JP4169885B2 - 外面電極蛍光ランプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャナーやコピーなどにおける原稿読取り、あるいは液晶表示装置のバックライト用光源に適する外面電極蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばスキャナー、コピー、液晶表示装置などは、その普及とともに、高性能、長寿命化が要求されており、それらの構成において、原稿読取りや背面光源に使用する蛍光ランプの高性能化などが進められている。すなわち、この種の蛍光ランプ(放電灯)は、希ガス放電であるため、明るさや放電電圧が周囲温度にほとんど影響されず、寿命も長いなどの特長が利用されている。
【0003】
そして、高性能化を図った蛍光ランプとして、管軸に沿って内壁面に、帯状領域を残して蛍光体被膜が形成され、かつキセノンなどの希ガスが封入されたガラス管と、前記ガラス管の外周面に、そのほぼ全長に亘って、一方は幅広の間隔で、他方は幅狭の間隔で一体的に、外部接続用リードに連接する一対の帯状電極(外面電極層)を添設させた構成の外面電極蛍光ランプが開発されている(特開平3-225745号公報、特開平 4-87249号公報、特開平 6-18808号公報、特開平 9-92226号公報、特開平 9-92227号公報)。
【0004】
ここで、蛍光体被膜が形成されない帯状領域は、光の透過率を高めたアパーチャを形成するものであり、また、帯状電極の幅広の間隔は、このアパーチャ形成部に対応し、発光を放射する窓として機能する。
【0005】
図9 (a), (b)は従来の外面電極蛍光ランプの一構成例を示し、図9 (a)は横断面図、図9 (b)は (a)のa−a線に沿った縦断面図である。
【0006】
図9 (a), (b)において、1は発光管として機能する気密封止のガラス管、2は前記ガラス管1の内壁面に管軸方向に沿って一定の幅を除いて形成された蛍光体被膜である。ここで、ガラス管1は、たとえば外径 6〜10mm,長さ 100〜 400mm程度で、放電媒体としてキセノンガスを主体とした希ガスが23 kPa( 200Torr)以下の封入圧で封入されている。
【0007】
また、3a,3bは前記ガラス管1の外周面に管軸方向ほぼ全長に亘って、一方は幅広の間隔 L1 で、他方は幅狭の間隔 L2 で一体的に添設された一対の帯状電極層、たとえば幅 5〜10mm程度、厚さ20〜 100μm 程度のアルミニウム箔などの導電性膜である。ここで、一対の帯状電極層3a,3bは、一般的に、発光放射面となる側(蛍光体被膜の帯状非形成部)の極間を幅広 L1 に設定する一方、高輝度を得るために非発光放射面と成る側の極間を幅狭 L2 に設定されている。
【0008】
さらに、前記帯状電極層3a,3bを含むガラス管1の外周面は、要すれば透光性樹脂フィルムで被覆し、保護する構成が採られている。つまり、透光性樹脂フィルムの外周面被覆で、外装ないしガラス管1の保護に寄与する一方、帯状電極層3a,3bにおける沿面放電の防止など絶縁性を確保する構成も採られる。
【0009】
なお、前記一対の帯状電極層3a,3bには、半田付けもしくは導電性接着剤にて接続されたリード端子、前記リード端子にそれぞれ半田付けにより電気的に接続された外部接続用リードを介して所要の電位が印加される。
【0010】
上記外面電極蛍光ランプは、外部接続用リードおよびリード端子を介して前記帯状電極層3a,3bに、所要の高周波電圧を印加(たとえば20〜 100 KHz, 1〜 2KVの電力を供給)すると、ガラス管1内で高周波放電を発生させ、ガラス管1内に封入されているキセノンガスなどの希ガスを電離、励起して紫外線を放射する。こうして放射された紫外線が、ガラス管1内壁面の蛍光体被膜2によって、可視光線に変換されてアパーチャー型蛍光ランプ(光源)として機能する。
【0011】
なお、前記外面電極蛍光ランプの構成において、蛍光体被膜2の管軸方向の長さに対し、帯状電極層3a,3bの管軸方向の長さを長くし突出させた形態を採る場合もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の外面電極蛍光ランプは、光束立上がり特性にすぐれており、また、アパーチャー型であるため、発光効率が良好で、管端部までの照度分布が均一化する。さらに、外面電極3a,3bの面積を大きく設定して、放電電流を大きくすることにより、光出力を増大できるなどの利点を有する。しかし、一方では、次のような不都合がある。すなわち、上記外面電極蛍光ランプの場合、日中など明るい場所での点灯・使用時には特に問題ないが、夜間など暗い場所での点灯・使用時においては、初期電子が得られ難いことや、外面電極蛍光ランプ自体の始動電圧が高いために、始動開始に時間を要するなどの不都合がある。
