JP3593654B2 - 基板処理装置及び基板処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理装置および基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造においては、被処理基板(たとえば半導体ウエハ、LCD基板等)の表面が清浄化された状態にあることを前提として各種の微細加工が行われる。したがって、各加工処理に先立ちまたは各加工処理の合間に被処理基板表面の洗浄が行われ、たとえばフォトリソグラフィー工程では、レジスト塗布に先立って被処理基板の表面が洗浄される。
【0003】
従来より、被処理基板表面の有機物を除去するための洗浄法として、紫外線照射による乾式洗浄技術が知られている。この紫外線照射洗浄技術は、所定波長(紫外線光源として低圧水銀ランプを使用するときは185nm、254nm、誘電体バリア放電ランプでは172nm)の紫外線を用いて酸素を励起させ、生成されるオゾンや発生期の酸素によって基板表面上の有機物を酸化・気化させ除去するものである。
【0004】
従来の典型的な紫外線照射洗浄装置は、上記のような紫外線光源となるランプを石英ガラスの窓を有するランプ室内に複数本並べて収容し、該石英ガラス窓を介してランプ室に隣接する洗浄処理室内に被処理基板を配置し、ランプ室内のランプより発せられる紫外線を該石英ガラス窓を通して被処理基板の表面に一定時間照射するようになっている。最近は、被処理基板の表面と平行にランプを相対移動つまり走査させる機構により、装置のコンパクト化(ランプ数の削減や石英ガラス窓の小型化等)も図られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような紫外線照射洗浄装置において、所期の洗浄効果を得るには、紫外線ランプより被処理基板に照射される紫外線の照度および光量をそれぞれ所定値以上確保する必要があり、そのような紫外線照射条件を満たすように装置各部の仕様がなされてはいる。しかしながら、紫外線ランプが経時劣化その他の原因で異常に暗くなったりあるいは発光しなくなったりすると、被処理基板に対する紫外線の照度ないし光量が不足して、洗浄不良を来すおそれがある。
【0006】
従来の紫外線照射洗浄装置では、ランプ室内で紫外線ランプの一灯でも上記のような不具合を起こした時は、直ちに洗浄処理の運転を停止して、ランプ交換の必要を知らせる警報を出すようにしていた。しかし、そのような安全処置は洗浄不良品を出さずに済むものの、プロセスのラインを止めることになり、デバイス製造のスループットを著しく下げる原因となっていた。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、紫外線ランプに発光不良等の異常が発生しても正常な紫外線照射処理を続行できるようにした基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の別の目的は、紫外線ランプの異常が原因で被処理基板に対する紫外線の照射量が不所望な時期に足りなくなることがないようにして、計画的な保守管理を行えるようにした基板処理装置および基板処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の基板処理装置は、被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理装置において、前記被処理基板を支持する支持手段と、電力の供給を受けて紫外線を発するランプを複数個備え、前記ランプより出た紫外線を前記被処理基板に向けて照射する紫外線照射手段と、 前記複数個のランプのそれぞれの発光状態を個別的に監視するランプ監視手段と、前記紫外線照射手段からの紫外線が前記支持手段に支持されている前記被処理基板の被処理面を走査するように、前記支持手段および前記ランプのいずれか一方または双方を所定の方向で移動させる駆動手段と、前記ランプ監視手段からの監視情報にしたがって前記紫外線照射処理の前記走査の速度を可変制御する走査速度制御手段とを有し、いずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が前記ランプ監視手段より出されたときは、前記紫外線照射手段がその異常ランプの点灯使用を止め、前記走査速度制御手段が前記走査速度を所定の基準値よりも所定の割合だけ遅い値に設定することを特徴とする。
また、本発明の第1の基板処理方法は、複数のランプより被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理方法であって、前記複数のランプの発光状態を個別的に監視する工程と、前記ランプからの紫外線が前記被処理基板の被処理面を走査するように、前記被処理基板および前記ランプのいずれかまたは双方を所定の方向で移動させる工程と、前記走査の速度を可変制御する工程とを有し、 前記監視工程においていずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が得られた際には、その異常ランプの点灯使用を止め、残余のランプにより正常な紫外線照射が行えるように前記走査の速度を所定の基準値よりも所定の割合だけ遅い値に設定することを特徴とする。
【0010】
上記第1の基板処理装置または基板処理方法では、ランプ監視手段またはランプ監視工程により、点灯使用される複数個のランプの発光状態が全部正常であるのか、それとも一部発光不良になっているのか常時または所定の場面で、たとえば各1回の紫外線照射処理に先立って判定される。この判定結果として、いずれかのランプの発光状態が異常であるとの監視情報が得られたときは、実質的に管理不能な異常ランプの点灯使用を止めて正常ランプによる管理可能な紫外線を基準値よりも所定の割合だけ遅い走査速度で走査させることにより、被処理基板に対して必要かつ十分な紫外線照射量を保証し、正常な処理結果を得ることができる。
【0011】
本発明の第2の基板処理装置は、被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理装置において、前記被処理基板を支持する支持手段と、電力の供給を受けて紫外線を発するランプを複数個備え、前記ランプより出た紫外線を前記被処理基板に向けて照射する紫外線照射手段と、前記複数個のランプのそれぞれの発光状態を個別的に監視するランプ監視手段と、前記ランプ監視手段からの監視情報にしたがって前記紫外線照射処理の前記紫外線の照射時間を可変制御する紫外線照射時間制御手段とを有し、いずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が前記ランプ監視手段より出されたときは、前記紫外線照射手段がその異常ランプの点灯使用を止め、前記紫外線照射時間制御手段が前記紫外線照射時間を所定の基準値よりも所定の割合だけ長い値に設定することを特徴とする。
