JP2008269930A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】フラッディングが抑制された燃料電池システムを提供する。
【解決手段】本発明の燃料電池システム100は、燃料極を備えた燃料電池101と、燃料ガス供給装置107と、前記燃料ガス供給装置と前記燃料電池の燃料極とを接続する燃料ガス供給流路108と、燃焼器120と、前記燃焼器から燃焼排ガスを排出するための燃焼排ガス流路121と、前記燃料電池を通るように形成され、その中を熱媒体が流れる熱媒体流路151と、前記熱媒体流路上に設けられた燃料ガス/熱媒体熱交換器128と、前記熱媒体流路上に前記燃料電池と前記燃料ガス/熱媒体熱交換器との間に位置するように設けられた燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129と、前記燃料ガス/熱媒体熱交換器、燃焼排ガス/熱媒体熱交換器、前記燃料電池を順に経由するように前記熱媒体流路を通って前記熱媒体を流すための熱媒体ポンプ111と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムに関し、例えば、家庭用コージェネレーションシステムに用いる燃料電池システムに関する。
従来、エネルギーを有効利用することが可能な小規模な発電装置として、燃料電池システムを用いたコージェネレーションシステムが注目されている。
燃料電池システムに用いる燃料電池としては、例えば、溶融炭酸塩形燃料電池、アルカリ水溶液形燃料電池、リン酸形燃料電池、高分子電解質形燃料電池等が挙げられる。この中で、リン酸形燃料電池と、高分子電解質形燃料電池とは、他の燃料電池に比べて動作温度が低いため、燃料電池システムを構成する燃料電池として用いられることが多い。特に、高分子電解質形燃料電池は、出力密度が高く、100℃以下の温度で動作可能なことから、燃料電池システムを構成する燃料電池に適している。
高分子電解質形燃料電池は、燃料極及び酸化剤極を備えたMEAと、このMEAを挟持する平板状の燃料極側セパレータ及び平板状の酸化剤極側セパレータとを備えている。燃料極側セパレータの一方の主面には燃料ガス流路溝が、他方の主面には熱媒体流路溝が形成されていることが一般的である。また、酸化剤極側セパレータの一方の主面には酸化剤ガス流路溝が、他方の主面には熱媒体流路溝が形成されていることが一般的である。燃料極には、燃料極側セパレータに形成された燃料ガス流路溝を介して燃料ガスが供給される。酸化剤極には、酸化剤極側セパレータに形成された酸化剤ガス流路溝を介して酸化剤ガスが供給される。このように供給された燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させることにより、電気と熱とが発生する。ここで発生した熱は、熱媒体流路溝を流れる熱媒体(冷却水)により回収される。
ところで、燃料電池システムを用いたコージェネレーションシステムは、コスト削減等のため、負荷の電力消費量が少ない時間帯には燃料電池による発電を停止(待機運転)し、負荷の電力消費量が多い時間帯には燃料電池による発電を行う(発電運転)という、負荷の電力需要に応じたいわゆるDSS運転が行われる。
一方、燃料電池に供給される燃料ガスには、通常、安定した発電を行うため、所望の水蒸気が含まれている。上記DSS運転を行う場合において、燃料電池の温度は、待機運転の際に周囲の温度(環境温度)と同じくらいの温度にまで低下する。そうすると、温度の低下した状態の燃料電池に水蒸気を含んだ燃料ガスを供給することになるため、燃料電池の温度が燃料ガスの露点よりも低いと、燃料ガス中の水蒸気が凝縮して燃料ガス流路溝を塞ぎ、フラッディングを発生させる。
そこで、フラッディングを防止する技術として、燃料電池内を循環する冷却水と燃料ガスとを熱交換することによって、燃料ガス中の過剰な水蒸気を除去するとともに、温度が高くなった冷却水によって燃料電池を昇温する燃料電池装置が開示されている(特許文献1参照)。
特開平11−162489号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、いまだフラッディングの抑制が十分でないという問題があった。
すなわち、特許文献1の構成では、燃料電池の昇温が十分でなく、供給される燃料ガスの露点よりも燃料電池の温度が低いため、フラッディングの抑制が十分でなく、いまだ改善の余地があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、フラッディングが十分に抑制された燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池システムは、燃料極及び酸化剤極を備えた燃料電池と、燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、前記燃料ガス供給装置と前記燃料電池の燃料極とを接続する燃料ガス供給流路と、燃焼用ガスを燃焼させる燃焼器と、前記燃焼器から燃焼排ガスを排出するための燃焼排ガス流路と、前記燃料電池を通るように形成され、その中を熱媒体が流れる熱媒体流路と、前記熱媒体流路上に設けられた、該熱媒体流路を流れる熱媒体と前記燃料ガス供給流路を流れる燃料ガスとを熱交換させるための燃料ガス/熱媒体熱交換器と、前記熱媒体流路上に前記燃料電池と前記燃料ガス/熱媒体熱交換器との間に位置するように設けられた、該熱媒体流路を流れる熱媒体と前記燃焼排ガス流路を流れる燃焼排ガスとを熱交換させるための燃焼排ガス/熱媒体熱交換器と、前記燃料ガス/熱媒体熱交換器、前記燃焼排ガス/熱媒体熱交換器、前記燃料電池を順に経由するように前記熱媒体流路を通って前記熱媒体を流すための熱媒体ポンプと、を備える。
