以下、図面を用いて、本発明の実施例に係るスロットマシン(遊技台)について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収容され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置(図示省略)により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部および受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部との間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、たとえば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、たとえば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
告知ランプ123は、たとえば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(たとえば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。
ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。
前面扉102の音孔143aおよび143bはスロットマシン100内部に設けられているスピーカ(図示省略)の音を外部に出力するための孔である。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143aが設けられ、メダル払出口155の横には音孔143bが設けられている。
この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置(演出画像表示装置)157を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、たとえば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板1261、左側の側面板1260、右側の側面板1260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。
本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板211(後述する)を収容した主制御基板収容ケース210が配置され、この主制御基板収容ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。
主制御基板収容ケース210及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板1260には、内部に副制御基板(図示省略)を収容した副制御基板収容ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板1260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方であってリール110乃至112の下方には、電源基板(図示省略)を有する電源装置1252が配設され、電源装置1252正面には電源スイッチ244を配設している。
電源装置1252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述の主制御部300、後述の第1副制御部400、後述の第2副制御部500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(たとえば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(たとえば10日間)電源を供給するための蓄電回路(たとえばコンデンサ)(図示省略)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収容庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子(図示省略)が配設されている。電源装置1252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴1262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板1260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、音孔143aに対応する位置に上部スピーカ272、を設けている。
図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔143bに対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
本発明は、遊技台(スロットマシン100)において、遊技の進行を制御する主制御部300を搭載した主制御基板211を収容する主制御基板収容ケース210の構成に特徴を有する。
<<実施例1>>
次に、図3を用いて、実施例1における、主制御基板収容ケース210周囲の構成について説明する。なお、図3は、主制御基板収容ケース210周囲の構成を示した分解斜視図である。
<主制御基板収容ケース>
まず、主制御基板収容ケース210について説明する。主制御基板収容ケース210は、底面が略矩形の角皿状である基板収容下ケース212(ケース体ともいう)および基板収容上ケース213(ケース体ともいう)を組み合わせて構成される箱体となっている。
この主制御基板収容ケース210の内部の空間には、詳しくは後述する、遊技に関するプログラムや各種データ等を記憶したROM、CPU、RAM等の電子部品211a(遊技制御用IC)が実装され、主制御部300を構成する主制御基板211が収容される。基板収容下ケース212および基板収容上ケース213は、それぞれ透明または半透明の透光性の樹脂から構成されており、主制御基板収容ケース210内部に収容された主制御基板を外部から視認することが可能となっている。
詳しくは後述するが、主制御基板211は、電子部品211aの実装面を、基板収容上ケース213に向けて、四隅のうちの1つの対角において、基板収容上ケース213とかしめ(封印)固定する。ただし、本実施例とは別に、四隅すべてでかしめ固定してもかまわない。基板収容上ケース213は、その四隅のうちの1つの対角に、かしめ係止部223を有する。また、主制御基板211の、かしめ係止部223に対応する位置には、貫通孔211dを有する。かしめピン221(基板側係止部材)の一部は、貫通孔211dを通った後にかしめ係止部223と係合し、主制御基板211と基板収容上ケース213とをかしめる。なお、かしめピン221とかしめ係止部223との係合箇所は、かしめ蓋222(基板収容上ケース側係止部材)がかしめ係止部223に嵌合することによって、覆い隠される。
また、本発明では、「かしめる」とは、主に遊技制御基板を基板ケースに収容し、開封した場合に痕跡が残るように封止することを指す。「かしめ固定」とは、上記の開封した場合に痕跡が残るように封止する意味と、開封、移動を規制する意味の固定の両者を合わせた意味で用いる場合がある。
