JP5082859B2 - (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、廃水処理工程を備えるアクリル酸又はメタクリル酸(以下(メタ)アクリル酸と表記する)エステルの製造方法に関する。
一般に、(メタ)アクリル酸とアルコールとを原料とし、これら原料に脱水反応を適用してエステルを製造するエステル化反応においては、これら原料のほかに強酸触媒、重合防止剤、着色防止剤などが添加される。また一般に、反応時間の短縮や選択性の向上を目的として、原料アルコール量に対して(メタ)アクリル酸が過剰量添加される。
(メタ)アクリル酸メチルなどとアルコールとを反応させるエステル交換法による(メタ)アクリル酸エステルの製造方法においては、一般に反応時にリチウム系やマグネシウム系、チタン系などの触媒などが添加される。
これらのエステルの製造方法において、製造されるエステルの分子量が比較的大きい場合は、製造されるエステルを蒸留法により精製することが困難なことがある。そのような場合には、上記脱水反応を利用するエステル化反応の終了後や、エステル交換反応の終了後に、得られる反応混合物は中和・水洗工程に付される。
中和・水洗工程においては、反応混合物は水、アルカリ水(例えば、苛性ソーダ水溶液、苛性カリ水溶液、アンモニア水)、飽和食塩水などの洗浄剤で洗浄され、反応時に添加された触媒、重合防止剤、未反応原料などの水溶性化合物が水層に抽出されて除去される。
これらの洗浄剤を用いる中和・水洗工程は通常1回以上実施される。中和・水洗工程のうち、特に、苛性ソーダなどのアルカリ水を洗浄剤として用いる中和工程においては、触媒や未反応の(メタ)アクリル酸などが含まれる廃水が発生する。この廃水はCODが高い場合が多く、直接環境内に放出できない。このため、廃水中のCODを低下させることを目的とする廃水の生物分解処理、廃水の燃焼処理が施される。更に廃水中に含まれる触媒や(メタ)アクリル酸などの有価物の回収処理等の各種廃水処理が施される。
製造条件の変動等に適宜対処しながら、上記廃水処理を円滑に行うためには、廃水処理を行う前に廃水は一旦貯留されことが好ましい。しかし、当該廃水中には高濃度の(メタ)アクリル酸およびその塩などが含まれるため、しばしば貯留中にこれらが重合を引き起す。
(メタ)アクリル酸エステルや副生物の一部も廃水中に含まれている。その結果、排水中におけるこれらの重合の起り易さは、製造する(メタ)アクリル酸エステルの種類に応じて異なる。いずれの(メタ)アクリル酸エステルが製造される場合でも、一旦重合による廃水のゲル化が発生すると、配管が閉塞されたり、廃水が燃焼処理に付される場合は燃焼炉のノズルが閉塞されたりし、廃水処理が妨げられる。その結果、(メタ)アクリル酸の製造自体が安定して行われ難くなる。
なお、燃焼炉に関する文献としては、特許文献1がある。
特開2002−233862号公報(請求項1)
本発明者らは、上記問題を解決するために種々検討した結果、(メタ)アクリル酸エステルの製造に際し、中和・水洗工程において発生する廃水に重合防止剤を添加することにより、これらの問題が解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
従って、本発明の目的とするところは、(メタ)アクリル酸エステルの製造において発生する廃水を円滑に処理することのできる(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
〔1〕 (メタ)アクリル酸とアルコールとの脱水エステル化反応又は(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとのエステル交換反応により(メタ)アクリル酸エステルを含む反応生成物を得るエステル化反応工程と、前記エステル化反応工程で得られる反応生成物を洗浄剤を用いて液ー液分離することにより(メタ)アクリル酸エステルを含む有機層と水溶性成分を含む水層とに分離する中和・水洗工程と、前記中和・水洗工程で分離する有機層から(メタ)アクリル酸エステルを取出す製品精製工程と、前記中和・水洗工程で分離した水層を廃水として廃水貯留槽に貯留する貯留工程と、前記廃水貯留工程で貯留した廃水貯留槽内の廃水を廃水処理する廃水処理工程とを少なくとも有する(メタ)アクリル酸エステルの製造方法であって、前記中和・水洗工程で分離した水層に重合防止剤を添加することにより、廃水貯留槽内に貯留している廃水の重合防止剤濃度を0.005質量%以上に保つことを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