このような構成とすると、燃料電池に供給される熱媒体が、燃料ガス/熱媒体熱交換器によって燃料ガスと熱交換して温められた後、さらに燃焼排ガス/熱媒体熱交換器によって燃焼排ガスと熱交換して温められる。これにより、燃料電池に供給される熱媒体の温度が、燃料電池に供給される燃料ガスの露点よりも高くなる。したがって、燃料電池内において、燃料ガス中に含まれる水蒸気が凝縮することが防止され、フラッディングが抑制される。
また、燃料ガス/熱媒体熱交換器によって燃料ガスと熱媒体とを熱交換する際、燃料ガス中に含まれる過剰な水蒸気が除去される。
前記燃料ガス供給装置は、原料ガスを改質して燃料ガスを生成するものであってもよい。
前記燃焼排ガス流路は、その流れる燃焼ガスの熱を前記燃料ガス供給装置の原料ガスを改質する部分に伝達するように構成されていてもよい。
このような構成とすると、燃焼ガスの熱を原料ガスの改質に利用できるので、エネルギーを有効に活用することができる。
前記燃焼排ガス流路に、前記燃焼排ガス/熱媒体熱交換器をバイパスするように設けられたバイパス流路と、前記燃焼器からの燃焼排ガスを、前記燃焼排ガス/熱媒体熱交換器に至る流路と前記バイパス流路とに選択的に流すための流路選択器と、をさらに備えていてもよい。
このような構成とすると、燃料電池システムの起動時においては、流路選択器を燃焼排ガスが燃焼排ガス/熱媒体熱交換器に至る流路に流れるように動作させることにより、熱媒体が燃焼排ガス/熱媒体熱交換器によって昇温され、このように昇温された熱媒体が燃料電池に供給される。これにより、燃料電池に供給される熱媒体の温度が、燃料電池に供給される燃料ガスの露点よりも高くなる。したがって、フラッディングが抑制されると共に、燃料電池システムの起動時間が短縮される。
一方、燃料電池システムの定常発電時においては、流路選択器を燃焼排ガスがバイパス流路に流れるよう動作させることにより、熱媒体が燃焼排ガス/熱媒体熱交換器によって昇温されないので、熱媒体による燃料電池の冷却効率が向上する。
前記流路選択器が、前記燃焼排ガス流路の、前記バイパス流路の分岐点と前記燃焼排ガス/熱媒体熱交換器との間の部分に設けられた第1開閉弁と、前記バイパス流路に設けられた第2開閉弁とで構成されていてもよい。
このような構成とすると、燃焼排ガスを、前記燃焼排ガス/熱媒体熱交換器に至る流路と前記バイパス流路とに選択して流すことが容易になる。また、第1開閉弁をノーマルクローズ形とし、第2開閉弁をノーマルオープン形とすると、それぞれの開閉弁を開閉するのに必要なエネルギー(電力)を低減させることができる。すなわち、起動時のみ、第1開閉弁を開き、かつ、第2開閉弁を閉じるための電力が必要となり、定常発電時においては、電力を供給しなくても、第1開閉弁は閉じられ、第2開閉弁は開かれる。起動時間は発電時間に比べると短いので、全体として電力を供給する時間が短縮され、開閉弁の操作に必要な電力が低減される。
三方弁を用いて前記燃焼排ガス流路から前記バイパス流路が分岐されており、前記流路選択器が前記三方弁で構成されていてもよい。
このような構成とすると、流路選択器の構成が簡素化される。
前記流路選択器を用いて前記燃焼器からの燃焼排ガスの流れを制御する制御器をさらに備え、該制御器は、前記燃料電池システムの起動時において、前記燃焼器からの燃焼排ガスを前記燃焼排ガス/熱媒体熱交換器に至る流路に流すよう構成されていてもよい。
前記燃料電池の温度を検出する温度検出器をさらに備え、前記制御器は、前記温度検出器により検出された温度が所定の温度になると、前記燃焼器からの燃焼排ガスを前記バイパス流路に流すよう構成されていてもよい。
このような構成とすると、検出された燃料電池の温度が所定の温度以上になると、燃焼排ガスをバイパス流路に流れるよう制御し、熱媒体が燃焼排ガス/熱媒体熱交換器により過剰に温められることを防止できる。これにより、燃料電池システムの起動が速やかに行われると共に、定常発電時における燃料電池の冷却効率も向上する。
本発明の燃料電池システムは、上記のような構成としたため、フラッディングの発生が十分に抑制されるという効果を奏する。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態の燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。図2は、図1の燃料電池システムの運転方法を示すフローチャートである。以下、図1及び図2を参照しながら、本実施形態の燃料電池システムについて説明する。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システム100は、燃料電池101と、燃料ガス供給装置107と、酸化剤ガス供給装置109と、熱媒体供給装置150と、貯湯水循環装置160と、燃料ガス/熱媒体熱交換器128と、燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129と、制御器115とを、主な構成要素として備えている。
燃料電池101は、本実施形態では高分子電解質形燃料電池で構成されている。高分子電解質形燃料電池は、複数個のセルが積層され、締結されることにより、燃料電池スタックに形成されている。個々のセルは、高分子電解質膜102を燃料極103及び酸化剤極104で挟んだMEA(図示せず)と、このMEAの燃料極側の主面に配設された平板状の燃料極側セパレータ(図示せず)と、MEAの酸化剤極側の主面に配設された平板状の酸化剤極側セパレータ(図示せず)とを備えている。なお、高分子電解質形燃料電池は公知のように構成されているので、上記以外の詳しい説明は省略する。
