以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
スロットマシン100は、略箱状の本体101と、この本体101の前面開口部に取り付けられた前面扉102とを有して構成されている。スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、図柄表示窓113の外枠には、点滅や点灯などの点灯制御によって、後述する有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED(図示省略)が配置されている。
さらに、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。
払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン(ベットボタン)130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。
精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル及びベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110〜112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137〜139を操作すると対応するいずれかのリール110〜112が停止することになる。
ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施形態では発光可能な受皿を採用している。
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。演出装置190は、例えば開閉自在な扉装置(シャッター)163が前面に取り付けられた液晶表示装置157を含み、この演出装置190には、例えば小役告知等の各種の情報が表示される。音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル162には、スロットマシン100を装飾するための図柄が描かれている。
<筐体内部の構成>
次に、スロットマシン100の筐体内部の構成について簡単に説明する。図2は、スロットマシン100の前面扉102を開放した状態の斜視図である。本体101の内部には、主基板収納ケース210、副基板収納ケース220及びリールユニット185や、図示を省略した電源ボックス、メダル払出装置180、メダル補助収納ケース240、中央スピーカユニット、外部中継端子板等の諸装置が配設されている。
リールユニット185は、樹脂製のケース221内にステッピングモータで駆動されるリール110〜112を個別に着脱可能に取り付けて構成している。そして、このリールユニット185は、ケース221により3本のリールをユニット化し、本体101に設けたリールユニット載置台278に対する着脱を容易に行えるように構成している。また、リールユニット載置台278の下部には、音通路277が取り付けられ、前面扉102が本体101に閉じられた状態で前面扉102に取り付けられた音通路268と組み合わさるように構成している。中央スピーカユニットから出力された音は、この音通路277および音通路268を通過して外部に出力される。
本体101の内部には、透明な樹脂ケースからなる基板収納ケースが、本体101を構成している後板の上部に取り付けられている。この主基板収納ケース210の内部空間には、スロットマシン100の全体的な制御を行う主制御部300を構成する電気部品を実装した主制御基板が収納されている。
また、図示を省略した電源ボックスは、本体101の後板の壁面に装着され、金属製ケースの内部に、スロットマシン100の諸装置へ必要な電力を供給するための電源基板が収納されている。
さらに、本体101の内部下方には、メダルを払い出すためのメダル払出装置180(以下、ホッパー180ということがある)が配設されている。メダル払出装置180は、DCモータで駆動されメダルを1枚ずつ払い出すと共に、メダルを払い出す毎に検出信号を出力する払出装置本体181と、払出装置本体181にメダルを供給するとともにメダルを蓄積するメダルタンク182とで構成される。そして、メダル払出装置180の横には、メダル補助収納ケース240が置かれており、メダル払出装置180がメダルでいっぱいになると、余分なメダルは流れ落ち、このメダル補助収納ケース240内に蓄積される。
また、前記主制御基板及びリール110〜112の側方、すなわち向って左側の側板には、副制御部400を構成する電気部品を実装した副制御基板を収納した副基板収納ケース220が配設してある。本実施形態においては、副基板収納ケース220の構成に特徴を有するので、副基板収納ケース220の構成については、詳しくは後述する。
一方、本体101の側板にヒンジ装置276を介して蝶着された前面扉102には、演出装置190、この演出装置190を制御する演出制御基板を収納した演出制御基板収納ケース274、上部スピーカ272、図柄表示窓113を有するリールパネル270、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿156に落下させる際にメダルが通過する通路266等が設けてある。メダルセレクタ170は、さらに、投入されたメダルをメダルタンク182に案内する通路267を備えている。
