JP6447014B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
さらに、貯湯槽に供給される水道水に含有される残留塩素濃度は、第一温度に上昇された貯湯槽内において所定時間経過すると、確実に低下されるため、複雑化・高コスト化を招くことなく、水道水が循環する熱交換器が残留塩素によって腐食するのをより確実に抑制することができる。
上述した熱交換器12、貯湯槽21および貯湯水循環ライン22から、排熱回収システム20が構成されている。排熱回収システム20は、燃料電池モジュール11の排熱を貯湯水に回収して蓄える。
貯湯槽21内には、貯湯槽21内の貯湯水の温度状態を検出する貯湯槽内温度状態検出装置21bが設けられている。貯湯槽内温度状態検出装置21bは、複数(本実施形態においては5個)の温度センサ21b1,21b2,21b3,21b4,21b5から構成されており、上下方向(鉛直方向)に沿って等間隔(貯湯槽21内の上下方向高さの4分の一の距離)にて配設されている。温度センサ21b1は貯湯槽21の内部下面位置(21a付近)に配置されている。各温度センサ21b1,21b2,21b3,21b4,21b5はその位置の貯湯槽21内の液体(温水または水)の温度をそれぞれ検出するものである。この温度センサ群による各位置での湯温の検出結果に基づいて貯湯槽21内の残湯量すなわち貯湯槽21内の貯湯水の温度状態が検出されるようになっている。残湯量は、貯湯槽21内に蓄えられた熱量を表している。なお、貯湯槽内温度状態検出装置21bは、最下部に設けられている温度センサ21b1のみによって構成されるようにしてもよい。
貯湯槽21内の温度分布は、基本的には、温度の異なる二層に分かれている。上層は比較的温度が高い層(例えば50度以上)であり、下層は比較的温度が低い層(例えば20度以下(水道水の温度))である。上下各層は、それぞれほぼ同一温度である。
導出装置23は、貯湯水が使用される湯水使用機器41に接続され、湯水使用機器41に貯湯水を供給する貯湯水供給管42と、貯湯水供給管42に接続され貯湯水を外部に排出する排水管43と、排水管43に設けられ排水管43を制御装置15の開閉指令に応じて開閉する開閉弁44と、から構成されている。また、導出装置23は、湯水使用機器41および貯湯水供給管42から構成するようにしてもよい。なお、湯水使用機器41は、例えば複数の湯利用機器および熱利用機器から構成されている。湯利用機器としては、浴槽、シャワ、キッチン(キッチンの蛇口)、洗面所(洗面所の蛇口)などがある。熱利用機器としては、浴室暖房、床暖房、浴槽の湯を追い炊き機構などがある。熱利用機器は、貯湯水を循環させるタイプや貯湯水を熱交換後に排出するタイプのものがある。
貯湯水供給管42は、通過する貯湯水の供給量(単位時間あたりの通水量)を検出する流量計42aが設けられている。流量計42aの検出結果は、制御装置15に送信されている。
貯湯水循環ポンプ22bは、貯湯水循環ライン22の熱媒体(貯湯水)を送出して図示矢印方向へ循環させる送出装置であり、制御装置15によって制御されてその吐出量(送出量)が制御されるようになっている。
熱交換器貯湯水導出温度センサ22dは、貯湯水循環ライン22であって熱交換器12の貯湯水導出口12cと貯湯槽21の貯湯水導入口21cとの間に設けられている。熱交換器貯湯水導出温度センサ22dは、熱交換器12の貯湯水導出口12c付近に設けられるのが望ましい。熱交換器貯湯水導出温度センサ22dは、熱交換器12から導出される貯湯水の温度T1を検出して、制御装置15に送信している。なお、熱交換器貯湯水導出温度センサ22dの代わりに、熱交換器12内に設けられ、熱交換器12から導出される貯湯水の温度(特に熱交換器12の貯湯水導出口12c側の温度)を検出する温度センサを使用するようにしてもよい。
蒸発部32は、後述する燃焼ガスにより加熱されて、供給された改質水を蒸発させて水蒸気を生成するとともに、供給された改質用原料を予熱するものである。蒸発部32は、このように生成された水蒸気と予熱された改質用原料を混合して改質部33に供給するものである。改質用原料としては天然ガス(メタンガスを主成分とする)、LPガスなどの改質用気体燃料、灯油、ガソリン、メタノールなどの改質用液体燃料があり、本実施形態においては天然ガスにて説明する。
