JP2007080767A - 燃料電池モジュールおよび燃料電池モジュールを用いたコンバインド発電システム - Google Patents

燃料電池モジュールおよび燃料電池モジュールを用いたコンバインド発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】 起動時間の短縮および起動用燃料の消費を削減するとともに、熱自立可能な運転可能を拡大することができる燃料電池モジュールおよび燃料電池モジュールを用いたコンバインド発電システムを提供する。
【解決手段】 酸化剤ガスと燃料ガスとが供給され、発電を行う燃料電池セル9と、燃料電池セル9により発電された電力が供給されることにより発熱するヒータ13と、を有し、ヒータ13と燃料電池セル9が同室に配置されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池モジュールおよび燃料電池モジュールを用いたコンバインド発電システムに関する。
燃料電池は、燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換して発電を行うものである。この燃料電池は、燃料側の電極である燃料極と、空気側の電極である空気極と、これらの間にありイオンのみを通す電解質とにより構成されており、電解質の種類によって様々な形式が開発されている。
このうち、固体酸化物形燃料電池(Solid
Oxide Fuel Cell:以下「SOFC」と呼ぶ)は、電解質としてジルコニアセラミクッスなどのセラミックスが用いられ、天然ガス,石油,メタノール,石炭ガス化ガスなどを燃料として運転される燃料電池である。このSOFCは、イオン伝導率を高めるために作動温度が約900〜1000℃程度と高く、用途の広い高効率な高温型燃料電池として知られている。
上述のSOFCは、定格運転時には自らの発熱により上記作動温度を維持し、定格運転を継続する(熱自立する)ことができる。しかし、SOFCの起動の際には、外部から高温熱源で加熱する必要があるとともに起動に時間がかかることが知られており、起動時間を短縮する技術等が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−323909号公報
上述の特許文献1の燃料電池モジュール(SOFC)においては、起動時において、酸化剤ガスと燃料ガスとを所定温度に加熱して燃料電池セルに供給するとともに、燃料電池セルに所定電流を流す構成および起動方法が開示されている。この起動方法によれば、加熱された酸化剤ガスと燃料ガスとにより燃料電池セルを加熱できるとともに、燃料電池セルに電流を流すことで燃料電池セル自体を発熱させることができ、燃料電池セルを素早く昇温させることができる。
また、SOFCには、燃料電池セルに流す所定電流を制御するため、負荷制御部が備えられている。負荷制御部には、抵抗値を変えることできる負荷が備えられ、この負荷により電流を制御していた。
しかしながら、起動時において、上述のように負荷により燃料電池セルに流れる電流(燃料電池セルが発電する電流)を制御することにより、負荷において上記電流のエネルギーの一部が系外に熱として放出され、SOFCの加熱に寄与しておらず、エネルギー効率が低下していた。そのため、起動時に消費され、発電に寄与しない起動用燃料の削減を図れないという問題があった。
また、部分負荷(低負荷)運転時において、需要の減少に応じてSOFCにおける発電量を減少させると、燃料電池セル内部で発熱する熱量が低下することにより運転温度が低下するため、熱自立可能な負荷範囲が限定されるという問題があった。
さらに、より発電効率を高めるためにSOFCとガスタービンとを組み合わせたコンバインド発電システムが知られている。このコンバインド発電システムにおいては、SOFCの熱自立可能な負荷範囲が制限されることにより、SOFCに供給する空気流量の変化範囲が制限されることになるので運転可能範囲が制限され、運用しにくくなるという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、起動時間の短縮および起動用燃料の消費を削減するとともに、熱自立可能な運転可能範囲を拡大することができる燃料電池モジュールおよび燃料電池モジュールを用いたコンバインド発電システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の燃料電池モジュールは、酸化剤ガスと燃料ガスとが供給され、発電を行う燃料電池セルと、該燃料電池セルにより発電された電力が供給されることにより発熱するヒータと、を備え、前記ヒータと前記燃料電池セルとが発電室内に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、ヒータと燃料電池セルとが発電室内に配置されているため、ヒータにおいて発生した熱を用いて燃料電池セルを加熱することができる。