燃料ガス供給装置107は、燃料ガス供給流路108を介して、燃料電池101の燃料極103に接続されている。燃料ガス供給装置107は、燃焼器120と、改質部123と、変成部124と、CO酸化部125とを備えている。
燃焼器120は、燃料ガス供給装置107から燃料電池101に供給する前の燃料ガス(一酸化炭素の濃度が燃料電池101に供給可能な濃度にまで低減されていない燃料ガス:燃焼用ガス)又は燃料電池101の燃料極103から排出された排出燃料ガス(オフガス:燃焼用ガス)を燃焼させることにより、燃焼されたガス(燃焼ガス)の熱を改質部123に伝達させる。燃焼器120は、例えば、公知のバーナーで構成される。なお、燃焼器120は、本実施形態のように燃料ガス供給装置107に組み込まれて構成されていてもよいし、燃料ガス供給装置107と別体として構成されていてもよい。
燃焼器120には燃焼排ガス流路121の一端が接続され、その他端は大気に開放されている(図示せず)。燃焼排ガス流路121の途中には、燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129と、燃焼排ガス凝縮器122とが設けられている。すなわち、燃焼排ガス流路121は、燃焼排ガスを燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129に通過させ、その後、燃焼排ガスを燃焼排ガス凝縮器122に通過させるように構成されている。燃焼器120と燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129との間の燃焼排ガス流路121には、分岐点130Aが設けられている。燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129と燃焼排ガス凝縮器122とを接続する燃焼排ガス流路121には、合流点130Bが設けられている。そして、分岐点130Aと合流点130Bとを接続するように、燃焼排ガス流路のバイパス流路(以下、燃焼排ガスバイパス流路)130が設けられている。燃焼排ガスバイパス流路130は、燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129をバイパスするように構成されている。分岐点130Aから燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129に至る燃焼排ガス流路121には、第1開閉弁131が設けられている。燃焼排ガスバイパス流路130には、第2開閉弁132が設けられている。ここで、分岐点130Aと、第1開閉弁131と、第2開閉弁132とが、燃焼排ガスの流路選択器を構成する。
改質部123は、改質触媒を備えている。改質部123には、原料(例えば、都市ガス)と水とが供給される。改質部123は、供給された原料と水とを改質触媒を用いて改質反応させることにより、水素含有ガスを生成する。この改質反応には、燃焼器120から伝達される熱が利用される。改質部123で生成された水素含有ガスは、変成部124に供給される。
変成部124は、変成触媒を備えている。変成部124は、水素含有ガス中に含まれる一酸化炭素を、変成触媒を用いてシフト反応させることにより、一酸化炭素の濃度を低減させる。変成部124で一酸化炭素濃度が低減された水素含有ガスは、CO酸化部125に供給される。
CO酸化部125は、CO酸化触媒を備えている。CO酸化部125は、水素含有ガス中に含まれる一酸化炭素の濃度を、CO酸化触媒を用いてCO酸化反応させることによりさらに低減させる。具体的には、水素含有ガス中に含まれる一酸化炭素の濃度を、10ppm以下に低減させる。CO酸化部125は、燃料ガス供給流路108を介して、燃料電池101の燃料極103に接続されている。これにより、CO酸化部125によって低減された水素含有ガス(燃料ガス)が、燃料ガス供給流路108を介して燃料電池101の燃料極103に供給される。なお、CO酸化部125から燃料電池101の燃料極103に供給される燃料ガスは、高分子電解質膜102の劣化を抑制するため、図示しない加湿器によって加湿されている。
また、本実施形態の燃料電池システム100は、改質部123、変成部124、及びCO酸化部125の、それぞれの温度を検知するセンサ(図示せず)を備えている。
燃料ガス供給流路108の途中には、燃料ガス供給流路108の流路選択器(三方弁)126が配設されている。具体的には、三方弁126は、燃料ガス/熱媒体熱交換器128と燃料電池101との間の燃料ガス供給流路108に配設されている。三方弁126は、第1のポート126aと、第2のポート126bと、第3のポート126cとを有している。三方弁126は、第3のポート126cが第1のポート126aと第2のポート126bとに選択的に連通可能なように構成されている。
三方弁126の第3のポート126cには、燃料ガス/熱媒体熱交換器128側の燃料ガス供給流路108が接続されている。
三方弁126の第1のポート126aには、燃料電池101の燃料極103側の燃料ガス供給流路108が接続されている。燃料電池101の燃料極103には、さらに、燃料ガス排出流路171の一端が接続されている。燃料ガス排出流路171は、燃料ガス供給流路108から燃料極103に供給され、酸化剤ガスと反応しなかった未反応の燃料ガスを流すよう構成されている。燃料ガス排出流路171には、排出燃料ガス熱交換器119が設けられている。燃料ガス排出流路171の他端は、前述の燃焼器120に接続されており、未反応の燃料ガス(燃焼用ガス)が供給される。燃焼器120は、未反応の燃料ガス(燃焼用ガス)を燃焼させ、その際に発生した熱を改質部123に伝達する。これにより、改質部123での原料と水との改質反応が促進される。