燃料電池34においては、燃料極に供給されたアノードガスと空気極に供給されたカソードガスによって発電が行われる。
第一温度満水制御部61は、熱交換器12から導出される貯湯水の第二目標温度T1bより低い第一目標温度T1aに対応する第一温度T2a(貯湯槽水温)の貯湯水によって貯湯槽21を満水にするように貯湯水循環ポンプ22bを制御する(貯湯水循環ポンプ22bの吐出量を制御する)。第二温度満水制御部62は、第一温度満水制御部61によって貯湯槽21を第一温度T2aの貯湯水で満水にした後に、熱交換器12から導出される貯湯水の第二目標温度T1bに対応する第二温度T2b(貯湯槽水温)の貯湯水によって貯湯槽21を満水にするように貯湯水循環ポンプ22bを制御する(貯湯水循環ポンプ22bの吐出量を制御する)。
このように、貯湯水循環ポンプ22bが制御され、第一目標温度T1aの貯湯水が熱交換器12から導出され貯湯槽21に導入される。
第一制御停止部61bは、貯湯槽内温度状態検出装置21bによって検出される貯湯水の温度状態が、貯湯槽21が第一温度T2aの貯湯水によって満水となる第一満水状態となった場合、貯湯水循環ポンプ22bの駆動を停止する。
第二制御停止部62bは、貯湯槽内温度状態検出装置21bによって検出される貯湯水の温度状態が、貯湯槽21が第二温度T2bの貯湯水によって満水となる第二満水状態となった場合、貯湯水循環ポンプ22bの駆動を停止する。
制御装置15は、ステップS102において、フラグFが1であるか否かを判定する。フラグFは、貯湯槽21が第一満水状態未満であるか以上であるかを示すフラグである。フラグFが0である場合、貯湯槽21が第一満水状態未満であることを示し、フラグFが1である場合、貯湯槽21が第一満水状態以上であることを示す。貯湯槽21が第一満水状態であるとは、貯湯槽21が第一温度T2aの貯湯水で満水となっている状態である。例えば、貯湯槽21が第一満水状態未満であるとは、貯湯槽21の下層の貯湯水の温度が第一温度T2a未満である状態である。貯湯槽21が第一満水状態未満である場合には、貯湯槽21の上層の貯湯水の温度が第一温度T2a以上であり、かつ、貯湯槽21の下層の貯湯水の温度が第一温度T2a未満である状態も含む。また、貯湯槽21が第一満水状態以上であるとは、貯湯槽21が第一温度T2a以上の貯湯水で満水となっている状態である。
そして、制御装置15は、ステップS114において、フラグFを1に設定する。
制御装置15は、貯湯槽21が第一満水状態となった時点から所定時間が経過していない場合には、ステップS116にて「NO」と判定し、プログラムをステップS110に進め本プログラムを一旦終了する。制御装置15は、貯湯槽21が第一満水状態となった時点から所定時間が経過した場合には、ステップS116にて「YES」と判定し、プログラムをステップS118以降に進める。なお、所定時間は、貯湯槽21内の貯湯水が放置された場合、貯湯槽21内の貯湯水の残留塩素濃度が、熱交換器12を腐食しない程度である所定濃度以下となる時間に設定されている。
そして、制御装置15は、ステップS126において、フラグFを0に設定する。なお、制御装置15は、通常の排熱回収制御を行う。通常の排熱回収制御は、貯湯槽21内の貯湯水の温度状況、熱交換器12の貯湯水出口温度に基づいて貯湯水循環ポンプ22bの送出量(貯湯水の循環流量)を制御することにより、排熱回収を制御することである。
これによれば、貯湯槽21が第一温度T2aの貯湯水で満水にされる際に、熱交換器貯湯水導出温度センサ22dの検出結果に基づいて第一温度T2aの貯湯水で確実に満水にされるとともに、貯湯槽内温度状態検出装置21bの検出結果に基づいて貯湯槽21を第一満水状態とすることができる。また、貯湯槽21が第二温度T2bの貯湯水で満水にされる際に、熱交換器貯湯水導出温度センサ22dの検出結果に基づいて第二温度T2bの貯湯水で確実に満水にされるとともに、貯湯槽内温度状態検出装置21bの検出結果に基づいて貯湯槽21を第二満水状態とすることができる。
これによれば、燃料電池システムは、水道水が循環する熱交換器12が残留塩素によって腐食するのを抑制することができるとともに、水自立を確実に成立させることができる。
