JP5076954B2 - プリプレグ、及び熱硬化性樹脂積層板 - Google Patents

プリプレグ、及び熱硬化性樹脂積層板 Download PDF

Info

Publication number
JP5076954B2
JP5076954B2 JP2008036285A JP2008036285A JP5076954B2 JP 5076954 B2 JP5076954 B2 JP 5076954B2 JP 2008036285 A JP2008036285 A JP 2008036285A JP 2008036285 A JP2008036285 A JP 2008036285A JP 5076954 B2 JP5076954 B2 JP 5076954B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
prepreg
thermosetting resin
resin
weight
laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008036285A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009191234A (ja
Inventor
尚宏 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2008036285A priority Critical patent/JP5076954B2/ja
Publication of JP2009191234A publication Critical patent/JP2009191234A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5076954B2 publication Critical patent/JP5076954B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、プリプレグおよび、当該プリプレグを用いた熱硬化性樹脂積層板に関する。
電気・電子機器等に使用される熱硬化性樹脂積層板は、フェノール樹脂配合ワニスなどの熱硬化性樹脂配合ワニスを基材に含浸乾燥させてプリプレグを調製し、該プリプレグを単独で使用又は複数枚積層し、用途に応じてこの片面または両面に接着剤付金属箔を重ね合わせた後、加熱加圧成形して製造されている(例えば、特許文献1参照)。
熱硬化性樹脂積層板の樹脂を含浸させる基材としては、従来、ガラス織布、ガラス不織布等のガラス繊維基材、ポリイミド繊維基材、ポリエステル繊維基材等の有機繊維基材、クラフト紙、リンター紙等の紙基材が用いられてきた。
しかしながら、ガラス繊維基材を用いた場合、積層板の外形又は穴をプレス加工する際に打抜いた箇所が毛羽立ったり、クラックが入るなど打抜き加工性が劣るという問題があった。紙基材を用いた場合、ガラス繊維基材と比べると打抜き加工性が改善されるものの、従来用いられてきたクラフト紙、リンター紙のような紙基材では、打抜いた箇所の毛羽立ちがなお問題となったり、特に低温加工時の場合など、打抜き加工性が不十分な場合があった。
特開2001−114982号公報
本発明の目的は、熱硬化性樹脂積層板にした際に打抜き加工性に優れるプリプレグ、並びに、打抜き加工性に優れる熱硬化性樹脂積層板を提供することである。
このような目的は、下記(1)〜()記載の本発明により達成される。
(1)熱硬化性樹脂組成物を、基材に含浸してなるプリプレグであって、前記基材が、再生セルロース連続長繊維を70重量%以上含む不織布又は織布であり、前記再生セルロース連続長繊維が、銅アンモニアレーヨン連続長繊維であることを特徴とするプリプレグ。
(2)前記基材が、再生セルロース連続長繊維不織布又は織布であることを特徴とする、上記(1)に記載のプリプレグ。
)前記熱硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂及び/又はフェノール樹脂を含むことを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載のプリプレグ。
)上記(1)乃至()のいずれかに記載のプリプレグ1枚以上を成形してなる、熱硬化性樹脂積層板。
