JP6413398B2 - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP6413398B2
JP6413398B2 JP2014134611A JP2014134611A JP6413398B2 JP 6413398 B2 JP6413398 B2 JP 6413398B2 JP 2014134611 A JP2014134611 A JP 2014134611A JP 2014134611 A JP2014134611 A JP 2014134611A JP 6413398 B2 JP6413398 B2 JP 6413398B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot water
temperature
heat exchanger
fuel cell
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014134611A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016012522A (ja
Inventor
裕記 大河原
裕記 大河原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Aisin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd, Aisin Corp filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2014134611A priority Critical patent/JP6413398B2/ja
Publication of JP2016012522A publication Critical patent/JP2016012522A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6413398B2 publication Critical patent/JP6413398B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池システムの一形式として、特許文献1に示されているものが知られている。特許文献1の図1に示されているように、燃料電池システムにおいては、燃料電池(1)と、燃料電池の発電によって生じる排気ガスと水とで熱交換を行う熱交換器と、熱交換器で熱交換された貯湯水を貯湯するための貯湯槽(18)と、熱交換器と貯湯槽との間で貯湯水を循環させる循環配管(17)を備えている。
特許文献1に示された燃料電池システムでは、熱交換器内を流れる貯湯水の温度が、設定温度以上となった場合に、循環配管を流れる貯湯水の流量を増大させることにより、熱交換器内を流れる貯湯水の温度を第1の設定温度まで下げて、熱交換器内を流れる貯湯水の蒸発を抑制している。これにより、貯湯水に含まれるカルシウム等のミネラルの析出を抑制し、析出物(スケール)が熱交換器に付着することを防止し、熱交換器の腐食を抑制している。
熱交換器内の貯湯水の温度が上昇した場合には、貯湯水に溶存可能な空気量が減少するため、熱交換器内において貯湯水に溶存していた空気が気泡となって熱交換器内で滞留してしまう。熱交換器内で気泡が滞留してしまうと、熱交換器内において排気ガスと貯湯水とを熱交換させることができなくなってしまう。このような場合であっても、特許文献1に示される燃料電池システムの技術を用いれば、熱交換器内で気泡が発生するような温度以上となった場合に、循環配管を流れる貯湯水の流量を増大させることにより(以下、適宜気泡排出制御と略す)、熱交換器内に滞留した気泡を熱交換器外に排出することができる。
特開2010−33880号公報
しかしながら、特許文献1に示される燃料電池システムでは、貯湯槽には水道が接続されているため、温度が低い水道水、つまり、空気の溶存量が多い水が貯湯槽に供給される。水道水の温度よりも第1の設定温度のほうがより高温であるため、貯湯槽に供給された溶存量が多い水が熱交換器に供給されると、この空気の溶存量が多い水が熱交換器において加温されることによって、熱交換器内において気泡が発生し続けてしまう。すると、上述した気泡排出制御が頻繁に実行され、貯湯槽の上部に高温の貯湯水が滞留した高温層が形成され、貯湯槽の下部に低温の貯湯水が滞留した低温層が形成された温度成層が崩壊してしまう。
このように、貯湯槽内の貯湯水の温度成層が崩壊してしまうと、貯湯槽下部の低温の貯湯水と貯湯槽上部の高温の貯湯水が混ざるため、貯湯槽の内部において温度形成層が形成されている時と比較して、貯湯槽上部の貯湯水の温度が低下してしまうとともに、貯湯槽下部の貯湯水の温度が上昇してしまう。すると、貯湯槽上部から貯湯水使用場所に供給される貯湯水の温度が、温度形成層が形成されている場合と比較して低下してしまう。また、貯湯槽下部から熱交換器に供給される貯湯水の温度が、温度形成層が形成されている場合と比較して上昇して、熱交換器において排気ガスに含まれる水蒸気を凝縮させることができなくなり、水蒸気を凝縮させた水を燃料電池システムに再使用できなくなってしまう。また、熱交換器に供給される貯湯水の温度が、温度形成層が崩壊しない場合と比較して上昇するので、熱交換器において熱回収効率が低下してしまう。すると、燃料電池システムの運転効率が低下してしまう。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、貯湯槽を備えた燃料電池システムにおいて、貯湯槽内の貯湯水の温度成層の崩壊を抑制し、運転効率を向上させることを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る燃料電池システムの発明によれば、燃料と酸化剤ガスとにより発電する燃料電池と、貯湯水が貯湯される密閉空間である貯湯槽と、前記燃料電池から排気された排気ガスと前記貯湯水とを熱交換させる熱交換器と、前記貯湯槽と前記熱交換器との間で前記貯湯水が循環する第一貯湯水循環ラインと、前記第一貯湯水循環ラインに設けられ、前記貯湯水を前記貯湯槽と前記熱交換器との間で循環させるポンプと、前記貯湯水が使用される貯湯水使用機器と前記貯湯槽との間で前記貯湯水が循環するクローズド型の第二貯湯水循環ラインと、前記ポンプが吐出する前記貯湯水の流量を調整して、前記熱交換器から流出する前記貯湯水の温度である回収温度を定常温度にして定常運転を実行する定常運転部と、前記熱交換器内において気泡が発生したか否かを判定する気泡発生判定部と、前記気泡発生判定部によって前記熱交換器内において前記気泡が発生したと判定された場合に、前記ポンプが吐出する前記貯湯水の流量を、前記定常運転が実行されている時と比べて増大させて、前記気泡を前記熱交換器から排出する気泡排出制御を実行する気泡排出部と、前記気泡排出制御の実行後の度に、前記ポンプが吐出する前記貯湯水の流量を、前回実行された前記気泡排出制御の実行前であって前記気泡が前回発生した時の前記貯湯水の流量より増大させることにより、前記熱交換器から流出する前記貯湯水の温度である回収温度を、前回前記気泡が発生する前と比べて低下させる温度低下制御を実行する温度低下部と、を有する。
