JP5572965B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
非特許文献1に記載されている車載用システムは、固体酸化物形燃料電池スタックとPre改質器とに、第一,第二の熱交換器をそれぞれ密接配置するとともに、固体酸化物形燃料電池スタックの空気極に送給する空気を加熱するための空気加熱器、第一,第二の熱交換器に送給する燃料ガスを燃焼させるための第一,第二の燃焼器、Pre改質器に送給する原燃料を蒸発させるための蒸発器を設けた構成のものである。
本実施形態における二種類の発電用ガスは、空気と炭化水素燃料ガスである。
また、上記の電流計23と電圧計24は、コントロールユニット(以下、「C/U」と略記する。)30の入力ポート側に接続されて、各取得した出力の測定値が入力されるようになっている。
本実施形態においては、上記の電流計23と電圧計24とが、燃料電池10の出力を測定するための出力測定器である。
また、燃料ポンプ21は、C/U30の出力ポート側に接続されて適宜駆動されるようになっている。
ミキサ57は、燃料蒸発器50から送給される蒸気化した原燃料、空気ブロワ69から送給される空気又は燃料極10aから排出される排ガスを混合する機能を有するものであり、燃料改質器58と空気ブロワ69との各間にそれぞれ送給パイプ57a,69a、また、燃料極10aとの間に送給パイプ56aが連結されている。
本実施形態においては、空気ブロワ69が、燃料改質器58に送給する燃料に混合する空気を、その燃料改質器58に送給するための改質器送気装置である。
温度センサS2は、空気極10bから排出される排ガスの温度を測定するためのものであり、送給パイプ50bに配設されている。
温度センサS3は、燃料極10aから排出される排ガスの温度を測定するためのものであり、送給パイプ55aに配設されている。
なお、上記した空気ブロワ69、循環ブロワ55及び遮断弁66は、C/U30の出力ポート側に接続されて適宜駆動されるようになっている。
また、空気ブロワ62は、C/U30の出力ポート側に接続されて適宜駆動されるようになっている。
また、空気極10bと上記した燃料蒸発器50との間には送給パイプ50bが連結されており、その空気極10bから排出された空気(排ガス)を燃料蒸発器50に送出して、燃料蒸発器50から送給される蒸気化した燃料との熱交換を行えるようにしている。
本実施形態においては、燃焼器59とスタック加熱熱交換器54とが、スタック16を加熱するためのスタック加熱装置25を構成している。
本実施形態においては、燃焼器60と改質器加熱熱交換器70によって、改質器加熱装置26を構成している。
(1)温度センサS2,S3によって測定した温度と、出力測定器23(24)によって測定した出力とに基づいて、スタック16の発電効率が高くなるように、空気極10bに送給する空気量を決定する機能。この機能を「空気極送気量決定手段31a」という。
本実施形態においては、上記したようにメモリ32に記憶した、スタック16の出力と温度との対応関係を示すルックアップテーブル33を参照することにより、空気極10bに送給する空気量を決定している。
本実施形態においては、出力測定器(電流計)23により測定した出力電流値に基づく例について説明しているが、電圧計24に測定した出力電圧値に基づくようにしてもよいことは勿論である。
本実施形態においては、上記したようにメモリ32に記憶した、スタック16の出力と温度との対応関係を示すルックアップテーブル33を参照することにより、燃料改質器58に送給する空気量を決定している。
(5)スタック16の加熱が必要か否かを判定する機能。この機能を「スタック加熱要否判定手段31e」という。
(7)燃料改質器58の加熱が必要か否かを判定する機能。この機能を「改質器加熱要否判定手段31g」という。
本実施形態においては、上記したメモリ32に燃料改質器58の加熱が必要な加熱開始温度と、加熱を停止させる加熱停止温度とを記録しておき、温度センサS1によって測定した燃料改質器58の温度が上記加熱開始温度を下回ったときに、燃料改質器58の加熱が必要であると判定している。
