JP2009185738A - 車両制御装置および車両制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被駆動状態からの加速時に駆動系ガタに起因するショックを低減することが可能な車両制御装置および車両制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ECU40は、自動変速機30の入出力回転数差に基づいて、駆動系捩りモデルを使用して、ガタ要素の現在ガタ量を推定する現在ガタ量推定手段41と、エンジントルクを制御するとともに、ガタ要素のトータルガタ量と現在ガタ量推定手段41で推定された現在ガタ量とを比較して、エンジントルク増減タイミングを決定するトルク制御手段44とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両制御装置および車両制御方法に関し、詳細には、アクセル踏み込み時に駆動系ガタに起因する車両の前後振動を低減することが可能な車両制御装置および車両制御方法に関する。
車両では、被駆動状態からの加速時に駆動系ガタに起因して、運転者にとって不快な車両の前後振動(ショック)が発生する。具体的には、自動車等の車両が、被駆動状態(自動変速機がエンジンによって駆動されていない状態)から駆動状態(エンジンによって自動変速機が駆動されている状態)へ移行する際、駆動系の構成部品(主に歯車)同士のガタ(遊び)によって生じた隙間(バックラッシュ)が詰められることによってガタ打ちショックが生じる。また、エンジンの過度的なステップトルクによる駆動系の捩り振動に起因して、それがタイヤ、サスペンションを通じて車両を加振する。
加速時のショックを低減する技術として、例えば、特許文献1では、自動変速機のエンジンによる駆動状態を判定する駆動状態判定手段と、上記駆動状態判定手段により上記自動変速機が上記エンジンによって駆動されていない被駆動状態であると判定されているときに、運転者の加速要求に応じて車両が加速状態へ移行すると上記エンジンのトルクを抑制制御し、エンジントルク抑制制御中に、上記駆動状態判定手段により上記自動変速機が上記エンジンによって駆動される駆動状態であることが判定されると、上記エンジントルク抑制制御の中止処理を実行する技術が提案されている。
特開2003−113724号公報
しかしながら、特許文献1では、加速時のショックを低減するために、駆動系の捩り振動により2段階にエンジントルクを立ち上げる構成であるが、制御タイミングがずれた場合に、ショックが発生し易いという問題がある。また、車両では、エンジントルクや駆動系ガタ等に固体バラツキが存在し、また、ユーザ操作(いじわる操作、頻度の少ない操作)などにより入力条件が大きく変化するため、適切な制御タイミングが変化するが、特許文献1では、制御タイミングを適切に変更することができないという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、被駆動状態からの加速時に駆動系ガタに起因するショックを低減することが可能な車両制御装置および車両制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、内燃機関のトルクを変速機に伝達する車両の車両制御装置において、前記変速機の入出力回転数差に基づいて、駆動系捩りモデルを使用して、ガタ要素の現在ガタ量を推定する現在ガタ量推定手段と、前記内燃機関のトルクを制御するとともに、前記ガタ要素のトータルガタ量と前記現在ガタ量推定手段で推定された現在ガタ量とを比較して、前記内燃機関のトルク増減タイミングを決定するトルク制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記現在ガタ量推定手段の駆動系捩りモデルは、エンジン回転数と車速とに基づいて、前記変速機の入出力回転数差を算出する入出力回転差算出手段と、前記変速機の入出力回転数差の捩り振動特性分の遅れを補正する2次フィルタと、前記2次フィルタで補正した前記変速機の入出力回転数差を積分して前記変速機の入出力回転数差の積分値を算出する積分手段と、推定ホイールトルクとドライブシャフト捩