以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る基板収納ケースの実施形態について詳細に説明する。
〈全体構成〉
まず、図1を用いて、本実施形態に係る基板収納ケースを備える遊技体の一例として、スロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
スロットマシン100は、略箱状の本体101と、この本体101の前面開口部に取り付けられた前面扉102とを有して構成されている。スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、図柄表示窓113の外枠には、点滅や点灯などの点灯制御によって、後述する有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED(図示省略)が配置されている。
さらに、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130または131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダルおよびベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110〜112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110〜112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137〜139を操作すると対応するいずれかのリール110〜112が停止することになる。
ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施形態では発光可能な受皿を採用している。
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。演出装置190は、例えば開閉自在な扉(シャッター)163が前面に取り付けられた液晶表示装置157を含み、この演出装置190には、例えば小役告知等の各種の情報が表示される。音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル162には、スロットマシン100を装飾するための図柄が描かれる。
〈内部構成〉
次に、スロットマシン100の内部構成について簡単に説明する。図2は、スロットマシン100の内部構成の概略を示す前面扉102を開いた斜視図である。本体部としてのキャビネット101の内部には、主基板収納ボックス210、副制御基板収納ケース220およびリールユニット185や、図示を省略した電源ボックス、メダル払出装置180、メダル補助収納部240、中央スピーカユニット、外部中継端子板等の諸装置が配設されている。
リールユニット185は、樹脂製のケース221内にステッピングモータで駆動されるリール110〜112を個別に着脱可能に取り付けて構成している。そして、このリールユニット185は、ケース221により3本のリールをユニット化し、キャビネット101に設けたリールユニット載置台278に対する着脱を容易に行えるように構成している。また、リールユニット載置台278の下部には、音通路277が取り付けられ、前面扉102がキャビネット101に閉じられた状態で前面扉102に取り付けられた音通路268と組み合わさるように構成している。中央スピーカユニットから出力された音は、この音通路277および音通路268を通過して外部に出力される。
キャビネット101の内部には、透明な樹脂ケースからなる主基板収納ボックス210が、キャビネット101を構成している後板の上部に、取付ベース230を介して取り付けられている。この主基板収納ボックス210の内部空間には、スロットマシン100の全体的な制御を行う主制御部300を構成する電子部品を実装した主制御基板が収納されている。
また、図示を省略した電源ボックスは、キャビネット101の後板の壁面に装着され、金属製ケースの内部に、スロットマシン100の諸装置へ必要な電力を供給するための電源基板が収納されている。
さらに、キャビネット101の内部には、メダルを払い出すためのメダル払出装置180(以下、ホッパー180ということがある)が配設してある。メダル払出装置180は、DCモータで駆動されメダルを1枚ずつ払い出すと共に、メダルを払い出す毎に検出信号を出力する払出装置本体181と、払出装置本体181にメダルを供給すると共にメダルを蓄積するメダルタンク182とで構成されている。そして、メダル払出装置180の横には、メダル補助収納部240が置かれており、前記メダル払出装置180がメダルでいっぱいになると、余分なメダルは流れ落ち、このメダル補助収納部240内に蓄積される。
そして、前記主制御基板およびリール110〜112の側方、即ち向って左側の側板には、演出の制御を行う副制御部400を構成する副制御基板を収納した副基板収納ケース220が配設してある。
一方、キャビネット101の側板にヒンジ装置276を介して蝶着された前面扉102には、演出装置290、この演出装置を制御する演出制御基板を収納した演出制御基板収納ケース274、上部スピーカ272、図柄表示窓113を有するリールパネル270、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿156に落下させる際にメダルが通過する通路266等が設けてある。メダルセレクタ170は、さらに、投入されたメダルをメダルタンク182に案内する通路171を備えている。
〈基板収納ケースの第1実施形態〉
次に、図3〜7を用いて、主基板収納ボックス210を含む基板収納ケースの構成について説明する。図3は、例えば、主基板収納ボックス210と取付ベース230とカバー部材250により構成した基板収納ケースの分解斜視図である。
〈主基板収納ボックス〉
まず、主基板収納ボックス210について説明する。主基板収納ボックス210は、底面が略矩形の角皿状である基板収納体212および蓋体213を組み合わせて構成される箱体となっている。この主基板収納ボックス210の内部の空間には、遊技に関するプログラムや各種データ等を記憶したROM312や、CPU、RAM等のその他の電子部品211aが実装され、後述する主制御部300を構成する主制御基板211が、ネジ211bによって四隅を基板収納体212に固定された状態で収納される。基板収納体212および蓋体213は、それぞれ透光性の樹脂から構成されており、主基板収納ボックス210内部に収納された主制御基板を外部から視認することが可能となっている。
基板収納体212の下側縁には門型のヒンジ部212aが2箇所に設けられ、左右側縁の上部には矩形状の窪みである係止凹部212bがそれぞれ設けられている。そして、蓋体213の下側縁にはヒンジ部212aと係合するフック状のフック部213aが2箇所に設けられ、左右側縁の上部には係止凹部212bと係止する凸部を備える係止舌片213bがそれぞれ設けられている。従って、主基板収納ボックス210を組み立てる場合には、まず、蓋体213のフック部213aを基板収納体212のヒンジ部212aに係合させ、次に、ヒンジ部212aを中心に蓋体213を揺動させて基板収納体212と蓋体213を合わせると共に蓋体213の係止舌片213bを基板収納体212の係止凹部212bに係止させる。
また、基板収納体212および蓋体213の上部には、ボックス用かしめピン214aを挿入して両者を分離できないように封印(かしめ)するためのボックス用かしめ部212c、213cが、それぞれ4箇所に設けられている。これらのボックス用かしめ部212c、213cは、基板収納体212および蓋体213を組み合わせた場合に、基板収納体212のボックス用かしめ部212cが蓋体213のボックス用かしめ部213c内に収容され、ボックス用かしめピン214aが挿入される挿入孔がそれぞれ連通するように構成されている。そして、この連通した挿入孔に挿入されたボックス用かしめピン214aが、ボックス用かしめ部212c、213cのそれぞれに取り外し不可能に係止するようになっている。すなわち、ボックス用かしめピン214aを挿入することにより、ボックス用かしめ部212c、213cが互いに分離不可能に結合され、主基板収納ボックス210が封印される。
なお、一旦封印した主基板収納ボックス210を開封する場合には、蓋体213のボックス用かしめ部213cを蓋体213から切断する。これにより、基板収納体212および蓋体213を分離した後も、蓋体213のボックス用かしめ部213cが基板収納体212のボックス用かしめ部212cと結合したまま基板収納体212に残ることととなり、主基板収納ボックス210を開封した痕跡が残るようになっている。本構成例では、ボックス用かしめ部212c、213cが4箇所に設けられているため、主基板収納ボックス210の封印を4回行うことができるようになっている。
また、基板収納体212および蓋体213の上部の左右両端には、固定用かしめピン214bを挿入することによって主基板収納ボックス210の取付ベース230への固定を封印するための固定用かしめ部212d、213dが2箇所に設けられている。これらの固定用かしめ部212d、213dは、基板収納体212および蓋体213を組み合わせた場合に、基板収納体212の固定用かしめ部212d内に蓋体213の固定用かしめ部213dの一部が収容され、固定用かしめピン214bが挿入される挿入孔がそれぞれ連通するように構成されている。そして、蓋体213側から固定用かしめピン214bをこの連通した挿入孔に挿入すると共に、基板収納体212の背後に突出した固定用かしめピン214bの先端部を取付ベース230に設けられた嵌入孔231内に嵌入することにより、主基板収納ボックス210の取付ベース230への固定が封印されるようになっている。