三方弁126の第2のポート126bには、燃料ガス供給流路のバイパス流路(以下、燃料ガスバイパス流路)127の一端が接続されている。燃料ガスバイパス流路127は、燃料電池101及び排出燃料ガス熱交換器119をバイパスするように構成されている。燃料ガスバイパス流路127の他端は、合流点172において、燃料ガス排出流路171に接続されている。燃料ガス供給装置107によって生成が開始された直後の燃料ガスは、含まれる一酸化炭素の濃度が高いため、この状態で燃料電池101に供給すると、燃料極103における触媒を被毒させてしまう。そこで、一酸化炭素の濃度が所定の濃度以下になるまでは、燃料ガス供給装置107からの燃料ガスの供給先を、三方弁126の第2のポート126bを介して、燃料ガスバイパス流路127側に切り替える。燃料ガス排出流路171の他端は、前述のように、燃焼器120に接続されており、一酸化炭素の濃度の高い燃料ガス(燃焼用ガス)が供給される。燃焼器120は、一酸化炭素の濃度の高い燃料ガス(燃焼用ガス)を燃焼させ、その際に発生した熱を改質部123に伝達する。これにより、改質部123での原料と水との改質反応が促進される。
また、三方弁126を燃料ガス/熱媒体熱交換器128と燃料電池101との間の燃料ガス供給流路108に配設することにより、燃料電池101を停止させた状態で、三方弁126の第2のポート126bを介して、燃料ガスの供給先を燃料ガスバイパス流路127側に切り替えることができる。これにより、燃料ガス/熱媒体熱交換器128により水分が除去された燃料ガス(一酸化炭素の濃度の高い燃料ガス)が燃焼器120に供給される。
また、燃料電池システム100は、酸化剤ガス供給装置109を備えている。酸化剤ガス供給装置109は、例えば、ブロアで構成される。本実施形態では、酸化剤ガスとして空気を用いる。酸化剤ガス供給装置109には、酸化剤ガス供給流路181の一端が接続されている。酸化剤ガス供給流路181の他端は、燃料電池101の酸化剤極104に接続されている。酸化剤ガス供給装置109は、酸化剤ガス供給流路181を介して、酸化剤ガスを酸化剤極104に供給する。燃料電池101の酸化剤極104には、さらに、酸化剤ガス排出流路182の一端が接続され、その他端は大気に開放されている(図示せず)。酸化剤ガス排出流路182は、未反応の酸化剤ガス及び電池反応により生成された水を排出する。酸化剤ガス排出流路182には、排出酸化剤ガス熱交換器118が設けられている。排出酸化剤ガス熱交換器118は、酸化剤ガス排出流路182を流れる未反応の酸化剤ガス及び水を後述する冷却水と熱交換(冷却)させ、熱を回収すると共に、水分(水蒸気)を除去する。排出酸化剤ガス熱交換器118により水分が除去された酸化剤ガスは、大気中に放出される。
そして、上記のようにして、燃料極103に供給された燃料ガスと、酸化剤極104に供給された酸化剤ガスとが電池反応することにより、熱と電気とが発生する。
燃料電池システム100は、熱媒体供給装置150を備えている。熱媒体供給装置150は、熱媒体タンク110と、熱媒体ポンプ111と、熱媒体循環流路(熱媒体流路)151と、を備えている。熱媒体循環流路151は、熱媒体(正確には、一次熱媒体)を燃料電池101に供給する熱媒体供給流路(熱媒体流路)112と、燃料電池101から熱媒体を排出させる熱媒体排出流路(熱媒体流路)113とからなっている。熱媒体タンク110は、熱媒体を貯蔵する。熱媒体タンク110には、熱媒体供給流路112の一端が接続されている。熱媒体供給流路112には、熱媒体ポンプ111が設けられている。熱媒体ポンプ111は、熱媒体タンク110に貯蔵された熱媒体を熱媒体循環流路151を通って図1の矢印の方向に循環させる。熱媒体供給流路112には、燃料ガス/熱媒体熱交換器128と、燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129とが設けられている。熱媒体供給流路112の他端は、燃料電池101に接続されている。すなわち、熱媒体供給流路112は、燃料ガス/熱媒体熱交換器128と、燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129と、燃料電池101とを、順に熱媒体が通過するように構成されている。燃料電池101には、熱媒体排出流路113の一端が接続されている。熱媒体排出流路113の他端は、前述の熱媒体タンク110に接続されている。熱媒体排出流路113には、熱媒体熱交換器114が設けられている。すなわち、熱媒体排出流路113は、燃料電池101から排出された熱媒体を熱媒体熱交換器114に通過させ、この熱媒体を熱媒体タンク110に戻すように構成されている。本実施形態では、熱媒体として水が用いられる。
燃料ガス/熱媒体熱交換器128は、燃料ガス供給流路108を流れる燃料ガスと、熱媒体との間で熱交換を行う。これにより、燃料ガスから熱媒体に熱が伝わり、熱媒体の温度が上昇する。また、燃料ガス/熱媒体熱交換器128は、図示しないドレインを備えており、燃料ガス中の過剰な水蒸気を凝縮させて除去する。
燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129は、燃焼排ガス流路121を流れる燃焼排ガスと、熱媒体との間で熱交換を行う。これにより、燃焼排ガスから熱媒体に熱が伝わり、熱媒体の温度が上昇する。