【0013】
本発明は、上記事情に対処してなされたもので、光束立上がり特性ないし始動性のすぐれ、かつ長寿命な外面電極蛍光ランプの提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、管軸に沿って内壁面に帯状領域を残して蛍光体被膜が形成され、かつキセノンガスを含む放電媒体が封入されたガラス管と、
前記ガラス管の外周面に管軸方向ほぼ全長に亘って所要間隔をおいて添設された一対の帯状電極層と、
前記帯状電極層の一端部側に対応するガラス管内壁面に、両帯状電極層に少なくとも一部が対向するように設けられた導体層ないし半導体層と、
前記導体層ないし半導体層の放電空間に接する表面の少なくとも一部を被覆する保護層と、有することを特徴とする外面電極蛍光ランプである。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1記載の外面電極蛍光ランプにおいて、導体層ないし半導体層は酸化インジウム、酸化錫および酸化亜鉛の群から選ばれた少なくともいずれか1種を含有していることを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1もしくは請求項2記載の外面電極蛍光ランプにおいて、保護層は蛍光体、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムの群から選ばれた少なくともいずれか1種を含有していることを特徴とする。
【0017】
請求項1ないし3の発明において、放電媒体は、キセノンガス、キセノンガスを主体とした希ガス類、あるいは前記の希ガスおよび水銀の混合系が挙げられる。 請求項1ないし3の発明に係る外面電極蛍光ランプは、発光ガラス管の外周面に一対の帯状電極(外部電極)層を添設するとき、同時に透光性樹脂フィルムによる被覆保護を行う方式を採ることもできる。そして、この透光性樹脂フィルムによる外周面の被覆は、次のような手段で行うことができる。
【0018】
たとえば透光性樹脂フィルム片の一主面に、一対の帯状電極層を予め担持させておき、かつその透光性樹脂フィルム片の端縁部に、一方の帯状電極層の端縁を重ねるように巻き付け・固定することにより、あるいは熱収縮性の樹脂チユーブを嵌合し熱収縮させることにより、プ製造工程の簡略化、生産性の向上とともに、帯状電極層間の絶縁性も容易に行える。
【0019】
請求項1ないし3の発明において、発光ガラス管の外周面に設けられた一対の帯状電極層は、単純な帯状(直線形)に限られるものでなく、たとえば櫛形、波形、櫛形や波形の高さもしくはピッチを変えたもの、あるいは光透過形のいずれでもよい。
【0020】
請求項1ないし3の発明において、一対の帯状電極(外部電極)層の幅狭の間隔に対応する端部側のガラス管内壁面に、両帯状電極層の一端側で少なくとも一部が対向するように設けられる導電層ないし半導体層は、たとえば酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、チタン酸バリウム、もしくはそれらの2種以上の混合物などで形成される。そして、この導電層ないし半導体層の形成は、両帯状電極層の一端側で、ガラス管内壁面上に直接もしくは蛍光体被膜を介在させて行われる。
【0021】
すなわち、両帯状電極層の一端側に対向させて、ガラス管内壁面あるいは蛍光体被膜面に、導電層ないし半導体層を形成・配置し、両帯状電極層を誘電的に接続した形態を採る。
【0022】
ここで、点灯時、帯状電極層に高周波電圧を印加することで、導電層ないし半導体層と帯状電極層との間に所要の電位差を生じさせ、この電位差によって放電を起こす。つまり、電位差の生じている距離が、前記導電層ないし半導体層の端縁とガラス管内壁面との間の距離となるため、非常に微小な距離となって、電界が強くなり放電を起こし易くなる。したがって、導電層ないし半導体層の厚さ、幅などの形状などは、帯状電極層に印加される高周波電圧や、半導体層を形成する材質などを考慮して適宜設定することになる。
