<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
スロットマシン100は、略箱状の本体101と、この本体101の前面開口部に取り付けられた前面扉102とを有して構成されている。スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施例では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、図柄表示窓113の外枠には、点滅や点灯などの点灯制御によって、後述する有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED(図示省略)が配置されている。
さらに、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130または131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダルおよびベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110〜112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110〜112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137〜139を操作すると対応するいずれかのリール110〜112が停止することになる。
ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施例では発光可能な受皿を採用している。
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。演出装置190は、例えば開閉自在な扉(シャッター)163が前面に取り付けられた液晶表示装置を含み、この演出装置190には、例えば小役告知等の各種の情報が表示される。音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル162には、スロットマシン100を装飾するための図柄が描かれる。
<内部構成>
次に、スロットマシン100の内部構成について簡単に説明する。図2は、スロットマシン100の内部構成の概略を示す前面扉102を開いた斜視図である。本体部としてのキャビネット101の内部には、主基板収納ケース210、副制御基板収納ケース220およびリールユニット185や、図示を省略した電源ボックス、メダル払出装置180、メダル補助収納部240、中央スピーカユニット、外部中継端子板等の諸装置が配設されている。
リールユニット185は、樹脂製のケース221内にステッピングモータで駆動されるリール110〜112を個別に着脱可能に取り付けて構成している。そして、このリールユニット185は、ケース221により3本のリールをユニット化し、キャビネット101に設けたリールユニット載置台278に対する着脱を容易に行えるように構成している。また、リールユニット載置台278の下部には、音通路277が取り付けられ、前面扉102がキャビネット101に閉じられた状態で前面扉102に取り付けられた音通路268と組み合わさるように構成している。中央スピーカユニットから出力された音は、この音通路277および音通路268を通過して外部に出力される。
キャビネット101の内部には、透明な樹脂ケースからなる主基板収納ケース210が、キャビネット101を構成している後板の上部に、取付ベース230を介して取り付けられている。この主基板収納ケース210の内部空間には、スロットマシン100の全体的な制御を行う主制御部300を構成する電子部品を実装した主制御基板が収納されている。
また、図示を省略した電源ボックスは、キャビネット101の後板の壁面に装着され、金属製ケースの内部に、スロットマシン100の諸装置へ必要な電力を供給するための電源基板が収納されている。
さらに、キャビネット101の内部には、メダルを払い出すためのメダル払出装置180(以下、ホッパー180ということがある)が配設してある。メダル払出装置180は、DCモータで駆動されメダルを1枚ずつ払い出すと共に、メダルを払い出す毎に検出信号を出力する払出装置本体181と、払出装置本体181にメダルを供給すると共にメダルを蓄積するメダルタンク182とで構成されている。そして、メダル払出装置180の横には、メダル補助収納部240が置かれており、前記メダル払出装置180がメダルでいっぱいになると、余分なメダルは流れ落ち、このメダル補助収納部240内に蓄積される。
そして、前記主制御基板およびリール110〜112の側方、即ち向って左側の側板には、演出の制御を行う副制御部400を構成する副制御基板を収納した副基板収納ケース220が配設してある。
一方、キャビネット101の側板にヒンジ装置276を介して蝶着された前面扉102には、演出装置190、この演出装置を制御する演出制御基板を収納した演出制御基板収納ケース274、上部スピーカ272、図柄表示窓113を有するリールパネル270、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿156に落下させる際にメダルが通過する通路266等が設けてある。メダルセレクタ170は、さらに、投入されたメダルをメダルタンク182に案内する通路171を備えている。
<主基板収納ケース周囲の構成>
次に、図3〜8を用いて、主基板収納ケース210周囲の構成について説明する。図3は、主基板収納ケース210周囲の構成を示した分解斜視図である。
<主基板収納ケース>
