JP5069407B2 - 制御可能な粒度を有する全硫化粉末ゴム、その調整方法及びその使用 - Google Patents
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Description
本発明のもう一つの目的は、全硫化粉末ゴムを調製する工程を提供することである。
W0は、全硫化粉末ゴムのサンプルの重量を示し、
W1は、煮沸される前の銅スクリーンクロスとその内容物の重量を示し、そし て、
W2は、煮沸され、十分に乾燥された後の銅スクリーンクロスとその内容物の 重量を示す。
重量の50%の固形含有量を有する市販のカルボキシルブタジエン−スチレンゴムラテックス(Yanshan Petrochemical Companyより入手可能,指定:XSBRL-54B1)5kgを容器に入れ、75gのイソ−オクチルアクリレートを攪拌しながら滴状で加える。攪拌は、イソ−オクチルアクリレートの滴下が終了後1時間続ける。その後、ゴムラテックスを、2.5メガラドの照射線量と50Gy/分の照射線量率を備えたコバルト−60で照射する。照射されたラテックスを、140ないし160℃の入口温度と40ないし60℃の出口温度を備えた噴霧乾燥器で乾燥させ、乾燥したカルボキシルブタジエン−スチレンゴム粉末を遠心式分離器で採取し、全硫化カルボキシルブタジエン−スチレンゴムの流れるように動く粉末サンプル1が得られる。粉末ゴムの粒度は、約150nmと測定され、ゲル含有量は92.6%、また膨張指数は7.6である。
照射線量を10メガラドに変更する以外は、例1の手順を繰り返す。全硫化カルボキシルブタジエン−スチレンゴムの流れるように動く粉末サンプル2が得られる。粉末ゴムの粒度は、約150nmと測定され、ゲル含有量は94.5%、また膨張指数は5.4である。
架橋剤をジグリコールジアクリレートに変更する以外は、例1の手順を繰り返す。全硫化カルボキシルブタジエン−スチレンゴムの流れるように動く粉末サンプル3が得られる。粉末ゴムの粒度は、約150nmと測定され、ゲル含有量は93.0%、また膨張指数は7.3である。
架橋剤をトリメチロールプロパントリアクリレートに変更する以外は、例1の手順を繰り返す。全硫化カルボキシルブタジエン−スチレンゴムの流れるように動く粉末サンプル4が得られる。粉末ゴムの粒度は、約150nmと測定され(図1参照)、ゲル含有量は93.3%、また膨張指数は5.8である。
重量の45%の固形含有量を有する市販のブタジエン−スチレンゴムラテックス(Lanzhou Petrochemical Companyより入手可能,指定:Dingben-50)5kgを容器に入れ、67.5gのイソ−オクチルアクリレートを攪拌しながら滴状で加える。攪拌は、イソ−オクチルアクリレートの滴下が終了後1時間続ける。その後、ゴムラテックスを、2.5メガラドの照射線量と50Gy/分の照射線量率を備えたコバルト−60で照射する。照射されたラテックスを、140ないし160℃の入口温度と40ないし60℃の出口温度を備えた噴霧乾燥器で乾燥させ、乾燥したブタジエン−スチレンゴム粉末を遠心式分離器で採取し、全硫化ブタジエン−スチレンゴムの流れるように動く粉末サンプル1が得られる。粉末ゴムの粒度は、約100nmと測定され、ゲル含有量は90.0%、また膨張指数は12.9である。
架橋剤をトリメチロールプロパントリアクリレートに変更する以外は、例5の手順を繰り返す。全硫化ブタジエン−スチレンゴムの流れるように動く粉末サンプル2が得られる。粉末ゴムの粒度は、約100nmと測定され、ゲル含有量は90.4%、また膨張指数は11.6である。
重量の45%の固形含有量を有する市販のカルボキシルニトリルゴムラテックス(Lanzhou Petrochemical Companyより入手可能,指定:Dingben-50)5kgを容器に入れ、67.5gのイソ−オクチルアクリレートを攪拌しながら滴状で加える。攪拌は、イソ−オクチルアクリレートの滴下が終了後1時間続ける。その後、ゴムラテックスを、2.5メガラドの照射線量と50Gy/分の照射線量率を備えたコバルト−60で照射する。照射されたラテックスを、140ないし160℃の入口温度と40ないし60℃の出口温度を備えた噴霧乾燥器で乾燥させ、乾燥したカルボキシルニトリルゴム粉末を遠心式分離器で採取し、全硫化カルボキシルニトリルゴムの流れるように動く粉末サンプル1が得られる。粉末ゴムの粒度は、約50nmと測定され、ゲル含有量は96.1%、また膨張指数は7.5である。
架橋剤をトリメチロールプロパントリアクリレートに変更する以外は、例7の手順を繰り返す。全硫化カルボキシルニトリルゴムの流れるように動く粉末サンプル2が得られる。粉末ゴムの粒度は、約50nmと測定され、ゲル含有量は97.1%、また膨張指数は6.7である。
重量の48%の固形含有量を有する市販のブチルアクリレートゴムラテックス(Beijing Dongfang Chemicalsより入手可能,指定:BC-01)5kgを容器に入れ、72gのイソ−オクチルアクリレートを攪拌しながら滴状で加える。攪拌は、イソ−オクチルアクリレートの滴下が終了後1時間続ける。その後、ゴムラテックスを、2.5メガラドの照射線量と50Gy/分の照射線量率を備えたコバルト−60で照射する。照射されたラテックスを、140ないし160℃の入口温度と40ないし50℃の出口温度を備えた噴霧乾燥器で乾燥させ、乾燥したブチルアクリレートゴム粉末を遠心式分離器で採取し、全硫化ブチルアクリレートゴムの流れるように動く粉末サンプル1が得られる。粉末ゴムの粒度は、約100nmと測定され、ゲル含有量は87.5%、また膨張指数は12.2である。
