JP5077057B2 - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

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本発明は、燃料の供給停止状態からの供給再開によって発生する車両の前後振動を抑制するエンジンの燃料噴射制御装置の技術分野に属する。
アクセルOFFにより惰性走行を行うコースト走行時において、ロックアップクラッチを締結する自動変速機を備えた車両では、このコーストロックアップ状態からのアクセルONで発生する車両の前後振動を抑制するために、燃料供給再開後の駆動系ねじり振動が第1回目のピークに達する直前に燃焼する予定の気筒への燃料供給を停止している(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−252514号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、アイドルスイッチOFFを基準として燃料供給を停止するタイミングを決めており、エンジンの駆動力を車輪へ伝達する駆動系が、車輪からの力によってエンジンが回転する被駆動状態から、エンジンの駆動力によって車輪が回転する駆動状態へと変化する際のギアのバックラッシュ等に起因する非線形なトルク変化を考慮していない。このため、燃料供給を停止する時期にバラツキが生じ、車両の前後振動が生じるという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、燃料供給を再開した後に、燃料供給を停止する時期の精度を向上させ、車両の前後振動を抑制することができるエンジンの燃料噴射制御装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明のエンジンの燃料噴射制御装置では、
エンジンの駆動力を車輪に伝達する駆動系が、被駆動状態から駆動状態へと移行するタイミングを推定するタイミング推定手段を備え、
燃料供給を停止している状態から、燃料供給を再開するトルク回復制御手段が、推定されたタイミングに基づいて、再開した燃料供給を所定時間停止し、
タイミング推定手段は、アイドルスイッチがオンからオフに切り替わった後、所定時間毎に移動平均法によりエンジン回転数の変化率を求め、エンジン回転数の変化率の今回値が前回値よりも小さい場合に、駆動系が被駆動状態から駆動状態へと移行するタイミングであると推定することを特徴とする。
本発明のエンジンの燃料噴射制御装置では、駆動系が車輪の回転力により連れ回されている被駆動状態から、エンジンの駆動力によって回転している駆動状態へ移行するタイミングに基づいて、再開した燃料供給を停止する時期を決めている。すなわち、駆動系の回転方向が変化する際の駆動系のギアのバックラッシュ等に起因する非線形なトルク変化が終了した時点を基準として、再開した燃料供給を停止する時期を決めているため、非線形なトルク変化に伴う誤差を小さくすることができる。
この結果、再開した燃料供給を停止する時期の精度を向上することができ、車両の前後振動を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、燃料噴射制御装置1を備えた車両101の概略を示している。車両101は、駆動源としてのエンジン102と、変速機103と、デェファレンシャルギア104と、ドライブシャフト105と、車輪106とを備えている。エンジン102の駆動力を車輪106に伝達する駆動系は、変速機103とディファレンシャルギア104とドライブシャフト105等により構成されている。
マイクロコンピュータを主体に構成された燃料噴射制御装置1には、車両の運転状態を検出する各種センサとして、エンジン回転数センサ2、車速センサ3、吸気量センサ4、アイドルスイッチ5、スロットル開度センサ6からの信号が入力される。
図2に示すように、燃料噴射制御装置1は、燃料制御回路1a、燃料供給停止回路1b、及び、トルク回復制御回路1cを備えている。燃料噴射制御装置1は、上記センサからの信号に基づいてエンジン102の燃料噴射量を制御している、燃料制御回路1aは、エンジン回転数Ne、吸入空気量Qaに基づいて、各気筒(102a,102b,102c,…)の吸気ポートにそれぞれ設けた燃料噴射弁(7a,7b,7c,…)から供給する燃料噴射量を演算し、所定のタイミングで燃料噴射信号を出力する。燃料噴射弁7は、この噴射信号に基づいて開閉動作し、エンジン回転に同期して燃料を噴射供給する。