〔2〕 廃水貯留槽の内部空間を酸素含有雰囲気に保つ〔1〕に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
〔3〕 廃水貯留槽内の廃水温度を0〜50℃に保つ〔1〕に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
〔4〕 廃水処理工程が、廃水貯留槽内の廃水を直接燃焼することにより廃水処理する工程、又は貯留槽内の廃水から(メタ)アクリル酸を回収した後の廃水を燃焼することにより廃水処理する工程である〔1〕に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
〔5〕 脱水エステル化反応又はエステル交換反応により反応させるアルコールが、多価アルコールである〔1〕に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
〔6〕 重合防止剤が、水酸基を2つ以上有する芳香族誘導体又はキノン誘導体である〔1〕に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
〔7〕 水層のpHが7〜14、アルカリ成分の合計濃度が0.1〜50質量%、(メタ)アクリル酸及びその塩の合計濃度が1〜50質量%である〔1〕に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
本発明においては、(メタ)アクリル酸エステルの製造に際し、中和・水洗工程において発生する廃水、特にアルカリなどを用いた中和工程において発生する廃水に重合防止剤を添加しているので、廃水配管の閉塞、廃水貯留槽内における廃水のゲル化等を抑制できる。その結果、廃水処理や(メタ)アクリル酸の回収に悪影響を及ぼす可能性が劇的に低下し、スムーズな廃水処理が可能となる。その結果安定に(メタ)アクリル酸エステルを製造できる。また、製造する(メタ)アクリル酸エステルの種類や添加する重合防止剤の種類によっては、廃水に重合防止剤を添加するとともに希釈酸素ガスまたは酸素ガスを廃水中に吹き込み好気性雰囲気下に保つことで、重合防止効果をより高めることができる。
本発明の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法の一例を示すフロー図である。
符号の説明
2 反応層
4 反応原料
6 触媒
8 溶剤
10 添加物
12 中和・水洗工程
16 廃水貯留槽
18 重合防止剤タンク
20 廃水処理工程
22 精製工程
24 製品(メタ)アクリル酸エステル
30 (メタ)アクリル酸の回収
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1は、脱水エステル化反応による(メタ)アクリル酸エステルの製造工程を示すフロー図である。図1中、2はエステル化反応工程で、不図示の反応槽を用いてエステル化反応を行う。反応槽は加熱装置、攪拌装置等を備えている。この反応槽には、反応原料4の(メタ)アクリル酸、アルコールが供給される。
なお、エステル交換法により(メタ)アクリル酸エステルを製造する場合は、前記反応槽に反応原料4として(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとが供給される。
更に反応槽には、エステル化反応触媒6、溶剤8、各種添加剤10等が供給される。この状態で、通常攪拌されながら加温され、脱水エステル化反応が行われる。
原料アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキシサノール等の1価の脂肪族アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキサイド変性ジトリメチロールプロパン、アルキレンオキサイド変性ペンタエリスリトール、トリシクロデカンジメチロール等の多価の脂肪族アルコール;前記1価又は多価の脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物;アルキレンオキサイド変性フェノール、アルキレンオキサイド変性ノニルフェノール、アルキレンオキサイド変性パラクミルフェノール、等の1価の芳香族アルコール;アルキレンオキサイド変性ビスフェノールA、アルキレンオキサイド変性ビスフェノールF等の多価の芳香族アルコール;ポリエステルポリオール、エポキシ樹脂のジグリシジルエーテル等のオリゴマー等が例示される。前記アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドが挙げられる。
