JP5071332B2 - インサート成形用加飾シート及び加飾樹脂成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、インサート成形に用いられる成形用加飾シート及び加飾樹脂成形品に関するものである。
従来から、樹脂成形物の表面を加飾した加飾成形品が各種用途で使用されている。例えば、特許文献1には、バッカー層を積層した成形用加飾シートを金型内壁面に形成した後、成形用樹脂を射出成形することにより、シートで表面が被覆された成形品を製造する方法、所謂インサート成形により成形品を製造する方法が提案されている。
このインサート成形において、通常、成形用加飾シートに施される模様としては、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂をバインダー樹脂とし、グラビア印刷等により平面的絵柄として形成されており、絵柄の耐久性(耐摩耗性等)を出すため、基材シートの裏面側(樹脂成形物側)に絵柄は印刷される。したがって、インサート成形品の表面は平坦、且つ均一な光沢の外観となり、そのままでは成形品表面に凹凸の意匠感を得ることはできない。
これに対して、成形品表面に、凹凸感、立体感、奥行感を付与すべく、基材シート裏面に絵柄を印刷し、表面側にエンボス(型押し)加工により表面凹凸を付与することも試みられた。しかし、エンボス加工による表面凹凸の場合、射出成形時、或いはそれに先立つ予備成形(真空成形)時の熱と応力の作用で表面凹凸が平坦面に復元してしまうことがあり、また、熱可塑性樹脂による凹凸のため、摩耗によって容易に消失したり傷付いたりすることがあった。
また、特許文献2では、基材シートに未硬化の電離放射線硬化性樹脂からなる表面保護層を設け、加熱圧により表面保護層側の面を賦形用型の微細凹凸により賦形し、その後に電離放射線を照射して微細凹凸模様を有する表面保護層を硬化させて、微細凹凸模様を有するインサートシートを製造する方法が提案されている。
さらに、特許文献3には、表面に微細凹凸を有する凹版の凹部に未硬化の電離放射線硬化性樹脂を充填し、その上から基体シートを圧着させた状態で電離放射線を照射することによる、基体シートの片面に厚さ2μm以上の硬化した微細凹凸層が形成された凹凸インサートシートが提案されている。
しかしながら、これらのシートを用いてインサート成形すると真空成形時又は射出成形時に、シート表面の凹凸模様に割れが発生するという問題があった。
特公平8−2550号公報 特開2004−42409号公報 特開2004−276416号公報
本発明は、このような状況下で、インサート成形の真空成形時又は射出成形時にもエンボス加工による凹凸を維持することができ、成形品表面に、凹凸感、立体感、奥行感などを付与することのできるインサート成形用加飾シート及び該インサート成形用加飾シートを用いた加飾樹脂成形品を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、インサート成形用加飾シートの内部にエンボス加工による凹凸模様を設け、該凹凸模様を樹脂により埋めることで、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、透明基材フィルムの上に少なくとも着色層、樹脂層及びバッカーフィルムがこの順に積層されたインサート成形用加飾シートであって、着色層から透明基材フィルムに向かってエンボス加工が施され、かつ樹脂層の厚さが該エンボス深さに対して0.3〜2.5倍であることを特徴とするインサート成形用加飾シート、及び該インサート成形用加飾シートを用いた加飾樹脂成形品である。
本発明によれば、インサート成形の真空成形時又は射出成形時にもエンボス加工による凹凸模様を維持することができるインサート成形用加飾シートを提供することができる。また、該インサート成形用加飾シートを用いた加飾樹脂成形品は、凹凸感、立体感、奥行感などを有する意匠性の高い加飾樹脂成形品である。
以下、本発明を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のインサート成形用加飾シートの断面を示す模式図である。
本発明のインサート成形用加飾シート10(以下、単に「加飾シート10」と記載することがある)は、透明基材フィルム11の上に少なくとも着色層12、樹脂層14、及びバッカーフィルム15がこの順に積層されている。
本発明の加飾シートの特徴は、着色層12の表面から透明基材フィルム11に向かってエンボス加工が施され、凹部13が設けられている点である。そして、該エンボス加工により生じた凹部には、樹脂層14を構成する樹脂が入り込み、これを埋めている。
該樹脂層14の上にはバッカーフィルム15が配されるが、樹脂層14が接着性を有しており、直接バッカーフィルム15を貼付する態様であってもよいし、また接着剤層(図示せず)を介して、バッカーフィルム15を貼付してもよい。
以下、加飾シート10を構成する各層又はフィルムについて詳細に説明する。
本発明の加飾シート10に用いられる基材フィルム11としては、熱可塑性樹脂フィルムが好適に使用される。加飾シート10を成形して使用する際に、成形性が得易いからである。
