JP2012202579A - コージェネレーションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】排熱を効率的に回収して排熱回収量が比較的小さいシステムに好都合に適用することができるコージェネレーションシステムを提供すること。
【解決手段】原燃料ガスを改質する改質器6と、改質器6にて改質された改質燃料ガスと酸化剤との酸化、還元によって発電を行う燃料電池スタック8及び酸化剤を燃料電池スタック8に送給するための送風装置10を備えた固体酸化物形燃料電池2と、固体酸化物形燃料電池2の排熱を温水として回収するための貯湯装置4と、これらを制御するための制御手段と、を具備するコージェネレーションシステム。制御手段は、貯湯装置4の貯湯タンク52の温水の貯湯量が少ないときには、低温熱回収モードでもって貯湯装置4を稼働し、また貯湯タンク52の温水の貯湯量が多くなると、高温熱回収モードでもって貯湯装置4を稼働する。
【選択図】図1

Description

本発明は、原燃料ガスを用いて発電を行う固体酸化物形燃料電池と、この固体酸化物形燃料電池の排熱を温水として回収するための貯湯装置とを備えたコージェネレーションシステムに関する。
燃料電池として固体酸化物形燃料電池を用い、この固体酸化物形燃料電池からの排熱を温水として貯える貯湯装置とを組み合わせたコージェネレーションが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなコージェネレーションシステムでは、貯湯装置は、排熱を温水として貯える貯湯タンクと、熱交換器が配設された循環流路と、貯湯タンクの水を循環流路を通して送給する送給ポンプとを備え、固体酸化物形燃料電池の排気ガスと循環流路を流れる水との間での熱交換が熱交換器にて行われ、この熱交換により排熱回収された温水が貯湯タンクに貯えられる。貯湯タンク内の水は貯湯タンクの底部から流出して循環流路に送給され、循環流路を通して流れた水(温水)は貯湯タンクの頂部に流入し、このように水(温水)が流れるので、貯湯タンクの下部側に水が存在し、その上部側に温水がたまるようになる。
特開2007−273252号公報
このような固体酸化物形燃料電池を家庭用コージェネレーションシステムに用いる場合、次のような問題が生じる。第1に、発電効率が高い固体酸化物形燃料電池を家庭用コージェネレーションシステムに用いようとすると、例えばその発電出力が700kW程度に設定され、このような発電出力では排熱回収量が500〜600W程度と比較的小さくなる。この排熱を温水として回収する場合、機器放熱、配管放熱などの影響を受けやすく、効率的な排熱回収が望まれる。
第2に、家庭用コージェネレーションシステムとして、一戸建て住宅、マンションなどに設置する場合、システム機器を小型化するのが望ましく、このような小型化のために貯湯タンクの容量を削減して小さくすると、温水として貯える蓄熱量も少なくなり、効率的な排熱回収が求められる。
第3に、このようなコージェネレーションシステムでは、貯湯タンクが満蓄状態になるとラジエタを作動させて循環流路を流れる温水の放熱を行うが、外気温度が高いときにはラジエタの放熱では温水が充分に冷却されず、所要温度よりも高い温度で温水が熱交換器を流れ、排熱の回収が充分に行われない。このようになると、その下流側にある熱交換器に流入する循環水の温度が上昇し、排気ガスの潜熱回収量が少なくなり、排熱回収効率が低下する。
本発明の目的は、排熱を効率的に回収することができるコージェネレーションシステムを提供することである。
本発明の他の目的は、貯湯タンクの容量が比較的小さくても充分な蓄熱量を確保することができるコージェネレーションシステムを提供することである。
本発明の更に他の目的は、外気温度が高いときにも排熱を効率的に回収することができるコージェネレーションシステムを提供することである。
本発明の請求項1に記載のコージェネレーションシステムは、固体酸化物形燃料電池と、前記固体酸化物形燃料電池の排熱を温水として回収するための貯湯装置と、前記固体酸化物形燃料電池及び前記貯湯装置を制御するための制御手段と、を具備し、前記貯湯装置は、温水を貯める貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の水を循環流路を通して送給するための送給ポンプと、前記固体酸化物形燃料電池の排気ガスと前記循環流路を流れる水との間で熱交換して排熱を回収するための熱交換器と、を備えたコージェネレーションシステムであって、
