JP5985840B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は燃料電池システムに関する。
燃料電池システムは、燃料電池と、燃料ガスを元圧で供給させるガス源に繋がる元圧弁と燃料電池とを連通させると共に元圧弁の開放により元圧弁から供給された燃料ガスを燃料電池に向けて供給させる燃料ガス通路と、燃料ガス通路に設けられ燃料ガス通路を開閉させる遮断弁と、燃料ガス通路において遮断弁の下流に設けられ電気入力により駆動して燃料ガスを燃料ガス通路の下流に向けて搬送させるガスポンプとを有する。このような燃料電池システムの運転中には、様々な事情により、燃料ガスの元圧側の異常が発生するおそれがある。元圧異常は早期に検知することが好ましい。しかし、元圧側を燃料電池システムは直接的に検知できず、元圧異常の早期検知は必ずしも容易ではない。
特許文献1は燃料電池システムの制御系を開示する。この制御系は、改質部の内温度に対してPD制御することによる第1操作変化量を導出する第1制御器と、改質部の吐出ガスの目標温度と改質部の吐出ガスの実温度との差に対してPID制御をすることにより第2操作変化量を導出する第2制御器と、第2操作変化量から第1操作変化量を減算して燃焼用燃料ポンプの操作量であるデューティ比を導出するデューティ導出器とを備える。上記により、燃焼用燃料を制御することで、改質出ガス温度を改質触媒の触媒温度活性域に応答性よく、かつ高い安定性で制御が可能となる。
特開2006-66300号公報
前述したように、燃料電池システムの運転中において様々な事情により、燃料ガスの元圧側の異常が発生するおそれがある。このようなおそれとしては、例えば、ガス源の故障、ガス源側の配管損傷、ガス源と燃料電池システムとの間に存在する元圧弁が過誤で閉鎖されること等を例示できる。このような場合、燃料源から元圧弁を介して燃料ガス通路に供給される燃料ガスの流量が急激に減少または消失するおそれがある。この場合、燃料電池に繋がる燃料ガス通路が負圧化され、燃料ガス通路に対して並列に繋がる他のガス機器にも影響を与えるおそれがある。この場合、他のガス機器において燃焼している火炎が消えたり(失火)するおそれがある。
上記した特許文献1は、燃焼用燃料ポンプの操作量であるデューティ値を算出することで改質触媒の触媒活性域に応答性よく制御する。燃料電池の発電運転中において燃料ガスの元圧弁が閉められた場合においても、元圧弁の2次側に残存する燃料ガスを制御にて送ることが可能なため、従来技術のデューティ制御もしばらくは可能である。しかし、残存の燃料ガスで運転している間に、燃料ガス通路は負圧に引かれることで、燃料ガス通路の内部が負圧となる。この場合、燃料ガスに燃料電池に対して並列的に接続されている他のガス機器において失火が発生するおそれがある。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、燃料ガスの元圧異常を早期に検知させ、燃料ガス通路における過剰な負圧化を抑制させるのに有利な燃料電池システムを提供することを課題とする。
(1)様相1に係る燃料電池システム(以下、システムともいう)は、アノードおよびカソードを有する燃料電池と、燃料ガスを元圧で供給させるガス源に繋がる元圧弁と燃料電池とを連通させると共に、元圧弁の開放により元圧弁から供給された燃料ガスを燃料電池に向けて供給させる燃料ガス通路と、燃料ガス通路に設けられ燃料ガス通路を開閉させる遮断弁と、燃料ガス通路において遮断弁の下流に設けられ電気入力により駆動して燃料ガスを燃料ガス通路の下流に向けて搬送させるガス搬送源と、燃料電池の目標発電量に対応するようにガス搬送源の電気入力量に関する物理量の正常値を設定し、発電運転において、ガス搬送源への電気入力量に関する物理量を正常値に対して接近または同一となるように制御させる制御部とを具備しており、
制御部は、運転中において、(i)ガス搬送源に入力される電気入力量に関する物理量が正常値に対して上昇する時間が既定時間以上継続する条件が満足されるとき、燃料ガスの元圧異常であると判定する元圧異常判定処理を実行する。
本様相によれば、制御部は、燃料電池の目標発電量に対応するようにガス搬送源の電気入力量に関する物理量の正常値を設定し、発電運転において、ガス搬送源への電気入力量に関する物理量を正常値に対して接近または同一となるように制御させる。このため、燃料電池の発電量は、目標発電量に対応するように制御される。ここで、物理量の正常値とは、元圧異常がない場合、燃料電池の発電量が目標発電量に対応するように制御されるときにおいて、ガス搬送源への電気入力量に関する物理量を意味する。
ところで、前述したようにシステムの運転中には、様々な事情により、燃料ガスの元圧側の異常が発生するおそれがある。例えば、ガス源の故障、ガス源側の配管損傷、ガス源に繋がる元圧弁をユーザなどが過誤で閉鎖すること等が挙げられる。このような元圧側の異常を早期に検知することが好ましい。元圧側の異常が発生する場合には、ガス源の燃料ガスが元圧弁を介して燃料ガス通路に良好に供給されず、燃料ガス通路を流れる燃料ガスの単位時間あたりの流量が急激に低下する。この場合、燃料ガスの所要の流量を確保させるべく、ガス搬送源の単位時間あたり駆動量を増加させるように、制御部は、ガス搬送源に入力される電気入力量に関する物理量を上昇させる制御を実行する。このため元圧異常が発生すると、ガス搬送源に入力される電気入力量に関する物理量がこれの正常値に対して上昇する。
そこで、本様相によれば、運転中において、ガス搬送源に入力される電気入力量に関する物理量がこれの正常値に対して上昇する時間が既定時間以上継続する条件が満足されるとき、制御部は、燃料ガスの元圧異常であると判定する。なお、ガス搬送源に入力される電気入力量に関する物理量がこれの正常値に対して上昇する時間が既定時間以上継続する条件が満足されないとき、制御部は、燃料ガスの元圧異常ではないと判定することができる。
物理量が正常値に対して上昇するとは、(i)物理量が減少せずに正常値に対して上昇している形態と、(ii)短時間的には局部的に減少している部分も存在するが、基本的には物理量が正常値に対して上昇している形態とを含む。ガス搬送源は、燃料ガス通路において遮断弁の下流に設けられており、電気入力により駆動して燃料ガスを燃料ガス通路の下流に向けて搬送させる機能を有しており、ポンプ、コンプレッサ、ファンを例示できる。ポンプは、回転ポンプ、往復式ポンプ、ダイヤフラムの変形に伴う開閉よりガスを流すダイヤフラムポンプを含む。
ガス搬送源の電気入力量に関する物理量は、ガス搬送源に給電される電圧、ガス搬送源に給電される電流、ガス搬送源に給電されるデューティ値、ガス搬送源の単位時間あたりの駆動量を例示できる。ガス搬送源の単位時間あたりの駆動量は、基本的には、ガス搬送源に給電されるデューティ値、または、ガス搬送源に給電される電流値に相関する。なお、デューティ値(%)は、オンしている時間をTonとし、オフしている時間をToffとするとき、Ton/(Ton+Toff)×100(%)をいう。
元圧異常判定処理が実行される運転中とは、システムの発電運転の他に、発電運転前の暖機運転、発電運転後の停止運転を含むことができる。発電運転とは燃料電池が発電している運転をいう。暖機運転とは、燃料電池が発電していないものの、燃料ガスを供給して燃焼火炎を形成し、燃料電池などを加熱して暖機させる運転をいう。停止運転とは、燃料電池が発電していないものの、燃料ガスおよび改質水を供給して燃料ガスを水蒸気により改質させて水素ガスを発生させている運転をいう。なお、燃料電池は固体酸化物形燃料電池、固体高分子形燃料電池、リン酸形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池のいずれでも良く、要するに、燃料ガスを用いて発電できるものであれば良い。