また、燃料供給停止回路1bは、エンジン回転数が所定値以上でかつスロットル開度TVOが全閉の惰性走行時などに、燃料噴射弁7からの噴射を停止させる。一方、トルク回復制御回路1cは、この燃料供給停止が解除されたときに燃料供給を再開し、所定の燃料噴射パターンに従って燃料の噴射を所定の時間だけ停止する。
このトルク回復制御回路1cは、燃料供給の停止状態からの燃料供給再開時、駆動系のガタ詰め終了時を基準に、各気筒(102a,102b,102c,…)に対する燃料の供給を停止することにより、加速性能を損なうことなく、燃料供給再開時のトルクショックを短時間に吸収する。このとき、再開が判断された直後に最初に燃焼する気筒を先頭として、再開に伴って発生する車両駆動系ねじり振動を打ち消すようなエンジントルクを発生させる。トルク回復制御回路1cは、後述するように、車速VSPとエンジン回転数Neから燃料非噴射気筒を演算し、演算した燃料噴射パターンに従って、各気筒(102a,102b,102c,…)に対する燃料の供給を停止する。ここで、「駆動系のガタ詰め終了時」とは、エンジン102の駆動力を車輪に伝達する駆動系が、被駆動状態から駆動状態へと変化する際にギアのバックラッシュ等に起因する非線形なトルク変化が終了する時点を言う。また、駆動状態とは、駆動系がエンジン102の駆動力を車輪に伝達している状態をいい、被駆動状態とは、車両の移動に伴い車輪が回転し、駆動系がこの回転をエンジン102に伝達している状態をいう。
実施例1では、ガタ詰め終了後の情報(エンジン回転数Ne、車速VSP等)に基づいて燃料供給を停止する時期を設定することで、燃料供給の停止時期の遅れなどを小さくし、ねじり振動を効果的に抑制することができ、車両の前後振動を防止することができる。また、緩加速・急加速などのエンジン回転数Neが変化する条件に対しても対応でき、トルクショックを低減することが可能となる。
[燃料噴射再開制御処理]
図3は、実施例1のトルク回復制御回路1cで実行される燃料噴射再開制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。この処理は、ガタ詰め終了検出を基に、燃料供給を停止するか否かを判断するものである。
ステップS1では、燃料供給の停止状態からの再開後、すなわちアイドルスイッチのOFF後、ガタ詰めが終了したか否かを判定する(タイミング推定手段)。YESの場合にはステップS4へ移行し、NOの場合にはステップS2へ移行する。
例えば、コースト状態、つまり、アクセルOFFの状態で、エンジン102が駆動力を出していない状態のときに、運転者の操作により、エンジン102が駆動力を出す状態となり、エンジン102の出力軸であるクランクシャフトより力が伝わり、ドライブシャフト105のトルクは負の状態から正の状態に変化する。言い換えれば、ドライブシャフト105は、車輪106に連れ回されている被駆動状態から、エンジン102の駆動力を車輪106に伝達する駆動状態に移行する。このとき、駆動系のガタが詰まる瞬間にエンジン回転数が上昇し、ガタ詰めが完全に行われると回転数が低下する特徴を有する。実施例1では、この現象を利用してガタ詰め終了を判断し、その時点を制御開始基準トリガとする。
例えば、図4のコースト状態アクセルOFF(エンジン回転数はA1とする)の状況からアクセルONの燃料カットリカバーになるとエンジン回転数はA2まで上昇してガタが詰まり、トルクが完全に伝わる状態になるとA3まで再び低下する。A2時点でガタ詰め終了となり、エンジントルクはドライブシャフト105に完全に伝わることになる。
ガタ詰め終了を検出する方法は次に示すような手順で演算を行う。
まず、アイドルスイッチがONからOFFになった時点を、ガタ詰め判定を行うための演算基準とする。時々刻々の変化に伴い、10ms区間のデータΔt1から微分の変化率K1を導出し、以後5ms毎に回転数バラツキを考慮し、移動平均法を用いてΔt2からK2…ΔtnからKnを求めていく。ドライブシャフト105のガタが詰まりギアの浮遊状態が無くなると、変化率はKn-1≧Knのように前ステップでのKの値よりも小さくなる。つまりドライブシャフトトルクはからへと変化しガタ詰め終了と判断、この時点を燃料噴射停止基準トリガと設定する。