前記制御手段は、前記貯湯タンクの温水の貯湯量が少ないときには、前記貯湯装置を低温熱回収モードでもって稼働し、排熱回収による温水が第1設定温度となるように水の流量を制御し、また前記貯湯タンクの温水の貯湯量が多くなると、前記貯湯装置を高温熱回収モードでもって稼働し、排熱回収による温水が前記第1設定温度よりも高い第2設定温度となるように水の流量を制御することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載のコージェネレーションシステムでは、前記制御手段は、前記貯湯タンクの温水の貯湯量が満蓄状態であるときには、前記貯湯装置を最高温熱回収モードでもって稼働し、排熱回収による温水が前記第2設定温度よりも高い第3設定温度となるように水の流量を制御することを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載のコージェネレーションシステムでは、前記貯湯装置は、更に、温水の熱を放熱するためのラジエタを備え、前記ラジエタは前記循環流路における前記熱交換器の配設部位よりも上流側に設けられ、前記貯湯タンクの温水の貯湯量が満蓄状態であるときには、前記制御手段は、前記ラジエタを作動させて前記循環流路を流れる温水の熱を放熱することを特徴とする。
更に、本発明の請求項4に記載のコージェネレーションシステムでは、前記制御手段は、前記第1及び第2設定温度を補正するための温度補正手段を含み、前記温度補正手段は、外気温度に基づいて前記第1及び第2設定温度を補正し、前記外気温度が高くなるにつれて前記第1及び第2設定温度が高くなるように補正することを特徴とする。
本発明の請求項1に記載のコージェネレーションシステムによれば、このシステムの貯湯装置は、温水を貯める貯湯タンク、貯湯タンク内の水を送給する送給ポンプ及び循環流路に配設された熱交換器を備え、固体酸化物形燃料電池の排気ガスと循環流路を流れる水との間で熱交換して排熱が温水として回収される。この排熱回収において、貯湯タンクの温水の貯湯量が少ないときには、制御手段は貯湯装置を低温熱回収モードでもって稼働し、排熱回収による温水が第1設定温度(例えば、65℃)となるように水の流量を制御する。従って、この低温熱回収モードの稼働では、排気ガスの温度に比して排熱回収による温水の温度が低く、排熱を効率よく回収することができるとともに、循環流路を流れる水(温水)の流量も多くなり、これにより、より速く貯湯することが可能となり、少ない貯湯量を比較的短時間で増大させることができる。また、貯湯タンクの温水の貯湯量が多くなると、制御手段は貯湯装置を高温熱回収モードでもって稼働し、排熱回収による温水の温度が第2設定温度(例えば、75℃)となるように水の流量を制御する。従って、この高温熱回収モードの稼働では、低温熱回収モードのときよりも排熱回収による温水の温度が高く、貯湯タンクの容量がそのままでも蓄熱量が増大し、より多くの熱量を温水として貯湯タンクに蓄熱することができる。
また、本発明の請求項2に記載のコージェネレーションシステムによれば、貯湯タンクの温水の貯湯量が満蓄状態であるときには、制御手段は貯湯装置を最高温熱回収モードでもって稼働し、排熱回収による温水が第3設定温度(例えば、80℃)となるように水の流量を制御する。従って、この最高温熱回収モードの稼働では、高温熱回収モードのときよりも排熱回収による温水の温度が更に高く、このような温度状態では、貯湯タンクの蓄熱量が更に増大する一方、排熱からの熱回収量が少なくなるとともに、機器や配管からの放熱も多くなり、満蓄状態における蓄熱を許容しながら、その蓄熱量を抑えることができる。
また、本発明の請求項3に記載のコージェネレーションシステムによれば、貯湯装置は更にラジエタを備えており、貯湯タンクの温水の貯湯量が満蓄状態であるときには、制御手段はラジエタを作動させて循環流路を流れる温水の熱を放熱させ、且つこのときには最高温熱回収モードにより循環水量が少なくなり、効率よく熱交換器に送給される温水の温度を下げることができる。また、これによって、熱交換器に流入する循環水の温度が低下し、排気ガスからの潜熱回収が上昇するために、排熱回収を高めることができる。