まず、主基板収納ケース210について説明する。主基板収納ケース210は、底面が略矩形の角皿状である基板収納体212および蓋体213を組み合わせて構成される箱体となっている。この主基板収納ケース210の内部の空間には、遊技に関するプログラムや各種データ等を記憶したROM312や、CPU、RAM等のその他の電子部品211aが実装され、後述する主制御部300を構成する主制御基板211が収納される。基板収納体212および蓋体213は、それぞれ透光性の樹脂から構成されており、主基板収納ケース210内部に収納された主制御基板211を外部から視認することが可能となっている。
基板収納体212の左側縁には門型のヒンジ部212aが2箇所に設けられている。そして、蓋体213の左側縁にはヒンジ部212aと係合するフック状のフック部213aが2箇所に設けられている。主基板収納ケース210を組み立てる場合には、まず、蓋体213のフック部213aを基板収納体212のヒンジ部212aに係合させ、次に、ヒンジ部212aを中心に蓋体213を揺動させて基板収納体212と蓋体213を合わせ、ケース用かしめピン214aを用いて封印(かしめ)する。
基板収納体212および蓋体213の右端部には、ケース用かしめピン214aを挿入して両者を分離できないように封印(かしめ)するためのケース用かしめ部212b、213bが、それぞれ4箇所に設けられている。これらのケース用かしめ部212b、213bは、基板収納体212および蓋体213を組み合わせた場合に、基板収納体212のケース用かしめ部212bが蓋体213のケース用かしめ部213b内に収容され、ケース用かしめピン214aが挿入される挿入孔がそれぞれ連通するように構成されている。そして、この連通した挿入孔に挿入されたケース用かしめピン214aが、ケース用かしめ部212b、213bのそれぞれに取り外し不可能に係止するようになっている。すなわち、ケース用かしめピン214aを挿入することにより、ケース用かしめ部212b、213bが互いに分離不可能に結合され、主基板収納ケース210が封印される。
なお、一旦封印した主基板収納ケース210を開封する場合には、蓋体213のケース用かしめ部213bを蓋体213から切断する。これにより、基板収納体212および蓋体213を分離した後も、蓋体213のケース用かしめ部213bが基板収納体212のケース用かしめ部212bと結合したまま基板収納体212に残ることととなり、主基板収納ケース210を開封した痕跡が残るようになっている。本実施例では、ケース用かしめ部212b、213bが4箇所に設けられているため、主基板収納ケース210の封印を4回行うことができるようになっている。
また、本実施例では、ケース用かしめ部212b、213bの配置に応じて、4つのケース用かしめピン214aを連結部材214bで連結している。このように、複数のケース用かしめピン214aを連結し、一体化することによって、ケース用かしめピン214aの紛失を防止すると共に、封印忘れを防止することができる。
基板収納体212は、右側部分が主制御基板211を収納するための収納領域212cとなっている。そして、この収納領域212cと左側領域212dの間には両者を隔絶するための隔壁212eが設けられている。収納領域212cの右上角部および左下角部には、主制御基板211を固定するための係合凸部212fが設けられている。また、左側領域212dには、左方向に開口し、前後方向(表裏方向)に連続する溝状の凹部212gが設けられている。
基板収納体212と同様に、蓋体213の右側部分は、主制御基板211を収納するための収納領域213cとなっている。そして、左側部分は中空状に構成された中空領域213dとなっており、収納領域213cと中空領域213dの間には両者を隔絶するための隔壁213eが設けられている。収納領域213cの右上角部および左下角部には、主制御基板211を固定するための押圧凸部213fが設けられている。また、収納領域213cの下端部には、主制御基板211に実装されたコネクタ211cに対応する位置に複数のコネクタ孔213gが形成されている。
中空部213dの左側面の中央部には、左開口部213hが形成され、裏面の中央部には、裏開口部213iが形成されている。これらの左開口部213hおよび裏開口部213iは、連続した1つの開口部となるように形成されている。また、左開口部213hおよび裏開口部213iは、基板収納体212と蓋体213を組み合わせた場合に基板収納体212の凹部212gと連続し、1つの凹溝形状を構成するように形成されている。
また、蓋体213の上端中央部および下端中央部には、楔形状の係合突起213jがそれぞれ設けられている。これらの係合突起213jは、主基板収納ケース210を取付ベース230に取り付ける場合に主基板収納ケース210の一部と係合する係合手段として機能すると共に、主基板収納ケース210を取付ベース230から取り外す方向を単一の方向に規制する規制手段として機能する。
主制御基板211は、右上角部近傍および左下角部近傍に形成された係合孔211b内に、基板収納体212に設けられた係合凸部212cが挿入されると共に、蓋体213に設けられた押圧凸部213cによって押圧されることによって主基板収納ケース210内に固定される。また、主制御基板211には、外部の各種基板等に繋がるケーブルを接続するための複数のコネクタ211cが下端部に実装されている。これらのコネクタ211cは、主制御基板211が主基板収納ケース210内に収納された状態では、対応するコネクタ孔213fから一部が露出するようになっている。従って、主基板収納ケース210を開封しなくとも、外部の各種基板等に繋がるケーブルを各コネクタ211cに接続することが可能となっている。また、逆に、各コネクタ211cに接続されたケーブルを外さない限り、基板収納体212と蓋体213を分離して主基板収納ケース210を開封することができないようになっている。