固定用かしめピン214bは、先端部が基板収納体212の背後に突出して嵌入孔231に嵌入した状態では、蓋体213の固定用かしめ部213dと係止して取り外せないようになっている。本実施形態では、固定用かしめ部212d、213dが2箇所に設けられているため、主基板収納ボックス210の固定の封印を2回行うことが可能となっている。
なお、主基板収納ボックス210の基板収納体212の一側端部(図3においては左側端部)には、矩形状の2つの係合凸部212fが突設されており、この2つの係合凸部212fを取付ベース230に設けられた係合凹部230bに係合させることによって、主基板収納ボックス210は取付ベース230に固定される。主基板収納ボックス210の取付ベース230への固定の詳細については後述する。
また、本実施形態では、ボックス用かしめ部212c、213cおよび固定用かしめ部212d、213dの配置に応じて、2つのボックス用かしめピン214aおよび1つの固定用かしめピン214bを略E字形状の連結部材214cで連結している。このように、複数のボックス用かしめピン214aおよび固定用かしめピン214bを連結し、一体化することによって、これらのかしめピン214a、214bの紛失を防止すると共に、封印忘れを防止することができる。
主基板収納ボックス210の上部中央は、ICタグ封印シール215を貼付ける部分となっている。基板収納体212の上部中央には、蓋体213に向けて突出する矩形状の凸部212eが設けられており、基板収納体212と蓋体213を組み合わせた場合に、蓋体213の上部中央に設けられた凹部213e内に収容されるようになっている。そして、ICタグ封印シール215は、基板収納体212の凸部212eの表面とその下方の蓋体213の表面に跨って貼付けられる(図5参照)。従って、本実施形態では、主基板収納ボックス210を開封するにはICタグシール215を剥がす、または破断する必要があり、これによっても主基板収納ボックス210を開封した痕跡が残るようになっている。すなわち、主基板収納ボックス210は、ICタグ封印シール215によっても封印されている。
上述したように、基板収納体212と蓋体213の内部空間に収容される主制御基板211には、外部の各種基板等に繋がるケーブルを接続するための複数のコネクタ211cが実装されており、蓋体213には、これらのコネクタ211cに対応する位置に複数のコネクタ孔213fが設けられている。主制御基板211が主基板収納ボックス210内に収納された状態では、各コネクタ211cは、対応するコネクタ孔213fから一部が露出するようになっている。従って、主基板収納ボックス210を開封しなくとも、外部の各種基板等に繋がるケーブルを各コネクタ211cに接続することが可能となっている。また、逆に、各コネクタ211cに接続されたケーブルを外さない限り、基板収納体212と蓋体213を分離して主基板収納ボックス210を開封することができないため、これらのコネクタ211cは、主基板収納ボックス210の開封を阻止する開封阻止部として機能している。なお、本実施形態では、コネクタ211cが主制御基板211の左右両端部に実装されているため、コネクタ孔213fは蓋体213の左右両端部にのみ設けられている。
〈取付ベース〉
次に、取付ベース230について説明する。取付ベース230は、透光性のある樹脂から構成された略矩形状の部材であり、中央に主基板収納ボックス210を固定して収容するための矩形状の窪みである収容凹部230aが形成されている。収容凹部230a底面の四隅近傍には、取付ベース230をキャビネット101に固定するためのネジを挿通する挿通孔232が形成されている。これらの挿通孔232は、収容凹部230a内に主基板収納ボックス210が固定された状態では、主基板収納ボックス210によって遮蔽されることとなる。従って、主基板収納ボックス210を取付ベース230から取り外さない限り、取付ベース230をキャビネット101から取り外すことができないようになっている。
収容凹部230は、主基板収納ボックス210の基板収納体212の2つの係合凸部212fと係合する2つの係合凹部230bが左側面に設けられると共に、左右方向の幅が主基板収納ボックス210よりやや大きく形成され、収容凹部230内で主基板収納ボックス210を左右にスライド可能に構成されている。従って、主基板収納ボックス210は、一旦右よりに収容凹部230a内に収容した後に左方向にスライドさせ、係合凸部212fを係合凹部230bに係合させることによって取付ベース230に固定される。なお、収容凹部230aの下側側面には、主基板収納ボックス210のヒンジ部212aおよびフック部213aと干渉しないようにするための2つの切欠き部230cが形成されている。
係合凸部212fを係合凹部230bに係合させた後、固定用かしめ部212d、213dを通して固定用かしめピン214bを収容凹部230aの底面に設けられた嵌入孔231に嵌入し、主基板収納ボックス210の左右方向の移動を規制することによって、主基板収納ボックス210の取付ベース230への固定が封印される。これにより、固定用かしめピン214bまたは固定用かしめ部212d、213dを破壊する等の痕跡を残さない限り、主基板収納ボックス210を取り外すことが不可能となる。嵌入孔231は、係合凸部212fを係合凹部230bに係合させた状態での固定用かしめ部212d、213dに対応する位置、すなわち収容凹部230a底面の上側の左右角部の近傍にそれぞれ設けられている。
なお、収容凹部230aは、主基板収納ボックス210の基板収納体212と蓋体213の合せ面が収容凹部230a内に位置する深さに形成されている。本実施形態では、収容凹部230aの深さをこのように設定することで、基板収納体212と蓋体213の合せ面への外部からのアクセスを遮断し、この合せ面を介した不正行為を防止するようにしている。
取付ベース230の一側下部(図3においては右側面下部)には、外部集中端子板233を固定するための外部集中端子板固定部230dが突設されている。この外部集中端子板233は、遊技店等に設置される情報収集装置(例えば、ホールコンピュータ)、および主制御基板211に接続され、主制御基板211から情報収集装置への各種情報の送信を中継するためのものである。なお、主制御基板211と情報収集装置の間の通信は一方向通信であり、情報収集装置から主制御基板への情報の送信はできないようになっている。外部集中端子板233は、外部集中端子板固定部230dの表面において、左側端部を2つの固定片230eの背後に嵌め込んだ後に右側端部を2つの係止片230fに係止させることによって固定される。
取付ベース230表面の左端部には、主制御基板211のコネクタ211cに接続されたケーブルを部分的に収容するためのケーブル用凹部230gが形成されている。ケーブル用凹部230gには、主制御基板211の左側に配置されたコネクタ211cに接続されるケーブルを拘束する(図4参照)ためのケーブル拘束具234が2つ配設されている。これらのケーブル拘束具234は、ケーブル用凹部230gの底面に設けられた2つの取付孔230hに、固定ピン234aを挿入して係止させることにより、着脱可能に取付けられる。
取付ベース230表面の左上部、右上部、および左下部の3箇所には、後述するカバー部材250を取付ベース230に取り付けるための、案内溝235が設けられている。これらの案内溝235は、左右方向に所定の長さで形成された溝状の孔であり、左側半分の幅広の挿脱部235a、および右側半分の幅狭の案内部235bから構成されている。さらに、取付ベース230表面の左下部には、取付ベース230に取り付けたカバー部材250の左方向への移動を規制するための制止片236が設けられている。この制止片236は、取付ベース230の一部を切り欠くことにより、弾性変形によって先端部が表裏方向に移動可能な舌片状に形成したものである。制止片236の先端部表面には、先端に向けて漸次肉厚が増すように形成された斜面部236aが設けられている。従って、制止片236の先端部は、斜面部236aが取付ベース230の表面から突出した状態となっている。
また、取付ベース230表面の右上部には、後述するカバー部材250を固着するためのカバー用かしめピン260の一部が挿入される位置決め挿入孔237およびカバー用かしめピン260の一部が退避不能に係止される封止受入部238が設けられている。
そして、主基板収納ボックス210から主制御基板211を取り出すためには、取付ベース230とカバー部材250を分離することが必要条件となり、第1ケース構成体としての取付ベース230と第2ケース構成体としてのカバー部材250を分離するために封止部材たるカバー用かしめピン260による封止を解除すると、後述するように、カバー用かしめピン260を初期状態に復元させることが出来ないので、基板収納ケース開封の痕跡が残ることとなり、基板収納ケースの開封による不正防止に有効である。
〈カバー部材〉
