JP2012145300A - 給液装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、施工不良や機器の故障等の異常を検出することができる給液装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、並列に接続された複数の給液部からの液体を共通の給液箇所に供給する給液装置であって、複数の給液部の各々から給液口に供給される液体の供給量を検出する供給量検出手段と、各給液部から液体を給液箇所に供給する通常運転制御と、該通常運転制御に先立って行われる、各給液部からの液体の供給量の異常を検出する供給量異常検出制御を有し、供給量異常検出制御では、各給液部ごとの想定供給量を合わせた状態で液体の供給を行って実際の供給量を各給液部ごとに検出し、各給液部からの供給量に基づいて決定される基準供給量に満たない給液部が存在する場合、異常を報知することを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、並列に接続された複数の給液部から供給される液体を集約して給液口より出液する給液装置に関するものである。
給液装置として、例えば、常温水を加熱した高温水を液体として供給する給湯装置がある。この給湯装置は、一般的に、電気料金割引時間帯である夜間電力を利用してヒートポンプ運転を行い、常温水を、例えば、65℃〜90℃の高温水に加熱してタンクに蓄える構成とされている。そして、給湯機は、高温水使用時に蛇口が開いたとき、タンク内の高温水に常温水を混ぜて適温水、例えば、42℃程度にして出湯する。
また、給液装置としては、複数のタンクを並列に接続して、複数のタンクに貯湯された温水を集約して共通の出湯流路から出湯するものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
ところで、複数のタンクを並列に接続して使用する場合、各タンクの出湯量に差が生じ、タンクの残湯量が異なることがある。これを防止するため、特許文献1では、複数のタンクの残湯量を各々測定し、各タンクの残湯量に基づいて各タンクへの注水量を調整し、残湯量を均一化することにより、出湯量を均一化することが提案されている。
特開2005−134063号公報
しかしながら、上記従来の給液装置は、施工不良や機器の故障等の何らかの異常によりいずれかのタンクからの給湯量が少なく検出されたとしても、異常が発生していることを発見することができない。これでは、例えば、異常な給湯量を含めて給湯量の偏りを調整してしまうといったように、適切な供給量の調整を行うことができないおそれがある。
そこで、本発明は、施工不良や機器の故障等の異常を検出することができる給液装置を提供することを目的とする。
本発明は、並列に接続された複数の給液部からの液体を共通の給液箇所に供給する給液装置であって、前記複数の給液部の各々から前記給液口に供給される前記液体の供給量を検出する供給量検出手段と、前記各給液部から液体を前記給液箇所に供給する通常運転制御と、該通常運転制御に先立って行われる、前記各給液部からの液体の供給量の異常を検出する供給量異常検出制御を有し、前記供給量異常検出制御では、前記各給液部ごとの想定供給量を合わせた状態で液体の供給を行って実際の供給量を前記各給液部ごとに検出し、前記各給液部からの供給量に基づいて決定される基準供給量に満たない給液部が存在する場合、異常を報知することを特徴とする。
本発明によれば、施工不良や機器の故障等の異常を検出することができる給液装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態のブロック構成図である。 本発明の一実施形態の加熱部のブロック構成図である。 本発明の一実施形態の給液調整制御の処理の前段を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態の給液調整制御の処理の後段を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態の通常時の給液調整制御の処理フローチャートである。
以下に、本発明の給液装置の実施の形態を説明する。なお、本発明の給液装置の一実施形態として、ヒートポンプ給湯機について説明する。
(全体構成)
まず、本発明の第1実施形態の全体構成を説明する。図1は、本発明の第1実施形態のブロック構成図を示す。
本実施形態の給液装置100は、給湯装置であり、並列に接続された3つの給液部201,202,203から供給される高温の液体(高温水)が集約されて給液口301から出液(出湯)される構成とされている。
3つの給液部201,202,203は、互いに並列に接続されており、それぞれ、例えば、常温の液体を加熱する加熱部211と、加熱部211で加熱された高温の液体を貯留するタンク部212とを備えている。3つの給液部201,202,203の加熱部211で加熱され、タンク部212に貯留された高温の液体は、給液口301に集約されて出液(出湯)される。