り剛性値とに基づいて、被駆動時の捩り振動分を算出し、前記変速機の入出力回転数差の積分値を前記被駆動時の捩り振動分で補正して現在ガタ量を推定する推定手段と、を含むことが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記トルク制御手段は、前記推定した現在ガタ量が前記トータルガタ量に達するまで、前記内燃機関のトルクを削減することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記トルク制御手段は、前記推定した現在ガタ量が前記トータルガタ量に達した後、駆動系の固有振動周期の半周期が経過するまで、前記内燃機関のトルクの削減を継続し、前記駆動系の固有振動周期の半周期が経過した後、前記内燃機関のトルクをステップ状に復帰させることが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記トルク制御手段は、前記内燃機関のトルクを削減する場合は、点火時期遅角制御を実行することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記推定された現在ガタ量に基づいて、前記トータルガタ量を更新するトータルガタ量学習手段を備えることが望ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、内燃機関のトルクを変速機に伝達する車両の車両制御方法において、前記変速機の入出力回転数差に基づいて、駆動系捩りモデルを使用して、ガタ要素の現在ガタ量を推定する現在ガタ量推定工程と、前記内燃機関のトルクを制御するとともに、前記ガタ要素のトータルガタ量と前記推定された現在ガタ量とを比較して、前記内燃機関のトルク増減タイミングを決定するトルク制御工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、変速機が搭載された車両の車両制御装置において、前記変速機に接続されるドライブシャフトの入出力回転数差に基づいて、駆動系捩りモデルを使用して、ガタ要素の現在ガタ量を推定する現在ガタ量推定手段と、前記内燃機関のトルクを制御するとともに、前記ガタ要素のトータルガタ量と前記現在ガタ量推定手段で推定された現在ガタ量とを比較して、前記内燃機関のトルク増減タイミングを決定するトルク制御手段と、を備えているので、被駆動状態からの加速時に駆動系ガタに起因するショックを低減することが可能な車両制御装置を提供することが可能になるという効果を奏する。
以下に、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施例に係る車両制御装置を適用した車両のパワートレーンおよびその制御系の概略構成図を示している。車両制御装置は、図1に示すように、エンジン10、点火装置11、スロットルバルブ12、トルクコンバータ(T/C)20、自動変速機(A/T)30、ECU40を主要部として構成されている。エンジン10のエンジン出力トルク(駆動力)は、トルクコンバータ20を介して自動変速機30に入力され、ドライブシャフト50を介して駆動輪51に伝達される。
エンジン10は、火花点火式の多気筒ガソリンエンジンであり、吸排気通路(不図示)、点火装置11、スロットルバルブ12等を備えている。自動変速機30は、複数の変速段が選択的に成立させられるすなわち切り換えられる自動変速機であり、入力された回転を所定の変速比γで減速或いは増速して出力するものであり、例えば、遊星歯車式自動変速機または無段自動変速機(CVT)である。
車両には、エンジン10や自動変速機30などを制御するECU(電子制御ユニット)40が設けられており、このECU40は、エンジン10、トルクコンバータ20、及び自動変速機30の総合的な制御を行う。ECU40は、入出力装置、制御マップや制御プログラムなどを記憶する記憶手段(ROM、RAM等)、CPU(中央処理装置)、A/D変換器、D/A変換器、および通信ドライバ回路等で構成されている。