このようにして、燃料ガス/熱媒体熱交換器128によって昇温された熱媒体が、さらに、燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129によって昇温される。これにより、燃料電池101に供給される燃料ガスの露点よりも高い温度の熱媒体が、燃料電池101に供給される。なお、これについては、後に詳しく説明する。
貯湯水循環装置160は、貯湯タンク116を備えている。貯湯タンク116は、貯湯水(給湯用の温水:二次熱媒体)を蓄える。貯湯タンク116は、いわゆる積層沸上げ方式が採用されており、貯湯タンク116の下部には市水(図示せず)が供給されかつ貯湯水流路117の一端が接続され、その他端が貯湯タンク116の上部に接続されている。なお、貯湯タンク116には、給湯用の配管(図示せず)が接続されている。貯湯水流路117には、排出酸化剤ガス熱交換器118と、排出燃料ガス熱交換器119と、燃焼排ガス凝縮器122と、熱媒体熱交換器114と、が設けられている。すなわち、貯湯水流路117は、貯湯水タンクからの貯湯水を、排出酸化剤ガス熱交換器118と、排出燃料ガス熱交換器119と、燃焼排ガス凝縮器122と、熱媒体熱交換器114と、に通過させ、その後、この貯湯水を貯湯タンク116に戻すよう構成されている。なお、貯湯水流路117に設けられる各熱交換器(凝縮器)の順番は、これに限られない。
熱媒体熱交換器114は、貯湯水と、燃料電池101から熱を回収し熱媒体排出流路113を流れる熱媒体との間で熱交換を行う。これにより、熱媒体排出流路113を流れる熱媒体が冷却されると共に、貯湯水の温度が昇温される。
排出酸化剤ガス熱交換器118は、貯湯水と、燃料電池101の酸化剤極104から排出され酸化剤ガス排出流路182を流れる酸化剤ガスとの間で熱交換を行う。これにより、前述のように、酸化剤ガス中の水蒸気が除去されると共に、貯湯水の温度が昇温される。
排出燃料ガス熱交換器119は、貯湯水と、燃料電池101の燃料極103から排出され燃料ガス排出流路171を流れる燃料ガスとの間で熱交換を行う。これにより、燃料ガス中の水蒸気が除去されると共に、貯湯水の温度が昇温される。
燃焼排ガス凝縮器122は、貯湯水と、燃焼器120から排出され燃焼排ガス流路121を流れる燃焼排ガスとの間で熱交換を行う。これにより、燃焼排ガス中の水蒸気が除去されると共に、貯湯水の温度が昇温される。
このようにして、貯湯水流路117には、排出酸化剤ガス熱交換器118、排出燃料ガス熱交換器119、燃焼排ガス凝縮器122、及び熱媒体熱交換器114によって熱を回収し昇温された貯湯水が循環される。なお、熱媒体熱交換器114、排出酸化剤ガス熱交換器118、排出燃料ガス熱交換器119、及び燃焼排ガス凝縮器122は、公知のように構成されているので、その詳しい説明を省略する。
なお、燃料電池システム100は、インバータ(図示せず)を備えている。インバータは、燃料電池101の電気出力端子(図示せず)に接続されている。インバータは、燃料電池101の発電により生じた直流電力を交流電力に変換する。その際、インバータは、燃料電池101の出力を調整する。
制御器115は、マイコン等の演算装置で構成され、燃料電池システム100の所要の構成要素を制御して、該燃料電池システム100の動作を制御する。ここで、本明細書においては、制御器115とは、単独の制御器だけでなく、複数の制御器が協働して制御を実行する制御器群をも意味する。よって、制御器115は、必ずしも単独の制御器で構成される必要はなく、複数の制御器が分散配置されていて、それらが協働して燃料電池システム100の動作を制御するよう構成されていてもよい。
次に、以上のように構成された燃料電池システム100の動作について、図1及び図2を参照しながら詳しく説明する。ここで、燃料電池システムの動作は、制御器115により遂行される。なお、ここでは、一般的動作を省略し、特徴的動作を説明する。
初期状態においては、第1の開閉弁131は閉止され、第2の開閉弁132は開放されている。まず、制御器115は、燃料電池システム100を起動する。具体的には、制御器115は、燃料ガス供給装置107により、原料(例えば、都市ガス)と水とを用いて、燃料ガスの生成を開始する(ステップS1)。前述のように、生成開始直後の燃料ガスは、含まれる一酸化炭素の濃度が高いため、燃料電池101に供給すると、燃料極103における触媒を被毒させてしまう。そこで、制御器115は、燃料ガス供給装置107からの燃料ガスの供給先を、三方弁126を用いて、燃料ガスバイパス流路127側に切り替える(ステップS2)。これにより、燃料ガスが、燃料ガス供給装置107(CO酸化部125)から、燃料ガス/熱媒体熱交換器128に流れ、その後、燃料ガスバイパス流路127を介して燃焼器120へと供給される。燃焼器120に供給された燃料ガスは燃焼され、改質部124に熱を供給する。
次に、制御器115は、第1の開閉弁131を開放し、第2の開閉弁132を閉止する(ステップS3)。これにより、燃焼排ガスが、燃焼器120から燃焼排ガス流路121を流れ、燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129を経由し、燃焼排ガス凝縮器122に流れ、その後、大気中に放出される。また、制御器115は、熱媒体ポンプ111を動作させて、熱媒体の供給を開始する(ステップS4)。これにより、熱媒体が、熱媒体タンク110から熱媒体供給流路112に流れる。熱媒体供給流路112を流れる熱媒体は、燃料ガス/熱媒体熱交換器128と、燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129と、燃料電池101とを順に経由するように流れる。このように、燃料ガス/熱媒体熱交換器128を流れる熱媒体と燃料ガスとの間で熱交換が行われると共に、燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129を流れる熱媒体と燃焼排ガスとの間で熱交換が行われる。これにより、燃料ガス/熱媒体熱交換器128により昇温された熱媒体が、さらに燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129によって昇温される。燃料電池101を通過した熱媒体は、熱媒体排出流路113を介して熱媒体熱交換器114を経由し、熱媒体タンク110に戻る。