このように、気泡排出制御の実行後の度に、ポンプが吐出する貯湯水の流量を、前回実行された気泡排出制御の実行前であって気泡が前回発生した時の貯湯水の流量より増大させることにより、熱交換器から流出する貯湯水の温度である回収温度を、前回気泡が発生する前と比べて低下させる温度低下制御が実行される。これによれば、貯湯水に溶存可能な空気量は貯湯水の温度が低くなるに従って多くなることから、回収温度が低下されることによって、熱交換器内において貯湯水から排出される空気量を低減させることができる。このため、熱交換器内における気泡の発生を抑制させることができ、気泡排出制御の頻繁な実行が抑制される。よって、貯湯槽内の貯湯水の温度成層の崩壊を抑制することができ、燃料電池システムの運転効率を向上させることができる。
また、貯湯槽と貯湯水使用機器との間で貯湯水が循環する第二貯湯水循環ラインはクローズド型であるので、貯湯槽、第一貯湯水循環ライン、及び第二貯湯水循環ラインに、空気が溶存した水が継続して流入することが無い。このため、温度低下制御が実行されれば、熱交換器内における気泡の発生が抑制された状態を維持させることができる。また、温度低下処理の実行後において、再び熱交換器内において気泡の発生が判定されると、再び温度低下処理が実行されて、回収温度が低下される。これにより、より貯湯水に溶存可能な空気量が増大し、より熱交換器内における気泡の発生を抑制させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記温度低下制御の実行後に、前記気泡発生判定部によって前記気泡の発生が判定されなかった時間が規定時間を越える度に、前記ポンプが吐出する前記貯湯水の流量を減少させることにより、前記回収温度を、前記定常温度を上限として上昇させる温度上昇制御を実行する温度上昇部を有する。
これにより、熱交換器内において気泡の発生が判定されなかった時間が規定時間を越えた場合に、ポンプが吐出する貯湯水の流量が減少されて、定常温度を上限として回収温度が上昇される。このため、熱交換器内において気泡の発生が判定されなかった時間が規定時間を越えた場合に、つまり、熱交換器内において貯湯水から気泡が発生する可能性が低い状態において、回収温度を定常温度に復帰させることができる。また、ポンプが吐出する貯湯水の流量が減少されるので、同じ熱量でも高温の湯を少量、貯湯槽にためることで貯湯槽内において貯湯水が高温の温水で満水となる時間を延長させることができる。このため、熱交換器における熱回収効率の低下が抑制され、燃料電池システムの運転効率を向上させることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記回収温度を検出する温度検出部を有し、前記温度低下部は、前記気泡発生判定部によって前記気泡の発生が判定された回数に規定温度を乗算した値を前記定常温度から減算して、制御温度を演算し、前記温度検出部による検出結果に基づいて、前記回収温度が前記制御温度となるように、前記ポンプを制御する。これにより、熱交換器内において気泡が発生する度に、制御温度が確実に低下して、回収温度が確実に低下される。このため、確実に熱交換器内での気泡の発生を抑制することができ、気泡排出制御の頻繁な実行がより抑制される。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の発明において、制御温度が、第一異常温度以下となった場合に、異常と判定する異常判定部を有する。貯湯水の水圧が低下するにつれて、貯湯水の溶存空気の割合は低下する。つまり、第一貯湯水循環ライン内の貯湯水の水圧が低下するにつれて、熱交換器内において気泡が発生し易くなる。このため、第一貯湯水循環ライン内の貯湯水の水圧の低下に伴い、熱交換器内で気泡が発生して、気泡排出制御が実行され、その度に、制御温度が低下される。そこで、異常判定部は、制御温度が第一異常温度以下となった場合に、第一貯湯水循環ライン内の貯湯水の水圧が相当低下している異常が発生していると判定する。これより、第一貯湯水循環ライン内の貯湯水の水圧の低下の異常が検出可能となる。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の発明において、前記制御温度が、前記第一異常温度よりも低い第二異常温度以下となった場合に、前記燃料電池及び前記ポンプを停止させる運転停止部を有する。熱交換器が異物によって殆ど閉塞され、第一貯湯水循環ライン内を貯湯水が殆ど流通しない場合には、熱交換器内において気泡が発生し続ける。すると、温度低下制御が実行され続け、制御温度が低下され続けてしまう。そこで、運転停止部は、制御温度が第二異常温度以下となった場合に、燃料電池及びポンプを停止させる。これにより、熱交換器の閉塞に伴う燃料電池システムの他の装置の二次故障が防止される。
請求項6に係る発明は、請求項1〜請求項5に記載の発明において、前記貯湯槽には、前記貯湯槽の内部から前記貯湯槽の外部への空気の流出は許容するが、前記貯湯槽の外部から前記貯湯槽の内部への空気の流入は許容しないエア抜き弁が設けられている。これにより、貯湯水に溶存していた空気が、エア抜き弁を介して貯湯槽の外部に排出される。また、貯湯槽の外部から貯湯槽の内部への空気の侵入が防止されるので、貯湯水に再び空気が溶存してしまうことを防止することができる。
本発明による燃料電池システムの一実施形態の概要を示す概要図である。 貯湯水の温度と貯湯水の溶存空気の割合の関係を表したグラフである。 図1に示す制御装置で実行される「循環ポンプ制御処理」のフローチャートである。
以下、本発明による燃料電池システム100の一実施形態について説明する。図1に示すように、燃料電池システム100は、発電ユニット10及び貯湯槽21を備えている。発電ユニット10は、筐体10a、燃料電池モジュール11、熱交換器12、インバータ装置13、水タンク14、制御装置15、及び報知部17を備えている。
燃料電池モジュール11は、ケーシング31、蒸発部32、改質部33、及び燃料電池34を備えている。ケーシング31は、断熱性材料で箱状に形成されている。蒸発部32は、後述する燃焼ガスにより加熱されて、供給された改質水を蒸発させて水蒸気を生成するとともに、供給された改質用原料を予熱するものである。蒸発部32は、このように生成された水蒸気と予熱された改質用原料を混合して改質部33に供給するものである。