これによれば、貯湯槽21に供給される水道水に含有される残留塩素濃度は、第一温度T2aに上昇された貯湯槽21内において一定時間放置されると、所定濃度以下に確実に低下されるため、複雑化・高コスト化を招くことなく、水道水が循環する熱交換器12が残留塩素によって腐食するのをより確実に抑制することができる。さらに、第一温度T2aの貯湯水で満水にされた貯湯槽21から供給される貯湯水は、残留塩素濃度がより確実に低下された上で熱交換器12に供給されて昇温されるため、高温環境下においてより強く作用する残留塩素による腐食作用がより確実に抑制される。
これによれば、貯湯槽21に供給される水道水に含有される残留塩素濃度は、第一温度T2aに上昇された貯湯槽21内において所定時間経過すると、確実に低下されるため、複雑化・高コスト化を招くことなく、水道水が循環する熱交換器12が残留塩素によって腐食するのをより確実に抑制することができる。
Claims (4)
- 燃料と酸化剤ガスとにより発電する燃料電池と、
貯湯水を貯水する貯湯槽と、
前記燃料電池の排熱と前記貯湯水との間で熱交換が行われる熱交換器と、
前記貯湯槽と前記熱交換器との間において前記貯湯水を循環させるように形成された貯湯水循環ラインと、
前記貯湯水循環ラインに設けられ、前記貯湯水を送出して循環させる送出装置と、
前記送出装置の送出量を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記熱交換器から導出される貯湯水の第二目標温度より低い第一目標温度に対応する第一温度の貯湯水によって前記貯湯槽を満水にするように前記送出装置を制御する第一温度満水制御部と、
前記第一温度満水制御部によって前記貯湯槽を前記第一温度の貯湯水で満水にした後に、前記熱交換器から導出される貯湯水の前記第二目標温度に対応する第二温度の貯湯水によって前記貯湯槽を満水にするように前記送出装置を制御する第二温度満水制御部と、
を備え、
前記第二温度満水制御部は、前記第一温度満水制御部によって前記貯湯槽を前記第一温度の貯湯水で満水にした時点から所定時間経過した後に、前記熱交換器から導出される貯湯水の前記第二目標温度に対応する前記第二温度の貯湯水によって前記貯湯槽を満水にするように前記送出装置を制御する燃料電池システム。 - 前記貯湯槽内に設けられ、前記貯湯槽内の貯湯水の温度状態を検出する貯湯槽内温度状態検出装置と、
前記貯湯水循環ラインであって前記熱交換器の貯湯水導出口と前記貯湯槽の貯湯水導入口との間に設けられ、前記熱交換器から導出される前記貯湯水の温度を検出する熱交換器貯湯水導出温度センサと、をさらに備え、
前記第一温度満水制御部は、
前記熱交換器貯湯水導出温度センサによって検出される前記貯湯水の温度が前記第一目標温度となるように前記送出装置を制御する第一熱交換器導出温度制御部と、
前記貯湯槽内温度状態検出装置によって検出される前記貯湯水の温度状態が、前記貯湯槽が前記第一温度の貯湯水によって満水となる第一満水状態となった場合、前記送出装置の駆動を停止する第一制御停止部と、を備え、
前記第二温度満水制御部は、
前記熱交換器貯湯水導出温度センサによって検出される前記貯湯水の温度が、前記貯湯槽が前記第二目標温度となるように前記送出装置を制御する第二熱交換器導出温度制御部と、
前記貯湯槽内温度状態検出装置によって検出される前記貯湯水の温度状態が前記第二温度の貯湯水によって満水となる第二満水状態なった場合、前記送出装置の駆動を停止する第二制御停止部と、を備えている請求項1記載の燃料電池システム。 - 改質用原料および改質水から前記燃料を生成して前記燃料電池に導出する改質部と、
前記改質水を貯水する水タンクと、
前記燃料のオフガスである燃料オフガスを酸化剤ガスで燃焼して前記改質部を加熱する燃焼部と、をさらに備え、
前記熱交換器は、前記燃料電池の排熱を含む前記燃焼部からの燃焼排ガスと前記貯湯水との間で前記熱交換を行い、前記燃焼排ガス中の水蒸気を凝縮して凝縮水として前記水タンクに導出し、
前記第二目標温度は、前記改質部にて必要な前記改質水を前記熱交換器にて導出される前記凝縮水で賄う水自立が、成立可能な最高温度に設定されている請求項1または請求項2記載の燃料電池システム。 - 前記第一目標温度は、前記貯湯槽内の前記貯湯水の残留塩素濃度が一定時間放置した後に所定濃度以下となる温度に設定されている請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載の燃料電池システム。
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