本発明のプリプレグは、熱硬化性樹脂積層板にした際に打抜き加工性に優れるものであり、高精度の加工に適し、また打抜き加工時に粉塵が発生し難いという効果を奏する。また、本発明の熱硬化性樹脂積層板は、打抜き加工性に優れるものであり、高精度の加工に適し、また打抜き加工時に粉塵が発生し難いという効果を奏する。
本発明に係るプリプレグは、熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸してなるプリプレグであって、前記基材が、再生セルロース連続長繊維を70重量%以上含む不織布又は織布であることを特徴とする。
本発明によれば、基材が再生セルロース連続長繊維を70重量%以上含む不織布又は織布であることにより、熱硬化性樹脂積層板にした際に打抜き加工性に優れるプリプレグを得ることができる。なお、打抜き加工性とは、積層板の外形及び穴などをプレス加工する時の加工特性をいう。打抜き加工性を向上することで、従来困難であった高精度の加工が可能になったり、打抜き加工時に発生する粉塵が低減して電子部品の接続信頼性が向上したり、積層板を用いた物品の量産において低コスト化が可能になる等のメリットがある。
本発明に係るプリプレグが、基材として再生セルロース連続長繊維を70重量%以上含む不織布又は織布を用いることにより、打抜き加工性に優れるのは、従来のクラフト紙やリンター紙の紙基材に比べて、再生セルロース連続長繊維が比較的均一な形状を有していると共に、長繊維であるため、クラフト紙やリンター紙の短繊維と比べて、打抜き時に不織布または織布から脱落する繊維が少ないことなどに起因すると推定される。
まず、本発明で用いられる基材について説明する。
本発明で用いられるプリプレグの基材は、再生セルロース連続長繊維を70重量%以上含む不織布又は織布である。30重量%以下の範囲で含まれ得る、再生セルロース連続長繊維以外の繊維としても長繊維であることが好ましい。30%重量以下の範囲で含まれ得る再生セルロース連続長繊維以外の繊維としては、例えばポリエステル、ポリアミド等の合成繊維が挙げられる。再生セルロース連続長繊維以外の繊維が含まれる場合の態様としては、例えばポリエステル繊維からなる不織布又は織布からなる層と再生セルロース連続長繊維を70重量%以上含む不織布又は織布からなる層との多層複合体であっても良い。
中でも、本発明で用いられるプリプレグの基材は、再生セルロース連続長繊維100%からなる不織布又は織布であることが、打抜き加工性の点から好ましい。また、再生セルロース連続長繊維としては、中でも銅アンモニアレーヨン連続長繊維が、打抜き加工性の点から好ましい。
本発明の好ましい基材としては、中でも銅アンモニアレーヨン連続長繊維不織布又は織布が好ましく、銅アンモニアレーヨン連続長繊維不織布としては例えば旭化成せんい株式会社製のベンリーゼ(登録商標)、銅アンモニアレーヨン連続長繊維織布としては例えば旭化成せんい株式会社製のベンベルグ(登録商標)がこれに相当する。
銅アンモニアレーヨン連続長繊維不織布の製造方法は、異物を除去し、重合度を調整したコットンリンターを銅アンモニウム溶液に溶解させた原液を、細孔(原液吐出孔)を有する紡糸口金(紡口)から押し出し、水と共に漏斗内を落下させ、脱アンモニアさせることにより原液を凝固させつつ、延伸を行い、ネット上へ振り落としウエブを形成させる。この際、ネットを進行させながら、進行方向と垂直方向へ振動させることにより、ネットへ振り落とされる繊維はsinカーブを描くことになる。紡糸時の延伸は100〜500倍が可能であり、紡糸漏斗の形状と、その中を流下させる紡糸水量を変えることにより、延伸倍率の調整が任意に可能である。延伸倍率を変えることにより、単繊度や不織布の強度を変えることが可能である。また、紡糸水量や温度を変化させることにより、原液内に微量残留する低分子量セルロース、いわゆるヘミセルロースをコントロールすることも可能である。また、ネットの進行速度、振動幅を制御することにより、繊維配列方向を制御し、不織布としての強度や伸度等をコントロールすることが可能である。紡糸漏斗の形状としては、矩形型が好ましく、流下させる紡糸漏斗の長さは100〜400mm、流下出口のスリット幅は2〜5mmが好ましい。紡糸に用いる紡口の原液吐出孔の直径は0.1〜0.5mmが好ましく、形状は丸型が好ましい。