蒸発部32には、改質用原料供給管11aの一端が接続されている。改質用原料供給管11aの他端には、供給源Gsが接続されている。供給源Gsは、改質用原料を供給するものである。改質用原料としては天然ガス、LPガスなどの改質用気体燃料、灯油、ガソリン、メタノールなどの改質用液体燃料がある。改質用原料として天然ガスを用いた実施形態について、本実施形態の燃料電池システム100を説明する。
改質用原料供給管11aには、原料供給ポンプ11a1が設けられている。原料供給ポンプ11a1は、燃料電池34に燃料(改質用原料)を供給する供給装置であり、制御装置15から供給される制御電流によって供給源Gsからの燃料供給量(供給流量(単位時間あたりの流量))を調整するものである。この原料供給ポンプ11a1は、改質用原料を吸入し蒸発部32に圧送する圧送装置である。
蒸発部32には、水供給管11bの一端が接続されている。水供給管11bの他端には、水タンク14に接続されている。水供給管11bは、改質水ポンプ11b1が設けられている。このような構成によって、水タンク14から改質水が蒸発部32に供給される。燃料電池モジュール11の燃料電池34には、カソードエア供給管11cの一端が接続されている。カソードエア供給管11cの他端には、カソードエアブロワ11c1が接続されている。このような構成によって、カソードエアが燃料電池34に供給される。
改質部33は、上述した燃焼ガスにより加熱されて水蒸気改質反応に必要な熱が供給されることで、蒸発部32から供給された混合ガス(改質用原料、水蒸気)から改質ガスを生成して導出するものである。改質部33内には、触媒(例えば、RuまたはNi系の触媒)が充填されており、混合ガスが触媒によって反応し改質されて水素ガスと一酸化炭素などを含んだガスが生成されている(いわゆる水蒸気改質反応)。改質ガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、未改質の天然ガス(メタンガス)、改質に使用されなかった改質水(水蒸気)を含んでいる。このように、改質部33は改質用原料(原燃料)と改質水とから改質ガス(燃料)を生成して燃料電池34に供給する。なお、水蒸気改質反応は吸熱反応である。
燃料電池34は、改質部33によって生成された燃料とカソードエアブロワ11c1によって供給されたカソードエア(酸化剤ガス)によって発電するものである。燃料電池34は、燃料極、空気極(酸化剤極)、及び両極の間に介装された電解質からなる複数のセル34aが積層されて構成されている。本実施形態の燃料電池は、固体酸化物形燃料電池であり、電解質として固体酸化物の一種である酸化ジルコニウムを使用している。燃料電池34の燃料極には、燃料として水素、一酸化炭素、メタンガスなどが供給される。動作温度は400〜1000℃程度である。水素だけではなく天然ガスや石炭ガスなども直接燃料として用いることが可能である。この場合、改質部33は省略することができる。
セル34aの燃料極側には、燃料である改質ガスが流通する燃料流路34bが形成されている。セル34aの空気極側には、酸化剤ガスである空気(カソードエア)が流通する空気流路34cが形成されている。
燃料電池34は、マニホールド35上に設けられている。マニホールド35には、改質部33からの改質ガスが改質ガス供給管38を介して供給される。燃料流路34bは、その下端(一端)がマニホールド35の燃料導出口に接続されており、その燃料導出口から導出される改質ガスが下端から導入され上端から導出されるようになっている。カソードエアブロワ11c1によって送出されたカソードエアはカソードエア供給管11cを介して供給され、空気流路34cの下端から導入され上端から導出されるようになっている。
第一燃焼部36は、燃料電池34と蒸発部32及び改質部33との間に設けられている。第一燃焼部36は、燃料電池34からのアノードオフガス(燃料オフガス)と燃料電池34からのカソードオフガス(酸化剤オフガス)とが燃焼されて蒸発部32及び改質部33を加熱する。
第一燃焼部36では、アノードオフガスが燃焼されて火炎37が発生している。第一燃焼部36には、アノードオフガスを着火させるための一対の着火ヒータ36a1,36a2が設けられている。
貯湯槽21は、貯湯槽21は、縦長の密閉容器であり、内部に貯湯水が貯留される密閉空間が形成されている。貯湯槽21は、その内部に貯湯水のよる温度成層が形成されている。すなわち、貯湯槽21上部の貯湯水の温度が最も高温であり、貯湯槽21の上部から下部に位置するに従って貯湯水の温度が低温となり、貯湯槽21下部の貯湯水の温度が最も低温であるように、貯湯水が貯湯槽21の内部で貯留されるようになっている。
貯湯槽21の上部には、エア抜き弁25が設けられている。このエア抜き弁25は、貯湯槽21内の気圧が所定以上となった場合に開弁して、貯湯槽21内の空気を貯湯槽21の外部に排出する。つまり、エア抜き弁25は、貯湯槽21の内部から貯湯槽21の外部への空気の流出は許容する。また、エア抜き弁25は、貯湯槽21の外部から貯湯槽21の内部への空気の流入は許容しない逆止弁である。
貯湯槽21と熱交換器12との間で貯湯水が循環する(図1において矢印の方向に循環する)第一貯湯水循環ライン22が設けられている。第一貯湯水循環ライン22の始端は、貯湯槽21の下部に接続されている。第一貯湯水循環ライン22の終端は、貯湯槽21の上部に接続されている。第一貯湯水循環ライン22上には、その始端側から終端側に向かって順番に、循環ポンプ22a、熱交換器12が配設されている。熱交換器12には、凝縮水供給管12aの始端が接続されている。凝縮水供給管12aの終端は、水タンク14に接続されている。
熱交換器12は、第一燃焼部36(燃料電池34)から排気される排気ガスが供給されるとともに貯湯槽21からの貯湯水が供給され、排気ガスと貯湯水とを熱交換させる装置である。熱交換器12において、燃料電池モジュール11からの排気ガスは、排気ガス導入部12bを通って熱交換器12内に導入され、貯湯水との間で熱交換が行われて冷却される。熱交換後の排気ガスは排気管12cを通り、筐体10aに設けられた第一排気口10bを通って、筐体10aの外部に排出される。また、排気ガスに含まれる水蒸気が冷却されて凝縮された凝縮水は、凝縮水供給管12aを通って水タンク14に供給される。なお、水タンク14は、凝縮水をイオン交換樹脂によって純水化するようになっている。