【0023】
請求項1ないし3の発明において、導電層ないし半導体層は、少なくとも放電空間に対応する領域面の一部が保護膜(保護層)によって被覆される。すなわち、前記光束立上がり特性ないし始動性の向上に寄与する導電層ないし半導体層は、放電空間に露出していると、紫外線の照射やイオン衝撃などによる劣化で、上記特性の低下を招来し易いが、保護層による被覆でこうした不都合が回避され、長寿命化が図られる。
【0024】
ここで、導電層ないし半導体層の保護層は、たとえば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、蛍光体など耐紫外線照射性、耐イオン衝撃性のすぐれたもので形成される。そして、この保護層の形成は、放電空間に曝される導電層ないし半導体層の面であり、一般的に、一部が蛍光体被膜に重なる状態に行われる。したがって、導電層ないし半導体層がガラス管内壁面に直接形成され、かつ近傍のガラス管内壁が露出している場合などは、蛍光体被膜との間のガラス管内壁露出面を被覆するように形成される。
【0025】
また、導電層ないし半導体層を二分するように、ガラス管軸方向にスリットを形設することもできる。ここで、一方の帯状電極に対向する領域にスリットを設けた場合、導電層ないし半導体層は、帯状電極と導電層ないし半導体層によって囲まれた部分の面積が異なるため、静電容量が変わり、前記帯状電極と導電層ないし半導体層との間に生じる電位差が大きくなって放電し易くなる。
【0026】
一方、帯状電極の間隔が比較的狭区設定されている領域にスリットを設けた場合は、導電層ないし半導体層が絶縁されるため、スリット部分で高い電界が生じて放電し易くなる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図1(a) ,(b) 、図2(a) ,(b) 、図3(a) ,(b) 、図4、図5、図6(a) ,(b) 、図7(a) ,(b) および図8(a) ,(b) を参照して実施例を説明する。
【0028】
図1(a) は、第1の実施例に係る外面電極蛍光ランプの要部構成を示す横断面図、図1(b) は、図1(a) の A-A線に沿った縦断面図である。図1(a) ,(b) において、4は発光管として機能する気密封止のガラス管、5は前記ガラス管4の内壁面に管軸方向に沿って一定の幅を除いて形成された蛍光体被膜である。ここで、ガラス管4は、たとえば外径10.0mm、肉厚 0.5mm、長さ 300mm程度で、放電媒体としての希ガス、たとえばキセノンガスが13 kPa程度封入されている。
【0029】
また、6a,6bは前記ガラス管4の外周面に管軸方向ほぼ全長に亘って、一方は幅広の間隔 L1 で、他方は幅狭の間隔 L2 で一体的に添設された一対の帯状電極層、たとえば幅10mm程度、厚さ50μm 程度のアルミニウム箔などの導電性膜である。ここで、一対の帯状電極層6a,6bは、一般的に、発光放射面と成る側の極間(対向端縁間)を幅広 L1 に設定する一方、高照度を得るために非発光放射面となる側の極間(対向端縁間)を幅狭 L2 に設定されるとともに、接着剤層を介して一体化されている。
【0030】
さらに、7は前記ガラス管4内壁面の蛍光体被膜5の一端縁部から離隔し、かつ前記帯状電極層6a,6b間(対向端縁間)の幅狭 L2 な領域に跨がり、帯状電極層6a,6bに対向するように配設された半導体層であり、8は前記半導体層7面を被覆する保護層(保護膜)である。ここで、半導体層7は、たとえば酸化亜鉛を主体(80重量%程度以上含む)とした幅 2mm程度、厚さ20μm 程度の断面 C字型の膜であり、ガラス管4端部の内側20mm以内の位置に、両帯状電極層6a,6b間をガラス管4を介して接続する状態に形成されている。
【0031】
また、保護層8は、たとえば酸化アルミニウムを含む幅 2mm程度、厚さ10μm 程度の断面 C字型の膜である。
【0032】
上記構成の外面電極蛍光ランプを、スキャナー読取り装置の読取り光源として装着し、帯状電極層6a,6bに電力供給手段を介して、たとえば20〜 100 KHz, 1〜 2KVの高周波電圧を印加すると、帯状電極層6a,6b間の電圧で、ガラス管4内で放電が起こって紫外線を放射する。ここで、一般的な使用環境下では、放射された紫外線がガラス管4内壁面の蛍光体被膜によって可視光に変換され、ガラス管4外に可視光を照射し、省エネルギー形で、光量の大きい光源としての作用を行う。