更に、本発明の請求項4に記載のコージェネレーションシステムによれば、制御手段は、第1及び第2設定温度を補正するための温度補正手段を含み、この温度補正手段は、外気温度が高くなるにつれて第1及び第2設定温度が高くなるように補正するので、外気温度が上昇するにつれて熱交換器の流入温度と流出温度との温度差が大きくなるように温度補正され、外気温度上昇に伴う排熱回収効率の低下を抑えることができる。
本発明に従うコージェネレーションシステムの一実施形態を簡略的に示すシステム図。 図1のコージェネレーションシステムの制御系を示すブロック図。 循環流量と熱回収量及び熱回収温度との関係を説明するための図。 循環流量とラジエタの流入温度及び流出温度並びに外気温度との関係を説明するための図。 熱回収温度と機器・配管からの放熱量との関係を説明するための図。 図2の制御系による制御を示すフローチャート。 外気温度が変化したときの各種温度の温度補正を説明するための図。
以下、添付図面を参照して、本発明に従うコージェネレーションシステムの一実施形態について説明する。図1において、図示のコージェネレーションシステムは、原燃料ガスにより発電を行う固体酸化物形燃料電池2と、固体酸化物形燃料電池2からの排熱を温水として回収して貯える貯湯装置4とから構成されている。固体酸化物形燃料電池2は、原燃料を改質するための改質器6、改質燃料ガスによる電気化学反応により発電を行う燃料電池スタック8及び酸化剤としての空気を送給するための送風装置10を備えている。また、この固体酸化物形燃料電池2は、遮熱壁12によって構成された燃料電池本体14を備え、遮熱壁12には、その内面に断熱材(図示せず)が配設され、この遮熱壁12により規定された高温空間16内に、改質器6及び燃料電池スタック8が収容されている。
燃料電池スタック8は、積層された複数の燃料電池セルから構成され、各燃料電池セルは、酸素イオンを伝導する固体電解質18を備え、この固体電解質18の片側(図1において右側)に燃料極(図示せず)が設けられ、この燃料極側20において酸化作用が行われ、またその他側(図1において左側)に酸素極が設けられ、この酸素極側22において還元作用が行われる。
燃料電池スタック8の燃料極側20には、原燃料としての原燃料ガス(例えば、天然ガス)を改質した改質燃料ガスが供給される。この実施形態では、燃料電池スタック8の燃料極側20の導入側が改質燃料ガス送給ライン24を介して改質器6に接続され、この改質器6が原燃料ガス供給ライン26を介して原燃料ガス供給源28(例えば、埋設管、貯蔵タンク)に接続され、この原燃料ガス供給ライン26に脱硫器30、ガス供給ポンプ31及び開閉弁32が配設されている。また、この改質器6には、水蒸気改質に用いる水を供給するための水供給ライン34が接続され、この水供給ライン34に水供給ポンプ36が配設され、後述するように排気ガス中の水蒸気が凝縮した凝縮水が改質水として水供給ライン34を通して改質器6に送給される。尚、排気ガス中の水蒸気を凝縮させた凝縮水を改質用水として利用することに代えて、専用の水供給源(例えば、水道管、水タンクなど)からの水を改質用水として利用することもできる。
また、燃料電池スタック8の酸素極側22の導入側は空気送給ライン38を介して空気予熱器40に接続され、この空気予熱器40が空気供給ライン42介して外気を供給する送風装置10、例えば送風ファンに接続されている。
更に、燃料電池スタック8の燃料極側20及び酸素極側22の排出側には燃焼室46が設けられ、燃料電池スタック8の燃料極側20から排出された反応燃料ガス(残余燃料ガスを含んでいる)とその酸素極側22から排出された空気(酸素を含んでいる)がこの燃焼室46に送給されて燃焼される。この燃焼室46は燃焼排気ガス送給ライン48を介して空気予熱器40に接続され、この空気予熱器40は排気ガス排出ライン50に接続されている。排気ガス排出ライン50には、燃焼排気ガス中の排熱を温水として回収するための熱交換器52(後述する)が配設され、この熱交換器52を通して大気に開放されている。