循環ポンプ22aは、貯湯水を貯湯槽21と熱交換器12の間で循環させるものである。制御装置15は、循環ポンプ22aに供給する電流量をリニア電流制御によって制御して、循環ポンプ22aの吐出流量を制御する。なお、ここでいうリニア電流制御とは、循環ポンプ22aを駆動する電圧DUTY比を変更し、実効電流を除変させるPWM制御が含まれる。
上述した熱交換器12、貯湯槽21及び第一貯湯水循環ライン22から、排熱回収システム20が構成されている。排熱回収システム20は、燃料電池モジュール11の排熱を貯湯水に回収して蓄える。第一貯湯水循環ライン22の熱交換器12の内部には、熱交換器12内における貯湯水の温度T1を検出し、その検出信号を制御装置15に出力する第一温度センサ12dが設けられている。また、第一貯湯水循環ライン22の熱交換器12の出口付近には、熱交換器12から流出する貯湯水の温度T2(以下、適宜、回収温度T2とする)を検出し、その検出信号を制御装置15に出力する第二温度センサ12eが設けられている。
貯湯槽21と、貯湯水が使用される貯湯水使用機器910との間で貯湯水が循環する(図1において矢印の方向に循環する)第二貯湯水循環ライン930が設けられている。第二貯湯水循環ライン930の始端は、貯湯槽21の上部に接続されている。第二貯湯水循環ライン930の終端は、貯湯槽21の下部に接続されている。第二貯湯水循環ライン930には、給湯ポンプ920が設けられている。給湯ポンプ920は、高温の貯湯水を貯湯水使用機器910に供給して、貯湯水使用機器910から流出する低温の貯湯水を貯湯槽21に戻す。このように、貯湯槽21から貯湯水使用機器910に供給された貯湯水は、再び貯湯槽21に戻される。つまり、第二貯湯水循環ライン930はクローズド型である。言い換えると、燃料電池システム100は、常時は外部から水道水が供給されないクローズド型である。貯湯水使用機器910には、室内暖房機器、床暖房機器が含まれる。
熱交換器12の排気ガス導入部12bの入口がケーシング31に接続されている部分、すなわちケーシング31の導出口31aには、第二燃焼部28が設けられている。第二燃焼部28は、第一燃焼部36から排気されるガスである第一燃焼部オフガス、すなわち、第一燃焼部36から排気される未使用の可燃ガス(例えば、水素、メタンガス、一酸化炭素など)を導入し燃焼して導出するものである。第二燃焼部28は、可燃ガスを燃焼する触媒である燃焼触媒で構成されている。燃焼触媒には、プラチナやパラジウムなどの貴金属がセラミックの単体などに担持させたものが含まれる。
なお、燃焼触媒は、水素、メタンガス、一酸化炭素などの可燃ガスを火炎燃焼でなく触媒によって燃焼するため、燃焼速度が大きく、大量の可燃ガスを燃焼することができ、かつ、燃焼効率も高いため未燃焼ガスの排出を抑制することができる。
第二燃焼部28には、燃焼触媒を触媒の活性温度まで加熱して可燃ガスを燃焼させるための燃焼触媒ヒータ28aが設けられている。燃焼触媒ヒータ28aは制御装置15の指示によって加熱されるものである。
インバータ装置13には、燃料電池34から出力される直流電圧が入力される。そして、インバータ装置13は、入力された直流電圧を所定の交流電圧に変換して、交流の系統電源16a及び外部電力負荷16c(例えば電化製品)に接続されている電源ライン16bに出力する。インバータ装置13には、系統電源16aからの交流電圧が電源ライン16bを介して入力される。そして、インバータ装置13は、入力された交流電圧を所定の直流電圧に変換して補機(各ポンプ、ブロワなど)や制御装置15に出力する。制御装置15は、補機を駆動して燃料電池システム100の運転を制御する。
制御装置15は、燃料電池システム100を統括制御するものである。制御装置15は、原料供給ポンプ11a1が蒸発部32に供給する改質用原料の流量を調整するとともに、改質水ポンプ11b1が蒸発部32に供給する改質水の流量を調整し、更に、カソードエアブロワ11c1が燃料電池34に供給するカソードエアの流量を調整することによって、燃料電池34で発電される発電電力を調整する。制御装置15は、後述の「循環ポンプ制御処理」において、熱交換器12内において気泡が発生したと判定された時刻を記憶する記憶部15aを備えている。
報知部17は、第一貯湯水循環ライン22内を流通する貯湯水の水圧低下、及び第一貯湯水循環ライン22内の貯湯水の水圧を上げなければならいとの指示を、作業者に報知する装置である。また、報知部17は、熱交換器12が閉塞されている旨の異常を、作業者に報知する装置である。報知部17には、スピーカー、ディスプレイが含まれる。
(気泡排出制御及び温度低下制御の説明)
以下に、図2に示すグラフを用いて、燃料電池システム100で実行される「気泡排出制御」及び「温度上昇制御」について説明する。図2に示すように、貯湯水の温度が高くなるに従って、貯湯水の溶存空気の割合は低下する。T0は水道水の温度である。T2aは、燃料電池システム100が「定常運転」されている場合において、熱交換器12から流出する貯湯水の定常温度である。つまり、燃料電池システム100が「定常運転」されている場合には、熱交換器12から流出する貯湯水の温度である回収温度T2は、定常温度T2aに制御される。
燃料電池システム100が設置されてから最初に運転される場合には、水道水の温度T0における貯湯水の溶存空気の割合A1から定常温度T2aにおける貯湯水の溶存空気の割合Aaを減算した差分ΔAに相当する空気が貯湯水から排出され、熱交換器12において気泡が発生する。
熱交換器12内において気泡の発生が判定されると、循環ポンプ22aが熱交換器12に吐出する貯湯水の流量を、気泡が発生した時点と比べて増大させて、気泡を熱交換器12から排出する「気泡排出制御」が実行される。そして、この気泡は、第一貯湯水循環ライン22を通って貯湯槽21に移動し、貯湯槽21の上部に設けられたエア抜き弁25から貯湯槽21の外部に排出される。
「気泡排出制御」の実行後の度に、循環ポンプ22aの吐出流量を調整することによって、回収温度T2が、熱交換器12内で気泡が前回発生した時に比べて、第一規定温度Δa(例えば5℃)だけ低下される「温度低下制御」が実行される。すると、前回、熱交換器12内で気泡が発生した時に比べて、熱交換器12内の貯湯水の溶存可能な空気量が増加する。このため、熱交換器12内において貯湯水からの気泡の発生が抑制される。
第二貯湯水循環ライン930はクローズド型であるので、燃料電池システム100の設置時以外には、基本的に、水道水は、貯湯槽21、第一貯湯水循環ライン22、及び第二貯湯水循環ライン930のいずれにも導入されない。つまり、溶存空気の割合が高い水道水が貯湯水に混入しない。このため、熱交換器12内において貯湯水からの気泡の発生が抑制される状態が維持される。