<制御部の回路構成>
次に、図3および図4を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分の制御、すなわち、スロットマシン100の遊技進行に関する処理を実行する主制御部300と、主制御部300より送信された信号(制御コマンド)に応じて各種機器を制御、すなわち、演出に関する処理を実行する副制御部400と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、図3を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。なお、同図は主制御部300の回路ブロック図を示したものである。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを8MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを47に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
さらに、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル投入センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、及び電源判定回路327の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ320は、メダル投入口134の内部の通路に設置されており、メダル投入口134に投入されたメダルを検出するためのセンサである。スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137〜139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算スイッチセンサ324は、精算ボタン132に設けられており、精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダル及びベットされているメダルが精算されて払い出されることになる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサであり、電源判定回路327は、スロットマシン100に供給される電源の遮断を検出するための回路である。
CPU310には、更に、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リール110〜112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにハイレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー(メダル払出装置)180のモータ31を駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技情報表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。
CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部>
次に、図4を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。なお、同図は副制御部400の回路ブロック図を示したものである。
副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、ライン表示LEDの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
さらに、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、図柄表示窓113の外枠に配設され、点滅や点灯などの点灯制御によって有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413に記憶されている情報を初期化するリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を遊技店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。すなわち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、メダル払出口155の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、扉・液晶画面制御部490への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。扉・液晶画面制御部490は、液晶表示装置157及び扉装置163を制御する制御部である。
<メイン処理>