(メタ)アクリル酸とアルコールとの配合量は、アルコールの価数、生成するエステルの選択性、反応速度等を考慮して決定される。通常は、アルコールのOH−基1個当り0.5〜1.5当量の(メタ)アクリル酸が配合される。反応速度を考慮すれば、(メタ)アクリル酸の配合量は、アルコールのOH−基1個当り1当量よりも多少多めにすることが好ましい。
エステル化反応触媒6としては、トリフルオロ酢酸、パラトルエンスルホン酸等の有機強酸、硫酸、塩酸等の無機強酸が好ましい。また、カチオン交換樹脂のような固体強酸も好ましい。エステル化反応触媒の配合量は(メタ)アクリル酸を基準として0.2〜30質量%が好ましい。
溶剤8としては、水に不溶又は難溶であって水と共沸混合物を形成する溶媒が好ましい。例えば、ベンゼン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の炭化水素系溶剤、トリクロロエタン、テトラクロロエチレン、メチルクロロホルム等の含ハロゲン系溶剤、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶剤が例示できる。溶剤の配合量は、特に制限がないが、(メタ)アクリル酸の濃度が10質量%以上になるようにすることが好ましい。
各種添加剤10としては、重合防止剤が挙げられる。
一般的な重合防止剤としては、無機系の重合防止剤としてとして塩化鉄(III)、塩化第二銅、活性アルミナ、チオシアン酸ナトリウムなどがある。有機系の重合防止剤としては、ベンゾキノン、2−t−ブチルハイドロキノン、1,4−ナフトキン、1,4−ナフトキノン2−スルホン酸塩、4−t−ブチルカテコール、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、フェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸、パラ−t−ブチルフェノール、パラニトロフェノール、カテコール、レソルシノール、オルトクレゾール、1−ナフトール、ニトロベンゼン、アリルクロライド、1−ヘプテン、N−ニトロソジメチルアミン、4−オキシジフェニルアミン、ジエチルジチオカルバミン酸塩、2,2,6,6−テトラメチルビペリジン、ジシアンジアミド、ヘキサメチレンテトラミン、ジフェニルアミン、メチレンブルー、クロペン、p−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジン、クロラニル、1−ナフチルアミンなどがある。
これらの重合防止剤のうち、特に水酸基を2つ持つ2−t−ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、カテコール、ハイドロキノン、4−t−ブチルカテコールや、キノン体構造を持つベンゾキノンや1,4−ナフトキノン2−スルホン酸塩などが特に好ましい。これら重合防止剤は、単独で用いてもよいし、複数を併用して用いてもよい。
重合防止剤の配合量は、(メタ)アクリル酸を基準として0.002〜10質量%が好ましい。
重合防止効果は重合防止剤の種類などによって異なるが、反応系内に希釈酸素ガスなどを導入することで重合防止剤の重合防止能をより高めることができる。希釈酸素ガスの酸素濃度は特に規定はないが、1〜20容量%が好ましい。希釈ガスとしては、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガスが好ましい。
前述のように、(メタ)アクリル酸とアルコールは反応槽2内で触媒の存在下加熱される。この加熱により脱水縮合反応が起き、(メタ)アクリル酸エステルが生成する。(メタ)アクリル酸とアルコールとの縮合反応により副生する水は、溶剤(例えばトルエン)と共沸して反応槽の上部から外部に排出される。なお、共沸して外部に取出される共沸ガスは凝縮されて、溶剤のみが反応槽に還流される。
反応温度は、40〜140℃が好ましく、反応時間は0.5〜50時間が好ましい。なお、上記エステル化反応条件自体は、周知である。
エステル化反応が終了した後、反応槽内の(メタ)アクリル酸エステルを含む反応生成物は、中和・水洗工程12に送られる。中和・水洗工程12においては、洗浄剤を用いて反応生成物の中和処理と水洗処理が行われる。