ECU40には、エンジン10の回転数NEを検出するエンジン回転数センサ13、トルクコンバータ20におけるタービンランナ(図示略)の回転数であるAT入力回転数NTを検出するタービン回転数センサ21,駆動輪51の回転数、すなわち車両の車速SPDを検出する車輪速センサ52、アクセル(不図示)のアクセル開度θAccを検出するアクセル開度センサ53、及びドライバにて選択されたシフトポジションを検出するためのシフトポジションセンサ54等の各種センサやスイッチ類が接続されている。
ECU40は、エンジン回転数NE、吸入空気量、およびスロットル開度などのエンジン10の運転状態に基づいて燃料噴射量、噴射時期、および点火時期などを決定し、インジェクタや点火プラグなどを制御する。また、ECU40は、アクセル開度センサ53で検出されたアクセル開度θAccおよび車輪速センサ52で検出された車速SPDを用いて図示しない変速マップから目標変速段を設定し、この目標変速段を達成すべく自動変速機30の係合要素の係合状態を切り換え、変速制御を実行するようになっている。
ECU40は、CPUで制御プログラムを実行することにより、駆動状態判定手段41、現在ガタ量推定手段42、トルク要求量判定手段43、トルク制御手段44、トータルガタ量学習手段45として機能する。
駆動状態判定手段41は、エンジン回転数NEとAT入力回転数NTとの偏差により自動変速機30が駆動状態もしくは被駆動状態であるかを判断する。ここで、駆動状態とは、エンジン回転速度NEがAT入力回転数NTよりも大きい状態、すなわち、エンジン10の回転駆動力により自動変速機30が駆動されて駆動輪51に駆動力が伝達されている状態である。また、被駆動状態とは、エンジン回転数NEが、AT入力回転数NTよりも小さい状態、すなわち、駆動輪51から自動変速機30を介して伝達される回転力によりエンジン10が駆動されて、エンジン10の回転駆動力により自動変速機30が駆動されない、たとえばコースト走行時(空走時)やエンジンブレーキ時に相当する。
現在ガタ量推定手段42は、AT入力回転数NTと車速SPDに基づいて、駆動系捩りモデルを使用して、駆動系のガタ要素の現在ガタ量θ_blcurを推定する。図2は、駆動系捩りモデルの模式図を示す。同図において、Iはイナーシャ、kは捩り剛性、cはヒステリシストルクを示している。本実施の形態では、この駆動系捩りモデルを使用して、自動変速機30等のガタ要素の現在ガタ量を推定する。
図3は、図2に示す駆動系捩りモデルの概略構成図を示している。図3に示す駆動系捩りモデルは、AT入力回転数NTと車速SPDに基づいて、ドライブシャフト入出力回転数差(すなわち、自動変速機30の入出力回転数差)ω_dsを算出する入出力回転数差算出手段61と、ドライブシャフト入出力回転数差ω_dsの捩り振動特性分の遅れ(センサの応答遅れ)を補正して、補正後のドライブシャフト入出力回転数差ω_dssmを出力する2次ローパスフィルタ62と、補正ドライブシャフト入出力回転数差ω_dssmを積分してドライブシャフト入出力回転数差積分値θ_dssmを算出する(被駆動状態から駆動状態の交差時点で「0」クリアする)ガタ積分手段63と、被駆動時推定ホイールトルクTwとドライブシャフト捩り剛性値Kとに基づいて、被駆動時捩り振動分θ_twicを算出し、ドライブシャフト入出力回転数差積分値θ_dssmを被駆動時捩り振動分θ_twicで補正して、現在ガタ量θ_blcur=ドライブシャフト入出力回転数差積分値θ_dssm+被駆動時捩り振動分θ_twicを算出(推定)する被駆動時捩り振動分補正手段64とを備えている。
トルク要求量判定手段43は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に応じたアクセル開度センサ53からのアクセル開度等に基づき、エンジントルク要求量を算出する。