(2)様相2に係る燃料電池システムによれば、上記様相において、制御部は、(i)ガス搬送源に入力される電気入力量に関する物理量が正常値に対して上昇する時間が既定時間以上継続する条件と、(ii)ガス搬送源に入力される電気入力量に関する物理量がこれの正常値に対して第1規定値以上に上昇する条件とが満足されるとき、燃料ガスの元圧異常であると判定する元圧異常判定処理を実行する。
元圧側の異常が発生する場合には、ガス源の燃料ガスが元圧弁を介して燃料ガス通路に良好に供給されず、燃料ガス通路を流れる燃料ガスの単位時間あたりの流量が急激に低下する。すると、燃料ガスの所要の流量を増加させるべく、ガス搬送源の単位時間あたり駆動量を増加させるように、制御部は、ガス搬送源に入力される電気入力量に関する物理量を上昇させる制御を実行する。このためガス搬送源に入力される電気入力量に関する物理量がこれの正常値に対して上昇する。
そこで、本様相によれば、運転中において、上記(i)の条件の他に、制御部は、(ii)ガス搬送源に入力される電気入力量に関する物理量が正常値に対して第1規定値以上に上昇する条件が満足されるとき、燃料ガスの元圧異常であると判定する。このように(i)および(ii)の双方の条件が判定されるため、判定精度が向上する。第1規定値はシステムに応じて任意に適宜設定できる。
(3)様相3に係る燃料電池システムによれば、上記様相において、燃料ガス通路には、遮断弁の下流に設けられ燃料ガス通路をこれの下流に向けて流れる燃料ガスの単位時間あたりの流量を直接的または間接的に検知するガス流量計が設けられており、制御部は、燃料電池の目標発電量に対応するように燃料ガスの目標ガス流量を設定し、燃料ガスの目標ガス流量に対応するようにガス搬送源の電気入力量に関する物理量の正常値を設定し、発電運転において、ガス流量計で検知される燃料ガスの検知流量が目標ガス流量となるようにガス搬送源への電気入力量に関する物理量を正常値に対して接近または同一となるようにフィードバック制御させる。本明細書では、特に断らない限り、流量は単位時間あたりの流量を意味する。
本様相によれば、燃料ガスの目標ガス流量に対応するようにガス搬送源の電気入力量に関する物理量の正常値を設定し、発電運転において、ガス流量計で検知される燃料ガスの検知流量が目標ガス流量となるようにガス搬送源への電気入力量に関する物理量を正常値に対して接近または同一となるようにフィードバック制御させる。フィードバック制御とは実測値を目標値に対して接近または同一とさせることを目的とする制御を意味する。フィードバック制御は、比例制御、積分制御、微分制御を含む。要するに、ガス流量計で検知される燃料ガスの検知流量が目標ガス流量となるように、制御部はガス搬送源の単位時間あたりの駆動量を制御する。本明細書では、特に断らない限り、ガス搬送源の駆動量は単位時間あたりの駆動量を意味する。
(4)様相4に係る燃料電池システムによれば、上記様相において、制御部は、燃料ガスの指示流量とガス搬送源の電気入力量に関する物理量の上昇継続時間との関係を示す上昇継続時間判定マップと、燃料ガスの指示流量とガス搬送源の電気入力量に関する物理量の正常値との関係を示す電気入力量判定マップとを備えており、制御部は、元圧異常判定処理において、電気入力量判定マップおよび上昇継続時間に基づいて、燃料ガスの元圧異常であると判定する。これらの判定マップに基づいて、制御部は燃料ガスの元圧異常であると判定する。
(5)様相5に係る燃料電池システムによれば、上記様相において、制御部は、燃料ガスの指示流量とガス搬送源の電気入力量に関する物理量の変化量の閾値との関係を示す変化量判定マップを備えており、制御部は、元圧異常判定処理において、電気入力量判定マップ、変化量判定マップおよび上昇継続時間に基づいて、燃料ガスの元圧異常であると判定する。これらの判定マップに基づいて、制御部は燃料ガスの元圧異常であると判定する。
(6)様相6に係る燃料電池システムによれば、上記様相において、制御部は、燃料電池システムの起動時、待機時、発電運転時のうちの少なくとも一つにおいて、上昇継続時間判定マップ、電気入力量判定マップおよび変化量判定マップを更新させる更新処理を実行する。このように判定マップを更新させるため、システムの経年変化に対処できる。経年変化による異物質の積層や詰まり等の影響により、燃料ガスの通路の流路断面積は変化するおそれがある。
(7)様相7に係る燃料電池システムによれば、上記様相において、ガス搬送源への電気入力量に関する物理量は、ガス搬送源に給電されるデューティ値、ガス搬送源に給電される電流値、または、ガス搬送源の単位時間あたりの駆動量のうちのいずれかである。前記したようにガス搬送源は燃料ガスを下流に向けて搬送させる機能を有しており、ポンプ、コンプレッサ、ファンを例示できる。ポンプはダイヤフラムポンプを含む。ガス搬送源の単位時間あたりの駆動量は、基本的には、ガス搬送源に給電されるデューティ値、または、ガス搬送源に給電される電流値に相関する。デューティ値または電流値が増加すれば、ガス搬送源の駆動量も増加する。デューティ値または電流値が減少すれば、ガス搬送源の駆動量も減少する。
本発明によれば、ガス源に繋がる元圧弁の閉鎖などに代表される元圧異常を早期に検知させ、燃料ガス通路における過剰な負圧化を抑制させるのに有利な燃料電池システムを提供することができる。
実施形態1に係り、燃料電池システムの燃料ガス通路付近の概念を模式的に示す図である。 開放状態の元圧弁を閉鎖させたとき、燃料ガス通路を流れる燃料ガスの流量および圧力と,燃料ポンプのデューティ値と、時間との関係を示すグラフである。 開放状態の元圧弁を閉鎖させたとき、燃料ガス通路を流れる燃料ガスの流量と,燃料ポンプのデューティ値の変化量と、燃料ガス通路の圧力が規定圧力まで低下した時間との関係を示すグラフである。 (a)は判定マップ1であり、(b)は判定マップ2であり、(c)は判定マップ3である。 実施形態4に係り、制御部が実行するフローチャートである。 実施形態5に係り、制御部が実行するフローチャートである。 実施形態6に係り、制御部が実行するフローチャートである。 (a)は判定マップ1Bであり、(b)は判定マップ2Bであり、(c)は判定マップ3Bである。 実施形態9に係り、燃料電池システムの概念を模式的に示す図である。 実施形態9に係り、制御部の関係に示すブロック図である。
(実施形態1)
図1は燃料電池システムの概念を示す。システムは、アノード10およびカソード11を有する燃料電池1と、燃料電池1のカソード11にカソードガス(一般的は空気)を供給するカソードガス通路70と、燃料電池1のアノード10に燃料ガスとしての燃料ガスを供給する燃料ガス通路6と、燃料ガス通路6に設けられたガス搬送源としての燃料ポンプ60、燃料ガス通路6において燃料ポンプ60よりも上流つまり燃料ガス通路6の入口側に設けられた遮断弁69と、燃料ポンプ60および遮断弁69を制御するタイマー計測機能をもつ制御部100と、これらを収容する筐体5とを備えている。
燃料ガス通路6は、改質前の燃料ガス(例えば都市ガス)を改質器2Aに供給させる通路である。図1に示すように、燃料ガス通路6は、入口側から順に、遮断弁69、圧力センサ61、燃料ガスを脱硫させる脱硫器62、流量計64、バッファタンク65、燃料ポンプ60、逆止弁66(開閉弁)、発電モジュール18を直列に配置させている。