【0033】
一方、この実施例に係る外面電極蛍光ランプは、ガラス管4内壁面に外部電極層6a,6bと一部が対向するように半導体層7が配置され、また、この半導体層7と外部電極層6a(もしくは6b)との間に高周波電圧を印加することで、半導体層7と外部電極層6a,6bとの間に所要の電位差を生じさせ、この電位差によって放電を起こす。すなわち、電位差の生じている距離が、半導体層7の端縁とガラス管4内壁面との間の距離となるため、非常に微小な距離となって、電界が強くなり放電を起こし易くなる。
【0034】
ここで、半導体層7と外部電極層6a,6bとの間の大きな電界の発生、放電の容易性化は、暗黒な環境下における放電・紫外線の放射を可能にし、放射された紫外線の蛍光体被膜5による可視光への変換、可視光の照射となる。つまり、従来、問題視されていた暗黒な環境下での不安定もしくは不十分な点灯動作などが解消された、汎用性の高い、もしくは使用環境が制約されない蛍光ランプが提供されることになる。
【0035】
しかも、上記放電・点灯過程において、放電空間領域に露出する半導体層7の面が、保護層8で被覆され視界線の照射やイオン衝撃に対して保護されるため、劣化・損傷の恐れも低減し、長期間に亘って所要の機能が保持・発揮される。つまり、暗黒な環境下でも安定もしくは十分な点灯動作を行う汎用性の高い、長寿命な外面電極蛍光ランプが提供される。
【0036】
図2(a) ,(b) は、上記構成の外面電極蛍光ランプの変形例の要部構成を示す断面図である。すなわち、図2(a) は横断面的に、また、図2(b) は図2(a) の B-B線に沿って縦断面的に概略構成を示すものである。この変形例は、保護層8の被覆・形成を半導体層7の表面だけでなく、蛍光体被膜5の端縁部まで延設した構造である。そして、その他の構造ないし構成、および作用ないし挙動は、前記例示の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0037】
図3(a) は、第2の実施例に係る外面電極蛍光ランプの要部構成を示す横断面図、図3(b) は、図3(a) の C-C線に沿った縦断面図である。図3(a) ,(b) において、4は発光管として機能する気密封止のガラス管、5は前記ガラス管4の内壁面に管軸方向に沿って一定の幅を除いて形成された蛍光体被膜である。ここで、ガラス管4は、たとえば外径10.0mm、肉厚 0.5mm、長さ 300mm程度で、放電媒体としての希ガス、たとえばキセノンガスが13 kPa程度封入されている。
【0038】
また、6a,6bは前記ガラス管4の外周面に管軸方向ほぼ全長に亘って、一方は幅広の間隔 L1 で、他方は幅狭の間隔 L2 で一体的に添設された一対の帯状電極層、たとえば幅10mm程度、厚さ50μm 程度のアルミニウム箔などの導電性膜である。ここで、一対の帯状電極層6a,6bは、一般的に、発光放射面と成る側の極間(対向端縁間)を幅広 L1 に設定する一方、高照度を得るために非発光放射面となる側の極間(対向端縁間)を幅狭 L2 に設定されるとともに、接着剤層を介して一体化されている。
【0039】
さらに、7は前記ガラス管4内壁面の蛍光体被膜5の一端縁部面上に、前記帯状電極層6a,6b間(対向端縁間)の幅狭 L2 な領域に跨がり、帯状電極層6a,6bに対向するように配設された半導体層であり、8は前記半導体層7の一側面を含む表面を被覆する保護層(保護膜)である。ここで、半導体層7は、たとえば酸化亜鉛を主体(80重量%程度以上含む)とした幅 2mm程度、厚さ20μm 程度の断面 C字型の膜であり、ガラス管5端部の内側20mm以内の位置に、両帯状電極層6a,6b間をガラス管5を介して接続する状態に形成されている。
【0040】
また、保護層8は、たとえば酸化アルミニウムを含む幅 2mm程度、厚さ10μm 程度の膜である。
【0041】
上記構成の外面電極蛍光ランプを、スキャナー読取り装置の読取り光源として装着し、帯状電極層6a,6bに電力供給手段を介して、たとえば20〜 100 KHz, 1〜 2KVの高周波電圧を印加すると、帯状電極層6a,6b間の電圧で、ガラス管4内で放電が起こって紫外線を放射する。ここで、一般的な使用環境下では、放射された紫外線がガラス管5内壁面の蛍光体被膜によって可視光に変換され、ガラス管5外に可視光を照射し、省エネルギー形で、光量の大きい光源としての作用を行う。
