JP2015051742A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】目標駆動力や目標制動力に実際の駆動力や制動力を追従させるために変速比を一時的に変更した後に、その変速比を復帰させる際の変速速度を向上させることができる車両の駆動力制御装置を提供する。
【解決手段】目標駆動力または目標制動力を内燃機関の出力トルクと変速比を変更することに伴って生じるイナーシャトルクとにより出力する駆動力制御手段と、駆動力制御手段により変更された変速比を復帰させる場合に、内燃機関の出力トルクを、駆動力制御手段により変更された変速比を復帰させることに伴って生じるイナーシャトルクと駆動力変更手段により内燃機関に要求される出力トルクとを加算したトルクに制御する出力トルク制御手段(ステップS7)とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関と変速機とを備えた車両の駆動力制御装置に関するものである。
従来、運転者によるアクセルペダルの操作量などの要求駆動力と車速とに応じて内燃機関の出力を制御するように構成されている車両が知られている。このように構成された車両は、通常、アクセルペダルの踏み込み量が比較的大きい場合には、そのアクセルペダルの踏み込み量に基づく要求加速度に応じて内燃機関の出力を増大させるように構成されている。それとは反対に、アクセルペダルの踏み込み量が比較的小さい場合には、内燃機関のポンピングロスなどによる動力損失によって制動力を作用させるように構成されている。また、内燃機関の制動力を制御する手段として、スロットルバルブの開度を制御する手段や、点火タイミングを遅らせる遅角制御などが知られている。
また、その内燃機関と駆動輪との間に変速機を設けている場合には、変速機の変速比を変更することにより内燃機関の回転数を制御することができる。そのため、変速機の変速比は、通常、内燃機関の燃費が良好になるように定められる。一方、内燃機関の動力損失によって制動力を作用させる場合には、要求される制動力に応じて内燃機関の回転数を定めて変速機の変速比が定められる。
このように構成された内燃機関と変速機とを備えた車両は、要求駆動力が急激に増大して変速比を増大させると、内燃機関の回転数が増加する。したがって、その変速速度が速いと、内燃機関の回転数を増加させるためにエネルギーが消費されて一時的に加速度が低下する場合がある。言い換えると、内燃機関の回転数が増加する際に、内燃機関から出力されるトルクの内、一部のトルクがイナーシャトルクとして吸収され、一時的に加速度が低下する場合がある。そのため、特許文献1に記載された制御装置は、変速比を所定の変速速度以上で増大させるときに、内燃機関の回転数が増加する際に吸収されるイナーシャトルク分を、内燃機関の目標出力トルクに加算するように構成されている。このように内燃機関の出力を制御することにより、内燃機関の回転数を急速に増大させることができ、その結果、変速速度を速めることができる。また、一時的に加速度が低下することを抑制もしくは防止することができる。なお、要求制動力が内燃機関により駆動輪に作用させることができる制動力以上の場合には、変速比を増大させるように構成された制御装置が特許文献2に記載されている。
国際公開第92/17348号 特開2007−038933号公報
ところで、目標駆動力や目標制動力を増減する場合に、内燃機関の出力トルクを制御して駆動力や制動力を制御すると、内燃機関の出力トルクの応答遅れなどにより、過渡的に目標駆動力や目標制動力に実際の駆動力や制動力を追従させることができない場合がある。そのような場合に、変速に伴って生じるイナーシャトルクを駆動力あるいは制動力として駆動輪に伝達することにより、目標駆動力や目標制動力に実際の駆動力や制動力を追従させることが考えられる。しかしながら、そのように変速比を変更した場合には、その変更した変速比を元の変速比あるいは運転者の操作に応じた変速比に復帰させることとなる。そのように変速比を復帰させると、変速に伴ってイナーシャトルクが生じて目標駆動力あるいは目標制動力への追従性が損なわれるとともに、内燃機関の回転数が変化しにくくなる場合がある。