JP5083240B2 - 光照射ユニット - Google Patents
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Description
また、従来から、OA機器の光源や液晶表示装置のバックライト等に使用される蛍光ランプとして、発光管の外表面に一対の帯状の外部電極を配設し、高周波電圧を印加して点灯する方式の希ガス蛍光ランプが知られている。
図7(a)において、希ガス蛍光ランプ8は、透光性の誘電材料よりなる発光管81を備え、発光管81の外表面上に、発光管81を挟んで離間する一対の帯状の外部電極83、84が、発光管81の管軸方向に沿って配設されている。発光管81の内面には蛍光体が全域にわたって塗布されており、内部には、Xeガスなどの希ガスよりなる発光ガスが封入されている。
外部電極83、84間に高周波電圧が印加されると、誘電材料である発光管81を介して放電空間S内にエキシマ放電が発生し、このエキシマ放電により発生した真空紫外光によって蛍光体が励起されて発光管81の外部に光が出射される。出射される光の波長は発光管内面に塗布される蛍光体の種類によって決定される。
光照射器800は、下方が開口する箱型形状のランプハウス98を備えてなり、棒状のロングアークランプ80がワークWの搬送方向に対して直交する方向に伸びるように配設されているとともに、このロングアークランプ80からの光を反射する反射ミラー97がロングアークランプ80に沿って伸びるように上方に配設されている。ロングアークランプ80から放射された光は、直接的に、あるいは反射ミラー97によって反射されてワークWに照射される。このような光照射器800の用途としては、例えば紫外線による接着剤の硬化である。
近年では、ワークが一定寸法ではなく、様々なサイズで搬送される場合が増えている。例えば、LCD基板などにおいては、大小異なるワークが同じ製造ラインで搬送処理される場合があり、ランプ全長に対してその照射範囲が小さいワークの場合は、ランプ全長にわたっての発光は消費電力の無駄となっていた。しかも、ロングアーク型水銀ランプは、内部に電極を有し、発光管内で管軸方向に放電をして発光をするものであり、発光長の調節をすることは困難である。
また、従来の希ガス蛍光ランプにおいても、管軸方向の発光長を適宜調節することは困難であった。
そこで、本発明者らは、外部電極型希ガス蛍光ランプは、放電が管軸方向ではないこと、出射される光の波長は蛍光体により決定されることから、光照射ユニットの光源として希ガス蛍光ランプを適用することを見出した。
図1において、希ガス蛍光ランプ1は、ガラスなど透光性の誘電材料よりなる発光管11を備え、発光管11の外表面上に、発光管11を挟んで一対の帯状の外部電極130、131、132、133、および14が発光管11の管軸方向に沿って配設されている。発光管11の内面には主に紫外光を発光する蛍光体が全域にわたって塗布された蛍光体層12が形成されている。
発光管を構成するガラスは、例えばホウ珪酸ガラス、アルミノケイ酸ガラスであり、使用する波長によって、他にはコバールガラス、タングステンガラス、ソーダ石灰ガラス、バリウムガラスなどを用いてもよい。
発光管11の内部に封入される希ガスは、例えばキセノン、クリプトン、アルゴン、ネオンまたはそれらの混合ガスなどであり、10〜300Torr程度封入される。
外部電極間に高周波電圧が印加されると、誘電材料である発光管11を介して放電空間S内にエキシマ放電が発生し、このエキシマ放電により発生した真空紫外光によって蛍光体が励起されて発光管11の外部に紫外光等が出射される。
すなわち、分割された外部電極ごとに発光できるので、外部電極131と外部電極14の間で発光させて、外部電極132と外部電極14の間で発光させないということが可能となる。
これらの発光管11の端部の、外部電極130、始動電極21が設けられている領域を始動部20とする。また、光照射ユニットとしての主な照射光を担うという意味で始動部20以外の領域を発光部22と呼ぶ。
図2(a)において、発光管11の内面に始動電極21が形成された箇所の管壁の外表面に配置されている高電圧側の電極130に、外部電極間で放電させるよりも電圧の低い適宜の高周波電圧を印加することにより、外部電極130と外部電極14との間で直接放電を生じさせることなく、外部電極130と始動電極21との間、または外部電極14と始動電極21との間で、小規模な種火放電IDを生じさせることができる。
このような種火放電IDが生じていると、始動部20に隣接する発光部22は種火放電IDを予備電離放電として、低い電圧から容易に放電開始することができる。
本発明のように、外部電極が管軸方向で分割されたランプの場合には、発光部22を構成する外部電極に始動電極21のような易始動手段を設けると出射する光を妨げるため、その代替として始動部20が設けられる。これにより、易始動手段を備えない外部電極131、132、133、134であっても低い電圧から放電を開始することができる。