【0042】
一方、この実施例に係る外面電極蛍光ランプは、ガラス管4内壁面に外部電極層6a,6bと一部が対向するように半導体層7が配置され、また、この半導体層7と外部電極層6a(もしくは6b)との間に高周波電圧を印加することで、半導体層7と外部電極層6a,6bとの間に所要の電位差を生じさせ、この電位差によって放電が起こり易くなる。
【0043】
ここで、半導体層7と外部電極層6a,6bとの間の大きな電位差の発生、放電の容易性化は、暗黒な環境下における放電・紫外線の放射を可能にし、放射された紫外線の蛍光体被膜5による可視光への変換、可視光の照射となる。つまり、従来、問題視されていた暗黒な環境下での不安定もしくは不十分な点灯動作などが解消された、汎用性の高い、もしくは使用環境が制約されない蛍光ランプが提供されることになる。
【0044】
しかも、上記放電・点灯過程において、放電空間領域に露出する半導体層7の表面が、保護層8で被覆され視界線の照射やイオン衝撃に対して保護されるため、劣化・損傷の恐れも低減し、長期間に亘って所要の機能が保持・発揮される。つまり、暗黒な環境下でも安定もしくは十分な点灯動作を行う汎用性の高い、長寿命な外面電極蛍光ランプが提供される。
【0045】
図4および図5において線Aは、上記外面電極蛍光ランプの点灯特性を示したもので、図4はランプ点灯時間(Hr)と点灯開始時のインバータ入力電圧Vs(任意定数)との関係図、図5はランプ点灯時間(Hr)と放電遅れ時間(msec)との関係図である。参考のために、上記外面電極蛍光ランプの構成において、保護層8を設けなかった他は、同一条件とした外面電極蛍光ランプの場合(線a)を併せて示す。図4および図5での比較対比から分かるように、実施例の場合は初期のインバータ入力電圧Vsを維持するだけでなく、放電遅れ時間(msec)の発生も認められない。
【0046】
図6(a) ,(b) は、上記構成の外面電極蛍光ランプの変形例の要部構成を示す断面図である。すなわち、図6(a) は、横断面的に、図6(b) は、図6(a) の D-D線に沿って縦断面的に概略構成を示すものである。この変形例は、半導体層7面に保護層8を被覆・形成した構造である。そして、その他の構造ないし構成、および作用ないし挙動は、前記例示の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0047】
図7(a) ,(b) は、第3の実施例に係る外面電極蛍光ランプの要部構成を示す断面図である。図7(a) は、横断面的に、図7(b) は、図7(a) の E-E線に沿って縦断面的に概略構成を示すもので、基本的には、第2の実施例の場合と同様の構造を採っている。すなわち、上記図3(a) ,(bに図示した構成の外面電極蛍光ランプにおいて、一方の外部電極層6aに対向する領域内で、蛍光体被膜5、半導体層7および保護層8に共通の幅 0.5mmのスリット9を設けた構成となっている。
【0048】
上記のように、半導体層7を二分するように、ガラス管軸方向にスリット9を形設した場合は、半導体層7は、外部電極層6a,6bと半導体層8によって囲まれた部分の面積が異なるため、静電容量が変わり、前記外部電極層6a,6bと半導体層7との間に生じる電位差が大きくなって放電し易くなる。一方、帯状電極の間隔が比較的狭区設定されている領域にスリットを設けた場合は、導電層ないし半導体層が絶縁されるため、スリット部分で高い電界が生じて放電し易くなる。
【0049】
さらに、図8(a) ,(b) は、上記図7(a) ,(b) に図示した構成の外面電極蛍光ランプの変形例である。この変形例の場合は、両外部電極層6a,6bの間隔が比較的小さく設定されている領域に対向する位置で、蛍光体被膜5、半導体層7および保護層8に共通の幅 0.5mmのスリット9を設けた構成となっている。なお、図8(a) は、横断面的に、図8(b) は、図8(a) の F-F線に沿って縦断面的に概略構成を示すものである。
【0050】
上記第3の実施例に係る外面電極蛍光ランプの場合は、図7(a) ,(b) に図示したように、半導体層7を二分するように、ガラス管軸方向にスリット9を形設した場合は、半導体層7は、外部電極層6a,6bと半導体層8によって囲まれた部分の面積が異なるため、静電容量が変わり、前記外部電極層6a,6bと半導体層7との間に生じる電位差が大きくなって放電し易くなる。
