JP5087211B2 - フラビウィルス感染治療のための2′および3′−ヌクレオシドプロドラッグ - Google Patents

フラビウィルス感染治療のための2′および3′−ヌクレオシドプロドラッグ Download PDF

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Description

関連出願に対する相互参照
本願は、2002年6月28日出願の米国暫定特許出願第60/392351号;2003年4月28日出願の米国暫定特許出願第60/466194号;ならびに2003年5月14日出願の米国暫定出願第60/470949号(これらの各出願の開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる)に対する優先権の恩恵を主張するものである。
本発明は、医薬化学の分野におけるものであり、特にはC型肝炎ウィルス感染などのフラビウィルス科ウィルス感染の治療における1′、2′、3′または4′−分岐ヌクレオシドの2′および/または3′プロドラッグである。
フラビウィルス科ウィルス
フラビウィルス科のウィルスには、家禽および豚で疾患を引き起こすペスチウイルス属;デング熱および黄熱病などの疾患の主要な原因であるフラビウィルス属;ならびにHCVのみを構成員とするヘパシウィルス属という少なくとも3種類の異なる属がある。フラビウィルス属には、血清学的関連性に基づいてグループに分けられる68を超える構成員がある(Calisher et al., J. Gen. Virol, 1993,70, 37-43)。臨床的症状は多様であり、発熱、脳炎および出血性熱などがある(Fields Virology, Editors: Fields, B. N., Knipe, D. M., and Howley, P. M., Lippincott-Raven Publishers, Philadelphia, PA, 1996, Chapter 31, 931-959)。ヒト疾患に関連する世界的に懸念されているフラビウィルス類には、デング出血熱(DHF)、黄熱病ウィルス、ショック症候群および日本脳炎ウィルスなどがある(Halstead, S. B., Rev. Infect. Dis., 1984, 6, 251-264; Halstead, S. B., Science, 239: 476-481, 1988 ; Monath, T. P., New Eng. J. Med., 1988, 319, 641-643)。
ペスチウィルス属には、ウシウィルス性下痢症ウィルス(BVDV)、古典的な豚コレラウィルス(CSFV、豚コレラウィルスとも称される)および羊のボーダー病ウィルス(BDV)(Moennig, V. et al. Adv. Vir. Res. 1992, 41, 53-98)などがある。家畜(家禽、豚および羊)のペスチウィルス感染は、世界的にかなりの経済的損失の原因となっている。BVDVは家禽において粘膜疾患を引き起こし、畜産業界にとって経済的に非常に重要性の高いものである(Meyers, G. and Thiel, H. -J., Advances in Virus Research, 1996, 47, 53-118; Moennig V., et al, Adv. Vir. Res. 1992, 41, 53-98)。ヒトペスチウィルスは動物ペスチウィルスほど広範囲に特性決定されているわけではない。しかしながら、血清学的調査により、ヒトにおいてかなりのペスチウィルス曝露のあることが示されている。
ペスチウィルスおよびヘパシウィルスは、フラビウィルス科ウィルスの中で非常に関連性の高いウィルス群である。この科で非常に関連性の高い他のウィルスには、GBウィルスA、GBウィルスA様体、GBウィルス−BおよびGBウィルス−C(G型肝炎ウィルス、HGVとも称される)などがある。ヘパシウィルス群(C型肝炎ウィルス;HCV)は、ヒトに感染する多くの非常に関連性が高いが遺伝子型的に識別可能なウィルスからなる。それらは約6種類のHCV遺伝子型および50種類を超えるサブタイプである。細胞培養においてヘパシウィルスが効率的に増殖できないことと併せて、ペスチウィルスとヘパシウィルスとの間に類似性があるために、ウシウィルス性下痢症ウィルス(BVDV)が、HCVウィルスを研究する上での代替物として用いられる場合が多い。
ペスチウィルスとヘパシウィルスの遺伝子的構成は非常に類似している。これらのプラス鎖RNAウィルスは、ウィルス複製に必要な全てのウィルスタンパク質をコードする単一の大きい読み取り枠(ORF)を有する。これらのタンパク質は、細胞コードタンパク質およびウィルスコードタンパク質の両方によって翻訳と同時および翻訳後に処理されて成熟したウィルスタンパク質を生じるポリプロテインとして発現される。ウィルスゲノムRNAの複製に関与するそのウィルスタンパク質は、ほぼカルボキシ末端内に配置されている。ORFの2/3は、非構造(NS)タンパク質と称される。ペスチウィルスおよびヘパシウィルスについてのORFの非構造タンパク質部分の遺伝子構成およびポリプロテイン処理は非常に類似している。ペスチウィルスとヘパシウィルスの両方において、非構造タンパク質コード領域のアミノ末端からORFのカルボキシ末端への順序で、成熟非構造(NS)タンパク質は、p7、NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5AおよびNS5Bからなる。
ペスチウィルスおよびヘパシウィルスのNSタンパク質は、特異的なタンパク質機能を特徴とする配列ドメインを共有する。例えば、両方の群におけるウィルスのNS3タンパク質は、セリンプロテイナーゼおよびヘリカーゼを特徴とするアミノ酸配列単位を有する(Gorbalenya et al., (1988) Nature 333: 22; Bazan and Fletterick (1989) Virology 171: 637-639; Gorbalenya et al., (1989) Nucleic Acid Res. 17, 3889-3897)。同様に、ペスチウィルスおよびヘパシウィルスのNS5Bタンパク質は、RNA指向性RNAポリメラーゼに特徴的な単位を有する(Koonin, E. V. and Dolja, V. V. (1993) Crit. Rev. Biochem. Molec. Biol. 28: 375-430)。
ウィルスのライフサイクルにおけるペスチウィルスおよびヘパシウィルスのNSタンパク質の実際の役割および機能は非常に類似している。いずれの場合も、NS3セリンプロテイナーゼが、ORFでのそれの位置における下流でのポリプロテイン前駆体の全てのタンパク質分解処理に関与している(Wiskerchen and Collett (1991) Virology 184: 341-350; Bartenschlager et al. (1993) J. Virol. 67: 3835-3844; Eckart et al. (1993) Biochem. Biophys. Res. Comm. 192: 399-406; Grakoui et al. (1993) J. Virol. 67: 2832-2843; Grakoui et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 10583-10587; Hijikata et al. (1993) J. Virol. 67: 4665-4675; Tome et al. (1993) J. Virol. 67: 4017-4026)。NS4Aタンパク質はいずれの場合も、NS3セリンプロテアーゼの補因子として働く(Bartenschlager et al. (1994) J. Virol. 68: 5045-5055; Failla et al. (1994) J. Virol. 68: 3753-3760; Lin et al. (1994) 68: 8147-8157; Xu et al. (1997) J. Virol. 71: 5312- 5322)。両方のウィルスのNS3タンパク質も、ヘリカーゼとして機能する(Kim et al. (1995) Biochem. Biophys. Res. Comm. 215: 160-166; Jin and Peterson (1995) Arch. Biochem. Biophys., 323: 47-53; Warrener and Collett (1995) J. Virol. 69: 1720-1726)。最後に、ペスチウィルスおよびヘパシウィルスのNS5Bタンパク質は、予測されるRNA指向RNAポリメラーゼ活性を有する(Behrens et al.(1996) EMBO J. 15: 12-22; Lchmann et al. (l997) J. Virol. 71: 8416-8428; Yuan et al. (1997) Biochem. Biophys. Res. Comm. 232: 231-235; Hagedorn, PCT WO 97/12033; Zhong et al. (1998) J. Virol. 72, 9365-9369)。
C型肝炎ウィルス
C型肝炎ウィルス(HCV)は、世界的な慢性肝臓病の第1位の原因となっている(Boyer, N. et al. J. Hepatol. 32: 98-112, 2000)。HCVは、徐々に増殖するウィルス感染を引き起こし、肝硬変および肝細胞癌の主要な原因となっている(Di Besceglie, A. M. and Bacon, B. R., Scientific American, Oct.: 80-85, (1999); Boyer, N. et al. J. Hepatol. 32: 98-112, 2000)。世界的には、推定1億7000万人がHCVに感染している(Boyer, N. et al. J. Hepatol. 32: 98-112, 2000)。慢性C型肝炎感染によって引き起こされる肝硬変は、米国で年間8000〜12000人の死亡の原因となっており、HCV感染は肝臓移植の第1位の適応症である。
HCVは、少なくとも80%の輸液後肝炎およびかなりの割合の散発性急性肝炎の原因となっていることが知られている。予備的な証拠からも、「特発性」慢性肝炎、「クリプトジェニック」肝硬変および恐らくはB型肝炎ウィルス(HBV)などの他の肝炎ウィルスとは無関係の肝細胞癌の多くの症例でHCVが示唆される。割合は小さいが健常者が慢性HCVキャリアとなっているように思われ、地理的要素や他の疫学的要素は多様である。その数はHBVの数をかなり上回る可能性があるが、データはあくまでも予備的なものである。それらの人のうちどれだけの人数が無症状の慢性肝臓疾患を有しているかは不明である(The Merck Manual, ch. 69, p.901, 16th ed., (1992))。
HCVは、約9.4kbのプラスセンス一本鎖RNAゲノムを有する被膜ウィルスである。そのウィルスゲノムは、5′非翻訳領域(UTR)、約3011アミノ酸のポリプロテイン前駆体をコードする長い読み取り枠および短い3′UTRからなる。その5′UTRは、HCVゲノムの最も高度に保存された部分であり、ポリプロテイン翻訳の開始および制御において重要である。HCVゲノムの翻訳は、内部リボソーム侵入と称されるキャップ非依存型の機序によって開始される。この機序には、内部リボソーム侵入部位(IRES)と称されるRNA配列へのリボソームの結合が関与する。RNAシュードノット構造がHCV IRESの必須の構造要素であることが最近確認されている。ウィルス構造タンパク質には、ヌクレオカプシド核タンパク質(C)および2種類のエンベロープ糖タンパク質であるE1およびE2などがある。HCVは、NS2−NS3領域によってコードされる亜鉛依存型の金属プロテイナーゼおよびNS3領域でコードされるセリンプロテイナーゼという2種類のプロテイナーゼもコードする。これらのプロテイナーゼは、前駆体ポリプロテインの特異的領域の成熟ペプチドへの開裂に必要である。非構造タンパク質5のカルボキシル側半分であるNS5Bは、RNA依存性RNAポリメラーゼを有する。残りの非構造タンパク質であるNS4AおよびNS4Bの機能、ならびにNS5A(非構造タンパク質5のアミノ末端側半分)の機能については解明されていない。
最近の抗ウィルス研究で非常に注目されているのは、ヒトでの慢性HCV感染の改善された治療方法の開発である(Di Besceglie, A. M. and Bacon, B. R., Scientific American, Oct.: 80-85, (1999))。
インターフェロンによるHCV感染の治療
インターフェロン類(IFN)は、ほぼ10年間にわたり慢性肝炎の治療のために市販されている。IFNは、ウィルス感染に応答して免疫細胞が産生する糖タンパク質である。IFNはHCVなどの多くのウィルスの複製を阻害し、C型肝炎感染の単独療法として使用すると、IFNはある種の症例で血清HCV−RNAを検出できないレベルまで抑制することができる。さらにIFNは、血清アミノトランスフェラーゼレベルを正常化することができる。残念ながら、IFNの効果は一時的であり、持続的な応答が生じるのは、HCVによって慢性的に感染した患者の8%〜9%に過ぎない(Gary L. Davis. Gastroenterology 118: S104-S114, 2000)。しかしながら、ほとんどの患者がインターフェロン治療に耐えることが困難で、重度のインフルエンザ様症状、体重減少ならびにエネルギーおよびスタミナの欠乏を生じる。
多くの特許が、インターフェロン療法を用いたHCVなどのフラビウィルス科ウィルス治療を開示している。例えばブラット(Blatt)らに対する米国特許第5980884号には、コンセンサスインターフェロンを用いるHCVに冒された患者の再治療方法が開示されている。バザー(Bazer)らに対する米国特許第5942223号には、ヒツジまたはウシインターフェロン−τを用いた抗HCV療法が開示されている。アルバー(Alber)らに対する米国特許第5928636号には、HCVなどの感染性疾患の治療におけるインターロイキン−12とインターフェロン−αの併用療法が開示されている。クレティエン(Chretien)らに対する米国特許第5849696号には、HCV治療におけるチモシン類の単独での使用またはインターフェロンとの併用が開示されている。バルツエン(Valtuenaet)らに対する米国特許第5830455には、インターフェロンとフリーラジカル捕捉剤を用いる併用でのHCV療法が開示されている。イマカワ(Imakawa)らに対する米国特許第5738845号には、HCV治療におけるヒトインターフェロン−τタンパク質の使用が開示されている。HCVの他のインターフェロン治療が、テスタ(Testa)らへの米国特許第5676942号、ブラット(Blatt)らへの米国特許第5372808号および米国特許第5849696号に開示されている。ホフマン−ラロッシュ社(Hoffmann-LaRoche Inc.)に対する米国特許第5747646号、同5792834号および同5834594号;エンゾン(Enzon)に対するPCT公開番号 WO99/32139およびWO99/32140;シェリング(Schering)に対する WO95/13090および米国特許第5738846および5711944号;ならびにグルー(Glue)らに対する米国特許第5908621号などの多くの特許も、PEG化型のインターフェロンを開示している。
インターフェロンα−2aおよびインターフェロンα−2bが現在、 HCVの治療における単独療法として承認されている。ROFERON(登録商標)−A(ロッシュ)は、 組換え型のインターフェロンα−2aである。PEGASYS(登録商標)(ロッシュ)は、PEG化(すなわち、ポリエチレングルコール修飾された)型のインターフェロンα−2aである。INTRON(登録商標)A(Schering Corporation)は、組換え型のインターフェロンα−2bであり、PEG−INTRON(登録商標)(Schering Corporation)は、PEG型のインターフェロンα−2bである。
他の型のインターフェロンα、ならびにインターフェロンβ、γ、τおよびωは現在、HCV治療に向けた臨床開発の段階にある。例えばインターミューン(InterMune)によるINFERGEN(インターフェロンアルファコン(alphacon)−1)、ビラゲン(Viragen)によるOMNIFERON(天然インターフェロン)、ヒューマン・ゲノム・サイエンシーズ(Human Genome Sciences)によるALBUFERON、アレス−セロノ(Ares-Serono)によるREBIF(インターフェロンβ−1a)、バイオメディスン(BioMedicine)によるωインターフェロン、アマリロ・バイオサイエンシーズ(Amarillo Biosciences)による経口インターフェロンαならびにインターミューンによるインターフェロンγ、インターフェロンτおよびインターフェロンγ−1bが開発中である。
リバビリン
リバビリン(1−β−D−リボフラノシル−1−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド)は、ビラゾール(Virazole)の商品名で販売されている合成非インターフェロン誘発性広スペクトラム抗ウィルスヌクレオシド類似体である(The Merck Index, 1 1th edition, Editor: Budavari, S., Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, p1304, 1989)。米国特許第3798209号およびRE29835には、リバビリンが開示および特許請求されている。リバビリンは構造的にグアノシンに類似しており、フラビウィルス科ウィルスを含むいくつかのDNAおよびRNAウィルスに対してin vitro活性を有する(Gary L. Davis. Gastroenterology 118: S104-S114, 2000)。
リバビリンは、40%の患者において血清アミノトランスフェラーゼレベルを低下させて正常とするが、HCV−RNAの血清レベルは低下させない(Gary L. Davis. Gastroenterology 118: S 104-S 114, 2000)。従ってリバビリン単独では、ウィルスRNAレベルの低下には有効ではない。さらに、リバビリンはかなりの毒性を有し、貧血を誘発することが知られている。
リバビリンはHCVに対する単独療法には承認されていない。それは、HCV治療においてインターフェロンα−2aまたはインターフェロンα−2bとの併用で承認されている。
インターフェロンとリバビリンの併用
慢性C型肝炎医療における現在の標準法は、α−インターフェロンおよびリバビリンによる併用療法である。HCV感染治療におけるインターフェロンとリバビリンの併用は、インターフェロン未投与患者の治療(Battaglia, A. M. et al., Ann. Pharmacother. 34: 487-494, 2000)ならびに組織疾患がある場合の患者治療(Berenguer, M. et al. Antivir. Ther. 3 (Suppl. 3): 125-136, 1998)において有効であることが報告されている。研究の結果、非PEG化インターフェロンαとの併用療法の場合より、PEG化インターフェロン−α/リバビリン併用療法に対して応答するC型肝炎患者の方が多いことが明らかになっている。しかしながら、単独療法の場合と同様に、併用療法の際にもかなりの副作用が生じ、それには溶血、インフルエンザ様症状、貧血および疲労などがある(Gary L. Davis. Gastroenterology 118: S104-S114, 2000)。
PEG−INTRON(登録商標)(PEGインターフェロンα−2b)およびREBETOL(登録商標)(リバビリン、USP)カプセルとの併用療法剤がシェリング社(Schering Corporation)から入手可能である。REBETOL(登録商標)(シェリング社)は、INTRON(登録商標)A(インターフェロンα−2b、組換え、シェリング社)との併用でも承認されている。ロッシュのPEGASYS(登録商標)(PEG化インターフェロンα−2a)およびCOPEGUS(登録商標)(リバビリン)も、HCV治療に関して承認されている。
シェリング社によるPCT公開番号WO99/59621、WO00/37110、WO01/81359、WO02/32414およびWO03/024461には、HCV治療におけるPEG化インターフェロンαおよびリバビリン併用療法の使用が開示されている。ホフマン−ラロッシュ社によるPCT公開番号WO99/15194、WO99/64016およびWO00/24355にも、HCV治療におけるPEG化インターフェロンαおよびリバビリン併用療法の使用が開示されている。
フラビウィルス科ウィルス感染治療の別法
フラビウィルス科ウィルス感染、特にC型肝炎に対する新たな抗ウィルス剤の開発が現在進められている。プロテアーゼ、ヘリカーゼおよびポリメラーゼ阻害薬などのHCV由来酵素の特異的阻害薬が開発中である。HCV 複製における他の段階を阻害する薬剤も開発中であり、例えばRNAからのHCV抗原産生を阻害する薬剤(IRES阻害薬)、HCVタンパク質の正常な処理を防止する薬剤(グリコシル化の阻害薬)、HCVの細胞への侵入を遮断する薬剤(それの受容体を遮断することによって)およびウィルス感染によって引き起こされる細胞傷害を遮断する非特異的細胞保護剤がある。さらに分子的手法もC型肝炎治療に向けて開発中であり、例えば特異的ウィルスRNA分子を破壊する酵素であるリボザイムならびにウィルスRNAに結合してウィルス複製を阻害するDNAの小型の相補的部分であるアンチセンスオリゴヌクレオチドが研究中である。多くのHCV治療についての総覧が出されている(Bymock et al., Antiviral Chemistry & Chemotherapy, 11: 2; 79-95 (2000)およびDe Francesco et al., Antiviral Research, 58: 1-16 (2003))。
フラビウィルス科ウィルス感染治療に向けて開発中の薬剤種の例として、下記のものなどがある。
(1)プロテアーゼ阻害薬
α−ケトアミド類およびヒドラジノ尿素類などの基質系NS3プロテアーゼ阻害薬(Attwood et al., Antiviral peptide derivatives, PCT WO 98/22496, 1998; Attwood et al., Antiviral Chemistry and Chemotherapy 1999, 10, 259-273; Attwood et al., Preparation and use of amino acid derivatives as anti-viral agents, German Patent Pub. DE 19914474; Tung et al. Inhibitors of serine proteases, particularly hepatitis C virus NS3 protease, PCT WO 98/17679)ならびにボロン酸またはホスホン酸類などの求電子剤を末端とする阻害薬(Llinas-Brunet et al, Hepatitis C inhibitor peptide analogues, PCT WO 99/07734)が開発中である。
RD3−4082およびRD3−4078(前者は14炭素鎖によってアミド上で置換されており、後者はパラ−フェノキシフェニル基を有する)などの2,4,6−トリヒドロキシ−3−ニトロ−ベンズアミド誘導体のような非基質系NS3プロテアーゼ阻害薬(Sudo K. et al., Biochemical and Biophysical Research Communications, 1997, 238, 643-647; Sudo K. et al. Antiviral Chemistry and Chemotherapy, 1998, 9, 186)も研究中である。
フェナンスレンキノンであるSch68631は、HCVプロテアーゼ阻害薬である(Chu M. et al., Tetrahedron Letters 37: 7229-7232, 1996)。同じ著者による別の例では、真菌Penicillium griseofulvumから単離されたSch351633がプロテアーゼ阻害薬であることが確認されている(Chu M. et al., Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 9: 1949-1952)。HCV NS3プロテアーゼ酵素に対するナノモルレベルの効力が、巨大分子エグリンcに基づく選択的阻害薬の設計によって得られている。ヒルから単離されたエグリンcは、S. griseusプロテアーゼAおよびB、α−キモトリプリン、キマーゼおよびサブチリシンなどのいくつかのセリンプロテアーゼ類の強力な阻害薬である(Qasim M. A. et al., Biochemistry 36: 1598-1607, 1997)。
いくつかの米国特許に、HCV治療のためのプロテアーゼ阻害薬が開示されている。例えばスプルース(Spruce)らへの米国特許第6004933号には、HCVエンドペプチダーゼ2を阻害するある種のシステインプロテアーゼ阻害薬が開示されている。ツアン(Zhang)らに対する米国特許第5990276号には、合成のC型肝炎ウィルスNS3プロテアーゼ阻害薬が開示されている。その阻害薬は、NS3プロテアーゼの基質またはNS4A補因子の基質の結果である。HCVの治療における制限酵素の使用が、ライエス(Reyes)らに対する米国特許第5538865号に開示されている。HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害薬としてのペプチド類が、コーバス・インターナショナル社(Corvas International, Inc.)に対するWO02/008251ならびにシェリング社に対するWO02/08187およびWO02/008256に開示されている。HCV阻害薬トリペプチドが、ベーリンガー・インゲルハイム(Boehringer Ingelheim)に対する米国特許第6534523号、同6410531号および同6420380号ならびにブリストール・マイヤーズ・スクイブ社(Bristol Myers Squibb)に対するWO02/060926に開示されている。HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害薬としてのジアリールペプチドが、シェリング社に対するWO02/48172に開示されている。HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害薬としてのイミダゾリジノン類が、シェリング社に対するWO02/08198およびブリストール・マイヤーズ・スクイブ社に対するWO02/48157に開示されている。ベルテックス・ファーマシューティカルズ社(Vertex Pharmaceuticals)に対するWO98/17679およびブリストール・マイヤーズ・スクイブ社に対するWO02/48116にも、HCVプロテアーゼ阻害薬が開示されている。
(2)NS3/4A融合タンパク質およびNS5A/5B基質を用いる逆相HPLCアッセイで該当する阻害を示すチアゾリジン誘導体(Sudo K. etal., Antiviral Research, 1996, 32, 9-18)、特に長いアルキル鎖で置換された縮合シンナミル部分を有する化合物RD−1−6250、RD46205およびRD46193。
(3)文献(Kakiuchi N. et al. J. EBS Letters 421, 217-220; Takeshita N. et al. Analytical Biochemistry, 1997, 247, 242-246)で確認されているチアゾリジン類およびベンゾアニリド類。
(4)SDS−PAGEおよびオートラジオグラフィーアッセイでプロテアーゼに対する活性を有するストレプトミセス属Sch68631の発酵培地ブロスから単離されたフェナンスレンキノリン(Chu M. et al., Tetrahedron Letters, 1996, 37, 7229-7232)、ならびにシンチレーション近接アッセイで活性を示す真菌Penicillium griseofulvumから単離されたSch351633(Chu M. etal., Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 9, 1949-1952)。
(5)ヘリカーゼ阻害薬(Diana G. D. etal., Compounds, compositions and methods for treatment of hepatitis C, U. S. Pat. No. 5,633,358; Diana G. D.et al., Piperidine derivatives, pharmaceutical compositions thereof and their use in the treatment of hepatitis C, PCT WO 97/36554)。
(6)ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬およびグリオトキシン(Ferrari R. et al. Journal of Virology, 1999, 73, 1649-1654)および天然物セルレニン(Lohmann V. et al., Virology, 1998, 249, 108-118)。
(7)ウィルスの5′非コード領域(NCR)における配列の広がりに対して相補的なアンチセンスホスホチオエートオリゴデオキシヌクレオチド類(S−ODN)(Alt M. et al., Hepatology, 1995, 22, 707-717)あるいはNCRの3′末端を有するヌクレオチド326〜348およびHCV RNAの核コード領域にあるヌクレオチド371〜388(Alt M. et al., Archives of Virology, 1997, 142, 589-599; Galderisi U. et al., Journal of Cellular Physiology, 1999, 181, 251-257)。
(8)IRES依存翻訳の阻害薬(Ikeda N et al., Agent for the prevention and treatment of hepatitis C, Japanese Patent Pub. JP-08268890; Kai Y. et al. Prevention and treatment of viral diseases, Japanese Patent Pub. JP-10101591)。
(9)ヌクレアーゼ耐性リボザイム類(Maccjak, D. J. et al., Hepatology 1999, 30, abstract 995)およびバーバー(Barber)らに対する米国特許第6043077号およびドラペル(Draper)らに対する米国特許第5869253号および5610054号に開示のものなどのリボザイム類。
(10)ヌクレオシド類縁体も、フラビウィルス科ウィルス感染の治療に向けて開発された。
イデニクス・ファーマシューティカルズ(Idenix Pharmaceuticals)は、国際特許公開番号WO01/90121およびWO01/92282で、フラビウィルス類(HCVなど)およびペスチウィルス類の治療における分岐の使用を開示している。具体的には、ヒトおよび他の宿主動物でのC型肝炎感染(ならびにフラビウィルスおよびペスチウィルス)の治療方法がイデニクスの刊行物に開示されており、それには適宜に製薬上許容される担体中で単独または別の抗ウィルス剤との併用で投与される有効量の生理活性な1′,2′,3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドを投与する段階がある。
C型肝炎ウィルス治療におけるある種のヌクレオシド類縁体の使用を開示した他の特許出願には、バイオケム・ファーマ社(BioChem Pharma, Inc.;現在のシャイヤ・バイオケム社(Shire Biochem, Inc.))出願のPCT/CA00/01316(WO01/32153;2000年11月3日出願)およびPCT/CA01/00197(WO01/60315;2001年2月19日出願);PCT/US02/01531(WO02/057425;2002年1月18日出願)およびメルク社(Merck & Co., Inc.)出願のPCT/US02/03086(WO02/057287;2002年1月18日出願)、ロッシュ出願のPCT/EP01/09633(WO02/18404;2001年8月21日公開)、ならびにPCT公開番号WO01/79246(2001年4月13日出願)、WO02/32920(2001年10月18日出願)およびファーマセット社(Pharmasset, Ltd.)によるWO02/48165などがある。
発明の名称「2′−フルオロヌクレオシド類」のエモリー大学に対するPCT公開番号WO99/43691には、HCV治療へのある種の2′−フルオロヌクレオシド類の使用が開示されている。
エルドラップ(Eldrup)ら(Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae; 16th International Conference on Antiviral Research (April 27, 2003, Savannah, Ga.))は、HCVの阻害における2′−修飾ヌクレオシド類の構造活性相関について記載している。
バート(Bhat)ら(Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae, 2003 (Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae; 16th International Conference on Antiviral Research (April 27, 2003, Savannah, Ga.); p A75)は、HCV RNA複製の可能な阻害薬としてのヌクレオシド類縁体の合成および薬物動態特性について記載している。その著者らは、2′修飾ヌクレオシドが細胞でのレプリコンアッセイで強力な阻害活性を示すことを報告している。
オルセン(Olsen)ら(Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae; 16th International Conference on Antiviral Research (April 27, 2003, Savannah, Ga.) p A76)も、HCV RNA複製に対する2′修飾ヌクレオシドの効果について記載している。
(11)1−アミノ−アルキルシクロヘキサン類(ゴールド(Gold)らに対する米国特許第6034134号)、アルキル脂質(チョキア(Chojkier)らに対する米国特許第5922757号)、ビタミンEおよび他の抗酸化剤(チョキア(Chojkier)らに対する米国特許第5922757号)、スクアレン、アマンタジン、胆汁酸類(オゼキ(Ozeki)らに対する米国特許第5846964号)、N−(ホスホノアセチル)−L−アスパラギン酸(ダイアナ(Diana)らに対する米国特許第5830905号)、ベンゼンジカルボキサミド類(ダイアナ(Diana)らに対する米国特許第5633388号)、ポリアデニル酸誘導体(ワン(Wang)らに対する米国特許第5496546号)、2′,3′−ジデオキシイノシン(ヤルコアン(Yarchoan)らに対する米国特許第5026687号)、ベンズイミダゾール類(コラシノー(Colacinoet)らに対する米国特許第5891874号)、植物抽出物(ツアイ(Tsai)らに対する米国特許第 5837257号、オマー(Omer)らに対する米国特許第5725859号および米国特許第6056961号)ならびにピペリデン類(ダイアナ(Diana)らに対する米国特許第5830905号)などのその他の化合物。
(12)C型肝炎ウィルス治療に関して現在前臨床開発または臨床開発の段階にある他の化合物には、シェリング−プロー(Schering-Plough)によるインターロイキン−10、インターニューロン(Interneuron)によるIP−501、ベルテックスによるメリメボジブ(Merimebodib;VX−497)、エンド・ラブス・ソルヴェー(Endo Labs Solvay)によるアマンタジン(AMANTADINE(登録商標))(シンメトレル(Symmetrel))、RPIによるヘプタジメオ(HEPTAZYMEO)、イズン・ファルマ(Idun Pharma.)によるIDN−6556、XTLによるXTL−002、キロン(Chiron)によるHCV/MF59、NABIによるシバシロ(CIVACIRO;C型肝炎免疫グロブリン)、ICN/リバファーム(Ribapharm)によるレボビリン(登録商標)、ICN/リバファームによるビラミジン(登録商標)、(Sci Clone)によるザダキシン(ZADAXIN;チモシンα−1)、サイ・クローンによるチモシン+PEG化インターフェロン、マキシム(Maxim)によるセプレン(CEPLENE(登録商標);ヒスタミン・2塩酸塩)、ベルテックス/イーライ・リリーによるVX950/LY 570310、イシス・ファーマシューティカル(Isis Pharmaceutical)/エラン(Elan)によるISIS14803、イズン・ファーマシューティカルズ社(Idun Pharmaceuticals, Inc.)によるIDN−6556、アクロス・ファーマ(AKROS Pharma)によるJTK003、ベーリンガー・インゲルハイムによるBILN−2061、ロッシュによるセルセプト(CellCept;ミコフェノール酸モフェチル)、T67、ツラリク(Tularik)によるβ−チューブリン阻害薬、イノジェネティクス(Innogenetics)によるE2に対する治療用ワクチン、藤沢薬品工業株式会社によるFK788、IdB1016(シリホス(Siliphos)、経口シリビン−ホスファチジルコリンフィトソーム)、ビロファルマ(ViroPharma)/ウェス(Wyeth)によるRNA複製阻害薬(VP50406)、インターセル(Intercell)による治療用ワクチン、エピミューン(Epimmune)/ジェネンコール(Genencor)による治療用ワクチン、アナディス(Anadys)によるIRES阻害薬、アナディスによるANA245およびANA246、アバント(Avant)による免疫療法(セラポア(Therapore))、コルバス(Corvas)/シェリング(Schering)によるプロテアーゼ阻害薬、ベルテックスによるヘリカーゼ阻害薬、トリメリス(Trimeris)による融合阻害薬、セルエクスシス(CellExSys)によるT細胞療法、バイオクリスト(Biocryst)によるポリメラーゼ阻害薬、PTCセラピューティクス(Therapeutics)によるターゲットRNA化学、イムテク社(Immtech, Int.)によるジカチオン(Dication)、アゴウロン(Agouron)によるプロテアーゼ阻害薬、キロン/メジビル(Medivir)によるプロテアーゼ阻害薬、AVIバイオファルマ(AVI BioPharma)によるアンチセンス療法、ハイブリドン(Hybridon)によるアンチセンス療法、エスロン・メディカル(Aethlon Medical)によるヘモピュリフィアー(hemopurifier)、メリックス(Merix)による治療用ワクチン、ブリストール−マイヤーズ・スクイブ/アキシス(Axys)によるプロテアーゼ阻害薬、トリペプ(Tripep)によるクロン−ワクC(Chron-VacC)治療用ワクチン、ユナイティッド・セラピューティクス(United Therapeutics)によるUT231B、ジーンラブス・テクノロジーズ(Genelabs Technologies)によるプロテアーゼ、ヘリカーゼおよびポリメラーゼ阻害薬、イムゾル(Immusol)によるIRES阻害薬、リゲル・ファーマシューティカルズ(Rigel Pharmaceuticals)によるR803、インターミューン(InterMune)によるインフェルゲン(INFERGEN(登録商標);インターフェロンアルファコン−1)、ビラゲン(Viragen)によるオムニフェロン(OMNIFERON(登録商標);天然インターフェロン)、ヒューマン・ゲノム・サイエンシーズによるアルブフェロン(ALBUFERON(登録商標))、アレス−セロノ(Ares-Serono)によるレビフ(REBIF(登録商標);インターフェロンβ−1a)、バイオメディスン(BioMedicine)によるω−インターフェロン、アマリオ・バイオサイエンシーズ(Amarillo Biosciences)による経口インターフェロンα、インターミューン(InterMune)によるインターフェロンγ、インターフェロンτおよびインターフェロンγ−1bなどがある。
ヌクレオシドプロドラッグが、他の形態の肝炎の治療において報告されている。イデニクス・ファーマシューティカルズ(Idenix Pharmaceuticals)に対するWO00/09531(1999年8月10日出願)およびWO01/96353(2001年6月15日出願)には、HBV治療における2′−デオキシ−β−L−ヌクレオシドおよびそれの3′−プロドラッグが開示されている。ビューチャンプ(Beauchamp)に対する米国特許第4957924号には、各種治療用アシクロビルエステルが開示されている。
HCV感染が世界的に流行病の水準に達し、感染した患者への影響が悲劇的である事実を考えると、宿主への毒性が弱い、C型肝炎を治療する新規の有効な薬剤を提供することの必要性は依然として高い。
さらに、他のフラビウィルス科ウィルス感染の脅威が大きくなりつつあることを考慮すると、宿主への毒性が弱い新たな有効な医薬が依然として熱望されている。
したがって、本発明の目的は、C型肝炎ウィルスなどのフラビウィルス科ウィルスに感染した宿主を治療するための化合物、方法、および組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、ペスチウィルス、フラビウィルスまたはヘパシウィルスに感染した患者の治療のための化合物、方法および組成物を提供することにある。
1′,2′,3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′−および3′−プロドラッグ、またはそれらの製薬上許容される塩、あるいはそれら化合物を含む製薬上許容される製剤は、抗フラビウィルス科ウィルス抗体陽性およびフラビウィルス科ウィルス陽性状態、HCVによって生じる慢性肝臓炎症、肝硬変、急性肝炎、激症肝炎、慢性持続性肝炎および疲労などのフラビウィルス科ウィルス感染および他の関連する状態の予防および治療において有用である。これらの化合物または製剤を予防的に使用して、抗フラビウィルス科ウィルス抗体、またはフラビウィルス科ウィルス抗原陽性の対象者あるいはフラビウィルス科ウィルスへの曝露を経験した対象者における臨床的疾病を予防または進行遅延させることもできる。ある具体的実施形態では、フラビウィルス科ウィルスはC型肝炎である。別の実施形態では、その化合物を用いて、RNA依存性RNAポリメラーゼによって複製するウィルスの治療を行う。
ヒトなどの宿主でのフラビウィルス科ウィルス感染の治療方法であって、適宜に製薬上許容される担体中にて単独であるいは別の抗フラビウィルス科ウィルス薬との併用もしくは交互で投与される有効量の生理活性な1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′−または3′−プロドラッグあるいはそれの製薬上許容される塩を投与する段階を有する方法も開示される。本明細書で使用される場合に、1′、2′、3′または4′−分岐という用語は、1′、2′、3′または4′位に別の非天然置換基を有する(すなわち、炭素が非水素置換基に結合している)ヌクレオシドを指す。本明細書で使用される場合、2′−プロドラッグという用語は、2′位に生体で開裂可能な部分(限定されないがアシルを含む、1実施形態では天然もしくは合成L−もしくはD−アミノ酸、好ましくはL−アミノ酸)を有する1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドを指す。本明細書で使用される場合、3′−プロドラッグという用語は、3′位に生体で開裂可能な部分(限定されないがアシルを含む、1実施形態では天然もしくは合成L−もしくはD−アミノ酸、好ましくはL−アミノ酸)を有する1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドを指す。ある種の他の別の実施形態も含まれる。
1実施形態において、1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドのプロドラッグには、2′および/または5′位での生体で開裂可能な部分がある。好ましい部分は、天然または合成のDまたはLアミノ酸エステル(DまたはL−バリルなど)である。ただし好ましくは、L−バリルなどのL−アミノ酸エステル類およびアセチルなどのアルキルエステル類である。従って本発明は具体的には、親薬剤が15μM未満、さらに好ましくは10μM未満のEC50を有していても良い所望のプリンもしくはピリミジン塩基を有する1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′−LまたはD−アミノ酸エステルおよび2′,5′−LまたはD−ジアミノ酸エステル、好ましくはL−アミノ酸;親薬剤が10または15μM未満のEC50を有していても良い所望のプリンまたはピリミジン塩基を有する1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′−(アルキルまたはアリール)エステルまたは2′,5′−L−ジ(アルキルまたはアリール)エステル;ならびに1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′,5′−ジエステルのプロドラッグであって、(i)2′エステルがアミノ酸エステルであり、5′−エステルがアルキルまたはアリールエステルであるもの;(ii)両方のエステルがアミノ酸エステルであるもの;(iii)両方のエステルが独立にアルキルまたはアリールエステルであるもの;および(iv)2′エステルが独立にアルキルまたはアリールエステルであり、5′−エステルがアミノ酸エステルであるものであって、親薬剤が10または15μM未満のEC50を有していても良いものを含む。
本発明に含まれるプロドラッグの例には、β−D−2′−メチル−シチジンの2′−L−バリンエステル;β−D−2′−メチル−チミジンの2′−L−バリンエステル;β−D−2′−メチル−アデノシンの2′−L−バリンエステル;β−D−2′−メチル−グアノシンの2′−L−バリンエステル;β−D−2′−メチル−5−フルオロシチジンの2′−L−バリンエステル;β−D−2′−メチル−ウリジンの2′−L−バリンエステル;β−D−2′−メチル−シチジンの2′−アセチルエステル;β−D−2′−メチル−チミジンの2′−アセチルエステル;β−D−2′−メチル−アデノシンの2′−アセチルエステル;β−D−2′−メチル−グアノシンの2′−アセチルエステル;β−D−2′−メチル−5−フルオロ−シチジンの2′−アセチルエステル;ならびにβ−D−2′−メチル−(シチジン、5−フルオロシチジン、グアノシン、ウリジン、アデノシンまたはチミジン)の2′−エステルであって、(i)2′エステルがアミノ酸エステルであるもの;あるいは(ii)2′エステルがアルキルまたはアリールエステルであるものがある。
本発明に含まれるプロドラッグの別の例には、β−D−2′−メチル−シチジンの2′,5′−L−ジバリンエステル(ジval−2′−Me−L−dC);β−D−2′−メチル−チミジンの2′,5′−L−ジバリンエステル;β−D−2′−メチル−アデノシンの2′,5′−L−ジバリンエステル;β−D−2′−メチル−グアノシンの2′,5′−L−ジバリンエステル;β−D−2′−メチル−5−フルオロ−シチジンの2′,5′−L−ジバリンエステル;β−D−2′−メチル−ウリジンの2′,5′−L−ジバリンエステル;β−D−2′−メチル−シチジンの2′,5′−ジアセチルエステル;β−D−2′−メチル−チミジンの2′,5′−ジアセチルエステル;β−D−2′−メチル−アデノシンの2′,5′−ジアセチルエステル;β−D−2′−メチル−グアノシンの2′,5′−ジアセチルエステル;β−D−2′−メチル−5−フルオロ−シチジンの2′,5′−ジアセチルエステル;ならびにβ−D−2′−メチル−(シチジン、5−フルオロシチジン、グアノシン、ウリジン、アデノシンまたはチミジン)の2′,5′−ジエステルであって、(i)2′エステルがアミノ酸エステルであり、5′−エステルがアルキルまたはアリールエステルであるもの;(ii)両方のエステルがアミノ酸エステルであるもの;(iii)両方のエステルが独立にアルキルまたはアリールエステルであるもの;あるいは(iv)2′エステルがアルキルまたはアリールエステルであり、5′−エステルがアミノ酸エステルであるものがある。
別の実施形態では、1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドのプロドラッグには、3′および/または5′位に生体で開裂可能な部分がある。好ましい部分は、天然または合成のDまたはLアミノ酸エステル(DまたはL−バリルなど)である。ただし好ましくは、L−バリルなどのL−アミノ酸エステル類およびアセチルなどのアルキルエステル類である。従って本発明は具体的には、親薬剤が15μM未満、さらに好ましくは10μM未満のEC50を有していても良い所望のプリンもしくはピリミジン塩基を有する1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの3′−LまたはD−アミノ酸エステルおよび3′,5′−LまたはD−ジアミノ酸エステル、好ましくはL−アミノ酸;親薬剤が10または15μM未満のEC50を有していても良い所望のプリンまたはピリミジン塩基を有する1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの3′−(アルキルまたはアリール)エステルまたは3′,5′−L−ジ(アルキルまたはアリール)エステル;ならびに1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの3′,5′−ジエステルのプロドラッグであって、(i)3′エステルがアミノ酸エステルであり、5′−エステルがアルキルまたはアリールエステルであるもの;(ii)両方のエステルがアミノ酸エステルであるもの;(iii)両方のエステルが独立にアルキルまたはアリールエステルであるもの;および(iv)3′エステルが独立にアルキルまたはアリールエステルであり、5′−エステルがアミノ酸エステルであるものであって、親薬剤が10または15μM未満のEC50を有していても良いものを含む。
本発明に含まれるプロドラッグの例には、β−D−2′−メチル−シチジンの3′−L−バリンエステル;β−D−2′−メチル−チミジンの3′−L−バリンエステル;β−D−2′−メチル−アデノシンの3′−L−バリンエステル;β−D−2′−メチル−グアノシンの3′−L−バリンエステル;β−D−2′−メチル−5−フルオロシチジンの3′−L−バリンエステル;β−D−2′−メチル−ウリジンの3′−L−バリンエステル;β−D−2′−メチル−シチジンの3′−アセチルエステル;β−D−2′−メチル−チミジンの3′−アセチルエステル;β−D−2′−メチル−アデノシンの3′−アセチルエステル;β−D−2′−メチル−グアノシンの3′−アセチルエステル;β−D−2′−メチル−5−フルオロ−シチジンの3′−アセチルエステル;およびβ−D−2′−メチル−(シチジン、5−フルオロシチジン、グアノシン、ウリジン、アデノシンまたはチミジン)の3′−エステルであって、(i)3′エステルがアミノ酸エステルであるもの;あるいは(ii)3′エステルがアルキルまたはアリールエステルであるものがある。