「温度低下制御」が実行された後において、熱交換器12内において気泡の発生が判定されると、「気泡排出制御」が実行され、この「気泡排出制御」の実行後に「温度低下制御」が実行される。すると、回収温度T2が、第一規定温度Δaだけ更に低下され、より一層、熱交換器12内の貯湯水の溶存可能な空気量が増加する。このため、熱交換器12内において貯湯水からの気泡の発生がより一層抑制されることとなる。以下に、図3に示すフローチャートを用いて、「気泡排出制御」及び「温度低下制御」が実行される「循環ポンプ制御処理」について詳細に説明する。
(循環ポンプ制御処理)
以下に図3に示すフローチャートを用いて、燃料電池システム100で実行される「循環ポンプ制御処理」について説明する。燃料電池システム100が起動すると、プログラムはステップS11に進む。
ステップS11において、制御装置15(定常運転部)は、第二温度センサ12eからの検出信号に基づいて、フィードバック制御によって、熱交換器12から流出する貯湯水の温度である回収温度T2が、定常温度T2a(例えば75℃)となるように、循環ポンプ22aの吐出流量を調整する「定常運転」を実行する。なお、循環ポンプ22aの吐出流量が増大するに従って、回収温度T2は低下する。また、循環ポンプ22aの吐出流量が減少するに従って、回収温度T2は上昇する。このステップS11の処理によって、貯湯槽21内には、貯湯水による温度成層が形成される。ステップS11が終了すると、制御装置15は、プログラムをステップS12に進める。
ステップS12において、制御装置15(気泡発生判定部)は、熱交換器12内において気泡が発生したと判定した場合には(ステップS12:YES)、プログラムをステップS13に進める。一方で、制御装置15(気泡発生判定部)は、熱交換器12内において気泡が発生していないと判定した場合には(ステップS12:NO)、プログラムをステップS21に進める。
なお、熱交換器12内において気泡が発生すると、当該気泡が熱交換器12内を流通する排気ガスによって熱せられて、高温の気泡となる。この高温の気泡が、第一温度センサ12dや第二温度センサ12eが温度を検出する部分に接触すると、第一温度センサ12dや第二温度センサ12eで検出される温度T1や温度T2の温度が高くなる。この原理を利用して、制御装置15は、熱交換器12内における貯湯水の温度T1(以下、適宜、温度T1と略す)が第一規定閾値Ta(例えば90℃)以上である場合、或いは、熱交換器12から流出する貯湯水の温度T2が第二規定閾値Tb(例えば90℃)以上であると判断した場合には、熱交換器12内に気泡が発生したと判定する。また、制御装置15は、温度T1が第一規定閾値Taより低く、且つ、温度T2が第二規定閾値Tbより低いと判断した場合には、熱交換器12内に気泡が発生していないと判定する。
なお、制御装置15が、温度T1の温度T2一方のみに基づいて、熱交換器12内において気泡が発生したか否かを判断することにしても差し支え無い。また、制御装置15が、温度T1が第一規定閾値Ta以上となり、且つ温度T2が第二規定閾値Tb以上となった場合に、熱交換器12内において気泡が発生したと判断することにしても差し支え無い。
ステップS13において、制御装置15(気泡排出部)は、循環ポンプ22aの吐出流量を、ステップS12において熱交換器12内に気泡が発生した判定された時点と比べて増大させて、気泡を熱交換器12から排出する「気泡排出制御」を実行する。この「気泡排出制御」は、「気泡排出制御」の実行が開始されてから気泡排出規定時間tdが経過するまで実行される。或いは、温度T1や温度T2が規定温度Tdに低下した際に、制御装置15が、「気泡排出制御」を停止することにしても差し支え無い。この「気泡排出制御」によって、熱交換器12内の気泡は、貯湯槽21の上部に移動し、エア抜き弁25を介して、貯湯槽21の外部に排出される。このように、「気泡排出制御」によって、貯湯水に溶存している空気が貯湯槽21の外部に排出される。第二貯湯水循環ライン930はクローズド型であり、溶存空気の割合が高い水が貯湯水に混入しないので、貯湯水中の溶存空気の割合が徐々に低下する。ステップS13が終了すると、制御装置15は、プログラムをステップS14に進める。
ステップS14において、制御装置15(温度低下部)は、第二温度センサ12eからの検出信号(検出結果)に基づいて、熱交換器12から流出する貯湯水の回収温度T2を、下式(1)によって演算された制御温度T2bnとなるように、循環ポンプ22aをフィードバック制御する。なお、ステップS14において、循環ポンプ22aが吐出する貯湯水の流量は、ステップS14が実行される前と比べて増大する。
T2bn=T2a−n・Δa…(1)
T2bn:制御温度
T2a:定常温度
n:貯湯水が定常温度T2aとなるように制御されている状態から、ステップS12において気泡が発生したと判定された回数
Δa:第一規定温度(例えば5℃)
このステップS14が実行される度に、つまり、ステップS13において、「気泡排出制御」が実行後の度に、回収温度T2が、前回気泡が発生する前と比べて第一規定温度Δaだけ低下される。
ステップS14が終了すると、制御装置15はプログラムをステップS31に進める。
ステップS21において、制御装置15(温度上昇部)は、ステップS12において、熱交換器内において気泡が発生していないと判定された時間が規定時間trを経過したと判断した場合には(S21:YES)、プログラムをS22に進める。一方で、制御装置15(温度上昇部)は、ステップS12において、熱交換器内において気泡が発生していないと判定された時間がtrを経過していないと判断した場合には(S21:NO)、プログラムをS12に戻す。
ステップS22において、制御装置15(温度上昇部)は、下式(2)に基づいて、制御温度T2bnを演算する。
T2bn=T2b(n−1)+Δb…(2)
T2bn:制御温度
T2b(n−1):前回ステップS22又は前回S14で演算された制御温度 初めてS22が実行される場合には、定常温度T2a
Δb:第二規定温度(例えば5℃)
但し、制御温度T2bnは、定常温度T2aが上限値であり、定常温度T2aを越えないように演算される。
次に、制御装置15は(温度上昇部)は、第二温度センサ12eからの検出信号(検出結果)に基づいて、熱交換器12から流出する貯湯水の回収温度T2を、上式(2)によって演算された制御温度T2bnとなるように、循環ポンプ22aをフィードバック制御する。なお、ステップS22において、循環ポンプ22aが吐出する貯湯水の流量は、このステップS22が実行される前と比べて減少する。
このように、「温度低下制御」の実行後に、熱交換器12内において気泡の発生が判定されなかった時間が、規定時間trを越える度に(ステップS21でYESと判断)、回収温度T2が、定常温度T2aを上限として、第二規定温度Δbだけ上昇される。