また、本発明の第2の基板処理方法は、複数のランプより被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理方法であって、前記複数のランプの発光状態を個別的に監視する工程と、前記紫外線の照射時間を可変制御する工程とを有し、前記監視工程においていずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が得られた際には、実質的に管理不能な異常ランプの点灯使用を止め、残余のランプにより正常な紫外線照射が行えるように前記紫外線の照射時間を所定の基準値よりも所定の割合だけ長い値に設定することを特徴とする。
上記第2の基板処理装置または基板処理方法では、ランプ監視手段またはランプ監視工程により、点灯使用される複数個のランプの発光状態が全部正常であるのか、それとも一部発光不良になっているのか常時または所定の場面で、たとえば各1回の紫外線照射処理に先立って判定される。この判定結果として、いずれかのランプの発光状態が異常であるとの監視情報が得られたときは、実質的に管理不能な異常ランプの点灯使用を止めて正常ランプによる管理可能な紫外線を基準値よりも所定の割合だけ長い照射時間でもって被処理基板に照射することにより、被処理基板に対して必要かつ十分な紫外線照射量を保証し、正常な処理結果を得ることができる。
【0012】
本発明の第3の基板処理装置は、被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理装置において、前記被処理基板を支持する支持手段と、電力の供給を受けて紫外線を発するランプを複数個備え、前記ランプより出た紫外線を前記被処理基板に向けて照射する紫外線照射手段と、前記複数個のランプのそれぞれの発光状態を個別的に監視するランプ監視手段と、前記ランプ監視手段からの監視情報にしたがって前記紫外線照射処理の前記ランプの輝度を個別的に制御するランプ輝度制御手段とを有し、いずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が前記ランプ監視手段より出されたときは、前記紫外線照射手段がその異常ランプの点灯使用を止め、前記ランプ輝度制御手段が正常状態にある前記ランプの輝度を所定の基準値よりも所定の割合だけ高い値に設定することを特徴とする。
また、本発明の第3の基板処理方法は、複数のランプより被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理方法であって、前記複数のランプの発光状態を個別的に監視する工程と、前記ランプの輝度を個別に制御する工程とを有し、前記監視工程においていずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が得られた際には、その異常ランプの点灯使用を止め、残余のランプにより正常な紫外線照射が行えるように正常状態にある前記ランプの輝度を所定の基準値よりも所定の割合だけ高い値に設定することを特徴とする。
上記第3の基板処理装置または基板処理方法では、ランプ監視手段またはランプ監視工程により、点灯使用される複数個のランプの発光状態が全部正常であるのか、それとも一部発光不良になっているのか常時または所定の場面で、たとえば各1回の紫外線照射処理に先立って判定される。この判定結果として、いずれかのランプの発光状態が異常であるとの監視情報が得られたときは、実質的に管理不能な異常ランプの点灯使用を止めて、残余の正常ランプによる管理可能な紫外線を基準値よりも所定の割合だけ高い輝度でもって被処理基板に照射することにより、被処理基板に対して必要かつ十分な紫外線照射量を保証し、正常な処理結果を得ることができる。
【0013】
本発明の第4の基板処理装置は、被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理装置において、前記被処理基板を支持する支持手段と、電力の供給を受けて紫外線を発するランプを複数個備え、前記ランプより出た紫外線を前記被処理基板に向けて照射する紫外線照射手段と、前記複数個のランプのそれぞれの発光状態を個別的に監視するランプ監視手段と、前記紫外線照射手段に、前記複数個のランプの中の一部をスペアランプとして非点灯使用状態に保持させ、前記スペアランプ以外のいずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が前記ランプ監視手段より出されたときは、その異常ランプに代えて前記スペアランプを点灯使用させる制御手段とを有する。
また、本発明の第4の基板処理方法は、複数のランプより被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理方法であって、前記複数のランプの発光状態を個別的に監視する工程を有し、前記複数個のランプの中の一部をスペアランプとして非点灯使用状態に保ち、前記監視工程において前記スペアランプ以外のいずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が前記ランプ監視手段より出されたときは、その異常ランプに代えて前記スペアランプを点灯使用することを特徴とする。
上記第4の基板処理装置または基板処理方法では、複数個のランプの中の一部をスペアランプとして非点灯使用状態に保っておいて、ランプ監視手段またはランプ監視工程において点灯使用中のいずれかのランプの発光状態が異常であるとの監視情報が得られたときは、実質的に管理不能なその異常ランプに代えてスペアランプを点灯使用するので、被処理基板に対して必要かつ十分な紫外線照射量を保証し、正常な処理結果を得ることができる。
【0014】