本発明において、洗浄剤とは、反応混合物を中和・水洗工程で使用する水性剤を意味し、中和処理で使用するアルカリ水溶液、水洗処理で使用する水及び飽和食塩水等を意味する。
中和処理は常法に従って行えばよく、洗浄剤、例えば反応生成物混合液にアルカリ成分として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカリ水溶液を添加し、攪拌、混合する方法等が挙げられる。
中和処理後、液−液分離を行い、(メタ)アクリル酸エステルを含む有機層と水層とに分離する。
分離した有機層は、さらに水洗工程に付す。水洗工程は、洗浄剤を用いて有機層を水洗する工程である。必要に応じて、中和前に、反応生成物を水洗することもできる。
水洗処理後、液−液分離を行い、有機層と水層に分離する。
中和・水洗工程は、複数回実施することもできる。
これらの中和、水洗処理の結果生成する廃水(水層)は、廃水貯留槽16に送られ、廃水としてここに一時的に貯留される。
貯留される廃水の性状は、おおよそpHが7〜14、アルカリ成分の合計濃度が0.1〜50質量%、(メタ)アクリル酸及びその塩の合計濃度が1〜50質量%程度である。
中和・水洗工程で発生する廃水は、多量の(メタ)アクリル酸(塩)が含まれており、このまま貯留すると短時間にゲル化する。
18は、重合防止剤タンクで、その内部に満たされている重合防止剤は前記廃水貯留槽16に送られる。この送られてくる重合防止剤により、廃水貯留槽16中に貯留されている廃水中の(メタ)アクリル酸の重合が抑制され、廃水のゲル化が防止される。
本発明は、廃水として、pHが7〜14、アルカリ成分の合計濃度が0.1〜50質量%、(メタ)アクリル酸及びその塩の合計濃度が1〜50質量%であるものに好ましく適用できる。
廃水に添加する重合防止剤の添加量は、廃水中に含まれる(メタ)アクリル酸およびこれらの塩の濃度、貯蔵する日数、添加する重合防止剤の種類などにより異なる。一般的には、重合防止剤の添加量は、排水中の濃度が0.005質量%以上になるように添加することが好ましく、0.01〜10質量%がより好ましい。
廃水に添加する重合防止剤の添加量は、廃水中に含まれる(メタ)アクリル酸およびこれらの塩の濃度、貯蔵する日数、添加する重合防止剤の種類などにより異なる。
本発明では、重合防止剤の添加量は、水中の濃度が0.005質量%以上になるように添加し、0.01〜10質量%が好ましい。
無機系の重合防止剤としては、塩化銅、塩化鉄(III)、活性アルミナ、チオシアン酸ナトリウムなどが例示される。
有機系の重合防止剤としては、ベンゾキノン、2−t−ブチルハイドロキノン、1,4−ナフトキン、1,4−ナフトキノン2−スルホン酸塩、4−t−ブチルカテコール、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、フェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸、パラ−t−ブチルフェノール、パラニトロフェノール、カテコール、レソルシノール、オルトクレゾール、1−ナフトール、ニトロベンゼン、アリルクロライド、1−ヘプテン、N−ニトロソジメチルアミン、4−オキシジフェニルアミン、ジエチルジチオカルバミン酸塩、2,2,6,6−テトラメチルビペリジン、ジシアンジアミド、ヘキサメチレンテトラミン、ジフェニルアミン、メチレンブルー、クロペン、p−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジン、クロラニル、1−ナフチルアミンなどが挙げられる。
これらのうち、水酸基を2つ以上有する芳香族誘導体が好ましい。水酸基を3つ以上有する誘導体としてはピロガロール、ヒドロキシノール、フロログリシン、トリヒドロキシナフタレン、ガリルアルコール等が挙げられる。
水酸基を2つ持つ芳香族誘導体としては、カテコール、4−t−ブチルカテコール、ハイドロキノン、2−t−ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン等が挙げられる。
キノン誘導体としては、キノン、ベンゾキノン、1,4−ナフトキノン、1,4−アントラキノン、4-ナフトキノン−2−スルホン酸塩等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を併用してもよい。特に、ハイドロキノン、2−t−ブチルハイドロキノン、1,4−ナフトキノンが好ましい。
重合防止剤を廃水に添加すると共に、希釈された酸素ガスを廃水貯留槽16内に導入することで、重合防止剤の重合防止能をより高めることができる。希釈された酸素ガスの酸素濃度は特に規定はないが、1〜20容積%とすることが好ましい。