次に、制御器115は、燃料ガス供給装置107により供給される燃料ガス中に含まれる一酸化炭素の濃度を取得する(ステップS5)。ここで、制御器115は、図示されない温度検知器を用いて、改質部123の温度、変成部124の温度、CO酸化部125の温度から、燃料ガス中に含まれる一酸化炭素の濃度を取得する。そして、制御器115は、燃料ガス中の一酸化炭素の濃度が所定の濃度以下であり、燃料電池101に供給可能かどうかを判定する(ステップS6)。具体的には、制御器115は、改質部123の温度が700℃、変成部124の温度が200℃、CO酸化部125の温度が135℃になれば、燃料ガス中の一酸化炭素の濃度が所定の濃度以下になったものと判定する。燃料ガス中の一酸化炭素濃度が所定の濃度以下でなければ、ステップS5とステップS6とを繰り返す。そして、ステップS6において燃料ガス中の一酸化炭素濃度が所定の濃度以下になれば、制御器115は、三方弁126によって、燃料ガス供給流路108を燃料極103側に切り替える。これにより、燃料ガスが、燃料電池101の燃料極103に供給されかつそこから排出される。排出された燃料ガス(排出燃料ガス)は、排出燃料ガス熱交換器119で熱が回収され、その後、燃焼器120に供給される。燃焼器120に供給された排出燃料ガスは、そこで燃焼され、改質部123に熱を供給する。
次に、制御器115は、酸化剤ガス供給装置109により、燃料電池101の酸化剤極104に酸化剤ガスの供給を開始する(ステップS8)。そして、制御器115は、酸化剤極104に供給された酸化剤ガスと、上述の燃料極103に供給された燃料ガスとで、低出力発電を行う(ステップS9)。具体的には、本実施形態では300Wの出力で発電が行われる。
次に、制御器115は、温度センサ106を用いて、燃料電池101の温度を取得する(ステップS10)。そして、制御器115は、取得された温度が、安定発電可能温度がどうかを判定する(ステップS11)。ここで、安定発電可能温度とは、55℃から60℃の範囲の温度をいう。ステップS11において、燃料電池101の温度が安定発電可能温度でなければ(ステップS11においてNO)、ステップS9に戻り、ステップS9〜S11のステップを繰り返す。そして、ステップS11において、燃料電池101の温度が安定発電可能温度になれば(ステップS11においてYES)、制御器115は、第1開閉弁131を閉止し、第2開閉弁132を開放する(ステップS12)。これにより、燃焼排ガスが、燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129をバイパスして、燃焼排ガスバイパス流路130を流れ、燃焼排ガス凝縮器122を通った後、大気中へ放出される。
その後、制御器115は、燃料ガス供給装置107を用いて、燃料ガスの流量を調整する。また、制御器115は、酸化剤ガス供給装置109を用いて、酸化剤ガスの流量を調整する。また、制御器115は、熱媒体供給装置150を用いて、熱媒体の供給量を変更する。また、制御器115は、図示しないインバータを用いて、燃料電池101の出力を調整する(以上、ステップS13)。具体的には、制御器115は、燃料電池101の出力を、300Wから1kWに段階的に上げていく。そして、制御器115は、燃料電池101の出力が定格出力(1kW)に到達したかどうかを判定する(ステップS14)。ステップS14において、燃料電池101の出力が定格出力に到達していなければ(ステップS14においてNO)、ステップS13に戻り、ステップS13〜S14のステップを繰り返す。そして、ステップS14において、燃料電池101の出力が定格出力に到達すれば(ステップS14においてYES)、制御器115は、その状態を維持する(エンド)。
次に、本実施形態の燃料電池システム100を、比較形態の燃料電池システム200と比較しながら、この利点を説明する。
図3は、比較形態の燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。
本比較形態の燃料電池システム200は、燃焼排ガス/熱媒体熱交換器が設けられていない。それ以外の構成については、実施形態の燃料電池システム100と同様である。
<実験例>
比較形態の燃料電池システム200を用い、以下のシミュレーションを行った。
燃料ガス/熱媒体熱交換器128として、伝達面積が0.09m、熱交換板の厚みが0.001mであるステンレス製のものを用いた。
起動時の燃料ガスの条件は、燃料ガスの流量を14L/min、燃料ガス供給装置における燃料ガスの露点を60℃に設定した。
また、起動時の燃焼排ガスの条件は、燃焼排ガスの流量を12L/min、燃焼排ガスの露点を70℃に設定した。
また、熱媒体の流量は、0.5L/minに設定した。
この条件でシミュレーションを行い、熱媒体タンク110における熱媒体の温度Tw1(実測値)、燃料ガス/熱媒体熱交換器128を通過し燃料極103に供給される燃料ガスの露点T´d2(計算値)、燃料ガス/熱媒体熱交換器128を通過し燃料電池101に供給される熱媒体の温度T´w3(計算値)を計算した。
