JP5065793B2 - パンツ型使い捨て紙おむつ - Google Patents

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本発明は、前身頃と後身頃とが両側端の接合縁部において接合されることによりウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツ型使い捨て紙おむつに関し、詳細には前記接合縁部での引き剥がし易さを向上させておむつ交換の容易化を図ったパンツ型使い捨て紙おむつに関する。
従来より、パンツ型使い捨て紙おむつにおいては、両側端に形成される接合縁部の引き剥がし性を向上させるため、接合縁部の接合パターンを変化させたものが提案されている。
例えば、下記特許文献1では、接合部分には、厚みの最も薄い領域、厚みの最も厚い領域及びそれらの中間領域が多数混在して形成され、厚みの最も薄い領域で接合され、厚みの最も厚い領域で接合されておらず、最も薄い領域の面積が接合領域の総面積に対し所定値以内である紙おむつが開示されている。また、下記特許文献2では、両側縁部には、脚周り開口部から所定長さの領域で他の接合部より接合強度を強く形成した紙おむつが開示されている。さらに、下記特許文献3では、両側縁部の接合部に形成される接合線の配列間隔が、ウエスト周り開口部近傍及び脚周り開口部近傍の接合部において、他の接合部よりも密にした紙おむつが開示されている。
一方、下記特許文献4には、片麻痺などの障害を持つ障害者に対し、一方がわ側部からの漏れを防止するため、立体ギャザーの形状が長手方向中心線に対して左右で異なるようにしてある紙おむつが開示されている。
特開2002−219145号公報 特開2006−6780号公報 特開2003−24383号公報 特許第3928518号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に示されるように、おむつ交換時の引き剥がし易さを追求するために接合強度を側縁方向に変化を付けた紙おむつであっても、又は通常のパンツ型使い捨て紙おむつであっても、両側端の接合縁部は、両側が同等の強度で接合されているため、接合強度が両側とも不十分である場合には、接合縁部の一方に剥がれや破れが生じる可能性がある。また、接合部を引き剥がしておむつ交換を行う場合、特に最初に引き剥がす側の接合部において引き剥がし作業性が悪いという欠点があった。このような接合部を引き剥がすには、勢いよく引き剥がす必要があり、その際、勢い余っておむつ内の排泄物が周囲に撒き散らばるおそれがあった。
一方で、側縁部の引き剥がし易さを改善するため、接合部に摘み代を設けたものも市販されているが、十分な摘み代の長さや大きさが確保されていないため、意図した効果は発揮できていない。
また、上記特許文献4に示されるように、片麻痺の障害者が自分でおむつ交換をする場合、両手でつまみ代を持って引き裂くことは不可能か困難であった。
そこで本発明の主たる課題は、前身頃と後身頃とが接合される両側端の接合縁部の接合強度を左右(好ましくは更に上下方向に)で異ならせ、相対的に接合強度の弱い側の接合縁部を引き剥がすようにすることで、おむつ交換の容易化を図ったパンツ型使い捨て紙おむつを提供することにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性のトップシートと裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性本体と、この吸収性本体と一体的に接合され、少なくとも前身頃と後身頃とを構成するとともに、前身頃及び後身頃のそれぞれの領域において、ウエスト部及び胴周り部に沿って多数の弾性伸縮部材が配設された外装シートとから構成され、前記外装シートの前身頃と後身頃とが両側端の接合縁部において熱溶着又は超音波接着によって接合されることによりウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツ型使い捨て紙おむつにおいて、
熱溶着又は超音波接着によって接合された前記両側端の接合縁部の内、一方側接合縁部の全部又は一部の領域に、他方側接合縁部よりも相対的に接合強度を弱く設定した接合強度低減領域を形成することにより、一方側接合縁部の平均接合強度と他方側接合縁部の平均接合強度とを異ならせたことを特徴とするパンツ型使い捨て紙おむつが提供される。
上記請求項1記載の本発明では、前記両側端の接合縁部の内、一方側接合縁部の全部又は一部の領域に、他方側接合縁部よりも相対的に接合強度を弱く設定した接合強度低減領域を形成することにより、一方側接合縁部の平均接合強度と他方側接合縁部の平均接合強度とが異なるように構成されているため、紙おむつの交換時に前記接合強度低減領域が形成された一方側接合縁部から容易に引き剥がすことができるようになる。
請求項2に係る本発明として、透液性のトップシートと裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性本体と、2枚の不織布の間にウエスト部及び胴周り部に沿って多数の弾性伸縮部材が配設され、前記吸収性本体の後身頃側に接合される後身頃用外装シートと、2枚の不織布の間にウエスト部及び胴周り部に沿って多数の弾性伸縮部材が配設され、前記吸収性本体の前身頃側に接合される前身頃用外装シートとから構成されるとともに、製品状態で前記後身頃用外装シートと前身頃用外装シートとが、その両側端の接合縁部において熱溶着又は超音波接着によって接合されることによりウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツ型使い捨て紙おむつにおいて、