トルク制御手段44は、トルク要求量判定手段43で算出したエンジントルク要求量や駆動状態判定手段41等からの様々な情報に基づいて、エンジン制御トルク(目標エンジントルク)を決定して、エンジン制御トルクとなるように、エンジン10に搭載されたスロットルバルブ12のスロットル開度および点火装置11の点火時期等を制御する。また、トルク制御手段44は、被駆動状態からの加速時に駆動系ガタに起因するショックを低減するために、加速時には、実際のトータルガタ量θ_totalと現在ガタ量推定手段42で動的に推定される現在ガタ量θ_blcurとを比較して、エンジン10のトルク増減タイミングを決定し、エンジントルク抑制制御を行う。トータルガタ量学習手段45は、現在ガタ量推定手段42で推定された現在ガタ量θ_blcurに基づいて、トータルガタ量θ_totalを更新する。ここで、トータルガタ量θ_totalの初期値は、設計段階で定まる既知の値であるが、トータルガタ量θ_total初期値は、製造ばらつき等で個体差があるため、車両毎にトータルガタ量θ_totalを学習して、車両毎に適正なトータルガタ量θ_totalを設定している。
つぎに、図4〜図7を参照して、上記構成のECU40の加速時のエンジントルク抑制制御について説明する。図4および図5を参照して、上記構成のECU40の加速時のエンジントルク制御の概略について説明する。図4は、上記構成のECU40の加速時のエンジントルク抑制制御を説明するためのタイミングチャートである。図5は、上記構成のECU40の加速時のエンジントルク抑制制御時におけるトータルガタ量θ_totalの学習を説明するためのタイミングチャートである。
図4〜図7において、ω_IN:ドライブシャフト入力回転数(rad/s)、ω_out:ドライブシャフト出力回転数(rad/s)、ω_ds:ドライブシャフト入出力回転数差(rad/s)、ω_dssm:なまし後のドライブシャフト入出力回転数差(rad/s)、θ_dssm:ドライブシャフト入出力回転数差積分値(rad/s)、θ_blcur:現在ガタ量(推定値:rad)、NE:エンジン回転数(センサ値:rpm)、NT:AT入力回転数(センサ値:rpm)、SPD:車速(センサ値:km/h)、GR:ATトータルギヤ比(ATギヤ比×デフ比)、R:タイヤ半径(m)、K:ドライブシャフト捩り剛性値(Nm/rad)、TW:推定ホイールトルク値(Nm)、θ_bl:捩り振動補正後の現在ガタ量(rad)、θ_dif:トータルガタ量推定誤差(rad)、θ_total:トータルガタ量(rad)、θ_total_m:トータルガタ量前回値(rad)、K:ドライブシャフト捩り剛性値(Nm/rad)、TW:推定ホイールトルク(Nm)、k:学習ゲインをそれぞれ示している。
図4において、運転者がアクセルペダルを踏み込んで、アクセル開度θAccが増大すると、トルク制御手段44は、エンジン制御トルクをステップ状に増加させる(t)。そして、エンジントルク抑制制御の開始条件が成立すると、エンジントルク抑制制御を開始して、エンジン制御トルクをステップ状に減少させる(t)。エンジントルク抑制制御の開始条件は、例えば、加速であること、エンジン回転数NEとAT入力回転数NTとの差が小さくて所定範囲内に入っていること等である。エンジントルク抑制制御では、点火時期遅角制御を行って、点火装置12の点火時期を遅角させてエンジントルクを抑制する。
そして、現在ガタ量推定手段42は、エンジン回転数NE−AT入力回転数NT>0となると(t)、ドライブシャフト入出力回転数差積分値θ_dssmを算出し、ドライブシャフト入出力回転数差積分値θ_dssmに基づいて現在ガタ量θ_blcurを算出(推定)する。トルク制御手段44は、現在ガタ量θ_blcurがトータルガタ量θ_totalに達するまでの間、エンジン制御トルクの減少状態を継続する(t)。これにより、ガタが詰まり(ガタ詰め時間T)、ガタを形成する歯面等は徐々に係合(ソフトタッチ)することになり駆動系の衝撃的衝突は回避され、車両の振動要因を低減することができる。さらに、ガタ詰め時間Tの経過後、駆動系の固有振動周期(車両の前後振動周期)の半周期Tが経過するまで、エンジン制御トルクの減少状態を継続して、エンジン制御トルクをステップ状に復帰させる(t)。これにより、ガタ詰めにより発生した振動(慣性トルク)が車両前後振動に対する逆位相の振動として解放され、その振動(慣性トルク)が車両前後振動を相殺するように作用するため、車両前後振動が低減される。
