以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン100の斜視図である。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして有効として設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(14G)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
音孔143はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
図2は、前面扉を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。筐体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。筐体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御部基板ケース220が配置され、この主制御部基板ケース220の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。基板ケース210及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、本発明の特徴部分である内部に副制御基板を収納した基板ケース210が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252の正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、筐体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、筐体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、上部スピーカ272、を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔143に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。また図柄表示窓の下方には、各種演出装置への配線を中継する中継端子板279が設けられている。また、前面扉102の左端には、縦長形状の施錠装置280が設けられている。
次に図3を用いて、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する。
また、電圧を監視する電圧監視回路330と、WDT313(ウォッチドッグタイマー)が設けられている。
また、基本回路302には、センサ回路320が接続されており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。なお、上述したリセット検知用センサ284及び扉開放用検知センサ285もこのセンサ回路320で監視される。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322を設けており、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324を設けており、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326を設けており、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を設けている。
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。また、本実施形態では、エラーの解除方法を示す情報や、誤った解除動作があった場合は、その旨の情報をも出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。
第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェース(後述するコネクタ端子)を介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406が設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)を設けている。また主制御部300から送信されてきたエラー解除パターンの送信コマンドに基づく解除パターン表示LED290への解除パターン表示も、駆動回路422にて行なわれる。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、演出画像表示装置157や各種演出用駆動装置165の制御を行う。第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置165の制御を行う制御部とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。第2副制御部は、演出画像表示装置157の表示制御を行ったり、演出用の駆動装置165を制御したりする。