配置順はこれに限定されるものではない。燃料ポンプ60が駆動しているときには、逆止弁66に作用する通路部分6mの圧力は逆止弁66のリリーフ圧を超えるため、逆止弁66は開放される。これに対して、燃料ポンプ60が駆動から停止に移行すると、逆止弁66に作用する通路部分6mの圧力は逆止弁66のリリーフ圧よりも低下するため、逆止弁66は内蔵バネにより自動的に閉鎖される。遮断弁69の上流には、ガス源63に繋がるガス配管6xと、ガス源63に繋がる元圧弁6y(手動弁または電磁弁)とが設けられている。配管6xには、遮断弁69の上流において他のガス機器900が並列接続されている。ガス源63および元圧弁6yは筐体5の外部に配置されている。なお、バッファタンク65は燃料ポンプ60の脈動圧が流量計64へ影響することを抑えるものであり、燃料ポンプ60の脈動圧が制限されれば、バッファタンク65は廃止されていても良い。
図1に示すように、発電モジュール18は、燃料ガス通路6に繋がる改質器2Aと、改質器2Aの下流に設けられた燃料電池1と、これらを包囲する断熱壁19とを有する。改質器2Aは給水路8にも繋がる。改質器2Aは、改質水搬送源としての改質水ポンプ80で搬送された液相状の改質水を加熱させて水蒸気とさせる蒸発部2と、蒸発部2で生成された水蒸気で燃料ガスを改質反応させ、水素含有のアノードガスとして改質させる改質部3とを有する。逆止弁66は、燃料ポンプ60から発電モジュール18の改質器2Aに燃料ガスを矢印A1方向に流入させるものの、その反対方向(矢印A2方向)のガス流れを阻止する。カソードガス通路70には、カソードガスを燃料電池1のカソード11に向けて搬送させる第2ガス搬送源としての第2ガスポンプ71が設けられている。圧力センサ61が検知した検知信号、流量計64が検知した検知信号は、制御部100に入力される。制御部100は遮断弁69、燃料ポンプ60、第2ガスポンプ71および改質水ポンプ80等の機器を制御させる。
ところで、燃料電池1の発電運転においては、元圧弁6yが開放されており、更に、遮断弁69が開放状態で且つ燃料ポンプ60が駆動してガス源63の燃料ガス(品名:13A,原料ガス)を燃料ポンプ60よりも下流の発電モジュール18の改質器2Aに向けて矢印A1方向に搬送させる。改質器2Aに供給された燃料ガスは、改質反応により改質され、水素を含有するアノードガスとされる。アノードガスは燃料電池1のアノード10に供給される。発電運転において第2ガスポンプ71が駆動してカソードガス(空気)を発電モジュール18の燃料電池1のカソード11に向けて搬送させる。これにより燃料電池1は発電運転して電力を生成させる。
上記したように遮断弁69が開放された状態で且つ燃料ポンプ60が駆動して燃料ガスを燃料ポンプ60よりも下流の発電モジュール18に向けて供給させて発電運転させる。燃料ポンプ60が駆動するときには、通路部分6mの圧力がリリーフ圧に勝つため、逆止弁66が自動的に開放される。
さて本実施形態によれば、発電運転において、電力負荷に応じて燃料電池1の目標発電量が設定される。制御部100は、燃料電池1の目標発電量に対応するように、燃料ポンプ60のデューティ値(燃料ポンプ60の電気入力量に関する物理量)の正常値を設定する。そして制御部100は、発電運転において、燃料ポンプ60への電気入力量に関する物理量を正常値に対して接近または同一となるようにフィードバック制御させる。このため、燃料電池1の発電量は基本的には目標発電量にほぼ対応するように制御される。
ところで、前述したように燃料電池システムの運転中には、様々な事情により、燃料ガスの元圧側の異常が発生するおそれがある。このようにおそれとしては、例えば、ガス源63の故障、ガス源63側の配管損傷、ガス源63に繋がる元圧弁6yをユーザなどが過誤で閉鎖すること等を例示できる。このような元圧側の異常を早期に検知することが好ましい。このように元圧側の異常が発生する場合には、ガス源63の燃料ガスが元圧弁6yを介して燃料ガス通路6に良好に供給されず、燃料ガス通路6を燃料電池1側に向けて矢印A1方向に流れる燃料ガスの単位時間あたりの流量が急激に低下する。低下は、流量計64により検知される。流量計64の検知信号は制御部100に入力される。すると、制御部100は、燃料ガスの所要の流量を増加させるべく、燃料ポンプ60の単位時間あたり駆動量を増加させるフィードバック制御させる。この場合、制御部100は、燃料ポンプ60の駆動回路に入力されるデューティ値(燃料ポンプ60に入力される電気入力量に関する物理量に相当)を上昇させる制御を実行する。このため燃料ポンプ60に入力されるデューティ値がこれの正常値に対して上昇する。ここで、正常値とは、元圧弁6yが閉鎖されておらず、元圧が正常であるときにおいて、燃料ガスの目標流量を供給させるように燃料ポンプ60が駆動するときにおけるデューティ値を意味する。
そこで、燃料電池1がほぼ一定の発電量で発電しているとき、次の(i)および(ii)の条件が満足されるとき、制御部100は燃料ガスの元圧異常であると判定する。
(i)燃料ポンプ60に入力されるデューティ値(電気入力量に関する物理量)がこれの正常値に対して上昇する時間が既定時間以上継続する条件
(ii)燃料ポンプ60に入力されるデューティ値がこれの正常値に対して第1規定値以上に上昇する条件
(i)および(ii)の条件の判定順序は特に問わない。(i)および(ii)の双方の条件が判定されるため、判定精度が向上する。なお、2つの条件が満足されないときには、燃料ガスの元圧異常であると判定しないことができる。第1規定値はシステムに応じて任意に設定される。
(実施形態2)
本実施形態は前記した実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有しており、図1を準用できる。本実施形態によれば、制御部100は、燃料ポンプ60に入力されるデューティ値がこれの正常値に対して第1規定値以上に上昇するという(ii)の条件が満足されるとき、元圧異常の可能性があると仮判定する。次に、元圧異常の可能性があると仮判定した後に、制御部は、(i)燃料ポンプ60に入力されるデューティ値(電気入力量に関する物理量)がこれの正常値に対して上昇する時間が既定時間以上継続する条件が満足されるか否かを本判定する。仮判定後に本判定するため、判定精度を高め得る。(i)および(ii)の条件が満足されるとき、燃料ガスの元圧異常であると判定する。なお、2つの条件が満足されないとき、制御部100は、燃料ガスの元圧異常ではないと判定することができる。
(実施形態3)
本実施形態は前記した実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有しており、図1を準用できる。前記したように、元圧側の異常が発生する場合には、制御部100は、燃料ガスの所要の流量を増加させるべく、燃料ポンプ60の単位時間あたり駆動量を増加させるフィードバック制御させる。フィードバック制御は比例制御、積分制御および微分制御を含むことができる。このため元圧側の異常が発生する場合には、燃料ポンプ60に入力されるデューティ値がこれの正常値に対して上昇する。そこで本実施形態によれば、制御部100は、(i)の条件が満足されるとき、燃料ガスの元圧異常であると判定する。なお、(i)の条件が満足されないとき、制御部100は、燃料ガスの元圧異常ではないと判定することができる。
(i)燃料ポンプ60に入力されるデューティ値(電気入力量に関する物理量)がこれの正常値に対して上昇する時間が既定時間以上継続する条件
(実施形態4)