次に、カバー部材250について説明する。カバー部材250は、取付ベース230に固定された主基板収納ボックス210の上部に配置されたボックス用かしめ部212c、213c、固定用かしめ部212d、213d、およびICタグ封印シール215を前方(表側)から覆う(遮蔽する)と共に、主基板収納ボックス210の左端部に位置するコネクタ211cを前方から覆う(遮蔽する)ための部材である。従って、カバー部材250は、水平方向に伸びる横長の略長方形板状の水平部250a、および水平部250aの左端部を基端として下方向に伸びる縦長の略長方形板状の垂直部250bから構成された略L字形の一体形状の部材となっている。換言すれば、カバー部材250は、前方(表側)から見た場合に、主基板収納ボックス210の左上角部から右方向に略水平に伸びる辺の近傍の領域、および左上角部から下方向に略垂直に伸びる辺の近傍の領域を覆うことが可能なL字形状に一体的に構成されている。
本実施形態では、このようにカバー部材250をL字形状とすることにより、主基板収納ボックス210の開封を阻止する開封阻止部であるボックス用かしめ部212c、213c、固定用かしめ部212d、213d、ICタグ封印シール215、およびコネクタ211cを1つの部材で効率的に覆いながらも、主基板収納ボックス210内部の視認性、特に中央部の視認性を確保することで、主制御基板211に実装されたROM312の目視による確認を阻害することがないようにしている。また、CPUやRAM等のその他の電子部品211aについても、目視により容易に状態を確認することができるようになっている。
カバー部材250の水平部250aの上端の左右両端部近傍、および垂直部250bの下端の3箇所には、鉤形舌片251が設けられている。この3つの鉤形舌片251は、後方の取付ベース230に向けて(裏側に向けて)突設された平板の先端部を外側に向けて曲折した形状となっている。また、垂直部250bの下端近傍には、矩形断面の孔である制止孔252が設けられている。これらの鉤形舌片251および制止孔252は、カバー部材250を取付ベース230に固定するためのものである。カバー部材250の取付ベース230への取付については後述する。
カバー部材250の垂直部250bは、コネクタ211cを覆う部分であるため、コネクタ211cに接続されるケーブルと干渉しないように垂直部250bの一部を前方(表側)に向けて膨出させた膨出部253が形成されている。従って、カバー部材250を取付ベース230に固定した状態では、コネクタ211cに接続されたケーブルは部分的にこの膨出部253の内部に収容されることとなる。
〈カバー用かしめピン〉
カバー部材250は、封止部材たるカバー用かしめピン260により、取付ベース230へ封止される。このカバー用かしめピン260は、カバー部材250に取り付けるカバー用固定部261と、カバー部材250および取付ベース230の両方に係止されることで分離不能に保持するための挿入封止部262と、この挿入封止部262とかしめ連結部263を介して連結される挿入位置規制部264と、この挿入位置規制部264とカバー用固定部261とを高い自由度で連結する可撓性連結部265から構成されている。
カバー用固定部261は、カバー部材250の水平部250aの右端部近傍に設けたかしめピン固定用係止孔254に係止することで、カバー用かしめピン260がカバー部材250に固定されるようにするものである。
挿入位置規制部264は、カバー部材250のかしめピン固定用係止孔254よりも右端部よりに設けた封止挿入部255の所定位置に嵌入し得る位置決め平坦部264aと、位置決め平坦部264aの下面より延出してカバー部材250から取付ベース230まで貫通する第1位置決め突部264bと、位置決め平坦部264aの下面より延出してカバー部材250のみに挿入される第2位置決め突部264cとを備えるもので、取付ベース230へ適正に取り付けたカバー部材250へ挿入位置規制部264を取り付けると、この挿入位置規制部264とかしめ連結部263を介して連結されている挿入封止部262が、カバー部材250の封止挿入部255と取付ベース230の封止受入部238とで構成される封止空部内の適正位置(以下、第1位置という)まで挿入されることとなる。
挿入封止部262は、挿入位置規制部264によって規制された第1位置まで封止空部へ挿入されることで取付ベース230の第1係止受部(後に詳述)に係止されて、封止空部からの退避を不能にする第1退避阻止部262aと、第1位置まで封止空部へ挿入されたときには取付ベース230からカバー部材250を分離するために、カバー部材250が必ず通過する開封通過領域に延在する(カバー部材250の封止挿入部255を貫通して取付ベース230の封止受入部238内へ至るように存在する)ことで、取付ベース230とカバー部材250の分離を阻止するケース分離阻止部262bと、ケース分離阻止部262bとかしめ連結部263とを切断し易くした切断部262cを有する。
さらに、本構成例においては、挿入封止部262の切断部262cにてかしめ連結部263とケース分離阻止部262bとを切断することで挿入位置規制部264による挿入位置の規制が解かれたときに、ケース分離阻止部262bがカバー部材250の開封通過領域から外れる第2位置(例えば、挿入位置規制部264の最外端部が取付ベース230の封止受入部238の開口縁へ挿入された位置)まで、挿入封止部262を封止空部へ深く挿入することで、取付ベース230の第2係止受部(後に詳述)に係止されて、封止空部からの退避を不能にする第2退避阻止部262dを設けた。
〈カバー部材の取り付け、取り外し〉
次に、図4〜図8を参照して、取付ベース230へのカバー部材250の取り付け方法および取付ベース230からのカバー部材250の取り外し方法について説明する。
図4は、取付ベース230へのカバー部材250の取り付け方法を示した図である。同図に示されるように、カバー部材250を取り付ける前に、主基板収納ボックス210が取付ベース230に固定される。主基板収納ボックス210は、ボックス用かしめ部212c、213cおよびボックス用かしめピン214aによる封印がなされ、ICタグ封印シール215が貼付けられた状態で取付ベース230に固定され、固定用かしめ部212d、213dおよび固定用かしめピン214bにより主基板収納ボックス210の取付ベース230への固定が封印される。そして、コネクタ211cに外部からのケーブル211dを接続すると共に、ケーブル拘束具234によってケーブル211dを拘束した後に、カバー部材250を取付ベース230に取り付け、カバー用かしめピン260により封印する。
図5(a)は、カバー部材250が固定位置において取付ベース230に固定されると共に封印された状態を示した図である。カバー部材250を取付ベース230に取り付ける場合には、まず、3つの鉤形舌片251を、取付ベース230の対応する案内溝235の挿脱部235aに、前方(表側)からそれぞれ挿入する。そして、鉤形舌片251を挿脱部235aに挿入したまま、右方向、すなわち案内部235bに向けてカバー部材250をスライドさせ、鉤形舌片251の右端が案内部235bの右端に略当接する固定位置まで移動させる。この固定位置では、鉤形舌片251と案内部235bが係合した状態となるため、カバー部材250の前後方向(表裏方向)の移動は規制されることとなる。
取付ベース230の制止片236は、カバー部材250をスライドさせているときには先端の斜面部236aがカバー部材250の裏面に押圧されて弾性変形し、後方(裏側方向)に曲がって逃げた状態となっている。その後、カバー部材250が固定位置まで移動すると、カバー部材250の制止孔252の位置が制止片236の斜面部236aの位置と一致し、斜面部236aに対する押圧が解除され、斜面部236aが制止孔252内に収容された状態となる。斜面部236aが制止孔252内に収容された状態では、制止片236の先端面が制止孔252の内側面に当接することで、カバー部材250の左方向への移動が規制されることとなる。なお、カバー部材250の右方向への移動は、鉤形舌片251の右端が案内部235bの右端に当接することで規制されている。
最後に、カバー用かしめピン260をカバー部材250の封止挿入部255から取付ベース230の封止受入部238へ取り付けることにより、カバー部材250を取付ベース230の固定した状態に封印する(例えば、図5(b)を参照)。ここで、カバー部材250および取付ベース230は無色透明の合成樹脂で成型すると共に、カバー用かしめピン260を有色の合成樹脂で成型、或いは外表面を着色することで、不透明な外観を有する構造とすれば、封止のためにカバー部材250や取付ベース230の内部に挿入された部分を外側から容易に確認することができる。
カバー部材250の封止挿入部255は、図6(a)に示すように、カバー用かしめピン260の位置決め平坦部264aが嵌合し得る所用形状の窪みである導入凹部255aの略中央に形成した第1位置決め孔255bと、導入凹部255bの右側(挿入封止部262を挿入する側)に設けた第2位置決め孔255cと、更に、この第2位置決め孔255cに連なるように設けられ、通常状態の挿入封止部262を通過させ得る封止挿入孔255dを備える。
そして、カバー用かしめピン260の挿入位置規制部264における第1位置決め突部264bおよび第2位置決め突部264cを、各々封止挿入部255における第1位置決め孔255bおよび第2位置決め孔255cに各々嵌入させつつ、位置決め平坦部264aにおける当着面をカバー部材250の導入凹部255aに押し当てるように取り付けてゆくと、カバー用かしめピン260の挿入封止部262も封止挿入孔255dへ導かれて行き、封止挿入部262の適正な位置決めが行われ、封止挿入部255の第1退避阻止部262aおよび第2退避阻止部262dが封止受入部238の封止受入穴238aへ挿入されてゆく。
