JPH06157991A - 樹脂改質材および改質合成樹脂組成物 - Google Patents
樹脂改質材および改質合成樹脂組成物Info
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- JPH06157991A JPH06157991A JP4332396A JP33239692A JPH06157991A JP H06157991 A JPH06157991 A JP H06157991A JP 4332396 A JP4332396 A JP 4332396A JP 33239692 A JP33239692 A JP 33239692A JP H06157991 A JPH06157991 A JP H06157991A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 本発明は、平均粒径5〜30μmを有し、か
つ架橋された不溶性のゼラチン粉末又は膠粉末からなる
樹脂改質材である。 【効果】 本発明によれば、不溶化されたゼラチンが簡
便にしかも低コストで製造することができる。本発明の
不溶化されたゼラチンを配合した合成樹脂及びゴム成型
物は従来のものに比べ、吸湿性に優れる。
つ架橋された不溶性のゼラチン粉末又は膠粉末からなる
樹脂改質材である。 【効果】 本発明によれば、不溶化されたゼラチンが簡
便にしかも低コストで製造することができる。本発明の
不溶化されたゼラチンを配合した合成樹脂及びゴム成型
物は従来のものに比べ、吸湿性に優れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゼラチン粉末又は膠粉末
からなる樹脂改質材に関する。本発明のゼラチン粉末及
び膠粉末は、合成樹脂あるいはゴム組成物に配合あるい
は付着させ改質材として用いられる。
からなる樹脂改質材に関する。本発明のゼラチン粉末及
び膠粉末は、合成樹脂あるいはゴム組成物に配合あるい
は付着させ改質材として用いられる。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂あるいはゴム組成物から成形さ
れたシート、フィルム、合成レザー、等は帯電により表
面が汚染され醜くなったり、吸放湿特性の不足、プラス
チック的な感触など使用者に対して違和感を与え、天然
物に比べて感触が好ましくない。 このような合成樹脂
の性質を改良するために特開昭53−121902号、
特開平1−197600号公報には、合成樹脂中に皮革
粉を配合することが開示されている。しかしながら、皮
革粉は繊維質で微粉砕が困難であり、流動性が低いため
樹脂に配合した場合、表面の平滑な製品や薄物製品を製
造することは困難である。また、皮革粉自体の吸放湿性
も低いため、得られた成型品の吸放湿特性は小さい。ま
た、油脂分が多く加熱成型する際、成型品表面に油脂が
ブリードしてべたつき感を生じたり、汚染の原因となり
吸湿性も低い。
れたシート、フィルム、合成レザー、等は帯電により表
面が汚染され醜くなったり、吸放湿特性の不足、プラス
チック的な感触など使用者に対して違和感を与え、天然
物に比べて感触が好ましくない。 このような合成樹脂
の性質を改良するために特開昭53−121902号、
特開平1−197600号公報には、合成樹脂中に皮革
粉を配合することが開示されている。しかしながら、皮
革粉は繊維質で微粉砕が困難であり、流動性が低いため
樹脂に配合した場合、表面の平滑な製品や薄物製品を製
造することは困難である。また、皮革粉自体の吸放湿性
も低いため、得られた成型品の吸放湿特性は小さい。ま
た、油脂分が多く加熱成型する際、成型品表面に油脂が
ブリードしてべたつき感を生じたり、汚染の原因となり
吸湿性も低い。
【0003】また、特開昭63−147635号、15
2480号及び152485号には同様の目的でゼラチ
ンを用いることが開示されている。ゼラチンは油脂分の
含有率も少なく、吸放湿性、帯電防止性、均一分散性が
皮革粉に比べて優れている。しかしながら、ゼラチンは
親水性が非常に大きく樹脂との親和性が悪い。このた
め、合成樹脂にゼラチンを多量に添加すると相分離を起