図5において、トータルガタ学習手段45は、捩り振動分θ_twic=ドライブシャフト入出力回転数差積分値θ_dssm−現在ガタ量θ_blcur、捩り振動分θ_twid=被駆動時推定ホイールトルク値Tw/ドライブシャフト捩り剛性値K、捩り振動補正後の現在ガタ量θ_bl=現在ガタ量θ_blcur+捩り振動分θ_twidを演算する。そして、トータルガタ量推定誤差_θdif=捩り振動補正後の現在ガタ量θ_bl−トータルガタ量θtotalを演算する。さらに、トータルガタ量θ_total=トータルガタ量前回値θ_total_m+学習ゲインk×トータルガタ量推定誤差θ_difを演算して、トータルガタ量θ_totalを更新する。更新したトータルガタ量θ_totalは、次回の加速時のエンジントルク抑制制御で使用される。
図6および図7を参照して、上記構成のECU40の加速時のエンジントルク抑制制御の動作フローを説明する。図6は、上記構成のECU40の加速時のエンジントルク抑制制御の全体の流れを説明するためのフローチャート、図7は、図6の現在ガタ量θ_blcurの算出処理を詳細に説明するためのフローチャートである。
図6において、トルク制御手段44は、加速時のエンジントルク抑制制御の開始条件が成立すると、上記図4で上述したエンジントルク抑制制御を開始する(ステップS1)。現在ガタ量判定手段42は、現在ガタ量θ_blcurを推定する(ステップS2)。
トータルガタ量学習手段45は、以下のようにして、トータルガタ量θ_totalを更新する(ステップS3〜S5)。具体的には、まず、駆動時推定ホイールトルク値Tw(>0)に基づいて、捩り振動分θ_twicを推定し、捩り振動補正後の現在ガタ量θ_blを算出する(ステップS3)。具体的には、捩り振動分θ_twid=被駆動時推定ホイールトルク値Tw/ドライブシャフト捩り剛性値K、捩り振動分補正後の現在ガタ量θ_bl=現在ガタ量θ_blcur−捩り振動分θ_twidを演算する。
つぎに、トータルガタ量θ_totalと捩り振動分補正後の現在ガタ量θ_blの差分を演算して、トータルガタ量推定誤差θ_difを算出する(ステップS4)。具体的には、トータルガタ量推定誤差θ_dif=捩り振動補正後の現在ガタ量θ_bl−トータルガタ量θtotalを演算する。
この後、トータルガタ量θ_totalを更新する(ステップS5)。具体的には、トータルガタ量θ_total=トータルガタ量前回値θ_total_m+学習ゲインk×トータルガタ量推定誤差θ_difを演算する。
つぎに、現在ガタ量判定手段42の現在ガタ量θ_blcurの算出処理(上記ステップS2)について、図7を参照して説明する。図7において、現在ガタ量推定手段42では、AT入力回転数NTと車速SPDとに基づいて、ドライブシャフト入出力回転数差ω_dsを算出する(ステップS11)。具体的には、ドライブシャフト入力回転数ω_IN=AT入力回転数NT/ATトータルギヤ比GR×(2π/60)、ドライブシャフト出力回転数ω_out=車速SPD/タイヤ半径R×(10/60)、ドライブシャフト入出力回転数差ω_ds=ドライブシャフト入力回転数ω_IN−ドライブシャフト出力回転数ω_outの演算を行う。
つぎに、自動変速機30の捩り振動特性遅れ分を考慮して、ドライブシャフト入出力回転数差ω_dsを2次ローパスフィルタで補正して、なまし後の補正ドライブシャフト入出力回転数差ω_dssmを算出する(ステップS12)。
駆動状態及び算出条件が成立しているか否かを判断する(ステップS13)。具体的には、ガタ推定前提条件(例えば、加速時である等)の成立、および、駆動状態であるか否か、すなわち、エンジン回転数NE−AT入力回転数NT>0であるか否かを判断する。
駆動状態及び算出条件が不成立の場合は(ステップS13の「No」)、現在ガタ量θ_blcur=0,ドライブシャフト入出力回転数差積分値θ_dssm=0とする(ステップS16)。
他方、駆動状態及び算出条件が成立する場合は(ステップS13の「Yes」)、なまし後の補正ドライブシャフト入出力回転数差ω_dssmを積分し、ドライブシャフト入出力回転数差積分値θ_dssm=∫ω_dssmdtを算出する(ステップS14)。
被駆動時推定ホイールトルク値Tw(<0)に基づいて、捩り振動分θ_twicを推定し、現在ガタ量θ_blcurを算出する(ステップS15)。具体的には、捩り振動分θ_twic=被駆動時推定ホイールトルク値Tw/ドライブシャフト捩り剛性値K、現在ガタ量θ_blcur=ドライブシャフト入出力回転数差積分値θ_dssm+捩り振動分θ_twicを演算する。
