、タッチパネルモニタ3へのタッチ操作によって乗員が駐車位置Cや進入不可領域を指定しているが、ジョグダイヤルやコントロールパッド等、他の入力装置によって代替してもよい。
《効果》
以上より、カメラ2a〜2dが「撮像手段」に対応し、タッチパネルモニタ3及びステップS1〜S5、S7の処理が「表示手段」に対応し、タッチパネルモニタ3が「入力手段」に対応し、ステップS6の処理が「算出手段」に対応している。
(1)自車両の周囲を撮像する撮像手段と、撮像手段が撮像した画像から俯瞰画像を作成して表示する表示手段と、表示手段が表示した俯瞰画像に対して乗員が駐車位置及び進入不可領域を指定可能な入力手段と、入力手段により乗員が駐車位置及び進入不可領域を指定したら、進入不可領域を回避する現在位置から駐車位置までの軌道を算出する算出手段とを備え、表示手段は、算出手段が算出した軌道を俯瞰画像に重畳表示する。
このように、進入不可領域を回避する現在位置から駐車位置までの軌道を俯瞰画像に重畳表示することで、駐車の妨げとなる領域を考慮した、より現実的な駐車支援を行うことができる。
(2)算出手段は、進退の切換え回数が最小となる軌道を計算する。
これにより、速やかな駐車が可能になる。
(3)表示手段は、少なくとも現在位置、進退の切換え位置、及び駐車位置での車体の射影を俯瞰画像に重畳表示する。
これにより、車両の全長や車幅などの感覚を把握しやすくなる。
(4)表示手段は、車体の射影が描く軌道を俯瞰画像に重畳表示する。
これにより、内輪差や外輪差を含めた車体の走行領域が一目瞭然となり、自車両が他の駐車車両や障害物と接触するか否かを明確に判断することができる。
(5)表示手段は、車体の射影を所定量だけ拡張させて俯瞰画像に重畳表示する。
これによれば、余裕を持った駐車操作を行うことができる。
(6)表示手段は、駐車位置での車体の射影にはドアの可動範囲を追加して俯瞰画像に重畳表示する。
これによれば、ドアを開くためのスペースを考慮した駐車を促すことができる。
(7)表示手段は、実際の走行軌跡を俯瞰画像に重畳表示する。
これによれば、目標軌道と実際の走行軌跡との差を把握することができるので、運転者の駐車技能の向上に役立つ。
(8)算出手段が算出した軌道における進退の切換え回数を運転者に報知する報知手段を備える。
これによれば、進退の切換え回数が2回以上となるような場合に、面倒な駐車操作に運転者を備えさせることができる。
車両の概略構成図である。 駐車支援処理のフローチャートである。 俯瞰画像である。 進入不可領域の指定手法を示す一例である。 進入不可領域の指定手法を示す一例である。 進入不可領域の指定手法を示す一例である。 進入不可領域の指定手法を示す一例である。 目標軌道の算出手順である。 目標軌道の算出手順である。 目標軌道の算出手順である。 重畳表示の一例である。 重畳表示の一例である。 重畳表示の一例である。
符号の説明
1 自動車
2a〜2d カメラ
3 タッチパネルモニタ
4 コントローラ
5 車速センサ
6 車輪速センサ
7 舵角センサ
8 スピーカ

Claims (8)

  1. 自車両の周囲を撮像する撮像手段と、該撮像手段が撮像した画像から俯瞰画像を作成して表示する表示手段と、該表示手段が表示した俯瞰画像に対して乗員が駐車位置及び進入不可領域を指定可能な入力手段と、該入力手段により乗員が駐車位置及び進入不可領域を指定した場合、前記進入不可領域を回避する現在位置から前記駐車位置までの軌道を算出する算出手段とを備え、
    前記表示手段は、前記算出手段が算出した軌道を前記俯瞰画像に重畳表示し、
    前記算出手段は、前記駐車位置で最小旋回半径の軌道円を算出し、算出した軌道円上に到達する自車両の軌道を算出することで、進退の切換え回数が最小となる軌道を計算することを特徴とする駐車支援装置。
  2. 前記表示手段は、少なくとも現在位置、進退の切換え位置、及び駐車位置での車体の射影を前記俯瞰画像に重畳表示することを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。
  3. 前記表示手段は、車体の射影が描く軌道を前記俯瞰画像に重畳表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の駐車支援装置。
  4. 前記表示手段は、車体の射影を所定量だけ拡張させて前記俯瞰画像に重畳表示することを特徴とする請求項2又は3に記載の駐車支援装置。
  5. 前記表示手段は、駐車位置での車体の射影にはドアの可動範囲を追加して前記俯瞰画像に重畳表示することを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の駐車支援装置。
  6. 前記表示手段は、実際の走行軌跡を前記俯瞰画像に重畳表示することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の駐車支援装置。
  7. 前記算出手段が算出した軌道における進退の切換え回数を運転者に報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の駐車支援装置。
  8. 自車両の周囲を撮像し、撮像した画像から俯瞰画像を作成して表示し、表示した俯瞰画像に対して乗員が駐車位置及び進入不可領域を指定した場合、前記進入不可領域を回避し且つ進退の切換え回数が最小となる現在位置から前記駐車位置までの軌道を算出するために、前記駐車位置で最小旋回半径の軌道円を算出し、算出した軌道円上に到達する自車両の軌道を算出し、算出した軌道を前記俯瞰画像に重畳表示することを特徴とする駐車支援方法。
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