また、不織布の均一性を確保する意味から、ウエブを積層して不織布化することが好ましく、その積層枚数は3〜10枚が好ましい。積層後のウエブを、例えば、特許第787914号公報、特許第877579号公報に記載の方法により、ウエブ状態でセルロースを再生させたり、精練したりした後、高圧水流により繊維交絡させた不織布を製造することもできる。この際に、不織布に穴や凹凸をつけたりすることが、高圧水流の条件や不織布の下及び/又は上に配置されるネットの柄によって可能となる。得られた不織布は、乾燥、巻き取り品として得ることができる。紡糸から巻き取りまでが一連の工程で成されるため、繊維が切断されずに連続的に繋がっている。
本発明の基材に用いられる不織布又は織布は、目付及び厚みは、用途により適宜選択が可能である。樹脂を含浸させる点、及び強度や硬さ等の性能の点から、通常、目付が8〜150g/mが好ましく、より好ましくは10〜120g/m、更に好ましくは20〜100g/mである。また、厚みは通常、0.03〜1mmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.8mmである。
次に、本発明で用いられる熱硬化性樹脂組成物について説明する。
熱硬化性樹脂組成物に含まれる熱硬化性樹脂は、適当な粘性をもつ液体を原料とし,加熱すると網状構造となって不溶不融の状態に硬化する合成樹脂をいう。熱硬化性樹脂としては、尿素樹脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂,エポキシ樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,アルキド樹脂,ウレタン樹脂などが挙げられる。
本発明のプリプレグに用いられる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂及び/又はフェノール樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであればよく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられ、またこれらを臭素化したものであってもよい。また、これらのエポキシ樹脂の分子量は特に制限はなく、何種類かを併用しても良い。
エポキシ樹脂組成物にて用いられる硬化剤としては、公知のものが使用可能であり、例えば、後述するようなノボラック型フェノール樹脂や1,1,1−トリスヒドロキシフェニルエタン等の多価フェノール類、芳香族アミン、脂肪族アミン等のアミン系硬化剤、酸無水物、ジシアンジアミド、ヒドラジド化合物等が挙げられる。好ましくは、ジシアンジアミドあるいは多価フェノール類である。
一方、フェノール樹脂としては、例えば未変性のノボラック型フェノール樹脂、ビスフェノールA型ノボラック型フェノール樹脂、ビスフェノールF型ノボラック型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、アルキルフェノールノボラック型フェノール樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、未変性のレゾール型フェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等の乾性油変性レゾール型フェノール樹脂、大豆油、綿実油、サフラワー油等の半乾性油変性レゾール型フェノール樹脂等の油変性レゾール型フェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂が挙げられる。
これらの中でも前記フェノール樹脂は、油変性フェノール樹脂(特に油変性レゾール型フェノール樹脂)を含むものであることが好ましい。これにより、打抜き加工性を向上することができる。これらの中でも桐油変性レゾール型フェノール樹脂が好ましい。前記油変性フェノール樹脂の油変性量は、特に限定されないが、油変性フェノール樹脂全体の5〜50重量%が好ましく、特に10〜30重量%が好ましい。変性量が前記下限値未満であると打抜き加工性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると耐熱性を向上する効果が低下する場合がある。
また、前記フェノール樹脂は、レゾール型フェノール樹脂と、ノボラック型フェノール樹脂との混合物を含むことが好ましい。これにより、寸法特性を向上することができる。
前記レゾール型フェノール樹脂と、前記ノボラック型フェノール樹脂との混合比率は、特に限定されないが、重量比で9:1〜4:6が好ましく、特に:8:2〜6:4が好ましい。重量比が前記範囲内であると、特に寸法安定性を向上することができる。