図8−1は、本発明によるエンジントルク制御を行わなかった場合(従来技術)の車両前後Gの実験結果を示す図である。図8−2は、本発明によるエンジントルク制御を行なった場合の車両前後Gの実験結果を示す図である。図8−1および図8−2に示すように、本発明によるエンジントルク制御を行なった場合には、本発明によるエンジントルク制御を行なわない場合に比して、加速時の車両前後G(車両前後振動)が大幅に減少しており、本発明によるエンジントルク制御は、加速時の車両前後振動を低減する上で有用であることが確認された。
以上説明したように、本実施例によれば、現在ガタ量推定手段42で自動変速機30の入出力回転数に基づいて、駆動系モデルを使用して現在ガタ量を推定し、トルク制御手段44は、エンジントルクを制御するとともに、トータルガタ量と推定された現在ガタ量とを比較して、エンジントルクの増減タイミングを決定することとしたので、車両の個体差によらずに、アクセル踏み込み時に駆動系捩り振動に伴う車両の前後振動を低減することが可能となる。
以上説明したように、実施例によれば、自動変速機30の入出力回転数差に基づいて、駆動系捩りモデルを使用して、ガタ要素の現在ガタ量を推定する現在ガタ量推定手段42と、エンジントルクを制御するとともに、ガタ要素のトータルガタ量と現在ガタ量推定手段42で推定された現在ガタ量とを比較して、エンジントルク増減タイミングを決定するトルク制御手段44とを備えているので、被駆動状態からの加速時に駆動系ガタに起因するショックを低減することが可能となる。
また、本実施例によれば、現在ガタ量推定手段42の駆動系捩りモデルは、エンジン回転数と車速とに基づいて、自動変速機30の入出力回転数差を算出する入出力回転差算出手段61と、自動変速機30の入出力回転数差の捩り振動特性分の遅れを補正する2次ローパスフィルタ62と、補正した自動変速機30の入出力回転数差を積分して自動変速機30の入出力回転数差の積分値を算出するガタ積分手段63と、推定ホイールトルクとドライブシャフト捩り剛性値とに基づいて、被駆動時の捩りによる振動分を算出し、自動変速機30の入出力回転数差の積分値を被駆動時の捩りによる振動分で補正して現在ガタ量を推定する被駆動時捩り振動分補正手段64とを備えているので、簡単に現在ガタ量を推定することが可能となる。
また、本実施例によれば、トルク制御手段は、推定した現在ガタ量がトータルガタ量に達するまで、エンジントルクを削減することとしたので、ガタ詰めショックを防止することが可能となる。
また、本実施例によれば、トルク制御手段44は、現在ガタ量がトータルガタ量に達した後、駆動系の固有振動周期の半周期が経過するまで、エンジントルクの削減を継続し、駆動系の固有振動周期の半周期が経過した後、エンジントルクをステップ状に復帰させることとしたので、ガタ詰めにより発生した振動(慣性トルク)が車両前後振動に対する逆位相の振動として解放され、その振動(慣性トルク)が車両前後振動を相殺するように作用するため、車両前後振動を低減することが可能となる。
また、トータルガタ量学習手段45は、現在ガタ量推定手段42で推定された現在ガタ量に基づいて、トータルガタ量を更新することとしたので、車両のトータルガタ量を動的に更新して、車両の固体ばらつき量を学習することができ、車両の個体差に拘わらず被駆動状態からの加速時のショックを低減することが可能となる。
以上説明したように、本発明に係る車両制御装置および車両制御方法は、アクセル踏み込み時に駆動系ガタに起因する車両の前後振動を低減する場合に有用である。
本発明の実施例に係る車両制御装置を適用した車両のパワートレーンおよびその制御系の概略構成図である。 図1の現在ガタ量推定手段の駆動系捩りモデルの模式図である。 図2の駆動系捩りモデルの概略構成図である。 ECUの加速時のエンジントルク制御について説明するためのタイミングチャートである。 ECUの加速時のエンジントルク制御におけるトータルガタ量の学習について説明するためのタイミングチャートである。 ECUの加速時のエンジントルク制御の全体の流れを説明するためのフローチャートである。 現在ガタ量の算出処理を詳細に説明するためのフローチャートである。 本発明によるエンジントルク制御を行わなかった場合(従来技術)の車両前後Gの実験結果を示す図である。 本発明によるエンジントルク制御を行なった場合の車両前後Gの実験結果を示す図である。