熱溶着又は超音波接着によって接合された前記両側端の接合縁部の内、一方側接合縁部の全部又は一部の領域に、他方側接合縁部よりも相対的に接合強度を弱く設定した接合強度低減領域を形成することにより、一方側接合縁部の平均接合強度と他方側接合縁部の平均接合強度とを異ならせたことを特徴とするパンツ型使い捨て紙おむつが提供される。
上記請求項2記載の発明は、外装シートが後身頃用外装シートと前身頃用外装シートとから構成されるパンツ型使い捨て紙おむつとしたものである。
請求項に係る本発明として、前記他方側接合縁部は、側縁方向に沿ってほぼ均一の接合強度としてある請求項1、2いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつが提供される。
上記請求項3記載の発明は、前記接合強度低減領域が形成されない他方側接合縁部について規定したものであり、この他方側接合縁部は、側縁方向に沿ってほぼ均一の接合強度としてあることが望ましい。
ところで、幼児のおむつ交換時に母親が両側端の接合縁部を引き剥がして紙おむつを交換する場合、幼児の左足側の接合縁部から引き剥がす割合が極めて高いということが、多数の被験者による観察結果から得られた。これは、右利きの母親が、仰向けの幼児に対して対面状態でおむつ交換を行う場合が多いということによるものである。
そこで、請求項4に係る本発明として、おむつ装着者の左足側接合縁部に前記接合強度低減領域を形成してある請求項1〜3いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつが提供される。
これにより、幼児と対面状態でおむつ交換を行う母親に対して右手側の接合縁部が引き剥がしやすくなり、おむつ交換の作業が容易化する。
請求項5に係る本発明として、前記接合強度低減領域の平均接合強度は、0.5〜6.0kgf/25mmの範囲に設定してある請求項1〜4いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつが提供される。請求項5記載の発明は、接合強度低減領域の平均接合強度の範囲を具体的に規定したものであり、この範囲内に設定することにより接合縁部の引き剥がし作業が容易化できるようになる。
請求項6に係る本発明として、前記両側端の接合縁部は、任意形状のシールパターンが側縁方向に沿って適宜の間隔で配置され、前記接合強度低減領域では、シールパターンの形状変更及び/又は間隔変更により接合強度の低減が図られている請求項1〜5いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつが提供される。
上記請求項6記載の発明は、接合強度低減領域の接合強度を低減する手段について規定したものである。
請求項7に係る本発明として、前記接合強度低減領域は、おむつ上下方向に複数(n)に分割して構成されるとともに、各分割部分には前記後身頃用外装シートと前身頃用外装シートとが所定のシールパターンによって接合された接合部分と、接合されない非接合部分とが交互に形成され、各分割部分において前記接合部分の合計面積が各分割部分の全面積に占める割合をシール面積率α(i=1、2、3、…、n:単位%)とし、このシール面積率が最大となる分割部分のシール面積率αを最大シール面積率αmax(単位%)、最小となる分割部分のシール面積率αを最小シール面積率αmin(単位%)とし、これらの差(αmax−αmin)が10%〜80%である請求項1〜6いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつが提供される。
上記請求項7記載の発明では、接合強度低減領域が複数に分割して構成され、各分割部分に異なったシールパターンで接合部分が形成された場合、接合強度低減領域内で大幅に接合強度が異なるのは好ましくないため、シール面積率を所定範囲内に制限したものである。
請求項8に係る本発明として、前記接合強度低減領域は、一方側接合縁部の上方部分にのみ形成してある請求項1〜7いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつが提供される。
請求項9に係る本発明として、前記接合強度低減領域は、一方側接合縁部の中央部分にのみ形成してある請求項1〜7いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつが提供される。
請求項10に係る本発明として、前記接合強度低減領域は、一方側接合縁部の側縁に沿って適宜の間隔領域毎に形成してある請求項1〜7いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつが提供される。
上記請求項8〜10記載の発明は、接合強度低減領域を一方側接合縁部の一部に形成する場合の形成パターンの例を示したものである。
請求項11に係る本発明として、前記接合強度低減領域を形成した一方側接合縁部に、外部から識別可能な彩色、文字、絵図、形状、デザインなどの識別手段が設けられている請求項1〜10いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつが提供される。
上記請求項11記載の発明では、前記接合強度低減領域が形成してある一方側接合縁部を外部から識別可能なように識別手段を設けたものである。
以上詳説のとおり、前身頃と後身頃とが接合される両側端の接合縁部の接合強度を左右(好ましくは更に上下方向に)で異ならせ、相対的に接合強度の弱い側の接合縁部を引き剥がすようにすることで、おむつ交換の容易化が図れるようになる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明に係る使い捨て紙おむつ1の製品状態外観図であり、図2はその展開図、図3は図2のIII−III線矢視図、図4は図2のIV−IV線矢視図である。なお、図面の所要部位において接着部位を×印で明示している。