ステップS22が終了すると、制御装置15は、プログラムをステップS12に戻す。
ステップS31において、制御装置15(異常判定部)は、制御温度T2bnが第一異常温度T2xよりも高いと判断した場合には(ステップS31:YES)、プログラムをS12に戻す。一方で、制御装置15(異常判定部)は、制御温度T2bnが第一異常温度T2x以下であると判断した場合には(ステップS31:NO)、プログラムをS32に進める。第一異常温度T2xは、第一貯湯水循環ライン22内における貯湯水の水圧の低下を判定するための温度閾値であり、例えば50℃である。図2に示すように、貯湯水の水圧が低下するにつれて、貯湯水の溶存空気の割合は低下する。つまり、第一貯湯水循環ライン22内の貯湯水の水圧が低下すると、熱交換器12内において気泡が発生し易くなる。第一貯湯水循環ライン22内の貯湯水の水圧の低下に伴い、ステップS12において、熱交換器12内での気泡が発生したと判定される度に、ステップS14において、制御温度T2bnが第一規定温度Δaだけ低下される。そして制御温度T2bnが、第一異常温度T2xまで低下している場合には、第一貯湯水循環ライン22内の貯湯水の水圧が相当低下している。ステップS31が終了すると、制御装置15は、プログラムをステップS32に進める。
ステップS32において、制御装置15(異常判定部)は、第一貯湯水循環ライン22内において貯湯水の水圧が相当に低下している「水圧異常」と判定する。ステップS32が終了すると、制御装置15は、プログラムをS33に進める。
ステップS33において、制御装置15は、「水圧異常」である旨及び、第一貯湯水循環ライン22内の貯湯水の水圧を上げなければならいとの指示を報知部17で報知させる。ステップS33が終了すると、制御装置15は、プログラムをS34に進める。
ステップS34において、制御装置15(運転停止部)は、制御温度T2bnが、第二異常温度T2yよりも高いと判断した場合には(ステップS34:YES)、プログラムをS12に戻す。一方で、制御装置15(運転停止部)は、制御温度T2bnが第二異常温度T2y以下であると判断した場合には(ステップS34:NO)、プログラムをS35に進める。第二異常温度T2yは、熱交換器12がスケール等の異物によって殆ど閉塞されたか否かを判定するための温度閾値であり、例えば30℃である。熱交換器12がスケール等の異物によって殆ど閉塞され、第一貯湯水循環ライン22内を貯湯水が殆ど流通していない場合には、熱交換器12内において気泡が発生し続ける。すると、ステップS12の処理で熱交換器12において気泡が発生したと判断され、ステップS14の処理において、制御温度T2bnが第一規定温度Δaずつ低下されることが繰り返され、制御温度T2bnが第二異常温度T2y以下となってしまう。
ステップS35において、制御装置15(運転停止部)は、熱交換器12が殆ど閉塞されている旨の異常を報知部17で報知させる。ステップS35が終了すると、制御装置15は、プログラムをS36に進める。
ステップS36において、制御装置15(運転停止部)は、「異常停止処理」を実行する。具体的には、制御装置15は、原料供給ポンプ11a1、改質水ポンプ11b1、及びカソードエアブロワ11c1の駆動を停止して、燃料電池34への改質用原料、改質水、及びカソードエアの供給を停止させて、燃料電池34での発電を停止させる。また、制御装置15は、循環ポンプ22aを停止させて、第一貯湯水循環ライン22内における貯湯水の流通を停止させる。ステップ36が終了すると、「循環ポンプ制御処理」が終了する。
(本実施形態の効果)
以上の説明から明らかなように、「気泡排出制御」の実行後の度に、循環ポンプ22aが吐出する貯湯水の流量を増大させることにより、熱交換器12から流出する貯湯水の温度である回収温度T2を、前回気泡が発生する前と比べて低下させる「温度低下制御」が実行される(図3のステップS14)。これによれば、貯湯水に溶存可能な空気量は貯湯水の温度が低くなるに従って多くなることから、回収温度T2が低下されることによって、熱交換器12内において貯湯水から排出される空気量を低減させることができる。このため、熱交換器12内における気泡の発生を抑制させることができ、「気泡排出制御」の頻繁な実行が抑制される。よって、貯湯槽21内の貯湯水の温度成層の崩壊を抑制することができ、燃料電池システム100の運転効率を向上させることができる。
また、貯湯槽21と貯湯水使用機器910との間で貯湯水が循環する第二貯湯水循環ライン930はクローズド型であるので、貯湯槽21、第一貯湯水循環ライン22、及び第二貯湯水循環ライン930に、空気が溶存した水が継続して流入することが無い。このため、「温度低下制御」が実行されれば、熱交換器12内における気泡の発生が抑制された状態を維持させることができる。また、「温度低下処理」の実行後において、再び熱交換器12内において気泡の発生が判定されると、再び「温度低下処理」が実行されて、回収温度T2が低下される。これにより、より貯湯水に溶存可能な空気量が増大し、より熱交換器12内における気泡の発生を抑制させることができる。
図2に示すように、貯湯水の水圧が低下すると、貯湯水の溶存空気の割合は低下する。第一貯湯水循環ライン22内の貯湯水の水圧が低下し、この貯湯水に溶存している空気が排出され、熱交換器12内で気泡が発生した場合であっても(ステップS12でYESと判断)、「温度低下制御」が実行されることにより(ステップS14)、熱交換器12内において貯湯水から排出される空気量を低減させることができる。このため、貯湯水の水圧の低下に伴う熱交換器12内における気泡の発生を抑制させることができ、「気泡排出制御」の頻繁な実行が抑制される。
また、制御装置15(温度上昇部)は、熱交換器12内において気泡の発生が判定されなかった時間が規定時間trを越えた場合に(ステップS21でYESと判断)、循環ポンプ22aが吐出する貯湯水の流量が減少されて、定常温度T2aを上限として回収温度T2が上昇される(ステップS22)。このため、気泡の発生が判定されなかった時間が規定時間trを越えた場合に、つまり、熱交換器12内において貯湯水から気泡が発生する可能性が低い状態において、回収温度T2を定常温度T2aに復帰させることができる。また、循環ポンプ22aが吐出する貯湯水の流量が減少されるので、同じ熱量でも高温の湯を少量ためることで、貯湯槽21内が高温の湯で満水となる時間を延長させることができる。このため、熱交換器12内の流入側の貯湯水の温度と、熱交換器12内の流出側の貯湯水の温度との間の温度差が小さくなってしまうことに起因する熱交換器12における熱回収効率の低下が抑制され、燃料電池システム100の運転効率を向上させることができる。
