JP6035858B2 - 三次元成形用加飾シート及び加飾成形品 - Google Patents
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Description
インサート成形法に用いられる加飾フィルムの模様は、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂をバインダー樹脂とするインキを用いた平面的絵柄として形成されるのが一般的である。この場合、絵柄の耐久性(耐摩耗性など)を得るために基材シートの裏面側(樹脂成形物側)に絵柄を印刷する結果、インサート成形品の表面は平坦、かつ均一な光沢の外観を呈することになり、このままでは加飾成形品の表面に凹凸感を有する意匠感を表現することはできない。また、サーモジェクト成形においても同様の問題がある。
さらに、特許文献4には、表面に微細凹凸を有する凹版の凹部に未硬化の電離放射線硬化型樹脂が充填され、その上から基体シートを圧着させた状態で電離放射線が照射されることにより基体シートの片面に厚さ2μm以上の硬化した微細凹凸層が形成された凹凸インサートシートが提案されている。
しかしながら、これらのシートを用いてインサート成形すると真空成形時又は射出成形時に、あるいはサーモジェクト成形すると射出成形時に、加飾シートの伸びによって、該シート表面の凸部に割れや白化が発生するという問題があった。
この成形用加飾フィルムにより、加飾フィルム表面の凹凸模様の割れの発生を抑制することは可能となったが、一方で、要望される凹凸模様を有する意匠の多様化に十分対応できない場合があった。また、より厳しい使用環境下においても、基材シートと盛上部との優れた密着性を有する加飾シートが求められているが、十分に検討されない状況にある。
すなわち、本発明は、
[1]基材シート上の一部に電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる盛上部を複数個有する三次元成形用加飾シートであって、該組成物がアミド結合を有する感光性化合物を含有することを特徴とする三次元成形用加飾シート、
[2]基材シートの盛上部とは反対側に支持体層を有する上記[1]に記載の三次元成形用加飾シート、
[3]基材シート上の一部に電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる盛上部を複数個有し、該組成物がアミド結合を有する感光性化合物を含有する加飾シートの基材シートの盛上部とは反対側に射出樹脂層を有する加飾成形品、及び
[4]基材シート上の一部に電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる盛上部を複数個有し、該組成物がアミド結合を有する感光性化合物を含有し、基材シートの盛上部とは反対側に支持体層を有する加飾シートの支持体層側に射出樹脂層を有する加飾成形品、
である。
基材シートは、本発明の加飾シートの製造時は、着色層などの他の層を形成する支持シートとしての機能を有する層である。
基材シートを構成する材料としては、熱可塑性樹脂が好適に使用される。加飾シートを成形して使用する際に、成形性が得られやすいからである。
このような熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体)、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、又はポリエチレンテレフタレート、成形性ポリエステル樹脂などのポリエステル樹脂、又はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマーなどのポリオレフィン系樹脂などが好ましく挙げられる。
なかでも、アクリル樹脂、成形性ポリエステル樹脂などが好ましい。
また、基材シートの表面、裏面、又は表裏両面には、基材シートに接する他層との密着性向上のために、必要に応じ適宜、コロナ放電処理、プラズマ処理などの公知の易接着処理を施してもよい。
本発明の三次元成形用加飾シートは、基材シート上の一部に盛上部を複数個有しており、該盛上部は、アミド結合を有する感光性化合物を含有する電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする。
また、盛上部12の一つの形状の最長部分の長さが1.95mm以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mm以下である。また、盛上部12の一つの形状の最短部分の長さが0.1mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.5mm以上である。盛上部12の一つの形状の最長部分及び最短部分の長さが上記の範囲内であると、多様な凹凸模様を有する意匠を表現し、インサート成形の真空成形時又は射出成形時、あるいはサーモジェクト成形の射出成形時に、加飾シートの伸びによって表面の凸部に割れや白化が発生しにくく、また基材シート11と盛上部12との優れた密着性が得られる。