本発明の第5の基板処理装置は、被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理装置において、前記被処理基板を支持する支持手段と、電力の供給を受けて紫外線を発するランプを複数個備え、前記ランプより出た紫外線を前記被処理基板に向けて照射する紫外線照射手段と、前記複数個のランプのそれぞれの発光状態を個別的に監視するランプ監視手段と、前記ランプ監視手段からの監視情報にしたがって前記紫外線照射処理の前記ランプへの投入電力を個別に制御するランプ投入電力制御手段とを有し、いずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が前記ランプ監視手段より出されたときは、前記紫外線照射手段がその異常ランプの点灯使用を止め、前記ランプ投入電力制御手段が正常状態にある前記ランプへの投入電力を所定の基準値よりも所定の割合だけ高い値に設定することを特徴とする。
また、本発明の第5の基板処理方法は、複数のランプより被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理方法であって、前記複数のランプの発光状態を個別的に監視する工程と、前記ランプへの投入電力を個別的に制御する工程とを有し、前記監視工程においていずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が得られた際には、その異常ランプの点灯使用を止め、残余のランプにより正常な紫外線照射が行えるように正常状態にある前記ランプへの投入電力を所定の基準値よりも所定の割合だけ高い値に設定することを特徴とする。
上記第5の基板処理装置または基板処理方法では、ランプ監視手段またはランプ監視工程により、点灯使用される複数個のランプの発光状態が全部正常であるのか、それとも一部発光不良になっているのか常時または所定の場面で、たとえば各1回の紫外線照射処理に先立って判定される。この判定結果として、いずれかのランプの発光状態が異常であるとの監視情報が得られたときは、実質的に管理不能な異常ランプの点灯使用を止めて、正常状態にある残余の正常ランプへの投入電力を所定の基準値よりも所定の割合だけ高い値に設定することにより、被処理基板に対して管理可能な紫外線を必要かつ十分に照射し、所期の紫外線照射処理結果を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0016】
図1に、本発明の基板処理装置が組み込み可能なシステム例として塗布現像処理システムを示す。この塗布現像処理システムは、クリーンルーム内に設置され、たとえばLCD基板を被処理基板とし、LCD製造プロセスにおいてフォトリソグラフィー工程の中の洗浄、レジスト塗布、プリベーク、現像およびポストベークの各処理を行うものである。露光処理は、このシステムに隣接して設置される外部の露光装置(図示せず)で行われる。
【0017】
この塗布現像処理システムは、大きく分けて、カセットステーション(C/S)10と、プロセスステーション(P/S)12と、インタフェース部(I/F)14とで構成される。
【0018】
システムの一端部に設置されるカセットステーション(C/S)10は、複数の基板Gを収容するカセットCを所定数たとえば4個まで載置可能なカセットステージ16と、このステージ12上のカセットCについて基板Gの出し入れを行う搬送機構20とを備えている。この搬送機構20は、基板Gを保持できる手段たとえば搬送アームを有し、X,Y,Z,θの4軸で動作可能であり、後述するプロセスステーション(P/S)12側の主搬送装置38と基板Gの受け渡しを行えるようになっている。
【0019】
プロセスステーション(P/S)12は、上記カセットステーション(C/S)10側から順に洗浄プロセス部22と、塗布プロセス部24と、現像プロセス部26とを基板中継部23、薬液供給ユニット25およびスペース27を介して(挟んで)横一列に設けている。
【0020】
洗浄プロセス部22は、2つのスクラバ洗浄ユニット(SCR)28と、上下2段の紫外線照射/冷却ユニット(UV/COL)30と、加熱ユニット(HP)32と、冷却ユニット(COL)34とを含んでいる。
【0021】
塗布プロセス部24は、レジスト塗布ユニット(CT)40と、減圧乾燥ユニット(VD)42と、エッジリムーバ・ユニット(ER)44と、上下2段型アドヒージョン/冷却ユニット(AD/COL)46と、上下2段型加熱/冷却ユニット(HP/COL)48と、加熱ユニット(HP)50とを含んでいる。
【0022】
現像プロセス部26は、3つの現像ユニット(DEV)52と、2つの上下2段型加熱/冷却ユニット(HP/COL)55と、加熱ユニット(HP)53とを含んでいる。
【0023】
各プロセス部22,24,26の中央部には長手方向に搬送路36,52,58が設けられ、主搬送装置38,54,60が各搬送路に沿って移動して各プロセス部内の各ユニットにアクセスし、基板Gの搬入/搬出または搬送を行うようになっている。なお、このシステムでは、各プロセス部22,24,26において、搬送路36,52,58の一方の側にスピンナ系のユニット(SCR,CT,DEV等)が配置され、他方の側に熱処理または照射処理系のユニット(HP,COL,UV等)が配置されている。
【0024】
システムの他端部に設置されるインタフェース部(I/F)14は、プロセスステーション12と隣接する側にイクステンション(基板受け渡し部)57およびバッファステージ56を設け、露光装置と隣接する側に搬送機構59を設けている。
【0025】
図2に、この塗布現像処理システムにおける処理の手順を示す。先ず、カセットステーション(C/S)10において、搬送機構20が、ステージ16上の所定のカセットCの中から1つの基板Gを取り出し、プロセスステーション(P/S)12の洗浄プロセス部22の主搬送装置38に渡す(ステップS1)。
【0026】
洗浄プロセス部22において、基板Gは、先ず紫外線照射/冷却ユニット(UV/COL)30に順次搬入され、上段の紫外線照射ユニット(UV)では紫外線照射による乾式洗浄を施され、次に下段の冷却ユニット(COL)では所定温度まで冷却される(ステップS2)。この紫外線照射洗浄では基板表面の有機物が除去される。これによって、基板Gの濡れ性が向上し、次工程のスクラビング洗浄における洗浄効果を高めることができる。
【0027】
次に、基板Gはスクラバ洗浄ユニット(SCR)28の1つでスクラビング洗浄処理を受け、基板表面から粒子状の汚れが除去される(ステップS3)。スクラビング洗浄の後、基板Gは、加熱ユニット(HP)32で加熱による脱水処理を受け(ステップS4)、次いで冷却ユニット(COL)34で一定の基板温度まで冷却される(ステップS5)。これで洗浄プロセス部22における前処理が終了し、基板Gは、主搬送装置38により基板受け渡し部23を介して塗布プロセス部24へ搬送される。
