JP4848879B2 - 希ガス蛍光ランプ - Google Patents
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Description
この希ガス蛍光ランプは、例えばガラス管にて密閉状に構成された直管状の発光管1から構成される。発光管1の内部空間に、例えばキセノンガスのような希ガスが充填される。発光管1の内表面に、蛍光体3が塗布され、その端部には、例えば、カーボンペーストや銀ペースト等よりリング状の導電性物質4が設けられる。発光管1の外面に、例えば、アルミニウムテープよりなる帯状の外部電極2が配設される。
外部電極2には、矩形波の高周波電圧が加えられ、電極が切替ると、放電空間内の電子10は外部電極2が+電位である側の発光管1内壁に蓄積し、陽イオン11は−電位側の発光管1内壁に蓄積する。蓄積した電荷12の多くは発光管1内壁に留まろうとするが、導電性物質4近傍にある電荷12は、インピーダンスの小さい導電性物質4を経路として移動しようとする。導電性物質4近傍の電荷12が無くなると、その隣の電荷12が吸い寄せられ、発光管1内壁に沿って電荷12が移動し、沿面放電5が発生する。沿面放電5が発生した領域には電荷12が無くなっており、次に電極が切替っても放電が発生しにくくなる。そのため、蛍光体3を励起させるのに必要な紫外線を発生させることができず、デッドスペース6となり、有効発光領域7が縮小されてしまう。
第1の手段は、内面に蛍光物質が塗布されるとともに希ガスが封入された発光管と、前記発光管の外表面に複数配設された帯状の外部電極と、これらの外部電極が配設された箇所に対応する発光管の内表面に設けられた導電性物質とを備えた希ガス蛍光ランプにおいて、前記導電性物質の近傍で、前記発光管の内表面に、少なくとも一の外部電極を周方向に覆うように、誘電体層を設けたことを特徴とする。
また、誘電体層は、低融点ガラスを含有することにより、発光管は溶融しないが、誘電体層は溶融する温度に加熱して、誘電体層を発光管に溶着させることができる。
希ガス蛍光ランプは、例えば、石英ガラス、鉛ガラス及びバリウムガラス等よりなるガラス管にて密閉状に構成された直管状の発光管1から構成される。発光管1の内面には希土類蛍光体、ハロリン酸塩蛍光体などよりなる蛍光体3が形成されている。発光管1の封着構造は発光管1の端部にディスク状の封着ガラス板を封着して構成される場合もあるが、例えば単に発光管1を加熱しながら縮径加工し溶断するシールによって構成することが、通常行われている。発光管1の外表面には、例えばアルミニウムテープを幅1mmに切断した外部電極2が、希ガス蛍光ランプの中心軸を挟んだ対向位置に貼り付けられて構成されている。また、外部電極2は、例えば導電性ペーストをスクリーン印刷し、所定の温度で焼付けて形成したものであってもよい。
なお、この発光管1の内部空間には水銀などの金属蒸気を含まないHe、Ar、Xe、Krのいずれか1種類以上を主成分とする希ガスが所定量封入されている。
なお、加熱温度を低めにして誘電体層8を発光管1の内表面に溶着させる場合、低融点ガラス粉末のみを溶剤に練り合わせたものを誘電体層8として形成することができる。また、セラミック材料粉末は、発光管1の熱膨張係数との差が、±10×10−6(1/K)以内のものが好ましく、焼成温度条件も考慮して決める必要がある。発光管1のガラスの材質にもよるが、通常は、一般的な材料として、アルミナ粉末、シリカガラス粉末、酸化ジルコニウム粉末などが使用される。
導電性物質4より発光管1の中央側であって、かつ導電性物質4の近傍において、断面円状の誘電体層8が設けられる。例えば、誘電体層8は、幅1mmで、発光管1の内面にリング状に設けられる。誘電体層8は、A−A’断面において、発光管1の内表面に、外部電極2を周方向に覆うように設けられる。なお、その他の構成は図1に示す同符号の構成に対応する。