本発明に含まれるプロドラッグの別の例には、β−D−2′−メチル−シチジンの3′,5′−L−ジバリンエステル(ジval−2′−Me−L−dC);β−D−2′−メチル−チミジンの3′,5′−L−ジバリンエステル;β−D−2′−メチル−アデノシンの3′,5′−L−ジバリンエステル;β−D−2′−メチル−グアノシンの3′,5′−L−ジバリンエステル;β−D−2′−メチル−5−フルオロ−シチジンの3′,5′−L−ジバリンエステル;β−D−2′−メチル−ウリジンの3′,5′−L−ジバリンエステル;β−D−2′−メチル−シチジンの3′,5′−ジアセチルエステル;β−D−2′−メチル−チミジンの3′,5′−ジアセチルエステル;β−D−2′−メチル−アデノシンの3′,5′−ジアセチルエステル;β−D−2′−メチル−グアノシンの3′,5′−ジアセチルエステル;β−D−2′−メチル−5−フルオロ−シチジンの3′,5′−ジアセチルエステル;およびβ−D−2′−メチル−(シチジン、5−フルオロシチジン、グアノシン、ウリジン、アデノシンまたはチミジン)の3′,5′−ジエステルであって、(i)3′エステルがアミノ酸エステルであり、5′−エステルがアルキルまたはアリールエステルであるもの;(ii)両方のエステルがアミノ酸エステルであるもの;(iii)両方のエステルが独立にアルキルまたはアリールエステルであるもの;あるいは(iv)3′エステルがアルキルまたはアリールエステルであり、5′−エステルがアミノ酸エステルであるものがある。
別の実施形態では、1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドのプロドラッグには、2′、3′および/または5′位に生体で開裂可能な部分がある。好ましい部分は、DまたはLアミノ酸エステル(DまたはL−バリルなど)である。ただし好ましくは、L−バリルなどのL−アミノ酸エステル類およびアセチルなどのアルキルエステル類である。従って本発明は具体的には、親薬剤が15μM未満、さらに好ましくは10μM未満のEC50を有していても良い所望のプリンもしくはピリミジン塩基を有する1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′,3′−LまたはD−ジアミノ酸エステルおよび2′,3′,5′−LまたはD−トリアミノ酸エステル、好ましくはL−アミノ酸;親薬剤が10または15μM未満のEC50を有していても良い所望のプリンまたはピリミジン塩基を有する1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′,3′−ジ(アルキルまたはアリール)エステルまたは2′,3′,5′−L−トリ(アルキルまたはアリール)エステル;ならびに1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′,3′−ジエステルのプロドラッグであって、(i)2′エステルがアミノ酸エステルであり、3′−エステルがアルキルまたはアリールエステルであるもの;(ii)両方のエステルがアミノ酸エステルであるもの;(iii)両方のエステルが独立にアルキルまたはアリールエステルであるもの;および(iv)2′エステルが独立にアルキルまたはアリールエステルであり、3′−エステルがアミノ酸エステルであるものであって、親薬剤が10または15μM未満のEC50を有していても良いものを含む。さらに、1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′,3′,5′−トリエステルであって、(i)3種類いずれのエステルもアミノ酸エステルであるもの;(ii)3種類いずれのエステルも独立にアルキルまたはアリールエステルであるもの;(iii)2′エステルがアミノ酸エステルであり、3′エステルがアミノ酸エステルであり、5′−エステルがアルキルまたはアリールエステルであり;(iv)2′エステルがアミノ酸エステルであり、3′エステルがアルキルまたはアリールエステルであり、5′−エステルがアルキルまたはアリールエステルであり;(v)2′エステルがアルキルまたはアリールエステルであり、3′エステルがアルキルまたはアリールエステルであり、5′−エステルがアミノ酸エステルであるもの;(vi)2′エステルがアルキルまたはアリールエステルであり、3′エステルがアミノ酸エステルであり、5′−エステルがアミノ酸エステルであるもの;(vii)2′エステルがアルキルまたはアリールエステルであり、3′エステルがアミノ酸エステルであり、5′−エステルがアルキルまたはアリールエステルであり;(viii)2′エステルがアミノ酸エステルであり、3′エステルがアルキルまたはアリールエステルであり、5′−エステルがアミノ酸エステルであるもので、親薬剤が10または15μM未満のEC50を有していても良いものがある。
本発明に含まれるプロドラッグの例には、D−2′−メチル−シチジンの2′,3′−L−ジバリンエステル(ジval−2′−Me−L−dC);β−D−2′−メチル−チミジンの2′,3′−L−ジバリンエステル;β−D−2′−メチル−アデノシンの2′,3′−L−ジバリンエステル;β−D−2′−メチル−グアノシンの2′,3′−L−ジバリンエステル;β−D−2′−メチル−5−フルオロ−シチジンの2′,3′−L−ジバリンエステル;β−D−2′−メチル−ウリジンの2′,3′−L−ジバリンエステル;β−D−2′−メチル−シチジンの2′,3′−ジアセチルエステル;β−D−2′−メチル−チミジンの2′,3′−ジアセチルエステル;β−D−2′−メチル−アデノシンの2′,3′−ジアセチルエステル;β−D−2′−メチル−グアノシンの2′,3′−ジアセチルエステル;β−D−2′−メチル−5−フルオロ−シチジンの2′,3′−ジアセチルエステル;およびβ−D−2′−メチル−(シチジン、5−フルオロシチジン、グアノシン、ウリジン、アデノシンまたはチミジン)の2′,3′−ジエステルであって、(i)2′エステルがアミノ酸エステルであり、3′−エステルがアルキルまたはアリールエステルであるもの;(ii)両方のエステルがアミノ酸エステルであるもの;(iii)両方のエステルが独立にアルキルまたはアリールエステルであるもの;あるいは(iv)2′エステルがアルキルまたはアリールエステルであり、3′−エステルがアミノ酸エステルであるものがある。
本発明に含まれるプロドラッグの別の例には、β−D−2′−メチル−シチジンの2′,3′,5′−L−トリバリンエステル(トリval−2′−Me−L−dC);β−D−2′−メチル−チミジンの2′,3′,5′−L−トリバリンエステル;β−D−2′−メチル−アデノシンの2′,3′,5′−L−トリバリンエステル;β−D−2′−メチル−グアノシンの2′,3′,5′−L−トリバリンエステル;β−D−2′−メチル−5−フルオロ−シチジンの2′,3′,5′−L−トリバリンエステル;β−D−2′−メチル−ウリジンの2′,3′,5′−L−トリバリンエステル;β−D−2′−メチル−シチジンの2′,3′,5′−トリアセチルエステル;β−D−2′−メチル−チミジンの2′,3′,5′−トリアセチルエステル;β−D−2′−メチル−アデノシンの2′,3′,5′−トリアセチルエステル;β−D−2′−メチル−グアノシンの2′,3′,5′−トリアセチルエステル;β−D−2′−メチル−5−フルオロ−シチジンの2′,3′,5′−トリアセチルエステル;ならびにβ−D−2′−メチル−(シチジン、5−フルオロシチジン、グアノシン、ウリジン、アデノシンまたはチミジン)の2′,3′,5′−トリエステルであって、(i)3種類いずれのエステルもアミノ酸エステルであるもの;(ii)3種類いずれのエステルも独立にアルキルまたはアリールエステルであるもの;(iii)2′エステルがアミノ酸エステルであり、3′エステルがアミノ酸エステルであり、5′−エステルがアルキルまたはアリールエステルであり;(iv)2′エステルがアミノ酸エステルであり、3′エステルがアルキルまたはアリールエステルであり、5′−エステルがアルキルまたはアリールエステルであり;(v)2′エステルがアルキルまたはアリールエステルであり、3′エステルがアルキルまたはアリールエステルであり、5′−エステルがアミノ酸エステルであるもの;(vi)2′エステルがアルキルまたはアリールエステルであり、3′エステルがアミノ酸エステルであり、5′−エステルがアミノ酸エステルであるもの;(vii)2′エステルがアルキルまたはアリールエステルであり、3′エステルがアミノ酸エステルであり、5′−エステルがアルキルまたはアリールエステルであり;(viii)2′エステルがアミノ酸エステルであり、3′エステルがアルキルまたはアリールエステルであり、5′−エステルがアミノ酸エステルであるものがある。
トシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩およびα−グリセロリン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、サリチル酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、硝酸塩、重炭酸塩、臭化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、炭酸塩およびリン酸塩という製薬上許容される塩が提供される。特に好ましい実施形態は、モノまたはジ塩酸の製薬上許容される塩である。
第1の主たる実施形態では、下記式(I)の化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニルが本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;または例えばin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびRのうちの少なくとも1個が水素ではなく;
Yは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OH、OR、NH、NHR、NR、SHおよびSRであり;
およびXは独立に、H、直鎖、分岐または環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OH、OR、NH、NHR、NR、SHおよびSRからなる群から選択され;
およびRは独立に、水素、アシル(低級アシルなど)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
本明細書に記載の実施形態では、R、Rおよび/またはRは独立に、例えばin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートなど)である化合物を与えることができる製薬上許容される脱離基であることができる。
第2の主たる実施形態では、下記式IIの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニルが本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびRのうちの少なくとも1個が水素ではなく;
Yは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRであり;
およびXは独立に、H、直鎖、分岐または環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRからなる群から選択され;
およびRは独立に、水素、アシル(低級アシルなど)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
第3の主たる実施形態では、下記式IIIの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニルが本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびRのうちの少なくとも1個が水素ではなく;
Yは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRであり;
およびXは独立に、H、直鎖、分岐または環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRからなる群から選択され;
およびRは独立に、水素、アシル(低級アシルなど)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
第4の主たる実施形態では、下記式IVの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニルが本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびRのうちの少なくとも1個が水素ではなく;
Yは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRであり;
は、H、直鎖、分岐または環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRからなる群から選択され;
およびRは独立に、水素、アシル(低級アシルなど)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
第5の主たる実施形態では、下記式Vの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニルが本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびRのうちの少なくとも1個が水素ではなく;
Yは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRであり;
は、H、直鎖、分岐または環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRからなる群から選択され;
およびRは独立に、水素、アシル(低級アシルなど)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
第6の主たる実施形態では、下記式VIの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニルが本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびRのうちの少なくとも1個が水素ではなく;
Yは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRであり;
は、H、直鎖、分岐または環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRからなる群から選択され;
およびRは独立に、水素、アシル(低級アシルなど)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
第7の主たる実施形態では、下記式VIIおよびVIIIから選択される化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニルが本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は水素ではなく;
は、アルキル(低級アルキルおよびハロゲン化アルキルなど)、CH、CF、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
Xは、O、S、SOまたはCHである。
第8の主たる実施形態では、下記式IXおよびXの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニルが本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は水素ではなく;
は、アルキル(低級アルキルおよびハロゲン化アルキルなど)、CH、CF、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
は、水素、OR、ヒドロキシ、アルキル(低級アルキルなど)、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
Xは、O、S、SOまたはCHである。
第9の主たる実施形態では、下記式XIおよびXIIから選択される化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニルが本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は水素ではなく;
は、アルキル(低級アルキルおよびハロゲン化アルキルなど)、CH、CF、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
Xは、O、S、SOまたはCHである。
第10の主たる実施形態では、下記式XIIIの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
は、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニルが本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRがHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は、アルキル(低級アルキルおよびハロゲン化アルキルなど)、CH、CF、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
およびRは独立に、水素、OR、ヒドロキシ、アルキル(低級アルキルなど)、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
およびRのうちの少なくとも1個がORであり;そのRは独立に、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニルが本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRがHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびR10は独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;
あるいはRとR10、RとR、またはRとR10が一体となって、π結合を形成していても良く;
Xは、O、S、SOまたはCHである。
第11の主たる実施形態では、下記式XIVの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
は、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニルが本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRがHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は、アルキル(低級アルキルおよびハロゲン化アルキルなど)、CH、CF、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
およびRは独立に、水素、OR、ヒドロキシ、アルキル(低級アルキルなど)、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
およびRのうちの少なくとも1個がORであり;そのRは独立に、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニルが本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRがHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
10は、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;
あるいはRとR10が一体となって、π結合を形成していても良く;
Xは、O、S、SOまたはCHである。
第12の主たる実施形態では、下記式XVの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
は、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニルが本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRがHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は、アルキル(低級アルキルおよびハロゲン化アルキルなど)、CH、CF、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
およびRは独立に、水素、OR、ヒドロキシ、アルキル(低級アルキルなど)、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
およびRのうちの少なくとも1個がORであり;そのRは独立に、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRがHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;
あるいはRとRが一体となって、π結合を形成していても良く;
Xは、O、S、SOまたはCHである。
第13の主たる実施形態では、下記式XVIの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびRのうちの少なくとも1個が水素ではなく;
Yは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OH、OR、NH、NHR、NR、SHおよびSRであり;
およびXは独立に、H、直鎖、分岐または環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OH、OR、NH、NHR、NR、SHおよびSRからなる群から選択され;
およびRは独立に、水素、アシル(低級アシルなど)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
第14の主たる実施形態では、下記式XVIIの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびRのうちの少なくとも1個が水素ではなく;
Yは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRであり;
は、H、直鎖、分岐または環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR、NRNRまたはSRからなる群から選択され;
およびRは独立に、水素、アシル(低級アシルなど)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
第15の主たる実施形態では、下記式XVIIIおよびXIXから選択される化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は水素ではなく;
は、アルキル(低級アルキルおよびハロゲン化アルキルなど)、CH、CF、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
Xは、O、S、SOまたはCHである。
第16の主たる実施形態では、下記式XXの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
は、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRがHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は、アルキル(低級アルキルおよびハロゲン化アルキルなど)、CH、CF、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
およびRは独立に、水素、OR、ヒドロキシ、アルキル(低級アルキルなど)、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
およびRのうちの少なくとも1個がORであり;そのRは独立に、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRがHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびR10は独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;
あるいはRとR10、RとR、またはRとR10が一体となって、π結合を形成していても良く;
Xは、O、S、SOまたはCHである。
1実施形態において、前記アミノ酸残基は、式C(O)C(R11)(R12)(NR1314)のものであり;
式中、
11はアミノ酸の側鎖であり、プロリンの場合のように、R11がR13に結合して環構造を形成していても良く;あるいはR11はアルキル、アリール、ヘテロアリールまたは複素環部分であり;
12は、水素、アルキル(低級アルキルなど)またはアリールであり;
13およびR14は独立に、水素、アシル(R11に結合したアシル誘導体など)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
別の好ましい実施形態では、RおよびRのうちの少なくとも1個がアミノ酸残基であり、好ましくはL−バリニルである。
本発明のβ−D−およびβ−L−ヌクレオシドは、HCVポリメラーゼ活性を阻害することができる。本明細書でより詳細に記載されたスクリーニング方法に従って、ヌクレオシドを、それがin vitroでHCVポリメラーゼ活性を阻害する能力についてスクリーニングすることができる。本明細書に記載のアッセイまたは別の確認アッセイによって化合物を評価することで、活性スペクトラムを容易に測定することができる。
1実施形態では、本明細書でより詳細に述べる方法に従い、in vitroでウィルスプラーク数を50%減少させるのに要する化合物濃度(すなわち、化合物のED50)によって、抗HCV化合物の効力を測定する。好ましい実施形態では、プロドラッグ化合物の親化合物は、25、15、10、5または1μM未満のEC50を示す。1実施形態では、抗フラビウィルス科ウィルス化合物の効力は、本明細書でより詳細に述べる方法に従い、in vitroでウィルスプラーク数を50%減少させるのに要する化合物濃度(すなわち、化合物のED50)に従って測定される。好ましい実施形態では、その 化合物は、各種文献(Ferrari et al., J. Virol., 73: 1649-1654, 1999; Ishii et al., Hepatology, 29: 1227-1235, 1999 ; Lohmann et al., J. Biol. Chem., 274: 10807-10815, 1999;またはYamashita et al, J. Biol. Chem., 273: 15479-15486, 1998)に記載のポリメラーゼアッセイに従って測定した場合に15または10μM未満のEC50を示す。
別の実施形態では、併用療法および/または交互療法が提供される。併用療法では有効用量の2種以上の薬剤が一緒に投与され、交互療法の際には有効用量の各薬剤を順次投与する。用量は、薬物の吸収速度、失活速度および排泄速度、ならびに当業者には公知の他の要因に応じて決まる。留意すべき点として、用量値は改善すべき状態の重度によっても変わる。さらに留意すべき点として、時間の経過と共に、個々のニーズおよびこの組成物の投与を管理または監督する担当者の専門的判断に従い、特定の投与法および投与計画を、特定の被験者に応じて調節すべきである。
本発明はまた、本明細書に記載のプロドラッグのうちの少なくとも2種類の組合せを提供する。本発明はさらに、フラビウィルス科ウィルスに対して活性を示す第2のヌクレオシド[本明細書で定義のプロドラッグのいずれかの親薬剤、すなわちβ−D−2′−メチル−シチジン、β−D−2′−メチル−チミジン、β−D−2′−メチル−アデノシン、β−D−2′−メチル−グアノシン、β−D−2′−メチル−5−フルオロシチジンおよび/またはβ−D−2′−メチル−ウリジンなど(これらに限定されるものではない)]との併用または交互使用される前記の2′および3′−プロドラッグのうちの少なくとも一つを提供する。別法として、前記2′または3′−プロドラッグは、10または15μM未満のEC50を示す他の抗フラビウィルス科ウィルス剤あるいはそれのプロドラッグまたは製薬上許容される塩と組み合わせて、あるいは交互で投与することができる。
本明細書に開示の化合物と併用可能な抗ウィルス剤の例には、(1)インターフェロンおよび/またはリバビリン;(2)基質系NS3プロテアーゼ阻害薬;(3)非基質系阻害薬;(4)チアゾリジン誘導体;(5)チアゾリジン類およびベンズアニリド類;(6)フェナントレンキノン;(7)NS3阻害薬;(8)HCVヘリカーゼ阻害薬;(9)RNA依存性RNA−ポリメラーゼ阻害薬などのポリメラーゼ阻害薬;(10)アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド類;(11)IRES依存性翻訳阻害薬;(12)ヌクレアーゼ耐性リボザイム;および(13)フラビウィルス科ウィルスに対して活性を示す他の化合物などがあるが、これらに限定されるものではない。本発明はさらに、インターフェロン、インターロイキンまたはフラビウィルス科ウィルス複製を発現もしくは調節する遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(これらに限定されるものではない)を含むタンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチドまたはγ−グロブリンなどの生体物質のような免疫調節剤その他の医薬活性なウィルス複製調節剤と組み合わせて、あるいはそれと交互に前記プロドラッグを投与する方法も含む。
本明細書に記載の化合物は多くのエナンチオマー配置を有し、そのいずれも所望に応じて用いることができる。親ヌクレオシド骨格は、β−Dまたはβ−Lヌクレオシドとして存在することができる。好ましい実施形態では、前記化合物は少なくとも90%のβ−Dエナンチオマーの形態で投与される。別の実施形態では前記化合物は、少なくとも95%のβ−Dエナンチオマーである。具体的にはアミノ酸エステルなどのある種のプロドラッグアシルエステルも、エナンチオマー型を有する。別の実施形態では前記化合物は、ラセミ混合物として、あるいはβ−Dもしくはβ−L親ヌクレオシドとLまたはDアミノ酸のいずれかの組合せとして用いられる。
別の実施形態では、2′または3′−プロドラッグのいずれかの前記親ヌクレオシド化合物(すなわち、2′および3′の開裂可能部分を持たないヌクレオシド)が、フラビウィルス科ウィルス、特にはHCV感染の治療用に提供される。
図面の簡単な説明
図1は、本発明のヌクレオシドの各種非限定的な例、ならびに他の既知のヌクレオシド、特にFIAUおよびリバビリンの構造を示す図である。
図2は、1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドのエステル化による2′−プロドラッグの取得に関与する段階の非限定的例を提供する図である。同じ一般的手順を用いて、2′および5′−ヒドロキシル基を選択的に保護するか2′、3′および5′−ヒドロキシル基を選択的に保護し、3′−ヒドロキシルを選択的に脱保護することで2′−プロドラッグを得ることができる。
図3は、1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドのエステル化による3′−プロドラッグ取得に関与する段階の非限定的な例を提供する図である。
図4は、1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドのエステル化による2′,3′−プロドラッグの取得の非限定的な例を提供する図である。
図5は、β−D−2′−C−メチル−リボフラノシル−シチジンまたはそれの3′−O−L−バリンエステルの合成方法を示す図である。
図6は、β−D−2′−C−メチル−リボフラノシル−シチジンまたはそれの3′−O−L−バリンエステルの別の合成方法を示す図である。
図7は、β−D−2′−C−メチル−2′−アセチル−リボフラノシル−シチジン−3′−O−L−バリンエステルの合成方法の図である。
図8は、β−D−2′−C−メチル−2′−アセチル−リボフラノシル−シチジン−3′−O−L−プロリンエステルの合成方法の図である。
図9は、β−D−2′−C−メチル−2′−アセチル−リボフラノシル−シチジン−3′−O−L−アラニンエステルの合成方法の図である。
図10は、β−D−2′−C−メチル−2′−(シクロヘキサンカルボキシレート)−リボフラノシル−シチジン−3′−O−L−バリンエステルの合成方法の図である。
図11は、デノボBVDV感染MDBK細胞を用いる細胞アッセイで4種類の被験化合物および対照としてのリバビリンの濃度範囲にわたるBVDB濃度(Log10単位/mL)を示すグラフである。このグラフは、これら化合物の抗ウィルス効力を示すものである。
図12は、実施例32に記載のRNA鋳型における所定のグアニン残基でのβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジントリホスフェートによるin vitroRNA合成の部位特異的連鎖停止を示すゲルのコピーである。
図13は、実施例33に記載のβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン(16μM)による長期治療によって持続的BVDV感染の根絶を示す、BVDV感染MDBK細胞の継代数に対するウシウィルス性下痢症ウィルス(BVDV)の力価のグラフである。矢印は、細胞の一部が薬剤治療によってなくなったことを示している。
図14aおよび14bは、実施例34に記載のウィルスで持続的に感染したMDBK細胞でのウシウィルス性下痢症ウィルス(BVDV)濃度のグラフである。これらのグラフは、ウィルス力価低下におけるβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンとインターフェロンα−2b(イントロンA)との間の相乗効果を示す。図14aは、持続的に感染させたMDBK細胞でのBVDV(NY−1株)力価に対するβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンとイントロンAの経時的な効果を示すグラフである。図14bは、持続的に感染させたMDBK細胞でのBVDV(I−N−dIns株)力価に対するイントロンAとの併用でのβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンの効果を示すグラフである。
図15a〜dは、実施例35に記載のウシウィルス性下痢症ウィルス(BVDV)によって感染したβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン処理MDBK細胞に対する耐性の発達を調べる試験の結果を示す図である。図15aは、持続的に感染させたMDBK細胞でのBVDV(I−N−dIns株)力価に対するβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンまたはイントロンA治療の28日間にわたる効果を示す代表的実験のグラフである。図15bは、β−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン−耐性BVDV(I−N−dIns107R)に対して野生型BVDV(I−N−dIns株)の表現型が形成した病巣の大きさを示す感染MDBK細胞を用いて平板培養したシャーレのコピーであり、耐性ウィルスが野生型のI−N−dIns株よりかなり小さい病巣を形成したことを示している。図15cは、感染MDBK細胞での感染後の経時的な、BVDV株であるI−N−dInsまたはI−N−dIns−107Rの力価のグラフである。図15dは、イントロンAで処理したデノボ感染MDBK細胞におけるBVDVウィルス力価率に対するイントロンAの効果を示すグラフである。
図16は、実施例36に記載のβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン−3′−O−L−バリンエステルによる治療日数にわたる個々のチンパンジーでのC型肝炎ウィルス(Log10)濃度を示すグラフである。
図17は、実施例36に記載の基底線値と比較したβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン−3′−O−L−バリンエステル治療日数にわたる個々のチンパンジーにおけるC型肝炎ウィルスの濃度を示すグラフである。
図18は、実施例37に記載の4℃、21℃およ37℃でヒト血漿中にて薬剤をインキュベーションした後の経過時間にわたるサンプル中に残っている総β−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン−3′−O−L−バリンエステルのパーセントを示すグラフである。
図19aは、実施例37に記載の10μMのβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンとともにHepG2細胞をインキュベートした後の経時的なβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンおよびβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルウリジン(mUrd)のジ−およびトリ−ホスフェート誘導体の相対的レベルを示すグラフである。図19bは、10μMのβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンとともにHepG2細胞をインキュベートした後の経時的なβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンのトリ−ホスフェート誘導体の減衰を示すグラフである。図19cは、薬剤濃度(μM)を上昇させながら10μMのβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンとともにHepG2細胞をインキュベートした後のβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンおよびβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルウリジン(mUrd)のジ−およびトリ−ホスフェート誘導体の濃度を示すグラフである。
図20は、実施例40に記載の患者に対してβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン−3′−O−L−バリンエステルを投与した後のヒト血清におけるβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンの濃度(ng/mL)を示すグラフである。
図21は、実施例40に記載のβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン−3′−O−L−バリンエステル投与後におけるヒト患者でのC型肝炎ウィルスの力価変化の中位値を示すグラフである。このグラフは、患者来院ごとのLog10HCV RNAにおける基底線値からの変化を示すものである。
図22は、BVDV細胞保護アッセイでの代表的化合物のEC50およびCC50の表である。
本明細書に開示の発明は、ヒトまたは他の宿主動物でのフラビウィルス科ウィルス感染を治療するための化合物、方法、および組成物である。その方法は、HCVまたはフラビウィルス科ウィルスの治療上有効量の本明細書に記載の1′、2′、3′または4′−分岐β−D−もしくはβ−L−ヌクレオシドの2′−または3′−プロドラッグあるいはそれの製薬上許容される塩、誘導体またはそのプロドラッグを、適宜に製薬上許容される担体に含ませて投与する段階を含む。本発明の化合物は、抗ウィルス(すなわち、抗HCV)活性を有するか、あるいは代謝されてそのような活性を示す化合物になる。
1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′−または3′−プロドラッグは、2級もしくは3級炭素に対してα位にある2級または3級アルコールのアシル誘導体である。1級アルコールのアシル誘導体である5′−プロドラッグと比較してこれらのプロドラッグは立体障害が大きいため、これらのプロドラッグはin vivoでの分子の生理的特性を異なった形で変える。1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′−および3′−プロドラッグが、半減期が長く薬物動態プロファイルが改善された薬剤を提供し得ることが発見された。
好ましい実施形態での2′−および3′−プロドラッグは、開裂可能なアシル基であり、最も詳細には、天然または合成のα、β、γまたはδアミノ酸から製造されるアミノ酸部分である。そのアミノ酸の例としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニンおよびヒスチジンなどがあるが、これらに限定されるものではない。好ましい実施形態では前記アミノ酸は、L−配置のものである。あるいは前記アミノ酸は、アラニル、バリニル、ロイシニル、イソロイシニル、プロリニル、フェニルアラニニル、トリプロファニル、メチオニニル、グリシニル、セリニル、スレオニニル、システイニル、チロシニル、アスパラギニル、グルタミニル、アスパルトイル、グルタロイル、リジニル、アルギニニル、ヒスチジニル、β−アラニル、β−バリニル、β−ロイシニル、β−イソロイシニル、β−プロリニル、β−フェニルアラニニル、β−トリプトファニル、β−メチオニニル、β−グリシニル、β−セリニル、β−スレオニニル、β−システイニル、β−チロシニル、β−アスパラギニル、β−グルタミニル、β−アスパルトイル、β−グルタロイル、β−リジニル、β−アルギニニルまたはβ−ヒスチジニルの誘導体であることができる。ある特定の実施形態では、前記部分はバリンエステルである。ある特に好ましい化合物は、2′−メチル−リボシスチジンの3′−バリンエステルである。
中性塩基およびHCl塩としての1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの経口での生物学的利用能は、齧歯類およびヒト以外の霊長類では低い。消化管からの吸収もしくは輸送についての1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの他のヌクレオシドまたはヌクレオシド類縁体とのかなりの競合、ならびにその吸収についての他のヌクレオシドまたはヌクレオシド類縁体と1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドとの競合があることが発見された。経口生物学的利用能を改善し、薬剤−薬剤相互作用の可能性を低くするため、親分子より経口生物学的利用能が高く、併用される他のヌクレオシドまたはヌクレオシド類縁体の生物学的利用能に対する影響が低減される1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および3′−プロドラッグを得た。
1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′、3′および/または5′−モノ、ジまたはトリバリンエステルは、親の1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドより高い経口生物学的利用能を有し、1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドと比較して、併用した場合に他のヌクレオシドまたはヌクレオシド類縁体との相互作用が少ない。
1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′、3′および/または5′−モノ、ジまたはトリバリンエステルは、消化管粘膜、血液または肝臓での脱エステル化によって、親の1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドに変換され得る。1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′、3′および/または5′−モノ、ジまたはトリバリンエステルは、経口投与した後、消化管の粘膜でのアミノ酸輸送機能によって、消化管腔から血流中に活発に輸送され得る。それによって、主としてヌクレオシド輸送体機能によって輸送される親の1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドと比較した経口生物学的利用能の上昇が説明される。1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′、3′および/または5′−モノ、ジまたはトリバリンエステルでは、アミノ酸輸送体機能ではなくヌクレオシド輸送体機能によって輸送される他のヌクレオシドまたはヌクレオシド類縁体との取り込みにおける競争が小さい。1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドのジまたはトリバリンエステルの部分的脱エステルは吸収が完了する前に起こることから、モノまたはジバリンエステルが、アミノ酸輸送体機能を用いて吸収され続ける。従って、吸収または生物学的利用能の改善ならびに血流中への取り込みについての他のヌクレオシドもしくはヌクレオシド類縁体との競合低減という所望の結果を維持することができる。
要約すると本発明には、下記の特徴がある。
(a)本明細書に記載の1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′−プロドラッグならびにそれの製薬上許容される塩および組成物;
(b)特にフラビウィルス科ウィルス感染があるかC型肝炎による感染の危険性があると診断された個体でのフラビウィルス科ウィルス感染の治療および/または予防で使用される本明細書に記載の1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′−プロドラッグならびにそれの製薬上許容される塩および組成物;
(c)記載のヌクレオシドの反対のエナンチオマーを実質的に含まない、あるいは他の化学物質から実質的に単離された本明細書に記載の1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′−プロドラッグあるいはそれの製薬上許容される塩および組成物。
(d)下記でより詳細に記載の1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′−プロドラッグの製造方法。
(e)製薬上許容される担体または希釈剤とともに、1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′−プロドラッグあるいはそれの製薬上許容される塩を含む医薬製剤。
(f)適宜に製薬上許容される担体または希釈剤中に、1以上の他の有効な抗HCV薬とともに1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′−プロドラッグあるいはそれの製薬上許容される塩を含む医薬製剤。
(g)適宜に製薬上許容される担体または希釈剤中に、異なる1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの親化合物とともに、1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′−プロドラッグあるいはそれの製薬上許容される塩を含む医薬製剤。
(h)フラビウィルス科ウィルスに感染する宿主の治療および/または予防方法であって、有効量の1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′−プロドラッグ、それの製薬上許容される塩または組成物を投与する段階を有する方法。
(i)フラビウィルス科ウィルスに感染する宿主の治療および/または予防方法であって、1以上の有効な抗HCV薬との併用および/または交互投与で、有効量の1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′−プロドラッグ、それの製薬上許容される塩または組成物を投与する段階を有する方法。
(j)フラビウィルス科ウィルスに感染する宿主の治療および/または予防方法であって、異なる1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの親化合物とともに、有効量の1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′−プロドラッグあるいはそれの製薬上許容される塩または組成物を投与する段階を有する方法。
(k)フラビウィルス科ウィルスに感染する宿主の治療および/または予防方法であって、有効量のβ−D−2′−メチル−シチジンの2′および/または3′−プロドラッグあるいはそれの製薬上許容される塩または組成物を投与する段階を有する方法。
(l)フラビウィルス科ウィルスに感染する宿主の治療および/または予防方法であって、有効量のβ−D−2′−メチル−シチジンの3′,5′−ジバリルまたはジアセチルエステルあるいはそれの製薬上許容される塩または組成物を投与する段階を有する方法。
(m)宿主でのフラビウィルス科ウィルス感染の治療および/または予防のための、1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′−プロドラッグならびにそれの製薬上許容される塩および組成物の使用。
(n)宿主でのフラビウィルス科ウィルス感染の治療および/または予防のための、1以上の他の有効な抗HCV薬との併用および/または交互使用での1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′−プロドラッグ、それの製薬上許容される塩または組成物の使用。
(o)宿主でのフラビウィルス科ウィルス感染の治療および/または予防のための、異なる1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの親化合物と組み合わせた1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′−プロドラッグあるいはそれの製薬上許容される塩または組成物の使用。
(p)宿主でのフラビウィルス科ウィルス感染の治療および/または予防のための、β−D−2′−メチル−シチジンの2′および/または3′−プロドラッグあるいはそれの製薬上許容される塩または組成物の使用。
(q)宿主でのフラビウィルス科ウィルス感染の治療および/または予防のための、β−D−2′−メチル−シチジンの3′,5′−ジバリルまたはジアセチルエステルあるいはそれの製薬上許容される塩または組成物の使用。
(r)フラビウィルス科ウィルス感染の治療用および/または予防用の医薬の製造のための、1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′−プロドラッグならびにそれの製薬上許容される塩および組成物の使用。
(s)宿主でのフラビウィルス科ウィルス感染の治療用および/または予防用の医薬の製造における、1以上の有効な抗HCV薬との併用および/または交互使用での、1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′−プロドラッグ、それの製薬上許容される塩または組成物の使用。