貯湯槽21が温度的に満水になった場合には、ラジエータ(不図示)によって貯湯槽21の下部から熱交換器12に供給される貯湯水を冷却させなければ、熱交換器12において排気ガスに含まれる水蒸気を水に凝縮させて改質水に再利用させることができない。本実施形態では、上述したように、貯湯槽21内において貯湯水が温度的に満水となる時間を延長させることができるので、ラジエータによって冷却される貯湯水の熱量を低減させることができ、燃料電池システム100の運転効率を向上させることができる。
また、ステップS14において、制御装置15(温度低下部)は、上式(1)に基づいて、制御温度T2bnを演算する。つまり、制御装置15(温度低下部)は、熱交換器12内において気泡の発生が判定された回数nに第一規定温度Δaを乗算した値を定常温度T2aから減算して、制御温度T2bnを演算する。そして、制御装置15(温度低下部)は、第二温度センサ12eによる検出結果に基づいて、回収温度T2が制御温度T2bnとなるように、循環ポンプ22aをフィードバック制御する。これにより、熱交換器12内において気泡が発生する度に、制御温度T2bnが確実に低下して、回収温度T2が確実に低下される。このため、確実に熱交換器12内での気泡の発生を抑制することができ、「気泡排出制御」の頻繁な実行がより抑制される。
制御装置15(異常判定部)は、制御温度T2bnが、第一異常温度T2x以下となった場合に、異常と判定する(ステップS31でNOと判断)。貯湯水の水圧が低下するにつれて、貯湯水の溶存空気の割合は低下する。つまり、第一貯湯水循環ライン22内の貯湯水の水圧が低下するにつれて、熱交換器12内において気泡が発生し易くなる。このため、第一貯湯水循環ライン22内の貯湯水の水圧の低下に伴い、熱交換器12内で気泡が発生して、「気泡排出制御」が実行され、その度に、制御温度T2bnが低下される。そこで、制御装置15(異常判定部)は、制御温度T2bnが第一異常温度T2x以下となった場合に、第一貯湯水循環ライン22内の貯湯水の水圧が相当低下している異常が発生していると判定する(ステップS32)。これより、第一貯湯水循環ライン22内の貯湯水の水圧の低下の異常が検出可能となる。
制御装置15(運転停止部)は、制御温度T2bnが、第一異常温度T2xよりも低い第二異常温度T2y以下となった場合に(ステップS34でNOと判断)、燃料電池34及び循環ポンプ22aを停止させる(ステップS36)。熱交換器12が異物によって殆ど閉塞され、第一貯湯水循環ライン22内を貯湯水が殆ど流通しない場合には、熱交換器12内において気泡が発生し続ける。すると、ステップS14において、「温度低下制御」が実行され続け、制御温度T2bnが低下され続けてしまう。そこで、制御装置15(運転停止部)は、制御温度T2bnが第二異常温度T2y以下となった場合に、燃料電池34及び循環ポンプ22aを停止させる。これにより、熱交換器12の閉塞に伴う燃料電池システム100の他の装置の二次故障が防止される。
また、貯湯槽21には、貯湯槽21の内部から貯湯槽21の外部への空気の流出は許容するが、貯湯槽21の外部から貯湯槽21の内部への空気の流入は許容しないエア抜き弁25が設けられている。これにより、貯湯水に溶存していた空気が、エア抜き弁25を介して貯湯槽21の外部に排出される。また、貯湯槽21の外部から貯湯槽21の内部への空気の侵入が防止されるので、貯湯水に再び空気が溶存してしまうことを防止することができる。このため、貯湯水の溶存空気量を低い状態に維持することができる。
(別の実施形態)
以上説明した実施形態では、ステップS14において、制御装置15(温度低下部)は、上式(1)に基づいて、制御温度T2bnを演算している。そして、制御装置15(温度低下部)は、第二温度センサ12eからの検出信号に基づいて、フィードバック制御によって、熱交換器12から流出する貯湯水の回収温度T2が制御温度T2bnとなるように、循環ポンプ22aを制御する。しかし、制御装置15(温度低下部)が、循環ポンプ22aが吐出する貯湯水の流量を所定流量増大させることにより、回収温度T2を所定温度低下させる実施形態であっても差し支え無い。
同様に、ステップS22において、制御装置15(温度上昇部)が、循環ポンプ22aが吐出する貯湯水の流量を所定流量低下させることにより、回収温度T2を所定温度上昇させる実施形態であっても差し支え無い。
図3のステップS12やステップS31において、制御装置15は、熱交換器12内における貯湯水の温度T1が第一規定閾値Ta以上であると複数回以上判断した場合に、或いは、熱交換器12から流出する貯湯水の温度T2が第二規定閾値Tb以上であると複数回以上判断した場合に、熱交換器12内において気泡が発生したと判断する実施形態であっても差し支え無い。
12…熱交換器、12d…第一温度センサ(温度検出部)、12e…第二温度センサ(温度検出部)、15…制御装置(気泡発生判定部、気泡排出部、温度低下部、温度上昇部、水圧低下判定部、運転停止部)、15a…記憶部、21…貯湯槽、22…第一貯湯水循環ライン、25…エア抜き弁、34…燃料電池、22a…循環ポンプ(ポンプ)、100…燃料電池システム、910…貯湯水使用機器、930…第二貯湯水循環ライン

Claims (6)

  1. 燃料と酸化剤ガスとにより発電する燃料電池と、
    貯湯水が貯湯される密閉空間である貯湯槽と、
    前記燃料電池から排気された排気ガスと前記貯湯水とを熱交換させる熱交換器と、
    前記貯湯槽と前記熱交換器との間で前記貯湯水が循環する第一貯湯水循環ラインと、
    前記第一貯湯水循環ラインに設けられ、前記貯湯水を前記貯湯槽と前記熱交換器との間で循環させるポンプと、
    前記貯湯水が使用される貯湯水使用機器と前記貯湯槽との間で前記貯湯水が循環するクローズド型の第二貯湯水循環ラインと、
    前記ポンプが吐出する前記貯湯水の流量を調整して、前記熱交換器から流出する前記貯湯水の温度である回収温度を定常温度にして定常運転を実行する定常運転部と、
    前記熱交換器内において気泡が発生したか否かを判定する気泡発生判定部と、
    前記気泡発生判定部によって前記熱交換器内において前記気泡が発生したと判定された場合に、前記ポンプが吐出する前記貯湯水の流量を、前記定常運転が実行されている時と比べて増大させて、前記気泡を前記熱交換器から排出する気泡排出制御を実行する気泡排出部と、
    前記気泡排出制御の実行後の度に、前記ポンプが吐出する前記貯湯水の流量を、前回実行された前記気泡排出制御の実行前であって前記気泡が前回発生した時の前記貯湯水の流量より増大させることにより、前記熱交換器から流出する前記貯湯水の温度である回収温度を、前回前記気泡が発生する前と比べて低下させる温度低下制御を実行する温度低下部と、
    を有する燃料電池システム。