(流量センサ/流量調整弁)
次に、各給液部201,202,203から給液口301に供給される液体の供給量を検出する供給量検出手段、および各給液部201,202,203からの液体の供給量を調整する流量調整手段について説明する。
供給量検出手段は、各給液部201,202,203に設けられる流量センサ401によって構成される。また、前記流量調整手段は、各給液部201,202,203に設けられる流量調整弁501によって構成される。
具体的には、給液部201と給液口301との間には、給液部201から供給される高温の液体の流量を測定する流量センサ401a、および給液部201から給液口301に供給される高温の液体の流量を調整する流量調整弁501aが設けられている。また、給液部202と給液口301との間にも、同様に、給液部202で加熱された高温の液体の流量を測定する流量センサ401b、および給液部202から給液口301に供給される加熱された高温の液体の流量を調整する流量調整弁501bが設けられている。さらに、給液部203と給液口301との間にも、同様に、給液部203から給液口301に供給される高温の液体の流量を測定する流量センサ401c、および給液部203から給液口301に供給される高温の液体の流量を調整する流量調整弁501cが設けられている。
なお、流量センサ401a,401b,401cを総括的に指すときは、流量センサ401と表記する。同様に、流量調整弁501a,501b,501cを総括的に指すときは、流量調整弁501と表記する。
なお、本実施形態では、流量センサ401は、給液部201,202,203の各々のタンク部212の給液口301側,タンク部212の下流側に設けられているが、タンク部212の上流側に設けるようにしてもよく、要は、給液部201,202,203の各々のタンク部212から給液口301に供給される液体の流量を検出できる位置であれば、設置位置は限定されない。また、流量調整弁501a,501b,501cも、給液部201,202,203の各々のタンク部212の給液口301側,タンク部212の下流側に設けられているが、タンク部212の上流側に設けるようにしてもよく、要は、給液部201,202,203の各々のタンク部212から給液口301に供給される液体の流量を調整できる位置であれば、その設置位置は限定されない。
流量センサ401は、例えば、羽根車式,コリオリ式,カルマン式,電磁式流量センサなどのうちのいずれかの流量センサから構成されている。この流量センサ401は、上記のように、給液部201,202,203の各々に設けられている。給液部201について言えば、給液部201から流量調整弁501aを介して給液口301に供給される高温の液体の流量を流量センサ401aが測定し、その測定値を、給液部201の制御部237(図2参照)に供給する。
例えば、流量調整弁501aは、流量センサ401aと給液口301との間に設けられ、給液部201から給液口301に供給される高温の液体の流量を、給液部201の制御部237(図2参照)からの指令により調整する。他の流量調整弁501a,501cについても、この流量調整弁501aと同様である。
給液部201の制御部237(図2参照)は、後で説明するように、3つの給液部201,202,203の流量センサ401(401a,401b,401c)で測定された流量の測定信号を収集し、3つの給液部201,202,203から給液口301へ供給される高温の液体の流量の偏りが小さくなるように、3つの給液部201,202,203の流量調整弁501(501a,501b,501c)を制御する。なお、給液部201の制御部237での流量調整制御方法は、後記する。
(給液部)
次に、給液部201,202,203を説明する。なお、3つある給液部201,202,203はいずれも同じ構成であるので、そのうちの1つである給液部201を例に説明する。
給液部201は、液体を加熱する加熱部211と、加熱部211で加熱された高温の液体を貯留するタンク部212(図中の破線の枠参照)とタンク部212の上流側に接続された減圧弁213を備える構成とされている。
このうち、加熱部211は、後で詳細に説明するが、管路を介してタンク部212の下部から供給される常温の液体(常温水)を、ヒートポンプ技術を利用したヒートポンプ加熱装置などにより加熱して、管路を介してタンク部212の上部に供給する。
タンク部212は、後で詳細に説明するが、3つのタンク221,222,223を給液口301側から見て、この順に直列的に接続した構成とされている。この3つのタンク221,222,223は、断熱構造とされ、内部は満水状態で運転される。なお、このような多数のタンクを有する給液装置は、飲食店,福祉施設,宿泊施設などでの、大量に温水を使用する施設に用いられることが想定される。