本実施形態は前記した実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有しており、図1を準用できる。本発明者等は、図1に示すシステムを用いて発電運転しているときにおいて、元圧弁6yが開放されている状態から、元圧弁6yが閉鎖される試験例を実施した。図2は、試験例における実際の挙動を表す。図2の横軸は時間(相対値)を示す。図2において、左の縦軸は燃料ガスの単位時間あたりの流量および圧力(相対値)を示す。図2において、特性線B1は燃料ガス通路6を流れる燃料ガスの流量の目標値を示す。特性線B2は燃料ガス通路6のバッファタンク65前の圧力を示す。
特性線B3は燃料ポンプ60に給電されるデューティ値を示す。元圧弁6yは時刻tc前において正常に開放されている。このとき、元圧弁6yは開放されているため、燃料ガス通路6は圧力P1に維持されている。元圧弁6yは時刻tcおいて閉鎖されている。
図2において特性線B2に示すように、元圧弁6yが閉鎖された時刻tcから、燃料ガス通路6の圧力はP1から低下し、最終的には規定圧力Prよりも低下する。燃料ガスが供給されないためである。そこで、特性線B3に示すように、燃料ポンプ60に入力されるデューティ値は時刻tcから急激に上昇する。制御部100はフィードバック制御により目標ガス量を得るように燃料ポンプ60を制御させるためである。なお、時刻tfにおいて燃料ポンプ60の駆動は停止されている。ここで、図2において、燃料ガス通路6の圧力がP1(正常状態の圧力)から規定圧力Prにかけて低下するときにおいて、経過する時間をTrとし、デューティ値が上昇する変化量をDrとして示す。
本発明者等は、この試験例を燃料ガスの流量をそれぞれ変化させて実行した。図3は、燃料ガスの流量を変化させたときにおける試験結果を示す。即ち、図3は、開放されている元圧弁6yが閉鎖された場合について燃料ガスの流量を変化させたときにおける結果を示す。図3の横軸は、燃料ガス通路6を流れている燃料ガスの単位時間あたりの指示流量(NL/min,相対値)を示す。Qrはシステムの定格出力のときにおける燃料ガスの指示流量を示す。Qwは、システムが発電運転することなく停止運転しているとき、燃料ガス通路6に供給する燃料ガスの指示流量を示す。なお、停止運転時においても、還元性をもつ水素ガスを水蒸気改質により生成させて発電モジュール18の構成部品の高温酸化を抑えるべく、燃料ガス通路6に燃料ガスが少量供給される。
図3の右の縦軸および特性線CTは、燃料ガス通路6の圧力がP1(元圧異常が発生する前の燃料ガス通路6の圧力)から規定圧力Prまで低下する時間Tr(sec,相対値)を示す。図3の左の縦軸および特性線CDは、燃料ガス通路6の圧力がP1(元圧異常が発生する前の圧力)のときにおけるデューティ値(正常値に相当)から、規定圧力Prに低下したときにおけるデューティ値が上昇する変化量Dr(%)を示す。このように燃料ガス通路6の圧力が低下すると、制御部100はデューティ値が上昇する。
デューティ値の変化量(%)は、デューティ値の正常値(%)に対する変化量を意味する。例えば、元圧弁6yが開放されており、システムが正常に発電運転しているときデューティ値の正常値が25%のとき、元圧異常(元圧弁6yの閉鎖)に起因して、時間Tr後にデューティ値が30%に上昇すれば、デューティ値の変化量は5%となる。
図3において特性線CTに示すように、燃料ガスの単位時間あたりの指示流量が増加すると、燃料ガス通路6の圧力がP1から規定圧力Prまで低下する時間(sec)は、基本的には短縮される。特性線CDに示すように、燃料ガスの単位時間あたりの指示流量が増加すると、デューティ値の変化量は基本的には増加する。なお、燃料電池1の発電量が変動するときには、燃料ガスの単位時間あたりの指示流量が変動するため、その指示流量に対応するように、圧力Prまでの時間、デューティ値変化量が変動する。
図4(a)〜図4(c)は、図3に示す特性に基づいて、本発明者等が設定した判定マップを示す。図4(a)に係る判定マップ1は、燃料ガス(13A)の指示流量と、燃料ポンプ60のデューティ値(燃料ポンプ60の電気入力量に関する物理量に相当)の正常値との関係を示す電気入力量判定マップを表す。判定マップ1によれば、基本的には、燃料ガスの指示流量が増加すると、燃料ポンプ60の単位時間あたりの駆動量を増加する必要があるため、燃料ポンプ60のデューティ値の正常値が増加する。正常値は元圧異常がない状態を前提としている。
図4(b)に係る判定マップ2は、燃料ガスの指示流量と、燃料ポンプ60のデューティ値の変化量(元圧異常のとき、正常値に対してガス量が増加する側に許容される変化量)の閾値(第1規定値に相当する)との関係を示す変化量判定マップを表す。判定マップ2によれば、基本的には、燃料ガスの指示流量が増加すると、燃料ポンプ60のデューティ値の正常値に対して許容される変化量の閾値(第1規定値に相当する)が増加する。図4(c)に係る判定マップ3は、燃料ガスの指示流量と、燃料ポンプ60のデューティ値の上昇継続時間(sec)の閾値との関係を示す上昇継続時間判定マップを表す。判定マップ3によれば、基本的には、燃料ガスの指示流量が増加すると、燃料ポンプ60のデューティ値が上昇する上昇継続時間の閾値は低下する。
本実施形態によれば、システムが発電運転しているとき、制御部100は、複数の判定マップ1〜3に基づいて燃料ガスの元圧異常の有無を判定する。このように複数の判定マップ1〜3を用いれば、システムが経年変化しているときでも判定精度が維持される。経年変化としては、燃料ガス通路6の配管等における流路断面積の変動などが例示される。
以下、本実施形態に係る制御則について図5を参照しつつ、更に説明を加える。図5に示すように、元圧異常判定処理を開始する条件(例えば、前回の元圧異常判定処理から一定時間経過していること)が満たされないとき(ステップS102のNO)には、制御部100は元圧異常判定処理を開始しない。元圧異常判定処理を開始する条件が満たされたとき(ステップS102のYES)には、制御部100は、燃料ガス通路6を流れている燃料ガスの現在の指示流量を確定する(ステップS104)。この場合、制御部100が燃料ポンプ60に指示している流量でもよいし、流量計64で検知される検知流量としても良い。フィードバック制御しているため、指示流量は検知流量に実施的に相当するためである。
次に、制御部100は、燃料ガスの指示流量に基づいて判定マップ1からデューティ値の正常値(%)を読み込む(ステップS106)。更に制御部100は、燃料ガスの指示流量に基づいて判定マップ2からデューティ値の変化量の閾値(%)を読み込む(ステップS108)。更に、制御部100は、燃料ガスの指示流量に基づいて判定マップ3から、デューティ値の上昇継続時間(sec)の閾値を読み込む(ステップS110)。
次に、制御部100は、判定マップ1から求めたデューティ値の正常値(%)と、判定マップ2から求めたデューティ値の変化量の閾値(%)とを加算させ、判定値Dxを得る(ステップS112)。判定値Dxは、燃料ポンプ60に入力されるデューティ値が正常値に対して第1規定値以上に上昇する条件が考慮されているパラメータである。