架橋剤をトリメチロールプロパントリアクリレートに変更する以外は、例9の手順を繰り返す。全硫化ブチルアクリレートゴムの流れるように動く粉末サンプル2が得られる。粉末ゴムの粒度は、約100nmと測定され、ゲル含有量は87.7%、また膨張指数は11.0である。
重量の60%の固形含有量を有する天然ゴムラテックス(Beijing Latex Manufacturerより入手可能)5kgを容器に入れ、150gのトリメチロールプロパントリアクリレートを攪拌しながら滴状で加える。攪拌は、トリメチロールプロパントリアクリレートの滴下が終了後1時間続ける。その後、ゴムラテックスを、15メガラドの照射線量と50Gy/分の照射線量率を備えたコバルト−60で照射する。照射されたラテックスを、140ないし160℃の入口温度と40ないし50℃の出口温度を備えた噴霧乾燥器で乾燥させ、乾燥した天然ゴム粉末を遠心式分離器で採取し、全硫化天然ゴムの流れるように動く粉末サンプル1が得られる。粉末ゴムの粒度は、約500nmと測定され、ゲル含有量は94.1%、また膨張指数は12.8である。
全硫化カルボキシルブタジエン−スチレンゴムの粉末サンプル1(例1において得られた)とナイロン−6(指定:1013B, UBE Industries, Ltd.(日本)製造)を、ZSK−25二軸スクリュー押出機(WP Company,ドイツ)において、75:25の割合で調合し、球粒を造る。押出機の個々のセクションの温度は、それぞれ210℃,225℃,225℃,225℃,230℃,及び225℃(押出機上部)に設定する。得られた粒剤をそれぞれ圧縮し、標準シート標本に射出成形する。これらの標本で試験された全硫化ブタジエン−スチレンゴム/ナイロン−6熱可塑性エラストマの特性が下記の表1に要約されている。
全硫化天然ゴムの粉末サンプル(例11で得られた)と高密度ポリエチレン樹脂(指定:J-1, Second Beijing Agents Manufacturer製造)をブラベンダー(登録商標)捏和機において75:25の割合で2分間調合し、捏和機のための油浴の温度を160℃に設定する。得られた物質を、標準標本を用意するために二軸ロール製粉機(温度:160℃)でシートに圧縮する。これらの標本で試験された全硫化天然ゴム/ポリエチレン熱可塑性エラストマの特性が下記の表1に要約されている。
ナイロン−6(指定:1013B, UBE Industries, Ltd.(日本)製造)に、20%の全硫化カルボキシルブタジエン−スチレンゴムの粉末サンプル1(例1で得られた),0.6%のステアリン酸カルシウム及び0.8%の細かく分離した凍石粉末を加え、結果として生じた混合物を高速で3分間混ぜ合わせ、そしてZSK−25二軸スクリュー押出機(WP Company,ドイツ)において調合し、球粒を造る。押出機の個々のセクションの温度は、それぞれ230℃,235℃,240℃,245℃,240℃,及び235℃に設定する。オーブンで乾燥させた後、得られた粒剤を標準シート標本に射出成形する。ASTM試験方法によって測定された超強化ナイロン−6の特性が下記の表2に要約されている。原子力顕微鏡写真によって得られた粒子分布グラフが図2に示されている。(分散相におけるゴム粒子の粒度は150nmである。)
例14で使われたナイロン−6が、標準標本に誘導されて射出成形され、特性試験結果が下記の表2に要約されている。
ポリオキシメチレン(指定:4520, 旭化成工業株式会社(日本)製造)に28%の全硫化カルボキシルブタジエン−スチレンゴムの粉末サンプル1(例1で得られた),1.2%のステアリン酸カルシウム,0.6%の細かく分離した凍石粉末,0.3%のポリエチレンワックス及び0.4%の酸化防止剤IRGANOXTM1010(Ciba-Geigyより入手可能)を加え、結果として生じた混合物を高速(1500rpm)で3分間混ぜ合わせ、そしてZSK−25二軸スクリュー押出機(WP Company,ドイツ)において調合し、球粒を造る。押出機の個々のセクションの温度は、それぞれ175℃,180℃,185℃,185℃,180℃,及び175℃に設定する。オーブンで乾燥させた後、得られた粒剤を標準シート標本に射出成形する。ASTM試験方法によって測定された強化ポリオキシメチレンの特性が下記の表2に要約されている。
Claims (21)
- 60重量%あるいはそれ以上のゲル含有量、及び20ないし2000nmの平均粒度を有する、ゴムラテックスを照射によって硫化することにより得られる全硫化粉末ゴムであり、粉末ゴム中に存在する粒子の各々は均質であり、前記全硫化粉末ゴムは、粉末シリコーンゴムを含まないものであり、