こしたり、表面のべたつき感が発生し、強度の低下も生
じやすい。
2480号及び152485号には同様の目的でゼラチ
ンを用いることが開示されている。ゼラチンは油脂分の
含有率も少なく、吸放湿性、帯電防止性、均一分散性が
皮革粉に比べて優れている。しかしながら、ゼラチンは
親水性が非常に大きく樹脂との親和性が悪い。このた
め、合成樹脂にゼラチンを多量に添加すると相分離を起
こしたり、表面のべたつき感が発生し、強度の低下も生
じやすい。
【0004】このようにゼラチン粉末は合成樹脂の改質
に好ましいが親水性の大きいことが問題である。このよ
うな欠点を回避すると共に通気性を付与するために、ゼ
ラチンを合成樹脂に配合した後、熱水処理を行い未反応
のゼラチンを溶出させる方法(特開昭63−15248
2号)も提案されている。しかしながらこのような方法
では工程が複雑となり加工費の上昇を招き、溶出条件に
よっては添加したゼラチンの90%以上が溶出してしま
うため排水処理が必要となる。
に好ましいが親水性の大きいことが問題である。このよ
うな欠点を回避すると共に通気性を付与するために、ゼ
ラチンを合成樹脂に配合した後、熱水処理を行い未反応
のゼラチンを溶出させる方法(特開昭63−15248
2号)も提案されている。しかしながらこのような方法
では工程が複雑となり加工費の上昇を招き、溶出条件に
よっては添加したゼラチンの90%以上が溶出してしま
うため排水処理が必要となる。
【0005】これらの問題を解決するために、100μ
m以下の不溶化ゼラチン微粉末を、合成樹脂に配合する
ことも開示されている(特開平3−237165号)が、
ここで使用されている不溶化ゼラチンは、最も小さいも
のでも粒径45ミクロンほどであり、その不溶化方法
も、従来公知の加熱によるもの、あるいは溶液状での不
溶化反応によるものである。
m以下の不溶化ゼラチン微粉末を、合成樹脂に配合する
ことも開示されている(特開平3−237165号)が、
ここで使用されている不溶化ゼラチンは、最も小さいも
のでも粒径45ミクロンほどであり、その不溶化方法
も、従来公知の加熱によるもの、あるいは溶液状での不
溶化反応によるものである。
【0006】ゼラチンを不溶化する方法としては、ゼラ
チンの溶液をホルマリン、グルタルアルデヒド、クロム
明ばん等のゼラチンの架橋剤で処理する方法があるが、
この方法ではゼラチン自身が高分子でありその溶液の粘
度が高いため、不溶化度合をかなり高くした場合は、強
固なゲルを形成し、その後の処理に苦慮する場合があ
る。
チンの溶液をホルマリン、グルタルアルデヒド、クロム
明ばん等のゼラチンの架橋剤で処理する方法があるが、
この方法ではゼラチン自身が高分子でありその溶液の粘
度が高いため、不溶化度合をかなり高くした場合は、強
固なゲルを形成し、その後の処理に苦慮する場合があ
る。
【0007】他の方法としては、100〜200℃の高
温で加熱したり、赤外線や紫外線照射する方法などがあ
るが、これらの方法では、ゼラチン自身が変性するため
問題の生じることがある。さらにゼラチンの親水性を調
整する方法として、ゼラチンのアミノ基、カシボキシル
基、水酸基などの官能基の反応を利用した化学修飾法、
酵素法、グラフト重合法等があるが、これらの方法では
工程が複雑になり、修飾度合、グラフト度合などの制御
が難しく品質安定性に問題があり、製造コストも高くな
るなどいずれも工業的実現性が困難である。
温で加熱したり、赤外線や紫外線照射する方法などがあ
るが、これらの方法では、ゼラチン自身が変性するため
問題の生じることがある。さらにゼラチンの親水性を調
整する方法として、ゼラチンのアミノ基、カシボキシル
基、水酸基などの官能基の反応を利用した化学修飾法、
酵素法、グラフト重合法等があるが、これらの方法では
工程が複雑になり、修飾度合、グラフト度合などの制御
が難しく品質安定性に問題があり、製造コストも高くな
るなどいずれも工業的実現性が困難である。
【0008】また、ゴム組成物においても、吸湿性及び
帯電防止性を有するゴム製品を製造する目的で、ゴム原
料配合物に膠を加えて混練する方法が従来より知られて
いる。この方法では、膠を一旦温水に溶解し、冷却によ