又、廃水貯留槽内の廃水温度は、重合防止能をより高めるために50℃以下に保つことが好ましく、0〜50℃がより好ましい。
廃水貯留槽16中に貯留されている廃水は、順次廃水処理工程20に送られ廃水処理される。廃水処理方法としては、生物処理方法や、バーナーを用いて廃水の全量を燃焼する燃焼方法が例示される。
なお、廃水貯留槽16中に貯留されている廃水は上述のように、直接廃水処理工程に送られても良い。又は、予め排水中の(メタ)アクリル酸の回収処理が行われた後、廃水処理工程20に送られ廃水処理されてもよい(図1中、点線で示される(メタ)アクリル酸の回収30)。
中和・水洗工程12で分液処理されて得られる、(メタ)アクリル酸エステルを含む有機層は、更に精製工程22に送られる。精製工程に於いては、有機層は必要により脱溶剤処理、濾過処理、吸着処理、抽出処理等の公知の精製方法で精製されて製品(メタ)アクリル酸エステル24が得られる。
上記方法で製造される(メタ)アクリル酸エステルを例示すれば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルや、アルキレンオキサイド変性フェノールの(メタ)アクリル酸エステル、アルキレンオキサイド変性ノニルフェノールの(メタ)アクリル酸エステル、(ポリ)アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エチル、アルキレンオキサイド変性ビスフェノールAの(メタ)アクリル酸エステル、アルキレンオキサイド変性パラクミルフェノールの(メタ)アクリル酸エステル、アルキレンオキサイド変性2−エチルヘキシルの(メタ)アクリル酸エステル、アルキレンオキサイド変性ビスフェノールFの(メタ)アクリル酸エステル、トリシクロデカンジメチロールのアクリル酸エステル、アルキレンオキサイド変性(ジ)グリセリンのアクリル酸エステル、(ジ)ペンタエリストリールのアクリル酸エステル、(ジ)トリメチロールプロパンのアクリル酸エステル、アルキレンオキサイド変性(ジ)トリメチロールプロパンのアクリル酸エステル、アルキレンオキサイド変性ペンタエリストリールのアクリル酸エステル、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等がある。
本(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、特に2個以上水酸基を有する多価アルコールを原料とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法として有用である。
また、上記説明においては、反応原料として(メタ)アクリル酸とアルコールとを用いる脱水エステル化反応を例として説明した。しかし、本発明製造方法はこれに限られず、反応原料として(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとを用いて、エステル交換反応により(メタ)アクリル酸エステルを製造する場合にも適用できる。この場合、エステル交換反応自体は公知であり、反応条件等は従来公知の反応条件がそのまま利用できる。
更に、上記説明に於いては、重合防止剤は廃水貯留槽16に供給された。しかしこれに限られず、中和・水洗工程12以後の任意の箇所で重合防止剤が廃水に供給されても良い。
実施例1
<反応工程>
攪拌機、温度計を備えた反応器に、ジペンタエリスリトール240g、アクリル酸485g、トルエン400g、第二塩化銅1.15g、78%硫酸11.5gを仕込み、53.2kPaの圧力下、ジャケット温度を102℃に保って脱水エステル化反応を開始した。
反応中に生成する水を、トルエンと共沸させて系外へ排出しながら反応を進めた。17時間後にエステル化反応を停止させた。反応生成物(溶液)質量は1,050gであり、反応後の酸価は1.65meq/gであった。反応液を冷却した後、反応生成物にトルエン580gを加えて希釈した。
<水洗工程>
この水洗工程は合成時に重合防止剤として使用する第二塩化銅を純水により抽出除去する工程である。トルエンで希釈した反応生成物溶液に純水55gを加えて15分間攪拌した。その後、1時間静置して上層(有機層、1,620g)と下層(水層、65g)とに分離させた。有機層の酸価を測定したところ、0.91meq/gであった。
<第1中和工程>