前記ノボラック型フェノール樹脂の2核体の含有量は、特に限定されないが、フェノール樹脂全体の15重量%以上であることが好ましく、特に20〜80重量%以上であることが好ましい。含有量が前記下限値未満であると、耐熱性と打抜き加工性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると硬化性が低下し、電気特性が低下する場合がある。
上述のような2核体含有量を有するノボラック型フェノール樹脂を製造する方法としては、フェノール類とアルデヒド類とを、通常用いられるシュウ酸等の酸触媒で反応させた後、蒸留等する方法、およびフェノール類とアルデヒド類とを有機ホスホン酸を触媒として反応させる方法等が挙げられる。これらの中でも触媒と有機ホスホン酸を用いる方法が好ましい。これにより、蒸留等の後工程を省略でき、作業性を向上することができる。また、有機ホスホン酸を触媒として用いて得られるノボラック型フェノール樹脂は、未反応のフリーフェノール量が少ないため、有害な物質が少なく作業環境をも向上することができる。
更に、フェノール樹脂を主体としたフェノール樹脂組成物とする場合であっても、更に前述のようなエポキシ樹脂を含むことが好ましい。これにより、寸法特性を特に向上することができる。
この場合のエポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、フェノール樹脂組成物全体の5〜30重量%が好ましく、特に10〜20重量%が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に寸法安定性を向上することができる。
本発明に用いられる熱硬化性樹脂組成物は、特に限定されないが、リン化合物を含んでも良い。これにより、ノンハロゲンで難燃性を付与することができる。更に、打抜き加工性を向上することができる。リン化合物としては、例えばリン酸エステル、縮合リン酸エステル、ホスフィンオキサイド等を挙げることができる。たとえばリン酸エステルとしては、例えばトリエチルホスフェイト、トリブチルホスフェイト、トリフェニルホスフェイト、トリクレジルホスフェイト、クレジルジフェニルホスフェイト、レゾルシルジフェニルホスフェイト、トリイソプロピルフェニルホスフェイト等が挙げられ、これらは1種または2種以上の混合系として使用される。この中で、トリフェニルホスフェイト、トリクレジルホスフェイト、クレジルジフェニルホスフェイトの中から選ばれる一種以上のリン化合物が入手の容易性の点で好ましい。
前記リン化合物の含有量は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂組成物全体、5〜30重量%が好ましく、特に7〜20重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満であると難燃性が低下する場合があり、前記上限値を超えると電気絶縁性、耐熱性が低下する場合がある。
また、ノンハロゲンでの難燃性が要求されない場合、ハロゲン化合物を添加することもできる。前記ハロゲン化合物としては、例えばテトラブロモビスフェノールA(TBBA)、TBBA−エポキシオリゴマー等が挙げられる。
前記ハロゲン化合物の含有量は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂組成物全体の5〜50重量%が好ましく、特に10〜30重量%が好ましい。含有量が前記範囲内であると特に難燃性を向上することができることに加え、耐熱性と打抜き加工性を向上することができる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物では、本発明の目的に反しない範囲において、アミノ樹脂等の難燃性化合物や、アミン類、イミダゾール化合物等の硬化促進剤を配合することができる。前記アミノ樹脂としては、例えばメラミン樹脂、グアナミン樹脂などであるが、難燃化の効果を高めるためにはメラミン樹脂が好ましい。アミノ樹脂は、メラミンやグアナミンなどのアミノ化合物とホルムアルデヒド等のアルデヒド類との初期反応物であり、それらのメチロール基の一部または全部をメタノール、ブタノール等の低級アルコールでエーテル化したものも含まれる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、使途により更に、離型剤、表面処理剤、充填剤等の公知の添加剤を加えても良い。離型剤としてはワックス類、ステアリン酸亜鉛等を、さらに表面処理剤としてはシランカップリング剤等を挙げることができる。充填剤としてはシリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、タルク、クレー、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