次に、図5を用いて、遊技の基本的制御である主制御部300のメイン処理について説明する。なお、図5は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、ステップS102〜ステップS111の処理を繰り返し実行する。
ステップS101では、電源投入が行われると、まず、各種の初期化処理が行われる。これにより、主制御部300のRAM313に記憶されている情報はクリアされる。ステップS101の処理終了後はステップS102に進む。
ステップS102では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。また、ステップS102では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定する。ステップS102の処理終了後はステップS103に進む。
ステップS103では、有効な入賞ラインを確定する。ステップS103の処理終了後はステップS104に進む。
ステップS104では、乱数発生器311で発生させた乱数を取得する。ステップS104の処理終了後はステップS105に進む。
ステップS105では、ステップS104で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルの抽選データを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役のフラグが内部的にONになる。ステップS105の処理終了後はステップS106に進む。
ステップS106では、内部抽選結果等に基づき、リール停止制御データを選択する。ステップS106の処理終了後はステップS107に進む。
ステップS107では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始させる。ステップS107の処理終了後はステップS108に進む。
ステップS108では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能となり、リール停止制御処理により、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止させる。この際、各リール110〜112を、ステップS106で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。ステップS108の処理終了後はステップS109に進む。
ステップS109では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効ライン上に、内部当選した入賞役またはフラグ持越し中の入賞役に対応する入賞図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効ライン上に、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が揃っていたならばリプレイ入賞と判定する。ステップS109の処理終了後はステップS110に進む。
ステップS110では、払出処理を行う。この払出処理では、メダル払出(配当)のある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。ステップS110の処理終了後はステップS111に進む。
ステップS111では、遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞の場合に次回からBB遊技を開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。ステップS111終了後は、ステップS102に戻る。
<副基板収納ケースの構成>
次に、図6〜図17を参照して、副基板収納ケース220の構成について詳しく説明する。ここで、図6は副基板収納ケース220の外観斜視図、図7は副基板収納ケース220の分解斜視図である。また、図8は副基板収納ケース220の正面図、図9は副基板収納ケース220の前面カバー10の背面図、図10は副基板収納ケース220の背面カバー20の副制御基板30を載置した状態における正面図、図11は副基板収納ケース220の背面カバー20の正面図である。また、図12(a)は図8におけるA−A線に沿う断面図、図12(b)は図12(a)の要部(B部分)拡大図、図13(a)は図8におけるC−C線に沿う断面図、図13(b)は図13(a)の要部(D部分)拡大図、図14(a)は図9の要部(E部分)拡大図、図14(b)は図14(a)におけるF−F線に沿う断面図、図15(a)は、図9におけるG−G線に沿う断面図、図15(b)は、図15(a)の要部(H部分)拡大図、図16は図10におけるI−I線に沿う断面図、図17は副基板収納ケース220の前面カバー10と背面カバー20とを組み合わせる様子を示す右側面図である。
副基板収納ケース220は、図7に示すように、前面カバー10と、背面カバー20と、副制御基板30と、を備えている。副基板収納ケース220の前面カバー10及び背面カバー20は、本実施形態では透光性樹脂を用いて成型されているため、副基板収納ケース220の外部から内部に収納されている副制御基板30は視認可能となっている。