しかも、この種火放電IDは、図に示したような狭小な領域でのみ発生する程度のものであるので、放電維持していても消費電力は非常に少ない。したがって、この光照射ユニットの使用中は放電維持していてもよい。
始動部20は発光管11の端部に設けられることが好ましい。また、始動部20を発光管の両端に設けてもよい。両端からの始動により、より始動性が高められるためである。
始動電極21は図示のように、蛍光体が塗布されていない管壁の内面に設けられている。したがって、種火放電IDによる発光は変換されずにそのまま出射されるので、ワークに影響を与えないように、後述する光遮蔽手段によって遮蔽される。
具体的には、始動時に外部電極131に電圧を印加せず、外部電極132に電圧を印加する場合には、距離が近いために外部電極132と外部電極14間の放電よりも、外部電極132と外部電極131の間で行われる沿面放電が発生しやすくなる。また、始動部20と離れて位置する外部電極では始動時は放電が起こりにくい。そこで、点灯始動は以下のように行われる。
なお、点灯が不必要な領域についての消灯は、消灯の代わりに調光によって発光量を減じたとしても同じことである。
また、図4は本発明の光照射ユニットの点灯回路を説明するためのブロック図である。
図3において、希ガス蛍光ランプ1の発光管の外部に設けられた外部電極14は接地電極であり、高電圧側の電極として外部電極130、131、132、133および134が管軸方向に離間して設けられる。外部電極130が設けられた位置の発光管の内壁には始動電極(不図示)が設けられ、始動部20を構成している。外部電極131、132、133、134と外部電極14間には、それぞれ独立に高周波電圧を給電可能な駆動回路が接続され、各電極に対して独自に給電され、調光・点滅が行われて点灯される。
この独自に点灯できる領域を、点灯領域LD1、LD2、LD3、LD4とし、その箇所を図3に示してある。
また、ワークWは、例えば矢印で示した方向に不図示の搬送機構により搬送される。この搬送方向とランプの管軸方向とは略直交の関係である。ワークを検出するためのワーク検出部91が、希ガス蛍光ランプ1よりも搬送方向の上流側に設けられる。
ワーク検出部91は、例えばラインセンサ、位置検出センサなどであり、管軸方向に沿って配置され、搬送されるワークWの形状を検出することができる。ワーク検出部91は、少なくともワークWの管軸方向の幅を検出できればよく、さらに搬送方向に検出できてもよい。
ワークWが、各ワーク検出部91の検出範囲まで搬送されると、検出されたワークWの形状の情報が検出信号として送出される。
各駆動回路を構成するのは、トランス40、41、42、43および44、インバーター部50、51、52、53、および54である。各駆動回路のインバーター部は点灯制御回路90に接続されており、点灯制御回路90にはDC電源30が接続されている。点灯制御回路90にはワーク検出部91が検出した検出信号が送出される。
点灯制御回路90は各駆動回路のインバーター部へ点灯信号を送出する。この点灯信号とは、分割された外部電極のすべてに一定期間電圧を印加して発光管全体に放電を生じさせた後、照射が必要な点灯領域に対応する外部電極には給電を続行して、不必要な点灯領域に対応する外部電極にはの給電を停止する点灯信号である。
点灯信号を受け取った各インバーター部は、DC電源30から供給される直流電圧を交流電圧に変換し、この交流電圧は各トランスによって昇圧されて外部電極130、131、132、133、134へ点灯電力として供給される。
そして、各駆動回路により、点灯始動時に全ての分割された外部電極へ一定期間給電がなされて、一旦放電が生じる。その後分割された外部電極132、133に交流電圧を供給することにより、照射が必要な点灯領域LD2、LD3で発光し、各点灯領域の下方の領域に向けて光が照射される。このとき、照射が不必要な点灯領域LD1、LD4については、給電を停止して点灯を行わない、あるいは、調光により発光量を減ずる。
光照射ユニット100の筐体95には、希ガス蛍光ランプ1、2、3を含め複数の希ガス蛍光ランプが並列に並べられて収容されている。希ガス蛍光ランプは図1に示したものと同様であるから説明を省略し、一部の希ガス蛍光ランプとその構成については符号を付すことを省略する。この図において、正面が希ガス蛍光ランプの光が出射される照射面である。したがって、この場合光は紙面手前側に向かって出射される。
希ガス蛍光ランプ1の分割された外部電極131、同じく希ガス蛍光ランプ2の外部電極231、希ガス蛍光ランプ3の外部電極は、管軸方向では互いに同じ位置に対応し、ランプ、点灯領域どうしが隣接している。