基板収容下ケース212の下側縁には門型のヒンジ部212aが2箇所に設けられ、左右側縁の上部には矩形状の窪みである係止凹部212bがそれぞれ設けられている。そして、基板収容上ケース213の下側縁にはヒンジ部212aと係合するフック状のフック部213aが2箇所に設けられ、左右側縁の上部には係止凹部212bと係止する凸部を備える係止舌片213bがそれぞれ設けられている。従って、主制御基板収容ケース210を組み立てる場合には、まず、基板収容上ケース213のフック部213aを基板収容下ケース212のヒンジ部212aに係合させ、次に、ヒンジ部212aを中心に基板収容上ケース213を揺動させて基板収容下ケース212と基板収容上ケース213とを合わせると共に基板収容上ケース213の係止舌片213bを基板収容下ケース212の係止凹部212bに係止させる。
基板収容上ケース213と基板収容下ケース212とは、上記基板収容上ケース213と主制御基板211とをかしめた対角以外の対角において、たとえばネジ止めされる。
また、基板収容下ケース212および基板収容上ケース213の上部には、ケース用かしめピン214aを挿入して両者を分離できないようにかしめるためのケース用かしめ部212c、213cが、それぞれ4箇所に設けられている。これらのケース用かしめ部212c、213cは、基板収容下ケース212および基板収容上ケース213を組み合わせた場合に、基板収容下ケース212のケース用かしめ部212cが基板収容上ケース213のケース用かしめ部213c内に収容され、ケース用かしめピン214aが挿入される挿入孔がそれぞれ連通するように構成されている。そして、この連通した挿入孔に挿入されたケース用かしめピン214aが、ケース用かしめ部212c、213cのそれぞれに取り外し不可能に係止するようになっている。すなわち、ケース用かしめピン214aを挿入することにより、ケース用かしめ部212c、213cが互いに分離不可能に結合され、主制御基板収容ケース210が封印される。
なお、一旦封印した主制御基板収容ケース210を開封する場合には、基板収容上ケース213のケース用かしめ部213cを基板収容上ケース213から切断する。これにより、基板収容下ケース212および基板収容上ケース213を分離した後も、基板収容上ケース213のケース用かしめ部213cが基板収容下ケース212のケース用かしめ部212cと結合したまま基板収容下ケース212に残ることととなり、主制御基板収容ケース210を開封した痕跡が残るようになっている。本実施形態では、ケース用かしめ部212c、213cが4箇所に設けられているため、主制御基板収容ケース210の封印を4回行うことができるようになっている。
また、基板収容下ケース212および基板収容上ケース213の上部の左右両端には、固定用かしめピン214bを挿入することによって主制御基板収容ケース210の取付ベース230への固定を封印するための固定用かしめ部212d、213dが2箇所に設けられている。これらの固定用かしめ部212d、213dは、基板収容下ケース212および基板収容上ケース213を組み合わせた場合に、基板収容下ケース212の固定用かしめ部212d内に基板収容上ケース213の固定用かしめ部213dの一部が収容され、固定用かしめピン214bが挿入される挿入孔がそれぞれ連通するように構成されている。そして、基板収容上ケース213側から固定用かしめピン214bをこの連通した挿入孔に挿入すると共に、基板収容下ケース212の背後に突出した固定用かしめピン214bの先端部を取付ベース230に設けられた嵌入孔231内に嵌入することにより、主制御基板収容ケース210の取付ベース230への固定が封印されるようになっている。
固定用かしめピン214bは、先端部が基板収容下ケース212の背後に突出して嵌入孔231に嵌入した状態では、基板収容上ケース213の固定用かしめ部213dと係止して取り外せないようになっている。本実施形態では、固定用かしめ部212d、213dが2箇所に設けられているため、主制御基板収容ケース210の固定の封印を2回行うことが可能となっている。
なお、主制御基板収容ケース210の基板収容下ケース212の左端部には、矩形状の2つの係合凸部212fが突設されており、この2つの係合凸部212fを取付ベース230に設けられた係合凹部230bに係合させることによって、主制御基板収容ケース210は取付ベース230に固定される。
また、本実施例では、ケース用かしめ部212c、213cおよび固定用かしめ部212d、213dの配置に応じて、2つのケース用かしめピン214aおよび1つの固定用かしめピン214bを略E字形状または紐状の連結部材214cで連結している。このように、複数のケース用かしめピン214aおよび固定用かしめピン214bを連結し、一体化することによって、これらのかしめピン214a、214bの紛失を防止すると共に、封印忘れを防止することができる。
主制御基板収容ケース210の上部中央は、ICタグ封印シール215を貼付ける部分となっている。基板収容下ケース212の上部中央には、基板収容上ケース213に向けて突出する矩形状の凸部212eが設けられており、基板収容下ケース212と基板収容上ケース213とを組み合わせた場合に、この凸部212eが、基板収容上ケース213の上部中央に設けられた凹部213e内に収容されるようになっている。そして、ICタグ封印シール215は、基板収容下ケース212の凸部212eの表面とその下方の基板収容上ケース213の表面に跨って貼付けられる(後述する図9(b)参照、図9(b)は、カバー部材250と主制御基板収容ケース210と取付ベース230とを組み付けた状態を示す斜視図である)。従って、本実施例では、主制御基板収容ケース210を開封するにはICタグシール215を剥がす、または破断する必要があり、これによっても主制御基板収容ケース210を開封した痕跡が残るようになっている。すなわち、主制御基板収容ケース210は、ICタグ封印シール215によっても封印されている。
主制御基板211には、外部の各種基板等に繋がるケーブル211eを接続するための複数のコネクタ211cが実装されており(後述する図9(b)参照)、基板収容上ケース213には、これらのコネクタ211cに対応する位置に複数のコネクタ孔213fが設けられている。主制御基板211が主制御基板収容ケース210内に収容された状態では、各コネクタ211cは、対応するコネクタ孔213fから一部が露出するようになっている。従って、主制御基板収容ケース210を開封しなくとも、外部の各種基板等に繋がるケーブル211eを各コネクタ211cに接続することが可能となっている。また、逆に、各コネクタ211cに接続されたケーブル211eを外さない限り、基板収容下ケース212と基板収容上ケース213を分離して主制御基板収容ケース210を開封することができないため、これらのコネクタ211cは、主制御基板収容ケース210の開封を阻止する開封阻止部として機能している。なお、本実施例では、コネクタ211cが主制御基板211の左右両端部に実装されているため、コネクタ孔213fは基板収容上ケース213の左右両端部にのみ設けられている。
<取付ベース>
次に、取付ベース230について説明する。取付ベース230は、透光性のある樹脂から構成された略矩形状の部材であり、中央に主制御基板収容ケース210を固定して収容するための矩形状の窪みである収容凹部230aが形成されている。収容凹部230a底面の四隅近傍には、取付ベース230を本体101に固定するためのネジを挿通する挿通孔232が形成されている。これらの挿通孔232は、収容凹部230a内に主制御基板収容ケース210が固定された状態では、主制御基板収容ケース210によって遮蔽されることとなる。従って、主制御基板収容ケース210を取付ベース230から取り外さない限り、取付ベース230を本体101から取り外すことができないようになっている。
