JP5153257B2 - 紫外線硬化型インキ組成物および印刷表示物 - Google Patents

紫外線硬化型インキ組成物および印刷表示物 Download PDF

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本発明は、紫外線硬化型インキ組成物および印刷表示物に関する。特に、アフターベーク処理を施すことなく、シックハウス対象の揮発性有機化合物(VOC)の放散量等が少ない紫外線硬化型インキ組成物およびそれを用いた印刷表示物に関する。
紫外線硬化型インキは、溶剤を実質的に含まないため、溶剤型インキと比べて、労働安全、環境汚染、火災予防等に優れており、又、硬化反応が速いことから、盛んに利用されている。
このような紫外線硬化型インキとして、硬化性に優れ、各種プラスチック基材に対する密着性に優れ、化粧合板等に適当な放射線硬化性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
より具体的には、ポリカーボネートジオール、ジイソシアネート化合物およびヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの反応物であるウレタン(メタ)アクリレートと、所定のヒドロキシル基を有するポリオール、ジイソシアネート化合物およびヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの反応物であるウレタン(メタ)アクリレートと、の反応物であるウレタン(メタ)アクリレートと、カルボキシル含有(メタ)アクリレートと、光重合開始剤と、からなる光硬化型樹脂組成物であって、所望により、N−ビニルカプロラクタム等をさらに含む光硬化型樹脂組成物である。
また、短時間の光の照射により硬化し、柔軟性および外観に優れ、かつ、表面タックのない硬化物を与える光硬化型の樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
より具体的には、水酸基を有する(メタ)アクリレート、ポリイソシアネートおよびポリカーボネートジオールとの反応物である(メタ)アクリロイル基を有するポリカーボネートジオール変性ウレタンプレポリマーの一種若しくは二種と、(メタ)アクリレートと、光重合開始剤と、からなる光硬化型樹脂組成物であって、所望により、N−ビニルカプロラクタム等をさらに含む光硬化型樹脂組成物である。
また、幅広い温度域(−40℃〜60℃)において、所定の弾性率を有する光ファイバー用被覆材として、ポリカーボネートジオール変性ウレタンプレポリマーを含む光硬化型樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
より具体的には、ポリカーボネートジオール、水酸基を有する(メタ)アクリレート、およびポリイソシアネートの反応物であるエチレン性不飽和基を有するポリカーボネートジオール変性ウレタンプレポリマーと、反応性希釈剤としてのN−ビニルカプロラクタム等と、光重合開始剤と、からなる光硬化型樹脂組成物である。
一方、揮発性有機化合物(以下、VOCと記す)に対応した紫外線硬化型インキの開発が、産業界から望まれている。
すなわち、厚生労働省が、シックハウス対策として、VOCとしての規制対象物(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン)の室内濃度を測定する旨を指示しており、産業界のユーザーやメーカーは、VOC量(放散量)の基準値を設けて、それを削減する手段を講じる必要が生じている。
そこで、かかるVOC対策に適合しつつも、粘着シート特性に優れた光硬化性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
より具体的には、ウレタンアクリレート及び反応性希釈剤を含有する粘着シート基材用樹脂組成物であって、所望によりN−ビニルカプロラクタム等をさらに含む粘着シート基材用樹脂組成物である。
特開平8−92342号公報 特開平6−145276号公報 特表2006−502425号公報 特開平11−189762号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載された光硬化型樹脂組成物は、任意成分ながら、基材に対する密着性等の改良のために、N−ビニルカプロラクタムを含んでおり、それが、加水分解されて、VOCとしてのアセトアルデヒドが放散しやすいという問題が見られた。
また、特許文献4については、確かに、従来のポリエチレン等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート等のエンジニアリングプラスチック等と比較した場合であれば、製造工程等におけるVOCの放散を抑制することができるものの、経時的に放散されるVOCを抑制することについては、何ら考慮されておらず、VOC規制に適合しているとは言い難い技術であった。
そのため、紫外線照射によって形成した塗膜に対して、例えば、80〜100℃、1時間以上のアフターベーク処理を施すことにより、VOC量を低下させる試みがなされている。
しかしながら、アフターベーク処理がばらついて、VOC量の低下が不十分となったり、基材に熱損傷を与えたり、あるいは、特別なアフターベーク処理装置が必要になったりするなどのさらなる問題が見られた。
そこで、本発明者らは、従来の問題を鋭意検討した結果、N−ビニルカプロラクタムの添加量を所定範囲に制限するとともに、特定平均分子量のポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを含む2種以上のウレタンアクリレートオリゴマーの混合物と、フェノキシエチルアクリレートモノマーを含む(メタ)アクリレートモノマーの混合物と、アクリルアミド化合物と、を用いることにより、アフターベーク処理を施すことなく、基材に対する密着性と、VOC量の調整という相反しやすい特性をそれぞれ満足できることを見出し、本発明を完成させたものである。
また、本発明者らは、特定の光重合開始剤を用いることにより、基材に対する密着性と、VOC量の調整という相反しやすい特性をさらにバランス良く満足できることを見出したものである。
すなわち、本発明は、アフターベーク処理を施すことなく、シックハウス対象のVOCの放散量が少なく、かつ基材に対する密着性等に優れた紫外線硬化型インキ組成物、およびそれを用いた印刷表示物を提供することを目的とする。
本発明によれば、硬化成分として、N−ビニルカプロラクタムの添加量が、全体量に対して、0重量%または2重量%以下(0重量%を除く)の紫外線硬化型インキ組成物であって、硬化成分として、重量平均分子量が2,500〜10,000であるポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを含む2種以上のウレタンアクリレートオリゴマーの混合物と、フェノキシエチルアクリレートモノマーを含む(メタ)アクリレートモノマーの混合物と、アクリルアミド化合物と、を含有し、かつ、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマー以外のウレタンアクリレートオリゴマーが、重量平均分子量が2,000〜15,000であるポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマー、重量平均分子量が2,000〜15,000であるポリカプロラクトン骨格ウレタンアクリレートオリゴマーおよび重量平均分子量が2,000〜15,000であるポリエーテル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする紫外線硬化型インキ組成物が提供され、上述した問題点を解決することができる。
すなわち、N−ビニルカプロラクタムの添加量を所定範囲に制限するとともに、所定オリゴマーを含むウレタンアクリレートオリゴマーの混合物と、所定モノマーを含む(メタ)アクリレートモノマーの混合物と、アクリルアミド化合物と、を用いることにより、アフターベーク処理を施すことなく、基材に対する密着性と、VOC量の調整という相反しやすい特性をそれぞれ満足させることができる。