ウレタン(メタ)アクリレート系プレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンプレポリマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
エポキシ(メタ)アクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートプレポリマーも用いることができる。
また、ポリエーテル(メタ)アクリレート系プレポリマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる
この重合性不飽和基あるいは重合性官能基を2個以上有する多官能性モノマーの例としては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
本発明において、2官能性モノマーとしては、上記の2官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ただし、単官能性モノマーの添加により架橋密度が低下し、成形後の表面の荒れや密着不良、印刷適性の低下が起こる場合があることから、単官能性モノマーを用いることなく、2官能性モノマー以上の多官能性モノマーのみを用いることが好ましく、硬化密度が高くなりすぎずに良好な成形性を得る観点から、2官能性モノマーのみからなることがさらに好ましい。なお、単官能性モノマーを用いて成形後の表面の荒れや密着不良、印刷適性の低下が起こるのは、後述する、適度な光沢の外観が得られるように体質顔料などの粒子を1質量%未満と少量に抑える、あるいは使用しない場合に顕著である。
R3は単結合又は炭素数1〜8のアルカンジイル基を示し、アルカンジイル基としては、炭素数1〜4のものがより好ましく、直鎖状、枝分かれ状のいずれであってもよく、例えばメチレン基、エチレン基、1,2−プロパンジイル基、1,3−プロパンジイル基、各種ブタンジイル基などを好ましく挙げることができる。また、R2はR3が単結合のときは単結合であり、R3はR2が単結合のときは単結合である。
このような熱可塑性樹脂としては、上記の基材シートを構成する材料として例示した樹脂が好ましく挙げられ、なかでもアクリル樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂の含有量は、電離放射線硬化性樹脂成分100質量部に対して、3〜30質量部が好ましく、3〜20質量部がより好ましい。熱可塑性樹脂の含有量が上記範囲内であると、優れた凹凸模様が得られ、かつ凸部に割れや白化が発生しにくくなる。
電子線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用い、100〜1000keV、好ましくは、100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射するものが使用される。また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜200kGy(1〜20Mrad)の範囲で選定される。
本発明の加飾シートは、基材シートの保護、表面の艶の調整(視覚的な凹凸感の調整)の観点から、基材シートと盛上部との間に保護層(図示せず)を有することができる。保護層を形成する材料としては、特に制限はなく、所望の性能に応じて、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂などの硬化性樹脂、あるいは熱可塑性樹脂を適宜採用しうる。
熱可塑性樹脂、電離放射線硬化性樹脂としては、盛上部を形成する上記の電離放射線硬化性樹脂組成物に用い得る樹脂が好ましく挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく挙げられ、ポリオールとイソシアネートとの2液硬化性の樹脂も好ましく用いられる。
着色層13は、基材シート11と盛上部12との間、あるいは加飾シート10の盛上部12を形成する側とは反対側、すなわち加飾シート10の裏面に、所望により設けられる層であり、本発明の加飾シート10に装飾を付与する層である。着色層13としては、絵柄層及び/又は隠蔽層からなることが好ましい。
絵柄層の絵柄は任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、皮絞模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、幾何学模様、文字、記号、全面ベタなどが、用途に合わせて、1種又は2種以上組み合わせて使用される。隠蔽層は通常全面ベタ層である。