また、基材フィルム11は透明性を有することが必要である。本発明の加飾シート10を用いた成形品は基材フィルム11側から観察されるためである。なお、ここでいう透明には内部の絵柄層12が視認される程度の半透明も含むものである。
基材フィルム11に使用される熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体)、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、又はポリエチレンテレフタレート、成形性ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂、又はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂等が好ましい。
上述の内、アクリル樹脂、成形性ポリエステル樹脂等が特に好ましい。
アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等のアクリル樹脂を単体で又は2種以上混合して用いる。なお、本発明において(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
また、成形性ポリエステル樹脂としては、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、非晶性ポリエステル等が使用できる。上記ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、ハードセグメントに高結晶で高融点の芳香族ポリエステル、ソフトセグメントにはガラス転移温度が−70℃以下の非晶性ポリエーテル等を使用したブロックポリマー等があり、該高結晶性で高融点の芳香族ポリエステルには、例えばポリブチレンテレフタレートが使用され、該非晶性ポリエーテルには、ポリテトラメチレングリコール等が使用される。また、前記非晶質ポリエステルとしては、代表的には、エチレングリコール−1,4−シクロヘキサンジメタノール−テレフタル酸共重合体がある。
基材フィルム11としては、例えば上記の様な樹脂からなる単層又は多層構成の樹脂フィルムを使用する。また、基材フィルム11中には、必要に応じて適宜、安定剤、可塑剤、着色剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、体質顔料等の各種添加剤を、物性調整のために添加してもよい。なお、基材フィルム11は透明性が損なわれない範囲で着色することもできる。着色には、例えば、後述する着色層で列記するような公知の着色剤を使用できる。
なお、基材フィルム11の厚みは、コスト面、インサート成形品に対する要求性能、成形用加飾シートの成形適性等の観点から、通常30〜300μm程度(多層の場合は総厚)が好ましいが、特に限定されない。
また、基材フィルム11の表面、裏面、又は表裏両面には、基材フィルム11に接する他層との密着性向上のために、必要に応じ適宜、コロナ放電処理、プラズマ処理、ウレタン樹脂等によるプライマー層形成等の公知の易接着処理を施してもよい。
次に、本発明の加飾シートにおける着色層12は、絵柄層及び/又はベタ印刷層からなる。絵柄層の絵柄は任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、皮絞模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、幾何学模様、文字、記号等が、用途に合わせて、1種又は2種以上組み合わせて使用される。
着色層形成用のインキは、バインダー等からなるビヒクル、顔料や染料等の着色剤、これに適宜加える各種添加剤からなるが、バインダーの樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、塩素化ポリプロピレン、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等より選択される1種単独の樹脂、又は2種以上の混合樹脂が用いられる。
また、着色剤としては、例えば、チタン白、亜鉛華、カーボンブラック、鉄黒、弁柄、クロムバーミリオン、カドミウムレッド、群青、コバルトブルー、黄鉛、チタンイエロー等の無機顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、キナクリドンレッド、ポリアゾレッド、ペリレンレッド等の有機顔料(或いは染料も含む)、又はアルミニウム、真鍮、等の鱗片状箔粉からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等が使用される。
本発明では、高い意匠性を付与し得るとの観点から、特に着色層12がメタリック色のベタ印刷層の場合に好適である。
着色層12は、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の印刷法、又はロールコート等の公知の塗工法等により、従来公知の形成方法で形成すれば良い。
また、着色層12の厚さは、特に制限は無いが、通常0.5〜20μm程度である。