主基板収納ケース210の左端部中央は、ICタグ封印シール215を貼付ける部分となっている。ICタグ封印シール215は、蓋体213の表面と左側面の境界の角部で折り曲げられて貼付けられる。すなわち、ICタグ封印シール215は、主基板収納ケース210に表面と左側面に貼付けられる(図5参照)。さらに、左側面においては、蓋体213と基板収納体212に跨って貼付けられる。従って、本実施例では、蓋体213と基板収納体212を分離して主基板収納ケース210を開封するには、ICタグ封印シール215を剥がす、または破断する必要があり、これによっても主基板収納ケース210を開封した痕跡が残るようになっている。すなわち、主基板収納ケース210は、ICタグ封印シール215によっても封印されている。
また、本実施例では、ICタグ封印シール215は、蓋体213の左開口部213hと、基板収納体212の凹部212gの左方向の開口の大部分を塞ぐようにして貼付けられる。
図4(a)はICタグ封印シール215の一例を示した外観図であり、同図(b)はICタグ封印シール215の内部構造の一例を透過して示した図である。この例では、ICタグ封印シール215の表面の中央やや下側には、同図(a)に示されるように、主基板収納ケース210に貼付ける場合の折り曲げ位置を示す折り曲げ線215aが左端から右単にかけて表示されている。そして、この例では、この折り曲げ線215aより上方の領域を表示領域215b、下方の領域をICタグ領域215cとしている。
このICタグ封印シール215を主基板収納ケース210に貼付ける場合には、折り曲げ線215aを主基板収納ケース210の表面と左側面の境界の角部に沿わせて折り曲げ、表示領域215bを主基板収納ケース210の表面に貼付け、ICタグ領域215cを主基板収納ケース210の左側面に貼付ける。
表示領域215bの中央部には、矩形状の識別番号表示領域215dが設けられている。この識別番号表示領域215dには、「**A**/****」等の複数の数字および記号からなる主制御基板211の識別番号、ならびにこの識別番号のバーコードが記載されている。また、識別番号表示領域215aの上方には「複製禁止」という警告表示が記載され、下方には「****遊技機協同組合」等のICタグ封印シール215の出所表示が記載されている。
ICタグ領域215cの内部には、同図(b)に示されるように、ICチップ215e、およびコイル状のアンテナ215fからなるICタグが配設されている。これらのICチップ215eおよびアンテナ215fは、例えば積層された樹脂フィルムや紙等の間に挟持された状態で配置されている。ICチップ215eは、各種情報を記憶するメモリを備えると共に、アンテナ215fを介して外部のICタグリーダ/ライタから受信したコマンドに基づいて、メモリに記憶した情報の送信や、受信した情報のメモリへの書き込み等を制御する制御部等を備えている。また、ICチップ215eは、外部のICタグリーダ/ライタから送信される無線信号(電磁波)から動作用の電力を得るように構成されている。
ICチップ215eのメモリには、ICチップ215eの製造時に書き込まれるICチップ215e固有のID(UID)、およびICタグ封印シール215の製造時またはスロットマシン100の出荷検査時に書き込まれる主制御基板211の識別番号等の遊技台固有の情報が記憶されている。従って、遊技店では、前面扉102を開いてICタグリーダ/ライタをICタグ封印シール215の近傍にかざすだけで、これらの情報を容易に読み取ることができる。そして、この読み取った情報に基づいて、ICタグ封印シール215が正規のものか否か、またはICタグ封印シール215に破壊等の異常が生じているか否かを判断することができ、これにより主制御基板211に対して不正行為が行われたか否かを容易に確認することが可能となっている。
なお、本実施例のICタグ封印シール215は、何かに一度貼付けたものを剥がす際に部分的に破断して一部が剥がれずに残存し、再度貼付けることが略不可能に分離されるように構成されている。また、このように分離破断されることによってアンテナ215fが切断され、ICタグ封印シール215とICタグリーダ/ライタの通信が不可能となる。従って、主基板収納ケース210に貼付けられたICタグ封印シール215を剥がした場合、剥がした痕跡が残ると共に、アンテナ215fの切断によってICタグ封印シール215の機能が不能化されるようになっている。
<取付ベース>
次に、図3を用いて、取付ベース230について説明する。取付ベース230は、透光性のある樹脂から構成された略矩形の角皿状の部材であり、中央に主基板収納ケース210を固定して収容するための矩形状の窪みである収容凹部230aが形成されている。取付ベース230の右側面は開放されており、本実施例では、取付ベース230に取り付けられた主基板収納ケース210を取り外す場合には、主基板収納ケース210を取付ベース230に対し右方向にスライドさせて取り外すようになっている。
収容凹部230a底面の右端部近傍には、2つの制止片231が突設されている。この制止片231は、左方向に向けて突出量が増す楔形状に形成されており、取付ベース230に取り付けられた主基板収納ケース210の右方向への移動(スライド)を規制するようになっている。また、制止片231は、取付ベース230の一部を切り欠いた舌片状になっており、裏側に向けて押圧して弾性変形させることにより、突出をなくすことができるようになっている。従って、取付ベース230に取り付けられた主基板収納ケース210を取り外す場合には、制止片231を裏側に向けて押圧した上で主基板収納ケース210を取付ベース230に対し右方向にスライドさせる。