また、基材との密着性を効果的に保持しつつも、硬化速度を向上させることができる。
また、本発明の紫外線硬化型インキ組成物を構成するにあたり、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量を、全体量に対して、5〜50重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、硬化速度を効果的に保持しつつも、基材に対する密着性を向上させることができる。
また、本発明の紫外線硬化型インキ組成物を構成するにあたり、アクリルアミド化合物の添加量を、全体量に対して、1〜35重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、基材に対する密着性をさらに向上させることができる。
また、本発明の紫外線硬化型インキ組成物を構成するにあたり、(メタ)アクリレートモノマーとして、ジシクロペンタニルアクリレートをさらに含むことが好ましい。
このように構成することにより、密着性および硬化速度を、さらに向上させることができる。
また、本発明の紫外線硬化型インキ組成物を構成するにあたり、(メタ)アクリレートモノマーの添加量を、全体量に対して、1〜35重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、硬化速度を効果的に保持しつつも、基材との密着性を向上させることができるばかりか、硬化塗膜としての所定の硬度を容易に得ることができる。
また、本発明の紫外線硬化型インキ組成物を構成するにあたり、紫外線硬化型インキ組成物の光重合開始剤として、2種類以上の光重合開始剤を含有するとともに、当該光重合開始剤の含有量を、全体量に対して、0.1〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、上述したオリゴマー成分およびモノマー成分の混合物を、より効率的に反応させて、硬化速度を容易に促進させることができる。
また、本発明の紫外線硬化型インキ組成物を構成するにあたり、光重合開始剤として、アシルフォスフィンオキサイド系化合物と、α−ヒドロキシケトン系化合物との組み合わせ、またはアシルフォスフィンオキサイド系化合物と、ケトスルフォン系化合物との組み合わせを用いることが好ましい。
このように構成することにより、硬化速度が促進され、VOCの放散をさらに効果的に低減させることができる。
また、本発明の別の態様は、上述したいずれかの紫外線硬化型インキ組成物から得られてなる印刷層を含むことを特徴とする印刷表示物である。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態は、硬化成分として、N−ビニルカプロラクタムの添加量が、全体量に対して、0重量%または2重量%以下(0重量%を除く)の紫外線硬化型インキ組成物であって、硬化成分として、重量平均分子量が2,500〜10,000であるポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを含む2種以上のウレタンアクリレートオリゴマーの混合物と、フェノキシエチルアクリレートモノマーを含む(メタ)アクリレートモノマーの混合物と、アクリルアミド化合物と、を含有し、かつ、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマー以外のウレタンアクリレートオリゴマーが、重量平均分子量が2,000〜15,000であるポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマー、重量平均分子量が2,000〜15,000であるポリカプロラクトン骨格ウレタンアクリレートオリゴマーおよび重量平均分子量が2,000〜15,000であるポリエーテル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする紫外線硬化型インキ組成物である。
以下、第1の実施形態の各構成要件について、詳しく述べる。
1.ウレタンアクリレートオリゴマーの混合物
(1)ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマー
第1の実施形態に使用するウレタンアクリレートオリゴマーは、構成成分が骨格の異なる少なくとも2種以上のウレタンアクリレートオリゴマーの混合物を使用し、その1種が、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーであることを特徴とする。
この理由は、このようなポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを含むウレタンアクリレートオリゴマーの混合物を使用することにより、N−ビニルカプロラクタムの添加量が、所定量以下になったとしても、基材に対する密着性や、硬化塗膜としての所定の硬さが得られるためである。
なお、ウレタンアクリレートオリゴマーの混合物として、重量平均分子量、あるいは構成単位の構造が異なる複数のポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの混合物を用いた場合であっても、所定の効果を得ることができる。
ここで、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーは、ポリカーボネート骨格ポリオールと、有機ポリイソシアネート化合物およびヒドロキシアクリレートと、の反応物である。
また、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量を2,500〜10,000の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかるポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量が2,500未満の値になると、硬化速度が過度に増大し、基材との密着不良を起こしやすくなって、取り扱いが困難となる場合があるためである。一方、かかるポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量が10,000を超えると、硬化速度が過度に低下し、VOCの放散を効果的に抑制することが困難となる場合があるためである。
したがって、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量を3,000〜8,000の範囲内の値とすることよりが好ましく、3,500〜6,000の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートを得るためのポリカーボネート骨格ポリオールの種類については、特に制限されるものではないが、工業的に容易に入手でき、比較的安価であることから、ポリカーボネート骨格ジオール化合物であることが好ましい。
また、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートを得るための有機ポリイソシアネート化合物の種類としては、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなど、無黄変型のものが好ましい。
また、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートを得るためのヒドロキシアクリレートとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、カプロラクトン変性−2−ヒドロキシエチルアクリレートなどが好ましい。
また、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量を、全体量に対して、5〜50重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、硬化速度をより効果的に保持しつつも、基材に対する密着性を向上させることができるためである。