なお、タンク221の上部には、加熱部211(出側)が接続されるとともに、流量センサ401a、および流量調整弁501aを介して給液口301が接続される。また、タンク223の下部には、減圧弁213を介して注液口601が接続されるとともに、加熱部211(入側)が接続される。なお、図1では、タンク221,222,223というように、タンク部212が3つのタンクからなる例を示しているが、タンクの数は、1つでも、2つでも、4つ以上でもよい。
減圧弁213は、タンク部212側の圧力(二次側圧力)が注液口601側の圧力(一次側圧力)より低減すると、図示しない弁体が開放され、注液口601からタンク部212に常温の液体(常温水)を注入する。つまり、タンク部212の内部(各タンク221,222,223)は、この減圧弁213を介した注液口601側の圧力により、加圧されている。
(加熱部)
次に、加熱部211を説明する。図2は、本発明の第1実施形態の加熱部211のブロック構成図を示す。
加熱部211は、例えば、ヒートポンプ式加熱装置であり、図2に示すように、圧縮機231,液熱媒体熱交換器232,膨張弁233,空気熱交換器234,送風部235,ポンプ236,制御部237,温度センサ238,熱媒体配管239,液配管240を備える構成とされている。なお、加熱部211は、ヒートポンプ式加熱装置に限られるものではなく、電熱ヒータなどを用いた加熱装置であってもよい。
圧縮機231,液熱媒体熱交換器232,膨張弁233、および空気熱交換器234は、熱媒体配管239を介して環状に接続した閉ループの構成とされ、その中には、熱媒体が封入されて循環するヒートポンプ熱媒体回路を構成している。なお、熱媒体としては、例えば、熱媒体ガスである。この熱媒体ガスは、二酸化炭素ガスでもよい。また、ガスではなく、例えば、潜熱蓄熱材入りの液体,ブライン,不凍液などを介した熱交換でもよい。また、電気ヒータによる加熱でもよい。つまり、加熱部211がヒートポンプを利用したものであるというのは一例である。
圧縮機231は、空気熱交換器234で空気から熱を吸収した熱媒体を圧縮して、液熱媒体熱交換器232に供給する。この圧縮機231は、容量制御が可能とされており、多量の給湯を行う場合には大きな容量で運転することができるように構成されている。また、圧縮機231は、PWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)電圧制御,PAM(Pulse Amplitude Modulation;パルス振幅変調)電圧制御、およびこれらの組み合わせ制御により、低速、例えば、700回転/分から高速、例えば、7000回転/分まで回転速度制御ができるように構成されている。これにより加熱性能を可変できる構成とされている。
圧縮機231で圧縮された熱媒体は、液熱媒体熱交換器232に供給される。液熱媒体熱交換器232は、熱媒体側伝熱管232aおよび液側伝熱管232bを備えており、圧縮機231で圧縮された熱媒体は、熱媒体側伝熱管232aに供給される。また、液側伝熱管232bには、タンク223からポンプ236を介して常温の液体(常温水)が供給される。
液熱媒体熱交換器232は、熱媒体側伝熱管232aと液側伝熱管232bとが隣接して設けられており、熱媒体側伝熱管232aを流れる熱媒体から液側伝熱管232bを流れる常温の液体に熱を移動させることによって液側伝熱管232bを流れる常温の液体を加熱し、高温の液体を送出する。液熱媒体熱交換器232で加熱された高温の液体(高温水)は、タンク221の上部に供給される。
膨張弁233は、例えば、電子膨張弁から構成され、液熱媒体熱交換器232を経て送られてくる熱媒体を減圧して、空気熱交換器234に送る。
また、制御部237により膨張弁233を開き、熱媒体を減圧せずに熱媒体を比較的高い温度の状態で空気熱交換器234に供給することにより、空気熱交換器234の温度を上げ、空気熱交換器234に付着した霜を融かす、いわゆる、除霜動作を行わせることができる。除霜動作により空気と熱媒体との熱交換の効率を向上させることができる。
膨張弁233により減圧された熱媒体は、空気熱交換器234に供給される。空気熱交換器234には、送風部235から外気が供給されている。送風部235は、ファンモータ、および送風ファンを備えている。送風部235は、ファンモータの回転により送風ファンが回転し、送風ファンの回転により外気を空気熱交換器234に供給する。
空気熱交換器234は、送風部235によって取り込まれた外気の熱を熱媒体に移動させる、いわゆる、空気熱交換を行う。空気熱交換器234の外気の吸気側には、温度センサ238が取り付けられている。温度センサ238は、空気熱交換器234に引き込まれる外気温度を測定する。そして、温度センサ238で測定された外気温度は、制御部237に供給される。
制御部237は、温度センサ238で測定された外気温度に応じて加熱部211の圧縮機231の容量、および膨張弁233の熱媒体循環量などを制御し、効率的に加熱できるように制御している。