【0028】
塗布プロセス部24において、基板Gは、先ずアドヒージョン/冷却ユニット(AD/COL)46に順次搬入され、最初のアドヒージョンユニット(AD)では疎水化処理(HMDS)を受け(ステップS6)、次の冷却ユニット(COL)で一定の基板温度まで冷却される(ステップS7)。
【0029】
その後、基板Gは、レジスト塗布ユニット(CT)40でレジスト液を塗布され、次いで減圧乾燥ユニット(VD)42で減圧による乾燥処理を受け、次いでエッジリムーバ・ユニット(ER)44で基板周縁部の余分(不要)なレジストを除かれる(ステップS8)。
【0030】
次に、基板Gは、加熱/冷却ユニット(HP/COL)48に順次搬入され、最初の加熱ユニット(HP)では塗布後のベーキング(プリベーク)が行われ(ステップS9)、次に冷却ユニット(COL)で一定の基板温度まで冷却される(ステップS10)。なお、この塗布後のベーキングに加熱ユニット(HP)50を用いることもできる。
【0031】
上記塗布処理の後、基板Gは、塗布プロセス部24の主搬送装置54と現像プロセス部26の主搬送装置60とによってインタフェース部(I/F)14へ搬送され、そこから露光装置に渡される(ステップS11)。露光装置では基板G上のレジストに所定の回路パターンを露光される。そして、パターン露光を終えた基板Gは、露光装置からインタフェース部(I/F)14に戻される。インタフェース部(I/F)14の搬送機構59は、露光装置から受け取った基板Gをイクステンション57を介してプロセスステーション(P/S)12の現像プロセス部26に渡す(ステップS11)。
【0032】
現像プロセス部26において、基板Gは、現像ユニット(DEV)52のいずれか1つで現像処理を受け(ステップS12)、次いで加熱/冷却ユニット(HP/COL)55の1つに順次搬入され、最初の加熱ユニット(HP)ではポストベーキングが行われ(ステップS13)、次に冷却ユニット(COL)で一定の基板温度まで冷却される(ステップS14)。このポストベーキングに加熱ユニット(HP)53を用いることもできる。
【0033】
現像プロセス部26での一連の処理が済んだ基板Gは、プロセスステーション(P/S)24内の搬送装置60,54,38によりカセットステーション(C/S)10まで戻され、そこで搬送機構20によりいずれか1つのカセットCに収容される(ステップS1)。
【0034】
この塗布現像処理システムにおいては、洗浄プロセス部22の紫外線照射ユニット(UV)に本発明を適用することができる。以下、図3〜図7につき本発明を紫外線照射ユニット(UV)に適用した一実施形態を説明する。
【0035】
図3に示すように、本実施形態の紫外線照射ユニット(UV)は、下面に石英ガラス窓62を取付し、室内に複数本(図示の例は3本)の円筒状紫外線ランプ64(1),64(2)‥‥,64(n)をランプの長手方向と垂直な水平方向に並べて収容してなるランプ室66と、このランプ室66の下に隣接して設けられた洗浄処理室68とを有する。
【0036】
ランプ室66内において、各紫外線ランプ64(i)(i=1,2,‥‥,n) はたとえば誘電体バリア放電ランプでよく、後述するランプ電源部(96)より商用交流電力の供給を受けて発光し、有機汚染の洗浄に好適な波長172nmの紫外線(紫外エキシマ光)を放射する。各紫外線ランプ64(i)の背後または上には横断面円弧状の凹面反射鏡70が配置されており、各ランプ64(i)より上方ないし側方に放射された紫外線は直上の反射鏡凹面部で反射して石英ガラス窓62側に向けられるようになっている。
【0037】
この実施形態では、ランプ64(1)〜64(n)の発光状態をそれぞれ個別的に監視するための上記波長172nmの紫外線を光電変換可能な複数(n)個の光センサ72(1)〜72(n)がランプ室66内の適当な位置、たとえば各ランプ64(1)〜64(n)の直上に設けられている。
【0038】
ランプ室66内には、ランプ64(1)〜64(n)をたとえば水冷方式で冷却する冷却ジャケット(図示せず)や、紫外線を吸収する(したがってランプ発光効率を悪化させる)酸素の室内への進入を防止するための不活性ガスたとえばN2ガスを導入しかつ充満させるガス流通機構(図示せず)等も設けられてよい。
【0039】
ランプ室66の両側には、この紫外線照射ユニット(UV)内の各部に所要の用力または制御信号を供給するための用力供給部および制御部を収容するユーティリティ・ユニット74が設けられている。ランプ室66内の各種センサたとえば光センサ72(1)〜72(n)より出力される電気信号を入力して所要の信号処理を行う各種測定または監視回路等もユーティリティ・ユニット74内に設けられてよい。
【0040】
洗浄処理室68内には、基板Gを載置して支持するための水平移動および昇降可能なステージ76が設けられている。本実施形態では、ボールネジ78を用いる自走式のステージ駆動部80の上にステージ76を垂直方向(図のZ方向)に昇降可能に搭載し、ステージ駆動部80がボールネジ78およびこれと平行に延在するガイド82に沿って所定の水平方向(図のY方向)に、つまりランプ室66の真下をランプ配列方向と平行に横切るように、可変制御可能な速度で往復移動できるように構成されている。
【0041】
ステージ76には、基板Gの搬入/搬出時に基板Gを水平姿勢で担持するための複数本(たとえば6本)のリフトピン84が垂直に貫通している。本実施形態では、各リフトピン84が基板受け渡し用の所定高さ位置で固定され、これらの固定リフトピン84に対してステージ76が基板Gの搬入/搬出の邪魔にならない退避用の下限高さ位置Hbとステージ76自ら基板Gを載置支持するための一点鎖線で示す上限高さ位置Haとの間で昇降機構(図示せず)により昇降可能となっている。ステージ76の上面には、基板Gを支持するための多数の支持ピン(図示せず)や基板Gを吸引保持するための真空チャック吸引口(図示せず)等が設けられている。
【0042】
ステージ76のY方向原点位置に隣接する洗浄処理室68の側璧には、固定リフトピン84の上端部に近い高さ位置にて基板Gを搬入/搬出するための開閉可能なシャッタ(扉)86が取り付けられている。このシャッタ86は洗浄プロセス部22の搬送路36(図1)に面しており、搬送路36上から主搬送装置38が開状態のシャッタ86を介して洗浄処理室68内への基板Gの搬入・搬出を行えるようになっている。
【0043】