収容凹部230aの上下の内側面には、係合溝232がそれぞれ設けられている。この係合溝232は、主基板収納ケース210の係合突起213jと係合し、主基板収納ケースの前後方向(表裏方向)の移動および左方向への移動(スライド)を規制するものである。係合溝232は、左右方向に連続する溝部232aと、溝部232aの底面の中間部に突設された楔形状の突起部232bから構成されている。また、溝部232aの表側の左右両端部はそれぞれ開口しており、左側の開口部は、主基板収納ケース210を取付ベース230に取り付ける場合に係合突起213jが挿入される挿入口232c、右側の開口部は、主基板収納ケース210を取付ベース230から取り外す場合に係合突起213jが脱離される脱離口232dとなっている。
また、収容凹部230aの底面の左側端部近傍には、干渉部材233が突設されている。この干渉部材233は、長方形板の先端部を左方向に向けて突出させたL字形状の部材である。干渉部材233は、取付ベース230に主基板収納ケース210を取り付けた場合に、凹部212g、裏開口部213iおよび左開口部213hから構成される凹溝形状の中空部(内部)に収容される位置に配置されている。
<主基板収納ケースの取り付け、取り外し>
次に、主基板収納ケース210の取付ベース230への取り付け、および取り外しについて説明する。図5(a)および(b)は、主基板収納ケース210の取付ベース230への取付方法を示した図である。
まず、同図(a)に示されるように、取付ベース230に固定される前に、主基板収納ケース210には、予めケース用かしめ部212c、213cおよびケース用かしめピン214aによる封印がなされ、ICタグ封印シール215が貼付けられている。そして、主基板収納ケース210は、取付ベース230の係合溝232の挿入口232cと係合突起213jが対応する位置において前方(表側)から収容凹部230a内に収容される。このとき、係合突起213jは、挿入口232cから溝部232a内に進入する。また、取付ベース230の干渉部材233は、主基板収納ケース210の凹部212g、裏開口部213iおよび左開口部213hから構成される凹溝形状の内部に収容される。
次に、同図(b)に示されるように、主基板収納ケース210を右方向にスライドさせて、主基板収納ケース210が取付ベース230に固定される取付位置まで移動させる。このとき、係合突起213jは、係合溝232の溝部232aに沿って右方向に移動して突起部232bを乗り越える。
図6(a)〜(c)は、図5(b)のA部を拡大した断面図である。主基板収納ケース210を右方向に移動させると、係合突起213jは、係合溝232の溝部232aに沿って右方向に移動し、同図(a)に示されるように、係合突起213jの斜面213j1と突起部232bの斜面232b1が当接する。そのまま主基板収納ケース210を右方向へさらに移動させると、同図(b)に示されるように、係合突起213jは、斜面213j1により突起部232bを押し上げ、取付ベース230を上方に撓ませながら右方向に移動する。
そして、係合突起213jが突起部232bを通過すると、取付ベース230の撓みが戻り、同図(c)に示されるように、係合突起213jの垂直面213j2と突起部232bの垂直面232b2が対向する状態となると共に、主基板収納ケース210は取付位置に到達する。従って、取付位置においては、係合突起213jの垂直面213j2と突起部232bの垂直面232b2が当接することにより、主基板収納ケース210の左方向への移動が規制されるようになっている。
図7(a)および(b)は、主基板収納ケース210の取付ベース230からの取り外し方法を示した図である。
同図(a)は、主基板収納ケース210が取付位置にある状態を示した図である。同図に示されるように、主基板収納ケース210は、取付位置においては右側面が制止片231に略当接する状態となっており、右方向への移動が規制された状態となっている。従って、主基板収納ケース210は、取付位置においては、係合溝232の突起部232bによって左方向への移動が規制されると共に、制止片231によって右方向への移動が規制された状態となっている。また、係合突起213jが係合溝232の溝部232a内にあることから、主基板収納ケース210の前後方向(表裏方向)の移動も規制された状態となっている。すなわち、主基板収納ケース210は、取付位置においては、取付ベース230に固定された状態となっている。
また、主基板収納ケース210が取付位置にある場合、干渉部材233は、同図に示されるように、凹部212g、裏開口部213iおよび左開口部213hから構成される凹溝形状の内部に収容された状態となっている。従って、干渉部材233は、主基板収納ケース210およびICタグ封印シール215によって遮蔽された状態となっており、干渉部材233に外部から接触することは略不可能となっている。なお、取付位置においては、干渉部材233の左方向へ突出した部分の先端面がICタグ封印シール215のICタグ領域215cの裏面に略当接した状態となっている。
主基板収納ケース210を取付ベース230から取り外す場合には、まず、制止片231による右方向への移動の規制を解除した上で、主基板収納ケース210を右方向へ移動(スライド)させて、主基板収納ケース210が取付ベース230から取り外し可能となる取外し位置まで移動させる。同図(b)は、主基板収納ケース210が取外し位置にある状態を示している。制止片231による規制の解除は、制止片231を裏側に向けて押圧し、突出部分をなくすことで行う。
主基板収納ケース210の係合突起213jは、取付位置からの右方向への移動に伴い、係合溝232の溝部232aに沿って移動する。そして、係合突起213jは、取外し位置において、係合溝232の脱離口232dに対応する位置に到達する。すなわち、取外し位置においては、係合突起213jを脱離口232dから前方(表側)に向けて脱離させることが可能であり、これによって主基板収納ケース210を取付ベース230から取り外すことが可能となっている。
また、本実施例では、主基板収納ケース210を取付ベース230から取り外す場合、取付位置から取外し位置までの移動の間にICタグ封印シール215を破断し、ICタグ封印シール215の機能を不能化させるようになっている。