なお、本構成例におけるカバー用かしめピン260の第1位置決め突部264bは、取付ベース230の位置決め挿入孔237まで嵌まり込むものであり、例えば、カバー部材250が適正な状態に取付ベース230へ取り付けられていない場合には、カバー部材250の第1位置決め孔255bと取付ベース230の位置決め挿入孔237が連通していないために、挿入位置規制部264を封止挿入部255へ取り付けることが出来ず、カバー用かしめピン260による封止を行うことはできない。また、カバー部材250が適正な状態に取付ベース230へ取り付けられていない場合には、カバー部材250における封止挿入部255の封止挿入孔255dと取付ベース230における封止受入部238の封止受入口238aが連通しないために、挿入封止部262を挿入する封止空部が形成されず、カバー用かしめピン260による封止を行うことはできない。
上記のように、カバー部材250を取付ベース230に適正な状態で取り付けた上、挿入位置規制部264により位置決めされた状態でカバー用かしめピン260を取り付けると、位置決め平坦部264aの当着面が導入凹部255aに押し当たったところで、挿入封止部262が封止空部(カバー部材250における封止挿入部255の封止挿入孔255dと取付ベース230における封止受入部238の封止受入口238aが連通して構成される空部)内へ入ることが規制され、それ以上深く挿入封止部262を封入空部内へ挿入することは出来ない。したがって、カバー用かしめピン260に挿入位置規制部264を設け、カバー部材250の封止挿入部に導入凹部255aを設けることにより、挿入封止部262が封止空部へ挿入される位置を浅い第1位置に規制することができ、後に詳述する取付ベース230の封止受入部238に設けた係止構造により、挿入封止部262を封止空部から退避することが出来ないようになる(例えば、図6(b)を参照)。
また、挿入封止部262の幅(取り付け時には上下となる方向の幅)は挿入位置規制部264の位置決め平坦部264aの幅よりも狭く、概ね、かしめ連結部263と同じ幅となるようにしてあり、この幅が狭い挿入封止部262に対応させるように、カバー部材250の封止挿入部255には、上下両側にガイド保護部255eを設けておき、封止挿入孔255d内へ挿入した封止挿入部255の上下両側に隙間が殆ど生じないようにする。しかし、かしめ連結部263と挿入封止部262との連続する部位に形成した切断部262cの上下両側には、ガイド保護部255eよりも奥(スロットマシン100の後方側)へ窪んだ切断指標凹部255fを設けてあり、切断部262cの上下両側には、切断具(ニッパー等)の刃先を差し入れることが可能な空間が確保される。
すなわち、切断部262cで切断すれば、カバー部材250を傷つけることなく、容易に挿入封止部262をかしめ連結部263から切り離せるが、切断部262cよりもケース分離阻止部262b側で切断するためにはガイド保護部255eが障害となって切断が困難となり、無理に切断具の刃先を入れようとすると、ガイド保護部255eが傷つき、カバー部材250に痕跡が残ることとなる。
一方、切断部262cよりも挿入位置規制部264側となるかしめ連結部263であれば、かしめ連結部263の上下両側に切断具の刃先を挿入できるので、かしめ連結部263の途中で挿入封止部262側を切り離すことは可能であるものの、挿入封止部262におけるケース分離阻止部262bにかしめ連結部263の一部が付着した状態となっているため、封止受入部238の封止受入口238aの開口領域内に収まらず、ケース分離阻止部262bを封止受入口238a内へ完全に挿入することが出来ないので、ケース分離阻止部262bが障害となって、カバー部材250をスライドさせることが出来ず、取付ベース230から分離することは出来ない。
したがって、取付ベース230に対するカバー部材250の封止を解くために挿入封止部262を切り離す適正な切断位置は、切断部262cに制限されるのである。そして、カバー用かしめピン260による封止解除のために挿入封止部262を切り離す位置が切断部262cに制限される構造を採用すると共に、切断部262cには、切断具の刃先を圧接させる向き(固定時における上下方向)に、剛性の異なる複数の領域を設けて、切断された痕跡を視覚的に確認し易いようにすれば、基板収納ケースの開封による不正防止に一層有効である。
本構成例における切断部262cは、図7(a)に示すように、上下方向(切断具の刃先B1,B2が圧接される方向)に3つの窪みを低剛性領域262c1として設け、これら低剛性領域262c1の上下両側には薄壁状の高剛性領域262c2が生ずる構造とした。かくすれば、切断具による切断時に、刃先B1,B2により高剛性領域262c2が圧接される方向に空隙である低剛性領域262c1が存在するため、高剛性領域262c2の変形が顕著に生じ(図7(b)を参照)、切断前の状態に戻すことが困難な切断面となる。よって、切断部262cが切断具によって切断された場合には、その痕跡を高剛性領域262cの切断面における変形として確認できるのである。なお、高剛性領域と低剛性領域の構成は特に限定されるものではなく、剛性の異なる素材を層状に重ねることで高剛性領域と低剛性領域が交互に生ずるようにしても良い。
また、カバー用かしめピン260のカバー用固定部261は、カバー部材250のかしめピン固定用係止孔254に挿入して係止させることで、カバー用かしめピン260をカバー部材250から取り外すことが出来なくなり、挿入位置規制部264と挿入封止部262が切断されても、可撓性連結部265を介してカバー用固定部261と連結されている挿入位置規制部264はカバー部材250と一緒に残ることとなる。なお、可撓性連結部265は、例えば、略M字形の波状に形成された細い棒状の部材とすることで、変形の自由度を高め、カバー用固定部261と挿入位置規制部264の相対的な位置関係を容易に変更可能としている。
図5(a)に示されるように、カバー部材250を取付ベース230に固定して封印した状態では、カバー部材250は、主基板収納ボックス210のボックス用かしめ部212c、213cおよびボックス用かしめピン214a、固定用かしめ部212d、213dおよび固定用かしめピン214b、ICタグ封印シール215、ならびにコネクタ211cの開封阻止部を覆っている。このため、これらの開封阻止部への外部からのアクセスを困難にし、主制御基板211に対する不正行為をより確実に防止することが可能となっている。また、カバー部材250を略L字構造とすることで、主基板収納ボックス210の中央部分の視認性を阻害しないため、不正行為を効果的に防止しながらも、主制御基板211の状態を外部から容易に目視で確認可能となっている。
図5(b)は、取付ベース230からカバー部材250を取り外す方法を示した図である。カバー部材250を取付ベース230から取り外す場合には、まずカバー用かしめピン260の切断部262cを切断して封印を解除する(詳細は後述する)。次に、制止孔252から制止片236の斜面部236aを取付ベース230内部に向けて(裏側に向けて)押圧し、制止片236の先端面が制止孔252の内側面と当接しない状態とした上で、カバー部材250を左方向にスライドさせ、鉤形舌片251を案内溝235の案内部235bから挿脱部235aに移動させる。そして、鉤形舌片251を挿脱部235aから脱離させることにより、カバー部材250は取付ベース230から取り外される。
〈カバー部材の封印、および封印の解除〉
次に、カバー部材250を取付ベース230へ取り付けた状態での封印、および封印の解除について詳細に説明する。図8(a)〜(c)は、取付ベース230に対するカバー部材250の封印から封印解除による開封までの工程を示した概略断面図である。
まず、同図(a)は、カバー部材250を封印している状態を示している。同図(a)に示されるように、カバー用かしめピン260のカバー用固定部261は、略円盤状の基部261a、およびこの基部261aに突設された2つの舌片部261bから構成されている。2つの舌片部261bの先端部の外側面には、楔形状の係止突起261cがそれぞれ設けられている。
そして、カバー用固定部261は、楔形状の係止突起261cにより2つの舌片部261bが弾性変形して内側に曲がりながらカバー部材250のかしめピン固定用係止孔254に挿入される。係止突起261cがかしめピン固定用係止孔254を通過すると、2つの舌片部261bの弾性変形が解除されて外側に広がるため、係止突起261cによってカバー用固定部261がかしめピン固定用係止孔254に係止される。カバー部材250が取付ベース230に固定された状態では、係止突起261cはカバー部材250の裏側に遮蔽された状態となるため、破壊等の痕跡を残さずにカバー用固定部261の係止を解除することは不可能となっている。
一方、挿入位置規制部264の位置決め平坦部264aはカバー部材250の封止挿入部255における導入凹部255aに嵌合し、第1位置決め突部264bがカバー部材250の第1位置決め孔255bおよび取付ベース230の位置決め挿入孔237を貫通し、第2位置決め突部264cがカバー部材250の第2位置決め孔255cに嵌まり、挿入封止部262がカバー部材250における封止挿入部255の封止挿入孔255dと取付ベース230における封止受入部238の封止受入口238aが連通して構成される封止空部内の第1位置まで挿入され、取付ベース230とカバー部材250を分離できないように封止した状態となる。以下に、この封止構造を実現する挿入封止部262と取付ベース230の封止受入部の詳細を説明する。