バインダーの樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、塩素化ポリプロピレン、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂などより選択される1種単独の樹脂、又は2種以上の混合樹脂が用いられる。
着色剤としては、例えば、チタン白、亜鉛華、カーボンブラック、鉄黒、弁柄、クロムバーミリオン、カドミウムレッド、群青、コバルトブルー、黄鉛、チタンイエローなどの無機顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、キナクリドンレッド、ポリアゾレッド、ペリレンレッドなどの有機顔料(あるいは染料も含む)、又はアルミニウム、真鍮などの鱗片状箔粉からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが使用される。
着色層13の厚さは、特に制限は無いが、通常0.5〜20μm程度である。
基材シート11又は着色層13の裏面側に、必要に応じて、基材シート10又は着色層13と、支持体層15又は射出樹脂との接着性を向上させるために接着剤層14を設けることができる。
接着剤層14を形成する材料は、着色層13との密着性、印刷適性、成形適性を持つ樹脂の中から、広範囲に選択される。具体的には、ブロックイソシアネートを硬化剤とする2液硬化型ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレンなどの塩素化ポリオレフィン、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、及び(メタ)アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物から選ばれることが好ましい。接着剤層14での(メタ)アクリル樹脂や塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、上述の着色層13と同様なものを使用すれば良い。支持体層15又は射出樹脂がABS樹脂又はポリオレフィン樹脂の場合は、接着剤層14としてブロックイソシアネートを硬化剤とする2液硬化型ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレンなどの塩素化ポリオレフィンなどが好ましい。
接着剤層14の厚さは特に制限は無いが、通常は1〜50μm程度である。
本発明の加飾シートは、所望により支持体層を有してもよい。支持体層を有することにより、本発明の加飾シートはサーモジェクト成形だけでなく、インサート成形にも好適に用いることができる。支持体層は、図2に示されるように、加飾シートが基材シート、着色層、及び支持体層の順に有するように設けられる。
支持体層15の材料としては、ABS樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂などが好ましい。ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂が好ましい。これらの樹脂の内、ABS樹脂及びポリプロピレン樹脂が特に好ましい。射出樹脂がABS樹脂である場合はABS樹脂が好ましく、射出樹脂がポリプロピレン樹脂である場合はポリプロピレン樹脂が好ましい。
支持体層15は、加飾シート10を補強し、一体化物の形態を保持するために用いられるため、0.1〜1.0mm程度の厚さが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5mmである。
また、着色層13が複数層の場合は、例えば、絵柄層を積層した後、乾燥し、その後隠蔽層などを積層して設けることができる。
本発明の加飾成形品は、基材シート上の一部に電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる盛上部を複数個有し、該組成物がアミド結合を有する感光性化合物を含有する加飾シートと、該加飾シートの基材シートの盛上部とは反対側に射出樹脂層とを有するもの、すなわち、上記の本発明の加飾シートと射出樹脂層とを、盛上部12、基材シート11、及び射出樹脂層21を順に有する加飾成形品(図4)、あるいは、加飾シートが支持体層を有する場合は、加飾シートと射出樹脂層とを、盛上部12、基材シート11、支持体層15、及び射出樹脂層21を順に有する加飾成形品20(図5)である。なお、図5に示される加飾成形品20は、好ましく設けられる着色層13、接着剤層14を有している。
加飾シート10が真空成形金型に密着した後、加飾シート10を冷却し、成形した加飾シート10から真空成形金型をはずし、固定枠から成形された加飾シート10をはずす。真空成形は通常160〜180℃程度で行われる。
なお、サーモジェクト成形法では、射出樹脂による熱圧を加飾シートが受けるため、平板に近く、加飾シートの絞りが小さい場合には、加飾シートは予熱してもしなくてもよい。