図4に、この紫外線照射ユニット(UV)における制御系の構成を示す。制御部88は、マイクロコンピュータで構成されてよく、内蔵のメモリには本ユニット内の各部および全体を制御するための所要のプログラムを格納しており、適当なインタフェースを介して、本塗布現像処理システムの全体的な処理手順を統括するメインコントローラ(図示せず)や本紫外線照射ユニット(UV)内の制御系の各部に接続されている。
【0044】
この実施形態において、制御部88と関係する本紫外線照射ユニット(UV)内の主要な部分は、シャッタ86を駆動するためのシャッタ駆動部90、ステージ76をZ方向で昇降駆動するためのステージ昇降駆動部92、ステージ76をY方向で水平駆動または走査駆動するための走査駆動部94、ランプ室66内の紫外線ランプ64(1)〜64(n)を個別的に点灯駆動するためのランプ電源部96、それらの紫外線ランプ64(1) 〜64(n)の点灯状態を個別的を監視するためのランプモニタ部98等である。ステージ昇降駆動部92および走査駆動部94はそれぞれ駆動源としてたとえばサーボモータを有し、ステージ駆動部80内に設けられる。ランプ電源部96およびランプモニタ部98は制御部88と一緒にユーティリティ・ユニット74内に設けられる。
【0045】
図5に、ランプ電源部96およびランプモニタ部98の一構成例を示す。ランプ電源部96は、商用交流電源100と、この交流電源100の電源端子とランプ室66内の各紫外線ランプ64(1)〜64(n)の電極端子との間に電気的に接続された開閉器102(1)〜102(n)とを有している。各開閉器102(1)〜102(n)は、制御部88からの制御信号G1〜Gnによってそれぞれ個別的にオン・オフ制御される。このように、制御部88は、ランプ電源部96を通じてランプ室66内の全紫外線ランプ64(1)〜64(n)の点灯・消灯をそれぞれ個別的に制御できるようになっている。
【0046】
ランプモニタ部98は、ランプ室66内で各紫外線ランプ64(1)〜64(n)からの紫外線を受光して電気信号に変換する上記光センサ72(1)〜72(n)と、各光センサ72(1)〜72(n)の出力信号L1〜Lnを基に各紫外線ランプ64(1)〜64(n)の輝度または明るさの度合いを測定または推定して発光状態を判定する測光回路104とを有する。ランプ室66内には、各光センサ72(i)が各対応する紫外線ランプ64(i)からの紫外線を他の紫外線ランプからの紫外線よりも選択的または重点的に受光できるように、各光センサ72(i)の周りに適当な遮光部106が設けられてよい。
【0047】
図6に、この紫外線照射ユニット(UV)における主要な動作手順を示す。先ず、上記メインコントローラからの指示を受けて制御部88を含めてユニット内の各部を初期化する(ステップA1)。この初期化の中で、ステージ76は、Y方向ではシャッタ86に近接する所定の原点位置に位置決めされ、Z方向では退避用の高さ位置(Hb)に降ろされる。また、制御部88は、ステージ76をY方向で移動させる速度つまり走査速度の初期値として、紫外線ランプ64(1)〜64(n)の全部が正常であるときに採用する走査速度を基準速度Fsとして所定のレジスタにセットしてよい。
【0048】
主搬送装置38(図1)がカセットステーション(C/S)10から処理前の基板Gを本紫外線照射ユニット(UV)の前まで搬送してくると、制御部88は主搬送装置38と基板Gの受け渡しをするように該当の各部を制御する(ステップA2)。
【0049】
より詳細には、先ずシャッタ駆動部90を制御してシャッタ86を開けさせる。主搬送装置38は一対の搬送アームを有しており、一方の搬送アームに洗浄前の基板Gを載せ、他方の搬送アームを空き(基板無し)状態にしてくる。本紫外線照射ユニット(UV)内に洗浄済みの基板Gがないときは、洗浄前の基板Gを支持する方の搬送アームをそのまま開状態のシャッタ86を介して洗浄処理室68内に伸ばし、その未洗浄基板Gを固定リフトピン84の上に移載する。本紫外線照射ユニット(UV)内に洗浄済みの基板Gが有るときは、最初に空の搬送アームでその洗浄済みの基板Gを搬出してから、未洗浄の基板Gを上記と同様にして搬入する。上記のようにして本紫外線照射ユニット(UV)で紫外線洗浄処理を受けるべき基板Gが主搬送装置38により固定リフトピン84の上に搬入載置されたなら、シャッタ86を閉める。
【0050】
次いで、制御部88は、ステージ昇降駆動部92を制御してステージ76を基板載置用の高さ位置Haまで上昇させる(ステップA3)。この際、ステージ76の上昇する間に真空チャック部の吸引を開始させ、ステージ76が基板載置用の高さ位置Haに到達すると同時に基板Gを吸引保持できるようにしてよい。
【0051】
次に、制御部88は、ランプ電源部96の全ての開閉器102(1)〜102(n)を閉成(オン)して、全ての紫外線ランプ64(1)〜64(n)を点灯させる(ステップA4)。そして、ランプモニタ部98の測光回路104からの測光または監視情報を基に紫外線ランプ64(1)〜64(n)のそれぞれの発光状態を個別的に検査し、その検査結果にしたがって本紫外線照射ユニット(UV)における紫外線洗浄処理用の所定のパラメータ(たとえば走査速度、照射時間等)の見直しを行う(ステップA5)。
【0052】
図7に、本実施形態におけるパラメータ見直し処理(ステップA5)の詳細手順を示す。先ず、ランプ室66内で各光センサ72(1)〜72(n)に入射する紫外線の照度を測定する(ステップB1)。各光センサ72(1)〜72(n)は各対応する紫外線ランプ64(1)〜64(n)からの紫外線を選択的または重点的に受光するので、各光センサ72(1)〜72(n)の受光する紫外線の照度は各対応する紫外線ランプ64(1)〜64(n)の輝度に比例している。したがって、各光センサ72(1)〜72(n)の出力信号L1〜Lnから各紫外線ランプ64(1)〜64(n)の輝度を絶対値または相対値として割り出し(ステップB2)、使用上の下限値を下回っていないか否か、つまり点灯使用上の適否を判定する(ステップB3)。
【0053】
上記のランプモニタ検査(ステップB1〜B3)で輝度が一定の下限値を下回っている(点灯しない状態を含む)紫外線ランプ64(i)が見つかったときは、その紫外線ランプ64(i)を発光不良の異常ランプとみなして、ランプ電源部66内の該当する開閉器102(i)をオフに切り換え、その異常ランプ64(i)の点灯使用を中止する(ステップB4)。そして、そのように一部の紫外線ランプ(i)を点灯使用しなくなっても、次工程の紫外線照射処理(ステップA6)において基板Gに十分な紫外線照射量(積算光量)を与えられるように所定のパラメータ(走査速度等)を補正する(ステップB5)。