収容凹部230aは、主制御基板収容ケース210の基板収容下ケース212の2つの係合凸部212fと係合する2つの係合凹部230bが左側面に設けられると共に、左右方向の幅が主制御基板収容ケース210よりやや大きく形成され、収容凹部230a内で主制御基板収容ケース210を左右にスライド可能に構成されている。従って、主制御基板収容ケース210は、一旦右よりに収容凹部230a内に収容した後に左方向にスライドさせ、係合凸部212fを係合凹部230bに係合させることによって取付ベース230に固定される。なお、収容凹部230aの下側側面には、主制御基板収容ケース210のヒンジ部212aおよびフック部213aと干渉しないようにするための2つの切欠き部230cが形成されている。
係合凸部212fを係合凹部230bに係合させた後、固定用かしめ部212d、213dを通して固定用かしめピン214bを収容凹部230aの底面に設けられた嵌入孔231に嵌入し、主制御基板収容ケース210の左右方向の移動を規制することによって、主制御基板収容ケース210の取付ベース230への固定が封印される。これにより、固定用かしめピン214bまたは固定用かしめ部212d、213dを破壊する等の痕跡を残さない限り、主制御基板収容ケース210を取り外すことが不可能となる。嵌入孔231は、係合凸部212fを係合凹部230bに係合させた状態での固定用かしめ部212d、213dに対応する位置、すなわち収容凹部230a底面の上側の左右角部の近傍にそれぞれ設けられている。
なお、収容凹部230aは、主制御基板収容ケース210の基板収容下ケース212と基板収容上ケース213の合せ面が収容凹部230a内に位置する深さに形成されている。本実施例では、収容凹部230aの深さをこのように設定することで、基板収容下ケース212と基板収容上ケース213の合せ面への外部からのアクセスを遮断し、この合せ面を介した不正行為を防止するようにしている。
取付ベース230の右側面下部には、外部集中端子板233を固定するための外部集中端子板固定部230dが突設されている。この外部集中端子板233は、遊技店等に設置される情報収集装置(たとえば、ホールコンピュータ)、および主制御基板211に接続され、主制御基板211から情報収集装置への各種情報の送信を中継するためのものである。なお、主制御基板211と情報収集装置の間の通信は一方向通信であり、情報収集装置から主制御基板への情報の送信はできないようになっている。外部集中端子板233は、外部集中端子板固定部230dの表面において、左側端部を2つの固定片230eの背後に嵌め込んだ後に右側端部を2つの係止片230fに係止させることによって固定される。
取付ベース230表面の左端部には、主制御基板211のコネクタ211cに接続されたケーブル211eを部分的に収容するためのケーブル用凹部230gが形成されている。ケーブル用凹部230gには、主制御基板211の左側に配置されたコネクタ211cに接続されるケーブル211eを拘束する(図9(b)参照)ためのケーブル拘束具234が2つ配設されている。これらのケーブル拘束具234は、ケーブル用凹部230gの底面に設けられた2つの取付孔230hに、ケーブル拘束具234の固定ピン234aを挿入して係止させることにより、着脱可能に取付けられる。
取付ベース230表面の左上部、右上部、および左下部の3箇所には、後述するカバー部材250を取付ベース230に取り付けるための、案内溝235が設けられている。これらの案内溝235は、左右方向に所定の長さで形成された溝状の孔であり、左側半分の幅広の挿脱部235a、および右側半分の幅狭の案内部235bから構成されている。さらに、取付ベース230表面の左下部には、取付ベース230に取り付けたカバー部材250の左方向への移動を規制するための制止片236が設けられている。この制止片236は、取付ベース230の一部を切り欠くことにより、弾性変形によって先端部が表裏方向に移動可能な舌片状に形成したものである。制止片236の先端部表面には、先端に向けて漸次肉厚が増すように形成された斜面部236aが設けられている。従って、制止片236の先端部は、斜面部236aが取付ベース230の表面から突出した状態となっている。
また、取付ベース230表面の右上部には、後述するカバー用かしめピン260の一部が挿入される平坦部用第1挿入孔237およびカバー用かしめピン260の一部が係止する退避部用第1係止孔238が設けられている。
<カバー部材>
次に、カバー部材250について説明する。カバー部材250は、取付ベース230に固定された主制御基板収容ケース210の上部に配置されたケース用かしめ部212c、213c、固定用かしめ部212d、213d、およびICタグ封印シール215を前方(表側)から覆う(遮蔽する)と共に、主制御基板収容ケース210の左端部に位置するコネクタ211cを前方から覆う(遮蔽する)ための部材である。従って、カバー部材250は、水平方向に伸びる横長の略長方形板状の水平部250a、および水平部250aの左端部を基端として下方向に伸びる縦長の略長方形板状の垂直部250bから構成された略L字形の一体形状の部材となっている。換言すれば、カバー部材250は、前方(表側)から見た場合に、主制御基板収容ケース210の左上角部から右方向に略水平に伸びる辺の近傍の領域、および左上角部から下方向に略垂直に伸びる辺の近傍の領域を覆うことが可能なL字形状に一体的に構成されている。
本実施例では、このようにカバー部材250をL字形状とすることにより、主制御基板収容ケース210の開封を阻止する開封阻止部であるケース用かしめ部212c、213c、固定用かしめ部212d、213d、ICタグ封印シール215、およびコネクタ211cを1つの部材で効率的に覆いながらも、主制御基板収容ケース210内部の視認性、特に中央部の視認性を確保することで、主制御基板211に実装されたROM等の電子部品211aの目視による確認を阻害することがないようにしている。また、CPUやRAM等のその他の電子部品211aについても、目視により容易に状態を確認することができるようになっている。
カバー部材250の水平部250aの上端の左右両端部近傍、および垂直部250bの下端の3箇所には、鉤形舌片251が設けられている。この3つの鉤形舌片251は、後方の取付ベース230に向けて(裏側に向けて)突設された平板の先端部を外側に向けて曲折した形状となっている。また、垂直部250bの下端近傍には、矩形断面の孔である制止孔252が設けられている。これらの鉤形舌片251および制止孔252は、カバー部材250を取付ベース230に固定するためのものである。カバー部材250の取付ベース230への取付については後述する。
カバー部材250の垂直部250bは、コネクタ211cを覆う部分であるため、コネクタ211cに接続されるケーブル211eと干渉しないように垂直部250bの一部を前方(表側)に向けて膨出させた膨出部253が形成されている。従って、カバー部材250を取付ベース230に固定した状態では、コネクタ211cに接続されたケーブル211eは部分的にこの膨出部253の内部に収容されることとなる。