(1)基材シート全面に対する盛上部の総面積、盛上部の一つの面積、盛上部間距離、及び盛上部の厚さの測定方法
基材シート全面に対する盛上部の総面積、盛上部の一つの面積、及び盛上部間距離は、非接触表面粗さ計「3次元測定顕微鏡」(「STM6ZP(商品名)」,オリンパス光学工業株式会社製)を用い、倍率50倍、測定ピッチ0.1010mm、駆動スピードは高速の条件で測定した。また、盛上部の厚さは厚み計を用いて測定した。
(2)成形性の評価
実施例及び比較例で得られた加飾シートを用いて加飾成形品を作製した際の、表面の割れや白化の発生について目視にて観察し、以下の基準で判断し、成形性の評価とした。
6:塗膜割れや白化が全く見られず、良好に型の形状に追従した。
5:塗膜割れや白化がほとんど見られず、良好に型の形状に追従した。
4:三次元形状部又は最大延伸部の一部にわずかに塗膜割れ又は白化が認められたが、実用上問題なかった。
3:三次元形状部又は最大延伸部の一部に塗膜割れ又は白化が発生したものの、実用上問題はなかった。
2:型の形状に追従できずに表面保護層又は盛上部に塗膜割れや白化が見られた。
1:型の形状に追従できずに表面保護層又は盛上部に著しい塗膜割れや白化がみられた。
(3)基材シートと盛上部との密着性の評価
実施例及び比較例で得られた加飾シートの基材シート表面の盛上部にカッターで縦、横の傷を直交させて付け、基盤目状の桝目を設けた。その上からセロハンテープ(「CT24(商品名)」,ニチバン(株)製)を用い、指の腹でシートに密着させた後剥離した。判定は目視にて行い、以下の基準で判断した。
5:盛上部の塗膜の剥離は全くなく、密着性は非常に高かった。
4:盛上部の塗膜の剥離がわずかにあったが、密着性は高かった。
3:盛上部の塗膜の剥離があるものの、密着性は良好であり、実用上問題なかった。
2:盛上部の塗膜に剥離があり、密着性が十分ではなかった。
1:盛上部の塗膜の剥離が著しく、密着性に問題があった。
(4)印刷適性
実施例及び比較例における盛上部のパターンの形成状態を目視にて観察し、以下の基準で判断した。
4:盛上部のパターン形成の状態が優れていた。
3:盛上部のパターン形成の状態が良好であった。
2:盛上部のパターン形成状態が若干悪いものの、実用上問題がなかった。
1:盛上部のパターン形成状態が悪かった。
(5)加飾シート及び加飾成形品の外観評価
実施例及び比較例で得られた加飾シート及び加飾成形品の表面外観を目視にて観察し、以下の基準で判断した。
4:凹凸感に優れていた。
3:凹凸感が良好だった。
2:実用上問題がない程度に凹凸感があった。
1:凹凸感がなかった。
(加飾シートの製造)
ポリメタクリル酸メチルを主成分とする厚さ75μmの無着色透明なアクリル樹脂シートからなる基材シート裏面に、ポリブチルメタクリレート/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(質量比:2/1)からなる絵柄層(厚さ1μm)、ポリメチルメタクリレート及びポリブチルメタクリレートの混合物及び無機顔料からなる隠蔽層(厚さ2μm)及び2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤からなる接着剤層(厚さ10μm)を順次積層した後、ABS樹脂からなる支持体層(厚さ400μm)をドライラミネーションにより積層した後、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物を円形状の盛上部を多数配列した平面視パターンに印刷すると共に、紫外線を160W/cmの条件で照射して印刷版の版形状を保ったまま硬化させて、厚さ30μmの基材シート上に突出した盛上部12を形成して、三次元成形用加飾シートを得た。1つの盛上部12は、直径1mmの円形であり、基材全面に対する盛上部の総面積は55%、1つの盛上部の最も大きい面積は2mm2であり、最も小さい盛上部間の距離は0.05mmであった。
(電離放射線硬化性樹脂組成物)
ポリエステル系アクリレートオリゴマー(官能基数:5,重量平均分子量:2000):10質量%
2官能性モノマー(1,4−ブタンジオールジアクリレート):68質量%
熱可塑性樹脂(アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル),重量平均分子量:50000):10質量%
感光性化合物(N,N−ジメチルアクリルアミド):5質量%
光重合開始剤(アルキルフェノン系):5質量%
フィラー及び顔料:2質量%
次に、この成形用加飾シートを固定枠に固定し、成形用加飾シートの温度が約160℃になるまで約300℃のヒーターで加熱した。加熱され軟化した成形用加飾シートを、上述のように、真空成形工程、トリミング工程及び温度約240℃でABS樹脂を射出樹脂とする射出成形工程を経て、加飾シートと射出樹脂層とを有するインサート成形品を得た。なお、最大延伸部の延伸倍率は、1.5倍であった。