次に、貯湯装置4について説明すると、図示の貯湯装置4は、上述した熱交換器52に加えて、温水を貯めるための貯湯タンク54と、貯湯タンク54内の水(又は温水)を循環する循環流路56とを備え、循環流路56に送給ポンプ58及びラジエタ60が配設されている。循環流路56の一端側が貯湯タンク54の底部に接続され、その他端部は貯湯タンク54の頂部に接続され、貯湯タンク54の底部の水が循環流路56に流れ、熱交換器52にて、循環流路56を流れる水(又は温水)と固体酸化物形燃料電池2の排気ガス排出ライン50を流れる排気ガスとの間で熱交換が行われ、この熱交換により加温された温水が循環流路56を通して貯湯タンク54の頂部に流入し、この貯湯タンク54においては、その底部側(図1において下側)に水が存在し、その頂部側(図1において上側)に温水が貯まり、貯湯タンク54内では水と温水が層状に存在する。この形態では、循環流路56における熱交換器52の配設部位より上流側に送給ポンプ58及びラジエタ60が配設される。また、熱交換器52には上述した水供給ライン34が接続され、排気ガス中に含まれた水分が上述した熱交換により凝縮され、凝縮された水が改質用の水として利用され、かかる凝縮水が水供給ライン34を通して改質器6に供給される。尚、この水供給ライン34には、凝縮水中の不純物などを除去するための水処理装置55が配設されている。
また、貯湯タンク54の底部には水供給流路62が接続され、この水供給流路62に水の供給、供給停止を行うための開閉弁64が配設されている。また、この貯湯タンク54の頂部には出湯流路66が接続され、この出湯流路66には例えばカラン68などが接続されている。
このコージェネレーションシステムでは、貯湯タンク54に第1〜第3温度センサ70,72,74が配設されている。第1〜第3温度センサ70,72,74は、貯湯タンク54の蓄熱量を計測するためのものであり、第1温度センサ70は貯湯タンク54内の例えば頂部付近に配設され、この第1温度センサ70の検知温度が例えば10℃前後であると、貯湯タンク54内の温水が空状態であることを示す。第2温度センサ72は貯湯タンク54内の例えば上下方向中央部付近に配設され、この第2温度センサ72の検知温度が後述するように例えば65℃になると、貯湯タンク54の頂部からこの第2温度センサ72の配設部位まで温水で満たされていることを示す。また、第3温度センサ74は貯湯タンク54の底部に配設され、この第3温度センサ74の検知温度が後述するように例えば55℃になると、貯湯タンク54の頂部からこの第3温度センサ74の配設部位まで温水で満たされ、貯湯タンク54が満蓄状態であることを示す。
また、循環流路56には第4温度センサ76が配設されている。この第4温度センサ76は排熱回収の温度を計測するためのものであり、循環流路56における熱交換器52の配設部位の下流側に配設され、熱交換器52から貯湯タンク54の頂部に流れる温水を計測する。
このコージェネレーションシステムにおける固体酸化物形燃料電池2の稼働運転の概要は、次の通りである。原燃料ガス供給源28からの原燃料ガス(例えば、天然ガス)は、原燃料ガス供給ライン6を通して供給され、脱硫器30にて硫黄成分が除去された後に改質器6に供給される。また、熱交換器52にて凝縮された水が、水供給ライン34を通して改質器6に送給される。改質器6においては、改質反応によって原燃料ガスの水蒸気改質が行われ、改質された改質燃料ガスが改質燃料ガス送給ライン24を通して燃料電池スタック8の燃料極側20に送給される。
また、送風装置10からの空気は、空気供給ライン42を通して空気予熱器40に供給され、この空気予熱器40において燃焼排気ガスとの間で熱交換されて加温された後に、空気送給ライン38を通して燃料電池スタック8の酸素極側22に送給される。
燃料電池スタック8においては、改質燃料ガスと空気中の酸素によって電気化学反応が行われ、この電気化学反応により発電が行われる。