カバー部材250は、カバー用かしめピン260により、取付ベース230への固定が封印(かしめ)される。このカバー用かしめピン260は、カバー部材250に係止する第1係止部261と、カバー部材250および取付ベース230の両方に係止する第2係止部262と、第1係止部261および第2係止部262を連結する連結部263と、から構成されている。さらに、第2係止部262は、カバー部材250および取付ベース230の両方に係止せずに挿入される平坦部262aと、カバー部材250を通して取付ベース230に係止することでカバー部材250および取付ベース230の両方に係止する退避部262bと、平坦部262aおよび退避部262bの間に突設され、位置決めのためにカバー部材250のみに挿入される四角柱状の位置決め部262cと、から構成されている。
カバー部材250の水平部250aの右端部近傍には、カバー用かしめピン260の第1係止部261と係止する第1係止部用係止孔254と、平坦部262aが挿入される平坦部用第2挿入孔255と、退避部262bが挿入される退避部用挿入孔256と、位置決め部262cが挿入される位置決め部用挿入孔257と、が設けられている。
<主制御基板211と基板収容上ケース213とのかしめ>
次に、図面を参照して、主制御基板211と基板収容上ケース213とをかしめる構成について説明する。
図4は、主制御基板211と基板収容上ケース213とをかしめる構成を拡大して示す斜視図であり、(a)はかしめ係止部223の近傍を拡大して、基板収容上ケース213の側から見た図であり、(b)は(a)で破線の丸で囲んだ部分Aをさらに拡大して示す図であり、(c)はかしめピン221を示す図であり、(d)はかしめ蓋222を示す図である。
また、図5は、主制御基板211と基板収容上ケース213とをかしめる構成を拡大して示す斜視図であり、(a)はかしめ係止部223の近傍を拡大して、主制御基板211の側から見た図であり、(b)は(a)で破線の丸で囲んだ部分Bをさらに拡大して示す図である。
かしめピン221は、図4(c)に示すように、円板状の頭部221dと、頭部221dの一方の面において断面円弧状で延びる2つの脚部221aと、頭部221dの面のうち脚部221aと同一の面において、2つの脚部221aの間の内周に断面円弧状で延びる2つの脚部221bと、を有する。円板状の頭部221dを周方向で4等分した箇所のそれぞれに、脚部221aと脚部221bとを交互に配置する。脚部221bは可撓性を有し、段部221cを有する。
かしめ蓋222は、かしめピン221と同一形状であり、図4(d)に示すように、円板状の頭部222dと、頭部222dの一方の面において断面円弧状で延びる2つの脚部222aと、頭部222dの面のうち脚部222aと同一の面において、2つの脚部222aの間の内周に断面円弧状で延びる2つの脚部222bと、を有する。円板状の頭部222dを周方向で4等分した箇所のそれぞれに、脚部222aと脚部222bとを交互に配置する。脚部222bは可撓性を有し、段部222cを有する。
主制御基板211の貫通孔211dは、かしめピン221の脚部221aおよび脚部221bは貫通可能であるが、頭部221dは貫通不可能な形状である。
基板収容上ケース213のかしめ係止部223は、主制御基板211と反対の側に2つの係合部223aを有し(図4(b)参照)、主制御基板211の側に2つの係合部223bを有する(図5(b)参照)。係合部223bはかしめピン221の脚部221bに応じた位置に設け、係合部223aはかしめ蓋222の脚部222bに応じた位置に設ける。また、かしめ係止部223は、基板収容上ケース213を主制御基板211の側から反対の側へと貫通する貫通孔223eを有する。この貫通孔223eは、かしめ蓋222の脚部222aおよび脚部222bは貫通可能であるが、頭部222dは貫通不可能な形状である。
図6(a)は、主制御基板211と基板収容上ケース213とをかしめた状態を示す斜視図であり、図6(b)は、かしめた状態でのかしめピン221およびかしめ蓋222のみを示す斜視図である。
また、図7(a)は、主制御基板211と基板収容上ケース213とをかしめた状態を、主制御基板211の側から見た背面図であり、(b)は(a)のC−C断面図であり、(c)は(a)のD−D断面図である。
主制御基板211と基板収容上ケース213とをかしめる際には、まず、貫通孔211dとかしめ係止部223とを対向させて主制御基板211と基板収容上ケース213とを組み合わせた状態で、主制御基板211の側から、貫通孔211dおよび貫通孔223eにかしめピン221の脚部221aおよび脚部221bを挿入する(図5(a)参照)。このとき、脚部221bの先端は、段部221cを有する形状であるため、係合部223bの内径よりも大きな径を有するが、脚部221bが可撓性を有するため、撓んで挿入する。
かしめピン221の挿入により、かしめピン221の頭部221dの面と主制御基板211とが当接し、さらに主制御基板211と係合部223bの先端とが当接すると、図7(b)に示すように、脚部221bの先端は、係合部223bの内径が大きな箇所に至り、脚部221bの撓みは解除され、脚部221bの段部221cは係合部223bの段部223dに当接し、かしめピン221と係合部223bとが係止される。
ところで、このかしめピン221を挿入しただけの状態では、基板収容上ケース213の、主制御基板211とは反対の側において貫通孔223eが露出し、かしめピン221の段部221cと係合部223bの段部223dとによる係止箇所に直接触れることができ、係止を解除できてしまう。そこで、この露出箇所をかしめ蓋222で塞ぐ。すなわち、基板収容上ケース213の、主制御基板211とは反対の側から、貫通孔223eにかしめ蓋222の脚部222aおよび脚部222bを挿入する(図4(a)参照)。このとき、脚部222bの先端は、段部222cを有する形状であるため、係合部223aの内径よりも大きな径を有するが、脚部222bが可撓性を有するため、撓んで挿入する。
かしめ蓋222の挿入により、かしめ蓋222の頭部222dの面と係合部223aの先端とが当接すると、図7(c)に示すように、脚部222bの先端は、係合部223aの内径が大きな箇所に至り、脚部222bの撓みは解除され、脚部222bの段部222cは係合部223aの段部223cに当接し、かしめ蓋222と係合部223aとが係止される。このかしめ蓋222により、かしめピン221と係合部223bとの係止箇所の露出は塞がれ、また、かしめピン221により、かしめ蓋222と係合部223aとの係止箇所の露出は塞がれ、この箇所を破壊しない限り主制御基板211と基板収容上ケース213とを外すことは不可能となり、主制御基板211と基板収容上ケース213とをかしめる。
図6(b)に示すように、かしめピン221とかしめ蓋222とは、互いに同一形状であり、相手に対して周方向でほぼ90度回転させた向きで挿入される。また、この挿入の周方向の向きは、係合部223bおよび係合部223aの形状によって規制される。
かしめピン221およびかしめ蓋222を挿入した状態においては、図6(b)に示すように、かしめピン221の脚部221bと係合部223bとの係止箇所は、かしめ蓋222の脚部222aによって隠され、かしめ蓋222の脚部222bと係合部223aとの係止箇所は、かしめピン221の脚部221aによって隠される。
<基板収容上ケース213と基板収容下ケース212とのかしめ>
次に、図面を参照して、基板収容上ケース213と基板収容下ケース212とをかしめる構成について説明する。
図8は、基板収容上ケース213と基板収容下ケース212とをかしめた状態を示す図であり、(a)は基板収容上ケース213の側から見た正面図であり、(b)は(a)で丸で囲んだ部分Eを拡大して示す断面図である。