空気熱交換器234で、外気の熱が移動された熱媒体は、上記の圧縮機231に供給される。また、加熱部211において、液熱媒体熱交換器232,ポンプ236は、液配管240を介してタンク221,223に接続されている。ポンプ236は、いわゆる、液体循環ポンプであり、タンク223の下部から液配管240を介して高温の液体を引き込み、液配管240を介して液熱媒体熱交換器232の液側伝熱管232bに供給している。
液熱媒体熱交換器232は、上記の如く、熱媒体側伝熱管232aを流れる熱媒体から液側伝熱管222bを流れる液体に熱を移動させる。液熱媒体熱交換器232で熱媒体から熱が伝達され、加熱された高温の液体は、液配管240を介してタンク221の上部に供給される。
ここで、給液部202,203の制御部237と給液部201の制御部237との相違点を説明する。
給液部202の制御部237は、給液部202の流量センサ401bから流量を収集し、給液部201の制御部237に通知するとともに、給液部203の制御部237から通知される各種データを給液部201の制御部237に通知する。また、給液部201の制御部237からの指令により流量調整弁501bを制御する。
給液部203の制御部237は、給液部203の流量センサ401cから流量データを収集し、給液部202の制御部237を介して給液部201の制御部237に通知する。給液部201の制御部237からの指令により流量調整弁501cを制御する。
(タンク部)
次に、タンク部212を説明する。タンク部212は、3つのタンク221,222,223を上記のように直列的に接続した構成とされており、加熱部211から供給される高温の液体を貯留する。タンク部212のうちタンク221の上部に貯留された高温の液体が、流量センサ401a、および流量調整弁501aを介して給液口301に供給される。
なお、タンク部212は、密閉型であり、給液口301に送出される高温の液体の送出量と同量の常温の液体が、減圧弁213の働きにより注液口601からタンク部212のタンク223の下部に注入される。
これより、上述したように、流量センサ401および流量調整弁501を、各給液部(201,202,203)と給液口301の間に設けず、注液口601から複数に分岐された後の前記減圧弁213とタンク部212の間に前記流量センサ401および前記流量調整弁501を設けても上述同様に各給液部(201,202,203)から給液口301に送出される液体の流量を測定できるとともに液体の流量を制御することができる。
タンク221,222,223の各々には、図1に示すように、外側面,上下方向の複数箇所、例えば、3カ所にわたって高温液体量検出手段としての温度センサ241a,241b,241cが取り付けられている。温度センサ241a,241b,241cは、サーミスタなどから構成されており、温度センサ241a,241b,241cの出力信号は、制御部237に供給される。
このタンク部212の構成においては、例えば、液体供給運転(給湯運転)のときに、タンク221の上部から流量調整弁501aを介して高温の液体(高温水)が給液口301へと抜き出されると、タンク221の上部で発生した圧力の減少が、直ちにタンク222,223を通して減圧弁213に伝播される。そして、減圧弁213が作動し、減圧弁213を介して注液口601からタンク223に常温の液体が注入されるので、タンク部212の内部の液量が満たされ、かつ、内部の圧力も保持され、連続的に給湯することができる。つまり、液体供給運転時は、注液口601からの供給される常温の液体に押し出されるように、タンク223の下部の液体はその上部へと移動(上昇)し、タンク223の上部の液体は押し出されるように次のタンク222の下部へと移動し、タンク222の下部の液体はその上部へと移動(上昇)し、タンク222の上部の液体は押し出されるように次のタンク221の下部へと移動し、タンク221の下部の液体はその上部へと移動(上昇)し、タンク部221の上部の液体は、押し出されるように流量調整弁501aを介して給液口301から排出される。即ち、タンク212から給液口301へと液体が排出される。
一方、液体加熱運転(貯湯運転)のときには、加熱部211の後記するポンプ236の作動によりタンク223の下部から常温の液体(常温水)が加熱部211へと抜き出されると、タンク部212の各タンク221,222,223の内部では、上部から下部へと、前記の液体供給(給湯運転)のときとは逆の流れが起こる。つまり、タンク部212の下部(タンク223の下部)から抜き出された常温の液体(常温水)は加熱部211を経由して、タンク212の上部(タンク221の上部)に戻るように循環する。
(制御部)