更に、制御部100は、燃料ポンプ60に入力されている実際のデューティ値と判定値Dxとを比較する(ステップS114)。そして、実際のデューティ値が判定値Dx以下であれば(ステップS114のYES)、デューティ値の上昇変化量が少なく、制御部100は元圧正常と判定し、正常フラグをたて(ステップS116)、メインルーチンにリターンする。実際のデューティ値が判定値Dxよりも大きいとき(ステップS114のNO)、デューティ値の上昇変化量が大きく、元圧異常の可能性が高いと1次的に判定し、ステップS118に進む。そして制御部100は、デューティ値の実際の上昇継続時間(sec)が、判定マップ3に係るデューティ値の上昇継続時間(sec)の閾値を超えていれば(ステップS118のNO)、元圧の異常可能性が高いと判定し、元圧異常フラグをたてる(ステップS120)。更に制御部100は警報器に警報を出力する(ステップS122)。この場合、システムを停止させることが好ましい。デューティ値の実際の上昇継続時間(sec)がデューティ値の上昇継続時間(sec)の閾値以下であれば(ステップS118のYES)、元圧異常ではないと判定し、メインルーチンにリターンする。
なお、元圧異常判定処理は燃料電池1の発電量が一定域のときに実行することが好ましい。但し、電力負荷の要請に応じて燃料電池1の発電量が変動するときには、燃料ガスの単位時間あたりの指示流量が変動するため、その指示流量に対応するように、デューティ値の正常値(図4(a)の判定マップ1を参照)、閾値(図4(b)の判定マップ2を参照)、上昇継続時間(図4(c)の判定マップ3を参照)を変更させるので、判定には支障がない。
なお本実施形態によれば、燃料ポンプ60のデューティ値の上昇継続時間に基づいて元圧異常を検知できるため、燃料ガス通路6の圧力を検知する圧力センサまたは圧力スイッチが燃料ガス通路6に設けられていない。但し、必要に応じて圧力センサまたは圧力スイッチを燃料ガス通路6が設けられていても良い。他の実施形態についても同様である。
(実施形態5)
図6は実施形態5を示す。本実施形態は前記した実施形態1〜4と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有しており、図1〜図4を準用できる。以下、本実施形態に係る制御則について図6を参照しつつ説明する。本実施形態では判定マップ1は用いない。図6に示すように、元圧異常判定処理を開始する条件(例えば、前回の元圧異常判定処理から一定時間経過していること)が満たされないとき(ステップS102BのNO)には、制御部100は元圧異常判定処理を開始しない。元圧異常判定処理を開始する条件が満たされたとき(ステップS102BのYES)には、制御部100は、燃料ガス通路6を流れている燃料ガスの現在の指示流量を確定する(ステップS104B)。更に制御部100は、燃料ガスの指示流量に基づいて、判定マップ2からデューティ値の変化量の閾値(%)を読み込む(ステップS108B)。更に、制御部100は、燃料ガスの指示流量に基づいて判定マップ3から、デューティ値の上昇継続時間(sec)の閾値を読み込む(ステップS110B)。次に、制御部100は、判定マップ2から求めたデューティ値の変化量の閾値(%,第1規定値に相当)を判定値Dxとする(ステップS112B)。
更に、制御部100は、基準値DSと判定値Dxとを比較する(ステップS114B)。判定値Dxが基準値DS以下であれば(ステップS114のYES)、デューティ値の上昇変化量が少な目であり、元圧正常と判定し、正常フラグをたて(ステップS116B)、メインルーチンにリターンする。ここで、基準値DSは、システムに応じて燃料ガスのガス流量に基づいて予め任意に定められており、デューティ値の上昇変化量を許容する閾値である。ステップS114Bにおいて判定した結果、判定値Dxが基準値DSよりも大きければ(ステップS114BのNO)と、元圧異常の可能性が高いと判定し、ステップS118Bに進む。ステップS118Bにおいて、デューティ値の実際の上昇継続時間(sec)が、判定マップ3に係るデューティ値の上昇継続時間(sec)の閾値よりも大きいときには(ステップS118BのNO)、元圧異常と判定し、元圧異常フラグをたてる(ステップS120B)。制御部100は警報器に警報を出力する(ステップS122B)。この場合、システムを停止させることが好ましい。デューティ値の実際の上昇継続時間(sec)がデューティ値の上昇継続時間(sec)の閾値以下であれば(ステップS118BのYES)、元圧異常ではないと判定し、メインルーチンにリターンする。
(実施形態6)
図7は実施形態6を示す。本実施形態は前記した実施形態1〜5と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有しており、図1〜図4を準用できる。以下、本実施形態に係る制御則について図7を参照しつつ説明する。本実施形態では判定マップ1,2は用いない。
図7に示すように、元圧異常判定処理を開始する条件(例えば、前回の元圧異常判定処理から一定時間経過していること)が満たされないとき(ステップS202のNO)には、元圧異常判定処理は開始されない。元圧異常判定処理を開始する条件が満たされたとき(ステップS202のYES)には、制御部100は、燃料ガス通路6を流れている燃料ガスの現在の指示流量を確定する(ステップS204)。更に制御部100は、燃料ガスの指示流量に基づいて判定マップ3から、デューティ値の上昇継続時間(sec)の閾値を読み込む(ステップS206)。次に、制御部100は、デューティ値の実際の上昇継続時間(sec)が、判定マップ3に係るデューティ値の上昇継続時間(sec)の閾値よりも大きければ(ステップS208のNO)、元圧異常の可能性が高いと判定し、元圧異常フラグをたてる(ステップS212)。制御部100は警報器に警報を出力する(ステップS214)。この場合、システムを停止させることが好ましい。デューティ値の実際の上昇継続時間(sec)がデューティ値の上昇継続時間(sec)の閾値以下であれば(ステップS208のYES)、元圧異常ではないと判定し、正常フラグをたて(ステップS210)、メインルーチンにリターンする。
(実施形態7)
図8は実施形態7を示す。本実施形態は前記した実施形態1〜6と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。燃料ポンプ60に給電されるデューティ値(%)は、燃料ポンプ60の単位時間当たりの駆動量に対応する。ここで、燃料ポンプ60に給電されるデューティ値が大きければ、燃料ポンプ60の駆動量は増加する。これに対して、燃料ポンプ60に給電されるデューティ値が小さければ、燃料ポンプ60の駆動量は減少する。従って、図4(a)〜図4(c)の縦軸を示すデューティ値は、燃料ポンプ60の単位時間当たりの駆動量と置換することができる。図8(a)〜図8(c)に係る判定マップは、かかる観点に基づいて作製されたものである。
すなわち、図8(a)〜図8(c)は、発電運転中において元圧弁6yが閉鎖された場合における実際の挙動に基づいて、本発明者等が作製した判定マップを示す。図8(a)に係る判定マップ1Bは、燃料ガスの指示流量と、燃料ポンプ60の単位時間当たりの駆動量の正常値との関係を示す。図8(a)に係る判定マップ1Bによれば、基本的には、燃料ガスの指示流量が増加すると、燃料ポンプ60のデューティ値が増加するため、燃料ポンプ60の単位時間あたりの駆動量の正常値が増加する。
図8(b)に係る判定マップ2Bは、燃料ガスの指示流量と、燃料ポンプ60の単位時間あたり駆動量の許容される上昇変化量の閾値との関係を示す。判定マップ2Bによれば、基本的には、燃料ガスの指示流量が増加すると、燃料ポンプ60のデューティ値が増加するため、燃料ポンプ60の単位時間あたりの駆動量の変化量の閾値が増加する。