燃料電池スタック8の燃料極側20からの反応燃料ガス及びその酸素極側22からの空気は燃焼室46に送給され、空気中の酸素を利用して反応燃焼ガスが燃焼される。燃焼室46からの燃焼排気ガスは排気ガス送給ライン48を通して空気予熱器40に送給され、この空気予熱器40において空気との熱交換に利用されて排気ガス排出ライン50を通して熱交換器52に送給される。熱交換器52においては、貯湯タンク54から循環流路56を通して送給される水と排気ガス排出ライン50を流れる排気ガスとの間で熱交換が行われ、熱交換後の排気ガスは排気ガス排出ライン50を通して大気に排出され、この熱交換により加温された水(温水)は循環流路56を通して貯湯タンク54に貯湯される。また、熱交換により凝縮された凝縮水は、改質用の水として水供給ライン34を通して改質器6に供給される。
このコージェネレーションシステムは、図2に示す制御系によって制御される。この燃料電池システムは、システム全体を制御するための制御手段82を備え、この制御手段82は例えばコントローラなどから構成される。制御手段82は、固体酸化物形燃料電池(燃料電池スタック8、送風装置10、ガス供給ポンプ31、水供給ポンプ36など)及び貯湯装置4(送給ポンプ58、ラジエタ60など)を作動制御するための作動制御手段84、後述する如く貯湯装置4の稼働を切り換えるモード切換設定手段86及びメモリ手段88を含んでいる。この実施形態では、メモリ手段88には、貯湯装置4の稼働モードとして低温熱回収モード、高温熱回収モード及び最高温熱回収モードの三つのモードが登録され、モード切換設定手段86は貯湯タンク54の温水の貯湯状態(換言すると、固体酸化物形燃料電池2からの排熱の蓄熱状態)に応じてこれら三つのモードから一つを選択して設定する。
この実施形態では、温水の貯湯状態が少ないとき(即ち、貯湯タンク54の半分まで温水が貯湯されていないとき)には、温水を速く貯湯することができるように、低温熱回収モードが選択される。この低温熱回収モードでは、貯湯タンク54に貯湯される温水の温度(即ち、第4温度センサ76の検知温度)が第1設定温度、例えば65℃となるように制御され、この形態では送給ポンプ58の回転数を制御して循環流路56を流れる水(温水)の流量が制御される。
一般に、循環流路56を流れる水の循環流量と固体酸化物形燃料電池2からの排熱の熱回収量及び熱回収温度との関係は、排気ガスが有する熱量が一定である場合に図3に示す通りであり、熱回収温度が低くなるに従って循環流量が多くなり、このように循環流量が多くなると熱回収量も多くなる。従って、貯湯温水の温度が第1設定温度のときには、熱回収温度が低く、循環流路57を流れる温水の量が多くなり、固体酸化物形燃料電池2からの排熱の回収量が多くなり、その結果、温水を貯湯タンク54に速く貯湯することができる。
また、温水の貯湯状態が多くなる(即ち、貯湯タンク54の半分以上まで温水が貯湯される)と、貯湯タンク54の容量をそのままにして蓄熱量を多くすることができるように、高温熱回収モードが選択される。この高温熱回収モードでは、貯湯タンク54に貯湯される温水の温度(即ち、第4温度センサ76の検知温度)が、上記第1設定温度よりも高い第2設定温度、例えば75℃となるように制御され、この形態では送給ポンプ58の回転数を制御して循環流路56を流れる水(温水)の流量が制御される。
貯湯温水の温度が第1設定温度(例えば、65℃)から第2設定温度(例えば、75℃)に上昇すると、温水の温度上昇分だけ蓄熱量が増大し、その結果、貯湯タンク54の容量が一定であってもその蓄熱量が多くなり、貯湯タンク54からの温水と水とを混ぜて所定温度(例えば、40℃)の温水を供給する場合、より多くの温水を供給することが可能となる。
更に、温水が満水状態(換言すると、排熱が満蓄状態)になる(即ち、貯湯タンク54全体に温水が貯湯される)と、貯湯タンク54の容量をそのままにして更なる蓄熱量を許容する一方、回収した排熱の放熱を高めるために、最高温熱回収モードが選択される。この最高温熱回収モードでは、貯湯タンク54に貯湯される温水の温度が、上記第2設定温度よりも高い第3設定温度、例えば80℃となるように制御され、この形態では送給ポンプ58の回転数を制御して循環流路56を流れる水(温水)の流量が制御され、これによって、循環する水(温水)の流量が低下する。