そのため、燃料電池セルの発電による自己発熱と、ヒータの発熱と、により燃料電池セルを加熱することができる。そのため、例えば、燃料電池モジュールの起動時において、特許文献1の起動方法と比較して、より短い時間で燃料電池セルを定格運転時の温度まで昇温させることができる。
例えば、前記ヒータと前記燃料電池セルとが熱を授受できるように同室内に対向して配置されていることが好ましい。あるいは、ヒータと燃料電池セルとが、輻射伝熱、気体伝熱、熱伝導等を用いて熱的に接続して配置されていることが好ましい。
燃料電池モジュールの起動時において、供給された燃料ガスのエネルギーの一部は発電により電気エネルギーに変換され、残りが燃料電池セルにおいて熱に変換され燃料電池セルの昇温に用いられる。電気エネルギーはヒータにおいて熱に変換され燃料電池セルの昇温に用いられる。そのため、燃料ガスのエネルギーを効率よく燃料電池セルの昇温に用いることができ、起動時に消費される燃料ガス(起動用燃料)を削減することができる。
また、例えば、特許文献1の燃料電池モジュールにおいて熱自立不可能な部分負荷状態であっても、ヒータにより燃料電池セルを加熱することができるため、熱自立運転を行うことができる。
また、上記発明においては、前記ヒータに供給される電力を制御する制御手段を備え、該制御手段が、前記燃料電池セルの温度に基づいて前記ヒータに供給される電力を制御していることが望ましい。
本発明によれば、制御手段がヒータに供給される電力を制御することにより、ヒータの発生熱量を制御するとともに燃料電池セルの発電量を制御することができる。燃料電池セルの発電量を制御することにより燃料電池セルにおける発熱量を制御することができ、制御手段により、ヒータにおける発熱量と燃料電池セルにおける発熱量との比率を制御することができる。
燃料電池セルの温度に基づいてヒータに供給される電力を制御するため、燃料電池セルの状態に応じてヒータに供給される電力を制御できる。そのため、燃料電池セルの状態に応じて、ヒータにおける発熱量と燃料電池セルにおける発熱量との比率を制御することができ、燃料電池セルの温度をより短時間で昇温させることができる。
上記発明においては、前記発熱制御手段が、前記ヒータに供給される電圧を制御するコンバータであるとともに、前記ヒータが、電力を供給されることにより熱を発生する抵抗器であり、前記コンバータが、前記燃料電池セルの温度に基づいて前記ヒータに供給される電圧を制御していることが望ましい。
本発明によれば、コンバータが抵抗器に印加される電圧を制御することにより抵抗器において発生する熱量を容易に制御することができる。
上記発明においては、前記ヒータは、前記発電室内の壁面上、または、壁面の内部に配置されていることが望ましい。
本発明によれば、ヒータを発電室内の壁面上、または、壁面の内部に配置することにより、発電室内に配置されたヒータの熱を燃料電池セルに、輻射伝熱、気体伝熱、熱伝導等を用いて伝えやすくすることができる。
本発明の燃料電池モジュールを用いたコンバインド発電システムは、上記本発明の燃料電池モジュールと、ガスタービンにより駆動される発電機とを併用して発電する燃料電池モジュールを用いたコンバインド発電システムであって、前記ガスタービンが、少なくとも前記燃料電池セルから排出された前記燃料ガスおよび酸化剤ガスを燃焼する燃焼器と、該燃焼器から排出された燃焼ガスにより回転駆動されるタービンと、該タービンにより駆動されて前記酸化剤ガスを圧縮し、前記燃料電池セルに供給するコンプレッサと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、上記本発明の燃料電池モジュールを用いることにより、熱自立運転が可能な範囲を広くでき、燃料電池セルへの酸化剤ガス流量の許容変化範囲を広くすることができる。そのため、燃料電池モジュールがガスタービンのコンプレッサから供給される酸化剤ガスの流量変化にも対応しやすくなり、コンバインド発電システムの運用可能範囲が広がり、運用しやすくなる。