り膠をゲル化し、次いでゴムと混練していた。しかしな
がら、膠自身が高分子であるため、このような方法では
溶液状態での粘度が高く濃厚溶液を得る場合は、多くの
時間と手間を必要としていた。また、ゴム原料と膠とを
混練する場合、混練ローラーに対するこれら混合物の接
着性が悪いなどの問題もある。これらの問題を解決し、
得られるゴム製品の吸湿性を向上させ、帯電性を減少さ
せる方法として軽度に硬化してから微粉化し、次いで水
分で膨潤した状態の粉末をゴム配合物と混練する方法
(特公昭48−23661号)も知られているが粒径の違
いについては検討がなされておらず、硬化度合も低い。
帯電防止性を有するゴム製品を製造する目的で、ゴム原
料配合物に膠を加えて混練する方法が従来より知られて
いる。この方法では、膠を一旦温水に溶解し、冷却によ
り膠をゲル化し、次いでゴムと混練していた。しかしな
がら、膠自身が高分子であるため、このような方法では
溶液状態での粘度が高く濃厚溶液を得る場合は、多くの
時間と手間を必要としていた。また、ゴム原料と膠とを
混練する場合、混練ローラーに対するこれら混合物の接
着性が悪いなどの問題もある。これらの問題を解決し、
得られるゴム製品の吸湿性を向上させ、帯電性を減少さ
せる方法として軽度に硬化してから微粉化し、次いで水
分で膨潤した状態の粉末をゴム配合物と混練する方法
(特公昭48−23661号)も知られているが粒径の違
いについては検討がなされておらず、硬化度合も低い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、吸放
湿性に優れ、不溶化後の状態が安定で凝集等の問題が起
こらず、取扱いが簡便なゼラチン粉末又は膠粉末ん樹脂
改質材を提供することにある。更に、本発明の目的は、
この樹脂改質材を製造するに当たって、簡便に、しかも
低コストで、品質安定性に優れた方法を提供することに
ある。
湿性に優れ、不溶化後の状態が安定で凝集等の問題が起
こらず、取扱いが簡便なゼラチン粉末又は膠粉末ん樹脂
改質材を提供することにある。更に、本発明の目的は、
この樹脂改質材を製造するに当たって、簡便に、しかも
低コストで、品質安定性に優れた方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題について鋭意検討を重ねた結果、意外にも平均粒径5
〜30μmを有し、かつ架橋された不溶性のゼラチン粉
末又は膠粉末からなる樹脂改質材が上述の問題点を解決
し、かつゼラチン粉末を固体のまま架橋剤で処理するこ
とにより、そのゼラチン粉末が不溶化できることを見い
だし本発明を完成した。本発明は固体のゼラチン粉末ま
たは膠粉末を流動状態に保持した架橋剤と接触させ、不
溶化反応を行うことを特徴とする。
題について鋭意検討を重ねた結果、意外にも平均粒径5
〜30μmを有し、かつ架橋された不溶性のゼラチン粉
末又は膠粉末からなる樹脂改質材が上述の問題点を解決
し、かつゼラチン粉末を固体のまま架橋剤で処理するこ
とにより、そのゼラチン粉末が不溶化できることを見い
だし本発明を完成した。本発明は固体のゼラチン粉末ま
たは膠粉末を流動状態に保持した架橋剤と接触させ、不
溶化反応を行うことを特徴とする。
【0011】不溶化反応に用いるゼラチン粉末の平均粒
径は、5〜30μm、好ましくは5〜25μm、更に好
ましくは10〜20μmである。本発明において「架橋
され、不溶化されてなる」とは、粉末の全部又は一部が
架橋され、このため不溶化されていることを意味し、一
部が架橋されている場合とは、粉末の粒子表面のみが架
橋された場合等、不均一な架橋状態を含むものとする。
ゼラチン粉末の架橋割合は目的に応じ任意に選択してよ
いが、不溶化度合が5%以上であればよい。更に好まし
くは、不溶化度合が80%以上であるものがよい。
径は、5〜30μm、好ましくは5〜25μm、更に好
ましくは10〜20μmである。本発明において「架橋
され、不溶化されてなる」とは、粉末の全部又は一部が
架橋され、このため不溶化されていることを意味し、一
部が架橋されている場合とは、粉末の粒子表面のみが架
橋された場合等、不均一な架橋状態を含むものとする。