前面カバー10と背面カバー20は組み合わせることによって副制御基板30を収納するための空間を形成する箱体となる。詳しくは、図7及び図17に示すように、前面カバー10の上側面の左右端部それぞれに形成されたフック部11を、背面カバー20の前面側における上部外縁の左右端部それぞれに形成されたヒンジ部21に係合させて、前面カバー10と背面カバー20の上端を止着させるとともに、前面カバー10の下側面の左右端部それぞれに形成されたネジ孔部12を、背面カバー20の下部外縁の左右端部それぞれに形成されたネジ孔部22に重合させて、ネジをネジ孔に螺合させることで前面カバー10と背面カバーを一体化させるようになっている。なお、前面カバー10と背面カバーを一体化させる方法に関しては、ネジ止めのほか、かしめることにより強固に接合するようにしてもよい。
副制御基板30には、副制御部400を構成する回路基板上に電子部品(図示略)、外部コネクタと接続するための複数のコネクタ部33が設けられている。外部コネクタと副制御基板30のコネクタ部33が接続されることで、副制御基板30と外部機器との通信が可能となっている。本実施形態では、副制御基板30は、物理的に2つの制御基板、すなわち、副制御基板31と副制御基板32から構成されている。
副制御基板30は、電子部品等が実装された面を前面カバー10側に対向させた状態で、背面カバー20の前面側に固定される。すなわち、矩形状の副制御基板31及び32は、角部に位置決め孔35及び固定孔36を有し、位置決め孔35により背面カバー20の前面側に位置決めされるとともに、固定孔36に挿通されたネジ37により背面カバー20の前面側に固定されるようになっている。本実施形態においては、図7及び図10に示すように、対角線上にある一対の角部(例えば、副制御基板32に対しては、図10において左下及び右上の角部)の位置決め孔35に背面カバー20の位置決め突起25が挿通して係合し(図16参照)、対角線上にある別の一対の角部(例えば、副制御基板32に対しては、図10において左上及び右下の角部)の固定孔36と背面カバー20の固定孔26とを重合させて、ネジ37で螺合するようになっている。このように、本実施形態においては、組み立て作業の効率性を考慮して、副制御基板30を背面カバー20に2箇所で位置決めし、2箇所でネジ止めして固定する方式を採用している。
背面カバー20の前面側には、副制御基板30を収容する矩形の収容部23を有する。収容部23には、図7及び図11に示すように、副制御基板31及び32の角部を載置する位置に合わせて、位置決め突起25及び固定孔26がそれぞれ形成されている。本実施形態では、上述したように、副制御基板31及び32のそれぞれに対して、位置決め突起25及び固定孔26が2箇所ずつ設けられている。なお、収容部23には、複数の通気孔27が設けられ、副制御基板30で発生した熱を外部に放出するようになっている。
また、収容部23の上部外縁における左右端部には、前面カバー10のフック部11と係合するヒンジ部21がそれぞれ形成されており、また、収容部23の下部外縁における左右端部には、前面カバー10のネジ孔12と重合するネジ孔22がそれぞれ形成されている。さらには、背面カバー20には、スロットマシン100の筐体内部に取り付けるためのネジ孔24が、収容部23の外縁に4箇所形成されており、このネジ孔24を介して、副基板収納ケース220はスロットマシン100の筐体内部にネジ止めされる。
前面カバー10は、裏面(後面)側が開放する箱型形状をなし、下方の中央部から右端部にかけて副制御基板30のコネクタ部33と接続するための開口部13が複数設けられている。また、前面カバー10には、複数の通気孔14が設けられ、副制御基板30で発生した熱を外部に放出するようになっている。
さらには、上述したように、前面カバー10の上側面の左右端部には、それぞれ、背面カバー20のヒンジ部21と係合するフック部11、前面カバー10の下側面の左右端部には、それぞれ、背面カバー20のネジ孔部22と重合するネジ孔部12が形成されている。
また、前面カバー10の裏面には、図8及び図9に示すように、押止片41が開口孔13の近傍に2箇所、形成されている。押止片41は、図12〜図14に示すように、副制御基板32を押止して副制御基板32を固定させるための突出片であり、前面カバー10の裏面の所定の位置に押止片41が設けられていることにより、副制御基板32を堅固に背面カバー20に固定させることができるようになっている。
組み立て作業の向上を図るため、基板収納ケースに制御基板を固定する際の部品点数を減らして、制御基板を背面カバーに2箇所で位置決めし、2箇所でネジ止めして固定する方式においては、外部コネクタを制御基板から抜く際に、制御基板が基板収納ケースにしっかりと固定されず浮いたりすることがあり、この場合には、制御基板が撓みによって破損してしまう可能性があったが、前面カバー10の裏面に設けられた押止片41は、この不具合を防止するためになされた改善策である。すなわち、本実施形態においては、従来と同様に組み立て作業の向上を図るため、基板収納ケースに制御基板を固定する際の部品点数を減らした構成でありながら、副制御基板30をしっかりと背面カバー20に固定することができるので、コネクタを制御基板から抜く際に、副制御基板30が浮いたり、副制御基板30が破損したりするという不具合を解消することができる。