図8(c)に係る判定マップ3Bは、燃料ガスの指示流量と、燃料ポンプ60の単位時間あたり駆動量の上昇継続時間(sec)の閾値との関係を示す。判定マップ3Bによれば、基本的には、燃料ガスの指示流量が増加すると、燃料ポンプ60のデューティ値が上昇するため、燃料ポンプ60の単位時間あたりの駆動量の上昇継続時間(sec)の閾値は、低下する。
本実施形態によれば、システムが発電運転しているとき、制御部100は、判定マップ1B,判定マップ2B,判定マップ3Bに基づいて、燃料ガスの元圧異常であると判定することができる。このように複数の判定マップを用いれば、システムが経年変化しているときでも、判定精度を維持できる。
なお、図5〜図7のフローチャートに示す制御則に基づいて制御部100は判定処理を実行することができる。この場合、判定マップ1は判定マップ1Bに相当する。判定マップ2は判定マップ2Bに相当する。判定マップ3は判定マップ3Bに相当する。図5のフローチャートに示す制御則に基づいて制御部100は判定マップ1B,2B,3Bを用いる。図6のフローチャートに示す制御則に基づいて、制御部100は判定マップ2B,3Bを用いる。図7のフローチャートに示す制御則に基づいて、制御部100は判定マップ3Bを用いる。
(実施形態8A)
以下、本発明の実施形態8Aについて説明する。本実施形態は前記した実施形態1〜7と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。制御部100は、燃料電池システムの起動前(暖機運転していないとき)において、判定マップ1(または判定マップ1〜判定マップ3)を更新させる更新処理を実行する。この場合、システムの起動前であるため、遮断弁69は閉鎖されており、燃料ポンプ60は停止されており、燃料ガスは燃料ガス通路6に供給されていない。制御部100は更新処理を実行する。
更新処理では、制御部100は遮断弁69を開放させると共に、燃料ポンプ60をオンさせる。そして、燃料ポンプ60のデューティ値を変化させることにより燃料ポンプ60の単位時間あたり駆動量を変化させ、これにより燃料ガス通路6を流れる燃料ガスの単位時間あたりの流量を複数点として変化させる。燃料ガスの流量は流量計64で検知される。制御部100は、燃料ガス通路6を流れる燃料ガスの単位時間あたりの流量と燃料ポンプ60のデューティ値の正常値との相関データを採取する。制御部100は、相関データを採取したら、閾値を考慮しつつ、図4(a)の判定マップ1を更新させる。また、制御部100は、圧力センサを設けたシステム構成においては、燃料ガスを規定流量流した状態から遮断弁69を閉じてデューティ上昇量および上昇継続時間を検出し、図4(b)の判定マップ2、図4(c)の判定マップ3を更新させても良い。更新処理の時間がなければ、燃料ガスの単位時間あたりの流量を2点または3点変化させ、近似式を採取することにしても良い。なお、図8(a)の判定マップ1B、図8(b)の判定マップ2B、図8(c)の判定マップ3Bを更新させることにしても良い。前記した実施形態1〜7において制御部100は更新処理を実行しても良い。
(実施形態8B)
以下、本発明の実施形態8Bについて説明する。本実施形態は前記した実施形態8Aと基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。制御部100は、燃料電池システムの発電運転を停止している待機時において、判定マップ1(または判定マップ1〜判定マップ3)を更新させる更新処理を実行する。上記した待機時は、システムの発電運転を停止させ、且つ、燃料ガスおよびカソードガスが燃料電池に供給されていない状態をいう。システムの待機時であるため、遮断弁69は閉鎖されており、燃料ポンプ60は停止されており、燃料ガスは燃料ガス通路6に供給されていない。制御部100は更新処理を実行する。更新処理では、制御部100は遮断弁69を開放させると共に、燃料ポンプ60をオンさせる。そして、燃料ポンプ60のデューティ値を変化させることにより燃料ポンプ60の単位時間あたり駆動量を変化させ、これにより燃料ガス通路6を流れる燃料ガスの単位時間あたりの流量を変化させる。更新処理の時間がなければ、燃料ガスの単位時間あたりの流量を2点または3点変化させ、近似式を採取することにしても良い。また、制御部100は、遮断弁69を閉じてデューティ上昇量および上昇継続時間を検出し、判定マップ2および判定マップ3を更新させても良い。なお、図8(a)の判定マップ1B、図8(b)の判定マップ2B、図8(c)の判定マップ3Bを更新させることにしても良い。前記した実施形態1〜7において制御部100は更新処理を実行しても良い。
(実施形態8C)
以下、本発明の実施形態8Cについて説明する。本実施形態は前記した実施形態8A,8Bと基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。制御部100は、燃料電池システムの発電運転において、電力負荷が最大のとき、判定マップ1(または判定マップ1〜判定マップ3)を更新させる更新処理を実行する。この場合、制御部100は、燃料電池システムの発電運転において、電力負荷が最大のとき、燃料ポンプ60のデューティ値を次第に減少させることにより燃料ポンプ60の単位時間あたりの駆動量を減少させ、これにより燃料ガス通路6を流れる燃料ガスの単位時間あたりの流量を次第に減少させて更新処理を行う。この場合、燃料電池1の発電量が次第に低下するため、燃料電池1から電力負荷に給電される給電量が低下する。しかし燃料電池システムの系統連系している商用電源から電力負荷への給電が実行されるため、電力負荷には支障がない。
更新処理では、制御部100は、燃料ガス通路6を流れる燃料ガスの単位時間あたりの流量と燃料ポンプ60のデューティ値の正常値との相関データを採取する。制御部100は、相関データを採取したら、閾値を考慮しつつ、図4(a)の判定マップ1を更新させる。また、制御部100は、圧力センサを設けたシステム構成においては、燃料ガスを規定流量流した状態から遮断弁69を閉じてデューティ上昇量および上昇継続時間を検出し、図4(b)の判定マップ2、図4(c)の判定マップ3を更新させても良い。更新処理の時間がなければ、燃料ガスの単位時間あたりの流量を2点または3点変化させ、近似式を採取することにしても良い。なお、図8(a)の判定マップ1B、図8(b)の判定マップ2B、図8(c)の判定マップ3Bを更新させることにしても良い。前記した実施形態1〜7において制御部100は更新処理を実行しても良い。
(実施形態8D)
以下、本発明の実施形態8Dについて説明する。本実施形態は前記した実施形態8A,8B,8Cと基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。制御部100は、燃料電池システムの発電運転において定期的(例えば、1週間毎、1ヶ月毎)に、判定マップ1(または判定マップ1〜判定マップ3)を更新させる更新処理を実行する。この場合、制御部100は、燃料電池システムの発電運転において定期的に、燃料ポンプ60のデューティ値を次第に減少させることにより燃料ポンプ60の単位時間あたりの駆動量を減少させ、これにより燃料ガス通路6を流れる燃料ガスの単位時間あたりの流量を次第に減少させる。あるいは、燃料ポンプ60のデューティ値を次第に増加させることにより燃料ポンプ60の単位時間あたりの駆動量を増加させ、これにより燃料ガス通路6を流れる燃料ガスの単位時間あたりの流量を次第に増加させる。これにより実施形態8A〜8Cと同様に、遮断弁69を開(または閉)状態とし、燃料ガス通路6を流れる燃料ガスの単位時間あたりの指示流量と燃料ポンプ60のデューティ値等との各種の相関データを採取して更新させる。更新処理の時間がなければ、燃料ガスの単位時間あたりの流量を2点または3点変化させ、近似式を採取することにしても良い。なお、図8(a)の判定マップ1B、図8(b)の判定マップ2B、図8(c)の判定マップ3Bを更新させることにしても良い。前記した実施形態1〜7において制御部100は更新処理を実行しても良い。