加飾シート、及び該加飾シートを用いて得られた加飾成形品について、上記の評価方法により基材シートと盛上部との密着性の評価、ならびに加飾シート及び加飾成形品の外観評価を行った。その結果を第1表に示す。
盛上部を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物を下記のものとした以外は、実施例1と同様の操作を行い三次元成形用加飾シート、及び加飾成形品を得て、上記の評価を行った。その結果を第1表に示す。
(電離放射線硬化性樹脂組成物)
ポリエステル系アクリレートオリゴマー(官能基数:5,重量平均分子量:2000):10質量%
2官能性モノマー(1,4−ブタンジオールジアクリレート):65質量%
熱可塑性樹脂(アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル),重量平均分子量:50000):10質量%
感光性化合物(N,N−ジメチルアクリルアミド):5質量%
光重合開始剤(アルキルフェノン系):5質量%
紫外線吸収剤:3質量%
フィラー及び顔料:2質量%
盛上部を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物を下記のものとした以外は、実施例1と同様の操作を行い三次元成形用加飾シート、及び加飾成形品を得て、上記の評価を行った。その結果を第1表に示す。
(電離放射線硬化性樹脂組成物)
ポリエステル系アクリレートオリゴマー(官能基数:5,重量平均分子量:2000):10質量%
単官能性モノマー(フェノキシエチルアクリレート):40質量%
2官能性モノマー(1,4−ブタンジオールジアクリレート):25質量%
熱可塑性樹脂(アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル),重量平均分子量:重量平均分子量:50000):10質量%
感光性化合物(N,N−ジメチルアクリルアミド):5質量%
光重合開始剤(アルキルフェノン系):5質量%
紫外線吸収剤:3質量%
フィラー及び顔料:2質量%
盛上部を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物を下記のものとした以外は、実施例1と同様の操作を行い三次元成形用加飾シート、及び加飾成形品を得て、上記の評価を行った。その結果を第1表に示す。
(電離放射線硬化性樹脂組成物)
ポリエステル系アクリレートオリゴマー(官能基数:5,重量平均分子量:2000):10質量%
単官能性モノマー(フェノキシエチルアクリレート):50質量%
2官能性モノマー(1,4−ブタンジオールジアクリレート):25質量%
感光性化合物(N,N−ジメチルアクリルアミド):5質量%
光重合開始剤(アルキルフェノン系):5質量%
紫外線吸収剤:3質量%
フィラー及び顔料:2質量%
盛上部を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物を下記のものとした以外は、実施例1と同様の操作を行い三次元成形用加飾シート、及び加飾成形品を得て、上記の評価を行った。その結果を第1表に示す。
(電離放射線硬化性樹脂組成物)
ポリエステル系アクリレートオリゴマー(官能基数:5,重量平均分子量:2000):10質量%
2官能性モノマー(1,4−ブタンジオールジアクリレート):70質量%
熱可塑性樹脂(アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル),重量平均分子量:重量平均分子量:50000):10質量%
光重合開始剤(粉体):5質量%
紫外線吸収剤:3質量%
フィラー及び顔料:2質量%
盛上部を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物を下記のものとした以外は、実施例1と同様の操作を行い三次元成形用加飾シート、及び加飾成形品を得て、上記の評価を行った。その結果を第1表に示す。
(電離放射線硬化性樹脂組成物)
ポリエステル系アクリレートオリゴマー(官能基数:5,重量平均分子量:2000):10質量%
2官能性モノマー(1,4−ブタンジオールジアクリレート):70質量%
熱可塑性樹脂(アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル),重量平均分子量:重量平均分子量:50000):10質量%
光重合開始剤(アルキルフェノン系):5質量%
紫外線吸収剤:3質量%
フィラー及び顔料:2質量%
盛上部の総面積を60%、盛上部の一つの面積4mm2及び盛上部間の距離0.01mmとした以外は、実施例1と同様の操作を行い三次元成形用加飾シート、及び加飾成形品を得て、上記の評価を行った。その結果を第1表に示す。
*2,アルキルフェノン系の光重合開始剤を使用した。