図8は、図7(b)の視線から見たB部拡大図である。上述のように、取付位置においては、干渉部材233の左方向へ突出した部分の先端面がICタグ封印シール215のICタグ領域215cの裏面に略当接した状態となっている。この状態から主基板収納ケース210が右方向に移動することにより、干渉部材233とICタグ封印シール215のICタグ領域215cが干渉し、ICタグ領域215cの一部が破断される。換言すれば、凹部212g、裏開口部213iおよび左開口部213hから構成される凹溝形状の内部に収容された干渉部材233が、主基板収納ケース210の移動に伴い、該凹溝形状の左方の開口部(凹部212gの開口部および左開口部213h)を塞いでいたICタグ封印シール215のICタグ領域215cを破断して外部に脱出する。
ICタグ封印シール215は、ICタグ領域215cの一部が破断されることによって内蔵されたアンテナ215cが切断されるため、ICタグ封印シール215とICタグリーダ/ライタの通信が不可能となる。従って、ICタグ封印シール215に記憶された情報を外部から読み取ることが不可能となり、ICタグ封印シール215の機能が不能化される。
このように、本実施例では、主基板収納ケース210を取付ベース230から取り外す場合に、ICタグ封印シール215の機能が不能化されるようになっている。これにより、主制御基板211に対する不正行為を行おうとした場合に、その前段階の主基板収納ケース210の取外しにおいてICタグ封印シール215の機能が不能化するため、ICタグ封印シール215の機能を生かしたまま主制御基板211に対する不正行為が行われるのを確実に防止することができる。
なお、本実施例では、主基板収納ケース210を取り外す場合に右方向にスライドさせるように構成しているが、これに限定されるものではなく、例えば、左方向にスライドさせるように構成してもよいし、上下方向や斜め方向にスライドさせるようにしてもよい。
<制御部>
次に、図9および図10を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部400と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、図9を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。なお、同図は主制御部300の回路ブロック図を示したものである。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバスおよびアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
さらに、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、電源判定回路327の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ320は、メダル投入口134に投入されたメダルを検出するためのセンサである。スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137〜139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算スイッチセンサ324は、精算ボタン132に設けられており、精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダルおよびベットされているメダルが精算されて払い出されることになる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。電源判定回路327は、スロットマシン100に供給される電源の遮断を検出するための回路である。
CPU310には、更に、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リール110〜112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにハイレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー180のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技回数表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311および水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部>
次に、図10を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。なお、同図は副制御部400の回路ブロック図を示したものである。
副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバスおよびアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令およびデータ、ライン表示LEDの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
さらに、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、図柄表示窓113の外枠に配設され、点滅や点灯などの点灯制御によって有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を遊技店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、メダル払い出し口155の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、扉・液晶画面制御部490への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。扉・液晶画面制御部490は、液晶表示装置157および扉163を制御する制御部である。