すなわち、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量が5重量%未満の値となると、硬化速度が過度に低下し、VOCの放散を効果的に抑制することが困難となる場合があるためである。一方、ウレタンポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量が50重量%を超えた値となると、硬化速度が過度に増大し、基材との密着不良を起こしやすくなって、取り扱いが困難となる場合があるためである。
したがって、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量を、全体量に対して、8〜45重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、10〜40重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
次いで、図1を用いて、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量と、アセトアルデヒドの放散量及び密着性と、の関係を説明する。
すなわち、図1においては、横軸に、紫外線硬化型インキ組成物の全体量に対するポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量(重量%)を採り、左縦軸に、アセトアルデヒドの放散量(μg/100cm2)を採った特性曲線A、および右縦軸に、密着性(相対評価)を採った特性曲線Bを示している。
このとき、紫外線硬化型インキ組成物の全体量に対するN−ビニルカプロラクタムの添加量を0〜15重量%、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを含むウレタンアクリレートオリゴマーの混合物の添加量を13〜30重量%、フェノキシアクリレートモノマーを含む(メタ)アクリレートモノマーの混合物の添加量を10〜25重量%、およびアクリルアミドの添加量を1〜10重量%とした。
なお、アセトアルデヒドの放散量の測定条件については、後の実施例において記載する。また、密着性の相対評価とは、JIS K−5600 5.6に準じて碁盤目セロテープ(登録商標)剥離試験を実施した結果を、下記基準に準じて紫外線硬化型インキ組成物の密着性を評価したものである。
4:剥がれなかった碁盤目数が99%以上
3:剥がれなかった碁盤目数が95〜99%未満
2:剥がれなかった碁盤目数が75〜95%未満
1:剥がれなかった碁盤目数が75%未満
すなわち、特性曲線Aから理解されるように、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量が増加するのにともなって、アセトアルデヒドの放散量が低下している。
より具体的には、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量が0重量%から5重量%まで増加するのにともなって、アセトアルデヒドの放散量が少なくとも35μg/100cm2以上の値から、5μg/100cm2前後の値にまで、急激に減少していることがわかる。そして、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量が、5重量%以上の範囲では、アセトアルデヒドの発生量を、安定的に5μg/100cm2前後の低い値に抑制できることがわかる。
また、特性曲線Bから理解されるように、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量が増加するのにともなって、密着性が一度向上した後、低下している。
より具体的には、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量が0重量%から5重量%まで増加するのにともなって、密着性の相対評価が1から4にまで急激に向上していることがわかる。そして、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量が5〜50重量%の範囲では、密着性の相対評価を約3以上のレベルに保持することができ、さらにポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量を増加させると、緩やかに密着性の相対評価が低下して続け、十分な密着性を得ることが困難となることがわかる。
したがって、特性曲線A及びBから、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量を、全体量に対して5〜50重量%の範囲内の値とすることで、VOCとしてのアセトアルデヒドの放散を効果的に抑制しつつも、基材に対する密着性を有効に保持できることがわかる。
(2)他のウレタンアクリレートオリゴマー
また、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマー以外の他のウレタンアクリレートオリゴマーとして、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリカプロラクトン骨格ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエーテル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを用いることを特徴とする
特に、他のウレタンアクリレートオリゴマーとして、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーおよびポリカプロラクトン骨格ウレタンアクリレートオリゴマー、あるいはいずれか一方を含むことが好ましい。
この理由は、基材との密着性を効果的に保持しつつも、硬化速度を向上させることができるためである。
また、他のウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量を2,000〜15,000の範囲内の値とすることを特徴とする
この理由は、かかる他のウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量が2,000未満の値になると、硬化速度が過度に増大し、基材との密着不良を起こしやすくなって、取り扱いが困難となる場合があるためである。一方、かかる他のウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量が15,000を超えると、硬化速度が過度に低下し、VOCの放散を効果的に抑制することが困難となる場合があるためである。
したがって、他のウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量を2,500〜8,000の範囲内の値とすることよりが好ましく、3,500〜6,000の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、他のウレタンアクリレートオリゴマーの配合比率を、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対し、70〜300重量部の範囲内の値とすることが好ましく、100〜200重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、他のウレタンアクリレートオリゴマーの配合比率が過度に低いと、硬化速度が過度に低下し、VOC量が多くなる場合があるためである。一方、他のウレタンアクリレートオリゴマーの配合比率が過度に高いと、硬化速度が過度に増大し、基材に対する密着不良が起こしやすくなったり、取り扱いが困難になったりするためである。
2.(メタ)アクリレートモノマーの混合物
また、紫外線硬化型インキ組成物の粘度や硬化物の特性を調整するために、フェノキシエチルアクリレートモノマーを含む(メタ)アクリレートモノマーの混合物を用いることを特徴とする。