ゼラチン粉末の架橋割合は目的に応じ任意に選択してよ
いが、不溶化度合が5%以上であればよい。更に好まし
くは、不溶化度合が80%以上であるものがよい。
【0012】不溶化度合は、ゼラチン微粉末1gを99
mLの水に分散させ、70℃にて10分間撹拌後、遠心
分離(10000G×20分間)により、固液分離を行い、上
澄み液の窒素量をセミミクロケルダール法により求め、
以下の式より算出したものをいう。
mLの水に分散させ、70℃にて10分間撹拌後、遠心
分離(10000G×20分間)により、固液分離を行い、上
澄み液の窒素量をセミミクロケルダール法により求め、
以下の式より算出したものをいう。
【0013】 不溶化度合(%)={(a−x)/a}×100 a:比較試料1gのセミミクロケルダール値 X:上澄み液のセミミクロケルダール値 本発明の反応に供される原料ゼラチンとしては、牛皮、
豚皮、牛骨等のいずれから得られたものであってもよ
く、また、酸、アルカリのいずれによって処理されたゼ
ラチンであってもよい。
豚皮、牛骨等のいずれから得られたものであってもよ
く、また、酸、アルカリのいずれによって処理されたゼ
ラチンであってもよい。
【0014】用いるゼラチン粉末は、微粉砕の効果を考
えると細かいものが好ましいが、12メッシュ程度以下
の物であればよい。このようなゼラチン粉末は、例えば
12〜22メッシュパス程度の粒径のものをファインビ
クトリーミル、ジェット粉砕機などを用いて微粉砕した
後、フルイ分けして得られる。
えると細かいものが好ましいが、12メッシュ程度以下
の物であればよい。このようなゼラチン粉末は、例えば
12〜22メッシュパス程度の粒径のものをファインビ
クトリーミル、ジェット粉砕機などを用いて微粉砕した
後、フルイ分けして得られる。
【0015】一方、架橋剤としては、ホルマリン、グル
タルアルデヒドのようなアルデヒド類、エポキシドなど
のエポキシ基を有する有機化合物、明ばん類などゼラチ
ンの架橋剤として従来公知のものがいずれも用いられて
もよい。これら架橋剤は前記のゼラチン粉末に対して気
体、液体、あるいは霧状などの流動状態で反応に供され
る。
タルアルデヒドのようなアルデヒド類、エポキシドなど
のエポキシ基を有する有機化合物、明ばん類などゼラチ
ンの架橋剤として従来公知のものがいずれも用いられて
もよい。これら架橋剤は前記のゼラチン粉末に対して気
体、液体、あるいは霧状などの流動状態で反応に供され
る。
【0016】例えば、ホルマリンのような低沸点の架橋
剤は気体で用いられる。また、常温で液状の架橋剤は、
空気中に浮遊した微粒子ゼラチンに対して、霧状にして
接触反応させてもよく、また分散媒体中に微粒子ゼラチ
ンを分散させ、これに架橋剤を添加して接触反応させ、
反応後に溶媒を蒸発させてもよい。
剤は気体で用いられる。また、常温で液状の架橋剤は、
空気中に浮遊した微粒子ゼラチンに対して、霧状にして
接触反応させてもよく、また分散媒体中に微粒子ゼラチ
ンを分散させ、これに架橋剤を添加して接触反応させ、
反応後に溶媒を蒸発させてもよい。
【0017】ゼラチン微粒子と架橋剤の反応条件は、ゼ
ラチンの粒径、架橋剤の種類および反応方法により異な
るが常温〜150℃にて1時間〜1週間程度行うのが好
ましい。例えば、ゼラチンに対して架橋剤としてホルマ
リンを用いる場合は、ホルマリン上記の雰囲気中、常温
〜80℃にて1〜7日間処理する。従来よりホルマリ
ン、グルタルアルデヒドなどのゼラチンの架橋剤を用い
てゼラチンの親水性を調整する方法は知られているが、
いずれも前記のとおりゼラチン溶液との液相反応であ
る。本発明はゼラチン粉末を固形のまま、これらの架橋
剤とを反応させるものであり本質的に異なる。
ラチンの粒径、架橋剤の種類および反応方法により異な
るが常温〜150℃にて1時間〜1週間程度行うのが好
ましい。例えば、ゼラチンに対して架橋剤としてホルマ
リンを用いる場合は、ホルマリン上記の雰囲気中、常温
〜80℃にて1〜7日間処理する。従来よりホルマリ
ン、グルタルアルデヒドなどのゼラチンの架橋剤を用い
てゼラチンの親水性を調整する方法は知られているが、
いずれも前記のとおりゼラチン溶液との液相反応であ
る。本発明はゼラチン粉末を固形のまま、これらの架橋