その結果、変速比を復帰させる際の変速が遅れる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、目標駆動力や目標制動力に実際の駆動力や制動力を追従させるために変速比を一時的に変更した後に、その変速比を復帰させる際の変速速度を向上させることができる車両の駆動力制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、駆動力を出力するとともに前記駆動力を増減させることができる内燃機関と、前記内燃機関と駆動輪との間に配置されて、前記内燃機関の回転数を増減させる変速機とを備えた車両の駆動力制御装置において、目標駆動力または目標制動力を前記内燃機関の出力トルクと前記変速比を変更することに伴って生じるイナーシャトルクとにより出力する駆動力制御手段と、前記駆動力制御手段により変更された変速比を復帰させる場合に、前記内燃機関の出力トルクを、前記駆動力制御手段により変更された変速比を復帰させることに伴って生じるイナーシャトルクと前記駆動力変更手段により前記内燃機関に要求される出力トルクとを加算したトルクに制御する出力トルク制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
この発明によれば、駆動力制御手段により、目標駆動力または目標制動力を内燃機関の出力トルクと変速比を変更することに伴って生じるイナーシャトルクとにより出力するように構成されている。そして、その変更された変速比を復帰させる場合に、内燃機関の出力トルクは、変速比を復帰させることに伴って生じるイナーシャトルクと駆動力制御手段により内燃機関に要求される出力トルクとを加算したトルクに制御される。そのため、内燃機関の出力トルクを変更することにより変速比を復帰させることにより伴って生じるイナーシャトルクを相殺させることができる。その結果、目標駆動力または目標制動力への追従性が低下することを抑制もしくは防止しつつ、変速比を復帰させる際の変速速度を向上させることができる。
この発明に係る制御装置の制御の一例を説明するためのフローチャートである。 図1に示す制御において変速比を復帰させるときにエンジントルクで変速に伴うイナーシャトルクを補償しない場合の車速、アウトプットトルク、エンジントルク、変速比、インプット回転数の変化速度、イナーシャトルクの変化を示すタイムチャートである。 図1に示す制御において変速比を復帰させるときにエンジントルクで補償する場合の車速、アウトプットトルク、エンジントルク、変速比、イナーシャトルクの変化を示すタイムチャートである。 この発明で対象とする車両の一例を示す模式図である。
図4は、この発明で対象とする車両の一例を模式的に示す図である。図4に示す車両Veは、駆動力源である内燃機関1を備えている。この内燃機関1の一例として、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、あるいはLPGエンジンなどが挙げられる。なお、以下の説明では、内燃機関1をエンジン1と記す。このエンジン1は、従来知られたエンジンと同様に構成することができ、スロットルバルブの開度を変化させあるいは点火タイミングを変化させることにより、出力される駆動力を変化させることができるように構成されている。
また、図4に示すエンジン1とトルクの伝達が可能に変速機2が設けられている。この変速機2は、変速比を変化させることによりエンジン回転数を制御するように構成されたものであって、ベルトによってトルクを伝達するベルト式無段変速機やパワーローラによってトルクを伝達するトロイダル式無段変速機など、変速比を連続的に変化させることができるものが好ましい。そして、変速機2の出力側に駆動輪3,3が連結されている。なお、図4に示す例では、フロントエンジン・リヤドライブ方式の車両を例に挙げて示しているが、特にこれに限定されない。
これらエンジン1および変速機2は、電子制御装置4によって制御される。この電子制御装置4には、車速センサ、アクセルペダルの開度を検出するセンサ、操舵角を検出するセンサなど種々のセンサ5から信号が入力されている。そして、予め記憶された演算式やマップを備え、入力された信号に応じてエンジン1や変速機2に信号を出力するように構成されている。このように電子制御装置4によってエンジン1の出力トルクが定められ、また変速機2の変速比が定められる。