前記ゴムラテックスは、天然ゴム,スチレン−ブタジエンゴム,カルボキシルスチレン−ブタジエンゴム,ニトリルゴム,カルボキシルニトリルゴム,クロロプレンゴム,ポリブタジエンゴム,アクリルゴム,ブタジエン−スチレン−ビニルピリジンゴム,イソプレンゴム,ブチルゴム,ポリスルフィドゴム,アクリレート−ブタジエンゴム,ウレタンゴム,及びフッ素ゴムで構成されるグループから選択されることを特徴とする全硫化粉末ゴム。 - 粉末ゴムが、30ないし1500nmの粒度を有することを特徴とする請求項1に記載の全硫化粉末ゴム。
- 粉末ゴムが、50ないし500nmの粒度を有することを特徴とする請求項1に記載の全硫化粉末ゴム。
- 粉末ゴムが、75重量%またはそれ以上のゲル含有量を有することを特徴とする請求項1に記載の全硫化粉末ゴム。
- 粉末ゴムが、90重量%またはそれ以上のゲル含有量を有することを特徴とする請求項1に記載の全硫化粉末ゴム。
- 1)ゴムラテックスを照射によって硫化するステップと、
2)前記照射の後、前記照射されたラテックスを乾燥するステップとを含む、
ここで、前記ゴムラテックスは、天然ゴム,スチレン−ブタジエンゴム,カルボキシルスチレン−ブタジエンゴム,ニトリルゴム,カルボキシルニトリルゴム,クロロプレンゴム,ポリブタジエンゴム,アクリルゴム,ブタジエン−スチレン−ビニルピリジンゴム,イソプレンゴム,ブチルゴム,ポリスルフィドゴム,アクリレート−ブタジエンゴム,ウレタンゴム,及びフッ素ゴムで構成されるグループから選択される、
ことを特徴とする全硫化粉末ゴムを調製するための方法。 - 架橋剤の存在下、または非存在下において、ゴムラテックスが高エネルギー源で照射されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 高エネルギー源が、コバルト源,X線,紫外線,及び高エネルギー電子ビームから選択されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 高エネルギー源が、コバルト源であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
- ゴムラテックスが、単官能基架橋剤,二官能基架橋剤,三官能基架橋剤,四官能基架橋剤,多官能基架橋剤、及びそれらのいずれかの組合せから選択された架橋剤の存在する中で照射されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 架橋剤が、オクチルアクリレート(メタクリレート),イソオクチルアクリレート(メタクリレート),グリシジルアクリレート(メタクリレート),1,4−ブタンジオールジアクリレート(ジメタクリレート),1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(ジメタクリレート),ジグリコールジアクリレート(ジメタクリレート),トリグリコールジアクリレート(ジメタクリレート),ネオペンチルグリコールジアクリレート(ジメタクリレート),ジビニルベンゼン,トリメチロールプロパントリアクリレート(トリメタクリレート),ペンタエリトリトールトリアクリレート(トリメタクリレート),ペンタエリトリトールテトラアクリレート(テトラメタクリレート),エトキシレート化ペンタエリトリトールテトラアクリレート(テトラメタクリレート),ジペンタエリトリトールペンタアクリレート(ペンタメタクリレート)、及びそれらの任意の組合せで構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 乾燥が、噴霧乾燥器において、または沈殿乾燥によって行なわれることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 乾燥が、噴霧乾燥器において行われることを特徴とする請求項12に記載の方法。
- 照射線量が、0.1ないし30メガラドの範囲であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 照射線量が、0.5ないし20メガラドの範囲であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
- 架橋剤の量が、ゴムの正味重量に基づいて、0.1ないし10重量%であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 架橋剤の量が、ゴムの正味重量に基づいて、0.5ないし9重量%であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 架橋剤の量が、ゴムの正味重量に基づいて、0.7ないし7重量%であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 噴霧乾燥器の入口温度が100ないし200℃、及び出口温度が20ないし80℃であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
- 請求項1に記載の全硫化粉末ゴムと、プラスチックを含む、強化プラスチックまたは熱可塑性エラストマを調製するのに使用可能な組成物。
- プラスチックを強化するための、または全硫化熱可塑性エラストマを調製するための、請求項1に記載の全硫化粉末ゴムの使用。
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