すなわち、反応性希釈剤として、例えば、アミノ基やヒドロキシル基を含む化合物と、アクリル酸とのアミド化反応又はエステル化反応により得られる(メタ)アクリレートモノマー、カルボキシル基や酸無水物基を有する化合物と、ヒドロキシル基を有するアクリレートとのエステル化反応により得られる(メタ)アクリレートモノマーなどが含まれる。
より具体的には、(メタ)アクリレートモノマーとしては、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、ジシクロペンタジエンアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカニルオキシエチルアクリレート等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
この中でも、密着性が良好であって、硬化速度が適当なことから、(メタ)アクリレートモノマーとして、フェノキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレート、およびジシクロペンタニルアクリレートを使用することが好ましい。
特に、ジシクロペンタニルアクリレートモノマーは、密着性および硬化速度を、さらに向上させることができることから、特に好ましい(メタ)アクリレートモノマーである。
また、(メタ)アクリレートモノマーの添加量を、全体量に対して、1〜35重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、硬化速度を効果的に保持しつつも、基材との密着性を向上させることができるばかりか、さらに硬化塗膜として所定の硬度を容易に得ることができるためである。なお、(メタ)アクリレートモノマーの添加量とは、フェノキシエチルアクリレートと、その他の(メタ)アクリレートモノマーと、の混合物の添加量を意味する。
すなわち、(メタ)アクリレートモノマーの添加量が1重量%未満の値となると、硬化速度が過度に増大し、基材との密着不良を起こしやすくなって、取り扱いが困難となる場合があるためである。一方、(メタ)アクリレートモノマーの添加量が35重量%を超えた値となると、硬化速度が過度に低下し、VOCの放散を効果的に抑制することが困難となる場合があるためである。
したがって、(メタ)アクリレートモノマーの添加量を、全体量に対して3〜30重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、5〜20重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
次いで、図2を用いて、(メタ)アクリレートモノマーの添加量と、アセトアルデヒドの放散量及び密着性と、の関係を説明する。
すなわち、図2においては、横軸に、紫外線硬化型インキ組成物の全体量に対する(メタ)アクリレートモノマーの添加量(重量%)を採り、左縦軸に、アセトアルデヒドの放散量(μg/100cm2)を採った特性曲線A、および右縦軸に、密着性(相対評価)を採った特性曲線Bを示している。
このとき、紫外線硬化型インキ組成物の全体量に対するN−ビニルカプロラクタムの添加量を0〜15重量%、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを含むウレタンアクリレートオリゴマーの混合物の添加量を13〜30重量%、およびアクリルアミドの添加量を1〜10重量%とした。
なお、アセトアルデヒドの放散量の測定条件および密着性の相対評価については、図1における内容と同様である。
すなわち、特性曲線Aから理解されるように、(メタ)アクリレートモノマーの添加量が増加するのにともなって、アセトアルデヒドの放散量が増加している。
より具体的には、(メタ)アクリレートモノマーの添加量が0〜35重量%の範囲では、アセトアルデヒドの放散量は、5μg/100cm2前後の低い値を安定的に保持していることがわかる。一方、(メタ)アクリレートモノマーの添加量が35重量%を超えた値となると、アセトアルデヒドの放散量が、急激に増加してしまうことがわかる。
また、特性曲線Bから理解されるように、(メタ)アクリレートモノマーの添加量が増加するのにともなって、密着性が向上している。
より具体的には、(メタ)アクリレートモノマーの添加量が0重量%から5重量%まで増加するのにともなって、密着性の相対評価が1〜4にまで急激に向上していることがわかる。そして、(メタ)アクリレートモノマーの添加量が1重量%以上の範囲であれば、密着性の評価を3以上のレベルに保持できることがわかる。
したがって、特性曲線A及びBから、(メタ)アクリレートモノマーの添加量を、全体量に対して1〜35重量%の範囲内の値とすることで、VOCとしてのアセトアルデヒドの放散を効果的に抑制しつつも、基材に対する密着性を有効に保持できることがわかる。
3.アクリルアミド化合物
また、本発明の紫外線硬化型インキ組成物は、少なくとも1種以上のアクリルアミド化合物を含むことを特徴とする。
この理由は、所定量のアクリルアミド化合物を含むことにより、基材との密着性をさらに向上させることができるためである。
ここで、かかるアクリルアミド化合物としては、ジアセトンアクリルアミド、イソブトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、t−オクチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ブトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、アクリルアミド化合物の添加量を、全体量に対して、1〜35重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、アクリルアミド化合物の添加量が過度に少ないと、硬化速度が増大し、基材に対する密着不良が起こしやすくなったり、取り扱いが困難になったりするためである。一方、アクリルアミド化合物の添加量が過度に多いと、硬化速度が過度に低下し、VOC量が多くなる場合があるためである。
したがって、アクリルアミド化合物の添加量を、全体量に対して、3〜30重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、5〜20重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
次いで、図3を用いて、アクリルアミド化合物の添加量と、アセトアルデヒドの放散量及び密着性と、の関係を説明する。
すなわち、図3においては、横軸に、紫外線硬化型インキ組成物の全体量に対するアクリルアミド化合物の添加量(重量%)を採り、左縦軸に、アセトアルデヒドの放散量(μg/100cm2)を採った特性曲線A、および右縦軸に、密着性(相対評価)を採った特性曲線Bを示している。
このとき、紫外線硬化型インキ組成物の全体量に対するN−ビニルカプロラクタムの添加量を0〜15重量%、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを含むウレタンアクリレートオリゴマーの混合物の添加量を13〜30重量%、および(メタ)アクリレートモノマーの混合物の添加量を10〜25重量%とした。
なお、アセトアルデヒドの放散量の測定条件および密着性の相対評価については、図1における内容と同様である。
すなわち、特性曲線Aから理解されるように、アクリルアミド化合物の添加量が増加するのにともなって、アセトアルデヒドの放散量が増加している。
より具体的には、アクリルアミド化合物の添加量が0〜35重量%の範囲では、アセトアルデヒドの放散量は、5μg/100cm2前後の低い値を安定的に保持していることがわかる。一方、アクリルアミド化合物の添加量が35重量%を超えた値となると、アセトアルデヒドの放散量が、急激に増加してしまうことがわかる。
また、特性曲線Bから理解されるように、アクリルアミド化合物の添加量が増加するのにともなって、密着性が向上している。
より具体的には、アクリルアミド化合物の添加量が0重量%から5重量%まで増加するのにともなって、密着性の相対評価が1〜4にまで急激に向上していることがわかる。そして、アクリルアミド化合物の添加量が1重量%以上の範囲であれば、密着性の評価を約3以上のレベルに保持することができることがわかる。