本発明に係るプリプレグは、熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸してなるものである。ここで本発明のプリプレグにおける含浸とは、基材の全体のみならず、一部に含浸しているものも含まれる。ここで、一部とは基材の厚み方向の一部であっても良いし、基材の全表面に対する一部の表面にのみ含浸しているものであっても良い。
熱硬化性樹脂組成物を前記基材に含浸させるためには、通常、熱硬化性樹脂組成物を希釈剤で希釈し、熱硬化性樹脂ワニスとする。それから、当該熱硬化性樹脂ワニスを基材に含浸する。
前記希釈剤としては、例えば水、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノールおよびプロパノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド等のアミド類等が挙げられる。入手が容易であり、かつ揮発させるのが容易であるからである。
前記熱硬化性樹脂ワニスの固形分は、特に限定されないが、20〜80重量%が好ましく、特に40〜60重量%が好ましい。固形分が前記範囲内であると、基材への含浸性に特に優れる。
前記熱硬化性樹脂ワニスを前記基材に含浸する方法としては、例えば基材をフェノール樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターによる塗布する方法、スプレーによる吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、基材を熱硬化性樹脂ワニスに浸漬する方法が好ましい。これにより、基材に対する熱硬化性樹脂組成物の含浸性を向上することができる。なお、基材を熱硬化性樹脂ワニスに浸漬する場合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。
そして、含浸後、適宜加熱して前記希釈剤を揮発させて乾燥し、プリプレグを得る。
次に、熱硬化性樹脂積層板について説明する。
本発明の熱硬化性樹脂積層板は、前記プリプレグの少なくとも1枚以上を成形してなるものである。本発明の熱硬化性樹脂積層板は、最も外側の片面または両面に導体層を有していても良い。本発明の熱硬化性樹脂積層板は、前記プリプレグ2枚以上を成形してなるときは、前記プリプレグ2枚以上を加熱加圧成形して樹脂積層板を製造することができる。本発明の熱硬化性樹脂積層板は更に、プリプレグの最も外側の片面または両面に導体層を積層して加熱加圧成形しても良い。前記本発明に係るプリプレグが1枚のときは、必要に応じて他のプリプレグ及び/又はプリプレグの片面または両面に導体層を積層して得ることができる。前記導体層は、例えば、金属箔や、銀ペーストのような導電性ペーストを用いて形成される。前記金属箔を構成する金属としては、例えば銅または銅系合金、アルミまたはアルミ系合金等が挙げられる。
本発明に係るプリプレグ、及び熱硬化性樹脂積層板は、打抜き加工が必要な積層板用途であれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、フレキ補強板、ボリウム、スイッチ、各種一般電子部品などが挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[低分子量メチロールフェノール樹脂(ワニスa)の合成]
フェノール1000g、37%ホルムアルデヒド水溶液980g、トリエチルアミン20gからなる混合物を60℃で2時間反応させ、次に減圧下で濃縮し、これをメタノールで希釈して樹脂分50%のフェノール樹脂ワニスaを得た。
[油変性フェノール樹脂(ワニスb)の合成]
フェノール1600gと桐油1300gをパラトルエンスルホン酸の存在下、95℃で2時間反応させて、次いでパラホルムアルデヒド650g、ヘキサメチレンテトラミン30g、トルエン2000gを加えて90℃で2時間反応後、減圧下で濃縮し、これをトルエンとメタノールの混合溶媒で希釈して樹脂分50%の油変性フェノール樹脂ワニスbを得た。
《実施例1》