第1中和工程は、有機層中のエステル化反応触媒及び残存するアクリル酸を、水酸化ナトリウム水溶液を用いて有機層から抽出除去する工程である。上記水洗工程で得られた有機層に、20%の水酸化ナトリウム水溶液を295gを加えて15分間攪拌した。その後、1時間静置して上層(有機層、1,500g)と下層(水層、415g)とに分離した。
<第2中和工程>
第1中和工程で分離した有機層に20%の水酸化ナトリウム水溶液490gを加え、30℃で1時間攪拌した。その後、1時間静置して上層(有機層、1,430g)と下層(水層、560g)に分離した。
<廃水の安定性評価方法>
第1中和工程および第2中和工程で発生した水層(廃水)の安定性評価は下記の条件で実施した。
(1)廃水を試験瓶にとり、重合防止剤を所定の濃度となるよう添加した。
この重合防止剤を添加した廃水を好気性雰囲気下、または嫌気性雰囲気下で40℃、14日間保管した。その後、排水中のゲルの発生の有無を目視で確認した。
好気性雰囲気は、試験瓶中に5%酸素ガス(残りは窒素ガス)を15分間吹き込み、吹き込み完了後、密栓をすることにより形成した。嫌気性雰囲気は、試験瓶中に窒素ガスを15分間吹き込み、吹き込み完了後、密栓をすることにより形成した。
(2)ゲル化の難易の評価は、上記条件に於いて保管開始してからゲルが発生するまでの日数で示した。
(3)14日間の保管終了後、ゲルが発生している場合はゲルの状態を観察した。
<評価結果>
第1中和工程および第2中和工程の廃水にそれぞれ1,4−ナフトキノンを2000ppmとなるように添加し、好気性雰囲気下で40℃に保持して保管した。第1中和工程の廃水は貯蔵開始から12日目にゲルが発生した。14日経過後の廃水は粘性のある状態であった。
第2中和工程の廃水にはゲルの発生がなかった。結果を表1に示した。
比較例1
実施例1と同様の方法で第1中和工程および第2中和工程の廃水を得た。
<評価結果>
第1中和工程および第2中和工程の廃水に重合防止剤を添加せず、実施例1と同様の方法で好気性雰囲気にした後、40℃に保持して貯蔵した。第1中和工程の廃水は貯蔵開始から2日目、第2中和工程の廃水は4日目でゲルが発生した。14日経過後の廃水はいずれも固化した状態であった。
実施例2
実施例1と同様の方法で第1中和工程および第2中和工程の廃水を得た。
<評価結果>
第1中和工程および第2中和工程の廃水に、それぞれ1,4−ナフトキノン2000ppmを添加し、嫌気性雰囲気下で40℃に保持して貯蔵した。第1中和工程の廃水は貯蔵開始から11日目、第2中和工程の廃水中には14日目にゲルが発生した。14日経過後の廃水は、いずれも粘性のある状態であった。
実施例3
実施例1と同様の方法で第1中和工程および第2中和工程の廃水を得た。
<評価結果>
第1中和工程および第2中和工程の廃水にそれぞれ1,4−ナフトキノン1000ppmを添加し、好気性雰囲気下で40℃に保持して貯蔵した。第1中和工程の廃水中には貯蔵開始から9日目、第2中和工程の廃水中には14日目にゲルが発生した。14日経過後の廃水は、いずれも粘性のある状態であった。
実施例4
実施例1と同様の方法で第1中和工程および第2中和工程の廃水を得た。
<評価結果>
第1中和工程および第2中和工程の廃水にそれぞれ1,4−ナフトキノン50ppmを添加し、好気性雰囲気下で40℃に保持して貯蔵した。第1中和工程の廃水中には貯蔵開始から3日目、第2中和工程の廃水中には7日目にゲルが発生した。14日経過後の廃水は、第1中和工程の廃水は固化した状態、第2中和工程の廃水は粘性のある状態であった。
実施例5
実施例1と同様の方法で第1中和工程および第2中和工程の廃水を得た。
<評価結果>
第1中和工程および第2中和工程の廃水にそれぞれ1,4−ナフトキノン2000ppmを添加し、好気性雰囲気下で60℃に保持して貯蔵した。第1中和工程の廃水中には貯蔵開始から5日目、第2中和工程の廃水は6日目にゲルが発生した。14日経過後の廃水は、いずれも固化した状態であった。
実施例6
実施例1と同様の方法で第1中和工程および第2中和工程の廃水を得た。
<評価結果>
第1中和工程および第2中和工程の廃水にそれぞれハイドロキノン2000ppmを添加し、好気性雰囲気下で40℃に保持して貯蔵した。第1中和工程の廃水中には貯蔵開始から8日目にゲルが発生した。第2中和工程の廃水中にはゲルは発生しなかった。14日経過後の第1中和工程の廃水は粘性のある状態であった。
実施例7
実施例1と同様の方法で第1中和工程および第2中和工程の廃水を得た。
<評価結果>