本発明の燃料電池モジュールおよび燃料電池モジュールを用いたコンバインド発電システムによれば、ヒータから燃料電池セルに熱を与えることにより、より短い時間で燃料電池セルを定格運転時の温度まで昇温させることができ、起動時間の短縮を図ることができるという効果を奏する。
供給された燃料ガスのエネルギーの一部はヒータにおいて熱に変換され燃料電池セルの昇温に用いられ、残りが燃料電池セルにおいて熱に変換され燃料電池セルの昇温に用いられている。そのため、燃料ガスのエネルギーを効率よく燃料電池セルの昇温に用いることができ、起動時に消費される燃料ガス(起動用燃料)を削減することができるという効果を奏する。
また、ヒータにより燃料電池セルを加熱することができるため、従来では熱自立不可能な部分負荷(低負荷)状態であっても、熱自立運転ができ熱自立可能な運転可能を拡大することができるという効果を奏する。
〔SOFCモジュール〕
以下、本発明に係るSOFCモジュールの一実施形態ついて図1から図4を参照して説明する。
図1は、本発明に係るSOFCモジュールの概略を説明する模式図である。
SOFCモジュール(燃料電池モジュール)1は、図1に示すように、供給された燃料ガス(例えば都市ガスや天然ガスなど)を予熱する燃料予熱器3と、予熱された燃料ガスを改質する内部改質器5と、供給された空気(酸化剤ガス)を予熱する内部空気予熱器7と、改質された燃料ガスと空気とを反応させて発電を行なう複数の発電セル(燃料電池セル)9を備えた発電室11と、発電セル9で発電された電力により熱を発生する抵抗器であるヒータ13と、ヒータ13に供給される電圧を制御するヒータ制御部(制御手段、コンバータ)15とから概略構成されている。
なお、ヒータ制御部15としては、発電セル9で発電された直流電流の電圧を制御するDC/DCコンバータを用いることができる。
また、SOFCモジュール1の外部には、後述する発電セルにより発電された直流電流を交流電流に変換するインバータ17が配置され、インバータ17から出力された交流が供給される。
ヒータ13は、ヒータ13で発生した熱を発電室11内の発電セル9に伝達できるように配置されている。具体的には、発電室11の壁面に直接接触して配置され、ヒータ13で発生した熱を、発電室11を介して発電セル9に伝達するように配置されている。
なお、上述のようにヒータ13を発電室11の壁面に直接接触して配置してもよいし、発電室11の壁面内部に配置しても構わない。
燃料予熱器3は、後述する燃料ガス供給流路から供給された燃料ガスと、発電室11を通過した未燃燃料ガスを含む高温の排出燃料ガスとの間で熱交換して燃料ガスを予熱している。内部改質器5は、発電室11を通過した高温の排出空気の熱を受けて予熱された燃料ガスの改質を行なっている。具体的には、燃料ガスを水素や一酸化炭素に改質している。内部空気予熱器7は、後述する空気供給流路から供給された空気と、内部改質器5を通過した高温の排出空気との間で熱交換して空気を予熱している。
また、ヒータ制御部15は、発電室11に配置された温度情報を検出するセンサ(図示せず)の情報に基づいて、ヒータ13に供給する直流電流の電圧を制御するように構成されている。
SOFCモジュール1の燃料予熱器3および内部空気予熱器7には、それぞれ燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路19と、空気を供給する空気供給流路21とが接続されている。空気供給流路21には、起動時に空気を予熱する起動用空気予熱器22が備えられ、高温熱源(図示せず)からの熱を用いて空気を予熱している。
SOFCモジュール1には、排出燃料ガスを燃焼させる燃焼器23が備えられ、燃料予熱器3を通過した排出燃料ガスを燃焼器23へ導く排出燃料ガス流路25と、内部空気予熱器7を通過した排出空気を燃焼器23へ導く排出空気流路27とが設けられている。
燃料ガス供給流路19と排出燃料ガス流路25とには、排出燃料ガスの一部を燃料ガス供給流路19へ導く再循環流路37が備えられ、再循環流路37には排出燃料ガスを燃料ガス供給流路19へ送り出す再循環ブロア39が備えられている。
排出燃料ガスには、発電セル9で発電に用いられなかった未反応の水素や一酸化炭素が含まれ(例えば、約20%の未反応の水素や一酸化炭素が含まれる)、排出空気にも、同様に、未反応の酸素が含まれるため、燃焼器23で燃焼させることができる。また、未反応の水素や一酸化炭素を再循環ブロア39により、再び発電室11に流入させ発電に用いることができる。