また、着色層12は金属顔料であるアルミニウム、インジウム、スズなどをスパッタリングなどの蒸着法によって設けることもできる。この場合の着色層12の厚さは10nm〜100nmの範囲であることが好ましい。
次に、本発明の加飾シート10は着色層12の表面から透明基材フィルム11に向かってエンボス加工が施されていることを特徴とする。
着色層12及び透明樹脂フィルム11にエンボス加工する方法としては、通常、加熱加圧によるエンボス加工法が用いられる。加熱加圧によるエンボス加工法は着色層12及び透明樹脂フィルム11の表面を加熱軟化させ、エンボス版で加圧してエンボス版の凹凸模様を賦形して、冷却し、固定化する方法であって、公知の枚葉式又は輪転式のエンボス機を用いることができる。
加熱加圧によるエンボス加工法では、着色層12が形成されている基材フィルム11上にエンボス加工を行う方法と、基材フィルム11に着色層12を塗工する工程で同時にエンボス加工を行う方法がある。
エンボス加工により設ける凹部13の深さについては、通常、10〜100μmの範囲であり、特に加飾シートに良好な凹凸感を付与することができるとの観点から、20μm以上であることが好ましい。また、凹部に樹脂を積層し、バッカー層をラミネートするに際し、エアがみが発生せず、真空成形時の加熱によるブリスター(発泡)の発生を十分に抑制し得るとの観点から70μm以下であることがさらに好ましい。なお、凹部13の深さは、エンボス版の版深によって容易に制御できる。
また、エンボス版の版深は、着色層12までで止まるようにすることもできるが、図1に示すように、樹脂フィルム11まで到達させることが意匠性の点からはより好ましい。
次いで、上記エンボス加工が施された着色層12の上に樹脂層14が積層される。該樹脂層14を構成する樹脂組成物は、塗工の際に前記エンボス加工により生じた凹部に入り込み、凹部を埋める。このことにより、後にインサート成形の真空成形時又は射出成形時にもエンボス加工による凹凸を維持することを可能とするものである。
該凹部を埋めて凹凸を維持するためには、樹脂層を構成する樹脂の選定が重要であり、かつ樹脂層としてある程度以上の厚さが必要である。この点については後に詳述する。
樹脂層14を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂を用いることができ、また硬化性樹脂を用いることもできる。熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール(ブチラール樹脂)、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン,ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン,α−メチルスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン等のアセタール樹脂、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のフッ素樹脂、ポリイミド、ポリ乳酸、ポリビニルアセタール樹脂、液晶性ポリエステル樹脂などが挙げられ、これらは1種単独でも又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上組み合わせる場合は、これらの樹脂を構成するモノマーの共重合体でもよいし、それぞれの樹脂を混合して用いてもよい。
これらのうち、特にバッカーフィルムとしてABS樹脂を用いる場合には、ABS樹脂と接着性の高い、(メタ)アクリル系樹脂又は塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂にて凹部を埋める方法としては、特に制限はなく、例えば、熱可塑性樹脂を有機溶剤に分散させ、インキ化して塗布する方法、水系ディスパージョンの形態にして塗布する方法(以下、これらを「塗布法」と称する。)などが有効である。このような塗布法によって、凹部を埋める場合には、固形分濃度は高い方が好ましく、具体的には、10質量%以上が好ましい。一方、固形分濃度が高すぎると塗布が困難となり作業性が悪化する。以上の観点から、固形分濃度は10〜50質量%の範囲が好ましい。
また、Tダイ押出しなどの方法により、上記熱可塑性樹脂をエンボス加工が施された着色層12の上に押し出し、ラミネートする方法も可能である(以下「ラミネート法」と称する。)。押し出す樹脂としては、上記したものから、透明性や接着性を考慮して適宜選定すればよく、特にアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン、ウレタン系樹脂などが好ましい。
次に、硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂が挙げられるが、樹脂層14は電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化した硬化物により構成されることが好ましい。上記凹部を埋め、効果的にエンボス加工による凹凸を維持することができるためである。