かしめ連結部263と連結されているケース分離阻止部262bは、少なくともカバー部材250の封止挿入孔255dの深さに等しい長さを有し、その挿入側端部より第1退避阻止部262aが形成され、挿入封止部262が封止空部の第1位置まで挿入されたとき、第1退避阻止部262aは取付ベース230の封止受入穴238a内へ完全に入り込んだ状態になる。
第1退避阻止部262aは、例えば四角柱状の主体部262a1に対して、その相対向する二側面(例えば、固定時における左右の側面)の挿入側端部よりケース分離阻止部272b側に向って拡開する一対の係止片262a2を設けたものであり、少なくとも係止片262a2と主体部262a1との連結部は比較的弱い力で変形する弾性を有する構造(例えば、弾性変形可能な樹脂を素材として一体成型しても良いし、一定角度範囲での開閉動作が可能な蝶番機構で構成しても良い。)とすることによって、係止片262a2が開いた第1状態から、係止片262a2が主体部262a1の側面に押し当たるように変形させた第2状態への変換を可能とし、その力を取り除くと第1状態に自動復帰するものである。
取付ベース230における封止受入穴238aの開口領域は、挿入封止部262における第1退避阻止部262aが第1状態では通過できないが、第2状態に変形することで通過可能となる。よって、挿入封止部262を封止空部へ挿入してゆく過程では、第1退避阻止部262aの各係止片262a2が主体部262a1の両側に押し当たるように弾性変形するので、比較的弱い押圧力で挿入封止部262を封止空部内へ押し込むことが出来る。
そして、挿入封止部262が封止空部の第1位置近傍まで挿入されたとき、或いは第1位置に達した時点で、第1退避阻止部262aの各係止片262a2が封止受入穴238aの開口壁部238a1を通過し、内部空間が広がった第1係止受部238bに至る。すなわち、第1係止受部238bに至った挿入封止部262の第1退避阻止部262aは、開口壁部238a1による係止片262a2の拘束が解かれ、第2状態から第1状態に自動復帰し、係止片262a2のケース分離阻止部262b側端部が第1係止受部238b内で広がるため、挿入封止部262を封止受入穴238aから引き抜くことが出来なくなる。加えて、かしめ用連結部263を介して挿入封止部262と連結されている挿入位置規制部264はカバー部材250の封止挿入部255に位置規制されているから、挿入封止部262を封止空部へ更に深く挿入することもできない。
このように、第1退避阻止部262aを封止受入穴238aから抜いたり、更に押し込んだり出来なければ、ケース分離阻止部262bを封止挿入孔255dから移動させることが出来ないので、カバー部材250を取付ベース230から分離するためのスライド動作を行うことは不可能であるから、カバー用かしめピン260による封止が実現される。
また、上記のようにして挿入封止部262を第1位置にて係止する第1退避阻止部262bの更に挿入側に設ける第2退避阻止部262dは、適宜な空隙を介して対向状に設けた一対の第2係止部262d1を設け、一対の第2係止部262d1は先端部が互いに離隔した第1状態から、両先端部が互いに近接する第2状態に撓めて変換させることができ、その力を取り除くと第1状態に自動復帰するものである。これら第2係止部262d1の各先端部には、互いに離反する位置に楔形状の係止突起262d2を設けてあり、第2係止部262d1が第1状態では通れない開口でも、第2状態に変換することで通ることが可能となる。
次に、同図(b)および(c)は、カバー部材250の封印を解除する方法を示している。カバー部材250の封印を解除する場合には、まず、同図(b)に示されるように、切断部262cを切断することで、挿入封止部262全体を挿入位置規制部264およびかしめ連結部263から切り離す。そして、カバー部材250側から取付ベース230内に向けて(裏側に向けて)挿入封止部262をさらに深く挿入することで、ケース分離阻止部262bがカバー部材250の開封通過領域から外れる第2位置へ移動させる。
このとき、挿入封止部262の第2退避阻止部262dは、取付ベース230の封止受入部238における封止受入穴238aの底壁となる第2係止受部238cに突き当たることとなるが、第2係止受部238cに設けた第2係止孔238c1に楔形状の係止突起262d2が入ることで、2つの第2係止部262d1が弾性変形して互いに近接する第2状態に変換しながら第2係止孔238c1を通過してゆく。
そして、挿入封止部262が封止空部の第2位置近傍まで挿入されたとき、或いは第2位置に達した時点で、第2退避阻止部262dの各第2係止部262d1の先端に設けた係止突起262d2が第2係止孔238c1を通過し、2つの第2係止部262d2は互いに離隔する第1状態に自動復帰する。すなわち、第2係止孔238c1を通過した2つの係止突起262d2が互いに離反するように広がることで、第2係止受部238cにおける第2係止孔238c1の開口縁に係止され、挿入封止部262を封止受入穴238aから引き抜くことが出来なくなるので、挿入封止部262を第2位置から第1位置へ戻すことも不可能となる。
この第2位置では、挿入封止部262のケース分離阻止部262bは、カバー部材250の封止挿入孔255d6(開封通過領域)から完全に離脱しており、カバー部材250の取付ベース230への取り付け状態を保持しないようになっている。従って、同図(c)に示されるように、挿入位置規制部264を抜き取ることによって、カバー部材250をスライドさせることが可能となり、取付ベース230からカバー部材250を取り外すことができる。
しかしながら、カバー部材250の封印を解除してカバー部材250を取付ベースから取り外した後も、カバー用固定部261、可撓性連結部265、挿入位置規制部264およびかしめ連結部263はカバー部材250側に残ると共に、挿入封止部262は封止受入穴238aへ第2位置まで挿入された状態で取付ベース230側に残るので、封印が解除されたことを外部から容易に確認できる。
なお、上述した構成例では、挿入封止部262を第2位置に係止して第1位置への復帰を不能にするために、第1退避阻止部262aとは別に第2退避阻止部262dを設けるものとしたが、この構成に限定されるものではなく、例えば、第1係止受部238bと同様な構造の第2係止受部を封止挿入穴238a内に設けておき、挿入封止部262を第2位置まで封止空部へ挿入したとき、第1退避阻止部262aの係止片262a2が第2係止受部に係止されることで、挿入封止部262を第2位置に止めるようにしても良い。斯くすれば、第2退避阻止部262dを設ける必要がないので、挿入封止部262の構造を単純化でき、カバー用かしめピン260の製造コストを抑制することにも繋がる。
〈制御部〉
次に、図9および図10を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部400と、によって構成されている。
〈主制御部〉
まず、図9を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。なお、同図は主制御部300の回路ブロック図を示したものである。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバスおよびアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
さらに、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、電源判定回路327の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ320は、メダル投入口134に投入されたメダルを検出するためのセンサである。スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137〜139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算スイッチセンサ324は、精算ボタン132に設けられており、精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダルおよびベットされているメダルが精算されて払い出されることになる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。電源判定回路327は、スロットマシン100に供給される電源の遮断を検出するための回路である。
CPU310には、更に、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リール110〜112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにハイレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー180のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技回数表示器126、貯留枚数表示器127等)と、外部集中端子板233が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311および水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