したがって、特性曲線A及びBから、アクリルアミド化合物の添加量を、全体量に対して1〜35重量%の範囲内の値とすることで、VOCとしてのアセトアルデヒドの放散を効果的に抑制しつつも、基材に対する密着性を有効に保持できることがわかる。
4.N−ビニルカプロラクタム
また、本発明の紫外線硬化型インキ組成物は、N−ビニルカプロラクタムを、全体量に対して0重量%または2重量%以下(0重量%を除く)の値とすることを特徴とする。
この理由は、N−ビニルカプロラクタムの添加量を所定範囲に制限することによって、VOCの放散を効果的に抑制することができるためである。
その一方で、N−ビニルカプロラクタムの添加量を制限することにより、光硬化型樹脂組成物の基材に対する密着性等が低下する場合がある。
この点、本願発明であれば、上述した所定のウレタンアクリレートオリゴマー、(メタ)アクリレートモノマーおよびアクリルアミド化合物を用いてることから、N−ビニルカプロラクタムの添加量を制限しているにもかかわらず、光硬化型インキ組成物の基材に対する密着性等を、効果的に維持することができる。
したがって、VOC量の調整と、基材に対する密着性と、のバランスが、より好適な範囲となることから、N−ビニルカプロラクタムの添加量を1〜2重量%の範囲内の値とすることがより好ましい。
次いで、図4を用いて、N−ビニルカプロラクタムの添加量と、アセトアルデヒドの放散量および密着性と、の関係を説明する。
すなわち、図4においては、横軸に、紫外線硬化型インキ組成物の全体量に対するN−ビニルカプロラクタムの添加量(重量%)を採り、左縦軸に、アセトアルデヒドの放散量(μg/100cm2)を採った特性曲線A、および右縦軸に、密着性(相対評価)を採った特性曲線Bを示している。
このとき、紫外線硬化型インキ組成物の全体量に対するポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを含むウレタンアクリレートオリゴマーの混合物の添加量を13〜30重量%、(メタ)アクリレートモノマーの混合物の添加量を10〜25重量%、およびアクリルアミドの添加量を1〜10重量%とした。
なお、アセトアルデヒドの放散量の測定条件および密着性の相対評価については、図1における内容と同様である。
すなわち、特性曲線Aから理解されるように、N−ビニルカプロラクタムの添加量が増加するのにともなって、アセトアルデヒドの放散量が増加している。
より具体的には、N−ビニルカプロラクタムの添加量が0〜15重量%の範囲では、アセトアルデヒドの放散量は、5μg/100cm2前後の低い値を安定的に保持していることがわかる。一方、N−ビニルカプロラクタムの添加量が15重量%を超えた値となると、アセトアルデヒドの放散量が、急激に増加してしまうことがわかる。
また、特性曲線Bから理解されるように、N−ビニルカプロラクタムの添加量が増加するのにともなって、密着性が向上している。
より具体的には、N−ビニルカプロラクタムの添加量が0重量%の時点で、既に密着性の相対評価が3前後の比較的高い値をとっており、さらに、N−ビニルカプロラクタムの添加量が0重量%から1重量%まで増加するのにともなって、密着性の相対評価が3前後の値から4前後の値にまで向上していることがわかる。そして、N−ビニルカプロラクタムの添加量が1重量%以上の範囲でも、密着性の評価を3以上のレベルに保持できることがわかる。
したがって、特性曲線A及びBから、N−ビニルカプロラクタムの添加量を、全体量に対して0重量%または2重量%以下(0重量%を除く)の範囲内の値とすることで、VOCとしてのアセトアルデヒドの放散を効果的に抑制しつつも、基材に対する密着性を有効に保持できることがわかる。
5.光重合開始剤
本発明に使用する光重合開始剤は、紫外線によりラジカルを発生し、そのラジカルが
ウレタンアクリレートオリゴマーの混合物や、(メタ)アクリレートモノマーの混合物等を重合反応させるものであればよい。
このような光重合開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンジルジメチルケタール系化合物;オリゴ〔2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン〕、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のα−ヒドロキシケトン系合物; 2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェ二ル)−ブタノン−1等のα−アミノケトン系化合物; ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物;1−〔4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロパン−1−オン等のケトスルフォン系化合物; ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のメタロセン系化合物; 2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オン−メソクロライド等のチオキサントン系化合物などが挙げられる。
また、上述した光重合開始剤の中でも、フェニル基を有するα−ヒドロキシケトン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、ケトスルフォン系化合物は紫外線によりラジカルを発生し、そのラジカルが光重合オリゴマーおよび光重合モノマー混合物と効率的に反応することにより硬化反応が促進される。
また、チオキサントン系化合物などの水素を引き抜いてラジカルを生成するものは、水素供与体と組合せることによって硬化反応が促進される。
水素供与体としては、例えば、メルカプト化合物およびアミン化合物等が挙げられ、中でもアミン化合物が好ましい。アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミノエチルアクリレート、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、ペンチル4−ジメチルアミノベンゾエート等が挙げられる。
また、光重合開始剤は、少なくとも2種類以上を混合使用することが好ましい。
特に、硬化速度や耐候性が適当であって、VOC量を効果的に低減させることができることから、アシルフォスフィンオキサイド系化合物に、α−ヒドロキシケトン系化合物、あるいはケトスルフォン系化合物を混合して使用することが好ましい。
なお、顔料等を含有させず、着色顔料を使用しない、無色の紫外線硬化型インキ組成物として構成する場合には、紫外線硬化塗膜の着色の影響を回避するため、光重合開始剤としてα−ヒドロキシケトン系化合物のみを使用することが好ましい。
また、光重合開始剤の添加量は、全体量に対して、通常、0.1〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましく、0.5〜15重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、3〜10重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、光重合開始剤の添加量が少なすぎると、硬化速度が著しく低下し、VOCの放散が多くなる場合があるためである。一方、光重合開始剤の添加量が多すぎると、硬化速度が増大し、基材に対する密着不良を起こしやすくなったり、取り扱いが困難になったりするためである。
6.顔料
また、紫外線硬化型印刷用インキを構成するにあたり、顔料として、無機系着色顔料、有機系着色顔料、有機系体質顔料、無機系艶消粉末顔料、有機系艶消粉末顔料等を添加することが好ましい。
すなわち、好ましい顔料として、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、クナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料等、フタロシアニン系顔料等およびチタン系顔料、硫化亜鉛系顔料、カーボンブラック系顔料、酸化鉄系顔料等の無機系顔料等が挙げられる。