図4に示すように構成された車両Veは、旋回性能を向上させるためや上下振動を低減させるためなど種々の条件に応じて、運転者によるアクセルペダルの操作量などに基づいて定められる要求駆動力や要求制動力とは異なった駆動力や制動力を一時的に出力させることができるように構成されている。その一例として、旋回時の曲率半径を大きくする場合には駆動力を増大させ、それとは反対に旋回時の曲率半径を小さくする場合には制動力を増大させるように構成されている。なお、上記のように要求駆動力あるいは要求制動力とは異なった駆動力や制動力を一時的に出力させる制御を、以下の説明では、駆動力制御と記す場合がある。また、駆動力と制動力とを区別する必要がない場合には、以下の説明では制駆動力と記す場合がある。
この発明に係る駆動力制御装置は、上記のように制駆動力を増減させるために変速比を一時的に変更して制駆動力を出力する場合に、その変速比を復帰させる際の変速速度を向上させることができるように構成されている。図1は、その制御の一例を説明するためのフローチャートである。図1に示す制御は、上記駆動力制御が開始されることによって実行され、ごく短時間毎に繰り返し実行される。図1に示す制御例では、まず、現在のエンジントルクTe と変速比γ1 とが読み込まれる(ステップS1)。なお、現在のエンジントルクTe は、トルクセンサをエンジン1の出力軸に設けて検出してもよく、またはスロットル開度と車速とから定められるエンジン1の出力(パワー)とエンジン回転数とに基づいて判断していてもよい。また、変速比γ1 は、車速とエンジン回転数とに基づいて算出されたものであってもよく、あるいは変速機2を制御する電子制御装置4の出力信号に応じて判断していてもよい。すなわち、エンジントルクTe や変速比γ1 は、検出値であってもよくそれを演算することができる指標などであってもよい。
ついで、目標駆動力Ft と目標駆動力変化速度dFt/dt とを算出する(ステップS2)。具体的には、上記旋回性能を向上させる制御や上下振動を低減させる制御などに応じて目標駆動力Ft (変速機2の出力トルク)が算出される。そして、その算出された出力トルクと現在の変速機2の出力トルクとの偏差および上記算出された出力トルクを出力するまでに要求される時間から、目標駆動力変化速度dFt/dt が算出される。
ステップS2で算出された目標駆動力Ft と、目標駆動力変化速度dFt/dt と、エンジン1の出力のみを制御することにより変速機2から出力することが可能なアウトプットトルクTo とを比較して変速制御を開始するか否かを判断する(ステップS3)。すなわち、エンジン1の出力のみを制御することにより、実際の駆動力を目標駆動力Ft および目標駆動力変化速度dFt/dt に追従させることができるか否かを判断する。言い換えると、エンジン1の出力トルクTe のみを変化させることにより、目標駆動力Ft および目標駆動力変化速度dFt/dt に応じて定められる駆動力変化の軌跡に沿って駆動力を変化させることができるか否かを判断する。したがって、目標駆動力Ft が大きい場合には、ステップS3で否定的に判断される。また、エンジン1の出力トルクTe の変化速度は比較的遅いので、目標駆動力変化速度dFt/dt が大きい場合にもステップS3で否定的に判断される。そして、ステップS3で否定的に判断された場合は、エンジン1の出力トルクTe のみを制御して目標駆動力Ft および目標駆動力変化速度dFt/dt に実際の駆動力を追従させて出力することができるので、エンジン1の出力トルクTe のみを目標駆動力Ft および目標駆動力変化速度dFt/dt に基づいて制御する。なお、エンジン1の出力トルクTe は、スロットル開度の制御または遅角制御などにより行うことができる。
それとは反対に、エンジン1の出力トルクTe のみを制御して目標駆動力Ft および目標駆動力変化速度dFt/dt に実際の駆動力を追従させて出力することができず、ステップS3で否定的に判断された場合は、目標駆動力Ft および目標駆動力変化速度dFt/dt から定められる所定時間毎の目標駆動力と、エンジン1の実際の出力トルクTe との偏差分をイナーシャトルクTi によって補正するように変速比を演算する(ステップS4)。具体的には、現在のエンジン1の出力トルクTe に基づく実際の駆動力と上記所定時間毎の目標駆動力との偏差ΔTを求める。また、変速比を変更することによりエンジン1など変速機2の入力側の回転数が変化するので、その回転数の変化率と入力側の回転部材の慣性モーメントとから変速に伴って生じるイナーシャトルクTi を算出することができる。したがって、変速に伴って生じるイナーシャトルクTi が、上記偏差ΔTと同一となるように変速比を定める。そして、エンジン1の出力トルクTe を所定時間毎の目標駆動力に追従させるように制御しつつ、その所定時間毎の目標駆動力とエンジン1の出力トルクに基づく駆動力との偏差分をイナーシャトルクTi として補うように変速比を上記のように定められた変速比に変化させる。