本発明に係る使い捨て紙おむつ1(以下、単に紙おむつという。)は、不織布などからなる透液性表面シート11と、ポリエチレン等からなる防漏シート12との間に、綿状パルプなどからなる吸収体13を介在させた吸収性本体10と、使用面側に配設される上層不織布21A及び非使用面側に配設される下層不織布21Bの間にウエスト部23及び胴周り部24に沿って多数の弾性伸縮部材26…、28…が配設され、前記吸収性本体10の後身頃B側に接合される後身頃用外装シート20と、使用面側に配設される上層不織布31A及び非使用面側に配設される下層不織布31Bの間にウエスト部21及び胴周り部22に沿って多数の弾性伸縮部材25…、27…が配設され、前記吸収性本体10の前身頃F側に接合される前身頃用外装シート30とから構成されている。すなわち、本形態例に係る紙おむつ1は、吸収性本体10を覆う外装シートが後身頃と前身頃とで2分割されたシートで構成されている。そして、前記後身頃用外装シート20と前身頃用外装シート30とが両側部の接合部40A、40Bにおいて接合されることにより、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツ型となっている。
さらに具体的には、前記後身頃用外装シート20は、不織布などからなる2枚の上層不織布21A、下層不織布21Bと、その間に、ウエスト開口部回りのウエスト部23に配置されたウエスト部弾性伸縮部材26、26…と、胴周り部24の上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置された複数の胴周り弾性伸縮部材28、28…とを備えている。
前記前身頃用外装シート30は、不織布などからなる2枚の上層不織布31A、下層不織布31Bと、その間に、ウエスト開口部回りのウエスト部21に配置されたウエスト部弾性伸縮部材25、25…と、胴周り部22の上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置された複数の胴周り弾性伸縮部材27、27…とを備えている。
特に本発明では、前記両側端の接合縁部40A、40Bの内、一方側接合縁部40Aの全部又は一部の領域に、他方側接合縁部40Bよりも相対的に接合強度を弱く設定した接合強度低減領域50を形成することにより、一方側接合縁部40Aの平均接合強度と他方側接合縁部40Bの平均接合強度とを異ならせている。
以下、前記吸収性本体10と後身頃用外装シート20と前身頃用外装シート30との構造、およびその組立構造、並びに接合縁部40A、40Bの構造について順に説明する。
(吸収性本体10の構造)
図2に示されるように、吸収体13は、図示例では平面形状を略方形状として成形されたものが使用され、その幅寸法は股間部への当たりによって着用者にゴワ付き感を与えない寸法幅となっている。この吸収体13は、形状保持と透液性表面シート11を透過した体液の拡散性向上のためにクレープ紙や不織布等のシートからなる包被シート14によって囲繞されている。前記吸収体13は、積繊パルプやトウからなる繊維集合体に吸収性ポリマーを内在させたものが好ましい。繊維集合体を構成する繊維(以下、単にトウ構成繊維という)としては、例えば、多糖類又はその誘導体(セルロース、セルロースエステル、キチン、キトサンなど)、合成高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリラクタアミド、ポリビニルアセテートなど)などであり、特に、セルロースエステルおよびセルロースが好ましい。高吸収性ポリマーとしては、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸およびその塩類、アクリル酸塩重合体架橋物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、ポリオキシエチレン架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド等の水膨潤性ポリマーを部分架橋したもの、あるいはイソブチレンとマレイン酸との共重合体等が好適に用いられる。前記吸収体13としては、嵩を小さくできるエアレイド吸収体を用いるのが特に好ましい。
前記吸収体13の表面側(肌当接面側)を覆う透液性表面シート11としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、スパンボンド法はドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法及びエアスルー法は嵩高でソフトである点で優れている。透液性表面シート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。前記透液性表面シート11は、吸収体13の側縁部を巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在している。
前記吸収体13の裏面側(非肌当接面側)を覆う防漏シート12は、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの不透液性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートは、たとえばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートであり、仮にシート厚が同じであれば無孔シートよりも剛性が低下するため、柔軟性の点で勝るものとなる。
一方、立体ギャザーBSを形成するギャザー不織布15は、図3および図4に示されるように、折返しによって二重シートとした不織布が用いられ、前記透液性表面シート11によって巻き込まれた吸収体13の側縁部をさらにその上側から巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在して接着されている。より具体的には、前記ギャザー不織布15は、図3に示される紙おむつの長手方向中間部では、立体ギャザーBS形成部分を残し、幅方向中間部から吸収体13の裏面側に亘る範囲がホットメルト接着剤等によって接着され、また長手方向前後端部では図4に示されるように、前記幅方向中間部から一方側端縁までの区間が吸収体13の裏面側に亘る範囲で接着されるとともに、前記立体ギャザーBSを形成する部分を吸収体13の上面部にて折り畳むようにしながらホットメルト接着剤等により接着している。
前記二重シート不織布によって形成されたギャザー不織布15の内部には、起立先端側部分に複数本の糸状弾性伸縮部材16、16…が配設されるとともに、吸収体13の側縁部近傍部位に糸状弾性伸縮部材17が配設され、さらに吸収体13の裏面がわ側部に糸状弾性伸縮部材18が夫々配設されている。前記先端部弾性伸縮部材16、16…は、主にはその弾性伸縮力により吸収体側縁部より突出する不織布部分を起立させて立体ギャザーBSを形成するためのものであり、前記糸状弾性伸縮部材17、18は、主にその弾性伸縮力により図5の製品状態図に示されるように、吸収体13の側部を屈曲させ、吸収体13の側部によって立体ギャザーBSの基端側部分を構成するためのものである。前記屈曲部から吸収体側縁までの吸収体13の起立高さHLは、5〜30mm、好ましくは20〜30mmとするのが望ましい。前記起立高さHLが5mm未満の場合には、短すぎて吸収体側部を屈曲させることが困難になるとともに、肌に対する十分なフィット性が確保できない。また、起立高さHLが30mmを超えると、起立長さが長過ぎて効果的に屈曲させることができないなどの問題が生じる。
前記防漏シート12は、前記二重シート状のギャザー不織布15の内部まで進入し、図5に示されるように、立体ギャザーBSの下端側において防漏壁を構成するようになっている。かかる防漏シート12としては、排便や尿などの褐色が出ないように不透明のものを用いるのが望ましい。不透明化としては、プラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を内添してフィルム化したものが好適に使用される。なお、前記ギャザー不織布15の内部の防漏シートは、前記吸収体13の裏面側を覆う防漏シート12とは別のシートを介在させてもよい。
前記糸状弾性伸縮部材16〜18としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル、天然ゴム等の素材を用いることができる。また、外側から見え難くするため、太さは925dtex以下、テンションは150〜350%として配設するのがよい。なお、前記糸状弾性伸縮部材に代えて、ある程度の幅を有するテープ状弾性伸縮部材を用いるようにしてもよい。
前述のギャザー不織布15を構成する素材繊維も前記透液性表面シート11と同様に、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法にて得られた不織布を用いることができるが、特にはムレを防止するために坪量を抑えて通気性に優れた不織布を用いるのがよい。さらに前記ギャザー不織布15については、尿などの透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロイド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。
さらに、図3に示されるように、後身頃用外装シート20と前身頃用外装シート30との間の股間部において、前記吸収性本体10の外面に不織布シート19を配設することが好ましい。この場合、前記不織布シート19は、後身頃用外装シート20及び前身頃用外装シート30の下層不織布21B、31Bと同じ素材のものを用いるようにする。これにより、前記不織布シート19と、後身頃用外装シート20及び前身頃用外装シート30との境界が目立たなくなる。また、前記不織布シート19は、後身頃用外装シート20及び前身頃用外装シート30の下層不織布21B、31Bと異なる素材のものを用いるようにしてもよい。股間部に位置する前記不織布シート19は、着用者の股の間で擦れることが多いため、前後身頃のシートよりも柔軟性、耐摩耗性に優れた不織布素材を用いることが好ましい。前記不織布シート19の耐摩耗性を向上するためには、不織布シート19の外面側からエンボスを施すことにより、不織布シート19と防漏シート12との一体化を図るようにすることができる。
(後身頃用外装シート20の構造)
前記後身頃用外装シート20は、図2及び図6に示されるように、使用面側に配設される上層不織布21A及び非使用面側に配設される下層不織布21Bからなる2層構造の不織布シートとされ、前記上層不織布21Aと下層不織布21Bとの間に、ウエスト部23及び胴周り部24の上下方向に間隔をおいて水平方向に沿ってウエスト部弾性伸縮部材26…と、複数の胴周り部弾性伸縮部材28…とが配設され、水平方向に伸縮性が付与されている。かかる後身頃用外装シート20は、前記吸収性本体10の後身頃B側に接着される。
前記ウエスト部弾性部材26…は、ウエスト開口縁近傍のウエスト部23に上下方向に間隔をおいて配設された複数条の糸ゴム状弾性部材であり、身体のウエスト部回りを締め付けるように伸縮力を与えることにより紙おむつを身体に装着させる。このウエスト部弾性伸縮部材26…は、図示例では糸ゴムを用いたが、例えばテープ状の伸縮部材やネット状の伸縮部材を用いてもよい。
前記胴周り弾性部材28…は、脇部接合範囲の内、概ねウエスト部を除く上部から下部までの範囲に亘り、上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配設された糸ゴム状の弾性伸縮部材であり、後身頃Bの胴周り部分に夫々水平方向の伸縮力を与え、紙おむつを身体に密着させる。なお、前記ウエスト部弾性伸縮部材26…と胴周り弾性伸縮部材28…との境界は必ずしも明確でなくてよい。例えば、後身頃Bに上下方向に間隔をおいて水平方向に配置された弾性部材の内、数は特定できなくても、上部側の何本かがウエスト部弾性伸縮部材として機能し、残りの弾性部材が胴周り弾性伸縮部材として機能していればよい。
前記上層不織布21Aと下層不織布21Bとは、少なくとも弾性伸縮部材を配置する領域の実質的に全面に亘って、超音波接着、ホットメルト接着、ヒートシール接着などによって接着されていることが好ましい。また、弾性伸縮部材の固定をさらに確実にするために、コントロールシーム塗布、オメガ塗布又はシュアラップ塗布といった、公知の直接塗布方式により弾性伸縮部材の周面にホットメルト接着剤を塗布し、接着力を強化しても良い。この場合、接着力を強化する必要がある部位のみ、弾性伸縮部材にホットメルト接着剤を直接塗布すれば良い。
前記胴周り弾性部材28…は、吸収性本体10上を横断するように連続して配置するようにしてもよいが、好ましくは図示されるように、吸収体13の縮こまりをより防止するため、吸収性本体10を横切る弾性伸縮部材を切断し、不連続とするのがよい。このような場合、弾性伸縮部材には全長に亘ってホットメルト接着剤を直接塗布して接着力を強化しても良いが、弾性伸縮部材を切断しない部位のみ、弾性伸縮部材にホットメルト接着剤を直接塗布すれば、細かく切断された弾性伸縮部材が外装シートを細かく収縮させ、外観を損ねることが無いので好ましい。
前記弾性伸縮部材28…を切断し不連続化するには、特開2002-35029号公報、特開2002-178428号公報及び特開2002-273808号公報に記載される切断方法が好適に採用される。同公報に記載される弾性伸縮部材の切断方法は、基本的には図7に示されるように、前記後身頃用外装シート20となる外装シート用連続シートW1を製造した後、表面に凸部を複数個配列したエンボスヒートロール44と、このエンボスヒートロール44と対向する対向ロール45との間に前記外装シート用連続シートW1を通過させ、この外装シート用連続シートW1の弾性伸縮部材を前記エンボスヒートロール44の凸部および対向ロール45間での加圧および加熱の内の少なくとも一方により切断するものである。
対向ロール45は、エンボスヒートロール44のエンボス部44aのみと当接するように、図8(a)に示すように、エンボスヒートロール44と離間させておくと良く、両ロールの回転によって、図8(b)に示されるように、エンボス部44aが下がってくると対向ロール45と当接することとなる。
好ましいエンボスパターンの例を図9(a)、(b)に示す。図9(a)は複数の線状の凸部を千鳥状に配設したエンボスパターンである。図9(b)は、菱形状の凸部が千鳥状に配設されたエンボスパターンである。このようなエンボスパターンを用いる場合最も重要なのは、切断対象となる伸縮部材のそれぞれが、前記凸部群により複数個所で切断されるように、凸部群が配列されていることであり、その範囲であれば凸部の寸法と配列は自由である。
凸部の形状は、上記線状、菱形状に限られず、斜線、円形、三角形、星型、その他の多角形等、適用可能である。凸部の各列によって変えることも出来る。
以上の構成によって、弾性伸縮部材が切断されるとともに、弾性伸縮部材以外の上層不織布及び下層不織布に多数の小さなシール部群が形成され、切断領域において上下シートが接合されることとなる。各シール部は離間しており一つ一つが小さいので、ヒートシールによってフィルム化しても、長い連続線の場合に比べ、着用者に対し不快悪を与えることがない。
さらに、上記形態例における離間配置されている凸部を有するエンボスヒートロールに代えて、図10に示すように、長さ1〜25mm、幅0.5〜15mmの凹部群を有し、桟の幅が0.5〜5mmの格子状凸部44Eを有するエンボスヒートロールを使用することもできる(他の形態)。
また、後身頃用外装シート20の両側部において、前身頃用外装シート30との接合部40A、40Bに配置された胴周り部24の弾性伸縮部材28…も、細かく切断されることが好ましい。これにより両側部が、接合部40A、40Bが剥がれたり歪んだりしない平滑な固着領域となる。前記両側部の切断範囲は、10〜50mm、好ましくは15〜30mmとするのがよい。
前記後身頃用外装シート20の上層不織布21A及び下層不織布21Bの構成素材としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用い、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法にて得られた不織布を用いることができる。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型のバイコンポーネント不織布やサイドバイサイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維による不織布を用いることができる。前記バイコンポーネント不織布は、熱融着性に優れたものとすることができるため好ましい。
前記上層不織布21A、下層不織布21Bの繊度は、構成繊維の80%以上が0.5〜3.3dtex、強い係合力を得るなら2.2〜5.5dtexのものとすることが好ましい。両者のバランスを考慮すると、2.2〜3.3dtexとすることが好ましい。
また、前記弾性伸縮部材は、細かく切断した後に目立たないように、透明度の高いものを使用することが好ましい。
(前身頃用外装シート30の構造)
前身頃用外装シート30は、前記後身頃用外装シート20とほぼ同様の構造であり、図2及び図6に示されるように、使用面側に配設される上層不織布31A及び非使用面側に配設される下層不織布31Bからなる2層構造の不織布シートとされ、前記上層不織布31Aと下層不織布31Bとの間の水平方向に各種弾性伸縮部材25…、27…が配設され、水平方向に伸縮性が付与されている。
その他の基本的な構成については、上記後身頃用外装シート20と同様である。
(紙おむつの組立)
前記吸収性本体10と後身頃用外装シート20と前身頃用外装シート30とは、図6に示されるように、後身頃用外装シート20及び前身頃用外装シート30の上面側に吸収性本体10がホットメルト等の接着剤によって接着され一体化される。そして、吸収性本体10が折り返しラインSにて前後方向に折り重ねられ、前身頃Fの接合部40A、40Bと後身頃Bの接合部40A,40Bとを熱溶着、ホットメルト接着剤又は超音波接着などによって接合することにより、図1に示されるパンツ型紙おむつ1に組み立てられる。
(接合縁部の構造)
本発明では、図1に示されるように、前記両側端の接合縁部40A、40Bの内、一方側接合縁部40Aの全部又は一部の領域に、図示例では一方側接合縁部40Aの上方部分Sに、他方側接合縁部40Bよりも相対的に接合強度を弱く設定した接合強度低減領域50を形成することにより、一方側接合縁部40Aの平均接合強度と他方側接合縁部40Bの平均接合強度とを異ならせている。これにより、接合強度低減領域50が形成された、相対的に弱い接合強度の一方側接合縁部40Aから紙おむつ1を容易に引き剥がすことができるようになり、おむつ交換の作業性が向上する。一方、他方側接合縁部40Bは、側縁方向に沿ってほぼ均一の接合強度とするのが望ましい。前記一方側接合縁部40Aが引き剥がされれば、この一方側接合縁部40Aが大きく開いた状態から、他方側接合縁部40Bも容易に引き剥がすことができるようになり、これによって両側端の接合縁部において引き剥がし作業が容易化される。
なお、実際のおむつ両側端の接合縁部では、ウエスト開口部からレッグ開口部にかけて常に上層不織布及び下層不織布が介在した2枚重ねとは限らず、ウエスト開口部において下層不織布が内側に折り込まれることにより2枚の下層不織布と上層不織布とが重なった3枚重ね部分が形成されたり、レッグ開口部において上層不織布又は下層不織布のいずれか一方のみからなる1枚部分が形成されたりする。この場合、従来より、前記3枚重ね部分や1枚部分では部分的にシールパターンを変えて、接合縁部に亘って均等な接合強度となるような調整が行われていた。このように、接合縁部に亘って不織布の重なり部分が変化する場合であっても、適宜調整して、両側端の接合縁部40A、40Bの内、一方側接合縁部40Aの全部又は一部の領域に他方側接合縁部40Bよりも相対的に接合強度を弱く設定した接合強度低減領域50を形成することにより、本発明は実施可能である。
特に、前記接合強度低減領域50は、おむつ装着者の左足側の接合縁部40Aに形成されることが好ましい。これは、ベビー用紙おむつにおいて母親が紙おむつを交換する際の作業性を考慮したものであり、具体的には、母親が仰向けの幼児と対面状態でおむつ交換を行う際に、多数の被験者による紙おむつの引き剥がし作業を観測した結果、極めて高い割合で幼児の左足側の接合縁部から紙おむつを引き剥がしていたため前述の構成としたものである。
前記接合強度低減領域50の平均接合強度は、平均0.5〜6.0kgf/25mmの範囲に設定してあることが好ましく、1.0〜3.0kgf/25mmの範囲に設定してあることがより好ましい。この範囲以下では使用時に破れを生じるおそれがあり、この範囲以上では接合が強すぎて簡単に引き裂くことができなくなる。ここで、前記平均接合強度を測定するには、25mm幅に切り取った接合縁部を、500mm/minの速度で引張試験を行ったときの引張強度から測定することができる。
前記接合強度低減領域50の接合強度の低減を図るには、両側端の接合縁部40Aに任意形状のシールパターンを側縁方向に沿って適宜の間隔で配置し、接合強度低減領域50では、シールパターンの形状変更及び/又は間隔変更によってなされるようにする。また他の手段として、接合強度低減領域50で、接合手段の仕様の変更によって接合強度を変えるようにしてもよい。さらに、これらの組合せであっても良い。ここで、前記シールパターンとしては、直線状、曲線状、直線と曲線の複合形状、円状、楕円状、3つ以上の頂点を持つ多角形状又はこれらの組み合わせとすることができる。
前記シールパターンの形状変更及び/又は間隔変更による接合強度の低減化手段について、具体的な実施例を挙げて詳述すると、図11に示されるように、接合縁部40Aが、後身頃用外装シート20と前身頃用外装シート30とが直線状のシールパターン「−」(シール長さL、シール幅d)で接合された接合部分40aと、接合されない非接合部分40bとが交互に等間隔(シール間隔P)で形成されてなる場合について考える。この場合、接合強度低減領域50は、シールパターンのシール長さL及び/又はシール幅dを小さくすること、すなわち接合面積を小さくすることによって形成することができる。また、隣接する接合部分40aの間隔(シール間隔P)を大きくすることによっても形成することができる。ただし、前記シール間隔Pは、非接合部40bに指が入り込まないようにするため、又は接合部分40aに過大な引張力が生じないようにするため、14mm以内とすることが好ましい。
なお、直線状のシールパターン「−」の場合、シール長さLは1〜20mm、好ましくは3〜10mmとし、シール幅dは0.1〜5mm、好ましくは0.1〜2mmとし、シール間隔Pは0.5〜14mmとすることが望ましい。
さらに、前記接合強度低減領域50が、おむつ上下方向に複数(n)に分割して構成され、各分割部分で異なったシールパターンの接合部分40aが形成される場合について考える。この場合、各分割部分で大幅に接合強度が異なるのは好ましくないため、各シールパターンの接合面積が各分割部分の全面積に占める割合をシール面積率α(i=1、2、3、…、n:単位%)としたとき、このシール面積率αの最大値である最大シール面積率αmax(単位%)と、最小値である最小シール面積率αmin(単位%)との差(αmax−αmin)が、10%〜80%であることが好ましく、20〜50%であることがより好ましい。
次に、他の接合手段の仕様によって接合強度を変える方法について詳述する。超音波接合又はヒートシール接合において、超音波発振装置(ホーン)とアンビルとのクリアランス、圧力、超音波出力などを変更することによって接合強度を調整することができる。例えば、前記超音波接合の場合、超音波発振装置(ホーン)とアンビルとのクリアランスを大きくし、超音波の出力を小さくし、或いは溶着時間を短くすれば接合強度が小となる。また、前記ヒートシール接合の場合、圧力を小さくし、溶着時間を短くすれば接合強度は小となる。
ところで、前記接合強度低減領域50は、図1、図12に示されるように、一方側接合縁部40Aの全部又は一部の領域に形成することができる。図1は、左足側接合縁部40Aのおむつ上方部分Sにのみ形成したものである。これにより、特におむつ上方側からの引き剥がしが容易になる。図12(A)は、おむつ装着者に対して左足側接合縁部40Aの全長Sに亘って形成したものである。これにより、おむつ上方側からでも下方側からでも同じように、容易に引き剥がすことができる。図12(B)は、左足側接合縁部40Aの中央部分Sにのみ形成したものである。これにより、おむつ装着時に誤って接合強度低減領域50から引き剥がれるのを防止できる。図12(C)は、左足側接合縁部40Aの側縁に沿って適宜の間隔領域S、S…毎に形成したものである。
また、一方側接合縁部40Aと他方側接合縁部40Bとで、異なる形状または配列のシールパターンを用いれば、接合強度低減領域50を形成した一方側接合縁部40Aが使用時に容易に識別できるため好ましいが、一方側接合縁部40A及び/又は他方側接合縁部40Bには、一方側と他方側とが区別できるように外部から識別可能な彩色、文字、絵図、形状、デザインなどの識別手段が設けられるようにすれば、識別がさらに容易になるため好ましい。なお、前記識別手段は、後身頃用外装シート20及び/又は前身頃用外装シート30に直接設けられるようにしてもよいし、該識別手段が施された別体のシートが介在されるようにしてもよい。識別手段が施された別体のシートを介在させる場合は、一方側接合縁部40Aには後身頃用外装シート20及び前身頃用外装シート30を構成する不織布と融点の異なるもの(特に融点が5℃以上高いもの)を用いれば、接合強度を低下させることができるため好ましく、他方側接合縁部40Bには後身頃用外装シート20及び前身頃用外装シート30を構成する不織布に融点が近い(±5℃以内、特に±1℃以内)ものを用いると、接合強度を向上させることができるため好ましい。
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、吸収性本体10を覆う外装シートが後身頃用外装シート20と前身頃用外装シート30とからなる2分割されたシートで構成されるようにしたが、図13に示されるように、吸収性本体10と一体的に接合され、少なくとも前身頃Fと後身頃Bとを構成するとともに、前身頃F及び後身頃Bのそれぞれの領域において、ウエスト部及び胴周り部に沿って多数の弾性伸縮部材25〜28が配設された外装シート20’によって構成されるようにしてもよい。
(2)上記形態例では、前身頃Fと後身頃Bとが決められた紙おむつ1の一方側接合縁部40Aに接合強度低減領域50が形成されるようにしたが、前身頃と後身頃の区別がない前後対称の紙おむつとして、一方側接合縁部40Aに接合強度低減領域50を形成するようにしてもよい。これにより、引き剥がし易い方向に任意に接合強度低減領域50が備えられるように装着できるようになる。なお、前身頃と後身頃の区別がない前後対称の紙おむつとは、前身頃と後身頃のどちらを前にして装着しても同じように使用することのできる紙おむつのことを指し、二つに折った状態で前身頃と後身頃を重ねると、一方の面積の80%以上、特に90%以上が他方と重なるような、略前後対称の形状であることが好ましく、また、例えば後処理テープのような付加的構成物が前身頃と後身頃のどちらか一方にあっても良いものとする。
(3)上記形態例では、後身頃用外装シート20及び前身頃用外装シート30に配設される弾性伸縮部材は、ウエスト部弾性伸縮部材25…、26…と、前身頃F及び後身頃Bに上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置された複数の胴周り弾性伸縮部材27…、28…との2種類としたが、脚周りに沿って弾性伸縮部材を配置することも可能である。
本発明の第1形態例に係るパンツ型使い捨て紙おむつ1の製品外観図である。 その展開図である。 図2のIII−III線矢視図である。 図2のIV−IV線矢視図である。 製品状態における図2のIII−III線矢視相当図である。 吸収性本体10と後身頃用外装シート20及び前身頃用外装シート30との分解斜視図である。 外装シート用連続シートW1の組立て要領を示す、(A)は模式図、(B)はその要部平面図である。 エンボスヒートロール及び対向ロールの動作態様の説明図である。 (a)、(b)は千鳥状配列のエンボスパターンの例を示す説明図である。 格子状エンボスパターンの例を示す説明図である。 接合強度低減領域50を示す拡大図である。 (A)〜(D)は、接合強度低減領域の形成パターンを示す紙おむつ1の製品外観図である。 他の形態例に係る紙おむつ1を示す分解斜視図である。
符号の説明
1…パンツ型使い捨て紙おむつ、10…吸収性本体、11…透液性表面シート、12…防漏シート、13…吸収体、14…包被シート、15…ギャザー不織布、16〜18…糸状弾性伸縮部材、20…後身頃用外装シート、21A・31A…上層不織布、21B・31B…下層不織布、21・23…ウエスト部、22・24…胴周り部、25・26…ウエスト部弾性伸縮部材、27・28…胴周り部弾性伸縮部材、30…前身頃用外装シート、40A・40B…接合縁部、50…接合強度低減領域、40a…接合部分、W1…外装シート用連続シート

Claims (11)

  1. 透液性のトップシートと裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性本体と、この吸収性本体と一体的に接合され、少なくとも前身頃と後身頃とを構成するとともに、前身頃及び後身頃のそれぞれの領域において、ウエスト部及び胴周り部に沿って多数の弾性伸縮部材が配設された外装シートとから構成され、前記外装シートの前身頃と後身頃とが両側端の接合縁部において熱溶着又は超音波接着によって接合されることによりウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツ型使い捨て紙おむつにおいて、
    熱溶着又は超音波接着によって接合された前記両側端の接合縁部の内、一方側接合縁部の全部又は一部の領域に、他方側接合縁部よりも相対的に接合強度を弱く設定した接合強度低減領域を形成することにより、一方側接合縁部の平均接合強度と他方側接合縁部の平均接合強度とを異ならせたことを特徴とするパンツ型使い捨て紙おむつ。
  2. 透液性のトップシートと裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性本体と、2枚の不織布の間にウエスト部及び胴周り部に沿って多数の弾性伸縮部材が配設され、前記吸収性本体の後身頃側に接合される後身頃用外装シートと、2枚の不織布の間にウエスト部及び胴周り部に沿って多数の弾性伸縮部材が配設され、前記吸収性本体の前身頃側に接合される前身頃用外装シートとから構成されるとともに、製品状態で前記後身頃用外装シートと前身頃用外装シートとが、その両側端の接合縁部において熱溶着又は超音波接着によって接合されることによりウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツ型使い捨て紙おむつにおいて、
    熱溶着又は超音波接着によって接合された前記両側端の接合縁部の内、一方側接合縁部の全部又は一部の領域に、他方側接合縁部よりも相対的に接合強度を弱く設定した接合強度低減領域を形成することにより、一方側接合縁部の平均接合強度と他方側接合縁部の平均接合強度とを異ならせたことを特徴とするパンツ型使い捨て紙おむつ。
  3. 前記他方側接合縁部は、側縁方向に沿ってほぼ均一の接合強度としてある請求項1、2いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつ。
  4. おむつ装着者の左足側接合縁部に前記接合強度低減領域を形成してある請求項1〜3いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつ。
  5. 前記接合強度低減領域の平均接合強度は、0.5〜6.0kgf/25mmの範囲に設定してある請求項1〜4いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつ。
  6. 前記両側端の接合縁部は、任意形状のシールパターンが側縁方向に沿って適宜の間隔で配置され、前記接合強度低減領域では、シールパターンの形状変更及び/又は間隔変更により接合強度の低減が図られている請求項1〜5いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつ。
  7. 前記接合強度低減領域は、おむつ上下方向に複数(n)に分割して構成されるとともに、各分割部分には所定のシールパターンによって接合された接合部分と、接合されない非接合部分とが交互に形成され、各分割部分において前記接合部分の合計面積が各分割部分の全面積に占める割合をシール面積率α(i=1、2、3、…、n:単位%)とし、このシール面積率が最大となる分割部分のシール面積率αを最大シール面積率αmax(単位%)、最小となる分割部分のシール面積率αを最小シール面積率αmin(単位%)とし、これらの差(αmax−αmin)が10%〜80%である請求項1〜6いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつ。
  8. 前記接合強度低減領域は、一方側接合縁部の上方部分にのみ形成してある請求項1〜7いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつ。
  9. 前記接合強度低減領域は、一方側接合縁部の中央部分にのみ形成してある請求項1〜7いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつ。
  10. 前記接合強度低減領域は、一方側接合縁部の側縁に沿って適宜の間隔領域毎に形成してある請求項1〜7いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつ。
  11. 前記接合強度低減領域を形成した一方側接合縁部に、外部から識別可能な彩色、文字、絵図、形状、デザインなどの識別手段が設けられている請求項1〜10いずれかに記載のパンツ型使い捨て紙おむつ。
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