電離放射線硬化性樹脂組成物に用いる電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線、可視光線や電子線等の電離放射線で架橋硬化する樹脂を用いることができる。
電離放射線硬化性樹脂は、具体的には、分子中にラジカル重合性不飽和結合、又はカチオン重合性官能基を有する、プレポリマー(所謂オリゴマーも包含する)及び/又はモノマーを適宜混合した電離放射線により硬化可能な組成物が好ましくは用いられる。これらプレポリマー又はモノマーは単体又は複数種を混合して用いる。
上記プレポリマー又はモノマーは、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物からなる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましくは用いられる。なお、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、エポキシ(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系、メラミン(メタ)アクリレート系、トリアジン(メタ)アクリレート系、シリコーン(メタ)アクリレート系等が使用できる。分子量としては、通常250〜100,000程度のものが用いられる。
ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートプレポリマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系プレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンプレポリマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系プレポリマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルプレポリマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、或いは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるプレポリマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系プレポリマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる
さらに、重合性プレポリマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系プレポリマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系プレポリマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系プレポリマー、或いはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するプレポリマー等がある。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーの例としては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明においては、前記プレポリマーや多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させる等の目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、硬化性樹脂にて凹部を埋める方法としては、特に制限はなく、熱可塑性樹脂と同様に塗布法及びラミネート法を用いることができる。
なお、上記電離放射線硬化性樹脂は、後に詳述するバッカーフィルムとの接着性を考慮すると、熱接着方法で接着するよりも、接着剤を用いたドライラミネートなどの方法を用いることが硬化性樹脂とバッカーフィルム層間の密着強度の観点から好ましい。このような接着剤を用いる方法において、電離放射線硬化性樹脂としては、ポリエステルアクリレートやウレタンアクリレートが、低臭気、低硬化収縮性や真空成形時の伸びの点で好ましい。
なお、紫外線又は可視光線にて硬化させる場合には、上記の電離放射線硬化性樹脂組成物中に、さらに光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル類を単独又は混合して用いることができる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることができる。なお、これらの光重合開始剤の添加量としては、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部程度である。