ただし、装置などのノイズにより、Kn-1≧Knの条件を直ぐに満たしてしまう可能性があるため、判断は事前に実験等により求めた閾値を設け、この閾値を下回る場合はバラツキ範囲内の微小な変化と判断し、ガタ詰め終了判断を行わないように設定する。これにより、ノイズ等によるガタ詰め終了の誤判断を防止することができる。
ステップS2では、燃料噴射を実行し、ステップS3へ移行する。
ステップS3では、燃料噴射停止カウンタCNTおよび制御気筒カウンタmをクリア(=0)し、リターンへと移行する。
ステップS4では、燃料噴射が停止されているか否かを吸気量センサ4から検出される吸気量に基づいて判定する。YESの場合にはステップS10へ移行し、NOの場合にはステップS5へ移行する。
ステップS5では、非噴射による非燃焼行程を遂行するため、そのときのエンジン回転数と各気筒(102a,102b,102c,…)の現在のサイクル行程を演算式より求める。一方、現在の走行状況からねじり振動系を抑制するために最適な非燃焼行程の時期をあらかじめ実験より検討したマップやドライブシャフトねじり固有値計算から、非噴射を行う気筒数n、ならびに駆動系ねじり振動の半周期Tを推定する。そして、非燃焼タイミングに一致する最先の気筒が、現在の気筒から何番目後にやって来るのかを決定し、ステップS6へ移行する。
駆動系ねじり振動の半周期Tの演算式を下記に示す。
T=(C1×C2×Ne)/(2×VSP)
ただし、C1はドライブシャフトばね定数とエンジン慣性ipから決まる定数、C2はタイヤ動半径から決まる定数である。
算出したTと本制御の演算周期とに応じて、駆動系ねじり振動が第1回目のピークPに達する時間の直前にゼロとなる燃料噴射停止カウンタCNTのカウンタ初期値を設定する。
また、非噴射を行う気筒数nは、下記の式から求めることができる。
n=[T/ΔT]
ただし、[]はガウスの記号、ΔTはエンジン回転数Neから決まる燃焼間隔であって、
ΔT=C3/Ne
と表すことができる。ただし、C3は定数
したがって、非噴射気筒nは、
n=[(C×Ne2)/VSP]
ただし、Cは所定の定数となる。
ステップS6では、ステップS5で設定した燃料噴射停止カウンタCNTをデクリメントし、ステップS7へ移行する。
ステップS7では、燃料噴射停止カウンタCNTがゼロであるか否かを判定する。YESの場合にはステップS8へ移行し、NOの場合にはステップS11へ移行する。
ステップS8では、制御気筒毎に制御気筒カウンタをインクリメントし、ステップS9へ移行する。
ステップS9では、現在の制御対象気筒mがステップS5で決定した非制御気筒nであるか否かを判定する。YESの場合にはステップS10へ移行し、NOの場合にはステップS11へ移行する。
ステップS10では、噴射禁止信号を生成する。これにより、その気筒における次行程の燃焼行程では非燃焼となる。
ステップS11では、燃料噴射を実行し、リターンへ移行する。
[駆動系のガタ詰めに伴うピーク推定誤差について]
コーストアクセルOFFからONへの操作による過渡的なエンジン102の出力は、ステップ状のトルク変動を生じさせる。その場合、パワートレイン駆動系ねじり振動が生じ、車両前後方向の揺れとなるアクセルONショックと言われる現象が発生する。このような現象の対応策として、特開平8−28322号公報には、エンジン回転数と車速に応じた数多くの格子状パターンマップをエンジン制御コントローラに格納し、燃料供給停止から作動へと切り替わる際(燃料カットリカバリーの際)の車両の前後振動を有効に低減させる技術が開示されている。
しかしながら、アイドルスイッチのOFFを基準トリガに取り、あらかじめ燃料非噴射気筒や燃料非噴射タイミングをパターンマップ化している技術では、エンジン回転数によって逐次変化するエンジン102のサイクル行程時間の変化に燃料非噴射のタイミングが随伴せず、大きな誤差が生じる。したがって最適なタイミングで抑制しなければならない時刻に制御が実行されず、駆動系ねじりトルクのピークを効果的に低減するのは困難である。