第1中和工程および第2中和工程の廃水にそれぞれハイドロキノン2000ppmを添加し、嫌気性雰囲気下で40℃に保持して貯蔵した。第1中和工程の廃水中には貯蔵開始から4日目、第2中和工程の廃水は11日目にゲルが発生した。14日経過後の第1中和工程の廃水は固化した状態、第2中和工程の廃水は粘性のある状態であった。
実施例8
実施例1と同様の方法で第1中和工程および第2中和工程の廃水を得た。
<評価結果>
第1中和工程および第2中和工程の廃水にそれぞれハイドロキノンモノメチルエーテル2000ppmを添加し、好気性雰囲気下で40℃に保持して貯蔵した。その結果、第1中和工程の廃水中には貯蔵開始から3日目、第2中和工程の廃水は7日目にゲルが発生した。14日経過後の廃水は、第1中和工程、第2中和工程の廃水とも固化した状態であった。
実施例9 実施例1と同様の方法で第1中和工程および第2中和工程の廃水を得た。
<評価結果>
第1中和工程および第2中和工程の廃水にそれぞれメチレンブルー2000ppmを添加し、好気性雰囲気下で40℃に保持し貯蔵した。第1中和工程の廃水中には貯蔵開始から3日目、第2中和工程の廃水中には5日目にゲルが発生した。14日経過後の廃水は、第1中和工程、第2中和工程の廃水とも固化した状態であった。
以上の結果から、何れの実施例1〜9も比較例1と比較してゲル発生日数が大きい。
Figure 0005082859
実施例10
<反応工程>
攪拌機、温度計を備えた反応器にポリエチレングリコール♯200(平均分子量200、繰返し数4〜5)460g、アクリル酸395g、トルエン380g、第二塩化銅0.25g、パラトルエンスルホン酸25.3gを仕込んだ。反応器内の圧力を54.5kPa、反応器のジャケット温度を110℃として脱水エステル化反応を開始した。反応中に生成する水はトルエンと共沸させて系外へ排出させながら反応させた。反応開始から11時間後に反応を停止した。このときの反応液の質量は1,180gであり、反応液の酸価は1.03meq/gであった。反応液を冷却した後、反応液にトルエン420gを加えて希釈した。
<中和工程>
トルエンで希釈した溶液に20%の水酸化ナトリウム水溶液300gを添加し、5分間攪拌した。この混合液を1時間静置して、上層(有機層;1,420g)と下層(水層;480g)を分離した。
<廃水の安定性評価>
評価方法は実施例1と同様の方法で実施した。
<評価結果>
上述の方法で得られた中和工程の水層(廃水)に1,4−ナフトキノン2000ppmを添加し、好気性雰囲気下で40℃に保持し貯蔵した。中和工程の廃水は14日の試験期間中にゲル化することはなかった。
実施例11
実施例10と同様の方法で廃水を得た。
<評価結果>
中和工程の廃水にハイドロキノン2000ppmを添加し、好気性雰囲気下で40℃に保持し貯蔵した。その結果、中和工程の廃水は貯蔵開始から14日目にゲル化した。廃水は粘性を示した。
比較例2
実施例10と同様の方法で中和工程の廃水を得た。
<評価結果>
中和工程の廃水に重合防止剤を添加せず、好気性雰囲気下で40℃に保持し貯蔵した。その結果、中和工程の廃水は貯蔵開始から24時間以内にゲル化した。14日経過後の廃水は固化した状態であった。
実施例12
実施例10と同様の方法で中和工程の廃水を得た。
<評価結果>
中和工程の廃水にハイドロキノンモノメチルエーテル2000ppmを添加し、好気性雰囲気下で40℃に保持して貯蔵した。中和工程の廃水は貯蔵開始から28時間でゲルが発生した。14日経過後の廃水は固化した状態であった。
実施例13
<反応工程>
攪拌機、温度計を備えた反応器にテトラハイドロフタル酸無水物150g、トリメチロールプロパン265g、アクリル酸285g、トルエン660g、フェノチアジン0.03g、パラトルエンスルホン酸25.7gを仕込んだ。反応器内を常圧にし、反応器のジャケット温度を105℃として脱水エステル化反応を開始した。反応中に生成する水はトルエンと共沸させることにより系外へ排出しながら反応を進めた。反応開始から11時間後にエステル化反応を停止した。このときの反応液質量は1,305gであり、反応液の酸価は0.54meq/gであった。反応液を冷却した後、反応液にトルエン290gを加えて希釈した。
<中和工程>
トルエンで希釈した反応液に5%アンモニア水220gを加え、20秒間攪拌した。この混合液を1時間静置して上層(有機層;1,585g)と下層(水層;230g)に分離した。
<廃水の安定性評価>
廃水の安定性評価の方法は実施例1で示した方法で実施した。
<評価結果>
上述の方法で得られた中和工程の下層(廃水)に2−t−ブチルハイドロキノンを1000ppm添加し、5%酸素雰囲気下で40℃に保持し貯蔵した。その結果、中和工程の廃水は試験期間中にゲル化することはなかった。