符号の説明
10 エンジン
11 点火装置
12 スロットルバルブ
13 エンジン回転速度センサ(エンジン回転速度検出手段)
20 トルクコンバータ(T/C)
21 タービン回転速度センサ
30 自動変速機(A/T)
40 ECU
41 駆動状態判定手段
42 現在ガタ量推定手段
43 トルク要求量判定手段
44 トルク制御手段
45 トータルガタ量学習手段
50 ドライブシャフト
51 駆動輪
52 車速センサ
53 アクセル開度センサ
54 シフトポジションセンサ
61 入出力回転差算出手段
62 2次ローパスフィルタ
63 ガタ積分手段
64 被駆動時捩り振動補正手段

















Claims (7)

  1. 内燃機関のトルクを変速機に伝達する車両の車両制御装置において、
    前記変速機の入出力回転数差に基づいて、駆動系捩りモデルを使用して、ガタ要素の現在ガタ量を推定する現在ガタ量推定手段と、
    前記内燃機関のトルクを制御するとともに、前記ガタ要素のトータルガタ量と前記現在ガタ量推定手段で推定された現在ガタ量とを比較して、前記内燃機関のトルク増減タイミングを決定するトルク制御手段と、
    を備えたことを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記現在ガタ量推定手段の駆動系捩りモデルは、
    エンジン回転数と車速とに基づいて、前記変速機の入出力回転数差を算出する入出力回転差算出手段と、
    前記変速機の入出力回転数差の捩り振動特性分の遅れを補正する2次フィルタと、
    前記2次フィルタで補正した前記変速機の入出力回転数差を積分して前記変速機の入出力回転数差の積分値を算出する積分手段と、
    推定ホイールトルクとドライブシャフト捩り剛性値とに基づいて、被駆動時の捩り振動分を算出し、前記変速機の入出力回転数差の積分値を前記被駆動時の捩り振動分で補正して現在ガタ量を推定する推定手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記トルク制御手段は、前記推定した現在ガタ量が前記トータルガタ量に達するまで、前記内燃機関のトルクを削減することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両制御装置。
  4. 前記トルク制御手段は、前記推定した現在ガタ量が前記トータルガタ量に達した後、駆動系の固有振動周期の半周期が経過するまで、前記内燃機関のトルクの削減を継続し、前記駆動系の固有振動周期の半周期が経過した後、前記内燃機関のトルクをステップ状に復帰させることを特徴とする請求項3に記載の車両制御装置。
  5. 前記トルク制御手段は、前記内燃機関のトルクを削減する場合は、点火時期遅角制御を実行することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の車両制御装置。
  6. 前記推定された現在ガタ量に基づいて、前記トータルガタ量を更新するトータルガタ量学習手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の車両制御装置。
  7. 内燃機関のトルクを変速機に伝達する車両の車両制御方法において、
    前記変速機の入出力回転数差に基づいて、駆動系捩りモデルを使用して、ガタ要素の現在ガタ量を推定する現在ガタ量推定工程と、
    前記内燃機関のトルクを制御するとともに、前記ガタ要素のトータルガタ量と前記推定された現在ガタ量とを比較して、前記内燃機関のトルク増減タイミングを決定するトルク制御工程と、
    を含むことを特徴とする車両制御方法。
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