  2. 前記温度低下制御の実行後に、前記気泡発生判定部によって前記気泡の発生が判定されなかった時間が規定時間を越える度に、前記ポンプが吐出する前記貯湯水の流量を減少させることにより、前記回収温度を、前記定常温度を上限として上昇させる温度上昇制御を実行する温度上昇部を有する請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記回収温度を検出する温度検出部を有し、
    前記温度低下部は、
    前記気泡発生判定部によって前記気泡の発生が判定された回数に規定温度を乗算した値を前記定常温度から減算して、制御温度を演算し、
    前記温度検出部による検出結果に基づいて、前記回収温度が前記制御温度となるように、前記ポンプを制御する請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御温度が、第一異常温度以下となった場合に、異常と判定する異常判定部を有する請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記制御温度が、前記第一異常温度よりも低い第二異常温度以下となった場合に、前記燃料電池及び前記ポンプを停止させる運転停止部を有する請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記貯湯槽には、前記貯湯槽の内部から前記貯湯槽の外部への空気の流出は許容するが、前記貯湯槽の外部から前記貯湯槽の内部への空気の流入は許容しないエア抜き弁が設けられている請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
JP2014134611A 2014-06-30 2014-06-30 燃料電池システム Active JP6413398B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014134611A JP6413398B2 (ja) 2014-06-30 2014-06-30 燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014134611A JP6413398B2 (ja) 2014-06-30 2014-06-30 燃料電池システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016012522A JP2016012522A (ja) 2016-01-21
JP6413398B2 true JP6413398B2 (ja) 2018-10-31

Family

ID=55229102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014134611A Active JP6413398B2 (ja) 2014-06-30 2014-06-30 燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6413398B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6534116B2 (ja) * 2015-05-22 2019-06-26 パナソニックIpマネジメント株式会社 固体酸化物形燃料電池システム
JP6534125B2 (ja) * 2016-06-10 2019-06-26 パナソニックIpマネジメント株式会社 固体酸化物形燃料電池システム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4050919B2 (ja) * 2002-03-20 2008-02-20 松下電器産業株式会社 燃料電池システムおよびその運転方法
JP4357270B2 (ja) * 2003-11-04 2009-11-04 東京瓦斯株式会社 燃料電池排熱利用システム及びその運転方法
JP4707338B2 (ja) * 2004-07-07 2011-06-22 京セラ株式会社 燃料電池システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016012522A (ja) 2016-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2551947B1 (en) Fuel cell system
EP2639874B1 (en) Fuel cell system
JP6610003B2 (ja) 燃料電池システム
JP5988701B2 (ja) 燃料電池システム
JP6447014B2 (ja) 燃料電池システム
JP5985840B2 (ja) 燃料電池システム
JP6413398B2 (ja) 燃料電池システム
EP2656424B1 (en) Fuel cell system and fuel cell system diagnosis method
JP2015122251A (ja) 燃料電池システム
JP5572965B2 (ja) 燃料電池システム
JP2019186109A (ja) 燃料電池システム
EP3070774B1 (en) Fuel cell system
EP2963714B1 (en) Fuel cell system
JP6409368B2 (ja) 燃料電池システム
JP6701804B2 (ja) 燃料電池システム
EP2963718B1 (en) Fuel cell system
JP6960610B2 (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池システムの運転方法
JP6424494B2 (ja) 燃料電池システム
JP6444197B2 (ja) 燃料電池モジュール
JP6972872B2 (ja) 燃料電池システム
JP6330522B2 (ja) 燃料電池システム
JP6566053B2 (ja) 燃料電池システム
JP2023096302A (ja) 燃料電池システム
JP2016012485A (ja) 燃料電池システム
JP2019021464A (ja) 燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180227

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180917

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6413398

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151