次に、図4を用いて、本実施形態における基板ケース210の説明を行う。
図4は、基板ケース210の分解斜視図である。基板ケース210は、上蓋としての第1ケース701と、収納ベース部としての第2ケース702が互いに係合することで、内部にコネクタ端子710を備えた回路基板703等を収納するためのスペースを確保できるように構成されている。また第2ケース702の上部には軸受部705が、第1ケース701の上部には、回転用軸部704が設けられており、軸受部705が回転用軸部704と軸着することで、第1ケース701と第2ケース702が係合した閉状態から、回転用軸部707を軸心として、第1ケース701が回転動作を行うことで開状態となる。また閉状態となった場合、第1ケース701に設けられた第1係止部706と、第2ケース702に設けられた第2係止部707が係合することで、意図的に開放操作を行わなければ、基板ケース210の閉状態が保たれるように構成されている。詳細は後述する。
次に図5を用いて、第1ケース701の説明を行う。なお、図5(a)は第1ケース701の上面図、図5(b)は第1ケース702の背面図、図5(c)は第2ケース701の側面図である。
図5(a)、図5(b)、図5(c)に示すように、第1ケース701は、回路基板703(図6(a)に示す)上の電子部品を収納できるような高さが確保された蓋形状をなしており、中央部には、冷却用ファンからの熱を排出するための排出口707が、また左右には空気の流入口708が複数設けられている。また第1ケース701の右側面には、第1係止部706が設けられており、第1ケース701と第2ケース702を組み合わせた際に、後述する第2ケース702に設けられた第2係止部と係合して、基板ケース210を閉鎖状態とする閉鎖手段を部分的に構成する。しかしこの状態では、まだかしめ状態ではない仮止めの状態である。また第1ケース701の左右端には、回路基板703の右側に設けられたコネクタ端子(後述)の端子部を外部に露出させるための開口部709が設けられている。
次に図6用いて、第2ケース702の説明を行う。なお、図6(a)は第2ケース701の上面図、図6(b)は第2ケース702の背面図、図6(c)は第2ケース701の側面図である。
図6(a)、図6(b)、図6(c)に示すように、第2ケース701は、回路基板703を内部に収納可能な箱型に形成されている。また第2ケース702の底面には、空気の流入口708が複数設けられている。また第2ケース702の右側面には、第2係止部707が設けられており、上述したように、基板ケース210が閉鎖状態となると、第1係止部706と第2係止部707が係合して仮止めの状態となる。
回路基板703上に設けられたコネクタ端子710は回路基板の右端に設けられており、第2ケース702上に装着されると、左側面部に設けられた第2係止部707の近傍に位置するので、後述するコネクタカバーにコネクタ端子710に対するカバーの機能と、第1係止部と第2係止部の係合部分に挿し込まれることで閉鎖手段を構成し、第1ケース701及び第2ケース702の開放が不可能な状態となる。
このように、コネクタ端子710を閉鎖手段の近傍に設けることで、比較的小型の部品1個で、カバーケースの機能と、かしめ部材としての機能の2つの機能を持たせることが可能となる。
また第1係止部706と第2係止部707は、図7の上部側面図、及び図8の右側側面図に示すように、互いに対応した位置に設けられており、第1ケース701と第2ケース702を組み合わせたときに、2つの係止部が係合する。
次に図9を用いて、コネクタカバー750の説明を行う。なお、図9(a)はコネクタカバー750の斜視図、図9(b)はコネクタカバー750の上面図、図9(c)はコネクタカバー750の正面図、図9(d)はコネクタカバー750の側面図である。
図9(a)に示すようにコネクタカバー750は、大別して回路基板703上のコネクタ端子710を覆うカバー部751と、第1係止部706と第2係止部707とともに閉鎖手段を構成するカバーかしめ部752とで構成されている。コネクタカバー751の下部には、コネクタ端子710に接続されたハーネス(配線)をコネクタカバー外部に引き出すための配線引出部753が左右2箇所設けられている。また図9(b)に示すように、カバーかしめ部752には、破断用穴部754が2箇所設けられており、基板ケース210が一旦かしめ状態となった後に開封を行う場合は、破断用穴部752に沿ってカバー部751とカバーかしめ部752を破断して分離させることで、カバー部751と、第1係止部及び第2係止部及びカバーかしめ部752で構成される閉鎖手段が分離することで、カバー部751を単独で外すことが可能となる。また図9(c)に示すように、カバーかしめ部752の下部には、後述する閉鎖手段と係合するカバー部係合片755が2箇所設けられており、カバー係合片755下部には、カバー部係合穴756が設けられている。