また、比較形態の燃料電池システムにおいて、燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129を配設した(実施形態の燃料電池システム)と仮定してシミュレーションを行い、熱媒体タンク110における熱媒体の温度Tw1(計算値)、燃料ガス/熱媒体熱交換器128を通過し燃料極103に供給される燃料ガスの露点Td2(計算値)、燃料ガス/熱媒体熱交換器128及び燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129を通過し燃料電池101に供給される熱媒体の温度Tw3(計算値)を計算した。
<検討>
図4は、本実施形態の燃料電池システムにおける熱媒体の温度及び燃料ガスの露点の経時変化を示すグラフである。図5は、比較形態の燃料電池システムにおける熱媒体の温度及び燃料ガスの露点の経時変化を示すグラフである。図6は、本実施形態の燃料電池システム及び比較形態の燃料電池システムの、それぞれの燃料電池に供給される熱媒体の温度の経時変化を示すグラフである。
図4に示すように、本実施形態の燃料電池システム100においては、Tw1、Td2、及びTw3は、時間の経過と共に上昇した。また、Td2とTw3との関係は、Tw3はTd2とほぼ同じか、もしくは、Tw3のほうがわずかながら高くなった。これは、熱媒体タンク110から供給される熱媒体が、燃料ガス/熱媒体熱交換器128によって燃料ガスと熱交換されて昇温され、さらに、燃料ガス/熱媒体熱交換器128から流出する熱媒体が、燃焼排ガス/熱媒体熱交換器129によって燃焼排ガスと熱交換されるため、温度上昇が大きくなるためと考えられる。したがって、燃料電池101に供給される熱媒体の温度Tw3が、燃料極103に供給される燃料ガスの露点Td2よりも高くなるため、燃料電池101内において燃料ガス中の水蒸気が凝縮することが抑制される。
一方、図5に示すように、比較形態の燃料電池システム200においては、Tw1、T´d2、及びT´w3は、時間の経過と共に上昇した。ここで、T´d2とT´w3との関係は、全期間において、T´w3のほうがT´d2よりも約1℃〜3℃、低くなった。これは、熱媒体タンク110から供給される熱媒体が、燃料ガス/熱媒体熱交換器128によって燃料ガスと熱交換されて昇温されるのみであるためと考えられる。したがって、燃料電池101に供給される熱媒体の温度T´w3が、燃料極103に供給される燃料ガスの露点T´d2よりも低くなるため、燃料極103に供給される燃料ガス中の水蒸気が凝縮し、フラッディングが発生すると予想される。さらに、熱媒体の温度がさらに上昇すると、燃料ガス中の水蒸気分圧が高くなるため、水蒸気の凝縮がさらに顕著となると予想される。
また、図6に示すように、本実施形態の燃料電池システム100においては、比較形態の燃料電池システム200に比べて、燃料電池101に供給される熱媒体の温度が、約2℃〜3℃高くなった。また、本実施形態の燃料電池システム100では、安定発電が可能になる温度(安定発電可能温度(本シミュレーションにおいては55℃))になるまでの時間(起動時間)が約30分であり、比較形態の燃料電池システム200の起動時間(約33分)に比べて短くなった。したがって、本実施形態の燃料電池システム100では、フラッディングの抑制と共に、起動時間が短縮できるという利点がある。
以上の事項を総括すると、本実施形態の燃料電池システム100は、上記のような構成としたため、熱媒体と燃料ガスとを熱交換させることにより熱媒体の温度を上昇させ、さらに、熱媒体と燃焼排ガスとを熱交換させることにより熱媒体の温度をさらに上昇させる。これにより、燃料電池101に供給される熱媒体の温度が、燃料極103に供給される燃料ガスの温度(露点)よりも高くなるため、燃料ガス中に含まれる水蒸気の凝縮が抑制される。したがって、燃料電池101の燃料極103におけるフラッディングが抑制される。
さらに、上記のように昇温された熱媒体が燃料電池101に供給されるため、燃料電池101を速やかに温度上昇させることができ、起動時間を短縮することができる。
なお、本実施形態においては、燃焼排ガス流路121にバイパス流路130を設けていたが、このバイパス流路130を設けない構成とすることもできる。このような構成とすると、発電時においても、熱媒体の温度が燃焼排ガス/媒体熱交換器129により熱交換されて上昇し、熱媒体による燃料電池101の冷却効率は低下する可能性があるが、フラッディングの抑制及び速やかな起動という効果を奏する。
[第1変形例]
上述の実施形態の燃料電池システム100においては、燃焼排ガス流路の流路選択器が第1開閉弁131と第2開閉弁132とで構成されていた。ここで、燃焼排ガス流路選択器が三方弁で構成されていてもよい。具体的には、本変形例では、燃焼排ガス流路の分岐点130Aの部分に三方弁を配設し、第1開閉弁及び第2開閉弁を配設しない構成とする。それ以外の構成については、図1に示した実施形態の燃料電池システムの構成と同様である。
このような構成としても、実施形態の燃料電池システム100と同様の効果が得られる。
また、このような構成とすると、燃焼排ガス流路の流路選択器の構成が簡素化される。
[第2変形例]
上述の実施形態の燃料電池システム100においては、燃料ガス供給流路108の流路選択器126である三方弁が、燃料ガス/熱媒体熱交換器128と燃料電池101との間の燃料ガス供給流路108に配設されていた。本変形例では、燃料ガス供給流路108の流路選択器126である三方弁が、燃料ガス供給装置107(CO酸化部125)と燃料ガス/熱媒体熱交換器128との間の燃料ガス供給流路108に配設されている。それ以外の構成については、図1に示した実施形態の燃料電池システムと同様である。