【0054】
たとえば、3本の紫外線ランプ64(1)〜64(3)を備える構成において一灯のランプ64(1)が発光不良になっているとのモニタ検査結果が出たときは、ランプ電源部96の開閉器102(1)をオフ(遮断)にして該ランプ64(1)に対する電力の供給を止める。そして、ステージ76上の基板Gに対して、正常状態にある残り2つの紫外線ランプ64(2),64(3)による紫外線の照射量が洗浄処理品質を保証できる所定の下限値を割らないように、紫外線照射処理における走査速度を全ランプ正常時の基準速度Fsよりも所定の割合だけ遅い速度Fkに補正する。大まかには、点灯使用するランプが全部正常時の3本から2本に減少するのであるから、紫外線照射時間が3/2倍となるように、基準速度Fsの2/3倍の速度を補正走査速度Fkとしてよい。より精細には、正常ランプ64(2),64(3)の現時の輝度も勘案してよい。たとえば、正常ランプ64(2),64(3)の輝度が使用開始時の初期値よりも相当低下してきている場合は、その輝度低下分を補償するような速度低減補正を加味して補正走査速度Fkを求めてよい。こうして求められた補正走査速度Fkは、初期化(ステップA1)でセットされていた基準走査速度Fsに置き換わってセットされる。
【0055】
上記のランプモニタ検査(ステップB1〜B3)で異常なランプが1灯も見つからなかったときは、上記の初期化(ステップA1)でセットしていた基準走査速度Fsをそのまま採用(維持)する(ステップB6)。
【0056】
再び図6において、上記のようなパラメータ見直し処理(ステップA5)を終えてから、基板Gに対する紫外線洗浄処理を実行する(ステップA6)。この紫外線洗浄処理を行うため、制御部88はステージ駆動部80の走査駆動部94によりステージ76を原点位置と点線76’で示す往動位置との間でY方向に片道移動または往復移動させる。このステージ76のY方向移動によりステージ上の基板Gがランプ室66の真下を所定の高さ位置Haで(つまり石英ガラス窓62に対して所定の間隔を空けて)Y方向に横切ることで、ランプ室66の石英ガラス窓62よりほぼ垂直下方に向けて放射される波長172nmの紫外線が基板GをY方向に一端から他端まで走査し、基板表面の全面を照射する。
【0057】
このように基板Gに対して波長172nmの紫外線が照射されることにより、基板表面付近に存在している酸素が該紫外線によりオゾンO3に変わり、さらにこのオゾンO3が該紫外線によって励起され酸素原子ラジカルO*が生成される。この酸素ラジカルにより、基板Gの表面に付着している有機物が二酸化炭素と水とに分解されて基板表面から除去される。
【0058】
このような走査方式の紫外線洗浄処理において、基板Gに対する紫外線の照射量または光量はステージ76の移動速度(走査速度)Fに反比例する。つまり、走査速度Fを速くするほど基板Gに対する紫外線照射時間が短くなって紫外線照射量は少なくなり、反対に走査速度Fを遅くするほど基板Gに対する紫外線照射時間が長くなって紫外線照射量は多くなる。
【0059】
本実施形態では、ランプ室66内の紫外線ランプ64(1)〜64(n)の発光状態が全部正常である場合はもちろん、一部が発光不良となっても、上記したようなパラメータ見直し処理(ステップA5)により現時の正常なランプの発光状態に見合った最適な走査速度Fが設定されるため、基板Gに対して必要かつ十分な光量の紫外線を照射し、所期の洗浄効果を保証することができる。したがって、本紫外線照射ユニット(UV)においては、運転を中止することなく、適正な紫外線洗浄処理を継続して実施することができる。
【0060】
もっとも、発光不良の異常ランプ64(i)を1灯でも検出した場合、制御部88はディスプレイやブザー等(図示せず)を通じてその異常または故障事態を知らせるアラーム情報または信号を出してよい。
【0061】
上記のような基板Gに対する紫外線洗浄処理が終了したなら、制御部88はランプ電源部96内の全ての開閉器102(1)〜102(n)を開成(オフ)して、全ての紫外線ランプ64(1)〜64(n)を消灯させる(ステップA7)。次いで、Y方向原点位置にて真空チャックをオフにしてからステージ昇降駆動部92によりステージ76を退避用の高さ位置(Hb)まで降ろし(ステップA8)、基板Gを固定リフトピン84に支持させる。こうして、1枚の基板Gに対する本紫外線洗浄ユニット(UV)内の全工程が終了し、主搬送装置38(図1)が来るのを待つ。
【0062】
上記のように、本実施形態では、ランプ室66内で一部の紫外線ランプ64が発光不良になっても適正な紫外線洗浄処理の動作を継続して実施できるため、この紫外線照射ユニット(UV)に要求されるスループットを安定維持できる。したがって、洗浄プロセス部22のスループットひいては本塗布現像処理システムのスループットを保証できる。また、発光不良のランプは定期的なメンテナンスの際に正常ランプと交換すればよいので、計画的な保守管理が可能である。
【0063】
上記した実施形態では、ランプ電源部96が一定の交流電力を各紫外線ランプ64(1)〜64(n)に供給する構成であった。しかし、各紫外線ランプ64(1)〜64(n)に供給する電力を可変制御できるランプ電源装置(図示せず)を用いてもよい。その場合、上記したパラメータ見直し処理(ステップA5)により再設定可能なパラメータとしてランプ投入電力またはランプ輝度を採用することもできる。
【0064】
上記した実施形態では、紫外線ランプ64(1)〜64(n)側を固定し、基板G側をランプ配列方向に平行移動させる走査方式であった。しかし、基板G側を所定位置で固定し、紫外線ランプ64(1)〜64(n)側を基板面と平行に移動させる走査方式も可能である。走査駆動手段は、上記のようなボールネジ機構に限定されるものではなく、ベルト式やローラ式等でもよい。
【0065】
また、走査方式ではなく、紫外線ランプ64(1)〜64(n)および基板Gの双方を固定して対向配置する静止方式も可能である。その場合は、上記のようなパラメータ見直し処理により再設定可能なパラメータとして紫外線照射時間やランプ投入電力等を採用してよい。
【0066】
また、ランプ室66内に設けられる紫外線ランプ64(1)〜64(n)の一部をスペアランプとして正常状態のまま点灯使用せずに置いておき、他のランプが発光不良に至った時点で、その発光不良ランプの点灯使用を止め、代わりに該スペアランプを点灯使用することも可能である。この場合は、点灯使用に供される紫外線ランプの組み合わせを一種のパラメータとして可変調整することになる。