(t)宿主でのフラビウィルス科ウィルス感染の治療用および/または予防用の医薬の製造のための、異なる1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの親化合物と組み合わせた1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′−プロドラッグあるいはそれの製薬上許容される塩または組成物の使用。
(u)宿主でのフラビウィルス科ウィルス感染の治療用および/または予防用の医薬の製造のための、β−D−2′−メチル−シチジンの2′および/または3′−プロドラッグあるいはそれの製薬上許容される塩または組成物の使用。
(v)宿主でのフラビウィルス科ウィルス感染の治療用および/または予防用の医薬の製造のための、β−D−2′−メチル−シチジンの3′,5′−ジバリルまたはジアセチルエステルあるいはそれの製薬上許容される塩または組成物の使用。
本発明の範囲に含まれるフラビウィルス科ウィルスについては、文献で考察されている(Fields Virology, Editors: Fields, B. N., Knipe, D. M., and Howley, P. M., Lippincott-Raven Publishers, Philadelphia, PA, Chapter 31, 1996)。本発明の特定の実施形態では、フラビウィルス科ウィルスはHCVである。本発明の別の 実施形態では、フラビウィルス科ウィルスはフラビウィルスまたはペスチウィルスである。具体的なフラビウィルス類には、アブセッタロフ(Absettarov)、アルフイ(Alfuy)、アポイ(Apoi)、アロア(Aroa)、バガザ(Bagaza)、バンジ(Banzi)、ボーボー(Bouboui)、ブッスクアラ(Bussuquara)、カシパコア(Cacipacore)、カレー島(Carey Island)、ダカールコウモリ(Dakar bat)、1型デング熱、2型デング熱、3型デング熱、4型デング熱、エッジヒル(Edge Hill)、エンテベコウモリ(Entebbe bat)、ガジェッツガリー(Gadgets Gully)、ハンザロバ(Hanzalova)、ヒプル(Hypr)、イレウス(Ilheus)、イスラエル七面鳥髄膜脳炎、日本脳炎、ジュグラ(Jugra)、ジュチアパ(Jutiapa)、カダム(Kadam)、カルシ(Karshi)、ケドウゴウ(Kedougou)、ココベラ(Kokobera)、コウタンゴ(Koutango)、クムリンゲ(Kumlinge)、クンジン(Kunjin)、キャサヌール森林病、ランガート(Langat)、跳躍病、ミーバン(Meaban)、モドク(Modoc)、モンタナミオティス白質脳炎、マリーバレー(Murray valley)脳炎、ナランジャル(Naranjal)、ネギシ(Negishi)、ヌタヤ(Ntaya)、Omsk出血熱、プノンペンコウモリ、ポーワッサン、リオブラボー、ロシオ(Rocio)、ロイヤルファーム(Royal Farm)、ロシア春夏脳炎、サボヤ(Saboya)、セントルイス脳炎、サルビエヤ(Sal Vieja)、サンペルリタ(San Perlita)、ソーマレズリーフ、セピク(Sepik)、ソクルク(Sokuluk)、スポンドウェニ(Spondweni)、ストラトフォード、テンブス(Tembusu)、チュレニー(Tyuleniy)、ウガンダS、ウスツ(Usutu)、ウェセルスブロン(Wesselsbron)、西ナイル、ヤウンデ、黄熱病およびジカなどがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明の範囲に含まれるペスチウィルスについては、文献に考察がある(Fields Virology, Editors: Fields, B. N., Knipe, D. M., and Howley, P. M., Lippincott-Raven Publishers, Philadelphia, PA, Chapter 33, 1996)。具体的なペスチウィルスには、ウシウィルス性下痢症ウィルス(「BVDV」)、古典的な豚コレラウィルス(「CSFV」、豚コレラウィルスとも称される)およびボーダー病ウィルス(「BDV」)などがあるが、これらに限定されるものではない。
I.活性化合物
第1の主たる実施形態では、下記式(I)の化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびRのうちの少なくとも1個が水素ではなく;
Yは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OH、OR、NH、NHR、NR、SHおよびSRであり;
およびXは独立に、H、直鎖、分岐または環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OH、OR、NH、NHR、NR、SHおよびSRからなる群から選択され;
およびRは独立に、水素、アシル(低級アシルなど)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
好ましい下位実施形態では、
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアシルまたはアミノ酸残基であり;
がHであり;
がHまたはNHであり;
Yが水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、NHまたはOHである式Iの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第2の主たる実施形態では、下記式IIの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびRのうちの少なくとも1個が水素ではなく;
Yは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRであり;
およびXは独立に、H、直鎖、分岐または環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRからなる群から選択され;
およびRは独立に、水素、アシル(低級アシルなど)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
好ましい下位実施形態では、
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアシルまたはアミノ酸残基であり;
がHであり;
がHまたはNHであり;
Yが水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、NHまたはOHである式IIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第3の主たる実施形態では、下記式IIIの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびRのうちの少なくとも1個が水素ではなく;
Yは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRであり;
およびXは独立に、H、直鎖、分岐または環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRからなる群から選択され;
およびRは独立に、水素、アシル(低級アシルなど)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
好ましい下位実施形態では、
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアシルまたはアミノ酸残基であり;
がHであり;
がHまたはNHであり;
Yが水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、NHまたはOHである式IIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第4の主たる実施形態では、下記式IVの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびRのうちの少なくとも1個が水素ではなく;
Yは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRであり;
は、H、直鎖、分岐または環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRからなる群から選択され;
およびRは独立に、水素、アシル(低級アシルなど)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
好ましい下位実施形態では、
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアシルまたはアミノ酸残基であり;
がHまたはCHであり;
Yが水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、NHまたはOHである式IVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第5の主たる実施形態では、下記式Vの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびRのうちの少なくとも1個が水素ではなく;
Yは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRであり;
は、H、直鎖、分岐または環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRからなる群から選択され;
およびRは独立に、水素、アシル(低級アシルなど)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
好ましい下位実施形態では、
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアシルまたはアミノ酸残基であり;
がHまたはCHであり;
Yが水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、NHまたはOHである式Vの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第6の主たる実施形態では、下記式VIの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびRのうちの少なくとも1個が水素ではなく;
Yは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRであり;
は、H、直鎖、分岐または環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRからなる群から選択され;
およびRは独立に、水素、アシル(低級アシルなど)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
好ましい下位実施形態では、
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアシルまたはアミノ酸残基であり;
がHまたはCHであり;
Yが水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、NHまたはOHである式VIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第7の主たる実施形態では、下記式VIIおよびVIIIから選択される化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は水素ではなく;
は、アルキル(低級アルキルおよびハロゲン化アルキルなど)、CH、CF、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
Xは、O、S、SOまたはCHである。
第1の下位実施形態では、
塩基が本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアシルまたはアミノ酸残基であり;
がアルキルであり;
XがO、S、SOまたはCHである式VIIまたはVIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第2の下位実施形態では、
塩基が本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアミノ酸残基であり;
がアルキルであり;
XがO、S、SOまたはCHである式VIIまたはVIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第3の下位実施形態では、
塩基が本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアシルまたはアミノ酸残基であり;
がアルキルであり;
XがOである式VIIまたはVIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第8の主たる実施形態では、下記式IXおよびXの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は水素ではなく;
は、アルキル(低級アルキルおよびハロゲン化アルキルなど)、CH、CF、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
は、水素、OR、ヒドロキシ、アルキル(など低級アルキル)、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
Xは、O、S、SOまたはCHである。
第1の下位実施形態では、
塩基が本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアシルまたはアミノ酸残基であり;
がアルキルであり;
XがO、S、SOまたはCHである式IXまたはXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第2の下位実施形態では、
塩基が本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアミノ酸残基であり;
がアルキルであり;
XがO、S、SOまたはCHである式IXまたはXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第3の下位実施形態では、
塩基が本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアシルまたはアミノ酸残基であり;
がアルキルであり;
XがOである式IXまたはXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
別の下位実施形態では、下記式X(a)の化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は、アミンまたはシクロプロピルで置換されていても良い本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基(例:2−アミノ、2,6−ジアミノまたはシクロプロピルグアノシン)であり;
およびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は水素ではない。
第9の主たる実施形態では、下記式XIおよびXIIから選択される化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は水素ではなく;
は、アルキル(低級アルキルおよびハロゲン化アルキルなど)、CH、CF、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
Xは、O、S、SOまたはCHである。
第1の下位実施形態では、
塩基が本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアシルまたはアミノ酸残基であり;
がアルキルであり;
XがO、S、SOまたはCHである式XIまたはXIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第2の下位実施形態では、
塩基が本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアミノ酸残基であり;
がアルキルであり;
XがO、S、SOまたはCHである式XIまたはXIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第3の下位実施形態では、
塩基が本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアシルまたはアミノ酸残基であり;
がアルキルであり;
XがOである式XIまたはXIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第10の主たる実施形態では、下記式XIIIの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
は、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRがHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は、アルキル(低級アルキルおよびハロゲン化アルキルなど)、CH、CF、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
およびRは独立に、水素、OR、ヒドロキシ、アルキル(低級アルキルなど)、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
およびRのうちの少なくとも1個がORであり;各Rは独立に、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRがHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびR10は独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;
あるいはRとR10、RとR、またはRとR10が一体となって、π結合を形成していても良く;
Xは、O、S、SOまたはCHである。
第1の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立に、OR、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第2の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第3の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OR、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10がHであり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第4の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OR、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがOである式XIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第5の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立にOHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがO、S、SOまたはCHOである式XIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第6の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立に、OR、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10がHであり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第7の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立に、OR、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがOである式XIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第8の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立にOHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が水素であり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第9の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立にOHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が独立に H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがOである式XIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第10の好ましい下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OR、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が水素であり;(6)XがOである式XIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第11の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェートであり;(3)Rがアルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が水素であり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第12の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェートであり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立に、OHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が水素であり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第13の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェートであり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立に、OHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがOである式XIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第14の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェートであり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立に、OR、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が水素であり;(6)XがOである式XIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
他の下位実施形態では、
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がグアニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がシトシンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がチミジンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がウラシルであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rがホスフェートであり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがエチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがプロピルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがブチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rが水素であり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがSである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがSOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがCHである式XIIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第11の主たる実施形態では、下記式XIVの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
は、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRがHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は、アルキル(低級アルキルおよびハロゲン化アルキルなど)、CH、CF、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
およびRは独立に、水素、OR、ヒドロキシ、アルキル(低級アルキルなど)、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
およびRのうちの少なくとも1個がORであり;各Rは独立に、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRがHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
10は、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;
あるいはRとR10が一体となって、π結合を形成していても良く;
Xは、O、S、SOまたはCHである。
第1の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、H;ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rが、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、水素、OR、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)R10がHであり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XIVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第2の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、H;ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)R10が、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XIVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第3の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、H;ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、水素、OR、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)R10がH、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがOである式XIVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第4の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、H;ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)R10がHであり;(6)XがXがO、S、SOまたはCHである式XIVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第5の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、H;ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rが、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立にOHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)R10が、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがOである式XIVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第6の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、H;ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rが、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、水素、OR、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)R10がHであり;(6)XがOである式XIVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第7の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、H;ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rが、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)R10がHであり;(6)XがOである式XIVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第8の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェートであり;(3)Rが、アルキルであり;(4)RおよびRが独立に、水素、OR、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)R10が、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XIVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第9の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェートであり;(3)Rが、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)R10がHであり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XIVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第10の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェートであり;(3)Rが、アルキルであり;(4)RおよびRが独立に、OHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)R10がHであり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XIVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
さらに好ましい下位実施形態では、
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)R10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がグアニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)R10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がシトシンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)R10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がチミジンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)R10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がウラシルであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)R10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rがホスフェートであり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)R10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがエチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)R10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがプロピルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)R10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがブチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)R10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)R10が水素であり;(7)XがSである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)R10が水素であり;(7)XがSOである;あるいは
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)R10が水素であり;(7)XがCHである式XIVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第12の主たる実施形態では、下記式XVの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
は、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRがHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は、アルキル(低級アルキルおよびハロゲン化アルキルなど)、CH、CF、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
およびRは独立に、水素、OR、ヒドロキシ、アルキル(低級アルキルなど)、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
およびRのうちの少なくとも1個がORであり;そのRは独立に、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRがHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;
あるいはRとRが一体となって、π結合を形成していても良く;
Xは、O、S、SOまたはCHである。
第1の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、H;ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立に、水素、OR、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)Rが、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第2の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、H;ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rが、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)Rが、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第3の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、H;ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rが、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、水素、OR、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RがHであり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第4の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、H;ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rが、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、水素、OR、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)Rが、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがOである式XVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第5の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、H;ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rが、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RがHであり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第6の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、H;ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rが、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)Rが、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがOである式XVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第7の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、H;ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rが、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、水素、OR、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RがHであり;(6)XがOである式XVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第8の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)RがHまたはホスフェートであり;(3)Rが、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立にOHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RがHであり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第9の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)RがHまたはホスフェートであり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立にOHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RがHであり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第10の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)RがHまたはホスフェートであり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立にOHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RがHであり;(6)XがOである式XVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
さらに好ましい下位実施形態では、
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)Rが水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がグアニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)Rが水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がシトシンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)Rが水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がチミジンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)Rが水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がウラシルであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)Rが水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rがホスフェートであり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)Rが水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがエチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)Rが水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがプロピルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)Rが水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがブチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)Rが水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)Rが水素であり;(7)XがSである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)Rが水素であり;(7)XがSOである;あるいは
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)Rが水素であり;(7)XがCHである式XVの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第13の主たる実施形態では、下記式XVIの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびRのうちの少なくとも1個が水素ではなく;
Yは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OH、OR、NH、NHR、NR、SHおよびSRであり;
およびXは独立に、H、直鎖、分岐または環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OH、OR、NH、NHR、NR、SHおよびSRからなる群から選択され;
およびRは独立に、水素、アシル(低級アシルなど)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
好ましい下位実施形態では、
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアシルまたはアミノ酸残基であり;
がHであり;
がHまたはNHであり;
Yが水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、NHまたはOHである式XVIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第14の主たる実施形態では、下記式XVIIの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびRのうちの少なくとも1個が水素ではなく;
Yは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR、NRまたはSRであり;
は、H、直鎖、分岐または環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR、NRNRまたはSRからなる群から選択され;
およびRは独立に、水素、アシル(低級アシルなど)またはアルキル(メチル、エチル、プロピルおよびシクロプロピルなど(これらに限定されるものではない))である。
好ましい下位実施形態では、
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアシルまたはアミノ酸残基であり;
がHまたはCHであり;
Yが水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、NHまたはOHである式XVIIの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第15の主たる実施形態では、下記式XVIIIおよびXIXから選択される化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
、RおよびRは独立に、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にR、Rおよび/またはRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は水素ではなく;
は、アルキル(低級アルキルおよびハロゲン化アルキルなど)、CH、CF、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
Xは、O、S、SOまたはCHである。
第1の下位実施形態では、
塩基が本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアシルまたはアミノ酸残基であり;
がアルキルであり;
XがO、S、SOまたはCHである式XVIIIおよびXIXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第2の下位実施形態では、
塩基が本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアミノ酸残基であり;
がアルキルであり;
XがO、S、SOまたはCHである式XVIIIおよびXIXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第3の下位実施形態では、
塩基が本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
がHまたはホスフェート(好ましくはH)であり;
およびRが独立に、H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;RおよびRのうちの少なくとも1個がアシルまたはアミノ酸残基であり;
がアルキルであり;
XがOである式XVIIIおよびXIXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第16の主たる実施形態では、下記式XXの化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
塩基は本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;
は、H、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRがHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
は、アルキル(低級アルキルなど)、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
およびRは独立に、水素、OR、ヒドロキシ、アルキル(低級アルキルなど)、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり;