次に、上記の構成からなるSOFCモジュールの起動について説明する。まず、SOFCモジュール1の発電セル9における温度変化について説明する
図2は、図1のSOFCモジュール1の起動時における発電セル9の温度変化を説明する図である。
SOFCモジュール1の起動時(A)には、図2に示すように、発電セル9は室温(約20℃)である。
SOFCモジュール1が起動されると、まず、図1および図2に示すように、空気供給流路21により空気が供給されるとともに、起動用空気予熱器22に高温熱源(図示せず)から熱が供給される。そのため、起動用空気予熱器22により予熱された空気が発電室11に供給され、発電セル9の温度が上昇する。
ここで、実線で示されているのは発電セル9内の空気流路と接する領域の温度であり、二点鎖線で示されているのは発電セル9内の燃料ガス流路と接する領域の温度である。この段階では、燃料ガス流路には予熱された燃料ガスが供給されていないため、温度が若干低くなっている。
なお、一点鎖線で示されているのは、ヒータ13を備えない従来のSOFCモジュールにおける昇温曲線を示している。
発電セル9の温度が所定の温度、例えば600℃に到達すると(B)、発電室11の発電セル9で発電が開始される。発電を開始すると同時に、発電セル9においても熱が発生され(自己発熱し)、発電セル9の温度上昇率が高くなる
また、発電セル9により発電された直流電流は、後述するように、ヒータ制御部15により電圧制御され、ヒータ13に供給されヒータ13による発熱に使用される。ヒータ13により発生された熱は、発電室11に伝えられ発電セル9の昇温に用いられる。
そして、発電セル9の温度が所定の定格運転温度、例えば900℃に到達すると(C)、発電セル9で発電された直流電流はインバータ17に供給され、交流電流として外部に供給(併入)される。
次に、SOFCモジュール1の起動時における電流―電圧特性の変化について説明する。
図3は、図1のSOFCモジュール1の電流―電圧特性を示す図である。
ここでは、SOFCモジュール1が発電を開始した時点以降(図2中のB以降)の電流―電圧特性について説明する。
SOFCモジュール1が発電を開始した時点では、発電セル9の温度は約600℃であり、発電セル9の温度が約600℃のときの発電セル9の電流―電圧特性は図3中の曲線S1で示されている。発電セル9の電流―電圧特性曲線は、その温度が上昇するにつれてS2(約700℃)、S3(約800℃)、S4(約900℃)と変化する。
特性曲線S1,S2,S3,S4の右端よりも右側(大電流側)の領域では、発電セル9は発電を行うことができない。
また、ヒータ13およびヒータ制御部15を合わせた電流―電圧特性は、ヒータ制御部15により制御可能であり、ヒータ制御部15は発電室11の温度に基づいて、ヒータ13およびヒータ制御部15を合わせた電流―電圧特性を制御する。
具体的には、発電室11の温度が600℃のときは、ヒータ制御部15は図3中のH1で示される電流―電圧特性となるように制御し、発電室11の温度が上昇するにつれて傾きが緩やかな電流―電圧特性H2(約700℃)、H3(約800℃,約900℃)となるように制御している。
発電セル9で発電される直流電流の電流、電圧は、上述の発電セル9の電流―電圧特性曲線とヒータ13およびヒータ制御部15を合わせた電流―電圧曲線との交点で表されている。
ヒータ制御部15は、発電セル9における発電の継続が可能な領域であって、かつ、発電セル9で発電される直流電流の電流値が大きくなるように、つまり、上記交点が右側に行くように制御を行っている。
このように電流―電圧特性を制御することで、後述する発電室11における自己発熱量を表す領域A1とヒータ13における発熱量を表す領域A2との合計面積が大きくなり、全体の発熱量が増大する。
具体的には、発電セル9の温度が約600℃の時には、ヒータ制御部15はヒータ13およびヒータ制御部15を合わせた電流―電圧特性を傾きの大きなH1として、交点P1が図に示す位置となるように制御している。その後、発電セル9の温度が上昇するにつれて、電流―電圧特性を傾きの小さなH2,H3として、交点がP2(約700℃)、P3(約800℃)、P4(約900℃)となるように制御している。