また、体質顔料としては、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等および各種樹脂系ビーズ等が挙げられる。
なお、顔料はインキの使用目的、例えば、艶消色等の目的により、1種または2種以上の配合によって構成される。
また、顔料の添加量は、紫外線硬化速度を阻害させず、本発明の目的を低下させない範囲で決められ、通常、全体量に対して、1〜50重量%の範囲で使用される。
7.添加剤
また、紫外線硬化型印刷用インキ中に、インキおよび印刷適性を調整する目的で、消泡剤、レベリング剤、顔料湿潤剤、分散剤、流動調整剤、熱重合禁止剤、酸化重合防止剤等が添加使用できる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態は、硬化成分として、N−ビニルカプロラクタムの添加量が、全体量に対して、0重量%または2重量%以下(0重量%を除く)の紫外線硬化型インキ組成物であって、硬化成分として、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを含む2種以上のウレタンアクリレートオリゴマーの混合物と、フェノキシエチルアクリレートモノマーを含む(メタ)アクリレートモノマーの混合物と、アクリルアミド化合物と、を含有し、かつ、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマー以外のウレタンアクリレートオリゴマーが、重量平均分子量が2,000〜15,000であるポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマー、重量平均分子量が2,000〜15,000であるポリカプロラクトン骨格ウレタンアクリレートオリゴマーおよび重量平均分子量が2,000〜15,000であるポリエーテル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも一種である紫外線硬化型インキ組成物から得られてなる印刷層を含むことを特徴とする印刷表示物である。
以下、本発明の第2の実施形態について、詳しく述べる。
1.印刷層
紫外線硬化型印刷用インキからなる印刷層としては、印刷によって得られる文字、図形、記号等の組み合わせからなる層であって、装飾層、加飾層、保護層、下地層等が該当する。
また、かかる印刷層の厚さは、用途にもよるが、通常、1μm〜1mmの範囲内であり、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましく、5μm〜50μmの範囲内であることがさらに好ましい。
さらに、かかる印刷層は、用途や機能にもよるが、下地層、中間層、保護層の組み合わせのように、複数層から構成されていることも好ましい。
2.基材
紫外線硬化型印刷用インキが適用される基材としては、通常、プラスチック製基材であるが、特に、ポリカーボネート板、ポリカーボネートフィルム、PETフィルム、アクリル板、塗装金属等が挙げられる。また、このような基材としては、ガラスや金属製基材であっても良い。
3.製法
また、印刷表示物の製法としては特に制限されるものではないが、例えば、ポリカーボネート板等の基材に対して、ロールコート、グラビアコート、ディップコート、フローコート等のコーティング方式により塗布した後、所定量の紫外線照射によって、製造することができる。
以下、本発明を、実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
1.紫外線硬化型インキ組成物の作成
容器内に、以下の重量比率となるようにウレタンアクリレートオリゴマー等を添加し、均一になるまで混合し、紫外線硬化型インキ組成物とした。
ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマー :8重量%
(重量平均分子量5,000)
ポリカプロラクトン骨格ウレタンアクリレートオリゴマー :8重量%
(重量平均分子量3,500)
ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマー :8重量%
(重量平均分子量3,500)
フェノキシエチルアクリレート :8重量%
ジシクロペンタニルアクリレート :5重量%
N−ビニルカプロラクタム :2重量%
N,N−ジメチルアクリルアミド :5重量%
N,N−ブトキシメチルアクリルアミド :5重量%
光重合開始剤1 :4重量%
光重合開始剤2 :2重量%
光重合開始剤3 :2重量%
顔料(カーボンブラック/酸化鉄) :20重量%
体質顔料 :18重量%
消泡剤(シリコン系) :1重量%
レベリング剤(シリコン系) :1重量%
分散剤(カルボン酸系) :3重量%
なお、上述した光重合開始剤1〜3の詳細は、以下に示す通りである。
(光重合開始剤1)
化学名:ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド
/アシルフォスフィンオキサイド系化合物
商品名:BASF(株)製、ルシリンTPO
(光重合開始剤2)
化学名:オリゴ〔2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン〕
/α−ヒドロキシケトン系化合物
商品名:LAMBERTI(株)製、ESACURE KIP150
(光重合開始剤3)
化学名:1−〔4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロパン−1−オン
/ケトスルフォン系化合物
商品名:LAMBERTI(株)製、ESACURE1001M
なお、実施例にて作成した全ての紫外線硬化型インキ組成物の組成割合(重量%)を、表1および2に示す。
2.紫外線硬化型インキ組成物の評価
(1)紫外線硬化性
0.5mm厚さの透明ポリカーボネート板(ユーピロンNF2000)に、下記印刷条件にて、紫外線硬化型インキ組成物を印刷した後、UV照射機(ジーエス・ユアサライティング(株)製、CS−60)にて、下記硬化条件にて紫外線硬化させて、紫外線硬化性を評価した。
(印刷条件)
刷版:ポリエステルスクリーン300メッシュ
乳剤膜厚:8μm
硬化塗膜:10μm
(硬化条件)
メタルハライドランプ:120W/cm2 2灯
ランプ高さ:100mm
コンベアー速度:7m/min
ランプピーク強度:1.18W/cm2
ランプ積算光量:0.88J/cm2
すなわち、得られた硬化塗膜につき、JIS K−5600 5.4に準じて鉛筆硬度を測定し、以下の基準から、紫外線硬化性を評価した。得られた結果を表3に示す。
◎:鉛筆硬度がF以上である。
○:鉛筆硬度がHB以上、F未満である。
△:鉛筆硬度がB以上、HB未満である。
×:鉛筆硬度がB未満である。
(2)密着性
紫外線硬化性の評価と同様の条件で得られた硬化塗膜につき、JIS K−5600 5.6に準じて碁盤目セロテープ(登録商標)剥離試験により、密着性を評価した。
すなわち、硬化塗膜上に、隙間間隔1mmのカッターガイドを用いて100目の碁盤目を作製し、テープ法でその密着性を、以下の基準に照らして評価した。なお、評価結果は、剥がれなかった碁盤目の数を%で表して示した。得られた結果を表3に示す。
◎:剥がれなかった碁盤目数が99%以上
○:剥がれなかった碁盤目数が95〜99%未満
△:剥がれなかった碁盤目数が75〜95%未満
×:剥がれなかった碁盤目数が75%未満
(3)耐温水性
紫外線硬化性の評価と同様の条件で得られた硬化塗膜につき、碁盤目セロテープ(登録商標)剥離試験により、耐温水性を評価した。
すなわち、硬化塗膜上に、隙間間隔1mmのカッターガイドを用いて100目の碁盤目を作製し、耐温水試験(40℃温水中に24時間浸漬する)を行い、以下の基準に照らして評価した。得られた結果を表3に示す。
◎:剥がれなかった碁盤目数が99%以上
○:剥がれなかった碁盤目数が95〜99%未満
△:剥がれなかった碁盤目数が75〜95%未満
×:剥がれなかった碁盤目数が75%未満
(4)耐衝撃性