およびRのうちの少なくとも1個がORであり;そのRは独立に、ホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートおよび安定化ホスフェートなど);直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど);アシル(低級アシルなど);CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、リン脂質などの脂質;アミノ酸;アミノ酸残基、炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRがHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;
およびR10は独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;
あるいはRとR10、RとR、またはRとR10が一体となって、π結合を形成していても良く;
Xは、O、S、SOまたはCHである。
第1の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立に、OR、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第2の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第3の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OR、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10がHであり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第4の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OR、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがOである式XXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第5の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立にOHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがO、S、SOまたはCHOである式XXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第6の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立に、OR、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10がHであり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第7の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立に、OR、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがOである式XXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第8の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立にOHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が水素であり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第9の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立にOHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が独立に H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがOである式XXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第10の好ましい下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェート(モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書に示したアリールの定義で記載の通りの1以上の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与した場合にRが独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることができる他の製薬上許容される脱離基であり;(3)Rがアルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OR、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が水素であり;(6)XがOである式XXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第11の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェートであり;(3)Rがアルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;(4)RおよびRが独立に、OHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が水素であり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第12の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェートであり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立に、OHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が水素であり;(6)XがO、S、SOまたはCHである式XXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第13の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェートであり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立に、OHまたはORであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり;(6)XがOである式XXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
第14の下位実施形態では、(1)塩基が、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり;(2)Rが独立に、Hまたはホスフェートであり;(3)Rがアルキルであり;(4)RおよびRが独立に、OR、アルキル(低級アルキルなど)、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ(低級アルキル)アミノであり;RおよびRのうちの少なくとも1個がORであり(Rは水素ではない);(5)RおよびR10が水素であり;(6)XがOである式XXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
さらに好ましい下位実施形態では、
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がグアニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がシトシンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がチミジンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がウラシルであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rがホスフェートであり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがエチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがプロピルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがブチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rが水素であり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがSである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがSOである;
(1)塩基がアデニンであり;(2)Rが水素であり;(3)Rがメチルであり;(4)Rがヒドロキシルであり;(5)RがL−バリニルであり;(6)RおよびR10が水素であり;(7)XがCHである式XXの化合物あるいはそれの製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
立体化学
本発明のヌクレオシドがいくつかのキラル中心を有し、光学活性型およびラセミ型で存在し得るものであり、その形態で単離可能であることは明らかである。一部の化合物は多形を示し得る。理解すべき点として、本発明は、本明細書に記載の有用な特性を有する本発明の化合物のあらゆるラセミ体、光学活性体、ジアステレオマー、多形体または立体異性体を包含するものである。当業界では、光学活性体の製造方法は公知である(例えば、再結晶法によるラセミ体の分割により;光学活性原料からの合成により;キラル合成により;あるいはキラル固定相を用いるクロマトグラフィー分離により)。
特に、このヌクレオシドの1′および4′炭素がキラルであることから、それらの非水素置換基(それぞれ、塩基およびCHOR基)は、糖環系に関してシス(同じ側)またはトランス(反対側)であることができる。従って、それらの4種類の光学異性体は、シス(両方の基が「上側」にあり、天然β−Dヌクレオシドの配置に相当する)、シス(両方の基が「下側」にあり、非天然β−Dヌクレオシド配置に相当する)、トランス(C2′置換基が「上側」で、C4′置換基が「下側」)およびトランス(C2′置換基が「下側」で、C4′置換基が「上側」)という配置(酸素原子が後ろ側に来るように、糖部分を水平面で配向させた場合)によって表される。「D−ヌクレオシド」は天然配置でのシスヌクレオシドであり、「L−ヌクレオシド」は非天然配置でのシスヌクレオシドである。
同様に、ほとんどのアミノ酸がキラルであり(LまたはDと称され、Lエナンチオマーが天然配置である)、別個のエナンチオマーとして存在することができる。
光学活性物の取得方法の例は当業界で公知であり、少なくとも下記のものなどがある。
i)結晶の物理的分離:個々のエナンチオマーの肉眼でわかる結晶を手作業で分離する技術。この技術は、別個のエナンチオマーの結晶が存在する場合、すなわち得られたものが集塊であり、結晶が肉眼で識別される場合に用いることができる。
ii)同時結晶化:個々のエナンチオマーをラセミ体の溶液から別個に結晶化させる技術であり、そのラセミ体が固体状態の集塊である場合にのみ可能である。
iii)酵素的分割:エナンチオマーの酵素との反応の速度の違いを用いるラセミ体の部分的または完全な分離を行う技術。
iv)酵素的不斉合成:合成の少なくとも1段階で酵素反応を用いて、エナンチオマー的に純粋または豊富な所望のエナンチオマーの合成前駆体を得る合成技術。
v)化学的不斉合成:生成物に不斉(すなわちキラリティー)を生じる条件下でアキラル前駆体から所望のエナンチオマーを合成する合成技術であり、キラル触媒またはキラル補助剤を用いることで行うことができる。
vi)ジアステレオマー分離:ラセミ化合物を、個々のエナンチオマーをジアステレオマーに変換するエナンチオマー的に純粋な試薬(キラル補助剤)と反応させる技術。次に、得られたジアステレオマーを、より明瞭な構造的差異を利用したクロマトグラフィーまたは結晶化によって分離し、後段階でキラル補助剤を脱離させることで所望のエナンチオマーを得る。
vii)一次および二次不斉変換:ラセミ体からのジアステレオマーを平衡状態として、所望のエナンチオマーからのジアステレオマーを溶液中で優勢とするか、所望のエナンチオマーからのジアステレオマーの優先的結晶化によって平衡を乱して、最終的にほぼ全ての物質を所望のエナンチオマーの結晶ジアステレオマーに変換する技術。次に、所望のエナンチオマーをジアステレオマーから放出させる。
viii)速度論的分割:この技術は、速度論的条件下でのエナンチオマーのキラルで非ラセミ体の試薬もしくは触媒との反応速度差に基づいて、ラセミ体の部分的または完全分割を行うこと(あるいは部分的に分割された化合物のさらなる分割を行うこと)を指す。
ix)非ラセミ前駆体からのエナンチオ特異的合成:非キラル原料から所望のエナンチオマーを得る合成技術であって、合成途中では立体化学的完全性は損なわれないか、ごくわずかしか損なわれないもの。
x)キラル液体クロマトグラフィー:ラセミ体のエナンチオマーを固定相との相互作用の差に基づいて液体移動相中で分離する技術。固定相をキラル材料製とすることができるか、あるいは移動相に別のキラル材料を含ませて相互作用差を生じさせることができる。
xi)キラルガスクロマトグラフィー:ラセミ体を気化させ、固定化された非ラセミ体のキラル吸着剤相を含むカラムとの気体移動相中での相互作用差に基づいてエナンチオマーを分離する技術。
xii)キラル溶媒による抽出:特定のキラル溶媒中へのあるエナンチオマーの優先的溶解に基づいてエナンチオマーを分離する技術。
xiii)キラル膜横断輸送:ラセミ体を薄膜障壁と接触状態に置く技術。その障壁は通常は、一方がラセミ体を含む2つの混和性流体を分離し、濃度差または圧力差などの推進力によって、膜障壁横断の優先的輸送が生じる。ラセミ体の一方のエナンチオマーのみを通過させることができる膜の非ラセミ的キラル性の結果として分離が起こる。
II.定義
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、別段の指定がない限り、飽和の直鎖、分枝または環状の1級、2級または3級の、通常はC〜C10の炭化水素を指し、具体的には、メチル、CF、CCl、CFCl、CFCl、エチル、CHCF、CFCF、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチルおよび2,3−ジメチルブチルなどがある。この用語には、置換アルキル基も非置換アルキル基も含まれ、特にはハロゲン化アルキル基、さらに詳細にはフッ素化アルキル基が含まれる。アルキル基が置換していても良い部分の例としては、未保護であるか、当業者には公知のように必要に応じて(例えば、Greene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991(参照によって本明細書に組み込まれる)に記載の方法に従って)保護されたハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、スルホン酸エステル、ホスホン酸、リン酸エステルまたはホスホン酸エステルからなる群から選択される。
本明細書で使用される場合、「低級アルキル」という用語は、別段の断りがない限り、置換部分と未置換部分の両方を含むC〜Cで飽和の直鎖、分岐もしくは適切であれば環状の(例えばシクロプロピル)アルキル基を指す。
「アルキルアミノ」または「アリールアミノ」という用語は、それぞれ1個もしくは2個のアルキルもしくはアリール置換基を有するアミノ基を指す。本願で別段の断りがない限り、アルキルが好適な部分である場合には、低級アルキルが好ましい。同様に、アルキルまたは低級アルキルが好適な部分である場合には、未置換のアルキルもしくは低級アルキルが好ましい。
本明細書で使用される場合、「保護(された)」という用語は、別段の定義がない限り、その基がさらに反応しないように、あるいは他の目的のために、酸素、窒素またはリン原子を付加させた基を指す。有機合成分野の当業者には、非常に多様な酸素および窒素保護基が知られている。
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、別段の断りがない限り、フェニル、ビフェニルまたはナフチルを指し、フェニルが好ましい。その用語には、置換部分も非置換部分も含まれる。アリール基は、未保護であるか、当業者には公知のように必要に応じて(例えば、Greene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991に記載の方法に従って)保護されたハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、スルホン酸エステル、ホスホン酸、リン酸エステルまたはホスホン酸エステルからなる群から選択される1以上の部分など(これらに限定されるものではない)のいずれか記載の部分で置換されていても良い。
「アルカリール」または「アルキルアリール」という用語は、アリール置換基を有するアルキル基を指す。アラルキルまたはアリールアルキルという用語は、アルキル置換基を有するアリール基を指す。
本明細書で使用される場合、「ハロ」という用語は、クロロ、ブロモ、ヨードおよびフルオロを含む。
「プリン」または「ピリミジン」塩基という用語は、アデニン、N−アルキルプリン類、N−アシルプリン類(アシルはC(O)(アルキル、アリール、アルキルアリールもしくはアリールアルキル)である)、N−ベンジルプリン、N−ハロプリン、N−ビニルプリン、N−アセチレニックプリン、N−アシルプリン、N−ヒドロキシアルキルプリン、N−アルキルアミノプリン、N−チオアルキルプリン、N−アルキルプリン類、N−アルキル−6−チオプリン類、チミン、シトシン、5−フルオロシトシン、5−メチルシトシン、6−アザピリミジン(6−アザシトシンなど)、2−および/または4−メルカプトピリミジン、ウラシル、5−ハロウラシル(5−フルオロウラシルなど)、C−アルキルピリミジン類、C−ベンジルピリミジン類、C−ハロピリミジン類、C−ビニルピリミジン、C−アセチレニックピリミジン、C−アシルピリミジン、C−ヒドロキシアルキルプリン、C−アミドピリミジン、C−シアノピリミジン、C−ヨードピリミジン、C−ヨード−ピリミジン、C−Br−ビニルピリミジン、C−Br−ビニルピリミジン、C−ニトロピリミジン、C−アミノ−ピリミジン、N−アルキルプリン類、N−アルキル−6−チオプリン類、5−アザシチジニル、5−アザウラシリル、トリアゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニルおよびピラゾロピリミジニルを含むが、これらに限定されるものではない。プリン塩基には、グアニン、アデニン、ヒポキサンチン、2,6−ジアミノプリンおよび6−クロロプリンなどがあるが、これらに限定されるものではない。塩基上の官能性の酸素基および窒素基は、必要または所望に応じて保護することができる。好適な保護基は当業者には公知であり、トリメチルシリル、ジメチルヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリルおよびt−ブチルジフェニルシリル、トリチル、アルキル基、アセチルやプロピオニルなどのアシル基、メタンスルホニル、およびp−トルエンスルホニルなどがある。
「アシル」または「O−連結エステル」という用語は、式C(O)R′の基を指し、R′は直鎖、分岐または環状アルキル(低級アルキルなど)、アミノ酸のカルボキシレート残基、フェニルなどのアリール、アルカリール、ベンジルなどのアラルキル、メトキシメチルなどのアルコキシアルキル、フェノキシメチルなどのアリールオキシアルキル;あるいは置換アルキル(低級アルキルなど)、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシで置換されていても良いフェニルなどのアリール、メタンスルホニルなどのアルキルもしくはアラルキルスルホニルのようなスルホン酸エステル、モノ、ジもしくはトリホスフェートエステル、トリチルもしくはモノメトキシ−トリチル、置換ベンジル、アルカリール、ベンジルなどのアラルキル、メトキシメチルなどのアルコキシアルキル、フェノキシメチルなどのアリールオキシアルキルである。エステルにおけるアリール基は至適には、フェニル基を有する。特に、アシル基にはアセチル、トリフルオロアセチル、メチルアセチル、シクロプロピルアセチル、プロピオニル、ブチリル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ネオヘプタノイル、フェニルアセチル、2−アセトキシ−2−フェニルアセチル、ジフェニルアセチル、α−メトキシ−α−トリフルオロメチル−フェニルアセチル、ブロモアセチル、2−ニトロ−ベンゼンアセチル、4−クロロ−ベンゼンアセチル、2−クロロ−2,2−ジフェニルアセチル、2−クロロ−2−フェニルアセチル、トリメチルアセチル、クロロジフルオロアセチル、パーフルオロアセチル、フルオロアセチル、ブロモジフルオロアセチル、メトキシアセチル、2−チオフェンアセチル、クロロスルホニルアセチル、3−メトキシフェニルアセチル、フェノキシアセチル、tert−ブチルアセチル、トリクロロアセチル、モノクロロ−アセチル、ジクロロアセチル、7H−ドデカフルオロ−ヘプタノイル、パーフルオロ−ヘプタノイル、7H−ドデカ−フルオロヘプタノイル、7−クロロドデカフルオロ−ヘプタノイル、7−クロロ−ドデカフルオロ−ヘプタノイル、7H−ドデカフルオロヘプタノイル、7H−ドデカ−フルオロヘプタノイル、ノナ−フルオロ−3,6−ジオキサ−ヘプタノイル、ノナフルオロ−3,6−ジオキサヘプタノイル、パーフルオロヘプタノイル、メトキシベンゾイル、メチル3−アミノ−5−フェニルチオフェン−2−カルボキシル、3,6−ジクロロ−2−メトキシ−ベンゾイル、4−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−ベンゾイル、2−ブロモ−プロピオニル、ω−アミノカプリル、デカノイル、n−ペンタデカノイル、ステアリル、3−シクロペンチル−プロピオニル、1−ベンゼン−カルボキシル、O−アセチルマンデリル、ピバロイルアセチル、1−アダマンタン−カルボキシル、シクロヘキサン−カルボキシル、2,6−ピリジンジカルボキシル、シクロプロパン−カルボキシル、シクロブタン−カルボキシル、パーフルオロシクロヘキシルカルボキシル、4−メチルベンゾイル、クロロメチルイソオキサゾリルカルボニル、パーフルオロシクロヘキシルカルボキシル、クロトニル、1−メチル−1H−インダゾール−3−カルボニル、2−プロペニル、イソバレリル、1−ピロリジンカルボニル、4−フェニルベンゾイルなどがある。
「アミノ酸」という用語には、天然および合成のα、β、γまたはδアミノ酸類などがあり、タンパク質で認められるアミノ酸、すなわちグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニンおよびヒスチジンなどがあるが、これらに限定されるものではない。好ましい実施形態では前記アミノ酸は、L−配置のものである。あるいは前記アミノ酸は、アラニル、バリニル、ロイシニル、イソロイシニル、プロリニル、フェニルアラニニル、トリプトファニル、メチオニニル、グリシニル、セリニル、スレオニニル、システイニル、チロシニル、アスパラギニル、グルタミニル、アスパルトイル、グルタロイル、リジニル、アルギニニル、ヒスチジニル、β−アラニル、β−バリニル、β−ロイシニル、β−イソロイシニル、β−プロリニル、β−フェニルアラニニル、β−トリプトファニル、β−メチオニニル、β−グリシニル、β−セリニル、β−スレオニニル、β−システイニル、β−チロシニル、β−アスパラギニル、β−グルタミニル、β−アスパルトイル、β−グルタロイル、β−リジニル、β−アルギニニルまたはβ−ヒスチジニルの誘導体であることができる。
本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」または「実質的に存在しない」という用語は、ヌクレオシドの指定のエナンチオマーを少なくとも85または90重量%、好ましくは95重量%、98重量%、99重量%または100重量%含むヌクレオシド組成物を指す。好ましい実施形態において、本発明の方法および化合物では、化合物はエナンチオマーを実質的に含まない。
同様に、「単離された」という用語は、ヌクレオシドを少なくとも85重量%、90重量%、95重量%、98重量%、99重量%または100重量%含み、残りが他の化学種またはエナンチオマーを含むヌクレオシド組成物を指す。
本明細書では、「宿主」という用語は、ウィルス複製が可能な単細胞生物または多細胞生物を指し、細胞系および動物、好ましくはヒトが含まれる。あるいは宿主は、本発明の化合物によってその複製または機能が変更され得るフラビウィルスまたはペスチウィルスのゲノムの一部を保有していてもよい。宿主という用語は、具体的には、感染細胞、フラビウィルスまたはペスチウィルスのゲノムの全体または部分をトランスフェクトした細胞、および動物、特に(チンパンジーを含む)霊長類およびヒトを指す。本発明の大部分の動物適用例では、宿主はヒトの患者である。しかし、ある適応症では、本発明は、明らかに動物への適用を見込んでいる(チンパンジーなど)。
本明細書を通じて、用語「製薬上許容される塩またはプロドラッグ」というは、患者に投与されるとヌクレオシド化合物をもたらす何らかの製薬上許容される形(エステル、リン酸エステル、エステルまたは関連した基の塩)のヌクレオシド化合物を説明するのに用いられる。製薬上許容される塩には、製薬上許容される無機または有機の塩基および酸から誘導されたものが含まれる。適切な塩には、製薬業界でよく知られている多くの酸のうち、カリウムやナトリウムなどのアルカリ金属、カルシウムやマグネシウムなどのアルカリ土類金属から誘導されたものが含まれる。製薬上許容されるプロドラッグは、宿主の中で代謝、たとえば加水分解または酸化されて、本発明の化合物を生成する化合物を指す。プロドラッグの代表的な例には、活性化合物の官能性部分に生物学的に不安定な保護基を有する化合物が含まれる。プロドラッグには、酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、ヒドロキシル化、脱ヒドロキシル化、加水分解、脱水、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化、脱リン酸化されて、活性化合物を生成することのできる化合物が含まれる。本発明の化合物は、フラビウィルス科ウィルスに対して抗ウィルス活性を有する、または代謝されるとそのような活性を示す化合物になる。
III.プロドラッグおよび誘導体
製薬上許容される塩
化合物が、安定な非毒性の酸または塩基の塩を形成するだけの塩基性または酸性を有する場合、化合物を製薬上許容される塩として投与することが適切である。製薬上許容される塩の例は、生理的に許容されるアニオンを生成する酸を加えることで形成される有機酸の付加塩、例えばトシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩、α−グリセロリン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩およびサリチル酸塩である。硫酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、臭化水素酸塩およびリン酸などの、適切な無機塩を生成してもよい。好ましい実施形態では、その塩はモノ塩酸塩またはジ塩酸塩である。
製薬上許容される塩は、当技術分野でよく知られている標準の手順を利用して、例えばアミンなどの十分に塩基性の化合物と生理的に許容されるアニオンをもたらす適切な酸を反応させることによって得られる。カルボン酸のアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウムまたはリチウム)塩またはアルカリ土類金属(例えばカルシウム)塩を作製してもよい。1実施形態では、前記塩は化合物の塩酸塩である。別の実施形態では、前記製薬上許容される塩はジ塩酸塩である。
ヌクレオチドプロドラッグ製剤
本明細書に記載のヌクレオシドは、ヌクレオシドプロドラッグとして投与して、活性、生物学的利用能、安定性を高め、あるいは他の点でヌクレオシドの特性を変更することができる。数種のヌクレオシドプロドラッグリガンドが知られている。一般に、ヌクレオシドの一、二、または三リン酸のアルキル化、アシル化、または他の親油性化修飾により、極性が低下し、細胞への進入が可能となる。リン酸部分の1個または複数の水素を置換できる置換基の例には、アルキル、アリール、ステロイド、糖を含む炭水化物、1,2−ジアシルグリセロール、およびアルコールがある。
別の実施形態では、前記化合物は、ホスホン酸塩、ホスホロチオ酸塩またはSATE誘導体として投与される。
多くの例が、ジョーンズらの報告(R. Jones and N. Bischoferger, Antiviral Research, 1995, 27: 1-17)に記載されている。これらのいずれも、開示のヌクレオシドと併用して、所望の効果を得ることができる。ヌクレオシド、好ましくはヌクレオシドの5′−OH位で共有結合的に組み込むことができる好適な親油性置換基または親油性製剤を開示した米国特許の例には、米国特許第5149794号(1992年9月22日、ヤトビン(Yatvin)ら);5194654号(1993年3月16日、ホステトラー(Hostetler)ら)、5223263号(1993年6月29日、ホステトラーら);5256641号(1993年10月26日、ヤトビンら);5411947号(1995年5月2日、ホステトラーら);5463092号(1995年10月31日、ホステトラーら);5543389号(1996年8月6日、ヤトビンら);5543390号(1996年8月6日、ヤトビンら);5543391号(1996年8月6日、ヤトビンら);および5554728号(1996年9月10日;バサバ(Basava)ら)(これらはいずれも、参照によって本明細書に組み込まれる)などがあるが、これらに限定されるものではない。本発明のヌクレオシドに結合することができる親油性置換基または親油性製剤を開示する外国特許出願には、WO89/02733、WO90/00555、WO91/16920、WO91/18914、WO93/00910、WO94/26273、WO96/15132、EP0350287、EP93917054.4およびWO91/19721などがある。
活性ヌクレオシドは、各種文献(Kucera, L. S., N. Iyer, et al. 1990 AIDS Res. Hum. Retro Viruses. 6:491-501; Piantadosi, C., J. Marasco C. J., et al. 1991 J. Med Chem. 34: 1408.1414 ; Hosteller, K. Y., D. D. Richman, et al. 1992 Antimicrob. Agents Chemother. 36: 2025.2029; Hosetler, K. Y., L. M. Stuhmiller, 1990. J. Biol. Chem. 265: 61127;これらは参照によって本明細書に組み込まれる)に開示の2′、3′および/または5′−ホスホエステル脂質または2′、3′および/または5′−エーテル脂質として提供することもできる。
ヌクレオシドに、好ましくはヌクレオシドの2′、3′および/または5′−OH位で共有結合的に組み込むことができる好適な親油性置換基または親油性製剤を開示した米国特許の例には、米国特許第5149794号(1992年9月22日、ヤトビン(Yatvin)ら);5194654号(1993年3月16日、ホステトラー(Hostetler)ら)、5223263号(1993年6月29日、ホステトラーら);5256641号(1993年10月26日、ヤトビンら);5411947号(1995年5月2日、ホステトラーら);5463092号(1995根10月31日、ホステトラーら);5543389号(1996年8月6日、ヤトビンら);5543390号(1996年8月6日、ヤトビンら);5543391号(1996年8月6日、ヤトビンら);および5554728号(1996年9月10日;バサバ(Basava)ら)(これらはいずれも、参照によって本明細書に組み込まれる)などがあるが、これらに限定されるものではない。本発明のヌクレオシドに結合することができる親油性置換基または親油性製剤を開示する外国特許出願には、WO89/02733、WO90/00555、WO91/16920、WO91/18914、WO93/00910、WO94/26273、WO96/15132、EP0350287、EP93917054.4およびWO91/19721などがある。
アリールエステル類、特にはフェニルエステルも提供される。例として、デランベルトらの報告(DeLambert et al., J. Med. Chem. 37: 498 (1994))に開示されているが、それに限定されるものではない。ホスフェートに対してオルトのカルボキシルエステルを有するフェニルエステルも提供される(Khamnei and Torrence, J. Med Chem.; 39: 4109-4115 (1996))。詳細には、場合によりオルト位またはパラ位にある置換基を用いて加水分解を加速して、親化合物を生じるベンジルエステルが提供される。その種類のプロドラッグの例が、文献に記載されている(Mitchell et al., J. Chem. Soc. Perkin Trans. I 2345 (1992);ブルック(Brook)ら、WO91/19721;およびグラチエ(Glazier)ら、WO91/19721)。
環状ホスホン酸エステルも提供される。その例が、ハンストンらの報告(Hunston et al., J. Med. Chem. 27: 440-444 (1984))およびスターレットらの報告(Starrett et al. J. Med. Chem. 37: 1857- 1864 (1994))に開示されているが、それらに限定されるものではない。さらに、環状3′,5′−ホスフェートエステルが提供される。その例が、マイヤーらの報告(Meier et al. J. Med. Chem. 22: 811-815 (1979))に開示されているが、それに限定されるものではない。縮合アリール環を有するもの、すなわちシクロサリゲニルエステルなどの環状1′,3′−プロパニルホスホン酸エステルおよびホスフェートエステルも提供される(Meier etal., Bioorg. Med. Chem. Lett. 7: 99-104 (1997))。モノホスフェートの未置換の環状1′,3′−プロパニルエステルも提供される(Farquhar et al., J. Med. Chem. 26: 1153 (1983); Farquhar et al., J. Med Chem. 28: 1358 (1985))。さらに、C−1′でピバロイルオキシメチルオキシ基によって置換された環状1′,3′−プロパニルエステルが提供される(Freed et al., Biochem. Pharmac. 38: 3193 (1989);ビラー(Biller)ら、米国特許第5157027号)。
環状ホスホルアミデート類が、酸化的機序によってin vivoで開裂することが知られている。従って、本発明の1実施形態では、各種の置換1′,3′プロパニル環状ホスホルアミド類が提供される。その例が、ゾンらの報告(Zon, Progress in Med. Chem. 19, 1205 (1982))によって開示されているが、それに限定されるものではない。さらに、多くの2′−および3′−置換プロエステルが提供される。2′−置換基には、メチル、ジメチル、ブロモ、トリフルオロメチル、クロロ、ヒドロキシおよびメトキシなどがあり、3′−置換基にはフェニル、メチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、i−プロピルおよびシクロヘキシルなどがある。各種の1′−置換類縁体も提供される。
リン含有化合物の環状エステルも提供される。その例が、下記の文献に記載されているが、それらに限定されるものではない。
・[1]リン酸のジおよびトリエステルが報告されている(Nifantyev et al., Phosphorus, Sulfur Silicon and Related Eelements, 113: 1 (1996); Wijnberg et al., EP-180276 A1)。
・[2]リン(III)酸エステル。クリュクコフらの報告(Kryuchkov et al., Izv. Akad. Nauk SSSR, Ser. Khim. 6: 1244 (1987))。その化合物の一部は、L−ドーパ前駆体の不斉合成において有用であると主張されている。シルバイン(Sylvain)ら、DE3512781A1。
[3]ホスホルアミデート類。シーらの報告(Shih et al., Bull. Inst. Chem. Acad Sin, 41: 9 (1994));エドムンドソンらの報告(Edmundson et al., J. Chem. Res. Synop. 5: 122 (1989))。
[4]ホスホン酸塩。ナイドレインらの報告(Neidlein et al., Heterocycles 35: 1185 (1993))。
さらに、好適な環状ホスホルアミデートプロドラッグを開示する米国特許および国際特許出願の例には、米国特許第6312662号;WO99/45016;WO00/52015;WO01/47935;およびメタベーシス・セラピューティクス社(Metabasis Therapeutics, Inc.)からのエリオン(Erion)らへのWO01/18013などがあるが、こられに限定されるものではない。具体的には、下記式Aのプロドラッグが提供される。
Figure 0005087211
式中、
・VとZが別の3〜5個の原子を介して連結されて、5〜7個の原子、適宜に1個のヘテロ原子を有し、リンに結合した両方のO基から3個の原子である炭素原子に結合したヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシもしくはアリールオキシカルボニルオキシで置換された環状基を形成しているか;あるいは
・VとZが別の3〜5個の原子を介して連結されて、リンに結合したOに対してβ位およびγ位のアリール基に縮合した1個のヘテロ原子を有していても良い環状基を形成しており;
・VとWが別の3個の原子を介して連結されて、6個の炭素原子を有し、リンに結合したOから3個の原子である前記炭素原子のいずれかに結合したヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシからなる群から選択される1個の置換基で置換されている置換されていても良い環状基を形成しており;
・ZとWが別の3〜5個の原子を介して連結されて、1個のヘテロ原子を有していても良い環状基を形成しており、Vはアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールとなるはずであり;
・WとW′が別の2〜5個の原子を介して連結されて、0〜2個のヘテロ原子を有していても良い環状基を形成しており、Vはアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるはずであり;
・Zは、−CHROH、−CHROC(O)R、−CHROC(S)R、−CHROC(S)OR、−CHROC(O)SR、−CHROCO、−OR、−SR、−CHR、−CHアリール、−CH(アリール)OH、−CH(CH=CR )OH、−CH(C.ident.CR)OH、−R、−NR 、−OCOR、−OCO、−SCOR、−SCO、−NHCOR、−NHCO、−CHNHアリール、−(CH−OR12および−(CH−SR12からなる群から選択され;
・pは、2または3の整数であり;
・ただし、
・a)V、Z、W、W′の全てが−Hではなく;および
・b)Zが−Rである場合、V、WおよびW′のうちの少なくとも一つが、−H、アルキル、アラルキルまたは脂環式ではなく;
・Rは、Rおよび−Hからなる群から選択され;
・Rは、アルキル、アリール、脂環式およびアラルキルからなる群から選択され;
・R12は、−Hおよび低級アシルからなる群から選択され;
・Mは、生理活性剤であり、2′、3′および/または5′−ヒドロキシルを介して式Aにおけるリンに結合している。
IV.併用療法または交互療法
本発明の活性化合物は、別の抗フラビウィルスまたはペスチウィルス剤、あるいは特には抗HCV剤との併用または交互使用で投与することができる。併用療法では、有効用量の2種類以上の薬剤を一緒に投与し、交互療法または順次療法では、有効用量の各薬剤を連続的または順次にて投与する。その用量は、薬物の吸収速度、失活速度および排泄速度、ならびに当業者には公知の他の要因に応じて決まる。留意すべき点として、用量値は改善すべき状態の重度によっても変わる。さらに留意すべき点として、時間の経過と共に、個々のニーズおよびこの組成物の投与を管理または監督する担当者の専門的判断に従い、特定の投与法および投与計画を、特定の被験者に応じて調節すべきである。好ましい実施形態では、10〜15μMまたは好ましくは1〜5μM未満のEC50を示す抗HCV(または 抗ペスチウィルスもしくは抗フラビウィルス) 化合物が望ましい。
長期の抗ウィルス薬治療の後には、フラビウィルス、ペスチウィルスまたはHCVの薬剤抵抗性変種が出現し得ることがわかっている。薬剤抵抗性は、ウィルス複製に使用される酵素をコードする遺伝子の突然変異によって引き起こされることが最も一般的である。主薬が引き起こすものと異なる突然変異を誘発する、第2、ときには第3の抗ウィルス化合物と併用または交代で化合物を投与することによって、ウィルス感染に対する薬物効力を延長、増強、または回復させることができる。あるいは、そのような併用療法または交代療法によって、薬物の薬物動態、体内分布、または他のパラメータを変化させることができる。一般に、併用療法は、ウィルスに同時多発的なストレスを引き起こすので、交代療法よりも通常は好ましい。
発明の背景で記載したウィルス治療を、本明細書に記載の化合物との併用または交互使用で用いることができる。その例には下記のものがある。
1)プロテアーゼ阻害薬
例としては、α−ケトアミド類およびヒドラジノ尿素類などの基質系NS3プロテアーゼ阻害薬(Attwood et al., Antiviral peptide derivatives, PCT WO 98/22496, 1998; Attwood et al., Antiviral Chemistry and Chemotherapy 1999, 10, 259-273; Attwood et al., Preparation and use of amino acid derivatives as anti-viral agents, German Patent Pub. DE 19914474; Tung et al. Inhibitors of serine proteases, particularly hepatitis C virus NS3 protease, PCT WO 98/17679)ならびにボロン酸またはホスホン酸類などの求電子剤を末端とする阻害薬(Llinas-Brunet et al, Hepatitis C inhibitor peptide analogues, PCT WO 99/07734);RD3−4082およびRD3−4078(前者は14炭素鎖によってアミド上で置換されており、後者はパラ−フェノキシフェニル基を有する)などの2,4,6−トリヒドロキシ−3−ニトロ−ベンズアミド誘導体のような非基質系NS3プロテアーゼ阻害薬(Sudo K. et al., Biochemical and Biophysical Research Communications, 1997, 238, 643-647; Sudo K. et al. Antiviral Chemistry and Chemotherapy, 1998, 9, 186);ならびにフェナンスレンキノンであってHCVプロテアーゼ阻害薬であるSch68631(Chu M. et al., Tetrahedron Letters 37: 7229-7232, 1996)。
真菌Penicillium griseofulvumから単離されたSch351633がプロテアーゼ阻害薬であることが確認されている(Chu M. et al., Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 9: 1949-1952)。ヒルから単離されたエグリンcは、S. griseusプロテアーゼAおよびB、α−キモトリプリン、キマーゼおよびサブチリシンなどのいくつかのセリンプロテアーゼ類の強力な阻害薬である(Qasim M. A. et al., Biochemistry 36: 1598-1607, 1997)。
HCV治療のためのプロテアーゼ阻害薬を開示する米国特許には、例えばHCVエンドペプチダーゼ2を阻害するある種のシステインプロテアーゼ阻害薬が開示されている、スプルース(Spruce)らへの米国特許第6004933号;合成のC型肝炎ウィルスNS3プロテアーゼ阻害薬が開示されている、ツアン(Zhang)らに対する米国特許第5990276号;ライエス(Reyes)らに対する米国特許第5538865号;コーバス・インターナショナル社(Corvas International, Inc.)に対するWO02/008251;ならびにシェリング社に対するWO02/08187およびWO02/008256などがある。HCV阻害薬トリペプチド類が、ベーリンガー・インゲルハイム(Boehringer Ingelheim)に対する米国特許第6534523号、同6410531号および同6420380号ならびにブリストール・マイヤーズ・スクイブ社(Bristol Myers Squibb)に対するWO02/060926に開示されている。HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害薬としてのジアリールペプチドが、シェリング社に対するWO02/48172に開示されている。HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害薬としてのイミダゾリジノン類が、シェリング社に対するWO02/08198およびブリストール・マイヤーズ・スクイブ社に対するWO02/48157に開示されている。ベルテックス・ファーマシューティカルズ社(Vertex Pharmaceuticals)に対するWO98/17679およびブリストール・マイヤーズ・スクイブ社に対するWO02/48116にも、HCVプロテアーゼ阻害薬が開示されている。
2)NS3/4A融合タンパク質およびNS5A/5B基質を用いる逆相HPLCアッセイで該当する阻害を示すチアゾリジン誘導体(Sudo K. etal., Antiviral Research, 1996, 32, 9-18)、特に長いアルキル鎖で置換された縮合シンナミル部分を有する化合物RD−1−6250、RD46205およびRD46193。
3)文献(Kakiuchi N. et al. J. EBS Letters 421, 217-220; Takeshita N. et al. Analytical Biochemistry, 1997, 247, 242-246)で確認されているチアゾリジン類およびベンゾアニリド類。
4)SDS−PAGEおよびオートラジオグラフィーアッセイでプロテアーゼに対する活性を有するストレプトミセス属Sch68631の発酵培地ブロスから単離されたフェナンスレンキノリン(Chu M. et al., Tetrahedron Letters, 1996, 37, 7229-7232)、ならびにシンチレーション近接アッセイで活性を示す真菌Penicillium griseofulvumから単離されたSch351633(Chu M. etal., Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 9, 1949-1952)。
5)ヘリカーゼ阻害薬(Diana G. D. etal., Compounds, compositions and methods for treatment of hepatitis C, U. S. Pat. No. 5,633,358; Diana G. D.et al., Piperidine derivatives, pharmaceutical compositions thereof and their use in the treatment of hepatitis C, PCT WO 97/36554)。
6)ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬およびグリオトキシン(Ferrari R. et al. Journal of Virology, 1999, 73, 1649-1654)および天然物セルレニン(Lohmann V. et al., Virology, 1998, 249, 108-118)。
7)ウィルスの5′非コード領域(NCR)における配列の広がりに対して相補的なアンチセンスホスホチオエートオリゴデオキシヌクレオチド類(S−ODN)(Alt M. et al., Hepatology, 1995, 22, 707-717)あるいはNCRの3′末端を有するヌクレオチド326〜348およびHCV RNAの核コード領域にあるヌクレオチド371〜388(Alt M. et al., Archives of Virology, 1997, 142, 589-599; Galderisi U. et al., Journal of Cellular Physiology, 1999, 181, 251-257)。
8)IRES依存翻訳の阻害薬(Ikeda N et al., Agent for the prevention and treatment of hepatitis C, Japanese Patent Pub. JP-08268890; Kai Y. et al. Prevention and treatment of viral diseases, Japanese Patent Pub. JP-10101591)。
9)ヌクレアーゼ耐性リボザイム類(Maccjak, D. J. et al., Hepatology 1999, 30, abstract 995)およびバーバー(Barber)らに対する米国特許第6043077号およびドラペル(Draper)らに対する米国特許第5869253号および5610054号に開示のものなどのリボザイム類。
10)ヌクレオシド類縁体も、フラビウィルス科ウィルス感染の治療に向けて開発された。
11)国際特許公開番号WO01/90121およびWO01/92282でイデニクス・ファーマシューティカルズ(Idenix Pharmaceuticals)が記載している化合物。