詳しくは、副制御基板30を背面カバー20に固定し、前面カバー10と背面カバー20を組み合わせた状態においては、図8及び図10に示すように、押止片41とネジ37によりネジ止めされた固定位置(固定孔36の位置)との間にコネクタ部33を挟み込むように、押止片41は配置されている。すなわち、押止片41は、コネクタ部33(複数のコネクタ部33が隣接する場合には、位置決め孔35に最近接のコネクタ部33)から位置決め孔35に向かう方向に対して所定の距離離間した位置に配置されるようになっている。これは、外部コネクタを副制御基板32から抜く際には、コネクタ部33と位置決め部35近傍が浮きやすくなるため、この双方の領域を押さえ込むために上記位置としたものである。
また、押止片41は、図12〜図14に示すように、その断面が前面カバー10の根本側から先端側に向かって細くなっていくテーパ状を形成しており、先端部が副制御基板32の一端縁を当接するようになっている。すなわち、押止片41は、外部コネクタを副制御基板32から引き抜く方向と反対の方向に制御基板32を押止している。そのため、ネジ37が副制御基板30を背面カバー20に固定する力に加えて、押止片41の押止力も働くので、副制御基板30に対する制止機能は一層強化されることとなる。
以上、述べたように本実施形態の副基板収納ケース220によれば、前面カバー10に形成された押止片41が副制御基板30を押止する機能を有するので、基板収納ケースに制御基板を固定する際の部品点数を減らして固定する方式であっても、簡単な構成で制御基板を基板収納ケースにしっかりと固定することができる。この結果、コネクタを制御基板から挿抜したとしても、制御基板が浮いたり、変形したりすることを防止することができる。
なお、本実施形態では、副制御基板32だけに対して、押止片41による制止機能を強化したが、副制御基板31に対しても同様にして、押止片41を設けて押止片41による制止機能を強化するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、副制御基板に対して本発明の基板収納ケースを適用したが、本発明が適用されるのはこれに限定されず、他の制御部であってもよいのは勿論である。例えば、コネクタを主制御基板から挿抜する場合に、制御基板が浮いたり、変形したりするおそれがある場合には、主制御基板に対して適用してもよい。また、遊技に関連する制御基板として、電源基板や中継基板に対して適用してもよいのは勿論である。
また、本実施形態においては、制御基板を背面カバーに2箇所で位置決めし、2箇所でネジ止めして固定する方式に本発明を適用したが、制御基板を背面カバーに4箇所でネジ止めして固定する方式に本発明を適用してもよい。この場合においても、さらに制御基板に対する制止機能は一層強化されることとなる。
また、本実施形態で述べた副基板収納ケース220は、スロットマシン100に搭載された形態で商取引されるほか、副基板収納ケース220単体としても商取引可能である。
<副基板収納ケースの他の構成>
(第1変形例)
次に、図18〜図21を参照して、副基板収納ケースの第1変形例について説明する。なお、本変形例においては、上記実施形態と異なる構成及び機能のみ説明し、その他の構成及び機能に関しては同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
第1変形例の副基板収納ケース220Aは、前面カバーではなく、背面カバーに押止片を具備する構成であり、この点が副基板収納ケース220と異なっており、その他の点は副基板収納ケース220と略同一である。ここで、図18は副基板収納ケース220Aの背面カバー20Aの副制御基板30を載置した状態における正面図、図19は副基板収納ケース220Aの背面カバー20の正面図、図20は副基板収納ケース220Aの前面カバー10Aの背面図である。また、図21(a)は図18におけるJ−J線に沿う断面図、図21(b)は押止片42の外観斜視図である。
副基板収納ケース220Aは、図18〜図20に示すように、前面カバー10Aではなく、背面カバー20Aに押止片42を2箇所形成している。押止片42は、上記実施形態において押止片41が制御基板32を押止した位置とほぼ同じ位置に配置されている。すなわち、押止片42とネジ37によりネジ止めされた固定位置(固定孔36の位置)との間にコネクタ部33を挟み込むように、押止片42は配置されている。
押止片42は、副制御基板32を押止して副制御基板32を固定させるための突出片であり、図21(b)に示すように、その先端(図21(b)において上端)に副制御基板32と係合する爪部42aを内側(副制御基板32側)に向けて形成している。そして、爪部42aが、図18及び図21(a)に示すように、背面カバー20Aに載置された副制御基板32の一端縁と係合することにより、押止片42は、外部コネクタを副制御基板32から引き抜く方向と反対の方向に制御基板32を押止するようになっている。従って、ネジ37が副制御基板30を背面カバー20に固定する力に加えて、押止片42の押止力も働くので、副制御基板30に対する制止機能は一層強化されることとなる。
以上、第1変形例の副基板収納ケース220Aによれば、背面カバー20Aに形成された押止片42が副制御基板30を押止する機能を有するので、基板収納ケースに制御基板を固定する際の部品点数を減らして固定する方式であっても、簡単な構成で制御基板を基板収納ケースにしっかりと固定することができる。この結果、コネクタを制御基板から挿抜したとしても、制御基板が浮いたり、変形したりすることを防止することができる。