上記のようにエンジン1の出力トルクTe および変速比を制御することにより、実際の駆動力が目標駆動力Ft に到達したか否かを判断する(ステップS5)。実際の駆動力が目標駆動力Ft に到達していないことによりステップS5で否定的に判断された場合には、実際の駆動力が目標駆動力Ft に到達するまでステップS4を継続する。それとは反対に、実際の駆動力が目標駆動力Ft に到達したことによりステップS5で肯定的に判断された場合は、目標駆動力Ft に実際の駆動力を追従させるために過渡的に変更した変速比を、元の変速比γ1 に変更させるための制御(復帰制御)を実行する。具体的には、まず、現在のエンジン1の出力トルクTe と制御可能なエンジン1の出力トルク、言い換えると、エンジン1の出力トルクの上限値Tmax との差が、所定値α以上か否かを判断する(ステップS6)。これは、実際の駆動力を目標駆動力Ft に維持させつつ、元の変速比γ1 に変更する際に生じるイナーシャトルクTi をエンジン1の出力出力トルクTe によって打ち消すことができるか否かを判断するためである。言い換えると、変速により生じるイナーシャトルクTi を、エンジン1の出力トルクTe を変更することにより補償することができるか否かを判断するためである。なお、ステップS6における所定値αは、変速比を変更する際に生じるイナーシャトルクTi に応じて変更した値であってもよく、予め定められた値であってもよい。また、上記エンジン1の出力トルクの上限値Tmax は、制動力を出力する場合には、エンジン1のエンジンブレーキ力の上限値である。
したがって、エンジン1の出力トルクTe と制御可能なエンジン1の出力トルクTmax との差が、所定値α以上であってステップS6で肯定的に判断された場合には、変速比を元に戻すまでに生じるイナーシャトルクTi を算出し、かつそのイナーシャトルクTi 分をエンジン1の出力トルクTe の制御量に加算する(ステップS7)。それとは反対に、エンジン1の出力トルクTe と制御可能なエンジン1の出力トルクTmax との差が、所定値α未満であってステップS6で否定的に判断された場合には、エンジン1の出力トルクTe を目標駆動力Ft に追従させるように制御し、現在の出力加速度から目標駆動力Ft 以下のイナーシャトルクTi になるように現在のエンジン1の出力トルクTe を考慮して変速比を算出する(ステップS8)。なお、ステップS8で算出される変速比の一例として、従来知られたウェーバーの法則に則った加速度以下になる変速比、あるいは運転者が違和感を感じない程度の加速度になる変速比を算出する。
そして、ステップS7またはステップS8に応じてエンジン1の出力トルクTe および変速比を制御して、変速比が運転者のアクセルペダルの操作量などに応じた変速比γ1 に復帰したか否かを判断する(ステップS9)。すなわち、ステップS3ないしステップS5は、エンジン1の出力トルクTe のみでは、目標駆動力Ft に追従させることができないために、過渡的に変速比を変更することによるイナーシャトルクTi によって駆動力を補償しているので、エンジン1の出力トルクTe をステップS7またはステップS8に応じて制御することにより変速比が徐々に運転者のアクセルペダルの操作量などに応じた変速比γ1 に復帰する。したがって、変速比が運転者のアクセルペダルの操作量などに応じた変速比γ1 に復帰していないことによりステップS9で否定的に判断された場合は、ステップS6ないしステップS8を繰り返し実行する。それとは反対にステップS9で肯定的に判断された場合は、この制御を一旦終了する。