【0067】
上記した実施形態では、発光不良になったランプについては、その点灯使用を止めるようした。すなわち、そのような異常ランプは実質的に制御不能であり、基板Gに対するランプ室66からの紫外線照射量を設定通りに管理できなくなるため、点灯使用するランプ群から外すのが好ましい、しかし、安全面で特に問題がなければ、上記のようなパラメータの見直しを行ったうえで、そのような異常ランプの点灯使用を必要に応じて続行してもよい。また、本紫外線照射ユニット(UV)の運転の継続性を最大限に図る意味では、ランプ室66において各紫外線ランプ64(1)〜64(n)の取付け・取外しを個別的に行える構成たとえばモジュール型のランプユニットまたはハウジング(図示せず)も好適である。
【0068】
また、異常ランプの点灯使用を止めた場合、残りの正常ランプを全部最大投入電力で点灯しても、基板Gに対する紫外線の照度が所望の洗浄効果を保証できる所定の下限値を下回ることもあり得る。そのようにパラメータの補正がもはや効かない場合は、所要のアラーム情報を発生して、本紫外線照射ユニット(UV)の運転を止めてもよい。
【0069】
上記した実施形態におけるランプ室66内や洗浄処理室68内の構成、特に紫外線ランプ64(1)〜64(n)、ステージ76、ステージ駆動部80等の構成は一例であり、各部について種々の変形が可能である。
【0070】
上記実施形態は、紫外線照射洗浄装置(UV)に係わるものであった。しかし、本発明の基板処理装置は、有機汚染の除去以外の目的で被処理基板に紫外線を照射する処理にも適用可能である。たとえば、上記したような塗布現像処理システムにおいて、ポストベーキング(ステップS13)の後にレジストを硬化させる目的で基板Gに紫外線を照射する工程に上記実施形態と同様の紫外線照射装置を使用できる。本発明における被処理基板はLCD基板に限らず、半導体ウエハ、CD基板、ガラス基板、フォトマスク、プリント基板等も可能である。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の基板処理装置または基板処理方法によれば、紫外線ランプに発光不良等の異常が発生しても正常な紫外線照射処理を継続して実施することが可能であり、スループットの低下を回避できる。また、紫外線ランプの一部が発光不良になっても直ちに運転を止める必要がないため、計画的な保守管理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板処理装置が適用可能な塗布現像処理システムの構成を示す平面図である。
【図2】実施形態の塗布現像処理システムにおける処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】実施形態の紫外線照射ユニットの構成を示す斜視図である。
【図4】実施形態の紫外線照射ユニットの制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態の紫外線照射ユニットにおけるランプ電源部およびランプモニタ部の一構成例を示す図である。
【図6】実施形態の紫外線照射ユニットにおける主要な動作手順を示すフローチャートである。
【図7】実施形態の紫外線照射ユニットにおけるパラメータ見直し処理の詳細手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
38 主搬送装置
UV 紫外線照射ユニット
62 石英ガラス窓
64(1),64(2),‥‥,64(n) 紫外線ランプ
66 ランプ室
68 洗浄処理室
72(1),72(2),‥‥,72(n) 光センサ
76 ステージ
78 ボールネジ
80 ステージ駆動部
82 ガイド
84 固定リフトピン
86 シャッタ
88 制御部
92 ステージ昇降駆動部
94 走査駆動部
96 ランプ電源部
98 ランプモニタ部
100 商用交流電源
102(1),102(2),‥‥,102(n) 開閉器
104 測光回路

Claims (10)

  1. 被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理装置において、
    前記被処理基板を支持する支持手段と、
    電力の供給を受けて紫外線を発するランプを複数個備え、前記ランプより出た紫外線を前記被処理基板に向けて照射する紫外線照射手段と、
    前記複数個のランプのそれぞれの発光状態を個別的に監視するランプ監視手段と、
    前記紫外線照射手段からの紫外線が前記支持手段に支持されている前記被処理基板の被処理面を走査するように、前記支持手段および前記ランプのいずれか一方または双方を所定の方向で移動させる駆動手段と、
    前記ランプ監視手段からの監視情報にしたがって前記紫外線照射処理の前記走査の速度を可変制御する走査速度制御手段
    を有し、
    いずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が前記ランプ監視手段より出されたときは、前記紫外線照射手段がその異常ランプの点灯使用を止め、前記走査速度制御手段が前記走査速度を所定の基準値よりも所定の割合だけ遅い値に設定することを特徴とする基板処理装置。
  2. 被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理装置において、
    前記被処理基板を支持する支持手段と、
    電力の供給を受けて紫外線を発するランプを複数個備え、前記ランプより出た紫外線を前記被処理基板に向けて照射する紫外線照射手段と、
    前記複数個のランプのそれぞれの発光状態を個別的に監視するランプ監視手段と、
    前記ランプ監視手段からの監視情報にしたがって前記紫外線照射処理の前記紫外線の照射時間を可変制御する紫外線照射時間制御手段と
    を有し、
    いずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が前記ランプ監視手段より出されたときは、前記紫外線照射手段がその異常ランプの点灯使用を止め、前記紫外線照射時間制御手段が前記紫外線照射時間を所定の基準値よりも所定の割合だけ長い値に設定することを特徴とする基板処理装置。
  3. 被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理装置において、