紫外線硬化性の評価と同様の条件で得られた硬化塗膜につき、JIS K−5600 5.3に準じてデュポン衝撃試験機を用いて、耐衝撃性を評価した。
すなわち、得られた硬化塗膜につき、デュポン衝撃試験機により500gの重りを50cmの高さから落下させた衝撃性試験を測定し、以下の基準に照らして評価した。得られた結果を表3に示す。
◎:割れおよびクラックの発生が全くない。
○:割れおよびクラックの発生がほとんどない。
△:割れおよびクラックが少々発生した。
×:硬化塗膜の剥離が発生した。
(5)総合評価
上述した紫外線硬化性、密着性、耐温水性及び耐衝撃性を総合して評価した。
すなわち、これらの試験項目における各評価を、以下の基準に照らして評価した。得られた結果を表3に示す。
◎:全てが◎の評価である。
○:全てが○以上の評価であり、かつ、○の評価が少なくとも1つ以上存在する。
△:△以下の評価が少なくとも1つ以上存在し、かつ、×の評価が1つ以下である。
×:×の評価が2つ以上存在する。
(6)VOC放散量
また、得られた硬化塗膜につき、アフターベーク処理を施さない場合におけるVOCの規制対象物質であるアセトアルデヒドの放散量を測定した。
すなわち、印刷基材に対して、上述した印刷および硬化条件にて100mm×100mmのベタパッチパターンの印刷品を作成した。
次いで、得られた印刷品を窒素ガス5リットルとともに、バック容量10リットルの密閉バック中に入れ、80℃±3℃に加熱した状態を2時間保持した。
最後に、ガスクロマトグラフィー(ヒューレットパッカード(株)製、HP 6890シリーズ)を用いて、密閉バック中におけるアセトアルデヒドの放散量(μg/100cm2)を測定し、以下の基準に照らして評価した。また、その他のVOC規制対象物質であるホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼンおよびスチレンの放散量についても、それぞれアセトアルデヒドの放散量と同様にして測定した。得られた結果を表4に示す。
◎:アセトアルデヒドの放散量が4μg/100cm2未満の値である。
○:アセトアルデヒドの放散量が4〜6μg/100cm2未満の値である。
△:アセトアルデヒドの放散量が6〜8μg/100cm2未満の値である。
×:アセトアルデヒドの放散量が10μg/100cm2以上の値である
[実施例2]
実施例2では、紫外線硬化型インキ組成物を作成する際に、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを10重量%、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを6重量%、フェノキシエチルアクリレートモノマーを10重量%、およびジシクロペンタニルアクリレートモノマーを3重量%に変え、さらに、イソボロニルアクリレートモノマーを2重量%加えるとともに、N−ビニルカプロラクタムを加えなかった。
それ以外については、実施例1と同様に紫外線硬化型インキ組成物を作成するとともに、評価した。得られた結果を表3および表4に示す。
[実施例3]
実施例3では、紫外線硬化型インキ組成物を作成する際に、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを12重量%、ポリカプロラクトン骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを12重量%、フェノキシエチルアクリレートモノマーを10重量%、ジシクロペンタニルアクリレートモノマーを4重量%、およびN−ビニルカプロラクタムを1重量%に変え、さらに、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを加えなかった。
それ以外については、実施例1と同様に紫外線硬化型インキ組成物を作成するとともに、評価した。得られた結果を表3および表4に示す。
参考例4
参考例4では、紫外線硬化型インキ組成物を作成する際に、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを6重量%、ポリカプロラクトン骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを6重量%、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを6重量%、フェノキシエチルアクリレートモノマーを9重量%、ジシクロペンタニルアクリレートモノマーを4重量%、およびN−ビニルカプロラクタムを5重量%に変えるとともに、イソボロニルアクリレートモノマーを3重量%加えた。
それ以外については、実施例1と同様に紫外線硬化型インキ組成物を作成するとともに評価した。得られた結果を表3および表4に示す。
[実施例5]
実施例5では、紫外線硬化型インキ組成物を作成する際に、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを12重量%に変え、さらに、ポリエーテル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを12重量%加えるとともに、ポリカプロラクトン骨格ウレタンアクリレートオリゴマー、およびポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを加えなかった。
それ以外については、実施例1と同様に紫外線硬化型インキ組成物を作成するとともに、評価した。得られた結果を表3および表4に示す。
[実施例6]
実施例6では、紫外線硬化型インキ組成物を作成する際に、イソボロニルアクリレートモノマーを5重量%加えるとともに、ジシクロペンタニルアクリレートモノマーを加えなかった。
それ以外は、実施例1と同様に紫外線硬化型インキ組成物を作成するとともに、評価した。得られた結果を表3および表4に示す。
[実施例7]
実施例7では、紫外線硬化型インキ組成物を作成する際に、光重合開始剤1を8重量%に変えるとともに、光重合開始剤2、および光重合開始剤3を加えなかった。
それ以外については、実施例1と同様に紫外線硬化型インキ組成物を作成するとともに、評価した。得られた結果を表3および表4に示す。
[実施例8]
実施例8では、紫外線硬化型インキ組成物を作成する際に、光重合開始剤2を4重量%、および光重合開始剤3を4重量%に変えるとともに、光重合開始剤1を加えなかった。
それ以外については、実施例1と同様に紫外線硬化型インキ組成物を作成するとともに、評価した。得られた結果を表3および表4に示す。
[比較例1]
比較例1では、紫外線硬化型インキ組成物を作成する際に、ポリエーテル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを8重量%、フェノキシエチルアクリレートモノマーを5重量%、ジシクロペンタニルアクリレートモノマーを10重量%、光重合開始剤1を6重量%に変え、さらに、イソボロニルアクリレートモノマーを10重量%加えるとともに、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマー、N−ビニルカプロラクタム、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ブトキシメチルアクリルアミド、および光重合開始剤3を加えなかった。
それ以外については、実施例1と同様に紫外線硬化型インキ組成物を作成するとともに、評価した。得られた結果を表5および表6に示す。
[比較例2]
比較例2では、紫外線硬化型インキ組成物を作成する際に、フェノキシエチルアクリレートモノマー3重量%、ジシクロペンタニルアクリレートモノマー8重量%、および光重合開始剤1を8重量%に変え、さらに、ポリエーテル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを8重量%、およびイソボロニルアクリレートモノマーを4重量%加えるとともに、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマー、N−ビニルカプロラクタム、光重合開始剤2および3を加えなかった。