一般に、循環流路56を流れる水の循環流量とラジエタ60の入口温度(貯湯タンク54から流出する温水の温度)、その出口温度(熱交換器52に流入する温水の温度)及び外気温度との関係は、図4に示す通りであり、外気温度が一定のときには、ラジエタ60の入口温度が下がるに従って循環流量が多くなり、このように循環流量が多くなると、ラジエタ60に流入する循環水の入熱量が増大してその出口温度が上昇する。また、熱回収温度(貯湯タンク54に流入する温水の温度)と貯湯装置4における機器・配管からの放熱量との関係は、図5に示す通りとなり、熱回収温度が上昇するに従って放熱量も多くなる。従って、貯湯温水の温度が第3設定温度のときには、ラジエタ60の入口温度が高く、循環流路56を流れる温水の流量が少なくなる。このように循環流量が少なくなると、ラジエタ60に流入する循環水の入熱量が減少してその出口温度が低くなり、また熱交換器52における熱回収量も少なくなり、更に貯湯温水の温度が高いことに起因して貯湯装置4の機器・配管からの放熱量も多くなり、その結果、満温水状態(排熱の満蓄状態)における蓄熱が許容されるとともに、その蓄熱量を抑えながら固体酸化物形燃料電池2の排気ガスからの排熱を回収することが可能となる。
次に、図1、図2及び図6を参照して、上述したコージェネレーションシステムの稼働運転について説明する。コージェネレーションシステムの稼働によって発電が開始される(ステップS1)と、固体酸化物形燃料電池2は上述したように発電運転され、モード切換設定手段86はメモリ手段88から低温熱回収モードを読み出して設定し、貯湯装置4は低温熱回収モードでもって稼働される(ステップS2)。そして、貯湯タンク54に温水が貯湯されていない(即ち、第2温度センサ72の検知温度が65℃より低い)ときには、この低温熱回収モードの稼働が維持される。この低温熱回収モードでは、作動制御手段84は第4温度センサ76の検知温度(熱交換器52の出口温度)が第1設定温度(例えば、65℃)となるように送給ポンプ58を制御し、第1設定温度の温水が貯湯タンク54に貯湯される。
そして、上述した運転によって貯湯タンク54に温水が貯湯される(即ち、第2温度センサ72の検知温度が65℃に達する)と、ステップS3及びステップS4を経てステップS5に進み、モード切換設定手段86はメモリ手段88から高温熱回収モードを読み出して設定し、貯湯装置4は高温熱回収モードでもって稼働される。この高温熱回収モードでは、作動制御手段84は第4温度センサ76の検知温度(熱交換器52の出口温度)が第2設定温度(例えば、75℃)となるように送給ポンプ58を制御し、第2設定温度の温水が貯湯タンク54に貯湯される。
このようにして貯湯タンク54に温水が満水状態(満蓄状態)になる(即ち、第3温度センサ74の検知温度が例えば55℃に達する)と、ステップS4からステップS6に進み、モード切換設定手段86はメモリ手段88から最高温熱回収モードを読み出して設定し、貯湯装置4は最高温熱回収モードでもって稼働される。この最高温熱回収モードでは、作動制御手段84はラジエタ60を作動して貯湯タンク54からの温水の放熱を行うとともに、第4温度センサ76の検知温度(熱交換器52の出口温度)が第3設定温度(例えば、80℃)となるように送給ポンプ58を制御し、第3設定温度の温水が貯湯タンク54に貯湯される。
尚、カラン68などを開栓して温水の消費することにより、満温水状態(満蓄状態)が解消される(第3温度センサ74の検知温度が例えば55℃より下がる)と、ステップS4からステップ5に移り、貯湯装置4は高温熱回収モードで稼働され、また更なる温水の消費により、温水の貯湯量が少なくなる(即ち、第2温度センサ72の検知温度72が65℃より下がる)と、再びステップS2に移り、貯湯装置4は低温熱回収モードで稼働される。
以上、本発明に従うコージェネレーションシステムの一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
例えば、上述した実施形態では、貯湯装置4における温水の貯湯状態に応じて低温熱回収モード、高温熱回収モード及び最高温熱回収モードに設定可能に構成しているが、例えば熱回収モードとして低温熱回収モード及び高温熱回収モードの二つに設定するようにし、満温水状態(満蓄状態)になると高温熱回収モードにおいてラジエタ60を作動させて放熱するようにしてもよい。