(第2変形例)
次に、図22〜図25を参照して、副基板収納ケースの第2変形例について説明する。なお、本変形例においては、上記実施形態及び上記変形例と異なる構成及び機能のみ説明し、その他の構成及び機能に関しては同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
第2変形例の副基板収納ケース220Bは、第1変形例と同様に、前面カバーではなく、背面カバーに押止片を具備する構成であるが、押止片の形状が第1変形例と異なっており、その他の点は副基板収納ケース220Aと略同一である。ここで、図22は副基板収納ケース220Bの背面カバー20Bの副制御基板30Bを載置した状態における正面図、図23は副基板収納ケース220Bの背面カバー20Bの正面図、図24は副制御基板32Bの外観斜視図である。また、図25(a)は図22におけるK−K線に沿う断面図、図25(b)は押止片43の外観斜視図である。
副基板収納ケース220Bは、図22及び図23に示すように、背面カバー20Bに押止片43を2箇所形成している。押止片43は、上記実施形態及び上記変形例において押止片が制御基板32を押止した位置とほぼ同じ位置に配置されている。すなわち、押止片43とネジ37によりネジ止めされた固定位置(固定孔36の位置)との間にコネクタ部33を挟み込むように、押止片43は配置されている。
押止片43は、副制御基板32を押止して副制御基板32を固定させるための突出片であり、図25(b)に示すように、その上方は二股に分かれており、一対の爪43aが形成されている。爪43aは押止片43の外側に向かって突出しており、図22及び図25(a)に示すように、背面カバー20Bに載置された副制御基板32Bの一端縁と係合することにより、押止片43は、外部コネクタを副制御基板32から引き抜く方向と反対の方向に制御基板32を押止するようになっている。すなわち、弾性力のある爪43aを内側に押圧して、爪43aを副制御基板32Bに形成された孔34に挿入し、副制御基板32Bを背面カバー20Bに載置した後に、爪43aを開放することによって爪43aが副制御基板32Bに係合して、押止片43は、副制御基板32Bを押止する。従って、ネジ37が副制御基板32Bを背面カバー20に固定する力に加えて、押止片43の押止力も働くので、副制御基板32Bに対する制止機能は一層強化されることとなる。
以上、第2変形例の副基板収納ケース220Bによれば、背面カバー20Bに形成された押止片43が副制御基板32Bを押止する機能を有するので、基板収納ケースに制御基板を固定する際の部品点数を減らして固定する方式であっても、簡単な構成で制御基板を基板収納ケースにしっかりと固定することができる。この結果、コネクタを制御基板から挿抜したとしても、制御基板が浮いたり、変形したりすることを防止することができる。
(第3変形例)
次に、図26及び図27を参照して、副基板収納ケースの第3変形例について説明する。なお、本変形例においては、上記実施形態及び上記変形例と異なる構成及び機能のみ説明し、その他の構成及び機能に関しては同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
第3変形例の副基板収納ケース220Cは、上記変形例と同様に、前面カバーではなく、背面カバーに押止片を具備する構成であるが、背面カバーに形成された位置決め孔及び固定孔の位置が上記実施形態及び上記変形例と異なっている。ここで、図26は副基板収納ケース220Cの背面カバー20Cの副制御基板30Cを載置した状態における正面図、図27は副基板収納ケース220Cの背面カバー20Cの正面図である。
副制御基板32Cは、図26に示すように、上記実施形態及び上記変形例の副制御基板と比べて、位置決め孔25及び固定孔26の位置が逆に形成されている(図10、図18、図22参照)。すなわち、矩形状の副制御基板32Cを背面カバー20Cの前面側に載置した状態において、左上と右下の角に位置決め孔35、左下と右上の角に固定孔36が配置されるように、位置決め孔35及び固定孔36が形成されている。
これに対応して、背面カバー20Cも、図26及び図27に示すように、上記実施形態及び上記変形例の背面カバーと比べて、位置決め突起25及び固定孔26の位置が逆に形成されている(図11、図19、図26参照)。すなわち、背面カバー20Cを正面側(前面側)から見て、左上と右下の角に位置決め突起25、左下と右上の角に固定孔26が配置されるように、位置決め孔25及び固定孔26が形成されている。
また、背面カバー20Cには、背面カバー20Cを正面側(前面側)から見て、右下の角に形成された位置決め孔25近傍に、押止片42(図21(b)参照)が形成されている。なお、押止片42は、上述したように、その先端(図21(b)において上端)に副制御基板32Bと係合する爪部42aを内側(副制御基板32B側)に向けて形成している。このように、本変形例においては、上記実施形態及び上記変形例と異なって、押止片は1つである。これは、外部コネクタを副制御基板32Cから抜く際には、コネクタ部33と位置決め部35近傍が浮きやすくなるため、この双方の領域を考慮して押止片42の位置を決める必要があるが、本変形例においては、コネクタ部33と位置決め部35の近傍はほぼ同一領域となるため、上記位置の1箇所で副制御基板32Cを押止するようにしたものである。すなわち、本変形例においては、2箇所の固定ネジ37と1つの押止片42で、二辺に配置されたコネクタ部33を挟み込むことができるようになっている。