上記の構成によれば、ヒータ13と発電セル9を熱的に接続して配置しているため、ヒータ13において発生した熱を用いて発電セル9を加熱することができる。そのため、発電室11の発電セル9における自己発熱と、ヒータ13における発熱と、により発電セル9を加熱することができる。そのため、SOFCモジュール1の起動時において、図2に示すように、ヒータ13の熱を発電セル9の昇温に用いない起動方法と比較して、より短い時間で発電セル9を定格運転時の温度まで昇温させることができる。
SOFCモジュール1の起動時において、供給された燃料ガスのエネルギーの一部は発電により電気エネルギーに変換され、残りが発電セル9において熱に変換され発電セル9の昇温に用いられる。電気エネルギーはヒータ13において熱に変換され発電セル9の昇温に用いられる。そのため、燃料ガスのエネルギーを効率よく発電セル9の昇温に用いることができ、起動時に消費される燃料ガス(起動用燃料)を削減することができる。
例えば、発電セル9の温度が約600℃の場合について、図3を用いて説明する。図3において点線Lは、燃料発熱相当の電圧を示し、燃料ガスとして水素を用いた場合には約1.48Vとなる。発電セル9で発電される直流電流の電圧を約0.4Vから0.5Vとし、このときの直流電流をI1とすると、図3中の電流が0AからI1Aまでの範囲であって、電圧が約0.4V〜0.5V以上の範囲である領域A1が発電室11における自己発熱(抵抗による発熱)量を示し、電流が0AからI1Aまでの範囲であって、電圧が約0.4V〜0.5V以下の範囲である領域A2がヒータ13における発熱量を示している。燃料ガスが有するエネルギーは領域A1および領域A2を合わせたものになる。
つまり、ヒータ13における発熱を発電セル9の昇温に用いることで、従来、捨てられていた燃料ガスの有するエネルギーの一部(領域A2相当部分)を、有効に利用することができ、起動時に消費される燃料ガスを削減することができる。
また、電力需要が低下した際に、SOFCモジュール1による発電電力量も併せて減少され、発電セル9による自己発熱量も低下するが、ヒータ13の発熱量を増加させることにより、発電室11を定格運転温度に保つことができる。そのため、熱的自立運転可能な負荷領域(ターンダウン範囲)を広げることができる。
なお、上述のようにヒータ13を単に発電室11に配置してもよいし、図4に示すように、発電室11の壁面のうち温度の低い領域、例えば壁面の端部近傍領域に配置してもよい。
このように配置することにより、発電室11内の温度分布を均一に保つことにより、内部に配置された複数の発電セル9の各々の温度を均一に保つことができ発電効率を向上させることができる。
〔コンバインド発電システム〕
次に、本発明のSOFCモジュールを用いたコンバインド発電システムの一実施形態について図5を参照して説明する。
図5は、本発明に係るSOFCコンバインド発電システム(燃料電池モジュールを用いたコンバインド発電システム)の概略を説明する模式図である。
なお、SOFCモジュール1については、上記で説明したものと同一のものであるため、同一符号を付してその説明を省略する。
SOFCコンバインド発電システム(燃料電池モジュールを用いたコンバインド発電システム)101は、図5に示すように、ガスタービン103と、ガスタービン103により駆動され発電する発電機105と、空気および燃料ガスを供給されることにより発電するSOFCモジュール1と、から概略構成されている。
SOFCモジュール1には、ガスタービン103により圧縮された空気を供給する空気供給流路21と、ガスタービン103と共通の燃料である燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路19とが接続されている。
ガスタービン103は、タービン107と、タービン107と接続された駆動軸109により回転駆動されるコンプレッサ111とから概略構成されている。
タービン107は、上述の燃焼室23から排出された燃焼ガスが導入され、燃焼ガスにより回転駆動されるように構成されている。コンプレッサ111は、駆動軸109により回転駆動されることにより空気を吸入・圧縮し、上述の空気供給流路21へ圧縮された空気を送り出すように構成されている。
また、駆動軸109と発電機105とは回転駆動力が伝達可能に構成されている。
燃料ガス供給流路19と排出燃料ガス流路25との間には、燃料ガスの一部を排出燃料ガス流路25へバイパスするバイパス流路113が接続され、バイパス流路113には、燃料ガスの流れを制御する流量制御弁115が配置されている。
バイパス流路113を配置することにより、ガスタービン103に必要とされる燃料が不足する場合に、燃料ガスを、バイパス流路113を介してガスタービン103へ供給することができる。