剤とを反応させるものであり本質的に異なる。
【0018】つぎに本発明を実施例にもとづきさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0019】
[実施例1]アルカリ処理したオセインより得られたゼ
ラチン粉末(12メッシュパス)をさらにジェットミル粉
砕機にて微粉砕し、平均粒径15μmのゼラチン微粉末
を得た。このゼラチン微粉末各50gを5つの密閉式ポ
リエチレン製容器(16×23×9cm)中に薄く敷い
た。ガラスビーカー(30ml)にホルマリン(37%濃
度)5mlを入れたものを4つ用意し、これを前記密閉
式ポリ容器内みに一緒に入れ密閉状態(25℃)にて各々
24時間、48時間、72時間及び96時間静置した。
残りの1つは比較試料とした。
ラチン粉末(12メッシュパス)をさらにジェットミル粉
砕機にて微粉砕し、平均粒径15μmのゼラチン微粉末
を得た。このゼラチン微粉末各50gを5つの密閉式ポ
リエチレン製容器(16×23×9cm)中に薄く敷い
た。ガラスビーカー(30ml)にホルマリン(37%濃
度)5mlを入れたものを4つ用意し、これを前記密閉
式ポリ容器内みに一緒に入れ密閉状態(25℃)にて各々
24時間、48時間、72時間及び96時間静置した。
残りの1つは比較試料とした。
【0020】それぞれ所定時間経過後ゼラチン微粉末を
取り出し、よく混合してサンプリングし、前記の方法に
より不溶化度を調べた。また、反応時間96時間の不溶
化ゼラチン粉末については、沸騰水中で5分間及び10
分間撹拌した後、同様の方法を用いて不溶化度合(%)を
測定した。これらの結果を表1に示す。
取り出し、よく混合してサンプリングし、前記の方法に
より不溶化度を調べた。また、反応時間96時間の不溶
化ゼラチン粉末については、沸騰水中で5分間及び10
分間撹拌した後、同様の方法を用いて不溶化度合(%)を
測定した。これらの結果を表1に示す。
【0021】 [表1] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 反応時間(時間) 24 48 72 96 ──────────────────────────────────── 不溶化 70℃ 10分間 22 48 75 88 度 合 沸騰水中 5分間 − − − 78 (%) 〃 10分間 − − − 55 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この結果からゼラチン粉末とホルマリンガスとの気固反
応でも充分に不溶化反応が進行することがわかる。ま
た、不溶化後もゼラチン粉末同士の凝集は見られず取り
扱いも容易であった。
応でも充分に不溶化反応が進行することがわかる。ま
た、不溶化後もゼラチン粉末同士の凝集は見られず取り
扱いも容易であった。
【0022】[実施例2]実施例1と同様のゼラチン粉
末(12メッシュパス)をジェットミル粉砕機にて微粉砕
し、平均粒径が5、15、25、35、100μmの5
種類のゼラチン微粉末を得た。これらのゼラチン微粉末
を各々実施例1と同様にして40℃にて96時間ホルマ
リン雰囲気中に静置し不溶化度合96%のゼラチンを得
た。
末(12メッシュパス)をジェットミル粉砕機にて微粉砕
し、平均粒径が5、15、25、35、100μmの5
種類のゼラチン微粉末を得た。これらのゼラチン微粉末
を各々実施例1と同様にして40℃にて96時間ホルマ
リン雰囲気中に静置し不溶化度合96%のゼラチンを得
た。
【0023】つぎに得られたゼラチン微粉末を改質剤と
して用い改質合成ゴムシートを成型した。成型は、合成
ゴム(SBR)100部を混練ローラーで練りながら、前
記各ゼラチン改質剤20部、カーボンブラック50部お
よび硫黄2部、軟化剤8部、老化防止剤1部を添加し、
均一に混練して行った。得られたゴムシートを、相対湿
度90%(30℃)の雰囲気下にて、10、20、3
0、60分間保持したときの吸湿性(g/m2)を測定し
た。結果を表2に示す。
して用い改質合成ゴムシートを成型した。成型は、合成
ゴム(SBR)100部を混練ローラーで練りながら、前