上記電離放射線硬化性樹脂組成物には、更に必要に応じて、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂を添加することもできる。また、上記電離放射線硬化性樹脂には、更に必要に応じ、各種添加剤を添加することもできる。例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、アルミノシリケート、硫酸バリウム等の無機物、ポリエチレン、ウレタン樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド(ナイロン)等の有機高分子等、から成る粒子を艶消し剤又は体質顔料(充填剤)として添加しても良い。用いられる粒子の平均粒径は1〜10μm程度、添加量は最大で30質量%程度である。なお、粒子の形状は、多面体、球形、鱗片状等である。
また、メタリック顔料、パール顔料、着色顔料、染料等を添加することもできる。
なお、電離放射線としては、電離放射線硬化性樹脂組成物中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常用いられるものは、紫外線又は電子線であるが、この他、可視光線、X線、イオン線等を用いる事も可能である。紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用される。紫外線の波長としては通常190〜380nmの波長域が主として用いられる。電子線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100〜1000keV、好ましくは、100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射するものが使用される。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂として、紫外線硬化性樹脂又は電子線硬化性樹脂を用いることが特に好ましい。これらの樹脂は無溶剤で塗工することができるため、乾燥工程で溶剤の揮散による表面の乱れがなく、平滑な面を得ることができる。平滑な面は後に詳述するバッカーフィルムとの接着性を向上させる。
該樹脂層14の厚さについては、上記エンボス加工により得られる凹部13の深さ(以下「エンボス深さ」と称する。)に対して0.3〜2.5倍であることが必要である。樹脂層14の厚さがエンボス深さの0.3倍未満であると、凹部13を十分に埋めることができず、バッカーフィルムを積層した際にエアがみが生じやすい。このようなエアがみがあると、後の真空成形時の加熱により、発泡(ブリスター)現象が発生しやすくなり、加飾樹脂成形品の意匠性を劣悪なものとしてしまう。また、樹脂層14の厚さがエンボス深さの2.5倍より大きくなると、塗布後の乾燥に時間を要し、生産性の点から好ましくない。
特に、樹脂層14を、前記した塗布法で設ける場合は、樹脂層14の厚さはエンボス深さに対して、0.3〜1.3倍であることが好ましく、ラミネート法で設ける場合は、0.25〜1.5倍であることが好ましい。また、ラミネート法においては、樹脂層14の厚さは20〜100μmの範囲が好ましい。20μm以上であると凹部13を埋めるのに好適であり、100μm以下であれば、積層する樹脂の熱によるエンボス戻りが発生することがなく、良好な立体意匠性を維持することができる。
なお、ここで樹脂層14の厚さとは、エンボス加工により生じる凹部を除いた部分での厚さをいう。
以上のように、樹脂層14の厚さはエンボス深さとの関係で決定されるものであるが、その他、バッカーフィルム15との十分な接着性が得られるとの観点から、1μm以上であることが好ましく、またバッカーフィルムとの間のエアがみを防止するとの観点から100μm以下であることが好ましい。
本発明の加飾シート10におけるバッカーフィルム15の材料としては、ABS樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が好ましい。ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂が好ましい。これらの樹脂の内、ABS樹脂及びポリプロピレン樹脂が特に好ましい。また、射出樹脂がABS樹脂である場合はABS樹脂が好ましく、射出樹脂がポリプロピレン樹脂である場合はポリプロピレン樹脂が好ましい。バッカー層15は、加飾シート10を補強し、一体化物の形態を保持するために積層されるので0.1〜0.5mm程度のシートが用いられる。
本発明の加飾シートにおいては、バッカーフィルム15を直接、樹脂層14と接着させてもよいし、バッカー層15との接着性を向上させるために接着剤層を介して樹脂層14と接着させてもよい。
樹脂層14とバッカー層15とを、接着剤層を介して接着させる場合の接着剤層の材料としては、例えば、イソシアネートを硬化剤とする2液硬化型ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、及び(メタ)アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物から選ばれることが好ましい。接着剤層での(メタ)アクリル樹脂や塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、上述の着色層12と同様なものを使用すればよい。バッカー層15がABS樹脂又はポリオレフィン樹脂の場合は、接着剤層としてイソシアネートを硬化剤とする2液硬化型ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン等が好ましい。