また、温度センサS1によって測定した燃料改質器58の温度が上記加熱停止温度を上回ったときに、燃料改質器58の加熱が不要であると判定している。
本実施例は、スタック16の空気極10bに送給する空気量を増減制御する場合について示す。
ステップ1(図中、「S1」と略記する。以下同様。):電力使用状況等の要因から、C/U30に出力変更指令が入力されると、ステップ2に進む。
運転状態パラメータは、スタック16の温度と発電出力としている。
スタック16の温度と発電出力の検知方法は、カソードガス出口流路に設置された温度センサS2によって取得した温度信号、スタック16の出力端子14a,14bに配設した電流計23又は電圧計24で取得した出力信号から検知している。
具体的には、目標とするスタック16の出力と、予め設定した目標とするスタック16の温度の関係から、カソード空気流量を設定する。
ここで、スタック16の温度及びシステム熱バランス維持のために、図6に示すスタックの出力が低い領域において、燃焼器59を作動させる必要がある。
さらに、カソード流量と空気ブロワ回転数の関係(図7)から、目標となる空気ブロワ22の回転数を算出する。
比較として、出力に関わらず同じスタック温度となる運転点、すなわち点aと点cの運転点を選ぶと、スタック温度を維持するための燃焼器59の出力を大きくすることが必要になり、燃費の悪化を招く(図6)。
本実施例は、燃料改質器58に送給する空気量を増減制御する場合について示す。図8は、燃料改質器の酸素と炭素のモル比とスタックの出力との関係を示す関係図、図9は、スタックの出力と燃焼器の出力の関係を示す関係図、図10は、燃料改質器の酸素と炭素のモル比と空気ブロワ69の出力との関係を示す関係図である。
本実施例においては、運転状態パラメータを、燃料改質器58の温度と、スタック16の発電出力としている。
燃料改質器58の温度と発電出力の検知方法は、燃料改質器58の送給パイプ58aに設置された温度センサS1の信号、スタック16の出力端子14a,14bに直並列に設置された電流計23又は電圧計24により取得した信号によって検知している。
具体的には、目標となるスタック16の出力と、予め設定した目標とするスタック16の温度の関係から、燃料改質器58のモル比O2/Cを設定する。例えば、低い発電出力(例:1500W)ではモル比O2/C=0.3、高い発電出力(例えば5500W)では、モル比O2/C=0.2となるように、燃料改質器58に送給する空気量を変更する。以上の制御は、図8の点aと点bの運転点を選ぶことに相当する。
ここで、スタック16の温度とシステム熱バランス維持のために、出力が低い領域において燃焼器60を作動させる必要がある。
さらに、モル比O2/Cと、空気ブロワ69の回転数の関係(図10参照)から、目標となる空気ブロワの回転数を算出する。
(比較として、出力に関わらず同じスタック16の温度となる運転点、つまり点aと点cの運転点を選ぶと、スタック16の温度を維持するための燃焼器60の出力を大きくすることが必要になって、燃費悪化を招く(図9参照)。)
アノードリサイクル量は、低出力時により少なくしたほうが効率が高くなる。すなわち、アノードリサイクル量はS/C(Steam/C)に対応している。そのS/Cと、燃料改質器58において吸熱反応である水蒸気改質反応が優勢になる。
スタック(燃料電池)16からの放熱が少ない低負荷領域で、S/Cをより少なく設定することにより、燃焼器60への燃料投入量を少なくすることが可能になる。これにより、システムの効率が向上する。
・上記の実施形態においては、燃料改質器に送給する空気量と、スタックの空気極に送給する空気量とを別の実施例として説明したが、それら双方の空気量の増減制御を互いに連係させるようにしてもよい。
・また、加熱ガスに限るものではなく、セル加熱器、改質器加熱器ともに電気ヒータにし、加熱源としてバッテリを採用してもよい。
10a 燃料極
10b 空気極
16 固体酸化物型燃料電池スタック
22 空気極送気装置
23,24 出力測定器(電流計,電圧計)