導電性物質4より発光管1の中央側であって、かつ導電性物質4の近傍において、径方向断面に対し断面C字状の誘電体層8が設けられる。例えば、誘電体層8は、幅1mmで、発光管1の内面にC字状に設けられる。誘電体層8は、A−A’断面において、発光管1の内表面に、少なくとも一方の外部電極2を周方向に覆うように設けられる。なお、その他の構成は図1に示す同符号の構成に対応する。
導電性物質4より発光管1の中央側であって、かつ導電性物質4の近傍において、径方向断面に対し断面C字状の誘電体層8が複数設けられる。例えば、幅1mmのC字状の誘電体層8が、発光管1の内面に3本設けられる。誘電体層8は、A−A’断面において、発光管1の内表面に、少なくとも一方の外部電極2を周方向に覆うように設けられる。なお、その他の構成は図1に示す同符号の構成に対応する。
発光管1の全長が、例えば500mmを超えるような長い場合、放電が発光管1全体に広がるには時間がかかるため、導電性物質4を発光管1の端部以外に形成する。これにより、導電性物質4を起点として発生する放電が、希ガス蛍光ランプ全体に連鎖的に広がる長さを、導電体物質4を端部に形成する場合に比べ、短縮することができる。これより、放電が発光管1全体に広がる時間を短縮することができる。このとき、上記した誘電体層8を導電性物質4の発光管軸方向の両側の近傍に形成する。
実施例
図1に示す構成の希ガス蛍光ランプを作製した。
発光管1は、外径が10mmであり、全長が500mm、肉厚が0.4mmである。
発光用ガスはXeガス及びNeガスをXe:Ne=2:8の割合で混合した混合ガスであり、Xe分圧が12kPaである。
外部電極2は、アルミテープからなり、全長は発光管全長とほぼ同じであり、幅は1mmである。
導電性物質4は、外部電極2に対応する箇所であって、外部電極2の端部に設けられ、その幅は約1mmである。
誘電体層8は、外部電極2の幅より長い周方向に延びる絶縁部材よりなり、周方向の長さは3m
mであり、発光管1の内表面に、外部電極2を周方向に覆うように設けられる。
比較例
図7に示すような、誘電体層8を有さず、実施例1と同様の仕様を有する希ガス蛍光ランプを作製した。
実施例と比較例とを比較すると、実施例の希ガス蛍光ランプは、電極端部からの軸方向距離が25mm以上では、相対輝度が90%以上となった。一方、比較例の希ガス蛍光ランプは、電極端部からの軸方向距離が40mm以上で、相対輝度が90%以上となった。以上より、導電性物質4より発光管1の中央側であって、かつ導電性物質4の近傍において、発光管1の内表面に誘電体層8を設けることによって、導電性物質が設けられている側の発光管内部で沿面放電が発生することを抑制し、有効発光領域7が縮小される割合を抑制し、発光管の端部の輝度が上昇することが確認された。
2 外部電極
3 蛍光体層
4 導電性物質
5 沿面放電
6 デッドスペース
7 有効発光領域
8 誘電体層
10 電子
11 陽イオン
12 電荷
Claims (2)
- 内面に蛍光物質が塗布されるとともに希ガスが封入された発光管と、前記発光管の外表面に複数配設された帯状の外部電極と、これらの外部電極が配設された箇所に対応する発光管の内表面に設けられた導電性物質とを備えた希ガス蛍光ランプにおいて、
前記導電性物質は発光管の端部に設けられ、該導電性物質より発光管の中央側であって、該導電性物質に離間して、前記発光管の内表面に、発光管の内部空間から見た場合に、少なくとも一の外部電極を周方向に覆うように、誘電体層を設けたことを特徴とする希ガス蛍光ランプ。 - 前記誘電体層は、低融点ガラスを含有することを特徴とする請求項1に記載の希ガス蛍光ランプ。
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