この点灯領域が隣接していることを利用して、外部電極131、231、331を同一の駆動回路71に接続することにより、これらの外部電極が設けられた位置に相当する点灯領域は、一の駆動回路により同一の動作を行う1つの点灯領域LD11とすることができる。
このように複数の希ガス蛍光ランプを並列配置して、隣接するランプの、管軸方向で同じ位置に対応する、分割された外部電極どうしを合せて1つの点灯領域とすれば、調光を行う単位である1つの点灯領域を任意のサイズで構成することができるし、複数のランプによって充分な照射量を確保することができる。
また、始動部20の作用により始動電極が設けられていない領域においても始動時に低電圧から容易に放電開始することができるので、複数のランプが並べられていても、隣接するランプの外部電極と外部電極の間で不所望な放電が生じにくい。
筐体95の内部には、希ガス蛍光ランプの光を反射するための反射ミラー97が設けられる。筐体95の上側外部には駆動回路70、71、72等が配置される。
この図のように、複数のワークWが、順次、光照射ユニット100の下方を通過する場合には、ワークWに応じて適時、照射が必要な点灯領域を変更することにより、適切な照射を行うことができる。
例えば、不図示のワーク検出部が先にワークの形状について検出し、先に搬送されてくるワークの形状に合せた照射を行った後、次のワークが搬送されてくるまでの間消灯して、再び点灯始動し、後に搬送されてくるワークの形状に合せた照射を行う、ということもできる。このときのワークWの検出は、搬送方向の上流側に設けられた前述のワーク検出部によって行われる。
点灯領域の変更は、ワークWの種類や搬送速度によっては速やかに行われなければならないので、始動部によって点灯始動が容易である点は有利である。
11 発光管
12 蛍光体層
130 外部電極
131 外部電極
132 外部電極
133 外部電極
134 外部電極
12 蛍光体層
14 外部電極
15 保護膜
20 始動部
21 始動電極
22 発光部
30 DC電源
40 トランス
41 トランス
42 トランス
43 トランス
44 トランス
50 インバーター部
51 インバーター部
52 インバーター部
53 インバーター部
54 インバーター部
70 駆動回路
71 駆動回路
72 駆動回路
73 駆動回路
74 駆動回路
8 希ガス蛍光ランプ
81 発光管
82 蛍光体層
83 外部電極
84 外部電極
85 保護膜
80 ロングアークランプ
800 光照射器
90 点灯制御回路
91 ワーク検出部
95 筐体
96 光遮蔽部
97 反射ミラー
98 ランプハウス
LD1 点灯領域
LD11 点灯領域
ID 種火放電
S 放電空間
W ワーク
Claims (7)
- 発光管の内面に蛍光体が塗布され、外部に管軸に沿って配置された一対の外部電極を有する希ガス蛍光ランプと、当該希ガス蛍光ランプを点灯する複数の駆動回路と、当該複数の駆動回路に点灯信号を送出する点灯制御回路と、当該希ガス蛍光ランプを収容する筐体と、反射ミラーを備え、ワークに対して光を照射する光照射ユニットにおいて、
前記希ガス蛍光ランプの外部電極の少なくとも一方の電極は管軸方向に離間するよう複数に分割され、
当該希ガス蛍光ランプの少なくとも一端に位置する分割された外部電極が形成された管壁の内面に始動電極が形成され、
前記複数の駆動回路は、その分割された外部電極ごとに別個独立に接続されていることを特徴とする光照射ユニット。 - 前記点灯制御回路は、点灯始動時に当該分割された外部電極のすべてに一定期間電圧を印加した後、照射が必要な点灯領域に対応する外部電極へ給電して、不必要な点灯領域に対応する外部電極への給電を停止する、点灯信号を各駆動回路へ送出することを特徴とする請求項1に記載の光照射ユニット。
- 前記光照射ユニットは、前記ワークの形状を検出するワーク検出部を備え、
前記点灯制御回路は、当該ワーク検出部から送出される検出信号に基づいて照射が必要な点灯領域を決定し、前記駆動回路へ点灯信号を送出することを特徴とする請求項2に記載の光照射ユニット。 - 前記光照射ユニットは、搬送される前記ワークに対して、搬送と同時に光を照射することを特徴とする請求項3記載の光照射ユニット。
- 前記光照射ユニットは、複数の前記希ガス蛍光ランプを並列配置して備えることを特徴とする請求項1ないし4に記載の光照射ユニット。
- 前記筐体には始動部の光がワークに対して漏れないよう遮蔽する光遮蔽部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5に記載の光照射ユニット。
- 前記点灯制御回路が、点灯始動時に一定期間印加する電圧は、同位相の電圧であることを特徴とする請求項2に記載の光照射ユニット。
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