また、接着剤層は、上記樹脂等からなる接着剤を、グラビア印刷、ロールコート等の公知の印刷又は塗工法により形成する。また、接着剤層の厚さは特に制限は無いが、通常は1〜50μm程度である。
本発明の加飾シート10を製造する方法について以下説明する。まず、基材フィルム11に着色層12をグラビア印刷、ロールコート等の公知の印刷又は塗工手段により積層する。着色層12が複数層の場合、例えば、全面ベタ層の上に絵柄層を配する場合は、前面ベタ層を積層した後、乾燥し、その後絵柄層等を積層すればよい。次に、上述の方法によりエンボス加工を施し、着色層12の表面に凹凸を形成する。
次いで、樹脂層14を形成すべく、樹脂組成物をロールコート等の公知の塗工手段により塗工する。該樹脂組成物の一部は凹部13に埋め込まれるが、埋め込みが不十分の場合には、ワイピング等の手法により、強制的に埋め込むこともできる。該樹脂層14の上に直接又は接着剤層を介して、バッカーフィルム15をドライラミネーションすることで、本発明の加飾シート10を製造することができる。
次に、本発明の加飾シート10を用いて、インサート成形品を製造する方法を説明する。上述のように製造された本発明の加飾シート10は、真空成形により所定の型付けがなされる。
まず、固定枠に固定した加飾シート10が軟化する所定の温度になるまでヒーターで加熱し、加熱され軟化した加飾シート10に真空成形金型を押し付け、同時に真空成形金型から真空ポンプ等で空気を吸引し加飾シート10を真空成形金型にしっかりと密着させる。
加飾シート10が真空成形金型に密着した後、加飾シート10を冷却し、成形した加飾シート10から真空成形金型をはずし、固定枠から成形された加飾シート10をはずす。真空成形は通常140〜180℃程度で行われる。
次に、真空成形された加飾シート10は、所望により、余分な部分がトリミングされ、射出成形金型にはめ込まれ、加飾シート10のバッカー層15側(図1の上面側)に射出樹脂を打ち込む。最後に射出成形金型から取り出してインサート成型品を得る。射出成形は、射出する樹脂の熔融温度以上の温度であればよく、例えばポリプロピレン系樹脂の場合は180〜210℃程度、ABS、PC/ABS(PCとABSの混合物)の場合は220〜260℃程度で行われる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
評価方法
(1)立体意匠性
各実施例及び比較例で得られた加飾樹脂成形品を目視にて立体意匠性を評価した。評価基準は以下の通りである。
A:エンボス直後と同等な凹凸感であり、非常に優れた意匠性を有する。
B:エンボス直後より僅かに凹凸感は劣るが、良好な意匠性を有する。
C:凹凸が残っているがエンボス直後と比べ明らかに凹凸が少なく、意匠性に劣る。
D:ブリスター(発泡)が見られ、意匠性が劣悪である。
(2)密着性
JIS K5600−5−6(ISO 2409)(クロスカット法)に準拠して測定した。評価基準は以下の通りである。
A;剥離がない、又はカット交差点に微小な剥れが生じる程度
B;カットの縁に沿って剥れる、又は剥離面積が5%以上である
実施例1
(1)加飾シートの作製
基材である厚さ125μmのハイグロス透明アクリルフィルムの片面に、アクリル樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂をバインダーとし、これに平均粒径11μmのアルミフレーク状顔料を分散させたインキをグラビア印刷し、更に黒色インキを用いてグラビ印刷して着色層を形成した。着色層の厚さは5μmとした。
次に、該着色層上にヘアライン状エンボス版を用いてエンボス加工を行った。エンボス深さは40μmとした。該エンボス加工面にアクリル樹脂を主成分とするインキ(アクリル樹脂;ポリメタクリル酸メチル、分子量約7万、Tg;約105℃)を、エンボス加工により生じる凹部を除いた部分が20μmの厚さとなるように塗布して樹脂層を形成し、エンボス加工により生じる凹部の少なくとも一部をアクリル樹脂で充填したエンボスフィルム20を得た。樹脂層の厚さはエンボス深さに対して0.5倍である。
次に図2に示すような装置を用いて、エンボスフィルム20にバッカーフィルム15を貼付した。具体的には、バッカーフィルム15としてABS樹脂フィルムを用い、該フィルムをヒーター17によって200℃に加熱するとともに、ヒータードラムを介してプレスロール18に導入した。一方、エンボスフィルム20を、冷却されているバックアップロール19を介してプレスロール18に導入し、バッカーフィルムとエンボスフィルム20のエンボス加工面とが接触するように貼付し、加飾シートを得た。
(2)加飾樹脂成形品の製造
上記(1)で作製した加飾シートを真空成形機(布施真空社製「VPF−T1」)に配し、ヒーターにて表面温度が160℃になるまで加熱し、真空成形を行った。真空成形品を取り出し、トリミングした後、インサート成形を行った。射出樹脂としては、ポリカーボネート(以下「PC」と記載する。)とABS樹脂の混合物(商品名:サイコロイIP1000BK GEプラスチック製)を用いた。上記方法にて評価した結果を第1表に示す。