12)C型肝炎ウィルス治療におけるある種のヌクレオシド類縁体の使用を開示した他の特許出願には、バイオケム・ファーマ社(BioChem Pharma, Inc.;現在のシャイヤ・バイオケム社(Shire Biochem, Inc.))出願のPCT/CA00/01316(WO01/32153;2000年11月3日出願)およびPCT/CA01/00197(WO01/60315;2001年2月19日出願);PCT/US02/01531(WO02/057425;2002年1月18日出願)およびメルク社(Merck & Co., Inc.)出願のPCT/US02/03086(WO02/057287;2002年1月18日出願)、ロッシュ出願のPCT/EP01/09633(WO02/18404;2001年8月21日公開)、ならびにPCT公開番号WO01/79246(2001年4月13日出願)、WO02/32920(2001年10月18日出願)およびファーマセット社(Pharmasset, Ltd.)によるWO02/48165などがある。
13)発明の名称「2′−フルオロヌクレオシド類」のエモリー大学に対するPCT公開番号WO99/43691には、HCV治療へのある種の2′−フルオロヌクレオシド類の使用が開示されている。
14)1−アミノ−アルキルシクロヘキサン類(ゴールド(Gold)らに対する米国特許第6034134号)、アルキル脂質(チョキア(Chojkier)らに対する米国特許第5922757号)、ビタミンEおよび他の抗酸化剤(チョキア(Chojkier)らに対する米国特許第5922757号)、スクアレン、アマンタジン、胆汁酸類(オゼキ(Ozeki)らに対する米国特許第5846964号)、N−(ホスホノアセチル)−L−アスパラギン酸(ダイアナ(Diana)らに対する米国特許第5830905号)、ベンゼンジカルボキサミド類(ダイアナ(Diana)らに対する米国特許第5633388号)、ポリアデニル酸誘導体(ワン(Wang)らに対する米国特許第5496546号)、2′,3′−ジデオキシイノシン(ヤルコアン(Yarchoan)らに対する米国特許第5026687号)、ベンズイミダゾール類(コラシノー(Colacinoet)らに対する米国特許第5891874号)、植物抽出物(ツアイ(Tsai)らに対する米国特許第 5837257号、オマー(Omer)らに対する米国特許第5725859号および米国特許第6056961号)ならびにピペリデン類(ダイアナ(Diana)らに対する米国特許第5830905号)などのその他の化合物。
15)シェリング−プロー(Schering-Plough)によるインターロイキン−10、インターニューロン(Interneuron)によるIP−501、ベルテックスによるメリメボジブ(Merimebodib;VX−497)、エンド・ラブス・ソルヴェー(Endo Labs Solvay)によるアマンタジン(AMANTADINE(登録商標))(シンメトレル(Symmetrel))、RPIによるヘプタジメオ(HEPTAZYMEO)、イズン・ファルマ(Idun Pharma.)によるIDN−6556、XTLによるXTL−002、キロン(Chiron)によるHCV/MF59、NABIによるシバシロ(CIVACIRO;C型肝炎免疫グロブリン)、ICN/リバファーム(Ribapharm)によるレボビリン(登録商標)、ICN/リバファームによるビラミジン(登録商標)、(Sci Clone)によるザダキシン(ZADAXIN;チモシンα−1)、サイ・クローンによるチモシン+PEG化インターフェロン、マキシム(Maxim)によるセプレン(CEPLENE(登録商標);ヒスタミン・2塩酸塩)、ベルテックス/イーライ・リリーによるVX950/LY 570310、イシス・ファーマシューティカル(Isis Pharmaceutical)/エラン(Elan)によるISIS14803、イズン・ファーマシューティカルズ社(Idun Pharmaceuticals, Inc.)によるIDN−6556、アクロス・ファーマ(AKROS Pharma)によるJTK003、ベーリンガー・インゲルハイムによるBILN−2061、ロッシュによるセルセプト(CellCept;ミコフェノール酸モフェチル)、T67、ツラリク(Tularik)によるβ−チューブリン阻害薬、イノジェネティクス(Innogenetics)によるE2に対する治療用ワクチン、藤沢薬品工業株式会社によるFK788、IdB1016(シリホス(Siliphos)、経口シリビン−ホスファチジルコリンフィトソーム)、ビロファルマ(ViroPharma)/ウェス(Wyeth)によるRNA複製阻害薬(VP50406)、インターセル(Intercell)による治療用ワクチン、エピミューン(Epimmune)/ジェネンコール(Genencor)による治療用ワクチン、アナディス(Anadys)によるIRES阻害薬、アナディスによるANA245およびANA246、アバント(Avant)による免疫療法(セラポア(Therapore))、コルバス(Corvas)/シェリング(Schering)によるプロテアーゼ阻害薬、ベルテックスによるヘリカーゼ阻害薬、トリメリス(Trimeris)による融合阻害薬、セルエクスシス(CellExSys)によるT細胞療法、バイオクリスト(Biocryst)によるポリメラーゼ阻害薬、PTCセラピューティクス(Therapeutics)によるターゲットRNA化学、イムテク社(Immtech, Int.)によるジカチオン(Dication)、アゴウロン(Agouron)によるプロテアーゼ阻害薬、キロン/メジビル(Medivir)によるプロテアーゼ阻害薬、AVIバイオファルマ(AVI BioPharma)によるアンチセンス療法、ハイブリドン(Hybridon)によるアンチセンス療法、エスロン・メディカル(Aethlon Medical)によるヘモピュリフィアー(hemopurifier)、メリックス(Merix)による治療用ワクチン、ブリストール−マイヤーズ・スクイブ/アキシス(Axys)によるプロテアーゼ阻害薬、トリペプ(Tripep)によるクロン−ワクC(Chron-VacC)治療用ワクチン、ユナイティッド・セラピューティクス(United Therapeutics)によるUT231B、ジーンラブス・テクノロジーズ(Genelabs Technologies)によるプロテアーゼ、ヘリカーゼおよびポリメラーゼ阻害薬、イムゾル(Immusol)によるIRES阻害薬、リゲル・ファーマシューティカルズ(Rigel Pharmaceuticals)によるR803、インターミューン(InterMune)によるインフェルゲン(INFERGEN(登録商標);インターフェロンアルファコン−1)、ビラゲン(Viragen)によるオムニフェロン(OMNIFERON(登録商標);天然インターフェロン)、ヒューマン・ゲノム・サイエンシーズによるアルブフェロン(ALBUFERON(登録商標))、アレス−セロノ(Ares-Serono)によるレビフ(REBIF(登録商標);インターフェロンβ−1a)、バイオメディスン(BioMedicine)によるω−インターフェロン、アマリオ・バイオサイエンシーズ(Amarillo Biosciences)による経口インターフェロンα、インターミューン(InterMune)によるインターフェロンγ、インターフェロンτおよびインターフェロンγ−1bなどのC型肝炎ウィルス治療に関して現在前臨床開発または臨床開発の段階にある他の化合物。
V.医薬組成物
製薬上許容される担体または希釈剤の存在下、有効量の活性化合物、その製薬上許容される塩、またはそのプロドラッグを投与することによって、ペスチウィルス、フラビウィルス、HCVまたはRNA依存性RNAウィルスポリメラーゼによって複製する別の生物に感染したヒトなどの宿主を、あるいは本明細書に開示の他の障害を治療することを目的として治療することができる。活性材料は、液体または固体の形で、何らかの適切な経路、たとえば、経口、非経口、静脈内、皮内、皮下、または局所投与によって投与することができる。
ペスチウィルス、フラビウィルスまたはHCV感染あるいは本明細書に記載の他の状態に好ましい当該化合物の用量は、1日約1〜50mg/kg、好ましくは1〜20mg/kg、より一般的には被投与者の体重1キログラムあたり1日0.1〜約100mgの範囲である。相対的に低い用量が好ましい場合があり、例えば0.5〜100mg、0.5〜50mg、または0.5〜5mg/kg/日である。さらに低い用量が有用である場合があることから、その範囲には0.1〜0.5mg/kg/日も含み得る。製薬上許容される塩およびプロドラッグの有効用量範囲は、送達される親ヌクレオシドの重量を基に算出することができる。その塩またはプロドラッグ自体が活性を示す場合、塩またはプロドラッグの重量を用いて上記のように、あるいは当業者に知られている他の手段によって有効用量を推定できる。
前記化合物は、それだけに限らないが、単位製剤あたり7〜3000mg、好ましくは70〜1400mgの有効成分を含有するものを含む何らかの適切な製剤単位で投与すると好都合である。50〜1000mgの経口投与量が通常は好都合であり、それには50、100、200、250、300、400、500、600、700、800、900または1000mgの1回または複数用量などがある。相対的に低い用量が好ましい場合があり、例えば10〜100または1〜50mgである。0.1〜50mg、あるいは0.1〜20mgあるいは0.1〜10.0mgという用量も想到される。さらに、例えば注射や吸入による場合のように非経口経路による投与の場合には、より低い用量を用いる場合がある。
理想的には、有効成分の最高血漿濃度が約0.2〜70μM、好ましくは約1.0〜10μMに達するように活性成分を投与すべきである。たとえば、場合によっては食塩水に溶かした、活性成分の0.1〜5%溶液を静脈内注射することによって、または活性成分の巨丸剤として投与することによって、これを実現することができる。
薬物組成物中の活性化合物濃度は、薬物の吸収速度、失活速度および排泄速度、ならびに当分野の技術者に知られている他の要因に応じて決まる。留意すべき点として、用量値は、改善すべき状態の重度によっても変わる。さらに留意すべき点として、時間の経過と共に、各個体のニーズおよびこの組成物の投与を管理または監督する者による専門的判断に従い、特定の投与法を特定の被験者向けに調整すべきであり、本明細書に記載の濃度範囲は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲に記載の組成物の範囲または実施を限定するものではない。有効成分は、一度に投与しても、数回分に小分けして様々な時間間隔で投与してもよい。
活性化合物の好ましい投与方式は、経口投与である。一般に、経口用組成物は、不活性希釈剤または食用担体を含む。これらをゼラチンカプセルに封入しても、圧縮して錠剤にしてもよい。治療上の経口投与では、活性化合物に賦形剤を混合し、錠剤、トローチ剤またはカプセル剤の形で使用することができる。製薬上適合性の結合剤および/または補助剤を組成物の一部として含んでいてもよい。
錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分、すなわち、微結晶性セルロース、トラガカントゴム、ゼラチンなどの結合剤;デンプンやラクトースなどの賦形剤;アルギン酸、プリモゲル(Prismogel)、トウモロコシデンプンなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムやステロテス(Sterotes)などの滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素などの滑剤;スクロースやサッカリンなどの甘味剤;またはペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジ香料などの香味剤、あるいは性質が類似の化合物のどれを含んでもよい。単位製剤がカプセル剤である場合、上記の種類の材料に加えて脂肪油などの液体担体も含んでよい。さらに、単位製剤は、その物理的形状を変更する様々な他の材料、たとえば、糖、シェラック、または他の腸溶性薬品類のコーティングを含んでもよい。
この化合物は、エリキシル、懸濁液、シロップ、カシェ剤、チューインガムなどの成分として投与できる。シロップは、活性化合物に加えて、甘味剤およびある種の保存剤としてのショ糖、色素、着色剤、着香剤も含んでよい。
前記化合物あるいはそれの製薬上許容される塩、またはそのプロドラッグは、所望の作用を弱めない他の活性材料、または抗生物質、抗真菌薬、抗炎症薬、他のヌクレオシド化合物を含む他の抗ウィルス薬など、所望の作用を補う材料と混合してもよい。非経口、皮内、皮下、または局所での適用に使用する溶液または懸濁液は、以下の成分、すなわち、注射用水、食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、他の合成溶媒などの無菌希釈剤;ベンジルアルコールやメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸や亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩などの緩衝剤;および塩化ナトリウムやデキストロースなどの浸透圧調整剤を含んでよい。非経口製剤は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器、または複数回分のバイアルに封入することができる。
静脈投与する場合、好ましい担体は、生理食塩水またはリン酸緩衝食塩水(PBS)である。
好ましい実施形態では、活性化合物を、インプラント剤およびマイクロカプセル投与系を含む徐放製剤など、化合物が体からすぐに排泄されるのを防ぐ担体と共に調製する。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリ乳酸など、生体適合性の生分解性ポリマーを使用してよい。このような製剤の調製方法は、当業者には明らかであろう。これらの材料は、アルザ社(Alza Corporation)から市販もされている。
(ウィルス抗原のモノクローナル抗体を有する感染細胞を標的とするリポソームを含む)リポソーム懸濁液も、製薬上許容される担体として好ましい。これらは、たとえば、米国特許第4522811号(それの全体が参照により本明細書に組み込まれる)で記載されているような、当業者に公知の方法に従って調製される。たとえば、適当な脂質(ステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ステアロイルホスファチジルコリン、アラカドイルホスファチジルコリン、コレステロールなど)を無機溶媒に溶解させ、次いでこれを蒸発させ、容器表面に乾燥脂質薄膜を残すことによってリポソーム製剤を調製することができる。次に、活性化合物またはそのモノホスフェート、ジホスフェートおよび/またはトリホスフェート誘導体の水溶液をその容器に導入する。次いで容器を手で旋回させて、脂質材料を容器側面から遊離させ、脂質凝集物を分散させることによりリポソーム懸濁液を生成する。
VI.活性化合物の製造方法
本発明のヌクレオシドは、当技術分野で知られている手段によって製造することができる。特に、適切に修飾した糖をアルキル化してからグリコシル化する、またはグリコシル化の後にヌクレオシドをアルキル化することによって、このヌクレオシドを合成することができる。以下の実施形態により、本発明のヌクレオシドを得る一般的方法をいくつか例示するが、これらに限定されるものではない。
A.1′−C−分枝ヌクレオシドの一般合成
下記構造の1′−C−分枝ヌクレオシド、
Figure 0005087211
[式中、塩基は、本明細書で定義のプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素、OR、ヒドロキシ、(低級アルキルなど)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり、
およびR10は、それぞれ独立に、H、(低級アルキルなど)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、
あるいは、RとR、RとR10、RとR、またはRとR10が一体となってπ結合を形成していてもよく、
およびRは、それぞれ独立に、H;(モノホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェート、または安定化ホスフェートプロドラッグなど)リン酸;(低級アシルなど)アシル;(低級アルキルなど)アルキル;メタンスルホニルおよびベンジルなどのアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルのようなスルホン酸エステル(フェニル基が本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で置換されていても良い);リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;または例えばin vivoで投与した場合に、RまたはRがそれぞれ独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることのできる他の製薬上許容される脱離基であり、
は、アルキル、クロロ−、ブロモ−、フルオロ−もしくはヨード−アルキル(すなわちCF)、アルケニル、またはアルキニル(すなわちアリル)であり、
Xは、O、S、SOまたはCHである。]は、以下の一般法のいずれかによって製造することができる。
1)ラクトンからの修飾
この方法の主要原料は、適切に置換されたラクトンである。ラクトンは、購入することも、標準的なエピマー化、置換および環化技術などの公知の手段によって製造することもできる。ラクトンは、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような当業者には公知の方法によって、適切な保護基、好ましくはアシル基またはシリル基で保護されていても良い。次いで、適切な温度で、適切な非プロトン性溶媒を用い、保護したラクトンをグリニャール試薬、TBAF中有機リチウム、ジアルキル銅リチウム、またはR−SiMeといった有機金属炭素求核試薬など、適切なカップリング剤と結合させると、1′−アルキル化糖が得られる。
次いで、タウンゼントの著作(Townsend Chemistry of Nucleosides and Nucleotides, Plenum Press, 1994)に記載のような、当業者に公知の方法によって、活性化されていても良い糖を塩基にカップリングさせることができる。たとえば、適切な溶媒中、適切な温度で、四塩化スズ、四塩化チタン、トリメチルシリルトリフラートなどのルイス酸を用いて、アシル化した糖をシリル化した塩基にカップリングさせることができる。
その後、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者に公知の方法によって、ヌクレオシドを脱保護することができる。
ある特定の実施形態では、1′−C−分枝リボヌクレオシドが望ましい。図式1にリボヌクレオシドの合成を示す。あるいは、デオキシリボヌクレオシドも望ましい。このようなヌクレオシドを得るには、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者に公知の方法によって、生成したリボヌクレオシドを保護しても良く、次いで、適切な還元剤で2′−OHを還元することができる。場合によっては、2′−ヒドロキシルを活性化させて還元しやすくする、すなわちバートン(Barton)還元を経てもよい。
Figure 0005087211
2.1′−C−分枝ヌクレオシドの別途製造法
この方法の主要原料は、適切に置換したヘキソースである。ヘキソースは、購入することも、アルカリ処理などの標準的なエピマー化、置換およびカップリング法のような公知の方法によって製造することもできる。タウンゼントの著作(Townsend Chemistry of Nucleosides and Nucleotides, Plenum Press, 1994)に記載の方法に従って、ヘキソースを選択的に保護すると、当該のヘキサフラノースを得ることができる。
1′−ヒドロキシルは適宜に、アシル化またはハロゲン化によって活性化させて、それぞれアシル基や塩素、臭素、フッ素、ヨウ素などの適切な脱離基としてよい。次いで、タウンゼントの著作(Townsend Chemistry of Nucleosides and Nucleotides, Plenum Press, 1994)に記載のような当業者に公知の方法によって、適宜に活性化された糖を塩基にカップリングさせることができる。たとえば、適切な溶媒中、適切な温度で、四塩化スズ、四塩化チタン、トリメチルシリルトリフラートなどのルイス酸を用いて、アシル化した糖をシリル化した塩基にカップリングさせることができる。あるいは、トリメチルシリルトリフラートの存在下、ハロ糖をシリル化した塩基にカップリングさせることもできる。
1′−CH−OHは、保護されていれば、当技術分野で公知の方法によって選択的に脱保護することができる。得られた1級ヒドロキシルを官能化すると、様々なC−分枝ヌクレオシドが得られる。たとえば、適切な還元剤を使用して、1級ヒドロキシルを還元してメチルを得ることができる。あるいは、ヒドロキシルを活性化してから還元して、還元しやすくする、すなわちバートン還元を経ることもできる。別途実施形態では、1級ヒドロキシルを酸化してアルデヒドにし、次いで、適切な温度で、適切な非プロトン性溶媒を用いて、グリニャール試薬、TBAF中有機リチウム、ジアルキル銅リチウム、またはR−SiMeなど、炭素求核試薬とカップリングさせることができる。
ある特定の実施形態では、1′−C−分枝リボヌクレオシドが望ましい。図式2にリボヌクレオシドの合成を示す。あるいは、デオキシリボヌクレオシドも望ましい。このようなヌクレオシドを得るには、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者に公知の方法によって、生成したリボヌクレオシドを適宜に保護し、次いで、2′−OHを適切な還元剤で還元することができる。場合によっては、2′−ヒドロキシルを活性化させて還元しやすくする、すなわちバートン還元を経てもよい。
Figure 0005087211
さらに、本発明の化合物に相当するL−エナンチオマーは、対応するL型糖、またはヌクレオシドのL−エナンチオマーを原料として開始する同じ一般法(1または2)に従って製造することができる。
B.2′−C−分枝ヌクレオシドの一般的合成
次の構造の2′−C−分枝ヌクレオシド:
Figure 0005087211
[式中、塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素、OR、ヒドロキシ、(低級アルキルなど)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり、
10は、H、(低級アルキルなど)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、
あるいは、RとR、またはRとR10が一体となってπ結合を形成していてもよく、
およびRは、それぞれ独立に、H;(モノホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されたベンジル;リン脂質を含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoで投与された場合に、RまたはRがそれぞれ独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることのできる他の製薬上許容される脱離基であり、
は、アルキル、クロロ−、ブロモ−、フルオロ−、ヨード−アルキル(すなわちCF)、アルケニル、またはアルキニル(すなわちアリル)であり、
Xは、O、S、SOまたはCHである。]は、以下の一般法のいずれかによって製造することができる。
1.適切に修飾された糖による核塩基のグリコシル化
この方法の主要原料は、2′−OH、2′−H、および適切な脱離基(LG)、たとえばアシル基または塩素、臭素、フッ素もしくはヨウ素を有する適切に置換した糖である。この糖は、購入することも、標準的なエピマー化、置換、酸化および還元技術などの公知の手段によって製造することもできる。次に、適合性溶媒中、適切な温度で、置換された糖を適切な酸化剤で酸化させると、2′が修飾された糖が得られる。考えられる酸化剤は、ジョーンズ試薬(クロム酸と硫酸の混合物)、コリンズ(Collins)試薬(ジピリジンCr(VI)オキシド)、コーリー(Corey)試薬(クロロクロム酸ピリジニウム)、ジクロム酸ピリジニウム、酸性ジクロム酸塩、過マンガン酸カリウム、MnO、四酸化ルテニウム、ポリマーに担持されたクロム酸または過マンガン酸塩などの相間移動触媒、Cl−ピリジン、H−モリブデン酸アンモニウム、NaBrO−CAN、HOAc中NaOCl、亜クロム酸銅、酸化銅、ラネーニッケル、酢酸パラジウム、ミアバイン−ポンドルフ−バーリー(Meerwin-Pondorf-Verley)試薬(別のケトンを有するアルミニウムt−ブトキシド)、およびN−ブロモコハク酸イミドである。
次いで、適切な温度で、適切な非プロトン性溶媒を用い、グリニャール試薬、TBAF中有機リチウム、ジアルキル銅リチウム、またはR−SiMeなど、有機金属炭素求核試薬をケトンと結合させると、2′−アルキル化糖が得られる。グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者に公知の方法によって、アルキル化された糖を適切な保護基、好ましくはアシル基またはシリル基で保護してもよい。
次いで、タウンゼントの著作(Townsend Chemistry of Nucleosides and Nucleotides, Plenum Press, 1994)に記載のような当業者に公知の方法によって、適宜に保護された糖を塩基と結合させることができる。たとえば、適切な溶媒中、適切な温度で、四塩化スズ、四塩化チタン、トリメチルシリルトリフラートなどルイス酸を用い、アシル化した糖をシリル化した塩基とカップリングさせることができる。あるいは、トリメチルシリルトリフラートの存在下、ハロ糖をシリル化した塩基とカップリングさせてもよい。
その後、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者に公知の方法によって、ヌクレオシドを脱保護することができる。
ある特定の実施形態では、2′−C−分枝リボヌクレオシドが望ましい。図式3にリボヌクレオシドの合成を示す。あるいは、デオキシリボヌクレオシドも望ましい。このようなヌクレオシドを得るには、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者に公知の方法によって、生成したリボヌクレオシドを適宜に保護し、次いで適切な還元剤で2′−OHを還元することができる。場合によっては、2′−ヒドロキシルを活性化して還元しやすくする、すなわちバートン還元を経てもよい。
Figure 0005087211
2.予め形成されたヌクレオシドの修飾
この方法の主要原料は、2′−OHおよび2′−Hを有する適切に置換されたヌクレオシドである。このヌクレオシドは、購入することも、標準的なカップリング技術などの公知の手段によって製造することもできる。このヌクレオシドは、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者に公知の方法によって、適切な保護基、好ましくはアシル基またはシリル基で保護しても良い。
次いで、適合溶媒中、適切な温度で、適切に保護したヌクレオシドを適切な酸化剤で酸化させると、2′が修飾された糖が得られる。考えられる酸化剤は、ジョーンズ試薬(クロム酸と硫酸の混合物)、コリンズ試薬(ジピリジンCr(VI)オキシド)、コーリー試薬(クロロクロム酸ピリジニウム)、ジクロム酸ピリジニウム、酸性ジクロム酸塩、過マンガン酸カリウム、MnO、四酸化ルテニウム、ポリマーに担持されたクロム酸または過マンガン酸塩などの相間移動触媒、Cl−ピリジン、H−モリブデン酸アンモニウム、NaBrO−CAN、HOAc中NaOCl、亜クロム酸銅、酸化銅、ラネーニッケル、酢酸パラジウム、ミアバイン−ポンドルフ−バーリー試薬(別のケトンを有するアルミニウムt−ブトキシド)、およびN−ブロモコハク酸イミドである。
その後、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者に公知の方法によって、ヌクレオシドを脱保護することができる。
ある特定の実施形態では、2′−C−分枝リボヌクレオシドが望ましい。図式4にリボヌクレオシドの合成を示す。あるいは、デオキシリボヌクレオシドも望ましい。このようなヌクレオシドを得るには、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者に公知の方法によって、生成したリボヌクレオシドを適宜に保護し、次いで適切な還元剤で2′−OHを還元することができる。場合によっては、2′−ヒドロキシルを活性化させて還元しやすくする、すなわちバートン還元を経てもよい。
Figure 0005087211
3.D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン−3′−O−L−バリンエステルの合成
図5に示したある合成方法では、この合成には、シトシン、BSAおよびSnCl/アセトニトリルを1,2,3,5−テトラ−O−ベンゾイル−2−C−メチル−β−D−リボフラノース(図5、化合物)と反応させて、4−アミノ−1−(3,4−ジベンゾイルオキシ−5−ベンゾイルオキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−1H−ピリミジン−2−オン(図5、化合物)を反応させる段階;ならびに(図5、化合物)をNaOMe/MeOHと反応させて2−C−メチル−β−D−リボフラノースとも称される4−アミノ−1−(3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−1H−ピリミジン−2−オン(図5、化合物)を得る段階がある。原料としてベンゾイル−シトシンではなくシトシンを用いることで、方法の「原子経済効率」が高くなり、それ以降の段階での生成が簡単になる。
この方法のそれ以降の段階は、DMF中で(図5、化合物)をMeNCH(OMe)と反応させて、(図5、化合物)、N−[1−(3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジン−4−イル]−N,N−ジメチル−ホルムアミジン[(図5、化合物)のアミノ保護型である]を形成する段階;DCM中にて(図5、化合物)をTBDPSClおよびイミダゾールと反応させて、N′−{1−[5−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3,4−ジヒドロキシ−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル]−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジン−4−イル}−N,N−ジメチル−ホルムアミジン(図5、化合物)としての(図5、化合物)の5′−シリル保護型を得る段階[DCMを用いることで、ジシリル副生成物形成をより良好に抑制できるという利点がある];DCM中で室温にて(図5、化合物)をN−Boc−L−バリン、EDCおよびDMAPと反応させて、2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸2−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ−メチル)−5−[4−(ジメチルアミノ−メチレンアミノ)−2−オキソ−2H−ピリミジン−1−イル]−4−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−イルエステル(図5、化合物)を形成する段階;遊離したアンモニアによる3′−O−バリニルエステルの開裂を防止するための約10モル当量の酢酸エチル存在下にMeOH中で(図5、化合物)をNHFと反応させることでシリルおよびアミノ−保護基を脱離させ、混合物を還流させて、2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸5−(4−アミノ−2−オキソ−2H−ピリミジン−1−イル)−4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−イルエステルを得ることで、(図5、化合物)を得る段階;そして最後に、(図5、化合物)をEtOH中HClと反応させて、最終生成物としての2−アミノ−3−メチル−酪酸5−(4−アミノ−2−オキソ−2H−ピリミジン−1−イル)−4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−イルエステル・2塩酸塩(図5、化合物)を得る段階を含む。
6.β−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン−3′−O−L−バリンエステルの別途合成
図6に示した本発明の化合物の別途合成方法では、ベンゾイルシトシン、BSAおよびSnCl/アセトニトリルを1,2,3,5−テトラ−O−ベンゾイル−2−C−メチル−β−D−リボフラノース(図6、化合物1a)と反応させて4−ベンゾイルアミノ−1−(3,4−ジベンゾイルオキシ−5−ベンゾイルオキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−1H−ピリミジン−2−オン(図6、化合物2a)を形成し;(図6、化合物2a)をメタノール中NHと反応させ、生成物であるβ−D−2′−C−メチル−シチジンとも称される4−アミノ−1−(3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−1H−ピリミジン−2−オン(図6、化合物3a)をクロマトグラフィーによって分離し;(図6、化合物3a)をDMF中室温でMeNCH(OMe)と1.5時間反応させて、N−[1−(3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジン−4−イル]−N,N−ジメチル−ホルムアミジン(図6、化合物4a)を形成し;(図6、化合物4a)を室温でTBDPSClおよびピリジンと反応させて、N′−{1−[5−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3,4−ジヒドロキシ−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル]−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジン−4−イル}−N,N−ジメチル−ホルムアミジン(図6、化合物5a)を得て;THF/DMF中で室温にて2日間にわたり、(図6、化合物5a)をN−Boc−L−バリン、DECおよびDMAPと反応させ、その反応から生成した生成物についてHPLCを行って、2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸2−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ−メチル)−5−[4−(ジメチルアミノメチレンアミノ)−2−オキソ−2H−ピリミジン−1−イル]−4−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−イルエステル(図6、化合物6a)を得て;(図6、化合物6a)をMeOH中NHFとともに約3時間還流させてシリルおよびアミノ保護基を脱離させ、生成物をクロマトグラフィー精製することで、2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸5−(4−アミノ−2−オキソ−2H−ピリミジン−1−イル)−4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−イルエステル(図6、化合物7a)を得て;最後に、(図6、化合物7a)を室温でEtOAc中HClと反応させて、最終生成物としての2−アミノ−3−メチル−酪酸5−(4−アミノ−2−オキソ−2H−ピリミジン−1−イル)−4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−イルエステル・2塩酸塩(図6、化合物8a)を得る。
2′−C−メチル−シチジン−3′−O−L−バリンエステル(val−mcyd)の合成を、図式5および図式6に示しており、以下にてそれを説明する。
Figure 0005087211
段階1:図式5化合物9:2−C−メチル−D−リボニック−γ−ラクトンの合成
オーバーヘッド撹拌機、撹拌シャフト、デジタル温度読取装置およびアルゴンラインを取り付けた250mL三頸丸底フラスコ中、脱イオン水(100mL)を撹拌した。或るコンを水に30分間吹き込み、D−フルクトース(20.0g、0.111mol)を加え、溶液は数分以内に透明となった。酸化カルシウム(12.5g、0.223mol)を5分間かけて少量ずつ加え、混合物を激しく撹拌した。発熱が認められ、反応温度は酸化カルシウム添加開始から10分後に39.6℃に達した。約15分後、反応混合物は黄色となり、それは時間経過とともに深い色となった。3時間後、少量サンプルをTLC分析用に抜き取った。その少量サンプルを、飽和シュウ酸水溶液を用いてpH2の酸性とした。得られた白色懸濁液を減圧下に留去して、水を除去した。トルエン(2mL)を残留物に加え、混合物を減圧下に留去して(45〜50℃)、痕跡量の水を除去した。残留固体を1:1テトラヒドロフラン:メタノール混合物2mL中で再生した。十分に混合した後、懸濁液を沈殿させ、上清の透明溶液をTLC用にスポット添加した(シリカプレートを2%メタノール/酢酸エチルで展開し、1%アルカリ性過マンガン酸カリウム浸漬液で染色した。次にプレートを、ピンクの背景上に黄色様スポットが認められるまでヒートガンを用いて加熱した。)。所望のラクトンは代表的には、上記条件下ではR値0.33で認められる。より極性の高い副生成物および未反応物は、R値範囲0.0〜0.2で検出される。
生成物の生成が3時間後に認められたが、反応混合物を25℃で撹拌しながら、反応を22時間継続させた。その期間終了後、混合物のpHは13.06であった。二酸化炭素ガスを反応混合物に約2.5時間吹き込んだ(pHは7.25であった)。生成した炭酸カルシウム固体を減圧濾過によって除去し、フィルターケーキを脱イオン水50mLで洗浄した。水層を合わせ、シュウ酸(5.0g、0.056mol)で処理し、混合物を25℃で30分間高撹拌した(最初の暗色はほとんど消失し、混合物は乳白色スラリーとなった)。この段階での混合物のpHは代表的には、2〜3である。そのスラリー混合物を45〜50℃で終夜撹拌した。次に、混合物を45〜50℃で減圧下に留去して、水75mLを除去した。塩化ナトリウム(30g)およびテトラヒドロフラン(100mL)を水系スラリー(約75mL)に加え、混合物を25℃で30分間高撹拌した。層を分離し、水層を新鮮なテトラヒドロフラン75mLとともに10分間撹拌した。このプロセスを3回繰り返し、テトラヒドロフラン溶液を合わせ、無水硫酸マグネシウム10gとともに30分間撹拌した。混合物を濾過し、硫酸マグネシウムフィルターケーキをテトラヒドロフラン60mLで洗浄した。濾液を減圧下に40℃で留去して、粗生成物10.86gを暗橙赤色半固体として得た(規模を大きくして行う場合は、粗生成物の溶媒留去による乾固を行わずに、テトラヒドロフランをアセトンに代える)。粗生成物をアセトン(20mL)とともに20℃で3時間撹拌した。生成物を減圧濾過によって回収し、フィルターケーキをアセトン12mLで洗浄して、所望の生成物9を白色結晶固体として得た。生成物を真空乾燥して、2.45g(収率13.6%)を得た。化合物9の融点:158〜162℃(文献値の融点:160〜161℃)。H NMR(DMSO−d)δppm5.69(s、1H、DOで交換)、5.41(d、1H、DOで交換)、5.00(t、1H、DOで交換)、4.15(m、1H)、3.73(m、2H)、3.52(m、1H)、1.22(s、3H)。13C NMR(DMSO−d)δppm176.44、82.95、72.17、72.02、59.63、20.95。(C10:計算値:C、44.45;H、6.22。実測値:C、44.34;H、6.30)。
段階2:図式5化合物10:2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−2−C−メチル−D−リボニック−γ−ラクトンの合成
ラクトン1(3.0g、18.50mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.45g、3.72mmol)およびトリエチルアミン(25.27g、249.72mmol)の1,2−ジメトキシエタン(50mL)中混合物を、アルゴン雰囲気下に25℃で30分間撹拌した。その白色懸濁液を冷却して5℃とし、塩化ベンゾイル(11.7g、83.23mmol)を15分間かけて加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。TLC分析(シリカ、2%メタノール/酢酸エチル)で、原料が完全に消費されたことが示された。氷冷水(100g)を反応混合物に加え、撹拌を30分間続けた。生成した白色固体を減圧濾過によって回収し、フィルターケーキを冷水(50mL)で洗浄した。その粗生成物をtert−ブチルメチルエーテル(60mL)とともに20℃で30分間撹拌し、濾過し、フィルターケーキをtert−ブチルメチルエーテル(25mL)で洗浄し、真空乾燥して、化合物10(7.33g、収率83.4%)を純度97.74%(HPLC/AUC)の白色固体として得た。化合物10の融点:137〜140℃(文献値融点:141〜142℃)。H NMR(CDCl)δppm8.04(d、2H)、7.92(d、2H)、7.73(d、2H)、7.59(t、1H)、7.45(m、4H)、7.32(t、2H)、7.17(t、2H)、5.51(d、1H)、5.17(m、1H)、4.82〜4.66(AB4重線のd、2H)1.95、(s、3H)。13C NMR(CDCl)δppm172.87、166.17、166.08、165.58、134.06、133.91、133.72、130.09、129.85、129.80、129.37、128.78、128.60、128.49、127.96、127.89、79.67、75.49、72.60、63.29、23.80。TOFMSES(M+1:475)。
段階3:図式5化合物11:2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−2−C−メチル−β−D−リボフラノースの合成
Red−Al(65重量%トルエン溶液、2.0mL、6.56mmol)の脱水トルエン(2.0mL)溶液を、アルゴン雰囲気下に0℃で撹拌した。脱水エタノール(0.38mL、6.56mmol)の脱水トルエン(1.6mL)溶液を、そのトルエン溶液に5分間かけて加えた。得られた混合物を0℃で15分間撹拌し、そのRed−Al/エノタール試薬2mL(2.18mmol)を、2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−2−C−メチル−D−リボノラクトン(475mg、1.0mmol)の脱水トルエン(10mL)溶液を冷却したもの(−5℃)に10分間かけて加えた。反応混合物を−5℃で40分間撹拌した。TLC分析(シリカプレート、35%酢酸エチル/ヘプタン)で、原料が完全に消費されていることが示された。HPLC分析で、残留している原料がわずか0.1%であることが示された。アセトン(0.2mL)、水(15mL)および1N HCl(15mL)で0℃にて反応停止し、反応液を昇温させて室温とした。1N HCl(5mL)を加えて、無機塩を溶解させた(pH:2〜3)。混合物を酢酸エチルで抽出し(25mLで3回)、有機溶液をブライン(25mL)で洗浄し、脱水し(無水硫酸ナトリウム、10g)、溶媒を減圧下および温度40℃で留去して、所望の生成物11を定量的収率(480mg)で得た。その取得物を、その後の段階でそのまま用いた。
段階4:図式5化合物12:1,2,3,5−テトラ−O−ベンゾイル−2−C−メチル−β−D−リボフラノースの合成
化合物11(480mg、1.0mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(12.3mg、0.1mmol)およびトリエチルアミン(506mg、5.0mmol)の脱水テトラヒドロフラン(5mL)溶液(5℃)に、塩化ベンゾイル(283mg、2.0mmol)を5分間かけて加えた。反応混合物を室温およびアルゴン雰囲気下にて終夜撹拌した。HPLC分析で、未反応の原料が0.25%であることが示された。氷冷水(10g)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えることで反応停止した。テトラヒドロフランを減圧下に除去し、混合物を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機溶液を水(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、脱水し(無水硫酸ナトリウム、12g)、溶媒を減圧下に除去して、粘稠油状生成物650mgを得た。その粗生成物をtert−ブチルメチルエーテル5mLとともに5分間撹拌し、ヘプタン(5mL)および水(0.1mL)を加え、撹拌を20℃でさらに2時間続けた。固体を減圧濾過によって回収し、フィルターケーキを1:1ヘプタン:tert−ブチルメチルエーテル溶液(6mL)およびtert−ブチルメチルエーテル(2mL)で洗浄した。固体を真空乾燥することで、所望の生成物12(HPLC/AUCにより純度98.43%)300mg(52%)を白色固体として得た。それは154〜156.3℃で融解した(文献値融点:155〜156℃)。H NMR(CDCl)δppm8.13(m、4H)、8.07(d、2H)、7.89(d、2H)、7.63(m、3H)、7.48(m、6H)、7.15(m、3H)、7.06(s、1H)、5.86(dd、1H)、4.79(m、1H)、4.70〜4.52(AB4重線のd、2H)、1.95、(s、3H)。13C NMR(CDCl)δppm166.31、165.83、165.01、164.77、134.01、133.86、133.70、133.17、130.44、130.13、129.97、129.81、129.59、129.39、129.07、128.84、128.76、128.37、98.01、86.87、78.77、76.35、64.05、17.07(C3428:計算値:C、70.34;H、4.86。実測値:C、70.20;H、4.95)。
Figure 0005087211
段階5:図式6化合物13:4−アミノ−1−(3,4−ジベンゾイルオキシ−5−ベンジルオキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−ピリミジン−2−オンの合成
還流冷却管、オーバーヘッド撹拌機およびアルゴン導入アダプターを取り付けた12リットル丸底フラスコ中、シトシン(89g、0.80mol)をアセトニトリル(900mL)に懸濁させた。懸濁液を20℃でアルゴン雰囲気下に撹拌し、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(537mL、2.2mol)を一気に加えた。得られた溶液を加熱して80℃とし、同じ温度でさらに1時間撹拌した。1,2,3,5−テトラ−O−ベンゾイル−2−C−メチル−□−D−リボフラノース(425.0g、0.73mol)をアセトニトリル(4000mL)に懸濁させ、反応混合物に加えた。反応混合物は数分後に透明となり、温度は低下して約50℃となった。塩化スズ(IV)(154mL、1.31mol)を15分間かけて加え、撹拌を80℃で続けた。1時間後、反応混合物の少量サンプルについて、重炭酸ナトリウム水溶液を加えることで反応停止し、水層を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層をTLCによって調べた(シリカゲル、20%酢酸エチル/ヘプタン、糖誘導体についてのR:0.40)。TLC分析では、糖誘導体が完全に消費されたことが示された。所望の生成物を、10%メタノール/塩化メチレンを用いるTLCによって検出した(R:0.37)。反応をHPLCによってモニタリングした(方法2)。反応混合物を冷却して20℃とし、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3000mL)を30分間かけて加えることで反応停止した(重炭酸ナトリウム溶液を最初の数滴加えた際に、発熱が認められた)。固体重炭酸ナトリウム(1350g)を少量ずつ加えて、発泡を回避した。混合物を調べて、それのpHが≧7であることを確認した。撹拌を停止し、層を20分間分離させた。水層を排液し、酢酸エチル(1500mL)とともに撹拌し、混合物を分離させた(30分間)。有機層を分離し、アセトニトリル溶液と合わせた。有機溶液をブライン(500mL)で洗浄し、溶媒を除去して体積を約750mLとした。生成物を、その後の反応でそのまま用いることができる。それをさらに溶媒除去して、定量的収率で白色泡状固体を得ることもできる。化合物13の構造は、H NMR分析によって確認した。
段階6:図式6化合物mCyd:4−アミノ−1−(3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−1H−ピリミジン−2−オンの合成
ナトリウムメトキシド(13.8g、0.26mol)を、化合物10(416g、0.73mol)のメタノール(2000mL)溶液に加えた。反応混合物を室温で撹拌し、TLCによってモニタリングした[(シリカゲル、10%メタノール/塩化メチレン、化合物9のR:0.53)および(シリカゲル、30%メタノール/塩化メチレン、化合物11のR:0.21)]。30分後に生成物の沈殿が開始し、TLCで2時間後に反応完結したことが示された。反応をHPLC(方法2)によってもモニタリングした。メタノールを減圧下に除去して体積を約500mLとし、エタノールによる体積約500mLまでの追い出しを行った(500mLで2回)。残留粘稠スラリーをエタノール750mLで希釈し、混合物を20℃で1時間撹拌した。生成物を濾取し、フィルターケーキをエタノール(100mL)およびtert−ブチル−メチルエーテル(100mL)で洗浄し、乾燥させて、生成物11(168g;2段階での収率90%)を純度>97%(HPLC/AUC)で得た。生成物については、Hおよび13C NMRによる分析も行った。
段階7:図式6化合物14:2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸5−(4−アミノ−2−オキソ−2H−ピリミジン−1−イル)−4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−イルエステルの合成