記各ゼラチン改質剤20部、カーボンブラック50部お
よび硫黄2部、軟化剤8部、老化防止剤1部を添加し、
均一に混練して行った。得られたゴムシートを、相対湿
度90%(30℃)の雰囲気下にて、10、20、3
0、60分間保持したときの吸湿性(g/m2)を測定し
た。結果を表2に示す。
【0024】 [表2] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 時 間 (分) ゼラチン粒径 ───────────────────── (μm) 10 20 30 60 ──────────────────────────────────── 5 1.42 1.61 1.82 2.31 15 1.39 1.58 1.80 2.30 25 1.36 1.56 1.79 2.30 35 1.13 1.49 1.70 2.28 100 0.80 1.05 1.40 2.15 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 表2より明らかなごとく、本発明のゼラチン改質剤を用
いた合成ゴムシートは、特に優れた吸湿性を示す。
いた合成ゴムシートは、特に優れた吸湿性を示す。
【0025】[実施例3]実施例1で製造した不溶化度
合の異なる4種類のゼラチン粉末(不溶化度合:22、
48、75、88%;平均粒径15μm)および比較試
料(不溶化度合:0%)を各々改質剤として用いて6種類
の改質合成樹脂フィルムを成型した。
合の異なる4種類のゼラチン粉末(不溶化度合:22、
48、75、88%;平均粒径15μm)および比較試
料(不溶化度合:0%)を各々改質剤として用いて6種類
の改質合成樹脂フィルムを成型した。
【0026】成型は、ウレタン樹脂剤50部、ジメチル
ホルムアミド50部および改質剤10部を撹拌混合し、
その混合液を離型紙上に厚さ50μmにコーティングし
て行った。これを乾燥した後、離型紙よりコーティング
皮膜を剥がしてフィルムを得た。得られたフィルムを裁
断し、試料No.1〜5については、80℃の温水中に
1時間保持した後、50℃で乾燥し吸湿性試験を行っ
た。
ホルムアミド50部および改質剤10部を撹拌混合し、
その混合液を離型紙上に厚さ50μmにコーティングし
て行った。これを乾燥した後、離型紙よりコーティング
皮膜を剥がしてフィルムを得た。得られたフィルムを裁
断し、試料No.1〜5については、80℃の温水中に
1時間保持した後、50℃で乾燥し吸湿性試験を行っ
た。
【0027】吸湿試験は相対湿度90%(30℃)の雰囲
気下にて、1、6、12、18時間保持した後、フィル
ムの重量を測定した。フィルムの吸湿量(g/m2)を以
下に示す。
気下にて、1、6、12、18時間保持した後、フィル
ムの重量を測定した。フィルムの吸湿量(g/m2)を以
下に示す。
【0028】 [表3] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 試料 時 間 No 不溶化度合(%) 1 6 12 18 ──────────────────────────────────── 1 0 0.91 2.93 3.18 3.52 2 22 2.02 3.25 3.44 3.80 3 48 2.31 3.38 3.61 3.93 4 75 2.40 3.50 3.86 4.18 5 88 2.72 3.72 3.99 4.42 6 無添加 0.22 0.28 0.29 0.31 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 上記の結果より比較試料(No.1)を用いたフィルム及
びゼラチン粉末を配合しないフィルム(No.6)は、本
発明の改質剤を配合したフィルムに比べて吸湿性が劣
る。また、不溶化度合80%を越える試料No.5の改質
剤は非常に優れた効果を示す。
びゼラチン粉末を配合しないフィルム(No.6)は、本
発明の改質剤を配合したフィルムに比べて吸湿性が劣
る。また、不溶化度合80%を越える試料No.5の改質
剤は非常に優れた効果を示す。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、不溶化されたゼラチン