〈副制御部〉
次に、図10を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。なお、同図は副制御部400の回路ブロック図を示したものである。
副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバスおよびアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令およびデータ、ライン表示LEDの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
さらに、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、図柄表示窓113の外枠に配設され、点滅や点灯などの点灯制御によって有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を遊技店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、メダル払い出し口155の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、扉・液晶画面制御部490への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。扉・液晶画面制御部490は、液晶表示装置157および扉163を制御する制御部である。
〈主制御部の処理〉
次に、図111を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を実行する。また、各処理の実行によって得られた情報は副制御部400に送信する。
スロットマシン100に電源投入が行われると、まず、ステップS101で初期処理が実行される。ここでは各種の初期化処理が行われる。
ステップS102ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS104へ進む。
ステップS103では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップS104では乱数発生器で発生させた乱数を取得する。
ステップS105では、現在の遊技状態に応じてROMに格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。ステップS106では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップS107では全リール110〜112の回転を開始させる。ステップS108では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110〜112のいずれかをステップS106で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS109へ進む。
ステップS109では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)については、今回の遊技で入賞しなかった場合は、次回の遊技に内部当選フラグがONの状態が維持される。所謂フラグの持ち越しが行われる。
ステップS110では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。ステップS111では遊技状態制御処理を行う。以上により1ゲームが終了する。以降ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
〈副制御部の処理〉
次に、図12(a)および(b)を用いて、副制御部400の処理について説明する。図12(a)は、副制御部400の割込み処理の流れを示すフローチャートである。副制御部400は、所定の周期(本実施形態では、2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部400の割込み処理を実行する。
ステップS201では、受信コマンドがあるか否かを判定する。主制御部300からコマンドを受信した場合はステップS202に進み、そうでない場合は処理を終了する。ステップS202では、受信コマンドを未処理コマンドとしてRAM413のコマンド記憶領域に記憶(格納)する。
図12(b)は、副制御部400のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS301では、RAM413のコマンド記憶領域に未処理コマンド(上記副制御部400の割込み処理によって格納される制御コマンド)が格納されているか否かを判定する。未処理コマンドがある場合はステップS302に進み、そうでない場合は上記判定を繰り返す。ステップS302では、未処理コマンドの内容を解析して判定する。
ステップS303では、演出制御処理を行う。ここでは、主制御部300から受信したコマンド等に基づいて、副制御部400の各演出デバイス(演出ランプ430、スピーカ483等)、ならびに液晶表示装置157および扉装置163等による各種演出制御の設定や、動作制御データ等の更新を行う。
ステップS304では、副制御部400の各演出デバイス、ならびに液晶表示装置157および扉装置163を制御する扉・液晶画面制御部490に制御データを出力する必要があるか否かを判定する。制御データを出力する必要がある場合はステップS905に進み、そうでない場合はステップS301に戻る。ステップS305では、副制御部400の各演出デバイスおよび扉・液晶画面制御部490に制御データを出力した後に、ステップS301に戻って上記処理を繰り返し実行する。
なお、本実施形態では、本発明を主制御基板211に対して適用した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、副制御部400を構成する副制御基板等の他の制御基板に対して本発明を適用するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の第1実施形態に係る基板収納ケースは、各種電子部品を実装した基板(主制御基板211)を内部空間に収容し、少なくとも、第1ケース構成体(取付ベース230)と第2ケース構成体(カバー部材250)を分離することがケース開封の必要条件である遊技台(スロットマシン100)の基板収納ケース(主基板収納ボックス210を取付ベース230に収容してカバー部材250を取り付けた構造)であって、前記第1ケース構成体に前記第2ケース構成体を適正に取り付けたときに、第2ケース構成体の封止挿入部(封止挿入部255の封止挿入孔255d)から第1ケース構成体の封止受入部(封止受入部238の封止受入穴238a)に連通する封止空部が形成され、前記第1ケース構成体と第2ケース構成体を分離不能に保持するために封止空部へ挿入する挿入封止部(262)を備える封止部材(カバー用かしめピン260)には、前記挿入封止部が封止空部へ挿入される位置を浅い第1位置に規制する挿入位置規制部(264)を設け、前記挿入位置規制部と連結部(かしめ連結部263)を介して接続される挿入封止部には、前記挿入位置規制部によって規制された第1位置まで封止空部へ挿入されることで、第1ケース構成体の第1係止受部(238b)に係止され、封止空部からの退避を不能にする第1退避阻止部(262a)と、前記挿入位置規制部によって規制された第1位置まで封止空部へ挿入されたときには、前記第1ケース構成体に対して前記第2ケース構成体を分離するために、第2ケース構成体の封止挿入部が必ず通過する開封通過領域(カバー部材250の封止挿入孔255d内)に延在することで、第1ケース構成体と第2ケース構成体の分離を阻止するケース分離阻止部(262b)と、前記ケース分離阻止部と前記連結部とを切断し易くした切断部(262c)と、を設け、前記切断部にて連結部とケース分離阻止部とを切断することで前記挿入位置規制部による挿入位置の規制が解かれたときに、前記ケース分離阻止部が第2ケース構成体の開封通過領域から外れる第2位置まで、挿入封止部を封止空部へ深く挿入することで、第1ケース構成体と第2ケース構成体が分離可能になる。従って、目的の如何を問わず、第1ケース構成体と第2ケース構成体とを分離させた場合には、切断された封止部材が第1ケース構成体と第2ケース構成体の両方に残ることとなり、切断された封止部材を取り除こうとすれば、第1ケース構成体および第2ケース構成体の一部を破損させることとなるので、確実に開封の痕跡を残すことができる。
また、上述した実施形態の遊技台の基板収納ケースにおいては、前記挿入封止部を第2位置まで封止空部へ挿入したとき、第1ケース構成体に設けた第2係止受部(238c)に係止され、封止空部からの退避を不能にする第2退避阻止部(262d)を挿入封止部に設けることで、第2位置まで挿入した封止部材を第1位置まで引き戻すことができないようにし、あたかも封止部材が切断されていないかのような偽装を不可能とし、封止部材の挿入封止部が第2位置に移動している状態から、開封の痕跡を判断し易くできる。
なお、開封のために封止部材を第2位置へ移動させた状態を保持する構造は、上述した第1実施形態の構造に限定されるものではなく、例えば、前記挿入封止部を第2位置まで封止空部へ挿入したとき、前記第1係止部が第1ケース構成体に設けた第2係止受部に係止され、封止空部からの退避を不能にするようにしても構わない。