次に図10から図12を用いて、かしめ状態となった際に、第1係止部706、第2係止部707、カバーかしめ部752がどのような係合態様となるかの説明を行う。
図10に示すように、第1係止部706、第2係止部707、カバー部かしめ部752は、第1ケース701、第2ケース702、コネクタカバー750を基板ケース210として組み合わせると、基板ケース210右端部において係合する位置に、また開口部709に回路基板703上に設けられたコネクタ端子710が貫通する位置にそれぞれ設けられている。
組み付けの順番としては、図11(a)に示すように、まず第1ケース701と第2ケース702が係合して、基板ケース210を仮止めの状態とする。このとき、開口部709にコネクタ端子710が貫通し、また第1係止部706と第2係止部707が係合して、閉鎖手段770を部分的に形成する。図11(b)は閉鎖手段770の拡大断面図である。第2係止部707は、上部が開口した箱型の収納部773の底面に、一対の係合爪部774が設けられている。この係合爪部774は、内側と外側に2箇所の爪部を有しており、内側爪部775にて後述する第1係止部706の係合突起部と係合し、また外側爪部776にてカバーかしめ部752と係合する(後述)。第1係止部706は、上部と下部に開口をもった中空の四角柱777内部に係合突起772を備えて構成され、この係合突起772は、上部が左右に張り出したT字型の断面形状をなしており、この張り出した部分は、第2係止部707の一対の内側爪部775の幅より若干広く形成されており、閉鎖時は、係合突起部772が一対の内側爪部775を左右に広げながら係合し、係合位置に収まると広がった内側爪部775がもとの位置に戻ることで、第1係止部706と第2係止部707が仮止めの状態となる。この状態から、基板ケース210を開放したい場合には、第1係止部706の上部開口から一対の係合爪部774を左右に押し広げることで仮止めの状態を解除し、基板ケース210を開放操作すればよい。
また図12(a)に示すように、この仮止めの状態から、コネクタカバー750のカバーかしめ部755を係合させることで、閉鎖手段780が形成され、基板ケース210がかしめ状態となる。図12(b)は、閉鎖手段780の拡大断面図である。図11(b)において、係合爪部774内部に係合突起部772が係合している閉鎖状態で、係合爪部774と四角柱777の間にカバーかしめ部755が挿入されることで、外側爪部776がカバー部係合穴756に嵌合する。この状態になると、係合爪部774が、係合突起部772とカバー部係合片755に挟まれて動けなくなり、上部の開口はカバー部かしめ部752によって閉鎖されるので、係合爪部774に触れることもできなくなる。よって、基板ケース210を閉鎖状態から再び開放したい場合は、閉鎖手段780を破断し、基板ケース210から分離させないと、開放させることはできない。
以上のように、本発明の基板ケースは、第1ケースと第2ケースとの間に、入力又は出力端子を備えた回路基板を挟みこみ、前記第1ケースと前記第2ケースを閉鎖する閉鎖手段を備え、閉鎖時に、前記端子を除く前記回路基板の少なくとも一部をケース内部に収納する基板ケースであって、前記端子を内部に収納可能な端子カバーを備え、該端子カバーは、前記端子を覆うカバー部と、前記閉鎖手段と係合するかしめ部を備えたことを特徴とした。
上述した実施形態では、第1ケース701と第2ケース702で形成される基板ケース210に、第1係止部706と第2係止部707を設け、基板ケース210を閉鎖したときに、2つの係止部が係合して仮止めの状態となるように構成した。まだこの状態では、操作によって再び基板ケース210を開放状態とすることが可能である。そして、基板ケース210を開放不可能な密封状態(いわゆるかしめ状態)としたいときは、かしめ部を有し、かつ、基板ケース210の外に露出している入力・出力端子をカバーする機能を兼ね備えたコネクタカバー750を閉鎖手段を更に嵌合させることで閉鎖手段780を形成し、基板ケース210をかしめ状態となるように構成した。
よって、1つの部材で、コネクタ端子710に対する不正防止機能と、基板ケース210をかしめ状態とするかしめピンの機能を持たせることができるので、低コストで不正に強い基板ケースを提供できる。
また本発明の別の態様では、更に、前記第1ケース又は前記第2ケースは、前記収納状態となった場合に、前記端子を外部に露出させる開口部を備えたことを特徴とした。
上述した実施形態では、第1ケース701に、回路基板703上に設けられたコネクタ端子710に対応した位置に開口部709を設けている。
よって、回路基板703を露出させることなく、コネクタ端子710のみ外部に露出させることが可能となるので、不正を行いにくい構造となる。
また本発明の別の態様では、更に、前記閉鎖手段は、前記端子の近傍に設けたことを特徴とした。