<主制御部の処理>
次に、図11を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を実行する。また、各処理の実行によって得られた情報は副制御部400に送信する。
スロットマシン100に電源投入が行われると、まず、ステップS101で初期処理が実行される。ここでは各種の初期化処理が行われる。
ステップS102ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー130が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS104へ進む。
ステップS103では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップS104では乱数発生器で発生させた乱数を取得する。
ステップS105では、現在の遊技状態に応じてROMに格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。ステップS106では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップS107では全リール110〜112の回転を開始させる。ステップS108では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110〜112のいずれかをステップS106で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS109へ進む。
ステップS109では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)については、今回の遊技で入賞しなかった場合は、次回の遊技に内部当選フラグがONの状態が維持される。所謂フラグの持ち越しが行われる。
ステップS110では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。ステップS111では遊技状態制御処理を行う。以上により1ゲームが終了する。以降ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<副制御部の処理>
次に、図12(a)および(b)を用いて、副制御部400の処理について説明する。図12(a)は、副制御部400の割込み処理の流れを示すフローチャートである。副制御部400は、所定の周期(本実施例では、2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部400の割込み処理を実行する。
ステップS201では、受信コマンドがあるか否かを判定する。主制御部300からコマンドを受信した場合はステップS202に進み、そうでない場合は処理を終了する。ステップS202では、受信コマンドを未処理コマンドとしてRAM413のコマンド記憶領域に記憶(格納)する。
図12(b)は、副制御部400のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS301では、RAM413のコマンド記憶領域に未処理コマンド(上記副制御部400の割込み処理によって格納される制御コマンド)が格納されているか否かを判定する。未処理コマンドがある場合はステップS302に進み、そうでない場合は上記判定を繰り返す。ステップS302では、未処理コマンドの内容を解析して判定する。
ステップS303では、演出制御処理を行う。ここでは、主制御部300から受信したコマンド等に基づいて、副制御部400の各演出デバイス(演出ランプ430、スピーカ483等)、ならびに液晶表示装置157および扉装置163等による各種演出制御の設定や、動作制御データ等の更新を行う。
ステップS304では、副制御部400の各演出デバイス、ならびに液晶表示装置157および扉装置163を制御する扉・液晶画面制御部490に制御データを出力する必要があるか否かを判定する。制御データを出力する必要がある場合はステップS905に進み、そうでない場合はステップS301に戻る。ステップS305では、副制御部400の各演出デバイスおよび扉・液晶画面制御部490に制御データを出力した後に、ステップS301に戻って上記処理を繰り返し実行する。
次に、本発明の実施例5に係るスロットマシンについて説明する。本実施例に係るスロットマシンは、主基板収納ケース210および取付ベース230の一部を変更したものであり、他の構造については上記実施例1に係るスロットマシン100と同一である。このため、同一部分については図中において同じ符号を付すと共に、その説明は省略し、以下、スロットマシン100と異なる部分についてのみ説明する。
<主基板収納ケースおよび取付ベース>
図22(a)および(b)ならびに図23は、主基板収納ケース210および取付ベース230の外観斜視図である。図22(a)は、主基板収納ケース210が取付位置にある場合を示している。同図に示されるように、本実施例の主基板収納ケース210は、ケース用かしめ部212c、213cが左端部に配置されている。また、主基板収納ケース210の上部中央には、基板収納体212と蓋体213に連続して前後方向(表裏方向)に貫通する矩形断面の貫通孔210aが形成されている。この貫通孔210aの表側の左縁には、貫通孔210aの内部やや後方に向けて突設された平板状の貼付板213oが設けられている。