    前記被処理基板を支持する支持手段と、
    電力の供給を受けて紫外線を発するランプを複数個備え、前記ランプより出た紫外線を前記被処理基板に向けて照射する紫外線照射手段と、
    前記複数個のランプのそれぞれの発光状態を個別的に監視するランプ監視手段と、
    前記ランプ監視手段からの監視情報にしたがって前記紫外線照射処理の前記ランプの輝度を個別的に制御するランプ輝度制御手段
    を有し、
    いずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が前記ランプ監視手段より出されたときは、前記紫外線照射手段がその異常ランプの点灯使用を止め、前記ランプ輝度制御手段が正常状態にある前記ランプの輝度を所定の基準値よりも所定の割合だけ高い値に設定することを特徴とする基板処理装置。
  4. 被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理装置において、
    前記被処理基板を支持する支持手段と、
    電力の供給を受けて紫外線を発するランプを複数個備え、前記ランプより出た紫外線を前記被処理基板に向けて照射する紫外線照射手段と、
    前記複数個のランプのそれぞれの発光状態を個別的に監視するランプ監視手段と、
    前記紫外線照射手段に、前記複数個のランプの中の一部をスペアランプとして非点灯使 用状態に保たせ、前記スペアランプ以外のいずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が前記ランプ監視手段より出されたときは、その異常ランプに代えて前記スペアランプを点灯使用させる制御手段と
    を有する基板処理装置。
  5. 被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理装置において、
    前記被処理基板を支持する支持手段と、
    電力の供給を受けて紫外線を発するランプを複数個備え、前記ランプより出た紫外線を前記被処理基板に向けて照射する紫外線照射手段と、
    前記複数個のランプのそれぞれの発光状態を個別的に監視するランプ監視手段と、
    前記ランプ監視手段からの監視情報にしたがって前記紫外線照射処理の前記ランプへの投入電力を個別に制御するランプ投入電力制御手段と
    を有し、
    いずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が前記ランプ監視手段より出されたときは、前記紫外線照射手段がその異常ランプの点灯使用を止め、前記ランプ投入電力制御手段が正常状態にある前記ランプへの投入電力を所定の基準値よりも所定の割合だけ高い値に設定することを特徴とする基板処理装置。
  6. 複数のランプより被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理方法であって、
    前記複数のランプの発光状態を個別的に監視する工程と、
    前記ランプからの紫外線が前記被処理基板の被処理面を走査するように、前記被処理基板および前記ランプのいずれか一方または双方を所定の方向で移動させる工程と、
    前記走査の速度を可変制御する工程と
    を有し、
    前記監視工程においていずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が得られた際には、その異常ランプの点灯使用を止め、残余のランプにより正常な紫外線照射が行えるように前記走査の速度を所定の基準値よりも所定の割合だけ遅い値に設定することを特徴とする基板処理方法。
  7. 複数のランプより被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理方法であって、
    前記複数のランプの発光状態を個別的に監視する工程と、
    前記紫外線の照射時間を可変制御する工程と
    を有し、
    前記監視工程においていずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が得られた際には、その異常ランプの点灯使用を止め、残余のランプにより正常な紫外線照射が行えるように前記紫外線の照射時間を所定の基準値よりも所定の割合だけ長い値に設定することを特徴とする基板処理方法。
  8. 複数のランプより被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理方法であって、
    前記複数のランプの発光状態を個別的に監視する工程と、
    前記ランプの輝度を個別的に制御する工程と
    を有し、
    前記監視工程においていずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が得られた際には、その異常ランプの点灯使用を止め、残余のランプにより正常な紫外線照射が行えるように正常状態にある前記ランプの輝度を所定の基準値よりも所定の割合だけ高い値に設定することを特徴とする基板処理方法。
  9. 複数のランプより被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理方法であって、
    前記複数のランプの発光状態を個別的に監視する工程を有し、
    前記複数個のランプの中の一部をスペアランプとして非点灯使用状態に保ち、前記監視工程において前記スペアランプ以外のいずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が前記ランプ監視手段より出されたときは、その異常ランプに代えて前記スペアランプを点灯使用することを特徴とする基板処理方法。
  10. 複数のランプより被処理基板に紫外線を照射して所定の処理を行う基板処理方法であって、
    前記複数のランプの発光状態を個別的に監視する工程と、
    前記ランプへの投入電力を個別に制御する工程と
    を有し、
    前記監視工程においていずれかの前記ランプの発光状態が異常であるとの監視情報が得られた際には、その異常ランプの点灯使用を止め、残余のランプにより正常な紫外線照射が行えるように正常状態にある前記ランプへの投入電力を所定の基準値よりも所定の割合だけ高い値に設定することを特徴とする基板処理方法。
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