また、上述した実施形態の遊技台の基板収納ケースにおいては、前記挿入封止部を第2位置まで封止空部へ挿入したとき、ケース分離阻止部が第1ケース構成体における封止受入部の開口面より突出しないようにすることで、挿入封止部のケース分離阻止部が開封通過領域から外れた状態に保持されることとなり、そのまま第1ケース構成体と第2ケース構成体の分離作業を行うことができるので、分離作業を容易に行うことができる。しかしながら、挿入封止部を第1位置から第2位置へ移動させた後、挿入封止部が再び第2位置へ戻っていなければ、開封痕跡を目視確認できるので、例えば、第1位置と第2位置の間である第3位置に止まらせておき、第1ケース構成体と第2ケース構成体を分離する際には、第3位置にある挿入封止部を第2位置へ移動させつつ開封作業を行わなければならないようにすると、不正に基板収納ケースを開封しようとする者にとって、開封作業が一層困難となるので、不正の抑止に寄与できる。
また、上述した実施形態の遊技台の基板収納ケースにおいては、前記挿入封止部を第1位置まで封止空部へ挿入した状態における切断部の両側から切断具の刃先を差し入れ可能なように、第2ケース構成体の封止挿入部に切断指標凹部(255f)を設けるものとし、ケース側に傷を付けずに封止部材の切断を行えるようにした。
また、上述した実施形態の遊技台の基板収納ケースにおいては、前記切断部には、切断具の刃先を圧接させる向きに、剛性の異なる複数の領域(低剛性領域262c1と高剛性領域262c2)を設けたので、切断部の切断面が複雑となって、元の状態に復元することが困難であるから、切断の痕跡を一層明瞭に残せる。
また、上述した実施形態の遊技台の基板収納ケースにおいては、前記封止部材の挿入位置規制部には位置決め突部(第1位置決め突部264b、第2位置決め突部264c)を設け、前記第2ケース構成体の封止挿入部には、前記挿入位置規制部の形状(位置決め平坦部264aの形状)に応じた導入凹部(255a)と、位置決め突部を嵌入させ得る位置決め孔(第1位置決め孔255b、第2位置決め孔255c)を設け、挿入位置規制部を第2ケース構成体の適正位置に取り付けることで、挿入封止部が封止空部へ挿入されるようにしたので、封止部材における挿入封止部を挿入する封止空部が広めに形成してあっても、封止部材を適正位置に取り付けることが出来る。
〈基板収納ケースの第2実施形態〉
上述した第1実施形態の基板収納ケースは、主基板収納ボックス210を取付ベース230に収容固定して更にカバー部材250を取り付ける構造とし、主制御基板211を取り出すために分離する必要がある第1ケース構成体と第2ケース構成体を、各々取付ベース230およびカバー部材250としたが、例えば、基板収納体を第1ケース構成体、蓋体を第2ケース構成体とすれば主基板収納ボックス210自体を基板収納ケースと看做すことができ、第1実施形態にて採用したカシメ構造を適用することが出来る。そこで、図13および図14を用いて、主基板収納ボックス210′そのものを基板収納ケースとした第2実施形態について説明する。
主基板収納ボックス210′は、第1実施形態における主基板収納ボックス210と同様に、基板収納体212′および蓋体213′を組み合わせて構成される箱体に主制御基板211を収納した構成で、第1実施形態の主基板収納ボックス210と同様の構成には同一符号を付して説明を省略する。
基板収納体212′の下側縁には門型のヒンジ部212aが2箇所に設けられ、上面の左右側縁には矩形状の窪みである係止凹部(不図示)がそれぞれ設けられている。そして、蓋体213′の下側縁にはヒンジ部212aと係合するフック状のフック部213aが2箇所に設けられ、上面の左右両側には基板収納体212′の係止凹部に係止される係止突部(不図示)を有する係止舌片213gがそれぞれ設けられている。従って、主基板収納ボックス210′を組み立てる場合には、まず、蓋体213′のフック部213aを基板収納体212′のヒンジ部212aに係合させ、次に、ヒンジ部212aを中心に蓋体213′を後方へ押し込むように回転させて基板収納体212′と蓋体213′を合わせると共に蓋体213′の係止舌片213gに設けた係止突部を基板収納体212′の係止凹部に係止させれば良い。逆に、主基板収納ボックス210′を開く場合には、基板収納体212′の係止凹部から蓋体213′の係止舌片213gに設けた係止突部を離脱させ、ヒンジ部212aを中心に蓋体213′を前方へ引き戻すように回転させればよい。
基板収納ケースとしての基板収納ボックス210′を分離不能に封止するため、本実施形態では、開封動作のために回動させる蓋体213′の自由端側(回動中心となる下縁と対向位置にある上縁側)にカシメ構造を適用する。
図13(a)は、蓋体213′と基板収納体212′が適正に取り付けられることで、蓋体213′の上部左右に2箇所ずつ設けた封止挿入部215と基板収納体212′の上部左右に2箇所ずつ設けた封止受入部216により4箇所の封止空部が形成され、例えば、同一構造の第1かしめピン270Aと第2かしめピン270Bを可撓性連結部270Cで連結して成る二連かしめピン270を左右に1つずつ用いることで、4箇所を封印できるのである(図13(b)を参照)。なお、封印は4箇所全て同時に行う必要はなく、例えば、主基板収納ボックス210′の右側では第1かしめピン270Aのみを、左側では第2かしめピン270Bのみを封止空部内へ挿入して封印しておき、これを開封した後には、予備として残っている第1,第2かしめピン270A,270Bを使って封印することが出来る。
第1,第2かしめピン270A,270Bは、蓋体213′に取り付けると共に適正位置への位置決めが出来る位置決め固定部271と、蓋体213′および基板収納体212′の両方に係止されることで分離不能に保持するための挿入封止部272と、この挿入封止部272と位置決め固定部271を連結するかしめ連結部273とから構成されている。なお、可撓性連結部270Cは、第1,第2かしめピン270A,270Bの各位置決め固定部271を連結しており、挿入封止部272が位置決め固定部271から切り離されても影響がない。
蓋体213′の封止挿入部215は、図13(a)に示すように、第1,第2かしめピン270A,270Bの位置決め固定部271の位置決め平坦部271aが嵌合し得る所用形状の窪みである導入凹部215aの略中央に形成した係止孔215bと、挿入封止部272を通過させ得る封止挿入孔215cを備える。なお、第1,第2かしめピン270A,270Bの位置決め平坦部271aにおける当着面(導入凹部215aに押し当たる面)には、2つの舌片部271bが突設されており、2つの舌片部271bの先端部の外側面には、楔形状の係止突起271cがそれぞれ設けられており、蓋体213′の係止孔215bに係止突起271cが係止されると、第1,第2かしめピン270A,270Bを蓋体213′から取り外すことが出来なくなり、位置決め固定部271と挿入封止部272が切断されても、位置決め固定部271は蓋体213′と一緒に残ることとなる。
〈主基板収納ボックスの封印、および封印の解除〉
次に、蓋体213′を基板収納体212′へ取り付けた状態(主基板収納ボックス210′を構成した状態)での封印、および封印の解除について詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1かしめピン270Aと第2かしめピン270Bを特に区別せず、単にかしめピン270とよぶ。図14(a)〜(c)は、基板収納体212′に対する蓋体213′の封印から封印解除による開封までの工程を示した概略断面図である。
まず、同図(a)は、蓋体213′を封印している状態を示している。同図(a)に示されるように、かしめピン270の位置決め固定部271は、楔形状の係止突起271cにより2つの舌片部271bが弾性変形して内側に曲がりながら蓋体213′の係止孔215bに挿入される。係止突起271cが係止孔215bを通過すると、2つの舌片部271bの弾性変形が解除されて外側に広がるため、係止突起271cによって位置決め固定部271が係止孔215bに係止される。蓋体213′が基板収納体212′に固定された状態では、係止突起271cは蓋体213′の裏側に遮蔽された状態となるため、破壊等の痕跡を残さずに位置決め固定部271の係止を解除することは不可能となっている。このとき、挿入封止部272は蓋体213′における封止挿入部215の封止挿入孔215cと基板収納体212′における封止受入部216の封止受入口216aが連通して構成される封止空部内の第1位置まで挿入され、基板収納体212′と蓋体213′を分離できないように封止した状態となる。以下に、この封止構造を実現する挿入封止部272と基板収納体212′の封止受入部216の詳細を説明する。
挿入封止部272は、位置決め固定部271によって規制された第1位置まで封止空部へ挿入されることで基板収納体212′の第1係止受部(後に詳述)に係止されて、封止空部からの退避を不能にする第1退避阻止部272aと、第1位置まで封止空部へ挿入されたときには蓋体213′と基板収納体212′を分離するために、基板収納体212′が必ず通過する開封通過領域に延在する(基板収納体212′の封止挿入部215を貫通して蓋体213′の封止受入部216内へ至るように存在する)ことで、蓋体213′と基板収納体212′の分離を阻止するケース分離阻止部272bと、ケース分離阻止部272bとかしめ連結部273とを切断し易くした切断部272cを有する。