上記の構成からなるSOFCコンバインド発電システム101においては、ガスタービン103のタービン107に燃焼器23から排出された燃焼ガスが導入され、回転駆動される。タービン107において発生した回転駆動力は、駆動軸109を介して発電機105およびコンプレッサ111に伝達される。
発電機105においては伝達された回転駆動力により発電が行なわれ、コンプレッサ111においては空気の圧縮、空気供給流路21への送出が行われる。
上記の構成によれば、SOFCモジュール1を用いることにより、熱自立運転が可能な範囲を広くでき、燃料電池セルへの空気流量の許容変化範囲を広くすることができる。そのため、SOFCモジュール1がガスタービン103のコンプレッサ111から供給される空気の流量変化にも対応しやすくなり、SOFCコンバインド発電システム101の運用可能範囲が広がり、運用しやすくなる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、この発明をSOFC(固体酸化物形燃料電池)に適応して説明したが、この発明はSOFCに限られることなく、その他各種の高温型燃料電池に適応できるものである。
また、上記の実施の形態においては、燃料ガスが直接供給されるSOFCコンバインド発電システムに適応して説明したが、この発明は燃料ガスが直接供給されるSOFCコンバインド発電システムに限られることなく、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)など、その他各種の燃料電池を用いたコンバインド発電システムに適応できるものである。
本発明に係るSOFCモジュールの概略を説明する模式図である。 図1のSOFCモジュールの起動時における発電セルの温度変化を説明する図である。 図1のSOFCモジュールの電流―電圧特性を示す図である。 ヒータ配置の他の実施例を示す模式図である。 本発明に係るSOFCコンバインド発電システムの概略を説明する模式図である。
符号の説明
1 SOFCモジュール(燃料電池モジュール)
9 発電セル(燃料電池セル)
11 発電室
13 ヒータ
15 ヒータ制御部(制御手段、コンバータ)
101 SOFCコンバインド発電システム(燃料電池モジュールを用いたコンバインド発電システム)
103 ガスタービン
105 発電機
107 タービン
111 コンプレッサ

Claims (5)

  1. 酸化剤ガスと燃料ガスとが供給され、発電を行う燃料電池セルと、
    該燃料電池セルにより発電された電力が供給されることにより発熱するヒータと、を備え、
    前記ヒータと前記燃料電池セルとが発電室内に配置されていることを特徴とする燃料電池モジュール。
  2. 前記ヒータに供給される電力を制御する制御手段を備え、
    該制御手段が、前記燃料電池セルの温度に基づいて前記ヒータに供給される電力を制御していることを特徴とする請求項1記載の燃料電池モジュール。
  3. 前記発熱制御手段が、前記ヒータに印加される電圧を制御するコンバータであるとともに、前記ヒータが、電力を供給されることにより熱を発生する抵抗器であり、
    前記コンバータが、前記燃料電池セルの温度に基づいて前記ヒータに印加される電圧を制御していることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池モジュール。
  4. 前記ヒータは、前記発電室内の壁面上、または、壁面の内部に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池モジュール。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載された燃料電池モジュールと、ガスタービンにより駆動される発電機とを併用して発電する燃料電池モジュールを用いたコンバインド発電システムであって、
    前記ガスタービンが、少なくとも前記燃料電池セルから排出された前記燃料ガスおよび酸化剤ガスを燃焼する燃焼器と、該燃焼器から排出された燃焼ガスにより回転駆動されるタービンと、該タービンにより駆動されて前記酸化剤ガスを圧縮し、前記燃料電池セルに供給するコンプレッサとを有することを特徴とする燃料電池モジュールを用いたコンバインド発電システム。
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