爪部42aは、背面カバー20Cに載置された副制御基板32Cの一端縁と係合することにより、外部コネクタを副制御基板32Cから引き抜く方向と反対の方向に制御基板32Cを押止するようになっている。従って、ネジ37が副制御基板32Cを背面カバー20に固定する力に加えて、押止片42の押止力も働くので、副制御基板30に対する制止機能は一層強化されることとなる。
以上、第3変形例の副基板収納ケース220Cによれば、背面カバー20Cに形成された押止片42が副制御基板32Cを押止する機能を有するので、基板収納ケースに制御基板を固定する際の部品点数を減らして固定する方式であっても、簡単な構成で制御基板を基板収納ケースにしっかりと固定することができる。この結果、コネクタを制御基板から挿抜したとしても、制御基板が浮いたり、変形したりすることを防止することができる。
また、第3変形例の副基板収納ケース220Cによれば、副制御基板32Cを背面カバー20Cに固定する際の位置決め位置及び固定位置を、コネクタの配置位置を考慮して形成したため、1つの押止片42にて副制御基板32Cを押止することができ、さらに作業工程数を削減することができる。
なお、上記実施形態及び上記変形例の基板収納ケースにおいては、押止片が前面カバーまたは背面カバーのいずれかに形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、押止片が前面カバー及び背面カバーの双方に形成されていてもよい。この場合には、制御基板に対する制止機能はさらに一層強化されることとなる。
また、上記実施形態及び上記変形例の基板収納ケースにおいては、押止片が前面カバーまたは背面カバーのいずれかと一体的に形成されていたが、これとは別に、押止片を前面カバーまたは背面カバーのいずれかと着脱可能に構成してもよい。この場合には、押止片を後付けすることが可能なので、従来の基板収納ケースに押止片を付加するだけで、本発明の基板収納ケースと同様の機能を持たせることができる。
また、上記実施形態及び上記変形例においては、制御基板を背面カバーに固定する場合について説明したが、これとは逆に、制御基板を前面カバーに固定する場合についても、本発明の基板収納ケースは適用可能である。すなわち、制御基板を前面カバーに固定しつつ、前面カバーまたは背面カバーに形成された押止片が制御基板を押止するようにしてもよい。
また、上記実施形態においてはメダルの払出が行われるスロットマシンに対して本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いるパチンコ機に適用してもよい。すなわち、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技球を発射するための操作を受け付ける発射ハンドル装置(操作ノブ)と、発射ハンドル装置で受け付けた操作に基づいて、遊技球を遊技領域に向けて弾発する発射装置と、発射された遊技球が所定の入賞口に入って入賞することにより、所定の特典を与える特典付与手段と、を備えるパチンコ機の基板収納ケースに対して適用してもよい。
以下、パチンコ機について説明する。
例えば、図28に示すように、パチンコ機700は、遊技者が遊技球であるパチンコ玉の打ち出しを行なうためのハンドル710、ハンドルに対する操作により打ち出されるパチンコ玉が導入される受皿720、パチンコ玉が打ち出される円形の遊技領域730を備える。
遊技領域には不図示の釘が配設され、遊技領域の上部から落下するパチンコ玉は釘に衝突して方向を変えながら遊技領域の下部へ落下する。遊技領域には入賞口740が配設されており、入賞口740へパチンコ玉が入球すると予め定めた特典が遊技者に付与される。
本実施の形態では、この特典は大当たりの抽選の実行である。大当たりの抽選で当選すると遊技者には多数のパチンコ玉が払出されるチャンスが与えられる。また、遊技領域730の中央には、演出装置750が設けられている。演出装置750は、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置でもあり、演出画像を表示するのみならず、さらには上述の抽選で大当たりに当選したときには、特定の図柄による組合せ(大当たり図柄;例えば、777など)も表示する。
図29は、パチンコ機700の制御系の機能ブロック図である。パチンコ機700は、制御部800を有する。制御部800はCPU等の処理手段810、乱数を発生する乱数発生手段820、RAM等の記憶手段A830、及びROM等の記憶手段B840を有する。センサ860は入賞口に設けられ、パチンコ玉の入球を検出するセンサである。その他のデバイス870は、その他のデバイス(ランプ、パチンコ玉の払い出し装置等)を示している。