実施例14
実施例13と同様の方法で中和工程の廃水を得た。
<評価結果>
得られた中和工程の廃水に2−t−ブチルハイドロキノンを1000ppm添加し、嫌気性雰囲気下で40℃に保持して貯蔵した。その結果、中和工程の廃水は試験中にゲル化することはなかった。
比較例3
実施例13と同様の方法で中和工程の廃水を得た。
<評価結果>
得られた中和工程の廃水には重合防止剤を添加せず、好気性雰囲気下で40℃に保持して貯蔵した。その結果、中和工程の廃水は貯蔵開始から24時間以内にゲル化した。14日経過後の廃水は固化した状態であった。
以上のように、何れの実施例10〜14においても、ゲル発生日は比較例2、3よりも長いことが分る。
Figure 0005082859
実施例15〜20、比較例4、5
実施例1、10、13で得られた中和工程の廃水を表3に示す比率で混合した。
<評価結果>
表3の比率で混合した廃水に1,4−ナフトキノン、ハイドロキノン、2−t−ブチルハイドロキノンを所定の濃度となるよう添加し、それぞれ嫌気性雰囲気下で40℃に保持して貯蔵した。ゲルの発生の有無およびゲルの状態などを表3に示した。
何れの実施例10〜14も、重合防止剤を添加していない比較例4、5よりもゲル発生日が長いことが分る。
Figure 0005082859

Claims (8)

  1. (メタ)アクリル酸とアルコールとの脱水エステル化反応又は(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとのエステル交換反応により(メタ)アクリル酸エステルを含む反応生成物を得るエステル化反応工程と、前記エステル化反応工程で得られる反応生成物を洗浄剤を用いて液液分離することにより(メタ)アクリル酸エステルを含む有機層と水溶性成分を含む水層とに分離する中和・水洗工程と、前記中和・水洗工程で分離する有機層から(メタ)アクリル酸エステルを取出す製品精製工程と、前記中和・水洗工程で分離した水層を廃水として廃水貯留槽に貯留する貯留工程と、前記廃水貯留工程で貯留した廃水貯留槽内の廃水を廃水処理する廃水処理工程とを少なくとも有する(メタ)アクリル酸エステルの製造方法であって、前記中和・水洗工程で分離した水層に重合防止剤を添加することにより、廃水貯留槽内に貯留している廃水の重合防止剤濃度を0.005質量%以上に保ち、廃水貯留槽の内部空間を酸素含有雰囲気に保ち、廃水貯留槽内の廃水温度を0〜50℃に保つことを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  2. 廃水処理工程が、廃水貯留槽内の廃水を直接燃焼することにより廃水処理する工程、又は貯留槽内の廃水から(メタ)アクリル酸を回収した後の廃水を燃焼することにより廃水処理する工程である請求項1に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  3. 脱水エステル化反応又はエステル交換反応により反応させるアルコールが、多価アルコールである請求項1に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  4. 重合防止剤が、水酸基を2つ以上有する芳香族誘導体又はキノン誘導体である請求項1に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  5. 水層のpHが7〜14、アルカリ成分の合計濃度が0.1〜50質量%、(メタ)アクリル酸及びその塩の合計濃度が1〜50質量%である請求項1に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  6. 重合防止剤を廃水貯留槽内の廃水に対し添加する請求項1に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  7. 廃水貯留槽内に貯留している廃水の重合防止剤濃度が、0.01〜10質量%である、請求項1に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  8. 重合防止剤が、ハイドロキノン、2−t−ブチルハイドロキノン及び/又は1,4−ナフトキノンである、請求項4に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
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