一方、特開平10−252514号公報には、燃料供給再開をトリガとして、駆動系ねじり振動が第1回目のピークに達する直前に燃焼する予定の気筒への燃料供給を停止する技術が開示されている。しかし、燃料噴射停止状態から噴射状態への移行を判断する基準トリガを、アイドルスイッチのOFFに基づいて行っている。つまり、燃料供給再開制御手法(TMFR:タイマを走らせて再度燃料噴射させる方法)を実施したときに、車両の被駆動状態から駆動状態に切り替わる時点の非線形なトルク変化を燃料供給再開制御信号に考慮していない。そのため、制御時には、非線形なトルク変化に伴う燃料サイクル分の遅れや燃料カットタイミング分の遅れによって非噴射の設定に大きなバラツキが生じ、最適なタイミングで制御を行うのは困難である。
[駆動系ねじり振動低減]
これに対し、実施例1のエンジン102の燃料噴射制御装置では、コーストロックアップ(燃料カット中)時のアクセルONにより発生する車両の前後振動を抑制するために、エンジントルク抑制制御を作動させる基準開始トリガとして、「駆動系のガタ詰め終了」を利用する。
すなわち、燃料供給再開後、駆動系のガタ詰めが終了していない場合には、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進む流れを繰り返し、燃料噴射が実行される。
駆動系のガタ詰めが終了した場合には、燃料噴射停止カウンタCNTがゼロとなり、かつ、制御気筒カウンタmが非噴射気筒nと一致するまでの間、ステップS1→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS11へと進む流れが繰り返される。
そして、燃料噴射停止カウンタCNTがゼロとなり、かつ、制御気筒カウンタmが非噴射気筒nと一致した場合、ステップS1→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS10へと進み、非噴射気筒nへの燃料噴射が停止される。
図5は、実施例1の駆動系ねじり振動低減効果を示すアクセル開度、目標空燃比、エンジン102の図示平均有効圧(IMEP)、制御成立タイミング、ドライブシャフトトルクのタイムチャートである。
従来制御では、制御基準信号をアイドルスイッチOFF、すなわちドライブシャフトトルクが実際に立ち上がる前の時点taに設定している。このため、車両の被駆動状態から駆動状態に切り替わる時点の非線形なトルク変化(ガタ通過)に伴う燃料サイクル分の遅れ、またはバラツキが抑制性能に大きく影響を受けてしまう。このため、燃料カットタイミングのバラツキが大きくなり、最も低減効果がある駆動系ねじり振動が第1回目のピークPを迎える直前に非燃焼行程を一致させることは難しい。よって、ドライブシャフトトルクは、図5中の波線で示すように大きく変動し、車両の前後振動を効果的に抑制することができない。
これに対し、実施例1では、時点tbで駆動系のトルクが反転した際、すなわちガタ詰め終了時点を基準トリガとしている。そして、ガタ詰め終了時の車速VSPおよびエンジン回転数Neから、非噴射制御を行う気筒nとそのタイミング(燃料噴射停止カウンタCNTのカウンタ初期値)を算出し、時点tcで燃料カット指令を出力している。このため、ガタ通過による燃料サイクル分の遅れ、またはバラツキを完全に排除でき、最適なタイミングで非燃焼行程を実施することができる。よって、制御ターゲットであるねじり振動の第1回目のピークPを効果的に低減することが可能となる。また、跳ね返り(第2回目以降のピークの増大)の影響も小さく抑えられる。
また、実施例1では、ガタ詰め終了時点から駆動系ねじり振動が半周期Tするまでの時間を演算し、この時間に達する直前に燃焼する予定の気筒への燃料噴射を停止している。すなわち、ガタ詰め終了時点から駆動系ねじり振動が第1回目のピークPに達する時間は、ガタ詰め終了時点からねじり振動が半周期するまでの時間と等しい。このため、ねじり振動が半周期する直前に燃焼する予定の気筒への燃料供給を停止することで、膨大な量のマップをパターン毎に設定する必要が無く、製造コスト・開発工数の低減を図ることができる。
加えて、実施例1では、ガタ詰め終了時点の車速VSPおよびエンジン回転数Neに基づいて、ねじり振動の半周期Tを推定しているため、逐次変化するエンジン回転数や変速機のレシオ変化、またアクセル踏み込み速度の大小等による運転条件の変化にも適宜最適な燃焼タイミングを決定することができる。
実施例1の効果を列挙する。