また、例えば、上述した実施形態では、第4温度センサ76の熱回収温度に関し、低温熱回収温度を例えば65℃に、高温熱回収温度を例えば75℃に、また最高温熱回収温度を例えば80℃に設定しているが、この低温熱回収温度、高温熱回収温度及び最高温熱回収温度を外気温度に応じて図7に示すように補正するようにしてもよい。この場合、制御手段82に温度補正手段(図示せず)を含めるとともに、外気温度を検知するための外気温度検知センサ(図示せず)を設け、外気温度検知センサの検知温度に基づいて温度補正手段により低温熱回収温度、高温熱回収温度及び最高温熱回収温度を補正するようにすることができる。尚、このように温度補正した場合、貯湯タンク54において温水の温度を検知する第2温度センサ72の基準温度(即ち、中間温度閾値)を低温熱回収温度と同じ温度に、また第3温度センサ74の基準温度(即ち、下部温度閾値)を低温熱回収温度よりも所定温度(例えば、10℃)低い温度に補正するのが望ましい。これらの温度補正は、図7から明らかなように、外気温度が高くなるに従って低温熱回収温度、高温熱回収温度及び最高温熱回収温度も上昇するように行われる。
また、例えば、上述した実施形態では、貯湯タンク54に第1〜第3温度センサ70,72,74を設け、中間の第2温度センサ72の検知温度に基づいて温水の貯湯量が少ないか否かの判定を行っているが、貯湯タンク54に4つ以上の温度センサを設け、それらの特定の温度センサでもって温水の貯湯量が少ないか否かの判定を行うようにしてもよい。
2 固体酸化物形燃料電池
4 貯湯装置
6 改質器
8 燃料電池スタック
50 排気ガス排出ライン
52 熱交換器
54 貯湯タンク
56 循環流路
60 ラジエタ
82 制御手段
84 モード切換設定手段















Claims (4)

  1. 固体酸化物形燃料電池と、前記固体酸化物形燃料電池の排熱を温水として回収するための貯湯装置と、前記固体酸化物形燃料電池及び前記貯湯装置を制御するための制御手段と、を具備し、前記貯湯装置は、温水を貯める貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の水を循環流路を通して送給するための送給ポンプと、前記固体酸化物形燃料電池の排気ガスと前記循環流路を流れる水との間で熱交換して排熱を回収するための熱交換器と、を備えたコージェネレーションシステムであって、
    前記制御手段は、前記貯湯タンクの温水の貯湯量が少ないときには、前記貯湯装置を低温熱回収モードでもって稼働し、排熱回収による温水が第1設定温度となるように水の流量を制御し、また前記貯湯タンクの温水の貯湯量が多くなると、前記貯湯装置を高温熱回収モードでもって稼働し、排熱回収による温水が前記第1設定温度よりも高い第2設定温度となるように水の流量を制御することを特徴とするコージェネレーションシステム。
  2. 前記制御手段は、前記貯湯タンクの温水の貯湯量が満蓄状態であるときには、前記貯湯装置を最高温熱回収モードでもって稼働し、排熱回収による温水が前記第2設定温度よりも高い第3設定温度となるように水の流量を制御することを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
  3. 前記貯湯装置は、更に、温水の熱を放熱するためのラジエタを備え、前記ラジエタは前記循環流路における前記熱交換器の配設部位よりも上流側に設けられ、前記貯湯タンクの温水の貯湯量が満蓄状態であるときには、前記制御手段は、前記ラジエタを作動させて前記循環流路を流れる温水の熱を放熱することを特徴とする請求項2に記載のコージェネレーションシステム。
  4. 前記制御手段は、前記第1及び第2設定温度を補正するための温度補正手段を含み、前記温度補正手段は、外気温度に基づいて前記第1及び第2設定温度を補正し、前記外気温度が高くなるにつれて前記第1及び第2設定温度が高くなるように補正することを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステム。




















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