本実施例の取り付けベース230は、収容凹部230aの上部中央に前方に向けて突出する矩形状の貼付凸部239が設けられている。この貼付凸部239は、主基板収納ケース210を取付ベース230に取り付けた場合に、主基板収納ケース210の貫通孔210内部に収容される。
本実施例の主基板収納ケース210は係合突起213jを備えており、取付ベース230は係合溝232を備えている。従って、主基板収納ケース210の取付方法は実施例1と同一であるため、説明を省略する。なお、本実施例では、ICタグ封印シール216は、主基板収納ケース210を取付位置に移動させた後に、主基板収納ケース210の貼付板213oと取付ベース230の貼付凸部239の表面に跨って貼付けられる。
主基板収納ケース210の取り外しは、実施例1と同様に、主基板収納ケース210を取付位置から右方向にスライドさせ(図22(b))、取外し位置に移動させる(図23)ことによって行う。そして、本実施例では、主基板収納ケース210を取付位置から取外し位置まで移動させる間に、主基板収納ケース210の貼付板213oと取付ベース230の貼付凹部239の相対的な位置関係を変化させることによってICタグ封印シール216を破断し、ICタグ封印シール216の機能を不能化させるようになっている。
図24(a)は、図22(a)のJ−J線断面図であり、図24(b)は、図22(b)のJ−J線断面図であり、図24(c)は、図23のJ−J線断面図である。同図(a)に示されるように、主基板収納ケース210が取付位置にある状態では、貼付板213oの先端部は、貼付凸部239の表面の左端部の前方(図では上方)に位置している。この貼付板213oの先端と貼付凸部239の表面の間は、ICタグ封印シールの厚みと略同等の隙間が生じるようになっている。そして、ICタグ封印シール216は、貼付板213oと貼付凸部239の表面に跨ってやや曲折した状態で貼付けられている。
この状態から、主基板収納ケース210を取り外すために右方向にスライドさせると、貼付板213oと貼付凸部239は、相対的に逆方向に移動することとなる。これにより、ICタグ封印シール216は、同図(b)に示されるように、貼付凸部239に貼付けられた部分が捲り上げられて貼付板213oの裏面に張り付くと共に、貼付板213oの先端と貼付凸部239の表面の間でS字状に曲折される。そして、同図(c)に示されるように、主基板収納ケース210が取外し位置に到達するまでに、ICタグ封印シール216は、曲折された部分において破断、または積層されたフィルム等が剥離され、最終的に、ICタグ封印シール216は、貼付板213oに貼付けられた部分、および貼付凸部239に貼付けられた部分に半ば分離された状態となる。
これにより、内蔵されたアンテナ216cが切断されるため、ICタグ封印シール216とICタグリーダ/ライタの通信が不可能となる。従って、ICタグ封印シール216に記憶された情報を外部から読み取ることが不可能となり、ICタグ封印シール216の機能が不能化される。
このように、本実施例では、主基板収納ケース210を取付ベース230から取り外す場合に、ICタグ封印シール216の機能が不能化されるようになっている。これにより、主制御基板211に対する不正行為を行おうとした場合に、その前段階の主基板収納ケース210の取外しにおいてICタグ封印シール216の機能が不能化するため、ICタグ封印シール216の機能を生かしたまま主制御基板211に対する不正行為が行われるのを確実に防止することができる。
なお、本実施例では、貫通孔210aを主基板収納ケース210の上部中央に設けると共に、貼付凸部239を取付ベース230の上部中央に設けているが、これに限定されるものではなく、右上部や左上部、下部中央等その他の場所に設けるようにしてもよい。また、取り付けまたは取り外しの際の主基板収納ケース210の移動方向が左右方向に限定されないのは、実施例1と同様である。
以上説明したように、上記各実施例に係るスロットマシンは、遊技に関する制御を行う制御基板(上記各実施例では、主制御基板)211を収納する基板ケース(上記各実施例では、主基板収納ケース)210と、基板ケース210が取り付けられる取付部(上記各実施例では、取付ベース)230と、を備える遊技台であって、基板ケース210は、識別情報が記憶されると共に記憶された識別情報を所定の機器(上記各実施例では、ICタグリーダ/ライタ)により非接触の状態で読み取ることができる読取機能が付加されたシール部材(上記各実施例では、ICタグ封印シール)215、216を貼付するための貼付部(上記各実施例では、主に主基板収納ケース210の表面の一部)を有し、貼付部に貼付されたシール部材215,216における読取機能を不能化させ、識別情報の読み取りを不可とする読取不可手段(実施例1では主に干渉部材233、実施例2では主に干渉部材235、実施例3では主に可動干渉部材250、実施例4では主に可動干渉部材260、実施例5では主に貼付板213o)をさらに備え、読取不可手段は、基板ケース210が取付部230に取り付けられた取付位置から取り外し可能となる取外し位置に移動される移動動作に伴い、読取機能を不能化させる。
このため、主基板収納ケース210を取付ベース230から取り外す行為において、ICタグ封印シール215、216の読取機能を不能化させ、ICタグ封印シール215、216を生かした状態での不正行為を防止することができる。例えば、主基板収納ケース210を取り外した後に、主基板収納ケース210を開放するのではなく、発見されにくい箇所(例えば、取付ベース230によって遮蔽される側面や裏面等)に孔加工を施し、この孔を通してROM312等を交換する不正行為を行う場合には、少なくとも主基板収納ケース210を取付ベース230から取り外す必要がある。従って、主基板収納ケース210を取り外す際の取付位置から取外し位置への移動において、ICタグ封印シール215、216の読取機能を不能化させることによって、このような不正行為を効果的に防止することができる。また、不正行為となる初期行為(例えば、主基板収納ケース210の取り外し)を把握することができる。