ワニスa20重量部とワニスb80重量部を配合したワニスを、再生セルロース連続長繊維不織布であるベンリーゼ(登録商標)(SD30G:目付30.0g/m、厚み0.28mm:旭化成せんい株式会社製)に塗布、含浸し、150℃の温度で乾燥して樹脂付着量50重量%のプリプレグを得た。このプリプレグ10枚を重ね合わせ、160℃、80kg/cmで60分間加熱加圧成形して板厚0.8mmの積層板Aを得た。
《実施例2》
ワニスa20重量部とワニスb80重量部を配合したワニスを、再生セルロース連続長繊維不織布であるベンリーゼ(登録商標)(SE384:目付38.0g/m、厚み0.30mm:旭化成せんい株式会社製)に塗布、含浸し、150℃の温度で乾燥して樹脂付着量50重量%のプリプレグを得た。このプリプレグ8枚を重ね合わせ、160℃、80kg/cmで60分間加熱加圧成形して板厚0.8mmの積層板Bを得た。
《実施例3》
ワニスa20重量部とワニスb80重量部を配合したワニスを、再生セルロース連続長繊維織布であるベンベルグ(登録商標)(AK4930:81.0g/m:旭化成せんい株式会社製)に塗布、含浸し、150℃の温度で乾燥して樹脂付着量50重量%のプリプレグを得た。このプリプレグ4枚を重ね合わせ、160℃、80kg/cmで60分間加熱加圧成形して板厚0.8mmの積層板Cを得た。
《比較例1》
ワニスa20重量部とワニスb80重量部を配合したワニスを、クラフト紙(38.0g/m)に塗布、含浸し、150℃の温度で乾燥して樹脂付着量50重量%のプリプレグを得た。このプリプレグ8枚を重ね合わせ、160℃、80kg/cmで60分間加熱加圧成形して板厚0.8mmの積層板Dを得た。
《比較例2》
ワニスa20重量部とワニスb80重量部を配合したワニスを、ガラス織布(38.0g/m)に塗布、含浸し、150℃の温度で乾燥して樹脂付着量50重量%のプリプレグを得た。このプリプレグ8枚を重ね合わせ、160℃、80kg/cmで60分間加熱加圧成形して板厚0.8mmの積層板Eを得た。
《実施例4》
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量480g/eq)100重量部に、ジシアンジアミド重量2部、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2重量部、ジメチルホルムアミド20重量部およびアセトン40重量部を加えて攪拌し、エポキシ樹脂ワニスを調製した。次に、再生セルロース連続長繊維不織布であるベンリーゼ(登録商標)(SD30G:目付30.0g/m、厚み0.28mm:旭化成せんい株式会社製)に、調製したエポキシ樹脂ワニスを塗布、含浸し、160℃の温度で乾燥して樹脂付着量50重量%のプリプレグを得た。このプリプレグ10枚を重ね合わせ、170℃、40kg/cmで90分間加熱加圧成形して板厚0.8mmの積層板Fを得た。
《実施例5》
実施例1で調製したエポキシ樹脂ワニスを、再生セルロース連続長繊維不織布であるベンリーゼ(登録商標)(SE384:目付38.0g/m、厚み0.30mm:旭化成せんい株式会社製)に塗布、含浸し、160℃の温度で乾燥して樹脂付着量50重量%のプリプレグを得た。このプリプレグ8枚を重ね合わせ、170℃、40kg/cmで90分間加熱加圧成形して板厚0.8mmの積層板Gを得た。
《実施例6》
実施例1で調製したエポキシ樹脂ワニスを、再生セルロース連続長繊維織布であるベンベルグ(登録商標)(AK4930:81.0g/m:旭化成せんい株式会社製)に塗布、含浸し、160℃の温度で乾燥して樹脂付着量50重量%のプリプレグを得た。このプリプレグ4枚を重ね合わせ、170℃、40kg/cmで90分間加熱加圧成形して板厚0.8mmの積層板Hを得た。
《比較例3》
実施例1で調製したエポキシ樹脂ワニスを、リンター紙(81.0g/m)に塗布、含浸し、160℃の温度で乾燥して樹脂付着量50重量%のプリプレグを得た。このプリプレグ4枚を重ね合わせ、170℃、40kg/cmで90分間加熱加圧成形して板厚0.8mmの積層板Iを得た。
《比較例4》
実施例1で調製したエポキシ樹脂ワニスを、ガラス織布(81.0g/m)に塗布、含浸し、160℃の温度で乾燥して樹脂付着量50重量%のプリプレグを得た。このプリプレグ4枚を重ね合わせ、160℃、80kg/cmで60分間加熱加圧成形して板厚0.8mmの積層板Jを得た。
積層板の評価:
打抜き加工性を、 ASTM D617−44により評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0005076954