基板収容上ケース213と基板収容下ケース212とをかしめる際には、基板収容上ケース213のケース用かしめ部213c内に、基板収容下ケース212のケース用かしめ部212cを嵌め込み、ケース用かしめ部213cおよびケース用かしめ部212cの両者を貫くようにケース用かしめピン214aを挿入する。ケース用かしめピン214aはかえしを有し、挿入時には撓んで挿入可能となるが、1度挿入したら引き抜き不可能にしてある。
したがって、上述の主制御基板211と基板収容上ケース213とのかしめは、この基板収容上ケース213と基板収容下ケース212とのかしめとは、異なる構造によってかしめている。
<カバー部材250と取付ベース230とのかしめ>
次に、図面を参照して、カバー部材250と取付ベース230とをかしめる構成について説明する。
図9(a)は、主制御基板収容ケース210と取付ベース230とを組み付けた後、カバー部材250を組み付ける直前の状態を示す斜視図であり、図9(b)は、カバー部材250と主制御基板収容ケース210と取付ベース230とを組み付けた後、カバー部材250と取付ベース230とをかしめた状態を示す斜視図である。
カバー部材250と取付ベース230とのかしめは、カバー用かしめピン260の退避部262bを、カバー部材250の退避部用挿入孔256に挿入し、さらに取付ベース230の退避部用第1係止孔238に挿入して係止することによって行われる。このように、カバー部材250と取付ベース230とのかしめは、1箇所で行う。
したがって、上述の主制御基板211と基板収容上ケース213とのかしめは、このカバー部材250と取付ベース230とのかしめとは、異なる構造によってかしめている。
<基板収容上ケース213と基板収容下ケース212とのかしめの解除>
次に、図面を参照して、基板収容上ケース213と基板収容下ケース212とのかしめの解除について説明する。
図10は、基板収容上ケース213と基板収容下ケース212とのカシメを解除するための破断を説明する図であり、(a)は、基板収容上ケース213の側から見た正面図において、かしめ解除のための破断箇所を示す図であり、(b)は、カシメを解除して基板収容上ケース213と基板収容下ケース212とを取り外した状態を示す斜視図である。
基板収容上ケース213のケース用かしめ部213cは、基板収容上ケース213と一体成型されているが、4箇所の連結部213gによってのみ繋がっており、この4箇所の連結部213gを図10(a)に破線で示すように破断すると、ケース用かしめ部213cは基板収容上ケース213から取り外すことができる。
また、ケース用かしめピン214aは、隣のケース用かしめピン214aと連結部材214cによって連結されており、連結部材214cを図10(a)に破線で示すように破断すると、ケース用かしめピン214aを他のケース用かしめピン214aから取り外すことができる。
したがって、基板収容上ケース213と基板収容下ケース212とのかしめを解除する際には、4箇所の連結部213gおよび連結部材214cを図10(a)に破線で示すように破断する。この破断は、たとえばニッパー等によって行う。このように4箇所の連結部213gおよび連結部材214cを破断すると、ケース用かしめ部213cは、ケース用かしめピン214aによってケース用かしめ部212cに固定されたままで、基板収容上ケース213から取り外され、基板収容上ケース213と基板収容下ケース212とを開封可能となる(図10(b)参照)。
上述の主制御基板211と基板収容上ケース213とのかしめの解除(図11を参照して後述する)は、この基板収容上ケース213と基板収容下ケース212とのかしめの解除とは、異なる構造によって行う。すなわち、基板収容上ケース213と基板収容下ケース212とのかしめ解除では、図10(b)に示すように、基板収容下ケース212に、ケース用かしめ部213cおよびケース用かしめピン214aが残存し、かしめを解除した痕跡が残るようにしているが、主制御基板211と基板収容上ケース213とのかしめの解除では、そのような構成にはしていない。
また、カバー部材250と取付ベース230とのかしめの解除も、基板収容上ケース213と基板収容下ケース212とのかしめの解除と同様に、かしめを解除した痕跡が残るようにしている。
<主制御基板211と基板収容上ケース213とのかしめの解除>
次に、図面を参照して、主制御基板211と基板収容上ケース213とのかしめの解除について説明する。
図11は、主制御基板211と基板収容上ケース213とのカシメを解除するための破断を説明する斜視図であり、(a)は、かしめ蓋222の破断箇所を説明する図であり、(b)は、かしめ蓋222の頭部222dを破断して脚部222bを取り外した状態を示す図であり、(c)は、さらに脚部222aを取り外した状態を示す図である。
主制御基板211と基板収容上ケース213とのかしめを解除する際には、2つの脚部222aおよび2つの脚部222bの4つそれぞれが別体となるように、かしめ蓋222の頭部222dを破断する。すなわち、図11(a)に破線で示した箇所をニッパー等で破断する。
この破断により4つの脚部222a、222bを別体とすると、脚部222bの係合部223aへの係止が緩み、脚部222bが取り外される(図11(b)参照)。さらに、脚部222aも取り外される(図11(c)参照)。
このようにしてかしめ蓋222を除去した後は、貫通孔223eが露出するので、かしめピン221の段部221cと係合部223bの段部223dとによる係止箇所に直接触れ、係止を解除し、かしめピン221を取り外す。
以上によって、主制御基板211と基板収容上ケース213とのかしめが解除される。このように、主制御基板211と基板収容上ケース213とのかしめの解除においては、その解除の痕跡が特に残らない構成を採用している。
次に、図12を参照して、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、異常を監視しそれに応じて割り込みを行うWDT313と、を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。たとえば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338と、を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口134の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。
スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。
ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタン137乃至139の操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。
精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。
メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。
なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322を設けており、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324を設けており、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326を設けており、各種ランプ339(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を設けている。
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(たとえば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。
第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。
基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406が設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)を設けている。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、演出画像表示装置157や各種演出用駆動装置160の制御を行う。第2副制御部500は、たとえば、液晶表示装置157の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置160の制御を行う制御部とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
<主制御部メイン処理>
図13を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図13に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップSA01で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT313への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップSA03ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップSA05へ進む。
ステップSA05では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。
ステップSA07では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。
ステップSA09では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップSA07で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。
ステップSA11では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップSA13では全リール110乃至112の回転を開始させる。
ステップSA15では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをステップSA11で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110乃至112が停止するとステップSA17へ進む。
ステップSA17では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。たとえば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。
ステップSA19では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
ステップSA21では遊技状態制御処理を行う。以上により1ゲームが終了する。以降ステップSA03へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<第1副制御部400の処理>
図14を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップSC01では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずSC01で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップSC03では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップSC05の処理に移行する。
ステップSC05では、タイマ変数に0を代入する。
ステップSC07では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップSC09では、演出制御処理を行う。たとえば、SC07で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップSC11では、ステップSC09で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップSC13では、ステップSC09で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップSC15では、ステップSC09で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップSC03へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
コマンド受信割込処理のステップSD01では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第1副制御部400のタイマ割込処理のステップSE01では、図14(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップSC03において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップSC03において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第1副制御部タイマ割込処理のステップSE03では、ステップSC15で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<<実施例2>>
次に、図面を参照して、本発明の実施例2について説明する。
<主制御基板211と基板収容上ケース1213とのかしめ>
図15は、実施例2において、主制御基板211と基板収容上ケース1213とをかしめる構成を拡大して示す斜視図であり、(a)はかしめ係止部1223の近傍を拡大して、基板収容上ケース1213の側から見た図であり、(b)は(a)で破線の丸で囲んだ部分Fをさらに拡大して示す図であり、(c)はかしめピン1221を示す図であり、(d)はかしめ蓋1222を示す図である。
また、図16は、実施例2において、主制御基板211と基板収容上ケース1213とをかしめる構成を拡大して示す斜視図であり、(a)はかしめ係止部1223の近傍を拡大して、主制御基板211の側から見た図であり、(b)は(a)で破線の丸で囲んだ部分Gをさらに拡大して示す図である。