つぎに、図1に示す制御を実行した場合における車速V、アウトプットトルクTo 、エンジントルクTe 、変速比γ、インプット回転数の変化速度dω/dt、イナーシャトルクTi の変化を図2ないし図3を参照して説明する。なお、図2は、図1に示す制御におけるステップS6で否定的に判断された際の車速V、アウトプットトルクTo 、エンジントルクTe 、変速比γ、インプット回転数の変化速度dω/dt、イナーシャトルクTi の変化を示し、図3は、図1に示す制御におけるステップS6で肯定的に判断された際の車速V、アウトプットトルクTo 、エンジントルクTe 、変速比γ、イナーシャトルクTi の変化を示している。また、図2および図3では、運転者による駆動力あるいは制動力の要求に応じて定められる車速V、アウトプットトルクTo 、エンジントルクTe 、変速比γ、インプット回転数の変化速度dω/dtに対する変化量を示している。さらに、図2および図3は、運転者による制動力が要求されている場合に、駆動力制御により更に制動力を増大させている場合を例に挙げて示している。そして、図2および図3に示すアウトプットトルクTo 、エンジントルクTe 、イナーシャトルクTi が制動力を増大させる方向を下側に示している。
図2に示す例では、t1時点で、目標駆動力Ft が、制動力を増大させる方向に変化する。これは、一時的に駆動力を低下させ、あるいは制動力を増大させるように駆動力制御が開始されたためである。そして、エンジン1の出力トルクTe を変化させて出力させることができる駆動力が、図2に示す破線のように目標駆動力Ft と乖離する場合には、図1に示すステップS3で否定的に判断される。そのため、目標駆動力Ft に実際の駆動力を追従させるために、t1時点で変速比が増大させられる。そのように変速比が増大させられると変速機2の入力側の回転数が増大する。図2には、その入力側の回転数の変化速度を、インプット回転変化速度dω/dtと示している。変速比を増大させた場合には、インプット回転変化速度dω/dtおよび変速機2の入力側の慣性モーメントに応じて生じるイナーシャトルクTi は、制動力を増大させる方向に作用する。なお、図2に破線で示すエンジン1の出力トルクTe と、目標駆動力Ft との偏差とイナーシャトルクTi とが一致するように変速比が設定される。
そして、実際の駆動力(アウトプットトルクTo )が、目標駆動力Ft まで到達すると(t2時点)、図1に示すステップS4で肯定的に判断される。したがって、変速比を運転者による制動力の要求に応じて定められる変速比γ1 に復帰させる制御が実行される。なお、図2に示す例は、変速比を復帰させるときにエンジン1の出力トルクTe を制御して変速に伴うイナーシャトルクTi を補償しない場合である。したがって、図2に示す例では、エンジン1の出力トルクTe は、目標駆動力Ft に追従するように制御する。そして、エンジン1の出力トルクTe が増加することに伴って、出力するべきイナーシャトルクTi が低下するので、変速比が徐々に運転者によるアクセルペダルなどの操作量に応じた変速比γ1 まで低下する。それに伴って制動力として生じるイナーシャトルクTi が低下する。そして、運転者によるアクセルペダルなどの操作量に応じた変速比γ1 まで低下すると(t3時点)、変速制御が終了する。なお、上述したようにウェーバーの法則や運転者が違和感を感じない程度の加速度の変化となるように変速比が低下させられる。
さらに、駆動力制御が終了すると、目標駆動力Ft は、運転者によるアクセルペダルなどの操作量に応じた駆動力に移行する。そのため、駆動力制御が実行されている際の目標駆動力Ft を増加させる必要がある。そのように目標駆動力Ft を増加させる場合も、上記図1の制御と同様に行うことができる。したがって、図2に示す例では、まず、目標駆動力を増加させるとき(t4時点)に、変速比を低下させる。そのため、変速に伴って生じるイナーシャトルクTi が制動力を低下させる方向に作用する。さらに、一時遅れてエンジン1の出力トルクTe が増加し始める。そして、運転者によるアクセルペダルなどの操作量に応じた駆動力まで増加すると、駆動力制御が終了する(t5時点)。さらに、上記と同様にエンジン1の出力トルクTe を、運転者によるアクセルペダルなどの操作量に応じたトルクまで増加させ、かつそのエンジン1の出力トルクTe と目標駆動力Ft との偏差に応じて変速比を変化させて、その変速比が運転者によるアクセルペダルなどの操作量に応じた変速比まで増加すると(t6時点)、変速制御が終了する。なお、制動力が一時的に増大されかつその制動力は比較的小さいので、車速はほぼ一定に保たれている。