(実施形態9)
図9および図10は実施形態9の概念を示す。本実施形態は上記実施形態1〜7,8A〜8Dと基本的には同様の作用および効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。図9に示すように、燃料電池システムは、燃料電池1と、液相状の水を蒸発させて水蒸気を生成させる蒸発部2と、蒸発部2で生成された水蒸気を用いて燃料ガスを改質させてアノードガスを形成する改質部3と、蒸発部2に供給される液相状の水を溜める水タンク4と、これらを収容する筐体5とを有する。燃料電池1は、イオン伝導体を挟むアノード10とカソード11とをもち、例えば、SOFCとも呼ばれる固体酸化物形燃料電池(運転温度:例えば400℃以上)に適用できる。
改質部3は、セラミックス担体に改質触媒を担持させて形成されており、蒸発部2に隣設されている。改質部3および蒸発部2は改質器2Aを構成しており、燃料電池1と共に断熱壁19で包囲され、発電モジュール18を形成している。発電電運転時には、改質器2Aは改質反応に適するように断熱壁19内において加熱される。発電運転時には、蒸発部2は水を加熱させて水蒸気とさせ得るように加熱される。燃焼部105は改質部3および蒸発部2を加熱させる。燃料ガス通路6は、ガス源63からの燃料を元圧弁6yを介して改質器2Aに供給させるものであり、遮断弁69、脱硫器62、燃料ポンプ60および流量計64をもつ。配置順は特に限定されない。燃料電池1のカソード11には、カソードガス(空気)をカソード11に供給させるためのカソードガス通路70が繋がれている。カソードガス通路70には、カソードガス搬送用のガス搬送源として機能するカソードポンプ71、流量計72が設けられている。
図9に示すように、筐体5は、外気に連通する吸気口50と排気口51と吸気口50付近(外気)の温度を検知する温度センサ57とをもつ。温度センサ57は必要に応じて設ければ良い。筐体5には、改質部3で改質される液相状の改質水を溜める水タンク4が収容されている。水タンク4には、排水弁40mが設けられており、更に、電気ヒータ等の加熱機能をもつ加熱部40が必要に応じて設けられている。加熱部40は、水タンク4に貯留されている改質水を加熱させるものであり、電気ヒータ等で形成できる。外気温度等の環境温度が低いとき等には、制御部100からの指令に基づいて、水タンク4の水は加熱部40により加熱され、凍結が抑制される。なお、水タンク4内の水位は基本的にはほぼ同一となるようにされていることが好ましい。
図9に示すように、水タンク4の出口ポート4pと蒸発部2の入口ポートとを連通させる給水路8が、配管として筐体5内に設けられている。図9に示すように、筐体5内において、水タンク4は蒸発部2の下側に配置されているため、給水路8は上下方向に沿って延びる。給水路8は、水タンク4内に溜められている水を水タンク4の出口ポート4pから蒸発部2に供給させる通路である。給水路8には、水タンク4内の水を蒸発部2まで搬送させる改質水ポンプ80が設けられている。なお、給水路8は蒸発部2,改質部3、燃料電池1等を介して大気に連通するようにされている。改質水ポンプ80を水タンク4の出口ポート4p側に設けても良い。
給水路8において、改質水ポンプ80の下流で且つ蒸発部2の上流において水センサ87が設けられている。水センサ87は、給水路8において蒸発部2の入口ポートの直前に配置されていることが好ましい。なお、給水路8には、改質水の流量を測定する流量計は設けられていない。場合によっては、演算結果のチェック等のため、給水路8に流量計を設けることにしても良い。
図10に示すように、改質水ポンプ80を駆動回路を介して制御するための制御部100が設けられている。制御部100は、入力処理回路100a、出力処理回路100b、タイマー計測機能をもつCPU100c、記憶部として機能するメモリ100mとを有する。制御部100には、水センサ87,温度センサ57の検知信号がそれぞれ入力される(図10参照)。制御部100は改質水ポンプ80を制御する。更に、制御部100はカソードポンプ71,燃料ポンプ60、遮断弁69、警報器102を制御することができる。
(システムの運転)
システムの発電運転を実施するとき、制御部100は、発電運転に先だって暖機運転を実行する。暖機運転では、制御部100は、遮断弁69を開放させた状態で、燃料ポンプ60を駆動させて燃料ガスを燃料ガス通路6に介して発電モジュール18の燃料電池1を介して燃焼部105に供給させる。制御部100はカソードポンプ71も駆動させてカソードガス通路70を介して空気を発電モジュール18のカソード11を介して燃焼部105に供給させる。図略の着火部が着火するため、燃焼部105において燃料ガス(例えば都市ガス)が空気により燃焼する。燃焼が継続するため、燃焼部105における燃焼熱により、改質部3、蒸発部2および燃料電池1が加熱されて暖機される。蒸発部2が所定温度まで加熱されると、改質水ポンプ80を駆動させて水タンク4の改質水を蒸発部2に供給する。改質水供給により改質部3で改質反応が開始され、生成された改質ガスをカソードガスにより燃焼され、燃焼熱により改質部3、蒸発部2および燃料電池1を継続して加熱し暖気する。改質部3、蒸発部2および燃料電池1が所定の温度域に加熱されると、制御部100は暖機運転を終了させ、発電運転に移行させる。
制御部100は、改質水ポンプ80を駆動させると、水タンク4内の液相状の改質水は、水タンク4の出口ポート4pから給水路8を搬送され入口ポートから蒸発部2に供給される。改質水は、蒸発部2で加熱されて水蒸気とされる。水蒸気は、燃料ガス通路6から供給される燃料と共に改質部3に移動する。改質部3において燃料ガスは、水蒸気で改質されてアノードガス(水素含有ガス)となる。アノードガスはアノードガス通路73を介して燃料電池1のアノード10に供給される。更にカソードポンプ71が駆動してカソードガス(酸素含有ガス、筐体5内の空気)がカソードガス通路70を介して燃料電池1のカソード11に供給される。これにより燃料電池1が発電する。カソード11から吐出されたカソードオフガスは、発電反応に消費されなった酸素を含む。アノード10から吐出されたアノードオフガスは、発電反応に消費されなった水素を含む。従って、発電運転においても燃焼部105においてアノードオフガスがカソードオフガスにより燃焼され、改質部3および蒸発部2が改質反応に適するように加熱される。
暖機運転および発電運転において、発電モジュール18で発生した高温の排ガスは、排ガス通路75を介して筐体5の外方に排気される。排ガス通路75には、凝縮機能をもつ熱交換器76が設けられている。貯湯槽77に繋がる貯湯通路78および貯湯ポンプ79が設けられている。貯湯通路78は往路78aおよび復路78cをもつ。貯湯槽77の低温の水は、貯湯ポンプ79の駆動により、貯湯槽77の出口ポート77pから吐出されて往路78aを通過し、熱交換器76に至り、熱交換器76で排ガスにより加熱される。熱交換器76で加熱された水は、復路78cを介して帰還ポート77iから貯湯槽77に帰還する。このようにして貯湯槽77の水は温水となる。前記した排ガスに含まれていた水蒸気は、熱交換器76で凝縮されて凝縮水となる。凝縮水は、熱交換器76から延設された凝縮水通路42を介して重力等により浄水部43に流下される。従って、浄水部43および水タンク4は発電モジュール18の下側に位置する。