上述した実施形態では、回路基板703上に設けられたコネクタ端子710の近傍である基板ケース210右側側面部に、閉鎖手段770を構成する第1係止部706、第2係止部707を設けている。
よってコネクタカバー750を小さく形成でき、またかしめ操作も比較的簡便に行うことが可能となる。
また本発明の別の態様では、更に、前記閉鎖手段は、第1ケースに設けられた第1係止部と、第2ケースに設けられた第2係止部とから構成され、前記第1係止部と前記第2係止部が係合することで、前記収納状態となることを特徴とした。
上述した実施形態では、第1ケース701に設けられた第1係止部706と、第2ケース702に設けられた第2係止部707が、基板ケース210が閉鎖状態となったときに、係合し、閉鎖状態を仮止めすることが可能な構成とした。
よって、開発状況や製造態様によって、一時的に基板ケース210を閉鎖状態にしたいような場合にも柔軟に対応できる。
また本発明の別の態様では、更に、前記第1係止部又は前記第2係止部は少なくとも一方が弾性変形可能に構成され、閉操作時に、前記第1係止部又は前記第2係止部が弾性変形した後、前記閉鎖状態となることを特徴とした。
上述した実施形態では、第2係止部707に、上部が開口した箱型の収納部773の底面に、一対の係合爪部755を設け、この係合爪部755は、弾性変形しながら内側爪部775にて第1係止部706の係合突起部772と係合する。
よって、仮止めの手段を新たに設けることなく、ケースの形状だけで閉鎖手段の機能を持たせることができるので、コストダウンが可能となる。
また本発明の別の態様では、更に、前記端子カバーは、前記端子に接続された配線を前記端子カバー外部に導く配線引出部を有していることを特徴とした。
上述した実施形態では、コネクタカバー750の側面部に、コネクタ端子710から出る配線を外部に導く配線引出部753を設けた。
よって、配線が邪魔となってコネクタカバー750が閉鎖状態にならないようなことなく、確実にコネクタ端子710の閉鎖を行うことが可能となる。
また本発明の別の態様では、更に、前記閉鎖手段は、弾性変形する爪部と、該爪部に係合する係止部とで構成されると共に、前記かしめ部は、前記爪部と係合する係合片を有し、前記爪部は、前記かしめ部を前記閉鎖手段に係合した場合に、前記係止部と前記かしめ部に挟まれる状態となることを特徴とした。
上述した実施形態では、カバーかしめ部755を第1係止部706と第2係止部707が仮止めとなっている状態で挿入すると、第2係止部707に設けられた係合爪部774が、係合突起部772とカバー部係合片755に挟まれて動けなくなって、いわゆるかしめ状態となるような構成とした。
よって、係合爪部774を不正操作しようとしても、2つの部材に挟まれて動かない状態になっているので、不正な操作に対して強いかしめ部を提供できる。
また本発明の別の態様では、更に、前記爪部は、前記係止部と係合する第1爪部と、前記かしめ部と係合する第2爪部を、1つの爪部材に設けていることを特徴とした。
上述した実施形態では、係合爪部774の外側に外側爪部775と、内側に内側爪部776を設けて仮止めとした状態で、第1係止部706に設けられた係合突起部772と、コネクタカバー750のカバーかしめ部755がそれぞれの爪部に係合するような構成とした。
よって、1つの爪部材で2つの部材を係合状態とすることができるので、コストダウンが可能となる。
<付記> 本発明は、
1.
コネクタを有する第一の部品と、
前記第一の部品のケース体と、
前記ケース体に取り付けられるカバー体と、
前記コネクタに接続されるハーネスと、
を備えた遊技台であって、
前記カバー体は、前記コネクタおよび前記ハーネスの少なくとも一方の一部または全部を覆うものとし、
前記カバー体は、係止部を有する弾性変形部材と係合させる係合部を有するものとし、
前記係止部は、係止凸部であり、
前記係合部は、前記係止凸部を侵入させる係合孔部であり、
前記係止凸部を前記係合孔部に侵入させることにより、前記ケース体から前記カバー体を取り外すことが困難となることを特徴とする遊技台、としたので、
不正に強い基板ケースを提供することができる。
また本発明は、
2.
1.に記載の遊技台であって、
前記係止部は、互いに異なる向きに凸形を形成した第一の係止凸部および第二係止凸部とし、
前記係合孔部は、前記第一の係止凸部を侵入させる第一の係合孔部および前記第二の係止凸部を侵入させる第二の係合孔部とする、
ことを特徴とする遊技台、とした。
また本発明は、
3.
1.に記載の遊技台であって、
前記カバー体は、切断部を有するものとし、
前記切断部を切断することにより、前記コネクタから前記ハーネスを取り外すことは容易となるが、前記ケース体から前記第一の部品を取り出すことは困難なままとなる、
ことを特徴とする遊技台、とした。
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。