かしめピン1221は、図15(c)に示すように、円板の四方に溝1221eを設けた形状の頭部1221dと、頭部1221dの溝1221eがある面において断面円弧状で延びる2つの脚部1221aと、頭部1221dの面のうち脚部1221aと同一の面において、2つの脚部1221aの間の内周に断面円弧状で延びる2つの脚部1221bと、を有する。円板状の頭部1221dを周方向で4等分した箇所であって溝1221eのない箇所のそれぞれに、脚部1221aと脚部1221bとを交互に配置する。脚部1221bは可撓性を有し、段部1221cを有する。
かしめ蓋1222は、かしめピン221と同一形状であり、図15(d)に示すように、円板の四方に溝1222eを設けた形状の頭部1222dと、頭部1222dの溝1222eがある面において断面円弧状で延びる2つの脚部1222aと、頭部1222dの面のうち脚部1222aと同一の面において、2つの脚部1222aの間の内周に断面円弧状で延びる2つの脚部1222bと、を有する。円板状の頭部1222dを周方向で4等分した箇所であって溝1222eのない箇所のそれぞれに、脚部1222aと脚部1222bとを交互に配置する。脚部1222bは可撓性を有し、段部1222cを有する。
主制御基板211の貫通孔211dは、かしめピン1221の脚部1221aおよび脚部1221bは貫通可能であるが、頭部1221dは貫通不可能な形状である。
基板収容上ケース1213のかしめ係止部1223は、主制御基板211と反対の側において、実施例1の係合部223aを4つのブロック形状の係合部1223aに変更した形状を有する。また、実施例1の段部223cと同様の段部1223c(図18に後述する)も有する。さらに、基板収容上ケース1213のかしめ係止部1223は、主制御基板211の側に2つの係合部1223bを有する(図16(b)参照)。係合部1223bはかしめピン1221の脚部1221bに応じた位置に設け、段部1223cはかしめ蓋1222の脚部1222bに応じた位置に設ける。また、かしめ係止部1223は、基板収容上ケース1213を主制御基板211の側から反対の側へと貫通する貫通孔1223eを有する。この貫通孔1223eは、かしめ蓋1222の脚部1222aおよび脚部1222bは貫通可能であるが、頭部1222dは貫通不可能な形状である。
図17(a)は、主制御基板211と基板収容上ケース1213とをかしめた状態を示す斜視図であり、図17(b)は、かしめた状態でのかしめピン1221およびかしめ蓋1222のみを示す斜視図である。
また、図18(a)は、主制御基板211と基板収容上ケース1213とをかしめた状態を、主制御基板211の側から見た背面図であり、(b)は(a)のH−H断面図であり、(c)は(a)のI−I断面図である。
主制御基板211と基板収容上ケース1213とをかしめる際には、まず、貫通孔211dとかしめ係止部1223とを対向させて主制御基板211と基板収容上ケース1213とを組み合わせた状態で、主制御基板211の側から、貫通孔211dおよび貫通孔1223eにかしめピン1221の脚部1221aおよび脚部1221bを挿入する(図16(a)参照)。このとき、脚部1221bの先端は、段部1221cを有する形状であるため、係合部1223bの内径よりも大きな径を有するが、脚部1221bが可撓性を有するため、撓んで挿入する。
かしめピン1221の挿入により、かしめピン1221の頭部1221dの面と主制御基板211とが当接し、さらに主制御基板211と係合部1223bの先端とが当接すると、図18(b)に示すように、脚部1221bの先端は、係合部1223bの内径が大きな箇所に至り、脚部1221bの撓みは解除され、脚部1221bの段部1221cは係合部1223bの段部1223dに当接し、かしめピン1221と係合部1223bとが係止される。
ところで、このかしめピン1221を挿入しただけの状態では、基板収容上ケース1213の、主制御基板211とは反対の側において貫通孔1223eが露出し、かしめピン1221の段部1221cと係合部1223bの段部1223dとによる係止箇所に直接触れることができ、係止を解除できてしまう。そこで、この露出箇所をかしめ蓋1222で塞ぐ。すなわち、基板収容上ケース1213の、主制御基板211とは反対の側から、貫通孔1223eにかしめ蓋1222の脚部1222aおよび脚部1222bを挿入する(図15(a)参照)。このとき、脚部1222bの先端は、段部1222cを有する形状であるため、係合部1223aの内径よりも大きな径を有するが、脚部1222bが可撓性を有するため、撓んで挿入する。
かしめ蓋1222の挿入により、かしめ蓋1222の頭部1222dの4つの溝1222eに4つのブロック状の係合部1223aが嵌り、また、頭部1222dの面と基板収容上ケース1213の面とが当接すると、図18(c)に示すように、脚部1222bの先端は、係合部1223aの内径が大きな箇所に至り、脚部1222bの撓みは解除され、脚部1222bの段部1222cは係合部1223aの段部1223cに当接し、かしめ蓋1222と係合部1223aとが係止される。このかしめ蓋1222により、かしめピン1221と係合部1223bとの係止箇所の露出は塞がれ、また、かしめピン1221により、かしめ蓋1222と係合部1223aとの係止箇所の露出は塞がれ、この箇所を破壊しない限り主制御基板211と基板収容上ケース1213とを外すことは不可能となり、主制御基板211と基板収容上ケース1213とをかしめる。
図17(b)に示すように、かしめピン1221とかしめ蓋1222とは、互いに同一形状であり、相手に対して周方向でほぼ90度回転させた向きで挿入される。また、この挿入の周方向の向きは、係合部1223bおよび係合部1223aの形状によって規制される。
かしめピン1221およびかしめ蓋1222を挿入した状態においては、図17(b)に示すように、かしめピン1221の脚部1221bと係合部1223bとの係止箇所は、かしめ蓋1222の脚部1222aによって隠され、かしめ蓋1222の脚部1222bと係合部1223aとの係止箇所は、かしめピン1221の脚部1221aによって隠される。
<主制御基板211と基板収容上ケース1213とのかしめの解除>
次に、図面を参照して、実施例2の主制御基板211と基板収容上ケース1213とのかしめの解除について説明する。
図19は、主制御基板211と基板収容上ケース1213とのカシメを解除するための破断を説明する斜視図であり、(a)は、かしめピン1221の破断箇所を説明する図であり、(b)は、かしめピン1221の頭部1221dを破断して脚部1221bを取り外した状態を示す図であり、(c)は、さらに脚部1221aを取り外した状態を示す図である。
実施例1ではかしめを解除する際にかしめ蓋222の頭部222dを破断したが、実施例2では、かしめを解除する際にかしめピン1221の頭部1221dを破断する。
ところで、たとえば実施例1のかしめピン221のように主制御基板211にきっちりと接しているかしめピンを破断しようとすると、ニッパー等により主制御基板211を傷つけてしまう虞がある。そこで、実施例2では、かしめピン1221の頭部1221dに溝1221eを設け、主制御基板211との間に隙間を形成し、そこにニッパー等を挿入可能にしている。