それ以外については、実施例1と同様に紫外線硬化型インキ組成物を作成するとともに、評価した。得られた結果を表5および表6に示す。
[比較例3]
比較例3では、紫外線硬化型インキ組成物を作成する際に、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを5重量%、ポリカプロラクトン骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを4重量%、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを4重量%、フェノキシエチルアクリレートモノマーを6重量%、ジシクロペンタニルアクリレートモノマーを4重量%、N−ビニルカプロラクタムを20重量%、N,N−ジメチルアクリルアミドを3重量%、およびN,N−ブトキシメチルアクリルアミドを3重量%に変えた。
それ以外については、実施例1と同様に紫外線硬化型インキ組成物を作成すると共に、評価した。得られた結果を表5および表6に示す。
[比較例4]
比較例4では、紫外線硬化型インキ組成物を作成する際に、ジシクロペンタニルアクリレートモノマーを8重量%に変え、さらに、イソボロニルアクリレートモノマーを5重量%加えるとともに、フェノキシエチルアクリレートモノマーを加えなかった。
それ以外については、実施例1と同様に紫外線硬化型インキ組成物を作成するとともに、評価した。得られた結果を表5および表6に示す。
[比較例5]
比較例5では、紫外線硬化型インキ組成物を作成する際に、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを9重量%、ポリカプロラクトン骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを9重量%、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを9重量%、およびフェノキシエチルアクリレートモノマーを10重量%に変えるとともに、ジシクロペンタニルアクリレートモノマーを加えなかった。
それ以外については、実施例1と同様に紫外線硬化型インキ組成物を作成するとともに、評価した。得られた結果を表5および表6に示す。
[比較例6]
比較例6では、紫外線硬化型インキ組成物を作成する際に、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを10重量%、ポリカプロラクトン骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを10重量%、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを10重量%、フェノキシエチルアクリレートモノマーを10重量%、およびジシクロペンタニルアクリレートモノマーを7重量%に変えるとともに、N,N−ジメチルアクリルアミド、およびN,N−ブトキシメチルアクリルアミドを加えなかった。
それ以外は、実施例1と同様に紫外線硬化型インキ組成物を作成するとともに、評価した。得られた結果を表5および表6に示す。
本発明の紫外線硬化型インキ組成物を使用することにより、スクリーン印刷用紫外線硬化型インキに適用することができ、基材に対する密着性および紫外線硬化速度に優れており、紫外線硬化により得られた印刷表示物に対して、アフターベーク処理を施す事なく、製造工程および消防法や労安法の環境保全に配慮したシックハウス対策のVOCの放散を少なくした紫外線硬化型インキ組成物を提供することができる。
図1は、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量と、アセトアルデヒドの放散量および密着性と、の関係を説明するために供する図である。 図2は、(メタ)アクリレートモノマーの添加量と、アセトアルデヒドの放散量および密着性と、の関係を説明するために供する図である。 図3は、アクリルアミド化合物の添加量と、アセトアルデヒドの放散量および密着性と、の関係を説明するために供する図である。 図4は、N−ビニルカプロラクタムの添加量と、アセトアルデヒドの放散量および密着性と、の関係を説明するために供する図である。

Claims (10)

  1. 硬化成分として、N−ビニルカプロラクタムの添加量が、全体量に対して、0重量%または2重量%以下(0重量%を除く)の紫外線硬化型インキ組成物であって、
    硬化成分として、重量平均分子量が2,500〜10,000であるポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを含む2種以上のウレタンアクリレートオリゴマーの混合物と、フェノキシエチルアクリレートモノマーを含む(メタ)アクリレートモノマーの混合物と、アクリルアミド化合物と、を含有し、かつ、
    前記ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマー以外のウレタンアクリレートオリゴマーが、重量平均分子量が2,000〜15,000であるポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマー、重量平均分子量が2,000〜15,000であるポリカプロラクトン骨格ウレタンアクリレートオリゴマーおよび重量平均分子量が2,000〜15,000であるポリエーテル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする紫外線硬化型インキ組成物。
  2. 前記ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートオリゴマーの添加量を、全体量に対して、5〜50重量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
  3. 前記アクリルアミド化合物が、ジアセトンアクリルアミド、イソブトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、t−オクチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ブトキシメチルアクリルアミド、およびN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
  4. 前記アクリルアミド化合物が、二種以上の組み合わせで添加されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
  5. 前記アクリルアミド化合物の添加量を、全体量に対して、1〜35重量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
  6. 前記(メタ)アクリレートモノマーとして、ジシクロペンタニルアクリレートモノマーをさらに含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
  7. 前記(メタ)アクリレートモノマーの添加量を、全体量に対して、1〜35重量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
  8. 前記紫外線硬化型インキ組成物の光重合開始剤として、2種類以上の光重合開始剤を含有するとともに、当該光重合開始剤の含有量を、全体量に対して、0.1〜20重量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
  9. 前記光重合開始剤として、アシルフォスフィンオキサイド系化合物と、α−ヒドロキシケトン系化合物との組み合わせ、またはアシルフォスフィンオキサイド系化合物と、ケトスルフォン系化合物との組み合わせを用いることを特徴とする請求項8に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インキ組成物から得られてなる印刷層を含むことを特徴とする印刷表示物。
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