25 スタック加熱装置
26 改質器加熱装置
31a 空気極送気量決定手段
31b 第一の空気送給手段
31c 改質器送気量決定手段
31d 第二の空気送給手段
31e スタック加熱要否判定手段
31f スタック加熱手段
31g 改質器加熱要否判定手段
31h 改質器加熱手段
32 メモリ
33 ルックアップテーブル
69 改質器送気装置
S1〜S3 温度センサ
Claims (2)
- 電解質の両側に積層した燃料極と空気極とに、燃料ガスと空気とを互いに分離して流接させることによる発電を行う固体酸化物型燃料電池スタックに、この固体酸化物型燃料電池スタックの出力を測定するための出力測定器と、その固体酸化物型燃料電池スタックの温度を測定するための温度センサとを配設しているとともに、空気極に空気を送給するための空気極送気装置を有する燃料電池システムであって、
上記温度センサによって測定した温度と、出力測定器によって測定した出力とに基づいて、システム熱バランスを維持しつつ固体酸化物型燃料電池スタックの発電効率が高くなるように、空気極に送給する空気量を決定する空気極送気量決定手段と、
空気極送気量決定手段によって決定された空気量を、空気極送気装置によって空気極に送給させる第一の空気送給手段とを設け、
固体酸化物型燃料電池スタックに、これを加熱するためのスタック加熱装置が配設されており、
固体酸化物型燃料電池スタックの加熱が必要か否かを判定するスタック加熱要否判定手段と、
固体酸化物型燃料電池スタックの加熱が必要と判定したときには、スタック加熱装置によって固体酸化物型燃料電池スタックを加熱させるスタック加熱手段を設けており、
固体酸化物型燃料電池スタックの出力と温度の測定値と、固体酸化物型燃料電池スタックの発電効率が高くなる出力と温度との対応関係を示すルックアップテーブルを予め記憶したメモリが設けられており、
空気極送気量決定手段は、メモリに記憶されているルックアップテーブルを参照して、出力に対応する温度となるように、空気極に送給する空気量を決定し、この際、空気極送気量決定手段は、スタック加熱手段による固体酸化物型燃料電池スタックの加熱が必要と判定される出力が低い発電出力では、出力が高い発電出力に比べて、固体酸化物型燃料電池スタックの温度が低くなるように、空気極に送給する空気量を決定することを特徴とする燃料電池システム。 - 燃料極に送給する原燃料を改質するための燃料改質器と、その原燃料に混合する空気を燃料改質器に送給するための改質器送気装置と、燃料改質器の温度を測定するための温度センサとを設けており、
上記温度センサによって測定した温度と、出力測定器によって測定した出力とに基づいて、固体酸化物型燃料電池スタックの発電効率が高くなるように、燃料改質器に送給する空気量を決定する改質器送気量決定手段と、
改質器送気量決定手段によって決定された空気量を、改質器送気装置によって燃料改質器に送給させる第二の空気送給手段とを設け、
燃料改質器に、これを加熱するための改質器加熱装置が配設されており、
燃料改質器の加熱が必要か否かを判定する改質器加熱要否判定手段と、
燃料改質器の加熱が必要と判定したときには、改質器加熱装置によって燃料改質器を加熱させる改質器加熱手段とを設けており、
上記メモリには、固体酸化物型燃料電池スタックの出力と燃料改質器の温度と燃料改質器の酸素と炭素のモル比の測定値と、固体酸化物型燃料電池スタックの発電効率が高くなる出力と燃料改質器の酸素と炭素のモル比と温度との対応関係を示すルックアップテーブルが予め記憶されており、
改質器送気量決定手段は、メモリに記憶されているルックアップテーブルを参照することにより、改質器加熱手段による燃料改質器の加熱が必要とされる固体酸化物型燃料電池スタックの出力が低い発電出力では、出力が高い発電出力に比べて、燃料改質器の酸素と炭素のモル比が高くなるように、燃料改質器に供給する空気量を決定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
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