主制御基板211と基板収容上ケース1213とのかしめを解除する際には、2つの脚部1221aおよび2つの脚部1221bの4つそれぞれが別体となるように、かしめピン1221の頭部1221dを破断する。すなわち、溝1221eにニッパー等を挿入し、この挿入したニッパー等により図19(a)に破線で示した箇所を破断する。したがって、ニッパー等で主制御基板211を傷つける虞がない。さらにまた、かしめピン1221の頭部1221dを破断する構成とすれば、主制御基板211と基板収容上ケース1213の両者を傷つけずに開封することができる場合があり、遊技店に設置された後、点検後に再度、営業する場合など、基板収容ケースごと交換することがなく、かしめピンの交換だけで済むため、交換に係わる遊技点の交換費用を低減させることができ、基板収容ケースは、製造メーカが遊技店から回収した際に、新台などに中古部品として活用できる場合があり、環境に配慮した封止構造であり、環境に配慮した点でも格別な効果を奏する場合がある。
また、基板収容ケースを開封しても直ちに電子部品にアクセスできないため、不正行為を行おうとする者に対して不正行為を行う時間の長期化を図ることができるとともに、従来の封止解除部が基板収容ケースと一体で透明であり、痕跡が分かり難くかったり、確認する箇所の特定が複雑で発見しにくいといった従来からの問題点をも、かしめピンを確認すれば足りるため、不正のしにくさと不正の早期発見の両者を達成できるという格別な効果を奏する場合がある。
この破断により4つの脚部1221a、1221bを別体とすると、脚部1221bの係合部1223aへの係止が緩み、脚部1221bが取り外される(図19(b)参照)。さらに、脚部1221aも取り外される(図19(c)参照)。
以上によって、主制御基板211と基板収容上ケース1213とのかしめが解除される。なお、実施例2においては、かしめ蓋1222は除去してもよいし、除去せずにかしめ解除の痕跡として残してもよい。
なお、以上説明した本発明は、
1. 遊技に関する制御を行う制御回路を搭載した回路基板と、
前記回路基板の電子部品が載置された実装面から覆う基板収容上ケースと、該回路基板の前記実装面の裏の裏面側から支持する基板収容下ケースと、から成る基板収容ケースと、
を備える遊技台であって、
前記基板収容ケースには、
前記回路基板の前記裏面側から前記基板収容上ケースに配置固定するための基板側係止部材と、該基板側係止部材を覆う基板収容上ケース側係止部材と、をさらに備え、
前記回路基板は、
前記基板側係止部材および前記基板収容上ケース側係止部材のそれぞれを嵌合させて、前記基板収容上ケースに配置固定されるように係止され、該回路基板の配置固定を解除する場合には、前記基板収容上ケース側係止部材を破断させることにより、該基板収容上ケースから分離可能とするよう構成されていることを特徴とする遊技台、としたので、
不正に考慮して、基板収容ケースから基板を取り外す行為を困難としながら、ケース体側を壊しての解除により、基板を傷つけずにかしめ固定の解除が行える。
2. 前記回路基板および前記基板収容上ケースの双方には、
前記基板側係止部材および前記基板収容上ケース側係止部材を挿入し、回転方向を規制する規制形状が施されていることを特徴とする1.に記載の遊技台、としたので、
確実な係止を行うことができ、作業性が向上する。
3. 前記基板収容上ケース側係止部材と前記基板側係止部材とは、
互いに同一の形状で構成され、それぞれの係止片どうしが干渉しないで嵌合する形状で構成されていることを特徴とする1.または2.に記載の遊技台、としたので、
取付け間違い(上下逆など)を無くすことができ、また作業性を向上することができる。さらい部品点数を削減できる。
4. 前記回路基板には、
前記基板側係止部材および前記基板収容上ケース側係止部材を挿入する挿入穴が形成され、
前記基板収容上ケースには、
少なくとも、前記基板側係止部材および前記基板収容上ケース側係止部材を挿入する挿入穴と、一段盛り上がった差込段部と、が形成されていることを特徴とする1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の遊技台。
基板収容上ケース側からの切断を容易にすることができ、基板側の解除でなく、基板収容上ケース側からの解除を促せて、基板を傷つけることを防げる。
(付記1)
(付記1−1)
本発明は、
基板収容ケースを複数のケース体で構成し、基板収容ケースに収容した基板を前記複数のケース体のいずれかにかしめ固定した。
[効果]
これにより、本発明は、基板収容ケースから基板を取外す行為が困難となり、不正な基板取外し行為に対する未然防止策となる。
(付記1−2)
本発明は、
かしめ固定の解除は、ケース体の外側に有した解除部(かしめピンとは別体のかしめ蓋でもよいし、かしめピンと一体であってもよい)を壊すことで解除可能となる。
[効果]
これにより、本発明は、ケース体側を壊しての解除により、基板を傷つけずにかしめ固定の解除が行える。すなわち、これは、不正防止を最優先に考慮しつつも、機種変更時などの正当理由での基板取外しへの対応も考慮している。
(付記1−3)
本発明は、
かしめ蓋を有し、該かしめ蓋を壊して解除可能となる。
[効果]
これにより、本発明は、かしめ蓋を壊した後でも、かしめ蓋を新規なものとすれば、再度、基板収容ケースをリサイクル使用できる。
(付記1−4)
本発明は、
解除部を壊してケース体に基板を固定保持している係止ピン(かしめピン)の係止状態(ケース体とかしめピンとの係止)を外すことで解除する。
[効果]
これにより、本発明は、簡素な構成にてかしめ固定が可能である。
(付記1−5)
本発明は、
基板の遊技制御用IC(たとえば、ROM等の電子部品)の実装面をケース体の底面に対向させた状態で、すなわち電子部品211aの実装面を基板収容上ケースに向けて、かしめ固定する。
[効果]
これにより、本発明は、ROM交換を困難とし、不正なROM交換行為の未然防止策となる。
(付記1−6)
本発明は、
かしめピンあるいはかしめ蓋として、同一の部材をそれぞれの用途に用いることができるようにした。
[効果]
これにより、本発明は、取付け間違い(上下逆など)を無くすことができ、また作業性を向上することができる。さらい部品点数を削減できる。
(付記1−7)
本発明は、
基板とケース体には、前記同一の部材の挿入位置を規制する規制形状を形成した。
[効果]
これにより、本発明は、かしめの確実性を向上することができる。また、かしめの作業性をさらに向上することができる。
(付記1−8)
本発明は、
基板のかしめ構造とは異なるかしめ構造にて基板収容ケースをかしめる。
[効果]
これにより、本発明は、異なるかしめ構造により、基板取外しまでの過程をより一層困難とさせることができるので、さらに不正に対する未然防止策となる。
(付記1−9)
本発明は、
基板のかしめ状態を基板ケースの外部より視認可能に基板ケース体を構成する。たとえば、かしめ側ではないケース体を透明または半透明にしたり、上下のケース体およびかしめ蓋を透明または半透明にしたり、ケース体の一部を透明または半透明にする。
[効果]
これにより、本発明は、基板収容ケースを開封せずに、基板のかしめ状況を確認できる。
(その他)
本発明は、不正行為に対し、基板ケースを開封した場合であっても直ちに電子部品の実装面にアクセスできないようにするとともに、不正に考慮して、基板収容ケースから基板を取り外す行為の痕跡を分かりやすくした遊技台を提供する。
本発明において、かしめ蓋は、合成樹脂製の部材でもよいし、封印シールでもよい。封印シールとした場合には、ICタグを内蔵した封印シールを用いることでセキュリティー性をさらに向上することができる。
また、上述の実施例では、主制御基板を収容する基板収容ケースに本発明を適用した場合を例に説明したが、たとえば副制御基板などの他の回路基板を収容する基板収容ケースにも本発明を適用することができる。