(1)推定されたタイミングに基づいて、燃料供給再開後の駆動系ねじり振動の第1回目のピークPが低減するように、各気筒(102a,102b,102c,…)のうちいずれかの気筒への燃料供給を停止するトルク回復制御回路1cを備える。これにより、非燃料噴射制御のバラツキが低減でき、適切なタイミングで燃料供給の停止を行うことができるため、車両の前後振動を抑制することができる。また、精度向上に伴い、製造コスト・開発工数を減らすことができる。
(2) トルク回復制御回路1cは、燃料供給を再開した時に駆動系ねじり振動が第1回目のピークPに達する時間の直前に燃焼する予定の気筒を推定し、当該気筒への燃料供給を停止する。これにより、従来のような大容量のパターンマップを作成するための実験工程を省略することで、開発期間およびコストの低減を図ると共に、エンジン制御コントローラに必要な記憶容量を低減して直接的な製造コストの低減を実現しながらも運転性を確実に確保することができる。
(3) トルク回復制御回路1cは、被駆動状態から駆動状態へ移行するタイミングから駆動系ねじり振動が半周期Tするまでの時間を推定し、当該時間に達する時間の直前に燃焼する予定の気筒への燃料噴射を停止する。これにより、振動特性に合わせた適切な非噴射タイミングと非噴射気筒を時々刻々に変化できることから緩加速・急加速などによって変化する条件下でもねじり振動を有効に抑えるタイミングを正確に設定することができる。また、燃料供給を再開する時も的確なエンジン制御トルクダウンを実行でき、振動が抑制されているため、バラツキによる車両振動の跳ね返り悪化影響を無くすることができる。
(4) トルク回復制御回路1cは、被駆動状態から駆動状態へ移行するタイミングにおける車速VSPとエンジン回転数Neから駆動系ねじり振動が半周期Tするまでの時間を推定する。これにより、エンジン回転数Neに依存して変化する駆動系ねじり振動のピークを正確に予測でき、それに適した制御を行うことができる。
(5) タイミングの推定は、エンジン回転数Neの変動率に基づいて、被駆動状態から駆動状態へ移行するタイミングを推定するため、エンジン回転数Neのみから反転タイミングを簡易かつ精度良く求めることができ、燃料噴射の休止タイミングを一定の高精度で設定することができる。
実施例2は、エンジン初爆信号をタイマ開始時刻として、タイマを設定し反転タイミングを推定する例である。
よって、実施例2では、図3に示したトルク回復制御回路1cで実行される燃料噴射再開制御処理において、ステップS1のガタ詰め推定のみが実施例1と異なる。
実施例2では、あらかじめタイマ設定時間のマップを作成しておき、エンジン初爆信号が生成した時間からタイマをスタートさせ、ステップS1では、設定した時間経過後をガタ詰め終了と判断する。
実施例2のエンジン102の燃料噴射制御装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(4)に加え、以下の効果を奏する。
(6) タイミングの推定は、燃料供給を再開した時のエンジン初爆からの経過時間に基づいて、被駆動状態から駆動状態へ移行するタイミングを推定する。このため、エンジン102の初爆信号のみから移行するタイミングを簡易かつ精度良く求めることができ、燃料噴射を停止するタイミングを一定の高精度で設定することができる。

実施例3は、エンジン回転数とドライブシャフト回転数との差から、被駆動状態から駆動状態へ移行するタイミングを推定する例である。
よって、実施例3では、図3に示したトルク回復制御回路1cで実行される燃料噴射再開制御処理において、ステップS1のガタ詰め推定のみが実施例1と異なる。
ステップS1では、ドライブシャフト105に伝わる回転数Nefd=エンジン回転数/ファイナルドライブギア比を算出し、実際に回転しているドライブシャフト回転数との差が無ければガタ詰め終了と判断する。
このとき、アクセル開度の変化速度やギア比の情報を事前にマップ化しておき、状況に応じて計算に用いる値を選択する。ガタが詰まった状況ではギアの浮遊状態は存在せず、エンジン側からドライブシャフト105までトルクが伝わっており、エンジン回転数の演算より求めたドライブシャフト回転数と実際のその回転数との間には差異は生じない。
実施例3のエンジン102の燃料噴射制御装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(4)に加え、以下の効果を奏する。