2リットル丸底フラスコ中のN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−バリン(46.50g、214mmol)、カルボニルジイミダゾール(34.70g、214mmol)および脱水テトラヒドロフラン(1000mL)の溶液を、アルゴン下に25℃で1.5時間撹拌し、次に40〜50℃で20分間撹拌した。オーバーヘッド撹拌機、冷却タワー、温度プローブ、滴下漏斗およびアルゴンラインを取り付けた別の5リットル五頸丸底フラスコ中、4−アミノ−1−(3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−1H−ピリミジン−2−オン(50.0g、195mmol)および脱水N,N−ジメチルホルムアミド(1000mL)を加えた。ピリミジン−2−オン誘導体化合物が全て溶解するまで、その混合物を100℃で20分間加熱し、トリエチルアミン(500mL)および4−ジメチルアミノピリジン(2.38g、19mmol)を溶液に加えた。次に、混合物を97℃で20分間加熱し、温度が82℃より低くならないように維持しながら、滴下漏斗によって2時間かけてテトラヒドロフラン溶液をゆっくり加えた。反応混合物を82℃で1時間加熱し、HPLCによってモニタリングした(生成物=68%、原料=11%、および約12分に不純物=17%、ジメチルアミノピリジンを除く)。反応混合物を冷却して室温とし、トリエチルアミンおよびテトラヒドロフランを30℃で減圧下に除去した。溶液を酢酸によって中和してpH7.69とした。N,N−ジメチルホルムアミジンを減圧下に35℃で除去し、酢酸エチルで追い出した(200mLで2回)。粗生成物を酢酸エチル(500mL)および水(300mL)とともに撹拌した。2層を分離し、水層を酢酸エチル(500mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン水溶液(500mL)で洗浄した。次に、有機層をマロン酸水溶液で抽出した(400mLで4回、10重量%)。有機層をTLC(シリカ、20%メタノール/塩化メチレン)によって調べて、所望の生成物が全て有機層から取り出されたことを確認した。酸性水系抽出液を合わせ、氷浴で冷却し、トリエチルアミンで中和してpH7.40とすることで、固体を溶液から析出させた。次に、酢酸エチルを水層に加えた。白色固体を減圧濾過によって回収した。得られた固体を真空乾燥することで、純度99.01%(HPLC)の第1の取得物81.08gを得た。
段階8:図式6のval−mCyd−2−アミノ−3−メチル−酪酸5−(4−アミノ−2−オキソ−2H−ピリミジン−1−イル)−4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシ−メチル−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−イルエステル(2塩酸塩)の合成
オーバーヘッド撹拌機、温度プローブ、アルゴンラインおよび塩化水素ガス吹き込み装置を取り付けた丸底フラスコ中、化合物14(21.0g、0.046mol)のエタノール(168mL)溶液を撹拌した。塩化水素ガス(22g)を透明溶液に1時間かけて吹き込んだ。氷水浴を用いて、反応温度を30℃以下に維持した。塩化水素ガス導入から数分後に、固体生成が開始した。4時間後、HPLC(方法3)で、原料が0.8%のみであることが示された。固体を濾取し、フィルターケーキをエタノール(20mL)およびジエチルエーテル(100mL)で洗浄した。生成物を16時間真空乾燥した後、val−mCyd19.06g(96.5%)を純度97.26%(HPLC、方法3)で得た。融点210℃(褐色)、248〜250℃(融解)。H NMR(DMSO−d6)δppm10.0(s、1H、1/2NH、DO交換可能)、8.9〜8.6(2brs、4H、1/2NH、NH、DO交換可能)、8.42(d、1H、H−6、J5−6=7.9Hz)、6.24(d、1H、H−5、J5−6=7.9Hz)、5.84(s、1H、H−17)、5.12(d、1H、H−3′、J3′−4′=8.8Hz)、4.22(d、1H、H−4、J3′−4′=8.7Hz)、4.0〜3.9(m、1H、CH)、3.8〜3.5(m、2H、H−5′、H−5″)、2.3〜2.1(m、1H、CH)、1.16(s、3H、CH)、1.0(m、6H,(CHCH);FAB>0(GT)713(2M+H)、449(M+G+H)、357(M+H)、246(S)、112(B+2H);FAB<0(GT)747(2M+Cl)、483(M+G+Cl)、391(M+Cl)、355(M−H)、116(Val)、110(B)、35(Cl)。
上記化合物の分析には、2種類の異なるHPLC法を用いた。いずれの方法も、次の逆相カラムを用いるものである。方法1では、流量1.00mL/分のアセトニトリル/水直線勾配で20分間の運転時間にてカラムの運転を行った。運転間には5分間の平衡化期間を設けた。測定は254nmで行った。
Figure 0005087211
第2の方法では、272nmで同定を行った。ウォーターズ(Waters)のノバパック(Novapak)C18、内径3.9×150mmID、粒径4μm、孔径60Åまたはそれの相当品を用いることができる。クロマトグラフィー条件は、注入容量=10μL、カラム温度=25℃、流量=1.00mL/分、紫外線検出器:272nm、運転時間:35分間である。基準標準についての相対標準偏差パーセントに関するシステムの好適性要件は1.0%以下である。
Figure 0005087211
Figure 0005087211
β−D−2′−C−メチル−2′−アセチル−リボフラノシル−シチジン−3′−O−L−バリンエステルの合成方法が図7に詳細に示されている。β−D−2′−C−メチル−2′−アセチル−リボフラノシル−シチジン−3′−O−L−プロリンエステルの合成方法を図8に詳細に示してある。β−D−2′−C−メチル−2′−アセチル−リボフラノシル−シチジン−3′−O−L−アラニンエステルの合成方法を図9に示してある。β−D−2′−C−メチル−2′−(シクロヘキサンカルボキシレート)−リボフラノシル−シチジン−3′−O−L−バリンエステルの合成方法を図10に示してある。これらの方法は、上記のものと同様の方法を用いて行うことができる。
C.3′−C−分枝ヌクレオシドの一般合成
次の構造の3′−C−分枝ヌクレオシドは、
Figure 0005087211
[式中、塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素、OR、ヒドロキシ、アルキル(低級アルキルなど)、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり、
は、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり、
あるいは、RとRまたはRとRが一体となってπ結合を形成していてもよく、
およびRは、それぞれ独立に、H;ホスフェート(モノホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、RまたはRがそれぞれ独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることのできる他の製薬上許容される脱離基であり、
は、アルキル、クロロ−、フルオロ−、ブロモ−、ヨード−アルキル(すなわちCF)、アルケニル、またはアルキニル(すなわちアリル)であり、
Xは、O、S、SO、またはCHである。]以下の一般法のいずれかによって製造することができる。
1.核酸塩基の適切に修飾した糖によるグリコシル化
この方法の主たる原料は、3′−OH、3′−H、および適切な脱離基(LG)、たとえば、アシル基またはクロロ、ブロモ、フルオロ、ヨードを有する適切に置換された糖である。この糖は、購入することも、標準のエピマー化、置換、酸化および還元技術などの公知の手段によって製造することもできる。次に、適合性溶媒中、適温で、適切な酸化剤を用い、置換された糖を酸化すると、3′が修飾された糖が得られる。考えられる酸化剤は、ジョーンズ試薬(クロム酸と硫酸の混合物)、コリンズ試薬(ジピリジンCr(VI)オキシド、コーリー試薬(クロロクロム酸ピリジニウム)、ジクロム酸ピリジニウム、酸性ジクロム酸塩、過マンガン酸カリウム、MnO、四酸化ルテニウム、ポリマーに担持されたクロム酸または過マンガン酸塩などの相間移動触媒、Cl−ピリジン、H−モリブデン酸アンモニウム、NaBrO−CAN、HOAc中NaOCl、亜クロム酸銅、酸化銅、ラネーニッケル、酢酸パラジウム、ミアバイン−ポンドルフ−バーレー試薬(別のケトンを有するアルミニウムt−ブトキシド)、およびN−ブロモコハク酸イミドである。
次いで、適温で、適切な非プロトン性溶媒を用い、グリニャール試薬、TBAF中有機リチウム、ジアルキル銅リチウム、またはR−SiMeなど、有機金属炭素求核試薬をケトンとカップリングさせると、3′−C−分枝糖が得られる。グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者には公知の方法によって、3′−C−分枝糖を、適切な保護基、好ましくはアシル基またはシリル基で保護してもよい。
次いで、タウンゼントの著作(Townsend Chemistry of Nucleosides and Nucleotides, Plenum Press, 1994)に記載のような、当業者には公知の方法によって、適宜に保護した糖を塩基にカップリングさせることができる。たとえば、適切な溶媒中、適温で、四塩化スズ、四塩化チタン、またはトリメチルシリルトリフラートなどルイス酸を用い、アシル化した糖をシリル化した塩基にカップリングさせることができる。あるいは、トリメチルシリルトリフラートの存在下、ハロ糖をシリル化した塩基にカップリングさせてもよい。
その後、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者には公知の方法によって、ヌクレオシドを脱保護することができる。
ある特定の実施形態では、3′−C−分枝リボヌクレオシドが望ましい。図式7にリボヌクレオシドの合成を示す。あるいは、デオキシリボヌクレオシドも望ましい。このようなヌクレオシドを得るには、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者には公知の方法によって、生成したリボヌクレオシドを場合によって保護し、次いで適切な還元剤で2′−OHを還元することができる。場合によっては、2′−ヒドロキシルを活性化させて還元しやすくする、すなわちバートン還元を経てもよい。
Figure 0005087211
2.予め形成したヌクレオシドの修飾
この方法の主たる原料は、3′−OHおよび3′−Hを有する適切に置換されたヌクレオシドである。このヌクレオシドは、購入することも、標準的カップリング技術などの公知の手段によって製造することもできる。このヌクレオシドは、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者には公知の方法によって、適切な保護基、好ましくはアシル基またはシリル基で保護してもよい。
次いで、適合性溶媒中、適切な温度で、適切に保護したヌクレオシドを適切な酸化剤で酸化させると、2′が修飾された糖が得られる。考えられる酸化剤は、ジョーンズ試薬(クロム酸と硫酸の混合物)、コリンズ試薬(ジピリジンCr(VI)オキシド、コーリー試薬(クロロクロム酸ピリジニウム)、ジクロム酸ピリジニウム、酸性ジクロム酸塩、過マンガン酸カリウム、MnO、四酸化ルテニウム、ポリマーに担持されたクロム酸または過マンガン酸塩などの相間移動触媒、Cl−ピリジン、H−モリブデン酸アンモニウム、NaBrO−CAN、HOAc中NaOCl、亜クロム酸銅、酸化銅、ラネーニッケル、酢酸パラジウム、ミアバイン−ポンドルフ−バーレー試薬(別のケトンを有するアルミニウムt−ブトキシド)およびN−ブロモコハク酸イミドである。
その後、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者には公知の方法によって、ヌクレオシドを脱保護することができる。
ある特定の実施形態では、3′−C−分枝リボヌクレオシドが望ましい。図式8にリボヌクレオシドの合成を示す。あるいは、デオキシリボヌクレオシドも望ましい。このようなヌクレオシドを得るには、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者には公知の方法によって、生成したリボヌクレオシドを場合によって保護し、次いで適切な還元剤で2′−OHを還元することができる。場合によっては、2′−ヒドロキシルを活性化させて還元しやすくする、すなわちバートン還元を経てもよい。
Figure 0005087211
本発明の別の実施形態では、L−エナンチオマーが望ましい。したがって、本発明の化合物に相当し得るL−エナンチオマーは、対応するL型糖、またはヌクレオシドのL−エナンチオマーを原料として開始する上述の同じ一般法に従って製造することができる。
D.4′−C−分岐ヌクレオシドの一般的合成
次の構造の4′−C−分枝ヌクレオシドは、
Figure 0005087211
[式中、塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素、OR、ヒドロキシ、アルキル(低級アルキルなど)、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO、NH、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)、−N(アシル)であり、
およびR10は独立に、H、アルキル(低級アルキルなど)、塩素、臭素またはヨウ素であり、
あるいは、RとR、RとR10、RとRまたはRとR10が一体となってπ結合を形成していてもよく、
およびRは、それぞれ独立に、H;ホスフェート(モノホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェートまたは安定化ホスフェートプロドラッグなど);アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルのようなアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステルおよびフェニル基が本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で置換されていても良いベンジル;リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、RまたはRがそれぞれ独立にHまたはホスフェートである化合物を与えることのできる他の製薬上許容される脱離基であり、
は、アルキル、ハロゲノ−アルキル(すなわちCF)、アルケニル、またはアルキニル(すなわちアリル)であり、
Xは、O、S、SO、またはCHである。]以下の一般法によって製造することができる。
ペントジアルド−フラノースからの修飾
この方法の主たる原料は、適切に置換されたペントジアルド−フラノースである。そのペントジアルド−フラノースは、購入することも、標準のエピマー化、置換および還元技術などの公知の手段によって製造することもできる。
好ましい実施形態では、ペントジアルド−フラノースは適切に置換されたヘキソースから製造される。そのヘキソースは、購入することも、標準のエピマー化(例えば、アルカリ処理による)、置換およびカップリング技術などの公知の手段によって製造することもできる。そのヘキソースは、フラノース型であることができるか、あるいはタウンゼントの著作(Townsend Chemistry of Nucleosides and Nucleotides, Plenum Press, 1994)に記載の方法などの公知の手段によって、好ましくはヘキソースを選択的に保護することで環化させて、適切なヘキサフラノースを得ることができる。
次に、ヘキサフラノースの4′−ヒドロキシメチレンを、適合性溶媒中にて好適な温度で適切な酸化剤で酸化することで、4′−アルド修飾糖を得ることができる。可能な酸化剤は、ジョーンズ試薬(クロム酸と硫酸の混合物)、コリンズ試薬(ジピリジンCr(VI)オキシド、コーリー試薬(クロロクロム酸ピリジニウム)、ジクロム酸ピリジニウム、酸性ジクロム酸塩、過マンガン酸カリウム、MnO、四酸化ルテニウム、ポリマーに担持されたクロム酸または過マンガン酸塩などの相間移動触媒、Cl−ピリジン、H−モリブデン酸アンモニウム、NaBrO−CAN、HOAc中NaOCl、亜クロム酸銅、酸化銅、ラネーニッケル、酢酸パラジウム、ミアバイン−ポンドルフ−バーレー試薬(別のケトンを有するアルミニウムt−ブトキシド)、およびN−ブロモコハク酸イミドである。ただし好ましくは、ベンゼン/ピリジン混合液中のHPO、DMSOおよびDCCを室温で用いる。
次に、ペントジアルド−フラノースを、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者には公知の方法によって、適切な保護基、好ましくはアシル基またはシリル基で保護してもよい。水酸化ナトリウムなどの塩基存在下に、保護されたペントジアルド−フラノースを好適な求電子アルキル、ハロゲノ−アルキル(すなわちCF)、アルケニルまたはアルキニル(すなわちアリル)とカップリングさせて、4′−アルキル化糖を得ることができる。あるいは、保護されたペントジアルド−フラノースを、水酸化ナトリウムなどの塩基存在下、ジオキサンなどの適切な極性溶媒を用い、好適な温度でホルムアルデヒドなどの相当するカルボニルとカップリングさせることができ、それを次に適切な還元剤で還元して、4′−アルキル化糖を得ることができる。1実施形態ではその還元は、好ましくはアセトニトリル中室温でPhOC(S)Cl、DMAPを用いて行い、次にトルエン中還流させたACCNおよびTMSSで処理する。
次に、適宜に活性化させた糖を、タウンゼントの著作(Townsend Chemistry of Nucleosides and Nucleotides, Plenum Press, 1994)に記載のような、当業者には公知の方法によって、塩基にカップリングさせることができる。たとえば、適切な溶媒中、適温で、四塩化スズ、四塩化チタン、またはトリメチルシリルトリフラートなどルイス酸を用い、アシル化した糖をシリル化した塩基にカップリングさせることができる。
次に、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者には公知の方法によって、ヌクレオシドを脱保護することができる。
ある特定の実施形態では、4′−C−分枝リボヌクレオシドが望ましい。あるいは、デオキシリボヌクレオシドも望ましい。このようなデオキシリボヌクレオシドを得るには、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者には公知の方法によって、生成したリボヌクレオシドを場合によって保護し、次いで適切な還元剤で2′−OHを還元することができる。場合によっては、2′−ヒドロキシルを活性化させて還元しやすくする、すなわちバートン還元を経てもよい。
本発明の別の実施形態では、L−エナンチオマーが望ましい。従って、本発明の化合物に相当するL−エナンチオマーを、原料として相当するL−ペントジアルド−フラノースを用い、前記のものと同じ一般法に従って製造することができる。
E.2′および/または3′−プロドラッグの一般的合成
この方法の主たる原料は、適切に置換された1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドである。その分岐ヌクレオシドは、購入することができるか、あるいは本明細書に開示の技術などの公知の手段によって製造することができる。その分岐ヌクレオシドは、グリーンらの著作(Greene et al. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のような、当業者には公知の方法によって、好適な保護基、好ましくはシリル基で保護しても良い。次に、保護されていても良い分岐ヌクレオシドを、適切なプロトン性または非プロトン性溶媒を好適な温度で用いて、アシルクロライドおよび/またはアシル無水物などの好適なアシル供与体とカップリングさせて、1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′プロドラッグを得ることができる(Synthetic Communications, 978, 8 (5), 327-333; J. Am. Chem. Soc., 1999, 121 (24), 5661-5664)。別法として、保護されていても良い分岐ヌクレオシドを、適宜に好適なカップリング剤を用い、適切な非プロトン性溶媒を用い、好適な温度でアルカン酸および/またはアミノ酸残基などのカルボン酸のような好適なアシルとカップリングさせて、1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドの2′および/または3′プロドラッグを得ることができる。可能なカップリング試薬は、カップリングを促進する試薬であり、例えばトリフェニルホスフィンとともに用いるミツノブ試薬(例:ジイソプロピルアゾジカルボキシレートおよびジエチルアゾジカルボキシレート)または各種カルボジイミドなどがあるが、これらに限定されるものではない。1実施形態では、2′−分岐ヌクレオシドの3′−プロドラッグの場合、ヌクレオシドは好ましくは保護せず、カルボジイミドなどの適切なカップリング試薬を用いて、アルカン酸またはアミノ酸残基に直接カップリングさせる。
例えば、簡単なアミノ−アルコール類を、還流アセトニトリル−ベンゼン混合物中の酸塩化物を用いてエステル化することができる(下記の図式9参照:Synthetic Communications, 1978, 8 (5), 327-333;参照によって本明細書に組み込まれる)。あるいは、文献(J. Am. Chem. Soc., 1999, 121 (24), 5661-5664;参照によって本明細書に組み込まれる)に記載の方法に従って、エステル化を行うことができる。図2、3および4を参照する。
Figure 0005087211
以下、例示を目的とした実施例にて本発明を説明する。これらの実施例はいかなる形でも限定するものではなく、本発明の精神および範囲を逸脱しない限りにおいて、詳細部分についての変更を行うことが可能であることは、当業者には明らかであろう。
実施例1:6−アミノ−9−(1−デオキシ−β−D−プシコフラノシル)プリンを経由した1′−C−メチルリボアデニンの製造
融点はメル−テンプ(Mel-temp)II型装置で測定し、補正していない。NMRスペクトラムは、H NMRの場合400MHzおよび13C NMRの場合100MHzのブルカー(Bruker)400AMXスペクトル装置で、TMSを内部標準として用いて記録した。化学シフト(δ)はppmで報告し、シグナルはs(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)またはbs(広い一重線)として報告している。IRスペクトラムは、ニコレット(Nicolet)510P FT−IRスペクトル装置で測定した。質量分析スペクトラムは、マイクロマス・オートスペック(Micromass Autospec)高分解能質量分析装置で記録した。TLCは、アナルテク社(Analtech Co.)から購入したユニプレート(Uniplate)(シリカゲル)で行った。カラムクロマトグラフィーは、フラッシュクロマトグラフィー用のシリカゲル−60(220〜440メッシュ)または真空フラッシュクロマトグラフィー用のシリカゲルG(TLC用、>440メッシュ)を用いて行った。UVスペクトラムは、ベックマン(Beckman)DU650分光計で得た。元素分析は、アトランティック・マイクロラブ社(Atlantic Microlab, Inc., Norcross, GA)またはガルブレイス・ラボラトリーズ社(Galbraith Laboratories, Inc., Knoxville, TN)が行った。HPLCは、600型制御装置、996型光ダイオードアレー検出器および717プラス型オートサンプラーを搭載したウォーターズHPLCシステム(Millipore Corporation, Milord, MA)を用いて行った。システム制御、データ取得および処理には、ミレニアム(Millennium)2010ソフトウェアを用いた。旋光度の測定には、キラライザー(chiralyser)旋光検出器、パーキン−エルマー(Perkin-Elmer)241MC型旋光計(Wilton, CT)を用いた。
標題化合物は、公開されている手順に従って製造することができる(J. Farkas, and F. Sorm, ″Nucleic acid components and their analogues. XCIV. Synthesis of 6-amino-9-(1-deoxy-β-D-psicofuranosyl) purine″, Collect. Czech. Chem. Commun. 1967, 32, 2663-2667. J. Farkas″, Collect. Czech. Chem. Commun. 1966, 31, 1535)(図式10)。
Figure 0005087211
適切な糖およびピリミジンまたはプリン塩基を用いた以外は同様にして、下記の式Iのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、X、XおよびYは表1(Table1)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジンまたはプリン塩基を用いて、下記の式IVのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、XおよびYは表2(Table2)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジンまたはプリン塩基を用いて、下記の式VIIのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、R、Xおよび塩基は表3(Table3)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジンまたはプリン塩基を用いて、下記の式VIIIのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、Xおよび塩基は表4(Table4)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジンまたはプリン塩基を用いて、下記の式XXIのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、Xおよび塩基は表5(Table5)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジンまたはプリン塩基を用いて、下記の式XIIIのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、R、X、塩基、R10およびRは表6(Table6)で定義の通りである。
実施例2:2′−C−メチルリボアデニンの製造
公開の手法(R. E. Harry-O′kuru, J. M. Smith, and M. S. Wolfe,″A short, flexible route toward 2′-C-branched ribonucleosides″, J. Org. Chem. 1997, 62, 1754-1759)に従って、標題化合物を製造した(図式11)。
Figure 0005087211
2′−分岐ヌクレオシドの3′−プロドラッグを、公開の手法に従って製造した(Synthetic Communications, 1978, 8(5), 327-333; J. Am. Chem. Soc., 19991, 121 (24), 5661-5664)。別法として、2′−分岐ヌクレオシドを、保護せずにエステル化することができる(図式11b)。カルボニルジイミダゾール(377mg、2.33mmol)を、N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−バリン(507mg、2.33mmol)の脱水テトラヒドロフラン(15mL)溶液に加えた。混合物を20℃で1時間、50℃で10分間撹拌し、やはり50℃で撹拌している4−アミノ−1−(3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−1H−ピリミジン−2−オン(500mg、1.95mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(25mg、0.195mmol)、トリエチルアミン(5mL)の脱水N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液に加えた。反応混合物を50℃で1時間撹拌し、HPLCで調べた。HPLC分析で、望ましくない副生成物に加えて、所望のエステル52%の生成と、原料17%が示された。4−アミノ−1−(3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−1H−ピリミジン−2−オンの3′−OHは、BOC−Valとカップリングすると、選択的に反応する傾向を有する。
Figure 0005087211
生成物は、逆相カラム:ウォーターズ部品番号WAT086344;ノバ−パック(Nova-Pak)C18、孔径60Å、粒径4μm、3.9×150mmを用いるHPLCによって分析した。クロマトグラムは、ウォーターズ2695HPLCおよび996PDA検出器を用いて得た。移動相:HPLC用アセトニトリルおよび水をJTベーカー(JT Baker)から購入し、1M酢酸トリエチルアンモニウム溶液はフルカ(Fluka)から購入した。
流量:下記のような1.00mL/分のアセトニトリル/20mM酢酸トリエチルアンモニウム水溶液緩衝液。
運転間では、システムを5分間平衡化する。
波長:272nm。
Figure 0005087211
Figure 0005087211
適切な糖およびピリミジン塩基またはプリン塩基を用いた以外は同様にして、下記の式IIのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、X、XおよびYは表7(Table7)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジン塩基またはプリン塩基を用いて、下記の式Vのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、XおよびYは表8(Table8)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジン塩基またはプリン塩基を用いて、下記の式IXのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
Figure 0005087211
式中、R、R、R、R、Xおよび塩基は表9(Table9)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジン塩基またはプリン塩基を用いて、下記の式Xのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、R、Xおよび塩基は表10(Table10)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジン塩基またはプリン塩基を用いて、下記の式XXIIのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、Xおよび塩基は表11(Table11)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジン塩基またはプリン塩基を用いて、下記の式XIIIのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、X、塩基、RおよびR10は表12(Table12)で定義の通りである。
実施例3:3′−C−メチルリボアデニンの製造
公開の手法(R. F. Nutt, M. J. Dickinson, F. W. Holly, and E. Walton,″Branched-chain sugar nucleosides. III. 3′-C-methyladenine″, J. Org. Chem. 1968, 33, 1789-1795)に従って、標題化合物を製造することができる(図式12)。
Figure 0005087211
適切な糖およびピリミジン塩基またはプリン塩基を用いる以外は同様にして、下記の式IIIのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、X、XおよびYは表13(Table13)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジン塩基またはプリン塩基を用いて、下記の式VIのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、XおよびYは表14(Table14)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジン塩基またはプリン塩基を用いて、下記の式XIのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、R、Xおよび塩基は表15(Table15)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジン塩基またはプリン塩基を用いて、下記の式XIIのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、Xおよび塩基は表16(Table16)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジン塩基またはプリン塩基を用いて、下記の式XXIIIのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、Xおよび塩基は表17(Table17)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジン塩基またはプリン塩基を用いて、下記の式XVのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、X、塩基、RおよびRは表18(Table18)で定義の通りである。
実施例4:1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノース(AA)の製造
標題化合物は、公開の手法に従って製造することができる(Leonard, N. J. ; Carraway, K. L.″5-Amino-5-deoxyribose derivatives. Synthesis and use in the preparation of ″reversed″ nuclesides″ J. Heterocycl. Chem., 1966, 3, 485-489)。
脱水D−リボース50.0g(0.34mol)のアセトン(1.0リットル)、2,2−ジメトキシプロパン(100mL)、0℃で塩化水素で飽和したメタノール20mL含有メタノール(200mL)の溶液を室温で終夜撹拌した。得られた溶液をピリジンで中和し、減圧下に溶媒留去した。得られた油状物を、水400mLと塩化メチレン400mLとの間で分配した。水層を塩化メチレン(400mL)で2回抽出した。合わせた有機抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に溶媒留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:メタノール(1%から2%)/塩化メチレンの段階的勾配]によって精製して、純粋なAA(52.1g、75%)を黄色シロップとして得た。H−NMR(CDCl):δ5.00(s、1H、H−1)、4.86(d、1H、H−2、J2−3=5.9Hz)、4.61(d、1H、H−3、J3−2=5.9Hz)、4.46(t、1H、H−4、J4−5=2.7Hz)、3.77〜3.61(m、2H、H−5およびH−5′)、3.46(s、1H、OCH)、3.0〜2.4(brs、1H、OH−5)、1.51(s、3HCH)、1.34(s、3HCH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z173(M−OCH
実施例5:1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−ペントジアルド−リボフラノース(BB)の製造
公開の手法(Jones, G. H.; Moffatt, J. G. Oxidation of carbohydrates by the sulfoxide-carbodiimide and related methods. Oxidation withdicyclohexylcarbodiimide-DMSO, diisopropylcarbodiimide-DMSO, acetic anhydride-DMSO, and phosphorus pentoxide-DMSO: in Methods in Carbohydrate Chemistry; Whisler, R. L. and Moffatt, J. L. Eds; Academic Press: New York, 1972; 315- 322)に従って、標題化合物を製造することができる。
化合物AAを脱水ピリジンと2回共留去した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、137.8g、0.67mol)を、AA(68.2g、0.33mol)の脱水ベンゼン(670mL)、DMSO(500mL)およびピリジン(13.4mL)溶液に加えた。得られた溶液を冷却して0℃とし、それに脱水結晶オルトリン酸(16.4g、0.167mmol)の脱水DMSO(30mL)溶液を加えた。混合物を、アルゴン下に0℃で1.5時間、室温で18時間撹拌し、酢酸エチル(1000mL)で希釈した。シュウ酸・2水和物(63.1g、038mol)のDMSO(30mL)溶液を加え、反応混合物を室温で1時間にわたって撹拌し、濾過して、沈殿したジシクロヘキシル尿素(DCU)を除去した。濾液を減圧下に濃縮して体積約600mLとし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(400mL)で洗浄した。ブライン(200mL)を加え、有機層を酢酸エチルで抽出した(1000mLで4回)。合わせた有機層を濃縮して体積を約2000mLとし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(700mLで2回)、ブライン(700mLで2回)で洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に溶媒留去した。少量の粗残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー[溶離液:クロロホルム/エチルエーテル、8:2]で精製して、淡黄色固体として得られたBBの構造を確認した。H−NMR(CDCl):δ9.61(s、1H、H−5)、5.12(s、1H、H−1)、5.08(d、1H、H−2、J2−3=5.9Hz)、4.53(d、1H、H−3、J3−2=6.0Hz)、4.51(s、1H、H−4)、3.48(s、1H、OCH)、1.56(s、3HCH)、1.36(s、3HCH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z203(M+H)、171(M−OCH
実施例6:4−C−ヒドロキシメチル−1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノース (CC)の製造
公開の手法に従って、標題化合物を製造することができる(Leland, D. L.; Kotick, M. P. Carbohydr. Res. 1974, 38, C9-C11; Jones, G. H.; Taniguchi, M. , etal. J. Org. Chem 1979, 44, 1309-1317; Gunic, E.; Girardet, J. -L.; et al. Bioorg Med. Chem 2001, 9, 163-170)。
上記で得られた粗取得物(BB)および37%ホルムアルデヒド水溶液(167mL)のジオキサン(830mL)溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(2N、300mL)を加えた。混合物を室温で4時間撹拌し、ダウエクス(Dowex)50WX2(H型)を加えることで中和した。その樹脂を濾過し、メタノールで洗浄し、合わせた濾液を濃縮して乾固させ、純粋エタノールと数回共留去した。純粋エタノールから沈殿したギ酸ナトリウムを濾過によって除去し、濾液を濃縮して乾固させ、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:メタノール(0%から4%)/クロロホルムの段階的勾配]によって精製して、純粋なCC(42.2g、AAから54%)を得た。それをシクロヘキサンから再結晶した。融点=94〜95(分解)(文献値:94〜96.5;97〜98:参考文献3、4)。H−NMR(DMSO−d):δ4.65(s、1H、H−1)、4.44〜4.37(m、3H、H−2、H−3およびOH−6)、4.27(t、1H、OH−5、J=5.6Hz、J=6.0Hz)、3.42〜3.34(m、2H、H−5およびH−6)、3.29(dd、1H、H−5′、J5′−OH=5.4Hz、J5−5′=11.4Hz)、3.11(dd、1H、H−6′、J6′−OH=5.7Hz、J6−6′=10.9Hz)、3.03(s、3H、OCH)、1.48(s、3HCH)、1.05(s、3HCH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z469(2M+H)、235(M+H)、203(M−OCH)+FAB0m/z233(M−H)
実施例7:6−O−モノメトキシトリチル−4−C−ヒドロキシ−1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノース(DD)の製造
公開の手法に従って、標題化合物を製造することができる(Gunic, E.; Girardet, J. -L.; et al. Bioorg. Med. Chem 2001, 9, 163-170)。
CC(41.0g、175mmol)のピリジン(700mL)溶液に、ジメトキシトリチルクロライド(60.5g、178mmol)を4℃で少量ずつ加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。メタノールを加えた後、反応混合物を濃縮し(200mL)、酢酸エチル(2リットル)で溶かした。有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒留去して乾固させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:酢酸エチル/ヘキサン15/85]による精製で、純粋なDD(63.0g、68%)をシロップとして得た。H−NMR(CDCl):δ7.5〜6.9(m、13H、MMTr)、4.89(s、1H、H−1)、4.72〜4.62(m、3H、H−2、H−3およびOH−5)、3.82(dd、1H、H−5、J5−OH=5.5Hz、J5−5′=10.5Hz)、3.79(s、6H、OCH)、3.54(dd、1H、H−5′、J5′−OH=4.9Hz、J5′−5=10.5Hz)、3.31(s、3H、OCH)、3.24(d、1H、H−6、J6−6′、=9.2Hz)、3.13(d、1H、H−6′、J6′−6=9.2Hz)、1.24(s、3HCH)、1.15(s、3HCH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z303(DMTr)
実施例8:5−O−ベンゾイル−4−C−ヒドロキシメチル−1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−リボ−フラノース(EE)の製造
公開の手法に従って、標題化合物を製造することができる(Gunic, E.; Girardet, J. -L.; Pietrzkowski, Z.; Esler, C.; Wang, G. ″Synthesis and cytotoxicity of 4′-C-and 5′-C-substituted Toyocamycins″ Bioorg. Med. Chem. 2001, 9, 163-170)。
DD(2.51g、4.68mmol)の脱水ピリジン(37mL)溶液に、アルゴン下でベンゾイルクロライド(1.09mL、9.36mmol)を加え、反応混合物を室温で13時間撹拌した。反応液を冷却して0℃とし、氷冷水(100mL)で反応停止した。水層を塩化メチレンで抽出した(200mLで3回)。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150mLで2回)、水(150mLで1回)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に溶媒留去した。残留物を80%酢酸(70.2mL)に溶かし、混合物を室温で3時間撹拌し、濃縮して乾固させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:クロロホルム]による精製によって、純粋なEE(1.40g、88%)をシロップとして得た。H−NMR(CDCl):δ8.1〜7.4(m、5H、CCO)、5.08(s、1H、H−1)、4.77(dd、2H、H−2およびH−3、J=6.1Hz、J=8.2Hz)、4.51(q、2H、H−5およびH−5′、J=11.5Hz,J5−5′=23.8Hz)、3.91(t、2H、H−6およびH−6′、J=12.3Hz)、4.38(s、1H、OCH)、2.2〜1.8(brs、1H、OH−6)、1.57(s、3HCH)、1.38(s、3HCH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z677(2M+H)、339(M+H)、307(M−OCH、105(CCO)FAB<0m/z121(CCO)。
実施例9:5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノース(FF)の製造
公開の手法に従って、標題化合物を製造することができる(Gunic, E.; Girardet, J. -L.; et al. Bioorg. Med. Chem. 2001, 9, 163-170)。
EE(37.6g、0.111mol)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、40.7g、0.333mol)およびフェノキシチオカルボニルクロライドの脱水アセトニトリル(1000mL)溶液を室温で1時間撹拌し、濃縮して乾固させた。残留物を塩化メチレン(500mL)に溶かし、0.2M塩酸(500mLで2回)、水(500mL)の順で洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に溶媒留去し、脱水トルエンとともに数回留去した。粗取得物を脱水トルエン(880mL)に溶かし、トリス(トリメチルシリル)シラン(TMSS、42.9mL、0.139mol)および1,1′−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ACCN、6.8g、27.8mmol)を加えた。反応混合物を還流下に45分間撹拌し、冷却して室温とし、減圧下に濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:ジエチルエーテル(5%から20%)/石油エーテルの段階的勾配]によって精製して、純粋なFF(26.4g、74%)を淡黄色シロップとして得た。H−NMR(DMSO−d):δ8.0〜7.5(m、5H、CCO)、4.85(s、1H、H−1)、4.63(dd、2H、H−2およびH−3、J=6.1Hz、J=11.6Hz)、4.24(d、1H、H−5、J5−5′=11.1Hz)、4.10(d、1H、H−5′、J5′−5=11.1Hz)、3.17(s、1H、OCH)、1.38(s、3HCH)、1.30(s、3HCH)、1.25(s、3HCH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z291(M−OCH、105(CCO)FAB<0m/z121(CCO
実施例10:5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−1,2,3−O−アセチル−α,β−D−リボフラノース(GG)の製造
化合物FF(22.5g、70mmol)を80%酢酸水溶液(250mL)に懸濁させた。溶液を100℃で3時間加熱した。体積を半量に低減し、純粋エタノールおよびピリジンとともに共留去した。油状残留物をピリジン(280mL)に溶かし、冷却して0℃とした。無水酢酸(80mL)および4−ジメチルアミノ−ピリジン(500mg)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、減圧下に濃縮した。残留物を酢酸エチル(1リットル)に溶かし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、1M塩酸および水の順で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に溶媒留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:ジエチルエーテル(30%から40%)/石油エーテルの段階的勾配]によって精製して、純粋なGG(16.2g、60%)を淡黄色シロップとして得た。少量の取得物をシリカゲルクロマトグラフィー[同一の溶離液:系]で再度精製して、αおよびβアノマーを分離した。
αアノマー:H−NMR(DMSO−d):δ8.1〜7.5(m、5H,CCO)、6.34(pt、1H、H−1、J=2.4Hz、J=2,1Hz)、5.49(m、2H、H−2およびH−3)、4.33(q、2H、H−5およびH−5′、J=11.6Hz、J=18.7Hz)、2.15(s、3H、CHCO)、2.11(s、3H,CHCO)、2.07(s、3H、CHCO)、1.37(s、3H、CH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z335(M−CHCO 、275(M−CHCO +H)、105(CCO)、43(CHCO)FAB<0m/z121(CCO、59(CHCO
βアノマー:H−NMR(DMSO−d):δ8.1〜7.5(m、5H、CCO)、5.99(s、1H、H−1)、5.46(d、1H、H−2、J2−3=5.3Hz)、5.30(d、1H、H−2,J2−3=5.3Hz)、4.39(d、1H、H−5、J5−5′=11.7Hz)、4.19(d、1H、H−5′、J5′−5=11.7Hz)、2.10(s、3H、CHCO)、2.06(s、3H、CHCO)、2.02(s、3H、CHCO)、1.30(s、3H、CH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z335(M−CHCO 、275(M−CHCO +H)、105(CCO)、43(CHCO)FAB<0m/z121(CCO、59(CHCO
実施例11:1−(5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−2,3−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)ウラシル(HH)の製造