が簡便にしかも低コストで製造することができる。本発
明の不溶化されたゼラチンを配合した合成樹脂及びゴム
成型物は従来のものに比べ、吸湿性に優れる。不溶化ゼ
ラチンの粒径が5〜25μmであると、特に吸湿速度が
速く吸湿性に優れる。
が簡便にしかも低コストで製造することができる。本発
明の不溶化されたゼラチンを配合した合成樹脂及びゴム
成型物は従来のものに比べ、吸湿性に優れる。不溶化ゼ
ラチンの粒径が5〜25μmであると、特に吸湿速度が
速く吸湿性に優れる。
Claims (5)
- 【請求項1】 平均粒径5〜30μmを有し、かつ架橋
された不溶性のゼラチン粉末又は膠粉末からなる樹脂改
質材。 - 【請求項2】 不溶化度合が80%以上である請求項1
記載の樹脂改質材。 - 【請求項3】 固体のゼラチン粉末又は膠粉末を、流動
状態に保持した架橋材と接触させ不溶化反応を行うこと
を特徴とする請求項1記載の樹脂改質材の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の樹脂改質材を配合した改
質合成樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1記載の樹脂改質材を配合した改
質ゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04332396A JP3106751B2 (ja) | 1992-11-17 | 1992-11-17 | 樹脂改質材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04332396A JP3106751B2 (ja) | 1992-11-17 | 1992-11-17 | 樹脂改質材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06157991A true JPH06157991A (ja) | 1994-06-07 |
JP3106751B2 JP3106751B2 (ja) | 2000-11-06 |
Family
ID=18254509
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04332396A Expired - Fee Related JP3106751B2 (ja) | 1992-11-17 | 1992-11-17 | 樹脂改質材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3106751B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007002084A (ja) * | 2005-06-23 | 2007-01-11 | Electric Power Dev Co Ltd | 天然系接着剤およびその製造方法 |
JP2010227052A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Nitta Gelatin Inc | 粘性付与剤および液状食品 |
-
1992
- 1992-11-17 JP JP04332396A patent/JP3106751B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007002084A (ja) * | 2005-06-23 | 2007-01-11 | Electric Power Dev Co Ltd | 天然系接着剤およびその製造方法 |
JP2010227052A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Nitta Gelatin Inc | 粘性付与剤および液状食品 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3106751B2 (ja) | 2000-11-06 |
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