一方、N,N−ジメチルアクリルアミドを添加していない比較例1及び2の三次元成形用加飾シートは、真空成形後の三次元成形用加飾シート及び射出成形後の成形品表面に目立つ割れや白化の発生が見られ、密着性も悪く、成形品の商品価値が低下した。盛上部の基材全体に対する総面積、1つの盛上部の面積、盛上部間距離が規定範囲を超える比較例3の三次元成形用加飾シートについても、真空成形後の三次元成形用加飾シート及び射出成形後の成形品表面に目立った割れや白化の発生が見られた。
11 基材シート
12 盛上部
13 着色層
14 接着剤層
15 支持体層
20 加飾成形品
21 射出樹脂層
Claims (11)
- 基材シート上の一部に電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる盛上部を複数個有する三次元成形用加飾シートであって、該組成物が下記の化学式(1)で示されるアミド結合を有する感光性化合物を1〜10質量%含有することを特徴とする三次元成形用加飾シート。
(式(1)中、R1は炭素数2〜8のアルケニル基を示し、R2は単結合又は−NR6−を示し、R3は単結合又は炭素数1〜8のアルカンジイル基を示し、R4及びR5は各々独立に水素、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基を示し、R6は水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。また、R2はR3が単結合のときは単結合であり、R3はR2が単結合のときは単結合である。) - R1が炭素数2〜4のアルケニル基であり、R2及びR3が単結合であり、かつR4及びR5が炭素数1〜3のアルキル基である請求項1に記載の三次元成形用加飾シート。
- アミド結合を有する感光性化合物が、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドから選ばれる少なくとも一種である請求項1又は2に記載の三次元成形用加飾シート。
- 電離放射線硬化性樹脂組成物が電離放射線硬化性樹脂成分として2官能性モノマーのみを含有する請求項1〜3のいずれかに記載の三次元成形用加飾シート。
- 電離放射線硬化性樹脂組成物が該組成物中の固形分に対して1質量%未満の体質顔料を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の三次元成形用加飾シート。
- 電離放射線硬化性樹脂組成物が熱可塑性樹脂を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の三次元成形用加飾シート。
- 盛上部の一つの面積が3mm2以下である請求項1〜6のいずれかに記載の三次元成形用加飾シート。
- 全面に対する盛上部の総面積が55%以下であり、かつ該盛上部間の距離が0.03mm以上である請求項1〜7のいずれかに記載の三次元成形用加飾シート。
- 基材シートの盛上部とは反対側に支持体層を有する請求項1〜8のいずれかに記載の三次元成形用加飾シート。
- 基材シート上の一部に電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる盛上部を複数個有し、該組成物が下記の化学式(1)で示されるアミド結合を有する感光性化合物を1〜10質量%含有する加飾シートと、該加飾シートの基材シートの盛上部とは反対側に射出樹脂層とを有する加飾成形品。
(式(1)中、R1は炭素数2〜8のアルケニル基を示し、R2は単結合又は−NR6−を示し、R3は単結合又は炭素数1〜8のアルカンジイル基を示し、R4及びR5は各々独立に水素、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基を示し、R6は水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。また、R2はR3が単結合のときは単結合であり、R3はR2が単結合のときは単結合である。) - 基材シート上の一部に電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる盛上部を複数個有し、該組成物が下記の化学式(1)で示されるアミド結合を有する感光性化合物を1〜10質量%含有し、基材シートの盛上部とは反対側に支持体層を有する加飾シートと、該加飾シートの支持体層側に射出樹脂層とを有する加飾成形品。
(式(1)中、R1は炭素数2〜8のアルケニル基を示し、R2は単結合又は−NR6−を示し、R3は単結合又は炭素数1〜8のアルカンジイル基を示し、R4及びR5は各々独立に水素、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基を示し、R6は水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。また、R2はR3が単結合のときは単結合であり、R3はR2が単結合のときは単結合である。)
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