ウラシル(422mg、3.76mmol)の懸濁液を、17時間還流しながらヘキサメチルジシラザン(HMDS、21mL)および触媒量の硫酸アンモニウムで処理した。冷却して室温とした後、混合物を減圧下に留去し、無色油状物として得られた残留物を脱水1,2−ジクロロエタン(7.5mL)で希釈した。得られた溶液に、GG(0.99g、2.51mmol)の脱水1,2−ジクロロエタン(14mL)を加え、次にトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TMSTf、0.97mL、5.02mmol)を加えた。溶液を、アルゴン雰囲気下に室温で2.5時間撹拌し、クロロホルム(150mL)で希釈し、同量の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と最後に水(100mLで2回)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に溶媒留去した。得られた粗取得物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:メタノール(0%から2%)/クロロホルムの段階的勾配]によって精製して、純粋なHH(1.07g、95%)を泡状物として得た。H−NMR(DMSO−d):δ11.48(s、1H、NH)、8.1〜7.5(m、6H、CCOおよびH−6)、5.94(d、1H、H−1′、J1′−2′=3.3Hz)、5.61(m、3H、H−5、H−2′およびH−3′)、4.47(d、1H、H−5′、J5′−5″=11.7Hz)、4.35(d、1H、H−5″、J5″−5′=11.7Hz)、2.12(s、3H、CHCO)、2.09(s、3H、CHCO)、1.38(s、3H、CH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z893(2M+H)、447(M+H)、335(S)、113(BH、105(CCO)、43(CHCO)FAB<0m/z891(2M−H)、445(M−H)、121(CCO、111(B)、59(CHCO
実施例12:1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)ウラシル(II)の製造
公開の手法に従って、標題化合物をHHから製造することができる(Waga, T.; Nishizaki, T.; et al. Biosci. Biotechnol. Biochem. 1993, 57, 1433-1438)。
HH(610mg、1.37mmol)のメタノール性アンモニア(予め−10℃で飽和させたもの)(27mL)溶液を室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を塩化メチレン(40mL)と水(40mL)との間で分配した。水層を塩化メチレンで洗浄し(40mLで2回)、減圧下に濃縮し、純粋エタノールとともに数回共留去した。純粋エタノール/メタノール混合液からの再結晶によって、II(215mg、61%)を無色結晶固体として得た。融点:226〜227℃(分解)(文献値:227:参考文献6);UV(HO):λmax=259nm(ε=101000)、λmin=228nm(ε=2200);HPLC99.56%、H−NMR(DMSO−d):δ11.28(s、1H、NH)、7.89(d、1H、H−6、J6−5=8.1Hz)、5.80(d、1H,H−1′、J1′−2′=7.1Hz)、5.64(d、1H、H−5、J5−6=8.1Hz)、5.24(d、1H、OH−2′,JOH−2′=6.5Hz)、5.18(t、1H、OH−5′、JOH−5′=JOH−5″=5.2Hz)、5.01(d、1H、OH−3′、JOH−3′=5.0Hz)、4.28(dd、1H、H−2′、J=6.5Hz、J=12.2Hz)、3.90(t、1H、H−3′、J3′−2′=J3′−OH=5.1Hz)、3.30(m、2H、H−5′およびH−5″)、1.06(s、3H、CH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z517(2M+H)、259(M+H)、147(S)FAB<0m/z515(2M−H)、257(M−H)
実施例13:1−(5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−2,3−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)4−チオ−ウラシル(JJ)の製造
ローソン試薬(926mg、2.29mmol)をアルゴン下に、HH(1.46g、3.27mmol)の脱水1,2−ジクロロエタン(65mL)溶液に加え、反応混合物を終夜還流撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:メタノール(1%から2%)/クロロホルムの段階的勾配]によって精製して、純粋なJJ(1.43g、95%)を黄色泡状物として得た。H−NMR(DMSO−d):δ12.88(s、1H、NH)、8.1〜7.5(m、6H、CCOおよびH−6)、6.27(d、1H、H−1′、J1′−2′=7.51Hz)、5.91(brs、1H、H−5)5.64(m、2H、H−2′およびH−3′)、4.47(d、1H、H−5′、J5′−5″=11.7Hz)、4.36(d、1H、H−5′、J5′−5″=11.7Hz)、2.11(s、3H、CHCO)、2.09(s、3H、CHCO)、1.39(s、3H、CH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z925(2M+H)、463(M+H)、335(S)、129(BH、105(CCO)、43(CHCO)FAB<0m/z461(M−H)、127(B)、121(CCO、59(CHCO
実施例14:1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)4−チオ−ウラシル(KK)の製造
JJ(500mg、1.08mmol)のメタノール性アンモニア(−10℃で予め飽和させたもの)(27mL)の溶液を室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を塩化メチレン(40mL)と水(40mL)との間で分配した。水層を塩化メチレンで洗浄し(40mLで2回)、減圧下に濃縮した。粗取得物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:メタノール(5%から7%)/塩化メチレンの段階的勾配]によって精製して、純粋なKK(188mg、63%)を得て、それを凍結乾燥した。融点:65〜70℃(分解);UV(メタノール):λmax=330nm(ε=20000)246nm(ε=4200)、λmin=275nm(ε=1500);H−NMR(DMSO−d):δ12.51(brs、1H、NH)、7.81(d、1H、H−6、J6−5=7.6Hz)、6.30(d、1H、H−5,J5−6=7.5Hz)、5.77、(d、1H,H−1′,J1′−2′=6.7Hz)、5.32(d、1H、OH−2′、JOH−2′=6.1Hz)、5.20(t、1H,OH−5′JOH−5′=JOH−5″=5.2Hz)、5.03(d、1H、OH−3′、JOH−3′=5.2Hz)、4.17(dd、1H、H−2′、J=6.2Hz、J=12,0Hz)、3.89(t、1H、H−3′、J3′−2′=J3′−OH′=5.1Hz)、3.35(m、2H、H−5′およびH−5″)、1.02(s、3H、CH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z275(M+H)、147(S)、129(BHFAB<0m/z547(2M−H)、273(M−H)、127(B)
実施例15:1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)シトシン・塩酸型(LL)の製造
ステンレス製ボンベ中、化合物KK(890mg、1.93mmol)をメタノール性アンモニア(−10℃で予め飽和させたもの)、(12mL)で100℃にて3時間処理し、冷却して室温とした。溶媒を減圧下に留去し、残留物を塩化メチレン(40mL)と水(40mL)との間で分配した。水層を塩化メチレンで洗浄し(40mLで2回)、減圧下に濃縮した。粗取得物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:塩化メチレン/メタノール/水酸化アンモニウム65:30:5]によって精製した。回収した分画を減圧下に、純粋エタノール(6.3mL)中で溶媒留去した。その溶液に、2N塩酸溶液(1.5mL)を加え、混合物を撹拌してから減圧下に濃縮した。その手順を2回繰り返し、LLを純粋エタノールから沈殿させた。融点:213〜214℃(分解);UV(メタノール):λmax=280nm(ε=9800)、λmin=245nm(ε=3600);H−NMR(DMSO−d):δ9.82(s、1H、NH)、8.72(s、1H、NH)、8.34(d、1H、H−6、J6−5=7.8Hz)、6.21(d、1H、H−5、J5−6=7.8Hz)、5.83(d、1H、H−1′、J1′−2′=5.8Hz)、4.22(d、1H、OH−2′、JOH−2′=6.5Hz)、5.6〜4.7(m、3H、OH−2′、OH−3′およびOH−5′)、4.28(t、1H、H−2′、J=5.6Hz)、3.99(d、1H、H−3′、J=5.3Hz)、3.43(m、2H、H−5′およびH−5″)、1.14(s、3H、CH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z515(2M+H)、258(M+H)、147(S)、112(BHFAB<0m/z256(M−H)
実施例16:1−(5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−2,3−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)チミン(MM)の製造
チミン(384mg、3.04mmol)の懸濁液を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS、17mL)および触媒量の硫酸アンモニウムで終夜撹拌下に処理した。冷却して室温とした後、混合物を減圧下に留去し、無色油状物として得られた残留物を脱水1,2−ジクロロエタン(6mL)で希釈した。得られた溶液に、GG(1.0g、2.53mmol)の脱水1,2−ジクロロエタン(14mL)溶液を加え、次にトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TMSTf、0.98mL、5.06mmol)を加えた。溶液を、アルゴン下に室温で5時間撹拌し、クロロホルム(150mL)で希釈し、同量の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、最後に水で洗浄した(100mLで2回)。有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に溶媒留去した。得られた粗取得物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:2%メタノール/クロロホルム]によって精製して、純粋なMM(1.09g、94%)を泡状物として得た。H−NMR(DMSO−d):δ11.47(s、1H、NH)、8.1〜7.4(m、6H、CCOおよびH−6)、5.98(d、1H、H−1′、J=5.0Hz)、5.5〜5.7(m、2H、H−2′およびH−3′)、4.42(dd、2H、H−5′およびH−5″、J=11.6Hz、J=31.6Hz)、2.12(s、3H、CHCO)、2.09(s、3H、CHCO)、1.60(s、1H、CH)、1.37(s、3H、CH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z461(M+H)、335(S)、105(CCO)、43(CHCO)FAB<0m/z459(M−H)、125(B)、121(CCO、59(CHCO
実施例17:1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)チミン(NN)の製造
公開の手法に従って、標題化合物をMMから製造することができる(Waga, T.; Nishizaki, T.; et al. Biosci.Biotechnol. Biochem 1993, 57, 1433-1438)。
MM(1.09g、2.37mmol)のメタノール性アンモニア(−10℃で予め飽和させたもの)(60mL)溶液を室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を塩化メチレン(60mL)と水(60mL)との間で分配した。水層を塩化メチレンで洗浄し(60mLで2回)、減圧下に濃縮し、純粋エタノールとともに数回共留去した。メタノールからの再結晶によって、NN(450mg、70%)を無色結晶固体として得た。融点:258〜260℃(分解)(文献値:264℃:参考文献6);UV(HO):λmax=264.4nm(ε=8800)、λmin=232.0nm(ε=2200);H−NMR(DMSO−d):δ11.29(s、1H、NH)、7.75(s、1H、H−6)、5.82(d、1H、H−1′、J1′−2′=7.2Hz)、5.19(m、2H、OH−2′、OH−5′)、5.02(d、1H、OH−3′、JOH−3′=5.0Hz)、4.21(dd、1H、H−2′、J=6.4Hz、J=12.3Hz)、3.92(t、1H、H−3′、J3′−2′=J3′−OH′=5.0Hz)、3.30(m、2H、H−5′およびH−5″)、1.78(s、3H、CH)、1.09(s、3H、CH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z545(2M+H)、365(M+G+H)、273(M+H)、147(S)、127(B+2H)、FAB<0m/z543(2M−H)、271(M−H)、125(B);[α] 20−32.0(c=0.5(HO中)、文献値:−26.4)。
実施例18:1−(5,2,3−トリ−O−アセチル−4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)チミン(OO)の製造
NN(200mg、0.735mmol)の脱水ピリジン(7.4mL)溶液を無水酢酸(1.2mL)で処理し、室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:メタノール(0%から5%)/塩化メチレンの段階的勾配]によって精製して、純粋な00(0.400g、定量的収率)を泡状物として得た。H−NMR(DMSO−d):δ11.45(s、1H、NH)、7.56(s、1H、H−6)、5.90(d、1H,H−1′、J1′−2′=4.8Hz)、5.5〜5.4(m、2H、H−2′およびH−3′)、4.3〜4.0(m、2H、H−5′およびH−5″)、2.1〜2.0(m、9H、3CHCO)、1.78(s、1H、CH)、1.20(s、3H、CH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z797(2M+H)、399(M+H)、339(M−CHCO、273(S)、127(BH、43(CHCO)FAB<0m/z795(2M−H)、397(M−H)、355(M−CHCO)、125(B)、59(CHCO
実施例19:1−(5,2,3−トリ−O−アセチル−4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−4−チオ−チミン(PP)の製造
ローソン試薬(119mg、0.29mmol)をアルゴン下に、OO(0.167g、4.19mmol)の脱水1,2−ジクロロエタン(11mL)溶液に加え、反応混合物を還流下に終夜撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:メタノール(1%から2%)/クロロホルムの段階的勾配]によって精製して、純粋なPP(0.165g、95%)を黄色泡状物として得た。H−NMR(DMSO−d):δ12.81(s、1H、NH)、7.64(s、1H、H−6)、5.84(d、1H、H−1′、J1′−2′=4.66Hz)、5.5〜5.4(m、2H、H−2′およびH−3′)、4.11(dd、2H、H−5′およびH−5″、J=11.7Hz、J=31.3Hz)、2.0〜1.8(m、12H、3CHCOおよびCH)、1.33(s、3H、CH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z829(2M+H)、415(M+H)、273(S)、143(BH、43(CHCO)FAB<0m/z827(2M−H)、413(M−H)、141(B)、59(CHCO
同様にして、適切な糖およびピリミジン塩基を用いて、下記の式XVIIのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、XおよびYは表19(Table19)で定義の通りである。
実施例20:1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−メチル−シトシン(QQ)・塩酸塩型の製造
化合物PP(0.160g、0.386mmol)を、ステンレス製ボンベ中100℃で、メタノール性アンモニア(−10℃で予め飽和させたもの)(10mL)で3時間処理し、冷却して室温とした。溶媒を減圧下に留去し、残留物を塩化メチレン(30mL)と水(30mL)との間で分配した。水層を塩化メチレンで洗浄し(30mLで2回)、減圧下に濃縮した。粗取得物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:20%メタノール/塩化メチレン]によって精製して、1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−メチル−シトシン(60mg、57%)を得た。その化合物をEtOH100(1.5mL)に溶かし、2N塩酸溶液(0.3mL)で処理し、混合物を撹拌してから減圧下に濃縮した。その手順を2回繰り返し、QQを純粋エタノールから沈殿させた。融点:194〜200℃(分解);UV(H0):λmax=275.6nm(ε=7300)、λmin=255nm(ε=4700);HPLC100%、H−NMR(DMSO−d):δ9.34および9.10(2s、2H、NH)、8.21(s、1H、H−6)、5.80(d、1H,H−1′、J1′−2′=6.0Hz)、5.3〜4.3(m、3H、OH−2′、OH−3′およびOH−5′)、4.21(t、1H、H−2′、J=5.7Hz)、3.98(d、1H、H−3′、J=5.3Hz)、3.5〜3.3(m、2H、H−5′およびH−5″)、1.97(s、3H、CH)、1.12(s、3H、CH)。
実施例21:O−6−ジフェニルカルバモイル−N −イソブチリル−9−(2,3−ジ−O−アセチル−5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)グアニン(RR)の製造
O−6−ジフェニルカルバモイル−N−イソブチリルグアニン(1.80g、4.33mmol)の脱水トルエン(20mL)懸濁液に、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(1.92mL、7.9mmol)を加えた。反応混合物を還流下に1時間加熱した。化合物GG(1.55g、3.93mmol)をトルエン(10mL)に溶かし、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TMSTf)(915mL、4.72mmol)を加えた。混合物を還流下に30分間加熱した。溶液を冷却して室温とし、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。反応混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈した。有機相をで5%炭酸水素ナトリウム水溶液(150mL)および水(150mLで2回)で洗浄した。有機層をNaSOで脱水し、溶媒留去して乾固させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:ジエチルエーテル(70%から90%)/石油エーテルの段階的勾配]によって精製して、純粋なRR(1.62g、55%)を泡状物として得た。
実施例22:9−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)グアニン(SS)の製造
公開の手法に従って、標題化合物をRRから製造することができる(Waga, T.; Nishizaki, T.; et al. Biosci. Biotechnol. Biochem. 1993, 57, 1433-1438)。
RR(1.50g、mmol)のメタノール性アンモニア(−10℃で予め飽和させたもの)(20mL)溶液を室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を塩化メチレン(60mL)と水(60mL)との間で分配した。水層を塩化メチレンで洗浄し(60mLで2回)、減圧下に濃縮した。残留物をRP18カラムクロマトグラフィー[溶離液:水/アセトニトリル95/5]によって精製して、純粋なSS(380mg、60%)を得た。水からの再結晶によって、Sを結晶固体として得た。融点>300(分解)、UV(HO):λmax=252nm(ε=14500)、H−NMR(DMSO−d):δ10.64(s、1H、NH)、7.95(s、IH、H−8)、6.45(s1、2H,NH)、5.68(d、1H、H−1′、J1′−2=7.45Hz)、5.31(d、1H、OH、OH−2′、JOH−2′=6.8Hz)、5.17(t、1H、OH、OH−5′、J=5.5Hz)、5.07(d、1H、OH−3′、JOH−3′=4.5Hz)、4.65(dd、1H、H−2′、J=7.1Hz、J=12.2Hz)、4.00(t、1H、H−3′、J3′−2′=J3′−OH′=4.8Hz)、3.41(m、2H、H−5′およびH−5″)、1.12(s、3H、CH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z595(2M+H)、390(M+G+H)、298(M+H)、152(B+2H)、FAB<0m/z593(2M−H)、296(M−H)、150(B)
実施例23:9−(2,3−ジ−O−アセチル−5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)アデニン(TT)の製造
GG(1.10g、2.79mmol)の脱水アセトニトリル(50mL)溶液を、アデニン(452.4mg、3.35mmol)および塩化第二スズ(SnCl、660L、5.58mmol)で処理し、室温で終夜撹拌した。溶液を減圧下に濃縮し、クロロホルム(100mL)で希釈し、冷飽和NaHCO水溶液(100mL)で処理した。混合物をセライトで濾過し、沈殿を熱クロロホルムで洗浄した。濾液を合わせ、水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、脱水し(NaSO)、減圧下に溶媒留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:メタノール(3%から5%)/塩化メチレンの段階的勾配]によって精製して、純粋なTT(977mg、77%)を白色泡状物として得た。H−NMR(DMSO−d):δ8.31〜7.49(m、7H、CCO、H−2およびH−8)、7.37(1S、2H、NHz)6.27(m、2H、H−1′およびH−3′)、5.90(m、1H、H−2′)、4.60(d、IH、H−5′、J=11.7Hz)、4.35(d、1H、H−5″)、2.17(s、3H、CHCO)、2.06(s、3H、CHCO)、1.42(s、3H、CH)。
実施例24:9−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)アデニン(UU)の製造
公開の手法に従って、標題化合物をTTから製造することができる(Waga, T.; Nishizaki, T.; et al.Biosci. Biotechnol. Biochem. 1993, 57, 1433-1438)。
TT(970mg、2.08mmol)のメタノール性アンモニア(−10℃で予め飽和させたもの)(50mL)溶液を室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を塩化メチレン(100mL)と水(100mL)との間で分配した。水層を塩化メチレン(100mLで2回)で洗浄し、減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:メタノール(10%から30%)/酢酸エチルの段階的勾配]によって精製して、純粋なU(554mg、95%)を得た。メタノール/酢酸エチルからの結晶化によって、UUを白色固体として得た。融点:96〜97℃(分解);H−NMR(DMSO−d):δ8.33(s、1H、H−2)、8.13(s、1H、H−8)、7.36(brs、2H、NH)、5.84(d、1H、H−1′,J1′−2′=7.4Hz)、5.69(dd、1H、OH−5′、J=4.2HzおよびJ=7.8Hz)、5.33(d、1H、OH−2′、J=6.6Hz)、5.13(d、1H、OH−3′、J=4.4Hz)、4.86(m、1H、H−2′)、4.04(t、1H、H−3′)、3.58〜3.32(m、2H、H−5′およびH−5″)、1.15(s、3H、CH);MS(マトリクスGT):FAB>0m/z563(2M+H)、374(M+G+H)、282(M+H)、136(B+2H),FAB<0m/z561(2M−H)、280(M−H)、134(B)
同様にして、適切な糖およびプリン塩基を用いて、下記の式XVIのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、X、XおよびYは表20(Table20)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジン塩基またはプリン塩基を用いて、下記の式XVIIIのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、R、Xおよび塩基は表21(Table21)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジン塩基またはプリン塩基を用いて、下記の式XIXのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、Xおよび塩基は表22(Table22)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジン塩基またはプリン塩基を用いて、下記の式XXIVのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、Xおよび塩基は表23(Table23)で定義の通りである。
あるいは、適切な糖およびピリミジン塩基またはプリン塩基を用いて、下記の式XXのヌクレオシドが製造される。
Figure 0005087211
式中、R、R、R、R、X、塩基、R10およびRおよび塩基は表24(Table24)で定義の通りである。
表1〜24には、本発明に含まれる化学種の例が示してある。表中にアミノ酸が出てくる場合、それは、D−配置およびL−配置でのα、β、γまたはδグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニンおよびヒスチジンの各エステルの具体的かつ独立の開示であると見なされる。表中でアシルという用語が用いられている場合、それは、本明細書で定義のいずれかのアシル基の具体的かつ独立の開示であることを意味し、それの例としては、アセチル、トリフルオロアセチル、メチルアセチル、シクロプロピルアセチル、シクロプロピルカルボキシ、プロピオニル、ブチリル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ネオ−ヘプタノイル、フェニルアセチル、ジフェニルアセチル、α−トリフルオロメチル−フェニルアセチル、ブロモアセチル、4−クロロ−ベンゼンアセチル、2−クロロ−2,2−ジフェニルアセチル、2−クロロ−2−フェニルアセチル、トリメチルアセチル、クロロジフルオロアセチル、パーフルオロアセチル、フルオロアセチル、ブロモジフルオロアセチル、2−チオフェンアセチル、tert−ブチルアセチル、トリクロロアセチル、モノクロロ−アセチル、ジクロロアセチル、メトキシベンゾイル、2−ブロモ−プロピオニル、デカノイル、n−ペンタデカノイル、ステアリル、3−シクロペンチル−プロピオニル、1−ベンゼン−カルボキシル、ピバロイルアセチル、1−アダマンタン−カルボキシル、シクロヘキサン−カルボキシル、2,6−ピリジンジカルボキシル、シクロプロパン−カルボキシル、シクロブタン−カルボキシル、4−メチルベンゾイル、クロトニル、1−メチル−1H−インダゾール−3−カルボニル、2−プロペニル、イソバレリル、4−フェニルベンゾイルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
F.生物アッセイ
化合物は、フラビウィルスまたはペスチウィルスポリメラーゼを阻害することによって、複製サイクルで必要な他の酵素を阻害することによって、あるいは他の経路によって抗フラビウィルスまたはペスチウィルス活性を示すことができる。
ヌクレオシドの活性化トリホスフェートへのリン酸化アッセイ
化合物の細胞代謝を測定するため、HepG2細胞をアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection;メリーランド州ロックヴィル)から入手し、225cm組織培養フラスコ中、非必須アミノ酸、ペニシリン−ストレプトマイシン1%を補充した最小必須培地で増殖させた。培地を3日ごとに新しくし、細胞を週に1度継代した。トリプシン−EDTA30mLに10分間曝して粘着性の単層を剥離し、培養液で3回連続的に洗浄した後、集密HepG2細胞を、ウェルあたり細胞2.5×10個の密度で6ウェルプレートに播種し、[H]標識活性化合物(500dpm/ピコモル)10μMに所定の時間曝した。5%CO雰囲気中、37℃に細胞を維持した。所定の時間点で、氷冷リン酸緩衝食塩水(PBS)で3回細胞を洗浄した。細胞ペレットを、60%のメタノールを用いて終夜−20℃でインキュベートしてから、氷浴で1時間、追加の冷メタノール20μLでの抽出にかけることによって、細胞内の活性化合物およびそのそれぞれの代謝産物を抽出した。次いで抽出物を合わせ、穏やかな濾過空気流中で乾燥させ、HPLC分析まで−20℃で保存した。
カニクイザルでの生物学的利用能アッセイ
試験開始前の1週間以内に、カニクイザルに、採血を容易にするための慢性静脈カテーテルおよび皮下静脈採血口(VAP)を外科的に移植し、血液学および血清化学評価を含む身体検査を行い、体重を記録した。用量レベルが10mg/kgで、投与濃度が5mg/mLの各用量の活性化合物と共におよそ250μCiのH放射能を、静脈内大量瞬時投与(サル3匹、IV)または経口胃管栄養法(サル3匹、PO)によって各々のサル(計6匹)に与えた。投与前に各投与注射器を秤量し、投与する処方量を重量測定によって決定した。指定の間隔(投与前およそ18〜0時間、投与後0〜4、4〜8、および8〜12時間)で、受け皿を用いて採尿を行い、処理した。静脈カテーテルおよびVAPを介して、または静脈カテーテルでの手順が不可能なら抹消血管から、血液サンプルを同様に(投与前、投与後0.25、0.5、1、2、3、6、8、12、および24時間)で採取した。血液および尿サンプルの最高濃度(Cmax)、最高濃度に達したときの時間(Tmax)、曲線下面積(AUC)、投与濃度の半減期(T1/2)、クリアランス(CL)、定常状態の体積および分布(Vss)、および生物学的利用能(F)を分析した。
骨髄毒性アッセイ
ヒト骨髄細胞を正常な健常志願者から採取し、文献(Sommadossi J-P, Carlisle R. Antimicrobial Agents and Chemotherapy 1987; 31: 452-454; and Sommadossi J-P, Schinazi RF, et al. Biochemical Pharmacology 1992; 44: 1921-1925)に報告されているフィコール−ハイパック勾配遠心分離によって、単核球群を分離した。二重層軟寒天法またはメチルセルロース法を利用して、CFU−GMおよびBFU−Eでの培養アッセイを行った。薬物を組織培養培地に希釈し、濾過した。14〜18日後、空気中CO5%の加湿雰囲気中、37℃で、倒立顕微鏡を使用して、細胞が50個を超えるコロニーをカウントした。溶媒対照培養物に対する薬物存在下の集落形成阻害の百分率として示す。
ミトコンドリア毒性アッセイ
HepG2細胞を上述のように12ウェルプレートに培養し、文献(Pan-Zhou X-R, Cui L, et al. Antimicrob. Agents Chemother. 2000; 44: 496-503)に記載の方法に従って、様々な濃度の薬物に曝露した。ベーリンガー(Boehringer)乳酸アッセイキットを使用して、4日間薬物に曝した後の培養液の乳酸レベルを測定した。血球計数器でカウントして測定した細胞数によって乳酸レベルを正規化した。
細胞傷害性アッセイ
加湿CO(5%)雰囲気中、37℃で、5×10〜5×10/ウェルの間の割合で、増殖培地の96ウェルプレートに細胞を一晩かけて播種した。次いで、薬物の連続希釈物を含有する新しい増殖培地を加えた。4日間インキュベートした後、培養物を50%TCAに固定し、スルホロダミンBで染色した。550nmの光学密度を読み取った。細胞傷害性濃度は、細胞数を50%まで減少させるのに要する濃度(CC50)として表示した。
細胞保護アッセイ(CPA)
このアッセイは、実質的にバギンスキーらの報告(Baginski, S. G.; Pevear, D. C.; et al. PNAS USA 2000, 97 (14), 7981-7986)に記載の方法に従って実施した。使用する24時間前に、MDBK細胞(ATCC)を96ウェル培養プレートに播種した(ウェルあたり細胞4,000個)。1細胞あたり0.02プラーク形成単位(PFU)の感染多重度(MOI)でBVDV(系統NADL、ATCC)に感染させた後、最終濃度を増殖培地中0.5%DMSOとして、試験化合物の連続希釈物を感染細胞と非感染細胞の両方に加えた。各希釈物4連で試験を行った。実験間中細胞が確実に増殖し続け、未処理の対照でのウィルス誘発性細胞破壊が感染後4日後に90%超に達するように細胞密度およびウィルス接種材料を調節した。4日後、プレートを50%TCAで固定し、スルホロダミンBで染色した。マイクロプレートリーダーでウェルの550nmの光学密度を読み取った。ウィルスによる細胞変性作用の低減が50%に達する化合物濃度を50%有効濃度(EC50)値と定義した。
プラーク減少アッセイ
2組の24ウェルプレート中でのプラーク減少アッセイによって、各化合物の有効濃度を測定した。細胞単層を100PFU/ウェルのウィルスに感染させた。次いで、不活化血清2%およびメチルセルロース0.75%を補充したMEMで希釈した被験化合物の連続希釈物をその単層に加えた。培養物をさらに37℃で3日間インキュベートし、次いで50%エタノールおよび0.8%クリスタルバイオレットで固定し、洗浄し、風乾した。次いで、プラークをカウントして、ウィルスを90%抑制する濃度を求めた。
産生量減少アッセイ
2組の24ウェルプレートでの産生量減少アッセイによって、ウィルス負荷を6段階で対数的に減少させる各化合物の濃度を決定した。このアッセイは、バギンスイキーらの報告(Baginski, S. G.; Pevear, D. C.; et al. PNAS USA 2000, 97 (14), 7981-7986)に記載の方法に若干の変更を加えて実施した。すなわち、MDBK細胞を24ウェルプレートに播種(ウェルあたり細胞2×10個)してから24時間後に、1細胞あたり0.1PFUの感染多重度(MOI)でBVDV(NADL系統)に感染させた。最終濃度を増殖培地中0.5%DMSOとして、被験化合物の連続希釈物を細胞に加えた。各希釈物3連で試験を行った。3日後、3回の凍結融解サイクルによって細胞培養物(細胞単層および上清)を溶解させ、プラークアッセイによってウィルス産生量を数量化した。すなわち、MDBK細胞を、使用する24時間前に6ウェルプレートに播種した(ウェルあたり細胞5×10個)。細胞に試験可溶化液0.2mLを1時間かけて接種し、洗浄し、増殖培地中0.5%アガロースで覆った。3日後、細胞単層を3.5%ホルムアルデヒドで固定し、1%クリスタルバイオレット(50%エタノール中w/v)で染色して、プラークを肉眼で見えるようにした。プラークをカウントして、ウィルス負荷が6対数値減少する濃度を求めた。
実施例25:細胞アッセイでの被験化合物の抗ウィルス効力
濃度を上昇させながら4種類の被験化合物で感染MDBK細胞を処理した後に、BVDBの力価(Log10単位/mL)を確認した。リバビリンを標準として用いた。このデータは、図11に示してある。そのグラフは、これら化合物の抗ウィルス効力を示すものである。
実施例26:2′−C−メチル−シチジン−3′−O−L−バリンエステル(Val−mCyd)の細胞薬理学
ヌクレオシドの活性トリホスフェートへのリン酸化アッセイ
化合物の細胞代謝を測定するため、HepG2細胞をアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection;メリーランド州ロックヴィル)から入手し、225cm組織培養フラスコ中、非必須アミノ酸、ペニシリン−ストレプトマイシン1%を補充した最小必須培地で増殖させた。培地を3日ごとに新しくし、細胞を週に1度継代した。トリプシン−EDTA30mLに10分間曝して粘着性の単層を剥離し、培養液で3回連続的に洗浄した後、集密HepG2細胞を、ウェルあたり細胞2.5×10個の密度で6ウェルプレートに播種し、[H]標識活性化合物(500dpm/ピコモル)10μMに所定の時間曝した。5%CO雰囲気中、37℃に細胞を維持した。選択された時間に、氷冷リン酸緩衝食塩水(PBS)で3回細胞を洗浄した。細胞ペレットを、60%のメタノールを用いて終夜−20℃でインキュベートしてから、氷浴で1時間、追加の冷メタノール20μLでの抽出にかけることによって、細胞内の活性化合物およびそのそれぞれの代謝産物を抽出した。次いで抽出物を合わせ、穏やかな濾過空気流中で乾燥させ、HPLC分析まで−20℃で保存した。
抗ウィルスヌクレオシドおよびヌクレオシド類縁体を、細胞内キナーゼによって、活性代謝物である5′−トリホスフェート(TP)誘導体に変換した。ヌクレオシド−TP類は、ウィルス複製時にウィルスポリメラーゼを阻害することで抗ウィルス効果を示す。一次ヒト肝細胞培養物、ヒト肝臓癌細胞系(HepG2)およびウシ腎臓細胞系(MDBK)で、mCydは主要な代謝物である2′−C−メチル−シチジン−5′−トリホスフェート(mCyd−TP)に変換され、同時に比較的少量のウリジン5′−トリホスフェート誘導体、2′−C−メチル−ウリジン−5′−トリホスフェート(mUrd−TP)も与えた。mCyd−TPは、NS5BRNA依存性RNAポリメラーゼであるBVDV複製酵素に対してin vitroで調べた場合に阻害性を有しており、mCydの抗ウィルス活性を担っているものと考えられる。
mCydの細胞代謝について、10μM[H]−yCydに曝露されたMDBK細胞、HepG2細胞およびヒト一次肝細胞を用いて調べた。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析で、mCydが3種類全ての細胞型中でリン酸化され、24時間後ではmCyd−TPが主要な代謝物であることが明らかになった。48時間のヒト肝臓癌HepG2細胞の10μM[H]−mCydへの曝露にわたって得られた代謝プロファイルを調べた。HepG2細胞において、mCyd−TPレベルは、24時間後に41.5±13.4μMでピークとなり(表25参照)、その後低下した。一次ヒト肝細胞では、24時間目におけるピークmCyd−TP濃度は、10.7±6.7μMでの値の1/4であった。MDBKウシ腎臓細胞では、中間レベルのmCyd−TP(24時間目で30.1±6.9μM)が得られた。
肝細胞のmCydへの曝露によって、第2の5′−トリホスフェート誘導体mUrd−TPの産生が生じた。10μM[H]−mCydに曝露されたHepG2細胞では、mUrd−TPレベルは24時間目に1.9±1.6μMに達し、それに対してMDBK細胞では8.1±3.4μM、一次ヒト肝細胞では3.2±2.0μMであった。MDBK細胞およびHepG2細胞は24時間目においては同等のリン酸化化学種総量(それぞれ約43μMと47μM)を生じたが、mUrd−TPはMDBK細胞での総産生物の19%を占めていたのに対して、HepG2細胞では4%に過ぎなかった。mUrd−TP濃度は経時的に一定の割合で上昇したが、24時間後には定常状態に達するか、降下した。
Figure 0005087211
mCyd−TPの見かけの細胞内半減期は、HepG2細胞で13.9±2.2時間、MDBK細胞で7.6±0.6時間であった。このデータは、mUrd−TPの半減期を計算するには適さなかった。上記の具体的な相違以外に、一次ヒト肝細胞で検出されたリン酸化パターンは、HepG2またはMDBK細胞を用いて得られたものと定性的に類似していた。
実施例27 :細胞傷害性
ミトコンドリア毒性アッセイ
HepG2細胞を上述のように12ウェルプレートに培養し、文献(Pan-Zhou X-R, Cui L, et al. Antimicrob. Agents Chemother. 2000; 44: 496-503)に記載の方法に従って、様々な濃度の薬物に曝露した。ベーリンガー(Boehringer)乳酸アッセイキットを使用して、4日間薬物に曝した後の培養液の乳酸レベルを測定した。血球計数器でカウントして測定した細胞数によって乳酸レベルを正規化した。
細胞傷害性アッセイ
加湿CO(5%)雰囲気中、37℃で、5×10〜5×10/ウェルの間の割合で、増殖培地の96ウェルプレートに細胞を一晩かけて播種した。次いで、薬物の連続希釈物を含有する新しい増殖培地を加えた。4日間インキュベートした後、培養物を50%TCAに固定し、スルホロダミンBで染色した。550nmの光学密度を読み取った。細胞傷害性濃度は、細胞数を50%まで減少させるのに要する濃度(CC50)として表示した。
従来の細胞増殖アッセイを用いて、急速に分裂する細胞でのmCydおよびそれの細胞代謝物の細胞傷害性を評価した。mCydが特定の細胞系についての相当するCC50よりはるかに高い濃度で集密細胞において傷害性を示さなかったことから、mCydの阻害効果は細胞増殖抑制性であることが確認された。mCydは、調べたうちで最も高い濃度で急速に成長するHuh7ヒト肝臓癌細胞またはH9c2ラット心筋細胞に対して傷害性ではなかった(CC50>250μM)。mCydCC50値は、BHK−21ハムスター腎臓およびHepG2ヒト肝臓癌細胞系でそれぞれ132および161μMであった。細胞をコラーゲンコーティングしたプレート上で4日間または10日間増殖させた場合、HepG2細胞でのmCydについてのCC50は200μMまで上昇した。比較のため、リバビリンをHepG2細胞およびHuh7細胞で調べた場合、35〜36μMのCC50値が誘導された。BVDV抗ウィルス試験で用いたMDBKウシ腎臓細胞では、mCydのCC50は36μMであった。MT−4ヒトT−リンパ球に対するmCydにおいて、同様のCC50値(34μM)が求められた。さらに、国立衛生研究所(NIH)抗ウィルス研究および抗細菌化学プログラムが実施した試験で、いくつかのヒト癌細胞系などのヒトおよび他の哺乳動物起源の他の多くの細胞系に対して、mCydはほとんどの場合、非細胞傷害性であるか、弱細胞傷害性(CC50>50から>200μM)であった。それに対する例外は急速に増殖するHFFヒト包皮線維芽細胞およびMEFマウス胎仔線維芽細胞であり、その場合にはmCydは比較的高い細胞傷害性を示した(CC50はそれぞれ16.9および2.4μM)。やはり、mCydは、静止期線維芽細胞に対しては傷害性がかなり低かった。
mCyd量を徐々に上昇させた場合の細胞DNAまたはRNA合成に対する細胞傷害性効果を、[H]−チミジンまたは[H]−ウリジンに対して曝露したHepG2細胞で調べた。HepG2細胞では、放射線標識チミジンおよびウリジンの細胞DNAおよびRNAの組み込みにおける50%減少を引き起こすのに必要なmCydのCC50は、それぞれ112および186μMであった。DNAおよびRNA合成に関してリバビリン(RBV)で測定されたCC50値はそれぞれ、3.16および6.85μMであった。これらの値は、従来の細胞増殖細胞傷害性アッセイでmCydおよびRBVについてそれぞれ測定されたCC50値161および36μMを反映している。mCydの細胞RNAおよびDNAへの組み込みを評価するため、HepG2細胞を30時間にわたり、10μMの[H]−mCydまたは対照ヌクレオシド(比活性5.6〜8.0Ci/mmol、塩基で標識)に曝露した。標識した細胞RNAまたはDNA種を別個に単離し、組み込みをシンチレーションカウンティングによって測定した。HepG2細胞のmCydへの曝露によって、細胞DNAまたはRNAへのリボヌクレオチド類縁体の組み込みは非常に低レベルとなった(0.0013〜0.0014pmol/核酸μg)。これらのレベルは、ZDVおよびddCのRNAへの組み込みについてそれぞれ測定された値0.0009および0.0013pmol/μgと同様であった。これらのデオキシヌクレオシドはRNAに組み込まれることは予想されなかったことから、これらのレベルも同様に、アッセイバックグラウンドを反映したものである。ZDVおよびddCのDNAへの組み込みは、有意に高いものであった(それぞれ、0.103および0.0055pmol/g)。リバビリン(RBV)は、mCydの10倍高いレベルでDNAとRNAの両方に組み込まれた。
Figure 0005087211
Figure 0005087211
骨髄毒性アッセイ
文献(Sommadossi J-P, Carlisle R. Antimicrobial Agents and Chemotherapy 1987; 31: 452-454; and Sommadossi J-P, Schinazi RF, et al. Biochemical Pharmacology 1992; 44: 1921-1925)に報告されているフィコール−ハイパック勾配遠心分離によって、健常ボランティアおよび単核個体群から収集したヒト骨髄細胞を分離した。二重層軟寒天法またはメチルセルロース法を利用して、CFU−GMおよびBFU−Eでの培養アッセイを行った。薬物を組織培養培地に希釈し、濾過した。14〜18日後、空気中CO5%の加湿雰囲気中、37℃で、倒立顕微鏡を使用して、細胞が50個を超えるコロニーをカウントした。溶媒対照培養物に対する薬物存在下の集落形成阻害の百分率として示す。
細胞保護アッセイ(CPA)
このアッセイは、実質的にバギンスキーらの報告(Baginski, S. G.; Pevear, D. C.; et al. PNAS USA 2000, 97 (14), 7981-7986)に記載の方法に従って実施した。使用する24時間前に、MDBK細胞(ATCC)を96ウェル培養プレートに播種した(ウェルあたり細胞4,000個)。1細胞あたり0.02プラーク形成単位(PFU)の感染多重度(MOI)でBVDV(系統NADL、ATCC)に感染させた後、最終濃度を増殖培地中0.5%DMSOとして、試験化合物の連続希釈物を感染細胞と非感染細胞の両方に加えた。各希釈物を4通りで試験した。実験間中細胞が確実に増殖し続け、未処理の対照でのウィルス誘発性細胞破壊が感染後4日後に90%超に達するように細胞密度およびウィルス接種材料を調節した。4日後、プレートを50%TCAで固定し、スルホロダミンBで染色した。マイクロプレートリーダーでウェルの550nmの光学密度を読み取った。ウィルスによる細胞変性作用の低減が50%に達する化合物濃度を50%有効濃度(EC50)値と定義した。
ある種のヌクレオシド類縁体の骨髄抑制効果により、クローン原性アッセイで試験中の薬剤がヒト骨髄始原細胞の増殖に与える可能性がある影響を調べる必要があることが強調されるようになった。特に、貧血および好中球減少が、HCV治療に用いられる医療併用療法の標準である抗HIV薬ジドブジン(ZDV)またはリバビリン(RBV)成分に関連する最も一般的な薬剤関連の臨床的毒性である。これらの毒性は、健常被験者から得られた骨髄細胞を用いたin vitroアッセイでモデル化されている(Sommadossi J-P, Carlisle R. Antimicrob. Agents Chemother. 1987; 31 (3): 452-454)。ZDVはこれまでに、臨床的に妥当な1−2の濃度で、このモデル(BFU−E)活性において、ヒト顆粒球−マクロファージコロニー形成(CFU−GM)および赤血球バースト形成Mを直接阻害することが明らかになっている(Berman E, et al. Blood 1989; 74 (4): 1281-1286; Yoshida Y, Yoshida C. AIDS Res. Hum. Retroviruses 1990; 6 (7): 929-932.; Lerza R, et al. Exp. Hematol. 1997; 25 (3): 252-255; Dornsife RE, Averett DR. Antimicrob. Agents Chemother. 1996; 40 (2): 514-519; Kurtzberg J, Carter SG.Exp. Hematol. 1990; 18 (10): 1094-1096; Weinberg RS, et al. Mt. Sinai J. Med. 1998; 65(1) : 5-13)。ヒト骨髄クローン原性アッセイを用いると、CFU−GMおよびBFU−EでのmCydのCC50値は、14.1±4.5および13.9±3.2μMであった(表27参照)。mCydの骨髄細胞に対する毒性は、ZDVおよびRBVのいずれよりも有意に低かった(表27)。
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ミトコンドリア機能に対する効果
ZDV、スタブジン(d4T)、ディダノシン(ddI)およびザルシタビン(ddC)などのHIV療法用に承認されている抗ウィルスヌクレオシド類縁体は、末梢神経症、筋障害および膵炎などの臨床的に制限を生じる遅延毒性に関連する場合があった(Browne MJ, et al. J. Infect. Dis. 1993;167 (1) : 21-29; Fischl MA, et al. Ann. Intern. Med. 1993; 18 (10): 762-769.; Richman DD, et al. N. Engl. J. Med. 1987; 317 (4): 192- 197; Yarchoan R, et al. Lancet 1990; 336 (8714): 526-529)。これらの臨床的有害事象は、一部の専門家により、ミトコンドリアDNA(mtDNA)含有量の低下およびmtDNAへのヌクレオシド類縁体取り込み低下によるミトコンドリア機能阻害によるものであるとされている。さらに、ある特定のヌクレオシド類縁体であるフィアルリジン(fialuridine;1,−2′−デオキシ−2′−フルオロ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル;FIAU)は、直接のミトコンドリア毒性による肝不全、膵炎、神経症、筋障害および乳酸性アシドーシスを引き起こしている(McKenzie R, et al. N. Engl. J. Med. 1995; 333 (17): 1099-1105)。乳酸産生の薬剤関連の増加は、ミトコンドリア機能または酸化的リン酸化の障害のマーカーと考えることができる(Colacino, J. M. Antiviral Res. 1996 29 (2-3): 125-39)。
mCydがミトコンドリア毒性を生じる可能性を評価するため、ヒト肝臓癌細胞系HepG2またはHuh7を用いていくつかのin vitro試験を行った。それらの試験には、乳酸産生の分析、mtDNA含有量ならびにミトコンドリア超微細構造の形態における変化(例:クリステの喪失、基質の溶解および膨潤、ならびに脂肪滴形成) の確認などがあった。