処理手段810は、大当たりの抽選の実行条件が成立したか否かを判定する。大当たりの抽選の実行条件は、センサ860により入賞口にパチンコ玉が入球したことが検出された時に成立する。処理手段810は、大当たりの抽選の実行条件が成立すると、乱数発生手段820から乱数値を取得し、記憶手段A830に記憶する。
乱数値は、大当たりの抽選の実行条件の成立毎に予め定めた記憶上限回数を上限として順次記憶される。例えば、4回分の抽選結果が記憶される。4回分の乱数値が記憶されている場合、新たな乱数値は破棄される。処理手段810は、記憶手段A830に乱数値が記憶されていることを条件として、当該乱数値に基づき大当たりの抽選処理を行う。記憶手段A830に複数回分の乱数値が記憶されている場合には、最も古いものから順番に選択する。
抽選結果が大当たりの場合は、演出装置750が大当たりに対応した識別情報を表示し、ボーナスゲームが開始されて、遊技者には多数のパチンコ玉が払出されるチャンスが与えられる。
<実施形態の効果>
以上述べたように、実施形態に係る遊技台用基板収納ケースによれば、遊技に関連する制御基板(例えば、副制御基板30)を、分離可能に構成された第1のカバー部材(例えば、前面カバー10)または第2のカバー部材(例えば、背面カバー20)のいずれかに固定しつつ、前記第1のカバー部材と前記第2のカバー部材を組み合わせることにより形成された内部空間に前記制御基板を収納する遊技台用基板収納ケース(例えば、副基板収納ケース220)であって、前記制御基板を押止する押止片(例えば、押止片41,42,43)を、前記第1のカバー部材または前記第2のカバー部材の少なくともいずれか一方の前記内部空間側に設けるように構成される。
このように、遊技台用基板収納ケースのカバー部材に設けられた押止片が制御基板を押止する機能を有するので、基板収納ケースに制御基板を固定する際の部品点数を減らして固定する方式であっても、簡単な構成で制御基板を基板収納ケースにしっかりと固定することができる場合がある。
一例として、前記制御基板は、前記第1のカバー部材または前記第2のカバー部材に設けられた開口孔(例えば、開口部13)を介して外部コネクタを挿抜可能なコネクタ接続部(例えば、コネクタ部33)を有し、前記押止片は、前記コネクタ接続部に接続された外部コネクタを抜く方向と反対の方向に前記制御基板を押止するように構成される。これにより、コネクタを制御基板から挿抜したとしても、制御基板が浮いたり、変形したりすることを防止することができる場合がある。
この場合、前記押止片は、前記コネクタ接続部の近傍を押止するように構成される。これにより、押止片の制止力がより強化されるので、コネクタを制御基板から挿抜したとしても、制御基板が浮いたり、変形したりすることを確実に防止することができる場合がある。
一例としては、前記押止片は、前記制御基板の外縁を押止するように構成される。これにより、制御基板の変形しやすい場所を固定することができる場合がある。
また、一例としては、前記制御基板は矩形状を有するとともに、前記矩形の少なくとも一以上の角部近傍にて前記第1のカバー部材または前記第2のカバー部材に固定され、前記押止片は、前記制御基板が固定される固定位置(例えば、ネジ37で固定された位置)から前記矩形の固定位置でない角部(例えば、位置決め突起25及び位置決め孔35が重合する位置)の方向に向かって所定の距離離間した位置を押止するように構成される。これにより、押止片は、固定されていない角部に対して制御基板を押止するので、コネクタを制御基板から挿抜したとしても、制御基板が浮いたり、変形したりすることを防止することができる場合がある。
この場合、一例としては、前記固定位置は、前記矩形の一対の対角線上のそれぞれの角部近傍であり、前記押止片は、前記制御基板の前記固定位置から前記矩形の前記固定位置でない2つの角部の方向に向かって所定の距離離間したそれぞれの位置を押止するように構成される。これにより、押止片は、固定されていない2箇所の角部に対して、それぞれ制御基板を押止するので、より確実に制御基板を基板収納ケースに固定することができる場合がある。
この場合、他の一例としては、前記固定位置は、前記矩形の一対の対角線上のそれぞれの角部近傍であり、前記押止片は、前記矩形の前記固定位置でないいずれか1つの角部近傍を押止するように構成される。これにより、押止片は、固定されていない1箇所の角部に対して、制御基板を押止するので、少ない押止片にて制御基板を基板収納ケースに固定することができる場合がある。
また、一例として、前記押止片が前記制御基板を押止する位置と前記制御基板が固定される固定位置との間に前記コネクタ接続部が設けられるように構成される。これにより、押止片は、コネクタを制御基板から挿抜したときに、制御基板が浮いたり、変形しやすい場所を押止するので、制御基板を基板収納ケースに確実に固定することができる場合がある。
また、実施形態に係る遊技台によれば、上述した遊技台用基板収納ケースを備える構成とする。これにより、遊技台用基板収納ケースのカバー部材に設けられた押止片が制御基板を押止する機能を有するので、基板収納ケースに制御基板を固定する際の部品点数を減らして固定する方式であっても、簡単な構成で制御基板を基板収納ケースにしっかりと固定することができる遊技台を提供することができる場合がある。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。