さらに、本構成例においては、挿入封止部272の切断部272cにてかしめ連結部273とケース分離阻止部272bとを切断することで位置決め固定部271による挿入位置の規制が解かれたときに、ケース分離阻止部272bが基板収納体212′の開封通過領域から外れる第2位置(例えば、位置決め固定部271の最外端部が蓋体213′の封止受入部216の開口縁へ挿入された位置)まで、挿入封止部272を封止空部へ深く挿入することで、蓋体213′の第2係止受部(後に詳述)に係止されて、封止空部からの退避を不能にする第2退避阻止部272dを設けた。
かしめ連結部273と連結されているケース分離阻止部272bは、少なくとも蓋体213′の封止挿入孔215cの深さに等しい長さを有し、その挿入側端部より第1退避阻止部272aが形成され、挿入封止部272が封止空部の第1位置まで挿入されたとき、第1退避阻止部272aは基板収納体212′の封止受入穴216a内へ完全に入り込んだ状態になる。
第1退避阻止部272aは、例えば四角柱状の主体部272a1に対して、その相対向する二側面(例えば、固定時における左右の側面)の挿入側端部よりケース分離阻止部272b側に向って拡開する一対の係止片272a2を設けたものであり、少なくとも係止片272a2と主体部272a1との連結部は比較的弱い力で変形する弾性を有する構造(例えば、弾性変形可能な樹脂を素材として一体成型しても良いし、一定角度範囲での開閉動作が可能な蝶番機構で構成しても良い。)とすることによって、係止片272a2が開いた第1状態から、係止片272a2が主体部272a1の側面に押し当たるように変形させた第2状態への変換を可能とし、その力を取り除くと第1状態に自動復帰するものである。
基板収納体212′における封止受入穴216aの開口領域は、挿入封止部272における第1退避阻止部272aが第1状態では通過できないが、第2状態に変形することで通過可能となる。よって、挿入封止部272を封止空部へ挿入してゆく過程では、第1退避阻止部272aの各係止片272a2が主体部272a1の両側に押し当たるように弾性変形するので、比較的弱い押圧力で挿入封止部272を封止空部内へ押し込むことが出来る。
そして、挿入封止部272が封止空部の第1位置近傍まで挿入されたとき、或いは第1位置に達した時点で、第1退避阻止部272aの各係止片272a2が封止受入穴216aの開口壁部216a1を通過し、内部空間が広がった第1係止受部216bに至る。すなわち、第1係止受部216bに至った挿入封止部272の第1退避阻止部272aは、開口壁部216a1による係止片272a2の拘束が解かれ、第2状態から第1状態に自動復帰し、係止片272a2のケース分離阻止部272b側端部が第1係止受部216b内で広がるため、挿入封止部272を封止受入穴216aから引き抜くことが出来なくなる。加えて、かしめ用連結部273を介して挿入封止部272と連結されている位置決め固定部271は蓋体213′の封止挿入部215に位置規制されているから、挿入封止部272を封止空部へ更に深く挿入することもできない。
このように、挿入封止部272を第1位置まで挿入すると、第1退避阻止部272aを封止受入穴216aから抜いたり、更に押し込んだりすることが出来なくなり、この状態で蓋体213′を基板収納体212′から分離させるべく蓋体213′の回動操作を行おうとしても、蓋体213′における封止挿入孔215cの下縁部が回動時に通過する開封通過領域(図14(a)中、破線Lで示す)内に、挿入封止部272のケース分離阻止部272bが存在するため、基板収納体212′と蓋体213′を分離させることが出来ないので、かしめピン270による封止が実現される。
また、上記のようにして挿入封止部272を第1位置にて係止する第1退避阻止部262bの更に挿入側に設ける第2退避阻止部272dは、適宜な空隙を介して対向状に設けた一対の第2係止部272d1を設け、一対の第2係止部272d1は先端部が互いに離隔した第1状態から、両先端部が互いに近接する第2状態に撓めて変換させることができ、その力を取り除くと第1状態に自動復帰するものである。これら第2係止部272d1の各先端部には、互いに離反する位置に楔形状の係止突起272d2を設けてあり、第2係止部272d1が第1状態では通れない開口でも、第2状態に変換することで通ることが可能となる。
次に、同図(b)および(c)は、蓋体213′の封印を解除する方法を示している。蓋体213′の封印を解除する場合には、まず、同図(b)に示されるように、切断部272cを切断することで、挿入封止部272全体を位置決め固定部271およびかしめ連結部273から切り離す。そして、蓋体213′側から基板収納体212′内に向けて(裏側に向けて)挿入封止部272をさらに深く挿入することで、ケース分離阻止部272bが蓋体213′の開封通過領域(図14(b)中、破線Lで示す)から外れる第2位置へ移動させる。
このとき、挿入封止部272の第2退避阻止部272dは、基板収納体212′の封止受入部216における封止受入穴216aの底壁となる第2係止受部216cに突き当たることとなるが、第2係止受部216cに設けた第2係止孔216c1に楔形状の係止突起272d2が入ることで、2つの第2係止部272d1が弾性変形して互いに近接する第2状態に変換しながら第2係止孔216c1を通過してゆく。
そして、挿入封止部272が封止空部の第2位置近傍まで挿入されたとき、或いは第2位置に達した時点で、第2退避阻止部272dの各第2係止部272d1の先端に設けた係止突起272d2が第2係止孔216c1を通過し、2つの第2係止部272d2は互いに離隔する第1状態に自動復帰する。すなわち、第2係止孔216c1を通過した2つの係止突起272d2が互いに離反するように広がることで、第2係止受部216cにおける第2係止孔216c1の開口縁に係止され、挿入封止部272を封止受入穴216aから引き抜くことが出来なくなるので、挿入封止部272を第2位置から第1位置へ戻すことも不可能となる。
この第2位置では、挿入封止部272のケース分離阻止部272bは、蓋体213′の封止挿入孔215c(開封通過領域)から完全に離脱しており、蓋体213′の基板収納体212′への取り付け状態を保持しないようになっている。従って、同図(c)に示されるように、基板収納体212′に対して蓋体213′を回動させることが可能となり、基板収納体212′から蓋体213′を取り外すことができる。
しかしながら、蓋体213′の封印を解除して蓋体213′を取付ベースから取り外した後も、位置決め固定部271およびかしめ連結部273は蓋体213′側に残ると共に、挿入封止部272は封止受入穴216aへ第2位置まで挿入された状態で基板収納体212′側に残るので、封印が解除されたことを外部から容易に確認できる。
なお、上述した構成例では、挿入封止部272を第2位置に係止して第1位置への復帰を不能にするために、第1退避阻止部272aとは別に第2退避阻止部272dを設けるものとしたが、この構成に限定されるものではなく、例えば、第1係止受部216bと同様な構造の第2係止受部を封止受入穴216a内に設けておき、挿入封止部272を第2位置まで封止空部へ挿入したとき、第1退避阻止部272aの係止片272a2が第2係止受部に係止されることで、挿入封止部272を第2位置に止めるようにしても良い。斯くすれば、第2退避阻止部272dを設ける必要がないので、挿入封止部272の構造を単純化でき、かしめピン270の製造コストを抑制することにも繋がる。
〈パチンコ機の構成〉
また、本発明に係る基板収納ケースを適用できる遊技台はメダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンに限らず、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンやパチンコ機などにも適用可能である。
図15に示す遊技台は、「所定の遊技領域1002に遊技球を発射する発射装置1010と、発射装置1010から発射された遊技球を入球可能に構成された入賞口1006と、入賞口1006に入球した遊技球を検知する検知手段1008と、検知手段1008が遊技球を検知した場合に遊技球(賞球)を払出す払出手段1012と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置1004を備え、入賞口1006に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置1004が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機1000」であり、このパチンコ機1000が装備する各種の制御装置に対しても、本発明の基板収納ケースを適用できる。
また、その他の遊技台として、アレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、スマートボール、およびカジノマシン等の制御装置に対しても本発明を適用でき、同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明した、本発明に係る遊技台の基板収納ケースは、上記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。また、実施形態に記載した複数の構成のうち、1つの構成に記載している内容を、他の構成に適用することでより遊技の幅を広げられる場合がある。