(7) タイミングの推定)は、エンジンの回転数とドライブシャフト105の回転数との偏差に基づいて反転タイミングを推定するため、簡易かつ精度良く求めることができ、燃料噴射の休止タイミングを一定の高精度で設定することができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜3に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、駆動系ねじり振動が第1回目のピークを迎える直前の気筒への燃料噴射のみを停止する例を示したが、少なくともピーク直前に燃焼する気筒を含んでおり、加速性能に影響を与えない範囲であれば、複数の気筒の燃焼を停止する構成としても良い。また、駆動系のねじり振動が1回目のピークを迎える直前の気筒への燃料供給を停止する例について説明したが、1回目のピークに限らず、2回目以降のピークを迎える前の気筒への燃料供給を停止してもよい。
また、反転タイミング(ガタ詰め終了)の推定方法は、各実施例に示した方法を複数組み合わせた方法としても良い。
実施例1のエンジンの燃料供給制御装置を備えた車両の概念図である。 実施例1のエンジンの燃料供給制御装置の概念図である。 実施例1のトルク回復制御回路1cで実行される燃料噴射再開制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のガタ詰め判定方法を示すドライブシャフトトルクとエンジン回転数のタイムチャートである。 実施例1の駆動系ねじり振動低減効果を示すアクセル開度、目標空燃比、エンジンの図示平均有効圧(IMEP)、制御成立タイミング、ドライブシャフトトルクのタイムチャートである。
符号の説明
1 燃料噴射制御装置
2 エンジン回転数センサ
3 車速センサ
4 吸気量センサ
5 アイドルスイッチ
6 スロットル開度センサ
7 燃料噴射弁

Claims (4)

  1. 車両の状態を検出する状態検出手段と、
    検出された車両の状態に応じてエンジンへの燃料の供給量を制御する燃料供給制御手段と、
    所定の状態のとき燃料供給を停止する燃料供給停止手段と、
    燃料供給を停止している状態から、燃料供給を再開するトルク回復制御手段と、
    を有するエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記エンジンの駆動力を車輪に伝達する駆動系が、前記車輪からの力により前記エンジンが回転する被駆動状態から、前記エンジンの駆動力により前記車輪が回転する駆動状態へと移行するタイミングを推定するタイミング推定手段を備え、
    前記トルク回復制御手段は、推定されたタイミングに基づいて、再開した、燃料供給を所定時間停止し、
    前記タイミング推定手段は、アイドルスイッチがオンからオフに切り替わった後、所定時間毎に移動平均法によりエンジン回転数の変化率を求め、エンジン回転数の変化率の今回値が前回値よりも小さい場合に、駆動系が被駆動状態から駆動状態へと移行するタイミングであると推定することを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記トルク回復制御手段は、燃料供給再開後に駆動系ねじり振動が第1回目のピークに達する時間の直前に燃焼する予定の気筒を推定し、当該気筒への燃料供給を停止することを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 請求項1に記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記トルク回復制御手段は、前記タイミングから駆動系ねじり振動が半周期するまでの時間を推定し、当該時間に達する時間の直前に燃焼する予定の気筒への燃料噴射を停止することを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 請求項に記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記トルク回復制御手段は、前記タイミングにおける車速とエンジン回転数から駆動系ねじり振動が半周期するまでの時間を推定することを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
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