このような構成としても、実施形態の燃料電池システム100と同様の効果が得られる。
本発明の燃料電池システムは、フラッディングの発生が十分に抑制された燃料電池システムとして有用である。
本発明の実施形態の燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 図1の燃料電池システムの運転方法を示すフローチャートである。 比較形態の燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 実施形態の燃料電池システムにおける熱媒体の温度及び燃料ガスの露点の経時変化を示すグラフである。 比較形態の燃料電池システムにおける熱媒体の温度及び燃料ガスの露点の経時変化を示すグラフである。 実施形態の燃料電池システム及び比較形態の燃料電池システムの、それぞれの燃料電池に供給される熱媒体の温度の経時変化を示すグラフである。
符号の説明
100,200 燃料電池システム
101 燃料電池
102 高分子電解質膜
103 燃料極
104 酸化剤極
106 温度センサ
107 燃料ガス供給装置
108 燃料ガス供給流路
109 酸化剤ガス供給装置
110 熱媒体タンク
111 熱媒体ポンプ
112 熱媒体供給流路(熱媒体流路)
113 熱媒体排出流路(熱媒体流路)
114 熱媒体熱交換器
115 制御器
116 貯湯タンク
117 貯湯水流路
118 排出酸化剤ガス熱交換器
119 排出燃料ガス熱交換器
120 燃焼器
121 燃焼排ガス流路
122 燃焼排ガス凝縮器
123 改質部
124 変成部
125 CO酸化部
126 燃料ガス供給流路の流路選択器(三方弁)
126a 第1のポート
126b 第2のポート
126c 第3のポート
127 燃料ガス供給流路のバイパス流路(燃料ガスバイパス流路)
128 燃料ガス/熱媒体熱交換器
129 燃焼排ガス/熱媒体熱交換器
130 燃焼排ガス流路のバイパス流路(燃焼排ガスバイパス流路)
130A 分岐点
130B 合流点
131 第1開閉弁(燃焼排ガス流路切替器)
132 第2開閉弁(燃焼排ガス流路切替器)
150 熱媒体供給装置
151 熱媒体循環流路(熱媒体流路)
160 貯湯水循環装置
171 燃料ガス排出流路
172 合流点
181 酸化剤ガス供給流路
182 酸化剤ガス排出流路

Claims (8)

  1. 燃料極及び酸化剤極を備えた燃料電池と、
    燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、
    前記燃料ガス供給装置と前記燃料電池の燃料極とを接続する燃料ガス供給流路と、
    燃焼用ガスを燃焼させる燃焼器と、
    前記燃焼器から燃焼排ガスを排出するための燃焼排ガス流路と、
    前記燃料電池を通るように形成され、その中を熱媒体が流れる熱媒体流路と、
    前記熱媒体流路上に設けられた、該熱媒体流路を流れる熱媒体と前記燃料ガス供給流路を流れる燃料ガスとを熱交換させるための燃料ガス/熱媒体熱交換器と、
    前記熱媒体流路上に前記燃料電池と前記燃料ガス/熱媒体熱交換器との間に位置するように設けられた、該熱媒体流路を流れる熱媒体と前記燃焼排ガス流路を流れる燃焼排ガスとを熱交換させるための燃焼排ガス/熱媒体熱交換器と、
    前記燃料ガス/熱媒体熱交換器、前記燃焼排ガス/熱媒体熱交換器、前記燃料電池を順に経由するように前記熱媒体流路を通って前記熱媒体を流すための熱媒体ポンプと、を備える、燃料電池システム。
  2. 前記燃料ガス供給装置は、原料ガスを改質して燃料ガスを生成するものである、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃焼排ガス流路は、その流れる燃焼ガスの熱を前記燃料ガス供給装置の原料ガスを改質する部分に伝達するように構成されている、請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃焼排ガス流路に、前記燃焼排ガス/熱媒体熱交換器をバイパスするように設けられたバイパス流路と、
    前記燃焼器からの燃焼排ガスを、前記燃焼排ガス/熱媒体熱交換器に至る流路と前記バイパス流路とに選択的に流すための流路選択器と、をさらに備える、請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記流路選択器が、前記燃焼排ガス流路の、前記バイパス流路の分岐点と前記燃焼排ガス/熱媒体熱交換器との間の部分に設けられた第1開閉弁と、前記バイパス流路に設けられた第2開閉弁とで構成されている、請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 三方弁を用いて前記燃焼排ガス流路から前記バイパス流路が分岐されており、前記流路選択器が前記三方弁で構成されている、請求項4に記載の燃料電池システム。
  7. 前記流路選択器を用いて前記燃焼器からの燃焼排ガスの流れを制御する制御器をさらに備え、
    該制御器は、前記燃料電池システムの起動時において、前記燃焼器からの燃焼排ガスを前記燃焼排ガス/熱媒体熱交換器に至る流路に流すよう構成されている、請求項4に記載の燃料電池システム。
  8. 前記燃料電池の温度を検出する温度検出器をさらに備え、
    前記制御器は、前記温度検出器により検出された温度が所定の温度になると、前記燃焼器からの燃焼排ガスを前記バイパス流路に流すよう構成されている、請求項7に記載の燃料電池システム。
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