Claims (4)

  1. 熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸してなるプリプレグであって、
    前記基材が、再生セルロース連続長繊維を70重量%以上含む不織布又は織布であり、前記再生セルロース連続長繊維が、銅アンモニアレーヨン連続長繊維であることを特徴とするプリプレグ。
  2. 前記基材が、再生セルロース連続長繊維不織布又は織布であることを特徴とする、請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 前記熱硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂及び/又はフェノール樹脂を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のプリプレグ。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載のプリプレグ1枚以上を成形してなる、熱硬化性樹脂積層板。
JP2008036285A 2008-02-18 2008-02-18 プリプレグ、及び熱硬化性樹脂積層板 Expired - Fee Related JP5076954B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008036285A JP5076954B2 (ja) 2008-02-18 2008-02-18 プリプレグ、及び熱硬化性樹脂積層板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008036285A JP5076954B2 (ja) 2008-02-18 2008-02-18 プリプレグ、及び熱硬化性樹脂積層板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009191234A JP2009191234A (ja) 2009-08-27
JP5076954B2 true JP5076954B2 (ja) 2012-11-21

Family

ID=41073534

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008036285A Expired - Fee Related JP5076954B2 (ja) 2008-02-18 2008-02-18 プリプレグ、及び熱硬化性樹脂積層板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5076954B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015053226A1 (ja) * 2013-10-07 2017-03-09 日東紡績株式会社 高強度かつ高弾性セルロース長繊維
JP6453575B2 (ja) 2014-06-18 2019-01-16 ダイセルポリマー株式会社 繊維強化樹脂組成物
JP6711876B2 (ja) * 2014-06-18 2020-06-17 ダイセルポリマー株式会社 繊維強化樹脂組成物
CN112157927A (zh) * 2020-09-08 2021-01-01 江苏澳盛复合材料科技有限公司 Lds工艺中热固性材料的成型工艺及其产品

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0452967A (ja) * 1990-06-20 1992-02-20 Nec Corp 集合ファイルに対する論理積演算処理方式

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009191234A (ja) 2009-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6501211B2 (ja) 半導体パッケージ用熱硬化性樹脂組成物とこれを用いたプリプレグ
JP5554500B2 (ja) プリプレグ、プリント配線板、多層回路基板、プリント配線板の製造方法
CN101228221B (zh) 树脂组合物、半固化片和层压板
JP5076954B2 (ja) プリプレグ、及び熱硬化性樹脂積層板
JP2011512441A (ja) シリコーンポリエーテルを含む熱硬化性組成物、その製造、および使用
JP4259031B2 (ja) 樹脂組成物、プリプレグおよび紙基材フェノール樹脂積層板
WO2011011920A1 (en) Amine-phenolic dual cure hardener blend for resin compositions
TWI458627B (zh) 金屬覆蓋之酚樹脂積層板
JPS6011742B2 (ja) 樹脂積層板の製造法
JPH05279496A (ja) フェノール樹脂積層板の製造法
JP4175915B2 (ja) 樹脂組成物、プリプレグおよびフェノール樹脂積層板
JP2011020340A (ja) 金属張フェノール樹脂積層板
JP3937732B2 (ja) フェノール樹脂組成物、プリプレグ及びフェノール樹脂積層板
JPH10279715A (ja) 難燃性フェノール樹脂積層板
JP4066970B2 (ja) プリプレグの製造法、積層板及びプリント配線板
JP4036050B2 (ja) 積層板形成用フェノール樹脂、積層板形成用フェノール樹脂の製造方法及びフェノール樹脂積層板
JP3065383B2 (ja) フェノール樹脂積層板の製造法
JP4893185B2 (ja) フェノール樹脂組成物、プリプレグ及びフェノール樹脂積層体
JPH0826167B2 (ja) フェノール樹脂銅張積層板
JP2011122009A (ja) 乾性油変性レゾール型フェノール樹脂、フェノール樹脂組成物、プリプレグおよび積層板
JP2000319344A (ja) 乾性油変性フェノール樹脂の製造方法及びフェノール樹脂積層板
JP2003128742A (ja) 変性ノボラック型フェノール樹脂、変性レゾール型フェノール樹脂、フェノール樹脂組成物及び積層板
JP2004123892A (ja) 樹脂組成物、プリプレグおよび紙基材フェノール樹脂積層板
JPH05138793A (ja) フエノール樹脂積層板の製造法
JPH10286925A (ja) 難燃性フェノール樹脂積層板

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20091127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20091127

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100315

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120522

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120703

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120813

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees