JP5064799B2 - 燃料電池発電システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池発電システムに関する。より詳しくは、流体供給装置に劣化が生じているか否かを判定し、劣化の程度に応じて、可能な範囲で発電を継続し、または運転を停止する、燃料電池発電システムに関する。
燃料電池発電システムを運転する場合には、空気や水等の流体が、必要な量だけ過不足なく改質器や燃料電池等に供給される必要がある。ここで、従来の燃料電池発電システムにおいては、ブロワやポンプ等の流体供給装置により流体が供給され、流体の流量が流量計により測定される(例えば、特許文献1参照)。図20は、前記特許文献1に記載された従来の燃料電池発電システムの構成を概略的に示すブロック図である。図20に示すように、従来の燃料電池発電システムは、燃料電池、燃料処理装置、燃料処理装置に原料ガスを供給するブロワ、燃料処理装置に水を供給するポンプ、水の流量を検出する流量計を備えている。
また、燃料電池発電システムにおいて、燃料電池のスタック等に異常が発生した場合、そのまま運転を継続すると、装置の故障等が起こりかねない。このため、従来の燃料電池発電システムにおいて、燃料電池スタックの性能を監視する装置等を備える場合もある(例えば、特許文献2参照)。前記特許文献2においては、燃料電池スタックにおける異常が検知された場合に、燃料電池発電システムと負荷を切り離す等の対処方法が提案されている。
燃料電池は発電反応により熱を発生するため、内部に冷却水をポンプ等で循環させて熱を除去している。ポンプ等の異常により冷却水の循環が滞ると、燃料電池が熱により深刻な損傷を受ける場合がある。そのため燃料電池を保護すべく、冷却水路の差圧を検出し、異常であった場合に異常報知または強制的に停止する方法(特許文献3)、冷却水温度、冷却水流量等のプロセス値の異常時に燃料電池の出力を下げることでプロセス値を正常に戻し、運転を継続する方法(特許文献4)、冷媒流量または冷媒圧力を検出し、異常であった場合に、燃料電池の出力を制限または運転を停止させる方法(特許文献5)が提案されている。
特開2003−257463号公報 特開2000−67896号公報 特開2003ー168454号公報 特開平8−195208号公報 特開2002−184435号公報
特許文献3乃至5に記載のように、冷却水系の異常があった場合に燃料電池発電システムの運転が停止されると、電力供給は停止する。燃料電池発電システムはライフライン的な役割も担っており、突然の運転停止は家庭生活等に深刻な影響を与えてしまうという問題があった。また、燃料電池を利用したコージェネシステムの場合、運転を継続する時間が長いほどエネルギーコストが低減し、経済性は向上する。異常が発生する度に運転が停止されれば、システムの起動にエネルギーを要することもあり、経済性が低下することになる。
ここで、特許文献3乃至5に記載のように、冷却水系の異常があった場合に、燃料電池の出力を制限して運転を継続すると、経済性が向上する場合がある。しかし、冷却水系の異常が深刻であったり、劣化が進行した場合に、システムの状態に合わせて出力を極端に落とすと、逆に経済性が悪化する場合がある。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、燃料電池の冷却水等、燃料電池発電システムに関連した流体供給装置の劣化や異常のレベルに応じて、経済性が確保される運転制御が行われる燃料電池発電システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池発電システムは、燃料電池と、前記燃料電池の発電と関連する流体を供給する1以上の流体供給装置の少なくとも1つである劣化判定対象と、前記劣化判定対象が供給する流体の流量を検出する流量検出手段と、前記劣化判定対象が供給する流体の流量を制御する流量制御手段と、燃料電池発電システムの運転を制御する運転制御手段とを備え、前記運転制御手段は、前記流量制御手段が前記劣化判定対象に所定の出力指令値を与えた場合に前記劣化判定対象が供給する流体の流量が第1の劣化範囲に存在する場合は燃料電池の電力出力を低減させ、前記流量が前記第1の劣化範囲よりも小さい第2の劣化範囲に存在する場合は運転を停止させるものであり、前記所定の出力指令値は前記劣化判定対象に与えられる出力指令値の上限値であり、前記劣化判定対象が、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給装置、及び前記燃料電池に燃料を供給する燃料供給装置の少なくともいずれか一方である。かかる構成では、劣化判定対象に第1の劣化が生じている場合には電力出力が低減され、酸化剤または燃料の流量不足を防止しつつ運転を継続することが可能となる。また、流体供給装置に第2の劣化が生じている場合には運転を停止することが可能となる。よって、運転停止を必要最小限度に留めつつ、必要な場合には運転を停止することができ、経済性を確保することが可能となる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池発電システムは、水と原料から燃料を生成する燃料処理装置と、燃料電池と、前記燃料電池の発電と関連する流体を供給する1以上の流体供給装置の少なくとも1つである劣化判定対象と、前記劣化判定対象が供給する流体の流量を検出する流量検出手段と、前記劣化判定対象が供給する流体の流量を制御する流量制御手段と、燃料電池発電システムの運転を制御する運転制御手段とを備え、前記運転制御手段は、前記流量制御手段が前記劣化判定対象に所定の出力指令値を与えた場合に前記劣化判定対象が供給する流体の流量が第1の劣化範囲に存在する場合は燃料電池の電力出力を低減させ、前記流量が前記第1の劣化範囲よりも小さい第2の劣化範囲に存在する場合は運転を停止させるものであり、前記所定の出力指令値は前記劣化判定対象に与えられる出力指令値の上限値であり、前記劣化判定対象が、前記燃料処理装置に水を供給する水供給装置、及び前記燃料処理装置に原料を供給する原料供給装置の少なくともいずれか一方である。かかる構成では、劣化判定対象に第1の劣化が生じている場合には電力出力が低減され、水または原料の流量不足を防止しつつ運転を継続することが可能となる。また、流体供給装置に第2の劣化が生じている場合には運転を停止することが可能となる。よって、運転停止を必要最小限度に留めつつ、必要な場合には運転を停止することができ、経済性を確保することが可能となる。
上記燃料電池発電システムにおいて、前記所定の出力指令値が、前記流体制御手段により実際に与えられた出力指令値であり、前記劣化判定対象が供給する流体の流量が、前記出力指令値を与えられたときの前記流量検出手段による流量の検出値であってもよい。かかる構成では、実際に検出される流量と出力指令値を用いるため、簡便な判定が可能となる。
上記燃料電池発電システムにおいて、前記所定の出力指令値を与えた場合に前記劣化判定対象が供給する流体の流量は、前記流体制御手段により実際に与えられた出力指令値及び前記実際に与えられた出力指令値が与えられたときの前記流量検出手段による流量の検出値に基づいて予測された予測値であってもよい。かかる構成では、実際に判定のために出力を変更しなくても判定を行うことができる。
上記燃料電池発電システムにおいて、前記流量検出手段は、前記劣化判定対象が供給する前記流体の圧力を検出する圧力検出手段を有し、前記検出された圧力に基づいて前記流体の流量を算出してもよい。かかる構成では、流量を直接検出するのではなく、圧力に基づいて流量を推定できる。
上記燃料電池発電システムにおいて、前記運転制御手段は、前記流量制御手段が前記劣化判定対象に所定の出力指令値を与えた際に、前記流量検出手段により検出される前記劣化判定対象が供給する流体の流量を判定流量とするとき、前記判定流量が前記第1の劣化範囲に存在する場合は、燃料電池の電力出力が前記判定流量に対応する前記燃料電池の電力出力の上限値以下となるように制限運転を行ってもよい。かかる構成では、電力出力が劣化に応じて変更され、確実にかつ効率よく流量不足を防止できる。
上記燃料電池発電システムにおいて、前記第1の劣化範囲は、前記制限運転を継続するとコストメリットがプラスになる範囲であり、前記第2の劣化範囲は、前記制限運転を継続するとコストメリットがマイナスになる範囲であってもよい。かかる構成では、経済的に不利となる範囲に限って運転を停止でき、運転効率をさらに向上させることができる。
上記燃料電池発電システムにおいて、前記第2の劣化範囲は、前記判定流量に対応する前記燃料電池の電力出力の上限値が所定の電力出力未満となる範囲であってもよい。かかる構成では、限界電力出力に基づいて運転停止の判断を行うことができ、経済性の判断のための複雑な演算が不要となる。よって、より簡便に運転停止の判断を行うことができる。
上記燃料電池発電システムにおいて、前記第2の劣化範囲は、給湯効率、発電効率および総合効率のいずれか一つである前記燃料電池の効率が所定の効率未満となる範囲であってもよい。かかる構成では、効率に基づいて運転停止の判断を行うことができ、経済性の判断のための複雑な演算が不要となる。よって、より簡便に運転停止の判断を行うことができる。
上記燃料電池発電システムにおいて、前記電力および/または原料の料金体系を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記料金体系に基づいて、燃料電池発電システムによる電力及び熱の少なくとも一つの供給コストと、商用電源および商用給湯器のいずれか少なくとも一つである代替手段による電力及び熱の少なくとも一つの供給コストを算出するコスト算出手段とを備え、前記第2の劣化範囲は、前記代替手段による供給コストが燃料電池発電システムによる供給コスト未満となる範囲であってもよい。かかる構成では、実際のコストを判定して経済性の判断を行うことができ、さらなる効率の向上が可能となる。
上記燃料電池発電システムにおいて、前記電力および/または原料の現行の料金体系を通信により取得する通信手段と、を備え、前記通信手段により取得した前記料金体系により前記記憶手段に記憶されている前記料金体系を更新してもよい。かかる構成では、コストを計算するパラメータを随時更新でき、より正確なコストを反映した判定を行うことができる。
上記燃料電池発電システムにおいて、燃料電池発電システムの運転時間を積算する運転時間積算手段と、燃料電池発電システムの情報を表示する表示手段と、前記流量制御手段による出力指令値と前記流量検出手段による検出値と前記運転時間積算手段による運転時間に基づき、前記検出値が第1および/または第2の劣化範囲に到達するまでの時間を予測する時間予測手段を備え、前記表示手段は、前記時間予測手段により予測された時間を表示してもよい。かかる構成では、ユーザが劣化の発生する時期を予め知ることができ、メンテナンスがより容易となる。
上記燃料電池発電システムにおいて、メンテナンス報知手段を備え、前記メンテナンス報知手段は、前記検出値が第1の劣化範囲に存在している場合に、前記劣化判定対象のメンテナンスが必要であることを報知してもよい。燃料電池発電システムは、家庭等に電力を供給する手段としてライフライン的な役割を担う場合もある。実際に燃料電池発電システムに深刻な故障が発生して初めて運転を停止すれば、突然電力供給が停止されることとなり、家庭生活等に深刻な影響を与えることになる。燃料電池発電システムを経済的にかつ安定して運転するためには、早い段階で、ポンプ類の修理や交換を行う必要がある。上記構成によれば、流体供給装置に劣化が生じていると判定された場合に、該流体供給装置に対するメンテナンスが必要であることを管理者に報知することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池発電システムは、燃料電池と、前記燃料電池の発電と関連する流体を供給する1以上の流体供給装置の少なくとも1つである劣化判定対象と、前記劣化判定対象が供給する流体の流量を検出する流量検出手段と、前記劣化判定対象が供給する流体の流量を制御する流量制御手段と、燃料電池発電システムの運転を制御する運転制御手段とを備え、前記運転制御手段は、前記流量制御手段が前記劣化判定対象に所定の出力指令値を与えた場合に前記劣化判定対象が供給する流体の流量が第1の劣化範囲に存在する場合は燃料電池の電力出力を低減させ、前記流量が前記第1の劣化範囲よりも小さい第2の劣化範囲に存在する場合は運転を停止させるものであり、前記劣化判定対象が、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給装置、及び前記燃料電池に燃料を供給する燃料供給装置の少なくともいずれか一方であり、前記所定の出力指令値を与えた場合に前記劣化判定対象が供給する流体の流量は、前記流体制御手段により実際に与えられた出力指令値及び前記実際に与えられた出力指令値が与えられたときの前記流量検出手段による流量の検出値に基づいて予測された予測値であり、前記所定の出力指令値は最大電力出力に対応する出力指令値である。かかる構成では、最大出力に応じた流量が達成できない場合に第1の劣化が生じていると判定される。第1の劣化範囲では電力出力が低減され、流量不足を効果的に防止できる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池発電システムは、水と原料から燃料を生成する燃料処理装置と、燃料電池と、前記燃料電池の発電と関連する流体を供給する1以上の流体供給装置の少なくとも1つである劣化判定対象と、前記劣化判定対象が供給する流体の流量を検出する流量検出手段と、前記劣化判定対象が供給する流体の流量を制御する流量制御手段と、燃料電池発電システムの運転を制御する運転制御手段とを備え、前記運転制御手段は、前記流量制御手段が前記劣化判定対象に所定の出力指令値を与えた場合に前記劣化判定対象が供給する流体の流量が第1の劣化範囲に存在する場合は燃料電池の電力出力を低減させ、前記流量が前記第1の劣化範囲よりも小さい第2の劣化範囲に存在する場合は運転を停止させるものであり、前記劣化判定対象が、前記燃料処理装置に水を供給する水供給装置、及び前記燃料処理装置に原料を供給する原料供給装置の少なくともいずれか一方であり、前記所定の出力指令値を与えた場合に前記劣化判定対象が供給する流体の流量は、前記流体制御手段により実際に与えられた出力指令値及び前記実際に与えられた出力指令値が与えられたときの前記流量検出手段による流量の検出値に基づいて予測された予測値であり、前記所定の出力指令値は最大電力出力に対応する出力指令値である。かかる構成では、最大出力に応じた流量が達成できない場合に第1の劣化が生じていると判定される。第1の劣化範囲では電力出力が低減され、流量不足を効果的に防止できる。
上記燃料電池発電システムにおいて、前記運転制御手段は、前記流量制御手段が前記劣化判定対象に所定の出力指令値を与えた際に、前記流量検出手段により検出される前記劣化判定対象が供給する流体の流量を判定流量とするとき、前記判定流量が前記第1の劣化範囲に存在する場合は、燃料電池の電力出力が前記判定流量に対応する前記燃料電池の電力出力の上限値以下となるように運転を行ってもよい。かかる構成では、電力出力が劣化に応じて変更され、確実にかつ効率よく流量不足を防止できる。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明は、以上に説明したような構成を有し、燃料電池の冷却水等、燃料電池発電システムに関連した流体供給装置の劣化や異常のレベルに応じて、経済性が確保されるように運転制御が行われる燃料電池発電システムを提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における燃料電池発電システムの概略構成を示すブロック図である。以下、図1を参照しながら、本実施の形態の燃料電池発電システムについて、ハードウェアと制御系統に分けて説明する。
最初に、ハードウェアについて以下に説明する。図1に示す通り、本実施の形態のハードウェアは、供給された燃料と空気等の酸化剤との電気化学反応により電力を発生させる燃料電池11と、供給された天然ガス等の原料と供給された改質水を加熱して得られる水蒸気との間で起こる改質反応により水素を含むガスを生成し燃料電池11に燃料として供給する燃料処理装置12と、燃料電池11から排出される未利用の燃料(以下、オフガスという)を燃焼して燃料処理装置12を加熱するバーナ13と、燃料処理装置12に改質水を供給する改質水供給装置14と、燃料処理装置12に原料を供給する原料供給装置15と、燃料電池11に酸化剤を供給する酸化剤供給装置16と、冷却水を燃料電池11の内部に供給し、燃料電池11の内部を冷却して反応に適した温度に維持する冷却水供給装置17とを備えている。なお、改質水供給装置14、原料供給装置15、酸化剤供給装置16、冷却水供給装置17が、特許請求の範囲で言うところの流体供給装置であるとして説明する。
本実施の形態では、原料には天然ガスが、改質水および冷却水にはイオン交換水が、酸化剤には空気が用いられる。改質水供給装置14、原料供給装置15、酸化剤供給装置16、冷却水供給装置17には、例えば、ブロワやポンプが用途に応じて用いられる。ブロワとしては、例えば、ターボブロア、スクロールブロア、シロッコファン等が用いられる。ポンプとしては、例えば、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプ、遠心ポンプ等が用いられる。バーナ13には、例えば火炎バーナが用いられる。本実施の形態では、バーナ13において燃料電池11のオフガスが空気と混合され、燃焼されるが、オフガスの再利用はせず、原料を燃焼用燃料として用いてもよい。
次に、制御系統について以下に説明する。図1に示す通り、本実施の形態の制御系統は、改質水の流量を検出する改質水流量検出手段18と、原料の流量を検出する原料流量検出手段19と、酸化剤である空気の流量を検出する酸化剤流量検出手段20と、冷却水の流量を検出する冷却水流量検出手段21と、改質水供給装置14、原料供給装置15、酸化剤供給装置16および冷却水供給装置17に出力指令値を与えることで改質水、原料、酸化剤、冷却水の流量を制御する流量制御手段24と、改質水供給装置14、原料供給装置15、酸化剤供給装置16および冷却水供給装置17を劣化判定対象とし、該劣化判定対象の劣化が生じているか否かを判定する劣化判定手段25と、燃料電池発電システムの運転を制御する運転制御手段26と、燃料電池発電システムの運転による経済性を判断する経済性判断手段31と、劣化が生じていると判定された供給装置のメンテナンスが必要であることを報知するメンテナンス報知手段23と、経済性の判断に用いるデータを取得するための通信手段30と、を備えている。本実施の形態においては、流量制御手段24、劣化判定手段25、運転制御手段26、経済性判断手段31は、制御装置22において集中的に、ソフトウェアにより実現される。なお、前記各制御手段は分散制御により実現してもよい。すなわち、流量制御手段24、劣化判定手段25、運転制御手段26、経済性判断手段31のそれぞれについて制御装置を個別に備えることとしてもよい。燃料電池11および燃料処理装置12の内部には、それぞれの内部の温度を検出する温度検出手段(熱電対等:詳細は図示せず)も備えられている。なお、改質水流量検出手段18、原料流量検出手段19、酸化剤流量検出手段20、冷却水流量検出手段21が、特許請求の範囲で言うところの流体流量検出手段である。
本実施の形態では、改質水流量検出手段18、原料流量検出手段19、酸化剤流量検出手段20、冷却水流量検出手段21には、例えば羽根車式流量計やマスフローセンサが用いられる。制御装置22には例えばマイコンが用いられる。メンテナンス報知手段23には、例えばブザーやディスプレイが用いられる。通信手段30には、例えば、無線回線や電話回線、インターネット回線等の通信網に接続可能な入出力回路が用いられる。
以下、制御装置22の構成について説明する。図2は、制御装置22の概略構成を示すブロック図である。制御装置22は、制御部27および記憶部28を有している。制御部27には、例えばCPUが用いられる。記憶部28には、例えば内部メモリが用いられる。制御部27は、燃料電池11および燃料処理装置12に備えられている温度検出手段、改質水流量検出手段18、原料流量検出手段19、酸化剤流量検出手段20、冷却水流量検出手段21等のセンサ類から各々の検出対象の検出信号を受け取る。また、通信手段30を介して、電力会社やガス会社等から電気や原料の料金体系等を受け取る。制御部27はさらに、記憶部28に記憶されたソフトウェアを実行することによって、受け取った信号を処理し、その結果に基づいて制御信号等を、バーナ13、原料供給装置15、改質水供給装置14、酸化剤供給装置16、冷却水供給装置17等の制御対象、およびメンテナンス報知手段23に送信する。これにより、燃料電池11や燃料処理装置12の温度、原料、燃料、改質水の流量等が制御される。
次に、図2を参照しながら、制御装置22の動作について説明する。制御プログラムや該プログラムに用いられる各設定値等は、記憶部28に記憶されている。制御部27は、この制御プログラムを記憶部28から読み出してこれを実行することにより、以下のように動作する。センサ類により検出された温度や流量等の被制御量の検出値を示す信号は、制御部27に送られる。制御部27は、必要に応じて、それらの検出値を記憶部28に記憶させる。制御部27は、記憶部28に記憶されている設定値、検出値等を用いて制御対象の制御目標値等を計算する。さらに制御部27は、計算結果から必要であれば、記憶部28に記憶されている設定値、制御目標値等を書き換える。また、必要に応じて、制御対象へ出力指令値を与える。より具体的には、制御対象への出力指令値を示す信号を、制御対象へ送信する。以上の動作により、制御装置22は被制御量の値を検出、制御し、燃料電池発電システムを運転する。このような制御装置22の機能のうち、後述する特定の機能を、それぞれ、流量制御手段24、劣化判定手段25、運転制御手段26と呼ぶ。
以上のような構成を有する本実施の形態の燃料電池発電システムの動作について、まず始めに、通常運転時の動作について概略的に説明する。
まず、改質水および原料が、それぞれ改質水供給装置14および原料供給装置15により燃料処理装置12に供給される。燃料処理装置12に供給された改質水は、バーナ13により供給される熱により蒸発され、水蒸気に変えられる。該水蒸気と、供給された原料とは、燃料処理装置12内部において、改質反応を起こし、水素を含むガスが生成される。改質反応に必要な熱量は、バーナ13により供給される。水素を含むガスは、燃料処理装置12から燃料電池11に供給される。酸化剤としての空気は、酸化剤供給装置16により燃料電池11に供給される。燃料電池11では、供給された燃料と空気に含まれる酸素との電気化学反応により電力が生成される。燃料電池11の内部は、冷却水供給装置17により供給される冷却水が通過しており、該冷却水により燃料電池11内部の余分な熱が除去される。
制御装置22は、あらかじめ記憶された運転パターンにしたがって、もしくは電力需要に対応した電力出力となるように、燃料電池11や燃料処理装置12の内部の温度および空気、原料、改質水、冷却水の流量等を監視し、制御することで、燃料電池発電システムを運転する。
次に、通常時における流体の流量制御を実現する動作について説明する。以下、改質水の流量(以下、改質水流量)の制御を例に説明するが、他の流体についても同様な制御により流量が制御される。
図3は、電力出力と必要とされる改質水流量(以下、必要改質水流量)との関係を示す概念図である。以下、電力出力と必要改質水流量の関係が直線により表されるものとして説明するが、両者の関係は曲線等により表されるものであってもよい。図3に示すように、電力出力が変化するのに伴い、必要改質水流量も変化する。運転制御手段26は、該関係を用いて、必要とされる電力出力に見合うように改質水流量の制御目標を計算し、これを流量制御手段24に与える。
図4は、改質水供給装置14に与える出力指令値(以下、改質水出力指令値)と改質水流量の関係を示す概念図である。以下、改質水出力指令値と改質水流量の関係が直線により表されるものとして説明するが、両者の関係は、曲線等により表されるものであってもよい。図4に示すように、改質水出力指令値が変化するのに伴い、改質水流量も変化する。流量制御手段24は、この関係を利用して、改質水流量を必要改質水流量の制御目標へと調整する。本実施の形態では、改質水の流量制御はフィードバック制御により行われる。すなわち、流量制御手段24は、改質水流量検出手段18から送信される検出値(以下、改質水流量の検出値)を監視し、該制御目標が達成されるまで、改質水出力指令値を調整する。ただし、改質水供給装置14が、特定の改質水出力指令値に対し、精度よく特定量の改質水を送出する場合には、フィードフォワード制御により改質水の流量制御を行ってもよい。この場合には、改質水流量検出手段18は、通常時における改質水流量の制御には関与しない。また、通常時はフィードフォワード制御を行い、改質水供給装置14に劣化が生じていると判定された際にのみフィードバック制御を行うこととしてもよい。
ここで、図3に示すように、燃料電池発電システムが供給可能な電力出力には、最小値(以下、最小電力出力)Wminから最大値(以下、最大電力出力)Wmaxまでの幅を持つ。これに対応して、必要改質水流量も、最小値(以下、最小必要改質水流量)V’minから最大値(以下、最大必要改質水流量)V’maxまでの幅を持つ。一方、改質水供給装置14に与えられる出力指令値の大きさには限界があり、限界以上の出力指令値を与えても、流量が変化しないか、過大な負荷により改質水供給装置14を破壊してしまうことになる。このため、必要改質水流量が大きい場合、上限まで出力指令値を増やしても改質水流量の制御目標を達成できない場合が発生しうる。しかし、通常運転時においては、図4に示すように、上限まで出力指令値を高くしなくても改質水流量を最大必要改質水流量V’maxに等しくできるように、余裕を持ってシステムが構成されている。
ここで、長年に亘り改質水供給装置14を使用し続けると、流路に漏れが生じたり、吸入口に装着されたフィルタに目詰まりが生じる等の劣化が生じる場合がある。図5は、このような劣化が生じた場合の改質水出力指令値と改質水流量の関係を示す概念図である。劣化が進行すると、図5に示すように、改質水出力指令値と改質水流量の関係を示す線が移動し、改質水出力指令値を上限まで上昇させても、改質水流量はV’1までしか上昇せず、改質水流量を最大必要改質水流量V’maxに等しくできなくなる場合が発生する。以下、達成可能な改質水流量の上限を限界改質水流量と呼ぶ。図3に示すように、改質水流量が限界改質水流量V’1までしか上昇しない場合、電力出力もW’1までしか上昇させることができず、最大電力出力Wmaxを達成できなくなる。この状態でW’1を超えて電力出力を上昇させようとすると、改質水流量が不足し、燃料処理装置12の触媒が劣化破損するといった問題が生じる。
以上、改質水の流量制御について説明したが、原料、冷却水、酸化剤についても同様に流量と電力出力の間には相関があり、電力出力に応じて必要とされる流量が変化する。また、各供給装置の劣化により、必要とされる流量の最大値が達成できなくなると、最大電力出力Wmaxも達成できなくなる。そのような状態で、供給可能な流量の限界に対応する電力出力以上に電力出力を増加させようとすると、流量が不足し、燃料処理装置12内部に余分な水が発生して水浸しになったり、流路に余分な原料に由来する煤が析出して目詰まりを起こすといった問題が生じる。
ここで、本実施の形態にかかる燃料電池発電システムを特徴付ける構成について説明する。すなわち、この特徴的構成においては、改質水供給装置14、原料供給装置15、酸化剤供給装置16、冷却水供給装置17が劣化判定対象とされる。劣化判定手段25により、各劣化判定対象について、流量制御手段24から与えられる出力指令値および対応する流体流量検出手段の検出値に基づいて、流量不足を防止するために電力出力を低減させる必要があるとされる程度の劣化(以下、第1の劣化)が生じているか否かが判定される。第1の劣化が生じていると判定された場合には、運転制御手段26により、電力出力に制限が課せられ、V’1に対応する電力出力W’1が電力出力の上限(以下、限界電力出力と呼ぶ)となるように燃料電池発電システムの運転が制御される。同時に、メンテナンス報知手段23により、該メンテナンスが必要であることが管理者に報知される。
また、該劣化判定対象の劣化がさらに進行すると、システム全体としての発電効率や安全性が低下する。このため、劣化判定手段25により、各劣化判定対象について、流量制御手段24から送信される出力指令値および対応する流体流量検出手段の検出値に基づいて、運転を継続すれば経済的に不利となる程度の劣化(以下、第2の劣化)が生じているか否かが判定される。第2の劣化が生じていると判定された場合には、運転制御手段26により、燃料電池発電システムの運転が停止される。
以下、これらの動作について詳細に説明する。なお、以下の説明においては改質水供給装置14に劣化が生じた場合を取り上げるが、冷却水供給装置17、原料供給装置15、酸化剤供給装置16についても同様の動作が可能であることは言うまでもない。
まず、改質水供給装置14に第1の劣化が生じているか否かの判定方法について説明する。以下の説明では、最大電力出力を1000Wとした場合を例として説明する。本実施の形態では、テーブルを用いて、改質水供給装置14に第1の劣化が生じているか否かの判定が行われる。図6は、第1の劣化が生じているか否かの判定を行い、制限運転(最大電力出力未満の電力出力を限界電力出力とする運転)を行うためのテーブルの一例を示す図である。該テーブルは、改質水出力指令値が所定の範囲にあるときに、流量がどの値以上であれば通常運転(最大電力出力を限界電力出力とする運転)が可能であるかを示す。同時に、該テーブルは、改質水出力指令値が所定の範囲にあるときに、流量の検出値に応じて設定すべき限界電力出力の値を示す。
劣化判定手段25は、流量制御手段24から改質水出力指令値を受け取り、かつ、改質水流量検出手段18から改質水流量の検出値を受け取る。受け取った指令値および検出値と図6のテーブルを用いて、改質水供給装置14に第1の劣化が生じているか否かの判定および限界電力出力の設定が行われる。
所定の出力指令値において検出された流量(判定流量)が、限界電力出力1000Wに対応する流量を超える場合、劣化は生じていないと判定される。例えば、出力指令値が40%であり、流量の検出値が22ml/minであった場合、出力指令値40%に対応する限界電力出力1000Wの流量(20ml/min)以上であるため、劣化は生じていないと判定され、通常運転が継続される。
所定の出力指令値において検出された流量が、限界電力出力1000Wに対応する流量を下回った場合、第1の劣化が生じていると判定され、流量に対応する電力出力が限界電力出力とされる。例えば、出力指令値が60%であり、流量の検出値が23ml/minであった場合、出力指令値60%に対応する限界電力出力1000Wの流量(30ml/min)未満であるため、第1の劣化が生じていると判定される。また、流量の検出値は21以上24未満であるから、対応する電力出力である700Wが限界電力出力W’1とされる。
改質水供給装置14に第1の劣化が生じていると判定された場合、その旨が運転制御手段26およびメンテナンス報知手段23に伝えられる。運転制御手段26により、電力出力W’1が電力出力の上限とされ、これを上回らない電力出力で燃料電池発電システムの運転(制限運転)が継続される。また、メンテナンス報知手段23により、メンテナンスが必要であることが管理者に報知される。
以上の動作により、本実施の形態にかかる燃料電池発電システムでは、改質水供給装置14に第1の劣化が生じている場合においても、流量不足を防止しながら運転を継続しつつ、メンテナンスが必要であることが管理者に報知される。
改質水供給装置14に第1の劣化が生じていると判定された以後も、メンテナンスが行われない限り、改質水供給装置14の劣化は進行しうる。該劣化の進行に伴い、限界改質水流量V’1も低下する。本実施の形態では、劣化判定手段25により、出力指令値と流量検出値に基づいて限界電力出力が随時変更される。これにより、該劣化の進行に応じて、低減された電力出力が適宜変更され、安定して発電を行うことができる。
次に、改質水供給装置14に第2の劣化が生じているか否かの判定方法について説明する。本実施の形態では、経済性判断手段31により、改質水供給装置14に第2の劣化が生じているか否かの判定が行われる。以下、経済性判断手段31の動作について詳細に説明する。
本実施の形態では、電力需要に対して設置された燃料電池発電システムによる発電供給が成されない場合には、商用電源(図示せず)からの電力購入が行われる。必要な電力に対して燃料電池発電システムにより電力を供給するために必要な費用と、商用電源から購入する費用とを比較することで、経済的に有利であるか不利であるかの判断を行うことができる。経済性判断手段31は、記憶部28に予め定められた電気及び原料の料金体系に基づき、商用電源からの電力購入よりも燃料電池発電システムによる電力供給の費用が高くなる電力出力範囲(燃料電池発電システムによる発電が商用電力の購入に比べ経済的に不利となる範囲)を決定し、対応する改質水流量の範囲を第2の劣化範囲とする。経済性判断手段31は、運転時間帯、貯湯量(燃料電池発電システムが熱も供給するコージェネレーションシステムの場合)等も考慮して、経済性をリアルタイムで判断する。記憶部28に記憶されている電気および原料の料金体系は、通信手段30により随時情報が更新されるとしてもよい。経済性判断手段31による経済性の判断は、電力出力や効率が所定値未満は第2の劣化範囲とする簡易的な手法としてもよい。
経済性判断手段31は、記憶部28に記憶されている電気および原料の料金体系に基づき、商用電源からの電力購入コストと燃料電池発電システムによる電力供給のコストを、以下の式により算出する。なお以下では、燃料電池による所定の発電量を基準として説明を行う。
商用電源コスト(円)=発電量(kWh)×電力料金(円/kWh)・・・(1)
燃料電池コスト(円)=発電量(kWh)×単位発電量あたりの原料消費量(m/kWh)×原料料金(円/m)・・・(2)
燃料電池発電システムがコージェネレーションシステムの場合には、発電と同時に給湯も可能である。燃料電池発電システムにおける給湯コストは、燃料電池コストに含まれる。一方、商用電源を購入する場合の給湯コスト(以下、商用給湯コスト)は、電力とは別に必要になる。給湯に電気給湯器を用いる場合、商用給湯コストは以下の式により算出される。
商用給湯コスト(円)=発電量(kWh)×単位発電量あたりの給湯量(kcal/kWh)×電気給湯器による給湯効率(kWh/kcal)×電力料金(円/kWh)・・・(3)
給湯にガス給湯器を用いる場合、商用給湯コストは以下の式により算出される。
商用給湯コスト(円)=発電量(kWh)×単位発電量あたりの給湯量(kcal/kWh)×ガス給湯器による給湯効率(m/kcal)×ガス料金(円/m)・・・(3’)
経済性判断手段31は、燃料電池発電システムのコストと、商用電源を利用した場合のコストを比較して、経済的に有利か不利かを決定する。燃料電池発電システムが給湯を含まない場合、以下の式によりコストメリットが算出される。
コストメリット=商用電源コスト−燃料電池コスト・・・(4)
燃料電池発電システムが給湯を含む場合(コージェネレーションシステムの場合)、以下の式によりコストメリットが算出される。
コストメリット=商用電源コスト+商用給湯コスト−燃料電池コスト・・・(4’)
コストメリットがマイナスの場合、燃料電池発電システムは商用電源を利用するよりも経済的に不利であると判断される。判断のタイミングとしては様々なものが考えられるが、例えば以下の2種類が考えられる。一つ目は、所定時間(毎分、毎秒等)間隔でその瞬間の発電量・原料消費量からコストを算出し、判断するものである。この方法では、一瞬でもコストメリットがマイナスとなれば、第2の劣化が生じていると判断され、運転が停止される。二つ目は、前述の瞬間のコストを所定時間(一日や一週間)間隔で積算し、商用電源コストの積算値と燃料電池コストの積算値を比較して経済性を判断する。この方法では、瞬間の経済性が不利になっても、所定期間の全体では経済的に有利となる場合に、運転を継続することができる。後者では、より長い時間運転を継続できる。
改質水供給装置14の劣化とコストの関係について説明する。改質水供給装置14の劣化が進行すると、上述したように、限界電力出力が最大電力出力未満に設定され、運転が継続される。一般的に、限界電力出力が高い方が効率はよく、限界電力出力が低くなると効率は低下する。劣化が進行すると、限界電力出力が低下し、式(2)における単位発電量あたりの原料消費量が上昇して燃料電池コストが増加する。式(4)または式(4’)を用いれば、限界電力出力とコストメリットの関係をリアルタイムで求めることができる。限界電力出力は、限界改質水流量に対応する。よって、限界改質水流量が、コストメリットがゼロになる電力出力(以下、臨界電力出力)に対応する流量に満たない場合には、運転を継続しても経済的に不利となるので、運転が停止される。すなわち、限界改質水流量が臨界電力出力に対応する流量に満たないような流量の範囲が、第2の劣化範囲とされる。例えば臨界電力出力が500Wとされた場合、図6において各出力指令値について電力出力500Wに対応する流量に満たない範囲(図6で、破線により囲まれている範囲)が第2の劣化範囲とされる。所定の出力指令値を与えた場合に、検出される改質水流量(判定流量)が第2の劣化範囲に入れば、運転が停止されることになる。
上述の構成では、コストメリットが電気や原料の料金体系や運転時間帯によってリアルタイムに変動するため、第2の劣化範囲もリアルタイムで変動した。しかし、電力出力や効率が予め設定された所定値未満となる場合に、第2の劣化が生じていると判定してもよい。予め設定された所定値は以下のように決定する。
図7は、標準的な家庭の電力負荷に対する通常時の燃料電池発電システムの発電量を示すグラフである。図8は、標準的な家庭の電力負荷に対する流体供給装置が劣化した時の燃料電池発電システムの発電量を示すグラフである。燃料電池発電システムは、図7のように可能発電量範囲内で家庭の負荷に合った発電を行う電力負荷追従運転を行う。システムが第1の劣化範囲に存在する場合は、限界電力出力が最大電力出力よりも低くなるため、発電量は図8のようになる。
図9は、電力出力と効率の模式的な関係を示す図である。例えば300〜1000Wまで出力を変えることができる燃料電池発電システムの場合、放熱によるロスや、アクチュエータを動作さえるために必要なエネルギー等は、出力が1000Wの時も、300Wの時もそれほど変化しない。出力によらずに必要となるエネルギー消費があるために、燃料電池発電システムは、一般的に電力出力が低くなるほど効率が低下する。
ここで、効率とは、システムを動かすために必要なエネルギー(原料)と、システムが出力するエネルギー(コージェネレーションシステムの場合は電気とお湯)の比であり、電気エネルギー÷原料エネルギー=発電効率、熱エネルギー÷都市ガス(原料)エネルギー=熱効率(給湯効率)、発電効率+給湯効率=総合効率となる。効率が低いほど、同じ出力を得るためにより多くのエネルギーが必要になるため、経済性が不利になる。
図10は、標準的な家庭の電力負荷に対する限界電力出力とコストメリットの模式的な関係を示す図である。図10によれば、コストメリットがゼロ以下となる限界電力出力Aを、改質水流量が第2の劣化範囲にあるか否かを判定するための所定の電力出力として決定する。限界電力出力Aに対応する流量を求め、改質水流量が該流量以下となれば、第2の劣化範囲にあるとして燃料電池発電システムの運転を停止する。
効率を利用する場合にも、同様な方法で判定が可能となる。横軸を効率、縦軸をコストメリットとするグラフを作成し、第2の劣化範囲にあるか否かを判定する所定の電力出力Bを決定する。限界電力出力Bに対応する流量を求め、改質水流量が該流量以下となれば、第2の劣化範囲にあるとして燃料電池発電システムの運転を停止する。
以上の動作により、本実施の形態の燃料電池発電システムは、改質水供給装置14に劣化が生じ、経済的に不利となる場合には、燃料電池発電システムの運転を停止することができる。これにより、改質水供給装置14に劣化が生じた場合においても、経済的に不利な状態で運転が継続されることを防止することができる。
以上のように、劣化の判定を2段階で行い、流体供給装置に劣化が生じても電力出力を低減すれば経済的に有利に運転することが可能な範囲(第1の劣化)であれば電力出力を低減しつつ運転を継続し、運転を継続すれば経済的に不利になるほど劣化が進行した場合(第2の劣化)には運転を停止することで、経済性が確保される運転制御が可能となる。
また、冷却水を含むさまざまな流体について流量が不足したまま運転が継続されると、該流体供給装置以外の流体供給装置、燃料電池、改質器等についても故障を引き起こしたり、燃料電池、改質器等の内部に含まれる触媒等の劣化を招きやすいという問題があった。本実施の形態の燃料電池発電システムによれば、流体供給装置の劣化が生じても流量不足が生じないように電力出力が低減されるため、他の構成部分の劣化や故障を未然に防ぐことが可能となる。
なお、本実施の形態では、改質水流量検出手段18に流量計を使用したが、流量計の代わりに、改質水の圧力を検出する圧力計または改質水の流速を検出する流速計を備え、出力指令値と圧力または流速の関係から電力出力低減の必要性あるいは運転停止の必要性が判定されてもよい。あるいは、圧力あるいは流速から流量を算出(推定)し、得られた結果を流量として上述の判定を行ってもよい。これにより、流量を直接検出しない場合にあっても、電力出力を低減させた上で運転を継続しつつ、改質水供給装置14に対するメンテナンスが必要であることを管理者に報知することができる。また、改質水供給装置14の劣化が進行して、経済的に不利となる場合には、運転を停止することができる。
改質水供給装置14以外の流体供給装置、すなわち、原料供給装置15、冷却水供給装置17、酸化剤供給装置16において劣化が生じた場合であっても同様の動作により、同様の効果が得られる。その結果、いずれの流体供給装置に劣化が生じた場合にあっても、流量不足を防止しながら運転を継続しつつ、該流体供給装置に対するメンテナンスが必要であることを管理者に報知することができる。また、該流体供給装置の劣化が進行して、経済的に不利となった場合には、運転を停止することができる。
なお、複数の流体供給装置において劣化が生じているか否かを判定する場合には、メンテナンス報知手段23による報知のパターンをそれぞれの供給装置について異なるものとすることが好ましい。これにより、管理者はメンテナンスを行うべき時期および対象を容易に認識でき、より効率よく燃料電池発電システムのメンテナンスを行うことができる。複数の流体供給装置において劣化が生じているか否かを判定する場合において、複数の流体供給装置について第1の劣化が生じていると判定された場合には、それぞれの流体供給装置に対して上限の出力指令値を与えた場合の流量に対応する電力出力のうち最も低い電力出力を限界電力出力として、これを上回らない電力出力で燃料電池発電システムが運転されることが好ましい。その結果、複数の流体供給装置が劣化した場合にあっても、流量不足を防止しながら運転を継続しつつ、該流体供給装置に対するメンテナンスが必要であることを管理者に報知することができる。
また、複数の流体供給装置において劣化が生じているか否かを判定する場合において、該流体供給装置のうちいずれか1つについて第2の劣化が生じていると判定された場合には、運転が停止されることが好ましい。その結果、メンテナンスが行われない場合にあっても、いずれの流体供給装置の劣化により経済的に不利となっても、運転を停止することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態1は、最大流量を目標とした制御を行わなくても、表により、劣化判定対象に第1および第2の劣化が生じているか否かを判定するものであるのに対して、本発明の実施の形態2は、電力出力の制御目標から必要とされる流量が達成されるべく実際に制御を試みた時に、該流量が達成不可能な場合に、劣化判定手段25により、劣化判定対象に第1および第2の劣化が生じていると判定されるものである。
図11は、本実施の形態に係る燃料電池発電システムの概略構成を示すブロック図である。図12は、本実施の形態に係る燃料電池発電システムの制御装置の概略構成を示すブロック図である。以下、図11および図12を参照しながら本実施の形態について説明する。図11および図12において、図1および図2と対応する構成要素には同一符号が付されている。本実施の形態は、実施の形態1から経済性判断手段と通信手段を削除したものであり、他の構成要素は実施の形態1と同じである。よって、本実施の形態と実施の形態1との間で対応する構成要素には同一符号を付し、説明を省略する。
以上のような構成を有する燃料電池発電システムにおいて、劣化判定対象に第1および第2の劣化が生じているか否かの判定方法以外の動作については、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
実施の形態1との相違点について、以下に説明する。なお、以下の説明においては冷却水供給装置17に劣化が生じた場合を取り上げるが、改質水供給装置14、原料供給装置15、酸化剤供給装置16についても同様の動作が可能であることは言うまでもない。
まず、通常時における流体の流量制御を実現する動作について説明する。以下、冷却水の流量(以下、冷却水流量)の制御を例に説明するが、他の流体についても同様な制御により流量が制御される。
図13は、電力出力と必要とされる冷却水流量(以下、必要冷却水流量)との関係を示す概念図である。以下、電力出力と必要冷却水流量の関係が直線により表されるものとして説明するが、両者の関係は曲線等により表されるものであってもよい。図13に示すように、電力出力が変化するのに伴い、必要冷却水流量も変化する。運転制御手段26は、該関係を用いて、必要とされる電力出力に見合うように冷却水流量の制御目標を計算し、これを流量制御手段24に与える。
図14は、冷却水供給装置17に与える出力指令値(以下、冷却水出力指令値)と冷却水流量の関係を示す概念図である。以下、冷却水出力指令値と冷却水流量の関係が直線により表されるものとして説明するが、両者の関係は、曲線等により表されるものであってもよい。図14に示すように、冷却水出力指令値が変化するのに伴い、冷却水流量も変化する。流量制御手段24は、この関係を利用して、冷却水流量を必要冷却水流量の制御目標へと調整する。本実施の形態では、冷却水の流量制御はフィードバック制御により行われる。すなわち、流量制御手段24は、冷却水流量検出手段21から送信される検出値(以下、冷却水流量の検出値)を監視し、該制御目標が達成されるまで、冷却水出力指令値を調整する。ただし、冷却水供給装置17が、特定の冷却水出力指令値に対し、精度よく特定量の冷却水を送出する場合には、フィードフォワード制御により冷却水の流量制御を行ってもよい。この場合には、冷却水流量検出手段21は、通常時における冷却水流量の制御には関与しない。また、通常時はフィードフォワード制御を行い、冷却水供給装置17に劣化が生じていると判定された際にのみフィードバック制御を行うこととしてもよい。
ここで、図13に示すように、燃料電池発電システムが供給可能な電力出力には、最小値(以下、最小電力出力)Wminから最大値(以下、最大電力出力)Wmaxまでの幅を持つ。これに対応して、必要冷却水流量も、最小値(以下、最小必要冷却水流量)Vminから最大値(以下、最大必要冷却水流量)Vmaxまでの幅を持つ。一方、冷却水供給装置17に与えられる出力指令値の大きさには限界があり、限界以上の出力指令値を与えても、流量が変化しないか、過大な負荷により冷却水供給装置17を破壊してしまうことになる。このため、必要冷却水流量が大きい場合、上限まで出力指令値を増やしても冷却水流量の制御目標を達成できない場合が発生しうる。しかし、通常運転時においては、図14に示すように、上限まで出力指令値を高くしなくても冷却水流量を最大必要冷却水流量Vmaxに等しくできるように、余裕を持ってシステムが構成されている。
ここで、長年に亘り冷却水供給装置17を使用し続けると、流路に漏れが生じたり、吸入口に装着されたフィルタに目詰まりが生じる等の劣化が生じる場合がある。図15は、このような劣化が生じた場合の冷却水出力指令値と冷却水流量の関係を示す概念図である。劣化が進行すると、図15に示すように、冷却水出力指令値と冷却水流量の関係を示す線が移動し、冷却水出力指令値を上限まで上昇させても、冷却水流量はV1までしか上昇せず、冷却水流量を最大必要冷却水流量Vmaxに等しくできなくなる場合が発生する。以下、達成可能な冷却水流量の上限を限界冷却水流量と呼ぶ。図13に示すように、冷却水流量が限界冷却水流量V1までしか上昇しない場合、電力出力もW1までしか上昇させることができず、最大電力出力Wmaxを達成できなくなる。この状態でW1を超えて電力出力を上昇させようとすると、冷却水流量が不足し、燃料電池11が過熱により破壊されるといった問題が生じる。
以上、冷却水の流量制御について説明したが、原料、改質水、酸化剤についても同様に流量と電力出力の間には相関があり、電力出力に応じて必要とされる流量が変化する。また、各供給装置の劣化により、必要とされる流量の最大値が達成できなくなると、最大電力出力Wmaxも達成できなくなる。そのような状態で、電力出力を供給可能な流量の限界に対応する電力出力以上に増加させようとすると、流量が不足し、燃料処理装置12内部に余分な水が発生して水浸しになったり、流路に余分な原料に由来する煤が析出して目詰まりを起こすといった問題が生じる。
ここで、本実施の形態にかかる燃料電池発電システムを特徴付ける構成について説明する。すなわち、この特徴的構成においては、改質水供給装置14、原料供給装置15、酸化剤供給装置16、冷却水供給装置17が劣化判定対象とされる。劣化判定手段25により、各劣化判定対象について、流量制御手段24から与えられる出力指令値および対応する流体流量検出手段の検出値に基づいて、経済性や安全性を考慮してメンテナンスが必要であるとされる程度の劣化(以下、第1の劣化)が生じているか否かが判定される。第1の劣化が生じていると判定された場合には、運転制御手段26により、運転上の制約が設けられ、可能な範囲で燃料電池発電システムの運転が継続される(制限運転)。同時に、メンテナンス報知手段23により、該メンテナンスが必要であることが管理者に報知される。
また、該劣化判定対象の劣化がさらに進行して運転上の制約が大きくなると、システム全体としての発電効率や安全性が低下する。このため、劣化判定手段25により、各劣化判定対象について、流量制御手段24から送信される出力指令値および対応する流体流量検出手段の検出値に基づいて、経済性や安全性から必要とされる運転状態を維持できないために運転を停止する必要があるとされる程度の劣化(以下、第2の劣化)が生じているか否かが判定される。第2の劣化が生じていると判定された場合には、運転制御手段26により、燃料電池発電システムの運転が停止される。
以下、これらの動作について詳細に説明する。なお、以下の説明においては冷却水供給装置17に劣化が生じた場合を取り上げるが、改質水供給装置14、原料供給装置15、酸化剤供給装置16についても同様の動作が可能であることは言うまでもない。
まず、冷却水供給装置17に第1の劣化が生じているか否かの判定方法について説明する。本実施の形態では、冷却水出力指令値を上限以下の範囲で調整しても、冷却水流量検出手段21により検出された冷却水流量が最大必要冷却水流量Vmaxに達しない場合に、劣化判定手段25により、冷却水供給装置17に第1の劣化が生じていると判定される。
本実施の形態では、電力出力の制御目標値が最大電力出力Wmaxに設定されたときに、劣化判定手段25により、冷却水供給装置17に第1の劣化が生じているか否かの判定が行われる。まず、最大電力出力Wmaxが制御目標値として設定される。この設定は、例えば予め制御部27を介して最大電力出力Wmaxが制御目標値として記憶部28に記憶されることによって行われる。これにより、流量制御手段24によって、冷却水流量が最大必要冷却水流量Vmaxに等しくなるように、冷却水供給装置17が制御される。また、劣化判定手段25によって、冷却水出力指令値および冷却水流量の検出値が監視される。冷却水出力指令値の調整を行っても冷却水流量が最大必要冷却水流量Vmaxに達していないことを冷却水流量の検出値が示していれば、劣化判定手段25により、冷却水供給装置17に第1の劣化が生じていると判定される。
冷却水供給装置17に第1の劣化が生じていると判定された場合、その旨が運転制御手段26およびメンテナンス報知手段23に伝えられる。運転制御手段26により、限界冷却水流量V1に対応する電力出力W1(図13)が電力出力の上限(以下、限界電力出力と呼ぶ)とされ、これを上回らない電力出力で燃料電池発電システムの運転が継続される(制限運転)。また、メンテナンス報知手段23により、メンテナンスが必要であることが管理者に報知される。
以上の動作により、本実施の形態にかかる燃料電池発電システムでは、冷却水供給装置17に第1の劣化が生じている場合においても、可能な範囲で運転が継続されつつ、メンテナンスが必要であることが管理者に報知される。
なお、本実施の形態では、冷却水供給装置17に第1の劣化が生じていると判定された場合には、電力出力に上限を設けて運転を継続することとしているが、その他の条件を設定してもよい。いかなる条件にせよ、冷却水供給装置17に生じた劣化の程度に応じて、可能な範囲で運転を継続できるものであれば、どのような条件であってもよい。
また、本実施の形態では、冷却水出力指令値を上限以下の範囲で調整しても冷却水流量が最大必要冷却水流量Vmaxに達しない場合に、劣化判定手段25により、冷却水供給装置17に第1の劣化が生じていると判定される。しかし、冷却水供給装置17に第1の劣化が生じているか否かの判定方法は、冷却水出力指令値と冷却水流量の検出値に基づいて、冷却水供給装置17に対するメンテナンスが必要と判定するものであれば、如何なる判定方法であってもかまわない。例えば、上限以下の特定の出力指令値(例えば上限の80%)を与えた時に最大必要冷却水流量Vmaxが実現される場合に、第1の劣化が生じていると判定されてもよい。この場合には、最大電力出力Wmaxで運転しても特段の問題は生じないため、運転の制限は行われず、メンテナンスが必要であることの報知のみが行われる。これにより、運転の制約を設ける必要がないような、劣化の初期段階においても、メンテナンスが必要であることが管理者に報知される。よって、管理者は、より安全に部品の交換や修理等のメンテナンスを行うことができる。
冷却水供給装置17に第1の劣化が生じていると判定された以後も、メンテナンスが行われない限り、冷却水供給装置17の劣化は進行しうる。該劣化の進行に伴い、限界冷却水流量V1も低下する。本実施の形態では、限界冷却水流量V1が制御目標とされる度に、冷却水流量がV1に達しているか否かを冷却水流量検出手段21により判定し、達していない場合には、その時点での冷却水流量を限界冷却水流量V1とする。そして、更新されたV1に対応する電力出力を限界電力出力として運転が継続される。これにより、該劣化の進行に応じて、運転の可能な範囲が適宜変更され、安定して発電を行うことができる。
次に、冷却水供給装置17に第2の劣化が生じているか否かの判定方法について説明する。メンテナンスが行われない場合には、図16に示すようにさらに劣化が進行する。本実施の形態では、冷却水出力指令値を上限以下の範囲で調整しても、冷却水流量検出手段21により検出された冷却水流量が最大電力出力Wmaxの50%の電力出力を達成するのに必要な流量に達しない場合に、冷却水供給装置17に第2の劣化が生じていると判定される。
本実施の形態では、電力出力の制御目標が最大電力出力Wmaxの50%に近づいたときに、冷却水供給装置17に第2の劣化が生じているか否かの判定が行われる。電力出力の制御目標が最大電力出力Wmaxの50%に近づいたとき、流量制御手段24および劣化判定手段25に対し、その旨が伝えられる。流量制御手段24により、冷却水流量が電力出力の制御目標に対応する必要冷却水流量に等しくなるように、冷却水供給装置17が制御される。劣化判定手段25により、冷却水出力指令値および冷却水流量の検出値が監視される。冷却水出力指令値が上限に等しくなっているにも関わらず、冷却水流量が最大電力出力Wmaxの50%の電力出力に対応する必要冷却水流量に達していないことを冷却水流量の検出値が示していれば、劣化判定手段25により、冷却水供給装置17に第2の劣化が生じていると判定される。冷却水供給装置17に第2の劣化が生じていると判定された場合、その旨が運転制御手段26に伝えられ、運転制御手段26により燃料電池発電システムの運転が停止される。
以上の動作により、本実施の形態の燃料電池発電システムは、冷却水供給装置17に劣化が生じ、経済性や安全性から必要とされる運転状態を維持できない場合には、燃料電池発電システムの運転を停止することができる。これにより、冷却水供給装置17に劣化が生じた場合において、経済性や安全性に問題がある状態で運転が継続されることを防止することができる。
なお、本実施の形態では、冷却水出力指令値を上限以下の範囲で調整しても冷却水流量が最大電力出力Wmaxの50%の電力出力に対応する冷却水流量に達しない場合に、冷却水供給装置17に第2の劣化が生じていると判定される。しかし、冷却水供給装置17に第2の劣化が生じているか否かの判定方法は、冷却水出力指令値と冷却水流量の検出値に基づいて、経済性や安全性から必要とされる運転状態を維持できるか否かを判定するものであれば、如何なる判定方法であってもかまわない。例えば、上限以下の特定の出力指令値(例えば上限の80%)を与えた時に冷却水流量が最大電力出力Wmaxの50%の電力出力に対応する冷却水流量に達しない場合に、劣化判定手段25により、冷却水供給装置17に第2の劣化が生じていると判定されてもよい。
また、本実施の形態では、冷却水流量検出手段21に流量計を使用したが、流量計の代わりに、冷却水の圧力を検出する圧力計または冷却水の流速を検出する流速計を備え、出力指令値と圧力または流速の関係から冷却水供給装置17のメンテナンス必要性あるいは運転停止の必要性が判定されてもよい。これにより、流量を直接検出しない場合にあっても、可能な範囲で運転を継続しつつ、冷却水供給装置17に対するメンテナンスが必要であることを管理者に報知することができる。また、冷却水供給装置17の劣化が進行して、経済性や安全性から必要とされる運転状態を維持できない場合には、運転を停止することができる。
冷却水供給装置17以外の流体供給装置、すなわち、原料供給装置15、改質水供給装置14、酸化剤供給装置16において劣化が生じた場合であっても同様の動作により、同様の効果が得られる。その結果、いずれの流体供給装置に劣化が生じた場合にあっても、可能な範囲で運転を継続しつつ、該流体供給装置に対するメンテナンスが必要であることを管理者に報知することができる。また、該流体供給装置の劣化が進行して、経済性や安全性から必要とされる運転状態を維持できなくなった場合には、運転を停止することができる。
なお、複数の流体供給装置において劣化が生じているか否かを判定する場合には、メンテナンス報知手段23による報知のパターンをそれぞれの供給装置について異なるものとすることが好ましい。これにより、管理者はメンテナンスを行うべき時期および対象を容易に認識でき、より効率よく燃料電池発電システムのメンテナンスを行うことができる。
複数の流体供給装置において劣化が生じているか否かを判定する場合において、複数の流体供給装置について第1の劣化が生じていると判定された場合には、それぞれの流体供給装置に対して上限の出力指令値を与えた場合の流量に対応する電力出力のうち最も低い電力出力を限界電力出力として、これを上回らない電力出力で燃料電池発電システムが運転されることが好ましい。その結果、複数の流体供給装置が劣化した場合にあっても、可能な範囲で運転を継続しつつ、該流体供給装置に対するメンテナンスが必要であることを管理者に報知することができる。
また、複数の流体供給装置において劣化が生じているか否かを判定する場合において、該流体供給装置のうちいずれか1つについて第2の劣化が生じていると判定された場合には、運転が停止されることが好ましい。その結果、メンテナンスが行われない場合にあっても、いずれの流体供給装置の劣化により経済性や安全性から必要とされる運転状態を維持できなくなっても、運転を停止することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態2は、電力出力の制御目標から必要とされる流量が達成されるべく実際に制御を試みた時に、該流量が達成不可能な場合に、劣化判定手段25により、劣化判定対象に第1および第2の劣化が生じていると判定されるものであるのに対して、本発明の実施の形態3は、出力指令値と流体の検出値を記憶し、記憶された結果を用いて、出力指令値を上限に設定した際の流量を予測し、予測結果に基づいて、劣化判定手段25により、劣化判定対象に第1および第2の劣化が生じているか否かが判定されるものである。また、本発明の実施の形態3は、劣化判定対象に第1の劣化が生じていると判定された場合に、通信手段を介して、遠隔地にいる管理者にメンテナンスが必要であることを通報するものである。
図17は、本実施の形態に係る燃料電池発電システムの概略構成を示すブロック図である。以下、図17を参照しながら本実施の形態について説明する。図17において、図11と対応する構成要素には同一符号が付されている。本実施の形態は、実施の形態2に状態記憶手段29と通信手段30が追加されたものであり、他の構成要素は実施の形態2と同じである。よって、本実施の形態と実施の形態2との間で対応する構成要素(図11と図17において同一符号が付されている構成要素)については説明を省略する。
状態記憶手段29は、原料供給装置15、改質水供給装置14、酸化剤供給装置16、冷却水供給装置17に対して制御装置22から与えられる出力指令値および改質水流量検出手段18、原料流量検出手段19、酸化剤流量検出手段20、冷却水流量検出手段21から制御装置22に入力される流量の検出値を記憶する状態記憶手段である。状態記憶手段29としては、例えば外部メモリ等が用いられる。また、通信手段30は、燃料電池発電システムに対するメンテナンスが必要であることを管理者に報知するための通信手段(送受信を含む、以下同じ)である。通信手段30としては、例えば、無線回線や電話回線、インターネット回線等の通信網に接続された端末装置が用いられる。
以上のような構成を有する燃料電池発電システムにおいて、劣化判定対象に第1および第2の劣化が生じているか否かの判定方法、および、管理者に対してメンテナンスが必要であることを報知する方法以外の動作については、実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
実施の形態2との相違点について、以下に説明する。なお、以下の説明においては冷却水供給装置17に劣化が生じた場合を取り上げるが、改質水供給装置14、原料供給装置15、酸化剤供給装置16についても同様の動作が可能であることは言うまでもない。
本実施の形態では、冷却水出力指令値を上限以下の範囲で調整しても、冷却水流量検出手段21により検出された冷却水流量が最大必要冷却水流量Vmaxに達しない場合に、劣化判定手段25により、冷却水供給装置17に第1の劣化が生じていると判定される。また、冷却水出力指令値を上限以下の範囲で調整しても、冷却水流量検出手段21により検出された冷却水流量が最大電力出力Wmaxの50%の電力出力を達成するのに必要な流量に達しない場合に、冷却水供給装置17に第2の劣化が生じていると判定される。冷却水供給装置17に第1の劣化および第2の劣化が生じているか否かを判定するために、本実施の形態では、限界冷却水流量V1の予測を行う。
まず、冷却水供給装置17に第1の劣化が生じているか否かを判定する方法について説明する。図18は、本実施の形態における限界冷却水流量V1を予測する方法を示す概念図である。以下、冷却水出力指令値と冷却水流量の関係が直線により表されるものとして説明するが、両者の関係は、曲線等により表されるものであってもよい。冷却水出力指令値と、冷却水の検出値は、第1の所定時間毎に、状態記憶手段29に記憶される。該記憶は、第2の所定時間毎に更新される。また、劣化判定手段25により、第1の所定時間より長く第2の所定時間と同じかそれより短い時間毎に、冷却水出力指令値と冷却水流量の関係、および、状態記憶手段29に記憶されている冷却水出力指令値と冷却水流量の検出値に基づいて、限界冷却水流量V1が予測される。ここで、第1の所定時間としては、例えば、1分、5分、10分、1時間などが考えられる。また、第2の所定時間としては、1時間、1日、1週間などが考えられる。予測方法としては、例えば、直線回帰による予測が用いられる。予測された限界冷却水流量V1が最大必要冷却水流量Vmaxよりも低い場合に、劣化判定手段25により、冷却水供給装置17に第1の劣化が生じていると判定される。
冷却水供給装置17に第1の劣化が生じていると判定された場合、その旨が運転制御手段26、メンテナンス報知手段23、および通信手段30に伝えられる。運転制御手段26により、予測された限界冷却水流量V1に対応する電力出力W1(図13)が限界電力出力とされ、これを上回らない電力出力で燃料電池発電システムの運転が継続される(制限運転)。また、メンテナンス報知手段23により、メンテナンスが必要であることが管理者に報知される。さらに、通信手段30により、遠隔地にいる管理者に、メンテナンスが必要であることが報知される。
以上の動作により、本実施の形態にかかる燃料電池発電システムは、実際に必要冷却水流量が達成できなくなる前に、冷却水供給装置17に対するメンテナンスが必要であると判定できる。これにより、メンテナンスが必要であることがより早期の段階で管理者に報知される。さらに、管理者が遠隔地にいる場合にあっても、管理者はメンテナンスが必要であることを知ることができる。これにより、効率的かつ安全な管理およびメンテナンスが可能となる。
なお、本実施の形態においても、実施の形態2と同様に、電力出力に上限を設けるのとは異なる条件を設定してもよい。また、冷却水供給装置17に第1の劣化が生じているか否かの判定方法は、冷却水出力指令値と冷却水流量の検出値に基づいて、実際に必要冷却水流量が達成できなくなる前の段階で冷却水供給装置17に対するメンテナンスが必要と判定するものであれば、如何なる判定方法でもかまわない。例えば、上限以下の特定の出力指令値(例えば上限の80%)を与えることで、最大必要冷却水流量Vmaxを実現できると予想される場合に、劣化判定手段25により、第1の劣化が生じていると判定されてもよい。この場合、最大電力出力Wmaxで運転しても特段の問題は生じないため、運転の制限は行われず、単にメンテナンスが必要であることの報知のみが行われることになる。これにより、運転の制約を設ける必要がないような、劣化の初期段階において、メンテナンスが必要であることが管理者に報知される。よって、管理者は、より安全に部品の交換や修理等のメンテナンスを行うことができる。
冷却水供給装置17に第1の劣化が生じていると判定された以後も、メンテナンスが行われない限り、冷却水供給装置17の劣化は進行しうる。該劣化の進行に伴い、限界冷却水流量V1も低下する。本実施の形態では、第2の所定時間毎に、限界冷却水流量V1が再度予測され、V1に対応する電力出力も再計算される。そして、該電力出力が限界電力出力よりも低い場合、限界電力出力の値は該電力出力に更新される。これにより、該劣化の進行に応じて、運転の可能な範囲が適宜変更され、安定して発電を行うことができる。
次に、冷却水供給装置17に第2の劣化が生じているか否かを判定する方法について説明する。メンテナンスが行われない場合には、さらに劣化が進行する。本実施の形態では、限界冷却水流量V1が最大電力出力Wmaxの50%の電力出力を実現するのに必要な流量に達しない場合に、冷却水供給装置17に第2の劣化が生じていると判定される。本実施の形態では、第2の所定時間ごとに、劣化判定手段25により限界冷却水流量V1が予測され、これが最大電力出力Wmaxの50%に対応する必要流量に満たない場合に、劣化判定手段25により、冷却水供給装置17に第2の劣化が生じていると判定される。冷却水供給装置17に第2の劣化が生じていると判定された場合、その旨が運転制御手段26に伝えられ、運転制御手段26により燃料電池発電システムの運転が停止される。
以上の動作により、本実施の形態に係る燃料電池発電システムでは、実際に必要冷却水流量が達成できなくなる前に、経済性や安全性から必要とされる運転状態を維持できるか否かを判定できる。これにより、早期に冷却水供給装置17に劣化が生じているか否かを判定し、経済性や安全性に問題がある状態で運転が継続されることを防止することができる。
なお、本実施の形態では、予測された限界冷却水流量V1が最大電力出力Wmaxの50%の電力出力に対応する必要冷却水流量よりも低い場合に、冷却水供給装置17に第2の劣化が生じていると判定される。しかし、例えば、予測された限界冷却水流量V1が最大電力出力Wmaxの50%以外(例えば60%等)の電力出力に対応する必要冷却水流量よりも低い場合に冷却水供給装置17に第2の劣化が生じていると判定されてもよい。冷却水供給装置17に第2の劣化が生じているか否かを判定する方法は、冷却水出力指令値と冷却水流量の検出値に基づいて、実際に必要冷却水流量が達成できなくなる前の段階で、経済性や安全性から必要とされる運転状態を維持できるか否かを判定するものであれば、如何なる方法であってもかまわない。
本実施の形態においても、冷却水流量検出手段21において、流量計の代わりに、冷却水の圧力を検出する圧力計または冷却水の流速を検出する流速計を備え、出力指令値と圧力または流速の関係から冷却水供給装置17のメンテナンス必要性または運転停止の必要性が判定されてもよい。また、冷却水供給装置17以外の供給装置、すなわち、原料供給装置15、改質水供給装置14、酸化剤供給装置16において劣化が生じた場合であっても同様の動作により、同様の効果が得られる。複数の供給装置において劣化が生じているか否かが判定される場合には、メンテナンス報知手段23による報知のパターンをそれぞれの供給装置について異なるものとすることが好ましい。複数の供給装置において劣化が生じているか否かが判定される場合において、複数の供給装置について第1の劣化が生じていると判定された場合には、それぞれの流体に対する最大可能電力出力のうち最も低い電力出力を上限として、これを上回らない電力出力で燃料電池発電システムが運転されることが好ましい。また、複数の供給装置において劣化が生じているか否かが判定される場合において、いずれかの供給装置において第2の劣化が生じていると判定された場合には、運転を停止することが好ましい。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態3は、流量の検出値と出力指令値から、出力指令値を上限に設定した場合の流量を予測し、予測結果に基づいて、劣化判定手段25により、劣化判定対象に第1および第2の劣化が生じているか否かが判定されるものであるのに対し、本発明の実施の形態4は、予測を行わずに、劣化がまだ生じていない状態における出力指令値と流体流量の検出値との関係を用いて、劣化判定手段25により、劣化判定対象に第1および第2の劣化が生じているか否かが判定されるものである。
本実施の形態に係る燃料電池発電システムの構成については、実施の形態3と同様であるので、説明を省略する。また、本実施の形態に係る燃料電池発電システムについて、劣化判定対象に第1および第2の劣化が生じているか否かの判定方法以外の動作については、実施の形態3と同様であるので説明を省略する。
実施の形態3との相違点について、以下に説明する。なお、以下の説明においては冷却水供給装置17に劣化が生じた場合を取り上げるが、改質水供給装置14、原料供給装置15、酸化剤供給装置16についても同様の動作が可能であることは言うまでもない。
本実施の形態では、冷却水出力指令値を上限以下の範囲で調整しても、冷却水流量検出手段21により検出された冷却水流量が最大必要冷却水流量Vmaxに達しない場合に、劣化判定手段25により、冷却水供給装置17に第1の劣化が生じていると判定される。また、冷却水出力指令値を上限以下の範囲で調整しても、冷却水流量検出手段21により検出された冷却水流量が最大電力出力Wmaxの50%の電力出力を達成するのに必要な流量に達しない場合に、冷却水供給装置17に第2の劣化が生じていると判定される。冷却水供給装置17に第1の劣化および第2の劣化が満たされているか否かを判定するために、本実施の形態では、劣化がまだ生じていない状態における冷却水出力指令値と冷却水流量との関係を用いる。
まず、冷却水供給装置17に第1の劣化が生じているか否かを判定する方法について説明する。本実施の形態では、燃料電池発電システムの完成時、あるいは、冷却水供給装置17のメンテナンス終了時(以下、初回運転時)に、冷却水出力指令値が上限まで一定の間隔で上昇させられ、それぞれの冷却水出力指令値および冷却水流量の検出値が状態記憶手段29に記憶される。記憶された冷却水出力指令値および冷却水流量の検出値に基づいて、冷却水供給装置17に劣化が生じていない状態での冷却水出力指令値と冷却水流量との関係を表す線が決定される。この線を以下、初期値線と呼ぶ。なお、初期値線を決定するための方法は、必ずしも上述のように、出力指令値を一定間隔で上昇させるものに限られず、一定の時間間隔で冷却水出力指令値と冷却水流量の検出値を記憶させるもの等、さまざまな方法が考えられる。初期値線の決定方法は、初回運転時の冷却水出力指令値および冷却水流量の検出値に基づくものであれば、如何なる方法でも構わない。
また、メンテナンスが必要になるまで劣化が進行した状態での出力指令値と流量の関係を第1の閾値線、経済性や安全性から必要とされる運転状態を維持できなくなるまで劣化が進行した状態での出力指令値と流量の関係を第2の閾値線とし、これらが初期値線から決定される。本実施の形態では、最大必要冷却水流量Vmaxと出力指令値の上限との交わる点を通過するように初期値線が平行移動され、これが第1の閾値線とされる。また、電力出力が最大電力出力Wmaxの50%のときに必要な冷却水の流量と出力指令値の上限との交わる点を通過するように初期値線が平行移動され、これが第2の閾値線とされる。なお、各閾値線を決定する方法は、必ずしも上述のように平行移動を用いる必要はなく、出力指令値と流量の関係を表す直線または曲線のパラメータを初期値線から計算し、該パラメータに基づいて各閾値線を決定してもよい。各閾値線の決定方法は、初回運転時に決定された初期値線に基づくものであれば、如何なる方法でも構わない。
図19は、本実施の形態における劣化の判定方法を示す概念図である。本実施の形態において、冷却水出力指令値と冷却水流量の検出値から求められた冷却水流量を冷却水出力指令値−冷却水流量平面上にプロットし、該プロットが第1の閾値線よりも下側に位置するようになったときに、劣化判定手段25により、冷却水供給装置17に第1の劣化が生じていると判定される。
冷却水供給装置17に第1の劣化が生じていると判定された場合、その旨が運転制御手段26、メンテナンス報知手段23、および通信手段30に伝えられる。運転制御手段26により、最大電力出力Wmaxの50%が限界電力出力とされ、これを上回らない電力出力で燃料電池発電システムの運転が継続される(制限運転)。また、メンテナンス報知手段23により、メンテナンスが必要であることが管理者に報知される。さらに、通信手段30により、遠隔地にいる管理者に、メンテナンスが必要であることが報知される。
以上の動作により、本実施の形態に係る燃料電池発電システムでは、限界冷却水流量V1の予測を行わない場合にあっても、必要とされる流量が実現できなくなる前の段階で、劣化判定対象に対するメンテナンスが必要であると判定できる。これにより、簡便な方法で早期に冷却水供給装置17に第1の劣化が生じているか否かを判定し、部品の交換や修理等のメンテナンスを受けることができる。さらに、管理者が遠隔地にいる場合にあっても、管理者は該燃料電池発電システムに対するメンテナンスが必要であることを知ることができ、より効率的な管理およびメンテナンスが可能となる。
次に、冷却水供給装置17に第2の劣化が生じているか否かを判定する方法について説明する。本実施の形態において、該プロットが、第2の閾値線よりも下側に位置するようになったときに、劣化判定手段25により、冷却水供給装置17に第2の劣化が生じていると判定される。冷却水供給装置17に第2の劣化が生じていると判定された場合、その旨が運転制御手段26に伝えられ、運転制御手段26により燃料電池発電システムの運転が停止される。
以上の動作により、本実施の形態に係る燃料電池発電システムでは、限界冷却水流量V1の予測を行わない場合にあっても、実際に必要冷却水流量が達成できなくなる前に、経済性や安全性から必要とされる運転状態を維持できないと判定できる。これにより、簡便な方法で早期に冷却水供給装置17に劣化が生じているか否かを判定し、経済性や安全性に問題がある状態で運転が継続されることを防止することができる。
なお、本実施の形態においても、実施の形態2と同様に、電力出力に上限を設けるのとは異なる条件を設定してもよい。また、冷却水供給装置17に第1の劣化が生じているか否かの判定方法は、冷却水出力指令値と冷却水流量の検出値に基づいて、冷却水供給装置17に対するメンテナンスが必要と判定するものであれば、如何なる判定方法であってもかまわない。冷却水供給装置17に第2の劣化が生じているか否かの判定方法は、冷却水出力指令値と冷却水流量の検出値に基づいて、経済性や安全性から必要とされる運転状態を維持できないと判定するものであれば、如何なる判定方法であってもかまわない。
冷却水流量検出手段21において、流量計の代わりに、冷却水の圧力を検出する圧力計または冷却水の流速を検出する流速計を備え、出力指令値と圧力または流速の関係から冷却水供給装置17のメンテナンス必要性または運転停止の必要性が判定されてもよい。また、冷却水供給装置17以外の供給装置、すなわち、原料供給装置15、改質水供給装置14、酸化剤供給装置16において劣化が生じた場合であっても同様の動作により、同様の効果が得られる。複数の供給装置において劣化が生じているか否かが判定される場合には、メンテナンス報知手段23による報知のパターンをそれぞれの供給装置について異なるものとすることが好ましい。複数の供給装置において劣化が生じているか否かが判定される場合において、複数の供給装置において劣化が検出された場合には、それぞれの流体に対する最大可能電力出力のうち最も低い電力出力を上限として、これを上回らない電力出力で燃料電池発電システムが運転されることが好ましい。また、複数の供給装置において劣化が生じているか否かが判定される場合においては、いずれかの供給装置に第2の劣化が生じていると判定された場合には、運転が停止されることが好ましい。
(実施の形態1から4の補足)
特許請求の範囲および明細書に記載の「流体」とは、燃料電池発電システムに用いられるあらゆる気体、液体を含む。具体的には、例えば、燃料処理装置に供給される改質水および原料、燃料電池に供給される燃料、酸化剤、冷却水や冷却用空気、燃料処理装置を加熱するために用いられる燃料や空気、燃料処理装置に供給される空気や冷却水、熱回収のための循環水等が挙げられる。
また、特許請求の範囲および明細書に記載の「流体供給装置」とは、流体を特定の場所に供給するための手段を有する装置をいい、送出部のみならず、流体の取り入れ口、送出口、流量調整弁、流路等も含まれる。具体的には、例えば、ブロワ、ファン、ポンプやこれらに接続されたニードル弁、比例弁、パイプ、フィルタ等が挙げられる。ブロワ、ファン、ポンプとしては、より具体的には、例えば、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプ、遠心ポンプ、ターボブロア、スクロールブロア、リングブロワ、シロッコファンなどが挙げられる。
また、特許請求の範囲および明細書に記載の「検出」とは、センサ等を用いて、特定の物理量と一定の関係を有する値または信号を得ることをいい、該物理量に対応した特定の単位を有する測定値を得る場合に限られず、何らかの電気信号(電圧等)として該物理量を検出し、該電気信号を物理量に変換せずに制御を行う場合も含まれる。
また、特許請求の範囲および明細書に記載の「流体流量検出手段」とは、流体の流量、圧力、流速等の物理量を検出する手段であって、該物理量が該流体の流量と一定の関係を有するものをいう。具体的には、例えば、流量計、圧力計、流速計等が挙げられる。
また、特許請求の範囲および明細書に記載の「劣化」とは、流体供給装置による流体の供給能力が低下することをいい、ファンの磨耗等による流体供給装置そのものの劣化に限られず、該流体の流路に設置されたフィルタ等の目詰まりや流路の水漏れ、目詰まり等により、システム全体として流体の供給能力が低下する場合も含まれる。
また、特許請求の範囲および明細書に記載の「流量制御手段」、「劣化判定手段」、「運転制御手段」は、それぞれ流体の流量を制御し、流体供給装置の劣化を判定し、燃料電池発電システムの運転を制御することが可能なように構成された何らかの手段をいう。具体的には、例えば、電子回路により構成されたマイコン基板、ICチップ等が挙げられる。
なお、流量制御手段、劣化判定手段、運転制御手段の数は、如何なるものであっても構わない。例えば、すべての流体に対応可能な、流量制御手段、劣化判定手段、運転制御手段が各1個備えられていてもよい。また、個々の流体に対応する流量制御手段、劣化判定手段、運転制御手段がそれぞれ流体の種類の数だけ備えられていてもよい。また、流量制御手段、劣化判定手段、運転制御手段は、必ずしも別個の装置として備えられ、分散型の制御を行う必要はなく、例えば、1個の制御装置(マイコン等)により流量制御手段、劣化判定手段、運転制御手段が実現される、集中的な制御であっても構わない。
また、特許請求の範囲および明細書に記載の「メンテナンス」とは、流体供給装置が劣化した場合において、該流体供給装置の流体供給能力を回復させるための手続きをいう。具体的には、例えば、ポンプの交換、フィルタの洗浄、配管の修繕等が挙げられる。
また、特許請求の範囲および明細書に記載の「報知」とは、情報を第三者に伝達すべく行う動作をいう。具体的には、例えば、音による伝達、光による伝達等が含まれ、より具体的には、例えば、警告音による伝達、文字による伝達、図形による伝達、警告灯による伝達等が挙げられる。
また、特許請求の範囲および明細書に記載の「メンテナンス報知手段」とは、燃料電池発電システムに含まれる流体供給装置に対するメンテナンスが必要であることを報知するための手段である。具体的には、例えば、警告音を発するブザーやスピーカー、警告灯であるランプや発光ダイオード、文字や図形を表示するディスプレイ等が挙げられる。
また、特許請求の範囲および明細書に記載の「出力指令値」とは、流体供給装置に対して与えられる流量を制御するための指令値をいう。ここにおいて、流量の制御方法は、フィードバック制御であるかフィードフォワード制御であるかを問わない。また、出力指令値は、具体的には、例えば、流量、最大必要流量に対する割合(%等)、電圧、電流、周波数(回転数)、最大周波数(回転数)に対する割合(%等)、流量調整弁の開度等が挙げられるが、流量を調整するために用いることのできる値であれば、如何なるものであってもよい。
また、特許請求の範囲および明細書に記載の「可能な範囲」とは、流体供給装置に劣化が生じた場合において、該劣化が存在する状態において該流体供給装置や他の構成部分に悪影響が出ない範囲、あるいは、燃料電池発電システム全体の効率や安全性等に悪影響が出ない範囲をいう。具体的には、例えば、電力出力の範囲、各流体の流量、圧力等の範囲、燃料電池発電システムの特定の箇所の温度範囲等が挙げられる。
また、特許請求の範囲および明細書に記載の「状態記憶手段」とは、流体供給装置の状態を示すパラメータを記憶させるための手段をいう。具体的には、例えば、フラッシュメモリ、不揮発メモリ、ハードディスク等が挙げられる。ここで、状態の時期、場所等は問わない。すなわち、工場出荷時、新品交換時、劣化時等の時期や工場、店舗、納品先等の場所、ロットの平均であるか該燃料電池発電システムに取り付けられた現品であるか等は問わない。
また、特許請求の範囲および明細書に記載の「通信手段」とは、メンテナンス報知手段では報知することができない遠隔地にいる管理者に対し、燃料電池発電システムに含まれる流体供給装置に対するメンテナンスが必要であることを報知するための手段をいい、送受信を含む。具体的には、例えば、電話回線、LAN回線、インターネット回線、無線回線等を通信回線とする送受信機や端末装置等が含まれる。
また、特許請求の範囲および明細書に記載の「初回運転時」とは、燃料電池発電システムの完成後、あるいはメンテナンス終了後に、劣化判定対象に劣化が生じていない状態で運転を行う時をいう。すなわち、必ずしもメンテナンス直後の運転時には限られず、燃料電池発電システムの完成後、あるいはメンテナンス終了後に、劣化判定対象に劣化が生じていない期間に行う運転であればよい。また、必ずしも燃料電池発電システム全体を運転する場合やメンテナンス作業後行う運転に限られず、劣化判定対象のみの運転や、メンテナンス作業中において、流体供給能力が回復したことを確認する運転なども含まれる。
また、特許請求の範囲および明細書に記載の「最大電力出力」とは、燃料電池発電システムの設計上、経済的かつ安全に運転することが許容される設計上の最大の電力出力をいう。
また、特許請求の範囲および明細書に記載の「第1の劣化」とは、特定の流体供給装置に生じる、経済性や安全性を考慮して出力を低減させることが必要となる程度の劣化をいう。
また、特許請求の範囲および明細書に記載の「第2の劣化」とは、特定の流体供給装置に生じる、経済性や安全性から必要とされる運転状態を維持できないために運転を停止する必要があるとされる程度の劣化をいう。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明に係る燃料電池発電システムは、流体供給装置に劣化が生じた場合に、流量不足を防止しつつ運転を継続する一方で、所定の条件が満たされた場合には運転を停止することが可能な燃料電池発電システムとして有用である。
図1は本発明の実施の形態1に係る燃料電池発電システムの概略構成を示すブロック図である。 図2は本発明の実施の形態1に係る制御装置の概略構成を示すブロック図である。 図3は本発明の実施の形態1に係る燃料電池発電システムにおける改質水の流量と電力出力の関係を示す図である。 図4は本発明の実施の形態1に係る燃料電池発電システムにおける改質水供給装置に与える出力指令値と改質水の流量の関係を示す図である。 図5は本発明の実施の形態1に係る燃料電池発電システムにおいて改質水供給装置に劣化が生じた場合の、改質水供給装置に与える出力指令値と改質水の流量の関係を示す図である。 図6は本発明の実施の形態1に係る燃料電池発電システムにおいて第1の劣化が生じているか否かの判定を行い、制限運転を行うためのテーブルの一例を示すテーブルである。 図7は本発明の実施の形態1に係る燃料電池発電システムにおいて標準的な家庭の電力負荷に対する通常時の燃料電池発電システムの発電量を示すグラフである。 図8は本発明の実施の形態1に係る燃料電池発電システムにおいて標準的な家庭の電力負荷に対する流体供給装置が劣化した時の燃料電池発電システムの発電量を示すグラフである。 図9は本発明の実施の形態1に係る燃料電池発電システムにおいて電力出力と効率の模式的な関係を示す図である。 図10は本発明の実施の形態1に係る燃料電池発電システムにおいて標準的な家庭の電力負荷に対する限界電力出力とコストメリットの模式的な関係を示す図である。 図11は本発明の実施の形態2に係る燃料電池発電システムの概略構成を示すブロック図である。 図12は本発明の実施の形態2に係る制御装置の概略構成を示すブロック図である。 図13は本発明の実施の形態2に係る燃料電池発電システムにおける冷却水の流量と電力出力の関係を示す図である。 図14は本発明の実施の形態2に係る燃料電池発電システムにおける冷却水供給装置に与える出力指令値と冷却水の流量の関係を示す図である。 図15は本発明の実施の形態2に係る燃料電池発電システムにおいて冷却水供給装置に劣化が生じた場合の、冷却水供給装置に与える出力指令値と冷却水の流量の関係を示す図である。 図16は本発明の実施の形態2に係る燃料電池発電システムにおいて冷却水供給装置の劣化が進行した場合の、冷却水供給装置に与える出力指令値と冷却水の流量の関係を示す図である。 図17は本発明の実施の形態3に係る燃料電池発電システムの概略構成を示すブロック図である。 図18は本発明の実施の形態3において、達成可能な冷却水流量の上限を予測する方法を示す概念図である。 図19は本発明の実施の形態4における劣化の判定方法を示す概念図である。 図20は従来の燃料電池発電システムの構成を示す図である。
符号の説明
11 燃料電池
12 燃料処理装置
13 バーナ
14 改質水供給装置
15 原料供給装置
16 酸化剤供給装置
17 冷却水供給装置
18 改質水流量検出手段
19 原料流量検出手段
20 酸化剤流量検出手段
21 冷却水流量検出手段
22 制御装置
23 メンテナンス報知手段
24 流量制御手段
25 劣化判定手段
26 運転制御手段
27 制御部
28 記憶部
29 状態記憶手段
30 通信手段
31 経済性判断手段

Claims (16)

  1. 燃料電池と、前記燃料電池の発電と関連する流体を供給する1以上の流体供給装置の少なくとも1つである劣化判定対象と、前記劣化判定対象が供給する流体の流量を検出する流量検出手段と、前記劣化判定対象が供給する流体の流量を制御する流量制御手段と、燃料電池発電システムの運転を制御する運転制御手段とを備え、
    前記運転制御手段は、前記流量制御手段が前記劣化判定対象に所定の出力指令値を与えた場合に前記劣化判定対象が供給する流体の流量が第1の劣化範囲に存在する場合は燃料電池の電力出力を低減させ、前記流量が前記第1の劣化範囲よりも小さい第2の劣化範囲に存在する場合は運転を停止させるものであり、
    前記所定の出力指令値は前記劣化判定対象に与えられる出力指令値の上限値であり、
    前記劣化判定対象が、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給装置、及び前記燃料電池に燃料を供給する燃料供給装置の少なくともいずれか一方である、燃料電池発電システム。
  2. 水と原料から燃料を生成する燃料処理装置と、燃料電池と、前記燃料電池の発電と関連する流体を供給する1以上の流体供給装置の少なくとも1つである劣化判定対象と、前記劣化判定対象が供給する流体の流量を検出する流量検出手段と、前記劣化判定対象が供給する流体の流量を制御する流量制御手段と、燃料電池発電システムの運転を制御する運転制御手段とを備え、
    前記運転制御手段は、前記流量制御手段が前記劣化判定対象に所定の出力指令値を与えた場合に前記劣化判定対象が供給する流体の流量が第1の劣化範囲に存在する場合は燃料電池の電力出力を低減させ、前記流量が前記第1の劣化範囲よりも小さい第2の劣化範囲に存在する場合は運転を停止させるものであり、
    前記所定の出力指令値は前記劣化判定対象に与えられる出力指令値の上限値であり、
    前記劣化判定対象が、前記燃料処理装置に水を供給する水供給装置、及び前記燃料処理装置に原料を供給する原料供給装置の少なくともいずれか一方である、燃料電池発電システム。
  3. 前記所定の出力指令値が、前記流体制御手段により実際に与えられた出力指令値であり、前記劣化判定対象が供給する流体の流量が、前記出力指令値を与えられたときの前記流量検出手段による流量の検出値である、請求項1または2に記載の燃料電池発電システム。
  4. 前記所定の出力指令値を与えた場合に前記劣化判定対象が供給する流体の流量は、前記流体制御手段により実際に与えられた出力指令値及び前記実際に与えられた出力指令値が与えられたときの前記流量検出手段による流量の検出値に基づいて予測された予測値である、請求項1または2に記載の燃料電池発電システム。
  5. 燃料電池と、前記燃料電池の発電と関連する流体を供給する1以上の流体供給装置の少なくとも1つである劣化判定対象と、前記劣化判定対象が供給する流体の流量を検出する流量検出手段と、前記劣化判定対象が供給する流体の流量を制御する流量制御手段と、燃料電池発電システムの運転を制御する運転制御手段とを備え、
    前記運転制御手段は、前記流量制御手段が前記劣化判定対象に所定の出力指令値を与えた場合に前記劣化判定対象が供給する流体の流量が第1の劣化範囲に存在する場合は燃料電池の電力出力を低減させ、前記流量が前記第1の劣化範囲よりも小さい第2の劣化範囲に存在する場合は運転を停止させるものであり、
    前記劣化判定対象が、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給装置、及び前記燃料電池に燃料を供給する燃料供給装置の少なくともいずれか一方であり、
    前記所定の出力指令値を与えた場合に前記劣化判定対象が供給する流体の流量は、前記流体制御手段により実際に与えられた出力指令値及び前記実際に与えられた出力指令値が与えられたときの前記流量検出手段による流量の検出値に基づいて予測された予測値であり、
    前記所定の出力指令値は最大電力出力に対応する出力指令値である燃料電池発電システム。
  6. 前記流量検出手段は、前記劣化判定対象が供給する前記流体の圧力を検出する圧力検出手段を有し、前記検出された圧力に基づいて前記流体の流量を算出する、請求項1または2に記載の燃料電池発電システム。
  7. 前記運転制御手段は、前記流量制御手段が前記劣化判定対象に所定の出力指令値を与えた際に、前記流量検出手段により検出される前記劣化判定対象が供給する流体の流量を判定流量とするとき、前記判定流量が前記第1の劣化範囲に存在する場合は、燃料電池の電力出力が前記判定流量に対応する前記燃料電池の電力出力の上限値以下となるように制限運転を行う、請求項1または2に記載の燃料電池発電システム。
  8. 前記第1の劣化範囲は、前記制限運転を継続するとコストメリットがプラスになる範囲であり、前記第2の劣化範囲は、前記制限運転を継続するとコストメリットがマイナスになる範囲である、請求項7に記載の燃料電池発電システム。
  9. 前記第2の劣化範囲は、前記判定流量に対応する前記燃料電池の電力出力の上限値が所定の電力出力未満となる範囲である、請求項8に記載の燃料電池発電システム。
  10. 前記第2の劣化範囲は、給湯効率、発電効率および総合効率のいずれか一つである前記燃料電池の効率が所定の効率未満となる範囲である、請求項8に記載の燃料電池発電システム。
  11. 前記電力および/または原料の料金体系を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている前記料金体系に基づいて、燃料電池発電システムによる電力及び熱の少なくとも一つの供給コストと、商用電源および商用給湯器のいずれか少なくとも一つである代替手段による電力及び熱の少なくとも一つの供給コストを算出するコスト算出手段とを備え、
    前記第2の劣化範囲は、前記代替手段による供給コストが燃料電池発電システムによる供給コスト未満となる範囲である、請求項8に記載の燃料電池発電システム。
  12. 前記電力および/または原料の現行の料金体系を通信により取得する通信手段と、を備え、
    前記通信手段により取得した前記料金体系により前記記憶手段に記憶されている前記料金体系を更新する、請求項11に記載の燃料電池発電システム。
  13. 燃料電池発電システムの運転時間を積算する運転時間積算手段と、燃料電池発電システムの情報を表示する表示手段と、前記流量制御手段による出力指令値と前記流量検出手段による検出値と前記運転時間積算手段による運転時間に基づき、前記検出値が第1および/または第2の劣化範囲に到達するまでの時間を予測する時間予測手段を備え、
    前記表示手段は、前記時間予測手段により予測された時間を表示する、請求項1または2に記載の燃料電池発電システム。
  14. メンテナンス報知手段を備え、前記メンテナンス報知手段は、前記検出値が第1の劣化範囲に存在している場合に、前記劣化判定対象のメンテナンスが必要であることを報知する、請求項1または2に記載の燃料電池発電システム。
  15. 水と原料から燃料を生成する燃料処理装置と、燃料電池と、前記燃料電池の発電と関連する流体を供給する1以上の流体供給装置の少なくとも1つである劣化判定対象と、前記劣化判定対象が供給する流体の流量を検出する流量検出手段と、前記劣化判定対象が供給する流体の流量を制御する流量制御手段と、燃料電池発電システムの運転を制御する運転制御手段とを備え、
    前記運転制御手段は、前記流量制御手段が前記劣化判定対象に所定の出力指令値を与えた場合に前記劣化判定対象が供給する流体の流量が第1の劣化範囲に存在する場合は燃料電池の電力出力を低減させ、前記流量が前記第1の劣化範囲よりも小さい第2の劣化範囲に存在する場合は運転を停止させるものであり、
    前記劣化判定対象が、前記燃料処理装置に水を供給する水供給装置、及び前記燃料処理装置に原料を供給する原料供給装置の少なくともいずれか一方であり、
    前記所定の出力指令値を与えた場合に前記劣化判定対象が供給する流体の流量は、前記流体制御手段により実際に与えられた出力指令値及び前記実際に与えられた出力指令値が与えられたときの前記流量検出手段による流量の検出値に基づいて予測された予測値であり、
    前記所定の出力指令値は最大電力出力に対応する出力指令値である、燃料電池発電システム。
  16. 前記運転制御手段は、前記流量制御手段が前記劣化判定対象に所定の出力指令値を与えた際に、前記流量検出手段により検出される前記劣化判定対象が供給する流体の流量を判定流量とするとき、前記判定流量が前記第1の劣化範囲に存在する場合は、燃料電池の電力出力が前記判定流量に対応する前記燃料電池の電力出力の上限値以下となるように運転を行う、請求項5または15に記載の燃料電池発電システム。
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