【0051】
一方、図8(a) ,(b) に図示したように、外部電極層6a,6bの間隔が比較的狭く設定されている領域 L2 にスリット9を設けた場合は、半導体層9が絶縁されるため、スリット部分で高い電界が生じて放電し易くなる。
【0052】
第3の実施例に係る外面電極蛍光ランプは、前記第1および第2の実施例の場合と若干の相違が認められたものの、基本的には、同様の作用効果を呈することが確認された。
【0053】
本発明は、上記実施例に限定されるものでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を採ることができる。たとえばガラス管の外径、長さ、帯状電極層の材質や形状、あるいは導電層ないし半導体層の素材など、外部電極蛍光ランプの用途ないし使用状態に対応して適宜変更できる。
【0054】
【発明の効果】
上記説明から分かるように、請求項1〜3の発明によれば、明るい場所あるいは暗い場所などの使用環境に左右されずに、光束が素早く立上がるため、スキャナーやコピーなどの原稿読取り、あるいは液晶表示装置のバックライトなどで要求されている特性を備えた光量の大きい外面電極蛍光ランプが提供される。
【0055】
また、上記作用効果に大きく寄与する導電層ないし半導体層は、紫外線照射やイオン衝撃による劣化・変質も抑制されるため、前記作用効果を長期間に亘って保持する外面電極蛍光ランプとして機能する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係る外部電極蛍光ランプの要部構成を示すもので、(a) は横断面図、(b) は(a) の A-A線に沿った縦断面図。
【図2】第1の実施例に係る外部電極蛍光ランプの変形例の要部構成を示すもので、(a) は横断面図、(b) は(a) の B-B線に沿った縦断面図。
【図3】第2の実施例に係る外部電極蛍光ランプの要部構成を示すもので、(a) は横断面図、(b) は(a) の C-C線に沿った縦断面図。
【図4】第2の実施例に係る外部電極蛍光ランプの点灯時間と点灯開始時の入力電圧との関係例を参考例に係る外部電極蛍光ランプの場合と比較して示す特性図。
【図5】第2の実施例に係る外部電極蛍光ランプの点灯時間と放電遅れ時間との関係例を参考例に係る外部電極蛍光ランプの場合と比較して示す特性図。
【図6】第2の実施例に係る外部電極蛍光ランプの変形例の要部構成を示すもので、 (a) は横断面図、(b) は(a) の D-D線に沿った縦断面図。
【図7】第3の実施例に係る外部電極蛍光ランプの要部構成を示すもので、(a) は横断面図、(b) は(a) の E-E線に沿った縦断面図。
【図8】第3の実施例に係る外部電極蛍光ランプの変形例の要部構成を示すもので、(a) は横断面図、(b) は(a) の F-F線に沿った縦断面図。
【図9】従来の外部電極蛍光ランプの要部構成例を示すもので、 (a)は横断面図、 (b)は縦断面図。
【符号の説明】
1,4……ガラス管
2,5……蛍光体被膜
3a,3b,6a,6b……帯状電極層
7……導体層ないし半導体層
8……保護層
9……スリット
Claims (3)
- 管軸に沿って内壁面に帯状領域を残して蛍光体被膜が形成さ
れ、かつキセノンガスを含む放電媒体が封入されたガラス管と、
前記ガラス管の外周面に管軸方向ほぼ全長に亘って所要間隔をおいて添設された一対の帯状電極層と、
前記帯状電極層の一端部側に対応するガラス管内壁面に、両帯状電極層に少なくとも一部が対向するように設けられた導体層ないし半導体層と、
前記導体層ないし半導体層の放電空間に接する表面の少なくとも一部を被覆する保護層と、
を有することを特徴とする外面電極蛍光ランプ。 - 導体層ないし半導体層は酸化インジウム、酸化錫および酸化
亜鉛の群から選ばれた少なくともいずれか1種を含有していることを特徴とする請求項1記載の外面電極蛍光ランプ。 - 保護層は蛍光体、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウム
の群から選ばれた少なくともいずれか1種を含有していることを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載の外面電極蛍光ランプ。
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