mCydのミトコンドリアに対する効果を表28に示してある。mCyd処理細胞と未処理細胞について、Huh7細胞では50μmM以下のmCyd、またはHepG2細胞については10μM以下のmCydで、乳酸産生に差は認められなかった。50μMのmCydで処理したHepG2細胞で、わずかな(38%)乳酸増加が認められた。特にmCydが診療所において50μMの血漿濃度になるとは考えにくいことから、その所見の有意性については不明である。ちなみに、10μMのFIAUで処理した細胞では、対照細胞と比較して100%の乳酸産生増加がある(Cui L, Yoon, et al. J. Clin. Invest. 1995; 95: 555-563)。50μM以下の各種濃度での6日間または14日間にわたるmCydに対するHepG2細胞の曝露により、ddC処理細胞でのそれぞれ56%または80%の低下と比較して、ミトコンドリアDNA含有量に対する負の効果はなかった。
MmCydの後、10種類の特定のミトコンドリアへの14日間の曝露でのHepG2細胞の超微細構造を、透過電子顕微鏡法によって調べた。大半の細胞で、細胞の構成またはミトコンドリアの数もしくは形態(クリステなど)に変化は認められなかった。細胞の17%で、細胞当たり平均25個のうち1〜2個のミトコンドリアが大きくなっているように見えた。そのような軽微な変化は、ミトコンドリア機能に有意な影響を持たないものと考えられる。ddC処理細胞は、クリステ喪失を伴うミトコンドリア形態の異常および脂肪滴蓄積を示した(Medina, D. J. , C. H. Tsai, et al. Antimicrob. Agents Chemother. 1994 38 (8): 1824-8; Lewis W, et al. J. Clin. Invest. 1992; 89 (4): 1354-1360., Lewis, L. D., F. M. Hamzeh, et al. Antimicrob. Agents Chemother. 1992 36 (9): 2061-5)。
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ヒトDNAポリメラーゼα、βおよびγに対する効果
細胞DNAポリメラーゼは、正常な核およびミトコンドリアDNAの合成および修復を担当する。ヌクレオシド類縁体トリホスフェートは、DNAポリメラーゼの阻害薬となり得ることから、必須の細胞機能を障害するものと考えられる。特に、ミトコンドリアDNA合成に関与する酵素であるヒトポリメラーゼγの阻害が、ミトコンドリア機能における欠陥と関連づけられている(Lewis, W., E. S. Levine, et al. Proceedings of the National Academy of Sciences, USA 1996 93 (8): 3592-7.)。mCyd−TPがヒトDNAポリメラーゼを阻害するか否かを確認するために実験を行った。表29に示したように、mCyd−TPはヒトDNAポリメラーゼα、βまたはγの基質ではなかった。1mMのmCyd−TPであっても、大半の複製アッセイでこれらの酵素を50%阻害することはなく、IC50値が880〜1000μMを超えていることが確認されるだけであった。それとは対照的に、ddCは3種類全てのヒトDNAポリメラーゼ、特にポリメラーゼβおよびγの強力な阻害薬であった(それぞれ、IC50は4.8および2.7μM)。対照薬剤としての公知のDNA依存性DNAポリメラーゼ阻害薬であるアクチノマイシンDについても、強力な阻害が認められた。
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実施例28:BVDVに対するin vitroでの抗ウィルス活性
化合物は、フラビウィルスまたはペスチウィルスポリメラーゼを阻害することによって、複製サイクルで必要な他の酵素を阻害することによって、あるいは他の経路によって抗フラビウィルスまたはペスチウィルス活性を示すことができる。
プラーク減少アッセイ
2組の24ウェルプレート中でのプラーク減少アッセイによって、各化合物の有効濃度を測定した。細胞単層を100PFU/ウェルのウィルスに感染させた。次いで、不活化血清2%およびメチルセルロース0.75%を補充したMEMで希釈した被験化合物の連続希釈物をその単層に加えた。培養物をさらに37℃で3日間インキュベートし、次いで50%エタノールおよび0.8%クリスタルバイオレットで固定し、洗浄し、風乾した。次いで、プラークをカウントして、ウィルスを90%抑制する濃度を求めた。
産生量減少アッセイ
2組の24ウェルプレートでの産生量減少アッセイによって、ウィルス負荷を6段階で対数的に減少させる各化合物の濃度を決定した。このアッセイは、バギンスイキーらの報告(Baginski, S. G.; Pevear, D. C.; Seipel, M.; et al. PNAS USA 2000, 97 (14), 7981-7986)に記載の方法に若干の変更を加えて実施した。すなわち、MDBK細胞を24ウェルプレートに播種(ウェルあたり細胞2×10個)してから24時間後に、1細胞あたり0.1PFUの感染多重度(MOI)でBVDV(NADL系統)に感染させた。最終濃度を増殖培地中0.5%DMSOとして、被験化合物の連続希釈物を細胞に加えた。各希釈物を3通りに試験した。3日後、3回の凍結融解サイクルによって細胞培養物(細胞単層および上清)を溶解させ、プラークアッセイによってウィルス産生量を数量化した。すなわち、MDBK細胞を、使用する24時間前に6ウェルプレートに播種した(ウェルあたり細胞5×10個)。細胞に試験可溶化液0.2mLを1時間かけて接種し、洗浄し、増殖培地中0.5%アガロースで覆った。3日後、細胞単層を3.5%ホルムアルデヒドで固定し、1%クリスタルバイオレット(50%エタノール中w/v)で染色して、プラークを肉眼で見えるようにした。プラークをカウントして、ウィルス負荷が6段階に対数的に減少する濃度を求めた。
培養細胞でのmCydの抗ウィルス活性に関する試験を実施した。mCydの抗ウィルス効力を求めるのに用いた一次アッセイは、BVDVに基づく細胞保護アッセイ(CPA)であった。このアッセイは、BVDVの細胞変性DNADL株による破壊から増殖するMDBKウシ腎臓細胞をmCydが保護する能力を測定するものである。未感染細胞に対する被験薬剤の細胞傷害性も並行して測定した。CPAでのmCydおよびリバビリンの抗ウィルス活性を、表30aで比較している。mCydは、濃度依存的にデノボ感染したMDBK細胞を効果的に保護し、EC50=0.67±0.22μMであった(表30a)。このアッセイでmCydは、mCydについてのCC50よりかなり低い濃度で完全な細胞保護を与えた(38±9μM)。CPAでは、下記の他のアッセイと同様に、リバビリンは明瞭な抗ウィルス効果を示さなかった。リバビリンの細胞傷害性が保護効果と重なって、それを打ち消すことから、ほとんどのアッセイで有意な(50%以上)の保護効果は得られなかった。従ってリバビリンは、CPAにおいて4.3±0.6μMのCC50およびEC50>4.3μMを与えた。
以下の表30a〜30oにおいて、用いた細胞系には、HIVでのMT−4;SARSでのアフリカミドリザル腎臓細胞であるベロ76;ウシウィルス性下痢症ウィルスでのBHK;ポリオウィルスセービン型−1でのSb−1;コクサッキー・ウイルスB−2、B−3、B−4およびA−9でのCVB−2、CVB−3、CVB−4およびCVA−9;2本鎖RNAウィルスでのREO−1などがある。注:BVDV= ウシウィルス性下痢症ウィルス;YFV=黄熱病ウィルス;DENV=デング熱ウィルス;WNV=西ナイルウィルス;CVB−2=コクサッキーB−2ウィルス;Sb−1=セービン1型ポリオ脊髄性小児麻痺ウィルス;REO=2本鎖RNAレオウィルス。
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mCydの全体的な抗ウィルス効力を、細胞保護アッセイならびにプラーク減少アッセイおよび産生量減少アッセイで各種BVDV株ならびに細胞変性(cp)および非細胞変性(ncp)生物型の両方に対して測定した。後者のアッセイは、細胞からの感染性ウィルスの放出を測定するものであることから、抗ウィルス効力のストリンジェント試験を提供する。3種類全てのアッセイからの異なるデータ集合は、表31にまとめたように一致を示している。mCydについての50%および90%有効阻害濃度(EC50およびEC90)値の範囲は、それぞれ0.3〜2.8μMおよび0.87〜4.8μMであった。
BVDV産生量減少アッセイでは、細胞傷害性以下の濃度(約20μM)のmCydによって、デノボBVDV産生が6対数まで抑制され、感染性ウィルスは検出されないレベルであった。BVDV産生における4対数有効減少値(EC4log10またはEC99.99)が、 6.0〜13.9μMのmCydで得られた。対照的に、インターフェロンα−2b(IFNα2b)は、このアッセイではBVDVに対して活性であるが(EC502.6IU/mL)、1000IU/mLであっても、2対数値を超えるウィルス減少は与えなかった。従って、BVDVに対するmCydの抗ウィルス効果は、IFNα2bやRBVの効果を大きく超えるものであった。
実施例29:他のプラス鎖RNAウィルスに対するin vitro抗ウィルス活性
mCydについて、BVDV以外のプラス鎖RNAウィルスに対する効力を調べた。得られたデータを表31および32にまとめてある。フラビウィルス(flaviruses)に対しては、mCydはわずかな活性を示した。両方の位置から求めた複合体EC50範囲(μM単位)は、西ナイルウィルス(46〜97);黄熱病ウィルス(9〜80);およびデング熱ウィルス(59〜95)であった。アルファウィルス、ベネズエラウマ脳炎ウィルスに対してのmCydでは、EC50値は1.3〜45μMであった。mCydは、ポリオウィルス(EC50=6μM)、コクサッキー・ウイルス(EC50=15μM)、リノウィルス5型および14型(EC50≦0.1および0.6μg/mL)およびリノウィルス2型(EC502〜10μM)などのピコルナウィルス類に対して広く活性である。mCydは概して、プラス鎖RNAウィルスを除く全てのRNAおよびDNAウィルスに対して不活性であった。mCydは、MT−4ヒトTリンパ球でのHIVまたはHBV in HepG2.2.15細胞でのHBVに対しても活性を持たないことも認められた。
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実施例30:感染の多重度(MOI)および抗ウィルス効力
細胞保護アッセイ形式を用いて、BVDVウィルス量を増加させながら、それがmCydのEC50に与える効果を調べた。このアッセイでBVDVのMOIを0.04から0.16に上昇させることで、mCydのEC50が0.5μMから約2.2μMまで直線的に上昇した。
実施例31:mCyd処理細胞でのウィルスの回復
mCydによる処理の中断の効果を、BVDVの非細胞変性株(I−N−dIns株)で持続的に感染させたMDBK細胞で調べた。細胞培地で継代培養したところ、これらの細胞はいずれにおいても10〜10個の感染性ウィルス粒子/培地mLを連続的に産生する。このウィルスは、処理MDBK(BVDV)細胞からの培養上清を未感染MDBK細胞に加え、BVDV−特異抗体による免疫染色で目視できるようにした後に得られたウィルス巣の数を数えることで測定することができる。持続的に感染させた細胞系を1細胞継代について4μMのmCydで処理することで(3日間)、10感染性単位/mL未満の処理前および対照細胞レベルから約3対数値だけBVDV力価が低下した。その時点でmCyd処理を中止した。単一継代無いで、BVDV力価は10感染性単位/mL強の未処理対照レベルまで回復した。
実施例32:作用機序
標準的なBVDV CPAアッセイで、mCyd処理によって、BVDVの細胞変性効果から保護された細胞増殖に伴う総細胞RNA含有量に顕著な増加が生じる。それには、mCydによるBVDV RNA産生における顕著な低下が伴っていた。逆に、mCydの非存在下では、細胞変性ウィルスによる細胞の破壊によってBVDV RNAが上昇することから、総細胞RNAは実際には低下する。mCydのウィルスRNAおよび細胞RNAに対する効果をさらに調べるため、リアルタイムRT−PCRを用いて、細胞内BVDV RNAの蓄積を、感染から18時間後に(ほぼ1サイクルのウィルス複製後)MDBK細胞でモニタリングした。それと並行して、細胞ハウスキーピングタンパク質mRNA(rigS15mRNA)を、特異的プライマーを用いるRT−PCRによっても定量した。その結果は、mCydがデノボ感染MDBK細胞においてBVDV RNAレベルを大幅に低下させて、EC50が1.7μMとなり、EC90が2.3μMとなったことを示していた。最大ウィルスRNA低下は、調べた最高阻害薬濃度(125μM)で4log10であった。rigS15細胞mRNA対照のレベルに対する効果は認められなかった。同時に、前記の所見により、mCydが細胞RNA含有量に影響を与えることなくウィルスゲノムRNA合成を特異的に妨害することでBVDVを阻害することが示唆される。この考え方は、HepG2細胞での[H]−ウリジン取り込みによって測定されるRNA合成の阻害が高濃度のmCydを必要とする(EC50=186μM)という所見(表26a)によっても裏付けられる。
精製BVDV NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼ(Kao, C. C., A. M. Del Vecchio, et al. 1999. Virology 253(1) : 1-7)および合成RNA鋳型を用いるin vivo試験では、mCyd−TPは0.74μMのIC50でRNA合成を阻害し、天然CTP基質に関してBVDV NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼの競争的阻害薬であった。mCyd−TPについての阻害定数(K)は0.16μMであり、CTPについてのミカエリス・メンテン定数(K)は0.03μMであった。mCyd−TPによるRNA合成の阻害には、RNA鋳型における同系のG残基の存在が必要である。CTP非存在下でのRNA合成に対するmCyd−TPの効果を、鋳型方向に一つずつ移動する単一のG残基を有する一連の短い(21量体)合成RNA鋳型を用いて、より詳細に調べた。mCyd−TP存在下にこれらの鋳型から得られた新たに合成された転写体の分析で、RNA延長はG残基のところまでしか続かず、それからは停止することが明らかになった(図 12)。複数のG残基を有する鋳型では、RNA合成は、ポリメラーゼが遭遇する最初のG残基で停止した。これらのデータは、m−Cyd−TPが非偏性連鎖停止剤として機能していることを強く示唆するものである。この見かけの連鎖停止の機序については、さらに検討中である。
実施例33:持続的Bvdv感染の根絶
mCydがウィルス感染を根絶する能力を、非細胞変性株のBVDV(I−N−dIns株)で持続的の感染させたMDBK細胞で調べた(Vassilev, V. B. and R.O. Donis Virus Res. 2000 69 (2): 95-107.)。未処理細胞と比較して、持続的感染細胞を16μMのmCydで処理することで、ウィルス産生が2細胞継代以内に6対数値のウィルス/mLから検出できないレベルまで低下した(1継代当たり3〜4日)。12代までmCydで連続処理しても、それ以上のウィルス産生は認められなかった。8代、9代および10代(矢印、図13)で一部の細胞を、薬剤の非存在下にさらに2代にわたって培養して、mCyd−TPが分解し、ウィルス複製が回復するのに十分な時間を与えた。細胞からの培地について、処理MDBK(BVDV)細胞からの培養上清を未感染MDBK細胞に加え、BVDV特異抗体で免疫染色することで目視できるようにした後に得られたウィルス巣をカウントすることで、ウィルスの再出現を繰り返し調べた。このアッセイによって単一のウィルス粒子を検出することができるが、薬剤処理後に細胞からのウィルスの出現はなかった。従って、8代以上にわたるmCydによる処理は、持続的感染細胞からのウィルス除去には十分であった。
実施例34:インターフェロンα2bとの併用試験
BVDVのニューヨーク−1(NY−1)株で持続的に感染させたMDBK細胞で行った最初の試験で、mCyd(8μM)またはインターフェロンα2b(200IU/mL)による単独療法あるいはそれら2薬剤の併用の効果を比較した(図14A)。この実験では、8μMのmCyd単独で1世代後にウィルス力価に約3.5log10の低下があり、さらに2世代にわたって維持されるレベルまで下がった。インターフェロンα2b単独では、デノボBVDV感染に対しては活性であるにも拘わらず、持続的BVDV感染に対しては実質的に不活性であった(ウィルス力価に約0.1対数値の低下)。しかしながらmCydとインターフェロンα2bの併用によって、第2代までにウィルスは検出できないレベルまで減少し、いずれの単独療法よりも良好な効力を示した。
I−N−dIns非細胞変性株のBVDVで持続的に感染させたMDBK細胞の追跡試験では(図14B)、mCydを0、2、4および8μMの固定用量で供給し、インターフェロンα2bを0〜2000IU/mLで力価測定した。やはり、インターフェロンα2bは実質的に不活性(ウィルス力価に0.1対数値の低下)であったが、mCyd単独では用量依存的にBVDV(I−N−dIns株)の増殖を阻害した。8μMでのmCydで、ほとんどのバックグラウンドレベルに対して6.2log10のウィルス産生低下があった。
実施例35:抵抗性形成
以前の細胞培養試験で、mCyd存在下でのMDBK細胞におけるBVDVの細胞変性株の繰り返し継代培養で抵抗性の突然変異株は発生せず、それはmCyd抵抗性BVDV突然変異株の単離が困難であることを示唆している。しかしながら、非細胞変性型のBVDVで持続的に感染させた細胞系での試験で、薬剤の至適以下の治療濃度でのmCydによる比較的長期間の処理によって抵抗性ウィルスが選択された(実験に応じて2〜8μM)。図15Aに示した代表的な実験では、8μMのmCyd存在下で2代後にはウィルスはもはや検出できなかったが、6代までに再出現した。そのデータからは、比較的低い力価の再出現ウィルスが見られる。抵抗性ウィルスは代表的には、野生型ウィルスの1/10以下の力価を有し、イントロンAとの併用療法によって容易に抑制された(図15A)。再出現したウィルスの表現型は、最初の野生型ウィルスとは顕著に異なっていた。図15Bに示したように、それによって生じたウィルス巣はかなり小さかった(代表的には、直径が野生型ウィルスのものの1/3〜1/10)。この表現型は、阻害薬存在下における長期間(少なくとも72日間)の継代培養後に変化しなかったが、処理を中止するとただちに野生型表現型(大きいウィルス巣)に戻った。
抵抗性突然変異株のRT−PCR配列決定を用いて、抵抗性に関与する突然変異を確認した。配列決定の作業は、ヌクレオシド阻害薬の標的である可能性があると仮定されるBVDVのNS5B RNA依存性RNAポリメラーゼ領域に焦点を当てたものであった。そのポリメラーゼの高度に保存されたB領域単位の冒頭で、特異的なS405Tアミノ酸置換を確認した。そのB領域はポリメラーゼ活性部位の一部であり、ヌクレオシド結合に関与すると考えられている(Lesburg, C. A., M. B. Cable, et al. Nature Structural Biology 1999 6 (10): 937-43)。ヌクレオシドに対する抵抗性は、HBVなどの他のウィルスについて、その領域でマッピングされている(Ono et al, J. Clin. Invest. 2001 Feb; 107 (4): 449-55.)。この突然変異が認められた抵抗性に関与することを確認するため、BVDVの組換え分子クローンの骨格に、その突然変異を再度導入した。得られたクローンは、表現型特性において単離された突然変異株ウィルスと識別できないものであり、S405T突然変異が抵抗性に関与するものであり、NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼがmCydの分子標的であることが確認された。プラス鎖RNAウィルス(HCVなど)間でのヌクレオチド配列でのこの単位(Lai, V. C. , C. C. Kao, et al. J. Virol. 1999 73 (12): 10129-36)および構造レベルの高度に保存された性質により、HCV NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼにおける同等の突然変異がS282Tであると考えられるという予測を行うことが可能である。
S405T突然変異株BVDVは、試験可能であった最高濃度までmCydに対して応答しなかったが(EC50>32μM)、野生型ウィルスと比較して生存性がかなり障害された。上記のように、S405T突然変異株は、野生型より対数で1〜2低い力価を示した。BVDVはかなり小さいウィルスプラークを生じた。さらに、突然変異株ウィルスは、単一サイクルの複製速度に顕著な低下を示し(12時間で1/1000より低いウィルス力価)、複製36時間後であっても蓄積は野生型ウィルスと比較して約1/100のレベルであった(図15C)。そのウィルスも、薬剤中止するとただちに野生型ウィルスに戻った。最後にその突然変異株も、図15Dに示したように野生型と比較して、IFNα2b処理に対する感受性が高かった(約40倍)。
薬剤存在下でS405T突然変異株ウィルスをさらに継代培養したところ、第2の別の突然変異体であるC446Sが認められた。この突然変異は、BVDV NSSB RNA依存性RNAポリメラーゼのC領域における必須GDD単位の直前で起こる。予備試験では、両方の突然変異を有するウィルスはS405T突然変異株より有意に良好な複製を行わないことが示唆されることから、この突然変異のウィルス適合への寄与については未だに不明である。抵抗性形成の特性決定を行うさらなる研究を現在続けている。
実施例36:動物効力モデルでのVAL−mCydのin vivo抗ウィルス活性
HCVに慢性感染したチンパンジーが、ヒト患者でのHCV感染の最も広く認められた動物モデルである(Lanford, R. E., C. Bigger, et al. Ilar J. 2001 42 (2): 117-26; Grakoui, A., H. L. Hanson, et al. Hepatology 2001 33 (3): 489-95)。慢性C型肝炎ウィルスのチンパンジーモデルにおけるval−mCydの蛍光投与の単一のin vivo試験が行われている。
5匹のチンバンジーについてのHCV遺伝子型決定を、施設内の全ての動物の疾患状況を確認して従業員に対する安全上の害を確認するよう設計された実施義務のある所内保健・維持プログラムの一環としてサウスウェスト・ファウンデーション・プライメート・センター(Southwest Foundation Primate Center)が行った。この試験で用いた5匹のチンパンジーは、遺伝子型1のHCVを他の全ての遺伝子型と区別するが、遺伝子型1aを1bと区別しない遺伝子型決定RT PCRアッセイにおいて高いHCV力価を示した。それは、この試験で用いたチンパンジーが遺伝子型1のHCV(HCV−1)に感染していたことを示している。
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慢性C型肝炎ウィルス感染のチンパンジーモデルにおける7日間抗ウィルス活性試験
4匹のチンパンジー(10mg/kg/日または20mg/kg/日の用量群あたり動物2匹)に、風味の良い飲料媒体に溶かしたばかりのval−mCyd・2塩酸塩を投与した。これらの用量はそれぞれ、8.3および16.6mg/kg/日のval−mCyd遊離塩基と等価であった。媒体単独の投与を行った5番目の動物はプラシーボ対照とした。この試験設計では、3回の投与前採血を行ってウィルス負荷量の基底線変動を確認し、1週間の投与中に3回の採血を行って(治療法の第2日、第5日および第7日)抗ウィルス効力を評価した。1週間の投与期間後に解析を完了させ、それ以上の追跡調査は行わなかった。
HCV RNA測定
試験を通じてのHCV RNAの血清レベルを、2つの病院臨床検査室によって独立に測定した。HCV RNAの定量を、定量的RT−PCR核酸増幅試験(ロッシュ(Roche)アンプリコアHCVモニター法バージョン2.0)を用いて行った。このアッセイは、検出下限(LLOD)が600IU/mLであり、直線範囲が600〜850000IU/mLであった。
治療法中に認められるウィルス負荷降下の解釈を容易にするため、(i)個々の動物における基底線HCVウィルス負荷の程度および(ii)HCV ウィルス負荷アッセイの固有の変動性および再現性を確認することに力点を置いた。これらの問題を扱うため、2箇所の臨床検査室から得られた全ウィルス負荷データ集合を比較した。両方の施設から得られた結果は、ほぼ同等であることが認められ、投与前HCVウィルス負荷の安定性ならびにHCVロッシュアンプリコアアッセイの新羅性の両方が確認された。この試験の最もバランスの取れた概要を示すため、両方のデータ集合を組み合わせることで誘導される平均値を用いて、図16および17に示した結果を得た。図16には、用量コホートについての平均データを示してあり、図17には個々の動物データを示してある。各施設での各動物について治療法時に認められた基底線値からのウィルス負荷における変化も、表34にまとめてある。
2つの施設からのHCVウィルス負荷解析から、投与前HCVウィルス負荷が were (i) 5匹全ての動物および3用量群全てで非常に類似しており、(ii)3週間の投与前期間にわたって非常に安定であることが明らかになった。5匹の個々の動物間における平均投与前log10ウィルス負荷および標準偏差は、5.8±0.1(施設1)および5.6±0.1(施設2)であった。これらのデータは、このアッセイの変動係数が両方の施設でわずか2%程度であることを示している。投与前期間に動物で認められたHCVウィルス負荷における最大の変動は、約0.3log10であった。
図16および17でわかるように、val−mCydの1日1回経口投与によって、プラシーボ動物や投与前期間では認められなかった急速な抗ウィルス効果が生じた。ウィルス力価は、val−mCyd投与を受けた全ての動物で治療法の2日後に基底線値から大幅に低下し、2つの治療機関での継続治療したでさらに低下する傾向にあった。治療終了(第7日)までに、基底線HCVウィルス負荷からの平均減少は、8.3および16.6mg/kg/日用量群でそれぞれ0.83log10および1.05log10であった。プラシーボ動物の力価は、治療期間中、基底線値から実質的に変化しないままであった。
治療法に応答した基底線HCVウィルス負荷における変化に関する2つの定量施設からのデータの解析を表34に示してある。全体的に、これら2つのデータ集合は良好に一致しており、アッセイの信頼性が高いことが確認される。動物501を例外として、2つの施設間のウィルス負荷における差は、ほぼ0.3log10以下であり、投与前期間中に認められた変動と同様であった。動物501の場合、ずれの大きさは0.5log10に近かった。治療法に応答して認められたウィルス負荷低下は、0.436(動物501、施設1)〜1.514log10(動物497、施設2)で変動した。後者は、535000(投与前)から16500(第7日)ゲノム/mLのHCVウィルスにおける変化に相当する。
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チンパンジーのmCydへの曝露
限定的HPLC分析を行って、val−mCyd投与後のチンパンジーの血清で得られたmCydの濃度を測定した。投与第2日および第5日に投与後1〜2時間後に抜き取った血清で、被投与動物でのmCydレベルは代表的には2.9〜12.1M(それぞれ750および3100ng/mL)であった。投与前血清やプラシーボ対照血清では、mCydは検出されなかった。最終投与から24時間以内に、mCydの血清レベルは0.2〜0.4μM(それぞれ50および100ng/mL)まで低下した。いずれの血清サンプルでもmUrdは検出されなかった。ただし、用いた方法においては、mUrdについての下方定量限界が0.4μM(100ng/mL)である。
慢性HCV感染のチンパンジーモデルでのmCydの安全性
試験を通じて熟練の獣医が、体重減少、体温、食欲および全般的な健康状態、ならびに血液化学検査プロファイルおよびCBCについて、チンパンジーをモニタリングした。薬剤による有害事象は認められなかった。この薬剤は、被投与動物4匹のいずれによっても良好に耐容されたように思われる。5匹はいずれも、試験中若干の体重減少を示し、わずかなアミノトランスフェラーゼ(AST)上昇を示したが、それらは、試験薬剤に関係するものではなく、使用した鎮静法に関連する通常の事象である。1匹の動物が、投与開始前の投与前期間にアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)急上昇を経験したが、そのALTレベルは投与期間中は消失した。従って、その孤立的なALT事象は、薬剤が原因のものではなかった。
実施例37:in vitro代謝
ヒト血漿でのval−mCydおよびmCydの安定性を確認するための試験を実施した。val−mCydを0℃、21℃または37℃のヒト血漿中でインキュベートし、サンプルを10時間までの各種時点で分析した(図18)。37℃で、val−mCydは効率的にmCydに変換され、10時間後に残っていたのは投入されたval−mCydの2%に過ぎなかった。37℃でのヒト血漿中のval−mCydのin vitro半減期は1.81 時間であった。ヒト血漿中でのあるいはヒトシチジン/デオキシシチジンデアミナーゼ酵素豊富な粗製剤を投与した際のmCydのin vitro安定性に関する試験では、mCydは実質的に変化を受けないままであり、37℃でのインキュベーション後ではmCydのウリジン誘導体(mUrd)の脱アミノ化は起こらなかった。アカゲザル血漿およびカニクイザル血漿でのみ、限られた脱アミノ化が認められた。カニクイザル血漿中37℃でのmCydのインキュベーションによって、対照シチジン類縁体がかなり脱アミノ化された条件下で、24時間後および48時間後にmmUrd脱アミノ化生成物はそれぞれ6.7および13.0%生成した。
mCydおよびmUrdのTP誘導体以外に、少量のmCyd−5′−ジホスフェート、mCyd−DP、ほぼ10%量の相当するTPが、3種類全ての細胞型で認められた。2種類の細胞型では、さらに少量のmUrd−DPが検出された(一次ヒト肝細胞およびMDBK細胞)。いずれの細胞型でも、モノホスフェート(MP)代謝物は検出されなかった。細胞内mUrdの痕跡はなく、他のシチジン類縁体の細胞代謝時に認められる5′−ジホスホコリン種などのリポヌクレオチド代謝物の形成を示す証拠はなかった。
図19には、24時間にわたってHepG2細胞を10M[H]−mCydに曝露した後に測定された、mCyd−TPの減衰プロファイルを示してある。mCyd−TPの見かけの細胞内半減期は、HepG2細胞で13.9±2.2時間であり、MDBK細胞で7.6±0.6時間であった。これらのデータは、mUrd−TPの半減期を計算するには適さなかった。ヒト肝臓癌細胞でのmCyd−TPの半減期が長いことは、HCV療法のための臨床試験におけるval−mCydの1日1回投与という考え方を支持するものである。図19CでHepG2細胞について示したように、mCydのリン酸化が、3種類全ての細胞型で50μMの薬剤まで用量依存的に生じた。上記の具体的な差以外に、一次ヒト肝細胞で検出されたリン酸化パターンは、HepG2またはMDBK細胞を用いて得られたものと性質的に類似していた。
mUrdの寄与
細胞内活性部分mCyd−TP以外に、各種動物種からの細胞が、細胞内mCyd種の脱アミノ化を介して、多様かつ比較的少量の第2のトリホスフェート、mUrd−TPを産生することが明らかになっている。BVDV NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼに対するmUrd−TPの活性については調べていないが、計画中である。現在までのところ、mUrdの抗ウィルス効力および細胞傷害性に関する予備的な細胞培養試験からのデータは、mUrdが、(a)BVDVに対してmCydと比較して約1/10の効力を有し;(b)広スペクトラムの他のウィルスに対して実質的に抗ウィルス活性を持たず;(c)各種細胞傷害性試験(骨髄アッセイ、ミトコンドリア機能アッセイおよび細胞核酸への取り込みなど)で高濃度にて調べた場合に陰性であることを示唆している。これらの結果に基づき、mCydの全般的な抗ウィルス活性または細胞傷害性プロファイルに対するmUrdの寄与はわずかである可能性が高いと思われる。mCydのmUrd代謝物についての広範囲の毒性範囲が、サルにおいてval−mCydを用いて行われた亜慢性試験から得られている。
実施例38:代謝活性化の細胞経路
mCydのリン酸化に関与する酵素の性質を、基質競争実験で調べた。シチジン(Cyd)はサイトゾルウリジン−シチジンキナーゼ(UCK)の天然基質であり、CydのCyd−5′−モノホスフェート(CMP)への変換に関与するピリミジンサルベージ酵素である。mCydのmCyd−TPへの細胞内リン酸化は、シチジンまたはウリジンの存在下で用量依存的に減少し、EC50値はシチジンで19.17±4.67μM、ウリジンで20.92±7.10μMであった。それとは対照的に、酵素デオキシシチジンキナーゼ(dCK)の基質であるデオキシシチジンは、mCyd−TPの形成にはほとんど効果がなく、EC50>100μMであった。シチジンおよびウリジンの両方によってmCydリン酸化の阻害があり、デオキシシチジンでは阻害がなかったことは、mCydがピリミジンサルベージ酵素であるウリジン−シチジンキナーゼによってリン酸化されることを示唆している(Van Rompay, A. R., A. Norda, et al., Mol Pharmacol 2001 59 (5): 1181-6)。mCydの活性化におけるこのキナーゼの提唱されている役割を確認するには、さらに研究を行う必要がある。
実施例39:mUrd−TPの細胞生合成の経路
上述のように、mUrd−TPは、各種動物種からの細胞で多様な程度にて生じる少量代謝物である。脱アミノ化活性も持たない細胞培地ではmUrdは認められないことから、mUrdは、mCydの細胞外脱アミノ化によって生じるものではない。その細胞代謝データは、mUrd−TPが細胞内mCyd種の生体内変換を介して生じるという考え方と一致している。既知のリボヌクレオシド代謝経路を考慮すると、最も可能性の高い経路には、2つの異なる脱アミノ化酵素による2種類のmCyd種のうちのいずれかの脱アミノ化、すなわちシチジル酸デアミナーゼ(デオキシシチジル酸デアミナーゼ、dCMPDなど)によるmCyd−MP、あるいはシチジンデアミナーゼ(CD)によるmCydの脱アミノ化が関与することが示唆される。さらなるリン酸化段階によって、mUrd−TPとなる。これらの可能性については、さらに検討中である。
実施例40:val−mCydの臨床的評価
適格性基準を満たした患者を、試験薬剤投与の第1日である基底線(第1日)で試験に無作為に割り当てた。各投与集団は患者12名であり、薬剤または条件を合わせたプラシーボ投与に10:2の比率で無作為に割り付けた。患者には、第1日、第2日、第4日、第8日、第11日および第15日に、プロトコール評価のために試験施設に来院させた。第15日後は、試験薬剤を停止した。その後患者は、第16日、第17日、第22日および第29日に追跡調査来院に参加した。絶食条件下で全ての患者について、投与初日および最終日(第1日および第15日)に薬物動態サンプル採取を行った。
val−mCydの抗ウィルス効果を、(i)第15日にHCV RNAレベルに基底線値からの≧1.0log10の低下がある患者の割合、(ii)血清HCV RNAレベルにおける≧1.0log10低下までの時間、(iii)第1日から第15日までのHCV RNAレベルにおける変化、(iv)第1日から第29までのHCV RNAレベルにおける変化、(v)第29日までに血清HCV RNAレベルに基底線までの回復を経験する患者の割合、(vi)第1日から第15日までのval−mCyd用量とHCV RNA変化との関係によって評価した。
Val−mCyd用量を上昇させながら経口投与した後のmCydの臨床的薬物動態
第1日の初回投与後および第15日の最終投与後に8時間にわたって薬物動態を評価し、第2日、第4日、第8日、第11日および第16日に24時間谷レベルをモニタリングし、第17日に48時間谷値をモニタリングした。mCyd、mUrdおよびVal−mCydの血漿濃度を、下限定量限界(LOQ)20ng/mLでHPLC/MS/MS法によって測定した。
mCydの薬物動態を、非コンパートメント手法を用いて解析した。下記の表に示したように、主要な薬物動態パラメータは第1日と第15日で同等であり、繰り返し投与後に血漿薬物蓄積がないことを示している。血漿曝露も、用量の一次関数であるように思われる。下記の表に示したように、薬物曝露の主要な薬物動態パラメータ(CmaxおよびAUC)は、用量が50mgから100mgに上昇すると倍化した。
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50mgおよび100mgでのmCydの平均第1日および第15日血漿動態プロファイルを図20に描いてある。
要約すると、val−mCydの経口投与後に、HCV感染被験者の血漿中で親化合物mCydが検出可能であった。mCydは、これまで調べた2つの用量レベル間で、これら被験者において直線的な血漿薬物動態を示す。これまで調べた用量で1日1回投与を15日間行った後の被験者の血漿中に、mCydの見かけの蓄積はなかった。
HCV感染患者において15日間にわたり50mg/日で開始してval−mCyd用量を上昇させながら経口投与した後のmCydの抗ウィルス活性
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を利用するアンプリコアHCVモニター(商標名)アッセイバージョン2.0(Roche Molecular Systems, Branchburg, NJ, USA)を用いて、血清HCV RNAレベルを測定した。このアッセイでの下限定量限界(LLOQ)は約600IU/mLと推算され、このアッセイでの上限定量限界(ULOQ)は約500000IU/mLと推算された。
スクリーニング時(第−42〜−7日)に、HCV RNAについての血清サンプルを得て、試験への適格性を確認した。スクリーニング血清HCV RNA値は、中央試験臨床検査室でのアンプリコアHBVモニター(商標名)アッセイによって≧5log10IU/mLでなければならない。
試験期間中、基底線時(第1日)およびプロトコール指定の各基底線後試験来院時(第2日、第4日、第8日、第11日、第15日、第16日、第17日、第22日および第29日)に、HCV RNAの血清サンプルを得た。HCV RNAの血清サンプルは、試験を早期に中止した患者におけるプロトコール指定の追跡調査来院時にも採取した。
進行中の試験における最初の2つの集団(50mgおよび100mg/日)に関連する抗ウィルス活性を、下記の表およびグラフにまとめてある。試験期間が短く(15日間)、初期用量レベルが低かったが、感染患者の血漿中のHCV RNAのレベルに対して、すでに見かけの効果があった。
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試験患者におけるval−mCydの臨床評価を図21に示してある。この図は、来院ごとのlog10HCV RNAにおける基底線値からの変化の中位値を示したものである。
実施例41:被験化合物の評価
本明細書に記載の化合物のうちのいくつかを、上記のBVDV細胞保護アッセイで調べた。図22は、化合物の効力を示すための、BVDV細胞保護アッセイでの代表的化合物のEC50およびCC50の表である。
以上、本発明についてそれの好ましい実施形態を参照しながら説明した。本発明についての前記の詳細な説明から、本発明の変更および修正については当業者には明らかであろう。そのような変更および修正はいずれも本発明の範囲に含まれるものである。
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本発明のヌクレオシドの各種非限定的な例、ならびに他の既知のヌクレオシド、特にFIAUおよびリバビリンの構造を示す図である。 1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドのエステル化による2′−プロドラッグの取得に関与する段階の非限定的例を提供する図である。 1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドのエステル化による3′−プロドラッグ取得に関与する段階の非限定的な例を提供する図である。 1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドのエステル化による2′,3′−プロドラッグの取得の非限定的な例を提供する図である。 β−D−2′−C−メチル−リボフラノシル−シチジンまたはそれの3′−O−L−バリンエステルの合成方法を示す図である。 β−D−2′−C−メチル−リボフラノシル−シチジンまたはそれの3′−O−L−バリンエステルの別の合成方法を示す図である。 β−D−2′−C−メチル−2′−アセチル−リボフラノシル−シチジン−3′−O−L−バリンエステルの合成方法の図である。 β−D−2′−C−メチル−2′−アセチル−リボフラノシル−シチジン−3′−O−L−プロリンエステルの合成方法の図である。 β−D−2′−C−メチル−2′−アセチル−リボフラノシル−シチジン−3′−O−L−アラニンエステルの合成方法の図である。 β−D−2′−C−メチル−2′−(シクロヘキサンカルボキシレート)−リボフラノシル−シチジン−3′−O−L−バリンエステルの合成方法の図である。 デノボBVDV感染MDBK細胞を用いる細胞アッセイで4種類の被験化合物および対照としてのリバビリンの濃度範囲にわたるBVDB濃度(Log10単位/mL)を示すグラフである。 実施例32に記載のRNA鋳型における所定のグアニン残基でのβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジントリホスフェートによるin vitroRNA合成の部位特異的連鎖停止を示すゲルのコピーである。 実施例33に記載のβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン(16μM)による長期治療によって持続的BVDV感染の根絶を示す、BVDV感染MDBK細胞の継代数に対するウシウィルス性下痢症ウィルス(BVDV)の力価のグラフである。 実施例34に記載のウィルスで持続的に感染したMDBK細胞でのウシウィルス性下痢症ウィルス(BVDV)濃度のグラフである。図14aは持続的に感染させたMDBK細胞でのBVDV(NY−1株)力価に対するβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンとイントロンAの経時的な効果を示すグラフであり、図14bは持続的に感染させたMDBK細胞でのBVDV(I−N−dIns株)力価に対するイントロンAとの併用でのβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンの効果を示すグラフである。 実施例35に記載のウシウィルス性下痢症ウィルス(BVDV)によって感染したβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン処理MDBK細胞に対する耐性の発達を調べる試験の結果を示す図である。図15aは、持続的に感染させたMDBK細胞でのBVDV(I−N−dIns株)力価に対するβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンまたはイントロンA治療の28日間にわたる効果を示す代表的実験のグラフであり、図15bは、β−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン−耐性BVDV(I−N−dIns107R)に対して野生型BVDV(I−N−dIns株)の表現型が形成した病巣の大きさを示す感染MDBK細胞を用いて平板培養したシャーレのコピーであり、耐性ウィルスが野生型のI−N−dIns株よりかなり小さい病巣を形成したことを示しており、図15cは、感染MDBK細胞での感染後の経時的な、BVDV株であるI−N−dInsまたはI−N−dIns−107Rの力価のグラフであり、図15dは、イントロンAで処理したデノボ感染MDBK細胞におけるBVDVウィルス力価率に対するイントロンAの効果を示すグラフである。 実施例36に記載のβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン−3′−O−L−バリンエステルによる治療日数にわたる個々のチンパンジーでのC型肝炎ウィルス(Log10)濃度を示すグラフである。 実施例36に記載の基底線値と比較したβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン−3′−O−L−バリンエステル治療日数にわたる個々のチンパンジーにおけるC型肝炎ウィルスの濃度を示すグラフである。 実施例37に記載の4℃、21℃およ37℃でヒト血漿中にて薬剤をインキュベーションした後の経過時間にわたるサンプル中に残っている総β−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン−3′−O−L−バリンエステルのパーセントを示すグラフである。 図19aは、実施例37に記載の10μMのβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンとともにHepG2細胞をインキュベートした後の経時的なβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンおよびβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルウリジン(mUrd)のジ−およびトリ−ホスフェート誘導体の相対的レベルを示すグラフであり;図19bは、10μMのβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンとともにHepG2細胞をインキュベートした後の経時的なβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンのトリ−ホスフェート誘導体の減衰を示すグラフであり;図19cは、薬剤濃度(μM)を上昇させながら10μMのβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンとともにHepG2細胞をインキュベートした後のβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンおよびβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルウリジン(mUrd)のジ−およびトリ−ホスフェート誘導体の濃度を示すグラフである。 実施例40に記載の患者に対してβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン−3′−O−L−バリンエステルを投与した後のヒト血清におけるβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジンの濃度(ng/mL)を示すグラフである。 実施例40に記載のβ−D−2′−C−メチル−リボフラノシルシチジン−3′−O−L−バリンエステル投与後におけるヒト患者でのC型肝炎ウィルスの力価変化の中位値を示すグラフである。 BVDV細胞保護アッセイでの代表的化合物のEC50およびCC50の表である。

Claims (16)

  1. 宿主におけるフラビウィルス科ウィルスの感染を治療するための医薬組成物であって、下記式Vの化合物または該化合物の製薬上許容される塩を含む前記医薬組成物。
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    [式中、
    H、ホスフェート、アシルまたはアミノ酸残基であり;
    はバリン残基であり;
    はHであり;
    Yは水素、OR 、またはNR であり;
    は、Hであり
    およびRは独立に、水素、アシルまたはアルキルである。]
  2. 前記フラビウィルス科ウィルスがC型肝炎ウィルスである請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記化合物または該化合物の製薬上許容される塩が単位製剤の形態である請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 前記単位製剤が、50〜1000mgまたは0.1〜50mgの前記化合物を含む請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 前記単位製剤が錠剤またはカプセルである請求項3に記載の医薬組成物。
  6. 抗ウィルス薬としてさらに第2の分子を含む請求項1に記載の医薬組成物。
  7. 前記抗ウィルス薬が、インターフェロン、リバビリン、インターロイキン、NS3プロテアーゼ阻害薬、システインプロテアーゼ阻害薬、フェナントレンキノン化合物、チアゾリジン誘導体、チアゾリジン化合物、ベンズアニリド化合物、フェナントレンキノン化合物、ヘリカーゼ阻害薬、ポリメラーゼ阻害薬、ヌクレオチド類縁体、グリオトキシン、セルレニン、アンチセンスホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチド、IRES依存性翻訳阻害薬およびリボザイムからなる群から選択される請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 前記抗ウィルス薬がインターフェロンである請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 前記抗ウィルス薬が、PEG化インターフェロンα2a、インターフェロンアルファコン−1、天然インターフェロン、アルブフェロン、インターフェロンβ−1a、ω−インターフェロン、インターフェロンα、インターフェロンγ、インターフェロンτ、インターフェロンδおよびインターフェロンγ−1bからなる群から選択される請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 前記化合物またはその製薬上許容される塩が純粋な形態のものである請求項1に記載の医薬組成物。
  11. 前記化合物または該化合物の製薬上許容される塩が、少なくとも90重量%のβ−D−異性体である請求項1に記載の医薬組成物。
  12. 前記化合物または該化合物の製薬上許容される塩が、少なくとも95重量%のβ−D−異性体である請求項1に記載の医薬組成物。
  13. 経口、非経口、吸入または静脈投与に適した製薬上許容される担体をさらに含む請求項1に記載の医薬組成物。
  14. 前記化合物が、トシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩、α−グリセロリン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、サリチル酸塩、硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、2塩酸塩およびリン酸塩からなる群から選択される製薬上許容される塩の形態のものである請求項1に記載の医薬組成物。
  15. 前記製薬上許容される塩が塩酸塩である請求項14に記載の医薬組成物。
  16. 前記宿主がヒトである請求項1に記載の医薬組成物。
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