実施例2
実施例1において、樹脂層の厚さを40μmとしたこと(樹脂層の厚さ/エンボス深さ=1)以外は実施例1と同様にして加飾シートを得た。該加飾シートを用いて加飾樹脂成形品を製造し、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
実施例3
基材として厚さ75μmのハイグロス透明アクリルフィルムを用い、樹脂層を構成する樹脂組成物として、アクリル樹脂を主成分とするインキに代えて、紫外線硬化性樹脂(ウレタンアクリレート系UV硬化性樹脂、分子量;約8000、表中では「UV樹脂」と記載する。)を用い、かつ樹脂層の厚さを40μmとしたこと(樹脂層の厚さ/エンボス深さ=1)以外は実施例1と同様にして加飾シートを得た。該加飾シートを用いて加飾樹脂成形品を製造し、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
実施例4
実施例1において、塗布法に代えて、Tダイ法(ラミネート法)を用い、樹脂層の厚さを100μmとしたこと(樹脂層の厚さ/エンボス深さ=2.5)以外は実施例1と同様にして加飾シートを得た。該加飾シートを用いて加飾樹脂成形品を製造し、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
比較例1及び2
実施例1において、樹脂層の厚さを第1表に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして加飾シートを得た。該加飾シートを用いて加飾樹脂成形品を製造し、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
比較例3
実施例4において、樹脂層の厚さを第1表に示すように変えたこと以外は実施例4と同様にして加飾シートを得た。該加飾シートを用いて加飾樹脂成形品を製造し、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
Figure 0005071332
実施例1〜4で製造された加飾樹脂成形品は、表面は平滑であるが、凹凸の立体感を内部に有し、意匠性に優れたものであった。特に、実施例2〜4で製造された加飾樹脂成形品はその効果が際立ったものであった。
一方、比較例1で製造された加飾樹脂成形品は、真空成形時にエンボスの凹部にブリスターが発生した。また、比較例2で製造された加飾樹脂成形品は、ある低度の凹凸は維持されるが、エンボス直後に比較して明らかに凹凸が少なくなり、意匠性に劣ることがわかった。さらに、比較例3で製造された加飾樹脂成形品は、乾燥に多大な時間を要し、実施例及び他の比較例に比べて著しく生産性が低かった。また、実施例の加飾樹脂成形品に比較して密着性の点で劣り、かつエンボス戻りによって、エンボス直後に比較して明らかに凹凸が少なくなり、意匠性に劣っていた。
本発明の成形用加飾シートはインサート成形の真空成形工程又は射出成形工程を経ても成形用加飾シート表面及びインサート成形品の凹凸模様が維持されるので、各種のインサート成形品に好適に用いられる。
本発明の成形用加飾シートの断面を示す模式図である。 加飾シートとバッカーフィルムを熱ラミネートする方法を示す模式図である。
符号の説明
10 成形用加飾シート
11 基材フィルム
12 着色層
13 凹部
14 樹脂層
15 バッカーフィルム
16 ヒータードラム
17 ヒーター
18 プレスロール
19 バックアップロール
20 エンボスフィルム

Claims (7)

  1. 透明基材フィルムの上に少なくとも着色層、樹脂層及びバッカーフィルムがこの順に積層されたインサート成形用加飾シートであって、着色層から透明基材フィルムに向かってエンボス加工が施され、かつ樹脂層の厚さが該エンボス深さに対して0.3〜2.5倍であることを特徴とするインサート成形用加飾シート。
  2. 前記樹脂層が前記エンボス加工により生じた凹部を埋めてなる請求項1に記載のインサート成形用加飾シート。
  3. 前記樹脂層が熱可塑性樹脂である請求項1又は2に記載のインサート成形用加飾シート。
  4. 前記樹脂層が電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化した硬化物で構成される請求項1又は2に記載のインサート成形用加飾シート。
  5. 前記電離放射線硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂又は電子線硬化性樹脂である請求項4に記載のインサート成形用加飾シート。
  6. 前記着色層がメタリック色のベタ印刷層である請求項1〜5のいずれかに記載のインサート成形用加飾シート。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のインサート成形用加飾シートを用いた加飾樹脂成形品。
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