浄水部43はイオン交換樹脂等の水浄化剤43aを有するため、凝縮水の不純物は除去される。不純物が除去された水は水タンク4に移動し、水タンク4に改質水として溜められる。改質水ポンプ80が正運転で駆動すると、水タンク4内の改質水は給水路8を介して高温の蒸発部2に供給され、蒸発部2で水蒸気とされて改質部3に供給され、改質部3において燃料ガスを改質させる改質反応として消費される。水蒸気改質の一般式は(1)と考えられている。
(1)…C+nHO→nCO+[(m/2)+n]H
n,mは特定の整数を示す。n=1,m=4の場合には、メタン(CH)が水蒸気改質される。
本実施形態においても、実施形態1〜実施形態4,実施形態8A〜8Dの構成を適用できる。すなわち、(i)燃料ポンプ60に入力されるデューティ値(電気入力量に関する物理量に相当)が正常値に対して上昇する時間が既定時間以上継続する条件と、(ii)燃料ポンプ60に入力されるデューティ値が正常値に対して第1規定値以上に上昇する条件とが存在する。制御部100は(i)および(ii)の条件が満足されるとき、燃料ガスの元圧異常であると判定する。制御部100は(i)の条件が満足されるとき、燃料ガスの元圧異常であると判定することにしても良い。判定マップも適宜更新できる。なお第1規定値はシステムまたは発電条件に応じて適宜変更できる。
(その他)
本発明は上記し且つ図面に示した各実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実行できる。燃料ガス通路6において流量計64、バッファタンク65が搭載されていないシステムでも良い。
加熱部40は水タンク4に設けられているが、廃止されていても良い。第1ガス搬送源は燃料ポンプ60に限らず、ファン、コンプレッサでも良く、回転式、往復移動式、開閉式を問わず、要するに燃料ガス等の燃料ガスを下流に搬送できれば良い。カソードガス用の第2ガス搬送源は第2ガスポンプ71に限らず、ファン、コンプレッサでも良く、要するにカソードガスを下流に搬送できれば良い。遮断弁69は2連弁でも1連弁でも良い。上記した実施形態は定置形の燃料電池システムに適用しているが、これに限らず、脱硫器を有しない燃料電池システムに適用しても良いし、水素ガスであるアノードガスを充填した燃料タンクをガス源として有する車両搭載型の燃料電池システムに適用しても良い。
上記した記載から次の技術的思想が把握される。
(付記項1)アノードおよびカソードを有する燃料電池と、燃料ガスを元圧で供給させるガス源に繋がる元圧弁と前記燃料電池とを連通させると共に、前記元圧弁の開放により前記元圧弁から供給された燃料ガスを前記燃料電池に向けて供給させる燃料ガス通路と、前記燃料ガス通路に設けられ前記燃料ガス通路を開閉させる遮断弁と、前記燃料ガス通路において前記遮断弁の下流に設けられ電気入力により駆動して燃料ガスを前記燃料ガス通路の下流に向けて搬送させるガス搬送源と、前記燃料電池の目標発電量に対応するように前記ガス搬送源の電気入力量に関する物理量の正常値を設定し、発電運転において、前記ガス搬送源への電気入力量に関する物理量を正常値に対して接近または同一となるように制御させる制御部とを具備する燃料電池システム。
1は燃料電池、10はアノード、11はカソード、18は発電モジュール、2Aは改質器、2は蒸発部、3は改質部、4は水タンク、5は筐体、6は燃料ガス通路、6yは元圧弁、60は燃料ポンプ(ガス搬送源)、62は脱硫器、63はガス源、64は流量計、66は逆止弁、69は遮断弁、70はカソードガス通路、71は第2ガスポンプ(第2ガス搬送源)、75は排ガス通路、8は給水路、100は制御部を示す。

Claims (5)

  1. アノードおよびカソードを有する燃料電池と、
    燃料ガスを元圧で供給させるガス源に繋がる元圧弁と前記燃料電池とを連通させると共に、前記元圧弁の開放により前記元圧弁から供給された燃料ガスを前記燃料電池に向けて供給させる燃料ガス通路と、
    前記燃料ガス通路に設けられ前記燃料ガス通路を開閉させる遮断弁と、
    前記燃料ガス通路において前記遮断弁の下流に設けられ電気入力により駆動して燃料ガスを前記燃料ガス通路の下流に向けて搬送させるガス搬送源と、
    前記燃料電池の目標発電量に対応するように前記ガス搬送源の電気入力量に関する物理量の正常値を設定し、発電運転において、前記ガス搬送源への電気入力量に関する物理量を正常値に対して接近または同一となるように制御させる制御部とを具備しており、
    前記制御部は、運転中において、(i)前記ガス搬送源に入力される電気入力量に関する物理量が正常値に対して上昇する時間が既定時間以上継続する条件が満足されるとき、
    燃料ガスの元圧異常であると判定する元圧異常判定処理を実行し、
    前記制御部は、燃料ガスの指示流量と前記ガス搬送源の電気入力量に関する物理量の上昇継続時間との関係を示す上昇継続時間判定マップと、燃料ガスの指示流量と前記ガス搬送源の電気入力量に関する物理量の正常値との関係を示す電気入力量判定マップとを備えており、前記制御部は、前記元圧異常判定処理において、前記電気入力量判定マップおよび前記上昇継続時間判定マップに基づいて燃料ガスの元圧異常であると判定し、
    前記制御部は、燃料ガスの指示流量とガス搬送源の電気入力量に関する物理量の変化量の閾値との関係を示す変化量判定マップを備えており、
    前記制御部は、前記元圧異常判定処理において、前記電気入力量判定マップ、前記変化量判定マップおよび前記上昇継続時間に基づいて燃料ガスの元圧異常であると判定する燃料電池システム。
  2. 請求項1において、前記制御部は、(i)前記ガス搬送源に入力される電気入力量に関する物理量が正常値に対して上昇する時間が既定時間以上継続する条件と、(ii)前記ガス搬送源に入力される電気入力量に関する物理量が正常値に対して第1規定値以上に上昇する条件とが満足されるとき、
    燃料ガスの元圧異常であると判定する元圧異常判定処理を実行する燃料電池システム。
  3. 請求項1または2において、前記燃料ガス通路には、前記遮断弁の下流に設けられ前記燃料ガス通路をこれの下流に向けて流れる燃料ガスの単位時間あたりの流量を直接的または間接的に検知するガス流量計が設けられており、
    前記制御部は、
    前記燃料電池の目標発電量に対応するように燃料ガスの目標ガス流量を設定し、燃料ガスの目標ガス流量に対応するように前記ガス搬送源の電気入力量に関する物理量の正常値を設定し、
    発電運転において、前記ガス流量計で検知される燃料ガスの検知流量が目標ガス流量となるように前記ガス搬送源への電気入力量に関する物理量を正常値に対して接近または同一となるようにフィードバック制御させる燃料電池システム。
  4. 請求項1〜3のうちの一項において、前記制御部は、燃料電池システムの起動時、待機時、発電運転時のうちの少なくとも一つにおいて、前記上昇継続時間判定マップ、前記電気入力量判定マップおよび前記変化量判定マップを更新させる更新処理を実行する燃料電池システム。
  5. 請求項1〜のうちの一項において、前記ガス搬送源への電気入力量に関する物理量は、前記ガス搬送源に給電されるデューティ値、前記ガス搬送源に給電される電流値、または、前記ガス搬送源の単位時間あたりの駆動量のうちのいずれかである燃料電池システム。
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