また、シール部材215、216に記憶される識別情報は、予め定められた遊技台固有の識別情報である。この遊技台固有の識別情報は、遊技店等が定期的にチェックするものであるため、何らかの不正行為または不正行為の初期行為が行われたことを容易に把握することができる。
また、基板ケース210が取付位置から取外し位置へ移動されるまでにシール部材215、216に干渉する干渉部材(実施例1では干渉部材233、実施例2では干渉部材235、実施例3では可動干渉部材250、実施例4では可動干渉部材260)をさらに備え、読取不可手段は、干渉部材233、235、250、260をシール部材215、216に干渉させることでシール部材215、216の機能を不能化させる。
このため、簡素な構成により安価に、ICタグ封印シール215を生かした状態での不正行為の防止を実現することができる。
また、実施例1、4において、干渉部材233、260は、基板ケース210が取付位置に取り付けられた状態において外部からの接触が不可能な位置に配置されている。
このため、外部から干渉部材233、260にアクセスして干渉部材233、260を操作し、ICタグ封印シール215、216の破断を回避する行為を未然に防ぐことができる。従って、主基板収納ケース210が取り外される場合に、ICタグ封印シール215、216の読取機能を確実に不能化させることができる。これにより、ICタグ封印シール215、216を生かした状態での不正行為をより強力に防止することができる。
また、上記各実施例のスロットマシンは、基板ケース210が取付位置から取外し位置へ移動される移動方向を単一方向に規制する規制手段(実施例1および5では主に係合突起213jおよび係合溝232、実施例2および3では主に取付ベース230の形状およびカバー部234、実施例4では主に制止突起212j、制止凸部237および膨出部238)をさらに備える。
このため、主基板収納ケース210を取り外し可能な方向が複数ある場合のように、複数の移動方向のそれぞれに対応させて読取不可手段を構成する必要がなくなり、読取不可手段を簡素且つ安価に構成することができる。また、遊技台内部の限られたスペースにおいても読取不可手段を効果的に構成し、上記各効果を達成することができる。
また、実施例1のスロットマシンは、基板ケース210が取付位置から取外し位置へ移動される移動方向を単一方向に規制する規制手段(実施例1では主に係合突起213jおよび係合溝232)をさらに備え、貼付部には、移動方向とは逆方向に向けて開口した凹溝形状(実施例1では、凹部212g、裏開口部213iおよび左開口部213hから構成される凹溝形状)が形成され、干渉部材233は、基板ケース210が取付位置に取り付けられた際に、凹溝形状の中空部に侵入する位置に配置され、シール部材215は、移動方向に対し、中空部に侵入した干渉部材233よりも後方であって、シール部材215の少なくとも一部が凹溝形状の開口を塞ぐように貼付されている。
このため、干渉部材233を効率的に遮蔽して干渉部材233へのアクセスを防止すると共に、主基板収納ケース210の移動に伴って干渉部材233をICタグ封印シール215に確実に干渉させて破断することができる。
また、シール部材215、216は、所定の機器から発信される電波を少なくとも受信するためのアンテナ部材215f、216cを含み、読取不可手段は、基板ケース210が取付位置から取外し位置となる間に、アンテナ部材215f、216cを破断することにより読取機能を不能化させる。
このように、アンテナ部材215f、216cを破断することによって、容易且つ確実にICタグ封印シール215、216の機能を不能化させることができる。
なお、上記各実施例では、本発明を主制御基板211に対して適用した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、副制御部400を構成する副制御基板等の他の制御基板に対して本発明を適用するようにしてもよい。
また、上記各実施例では、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンの例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンやパチンコ機などにも適用可能である。
具体的には、本発明に係る遊技台は、図25に示す、「所定の遊技領域1002に遊技球を発射する発射装置1010と、発射装置1010から発射された遊技球を入球可能に構成された入賞口1006と、入賞口1006に入球した遊技球を検知する検知手段1008と、検知手段1008が遊技球を検知した場合に遊技球(賞球)を払出す払出手段1012と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置1004を備え、入賞口1006に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置1004が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機1000」にも好適である。
さらに、本発明をアレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、スマートボール、およびカジノマシン等に適用しても、同様の効果を得ることができる。
なお、本発明に係る遊技台は、上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。また、実施例に記載した複数の構成のうち、1つの構成に記載している内容を、他の構成に適用することでより遊技の幅を広げられる場合がある。