つぎに、変速比を復帰させるときにエンジン1の出力トルクTe を制御して変速に伴うイナーシャトルクTi を補償する場合、すなわち図1に示すステップS6で肯定的に判断される場合における車速V、アウトプットトルクTo 、エンジントルクTe 、変速比γ、イナーシャトルクTi の変化の一例を説明する。図3に示す例では、図2と同様に、まず、t7時点で目標駆動力Ft が増大し、それに伴ってエンジン1の出力トルクTe を増加させるとともに、変速比が増大させられる。そして、図3に示す例では、現在のエンジン1の出力トルクTe とエンジン1の出力トルクの上限値Tmax との差が所定値α以上であり、図1に示すステップS6で肯定的に判断される。そのため、t8時点から変速比を、運転者によるアクセルペダルなどの操作量に応じた変速比γ1 に復帰させるために、変速比の変化率が徐々に低下させられる。
そして、変速比を低下させることにより生じるイナーシャトルクTi は、図3に示すように制動力を低下させる方向に作用する。そのため、図3に示す例では、その変速比を低下させることにより生じるイナーシャトルクTi 分、エンジン1による制動力を増大させる。その結果、目標駆動力Ft に実際の駆動力を追従させつつ、変速比を迅速に運転者によるアクセルペダルなどの操作量に応じた変速比γ1 まで低下させることができる。これは、エンジン1による制動力を増大させることにより、変速によって生じるイナーシャトルクTi を相殺させることができ、その結果、エンジン1の回転数を迅速に低下させることができるからである。なお、図3には、図2と同様に制御した場合におけるアウトプットトルクTo 、エンジントルクTe 、変速比γの変化を破線で示している。そして、駆動力制御を終了させるために運転者によるアクセルペダルなどの操作量に応じて駆動力に戻す場合には、図2におけるt4時点以降と同様に制御する。
上述したようにエンジン1の出力トルクTe に基づく駆動力と目標駆動力Ft との差分をイナーシャトルクによって出力することができるように変速比を定めることにより、駆動力と目標駆動力とが乖離することを抑制もしくは防止すること、言い換えると、駆動力を目標駆動力に追従させて変化させることができる。なお、図2および図3にハッチングを付してある部分は、エンジン1のみの出力トルクTe を制御した場合における制動力と、図1に示す制御を行った場合における制動力との差を示している。また、過渡的に駆動力を増大させるために変速比を変化させた後に、運転者による要求制動力に基づいて定められる変速比に復帰させる場合に、その変速に伴って生じるイナーシャトルクTi を算出して、そのイナーシャトルクTi を相殺させるようにエンジン1の出力トルクe を制御することにより、運転者による要求制動力に基づいて定められる変速比に迅速に復帰させることができる。すなわち、変速比の復帰時における変速速度を向上させることができる。また、変速に伴って生じるイナーシャトルクTi を加味してエンジン1の出力トルクTe を制御しているので、目標制動力への追従性が低下することを抑制もしくは防止することができる。
なお、図2および図3では、駆動力制御により要求制動力よりも制動力を増大させる場合を例に挙げて説明したが、駆動力制御により要求駆動力よりも駆動力を増大させる場合であっても同様に制御を行うことができる。すなわち、駆動力を増大させる場合には、変速比を低下させることによって生じるイナーシャトルクによって駆動力を増大させ、その変速比の変化率をエンジンの出力トルクと目標駆動力との偏差から求めればよい。
1…エンジン、 2…変速機、 3…駆動輪、 4…電子制御装置、 5…センサ、 Ve…車両。

Claims (1)

  1. 駆動力を出力するとともに前記駆動力を増減させることができる内燃機関と、前記内燃機関と駆動輪との間に配置されて、前記内燃機関の回転数を増減させる変速機とを備えた車両の駆動力制御装置において、
    目標駆動力または目標制動力を前記内燃機関の出力トルクと前記変速比を変更することに伴って生じるイナーシャトルクとにより出力する駆動力制御手段と、
    前記駆動力制御手段により変更された変速比を復帰させる場合に、前記内燃機関の出力トルクを、前記駆動力制御手段により変更された変速比を復帰させることに伴って生じるイナーシャトルクと前記駆動力変更手段により前記内燃機関に要求される出力トルクとを加算したトルクに制御する出力トルク制御手段と
    を備えていることを特徴とする車両の駆動力制御装置。
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