制御部237は、温度センサ241a,241b,241cからの出力信号によりタンク221に貯留されている液体の貯留量(段階的水位)、および温度を検出する。補足すると、前記のとおり、タンク221の内部は常に満液であるので、制御部237は、例えば、タンク221の上位の位置に配置された温度センサ241aの出力信号が所定温度より高い温度を示す値のときには、タンク221の上位の位置まで高い温度の液体が貯留されていると判定し、タンク221の中位の位置に配置された温度センサ241bの出力信号が所定温度より高い温度を示す値のときには、タンク221の中位の位置まで高い温度の液体が貯留されていると判定する。タンク221の下位の位置に配置された温度センサ241cの出力信号が所定温度より高い温度を示す値のときには、タンク221の下位の位置まで高い温度の液体が貯留されていると判定する。制御部237によるこの判定は、他のタンク222,223でも同じである。
操作パネル701,給液部201の制御部237,給液部202の制御部237、および給液部203の制御部237は、例えば、デイジーチェーン方式で接続されている。また、給液部201の加熱部211の制御部237は、操作パネル701、および給液部202の制御部237と通信可能に接続されている。また、給液部202の加熱部211の制御部237は、給液部201の制御部237、および給液部203の制御部237と通信可能に接続されている。
操作パネル701は、給液部201の制御部237に接続されており、図示しないキースイッチ,ディスプレイなどを含む構成とされている。ユーザが操作パネル701のディスプレイを見ながらキースイッチを操作することにより、給液部201,202,203の運転,運転停止,液量(貯留量),温度設定,運転時間設定などの各種設定を行うことができ、また、給液部201の各情報からユーザに注意喚起表示を行うことができる。
給液部201の制御部237は、操作パネル701からの入力設定により給液部201,202,203の全体の運転制御を行っており、給液部202の制御部237、および給液部203の制御部237に対してマスタ装置として作用する。これに対して、給液部202の制御部237、および給液部203の制御部237は、スレーブ装置として作用する。
(給液調整制御)
本実施例に係る給液装置では、例えば給液装置の据付時に、通常運転制御に先立って、初期設定制御の一環で給液調整制御が行われる。
次に、本発明の一実施例の給液部201の制御部237での給液調整制御について説明する。
本実施例の給液調整制御は、給液部201,202、および203の各々から給液口301に供給される液体の流量を各流量センサ401により測定し、給液部201,202,203の各々から給液口301に供給される液体の流量が所定値になるように各流量調整弁501を調整する制御である。
また、この際の流量調整弁501の上限開度は、所定の運転を行うことにより決定された開度とする。
制御部237は、流量調整弁501の上限開度を決定する前記所定の運転の途中で給液部201,202,203の各々の流量センサ401で測定された流量の各々が、例えば最大の値となったものに対して所定比率以下の流量となるものがある場合は、該所定比率以下の流量となった給液部を記憶装置250に記憶するとともに操作パネルの表示部に表示する。
さらに、給液調整制御は、給液部201,202,203の各々のタンク部212の高い温度の液体の貯留量の平均貯留量と各給液部201,202,203のタンク部212の高い温度の液体の貯留量の比率を各給液部201,202,203の各々が給液口301に供給しようとする液体の流量を加味したものになるように流量調整弁501を調整する。
次に、給液調整制御の詳細を、図面を用いて説明する。
図3,図4は、本発明の一実施形態の給液調整制御の処理フローチャートを示す。
給液調整制御は大きく分けると、各給液部201,202,203ごとの想定供給量を合わせた状態で液体の供給を行って実際の供給量を検出して供給量の異常を検出する供給量異常検出制御と、検出した前記各給液部201,202,203ごとの実際の供給量に基づいて上限供給量を前記各給液部201,202,203ごとに設定する上限供給量設定制御に分けられる。
具体的には、前記供給量異常検出制御は、各給液部201,202,203から給液口301に送出される液体の流量を各給液部に設けられた流量調整弁501を全開状態にして流量状況を確認する。
また、前記上限供給量設定制御は、該流量確認制御の結果をもとに各流量調整弁501の上限開度を各給液部201,202,203ごとに決定する。ところで、本実施例では、供給量異常検出制御と上限供給量設定制御とを一連のフローで行うため、供給量異常検出制御の際に流量調整弁501の開度を全開とすることにより、上限供給量設定制御での想定供給量を合わせた状態としている。ただし、供給量異常検出制御と上限供給量設定制御とは独立した制御とすることも可能であり、その場合には、各流量調整弁501が所定の開度に合わせた状態であれば、全開に限定されるものではない。また、想定供給量を合わせた状態とは、完全同一の場合に限定されるものではなく、各給液部201,202,203ごとの実際の供給量を検出するのに不都合のない程度のばらつき(例えば、数%以内)があってもよい。
マスタ装置である給液部201の制御部は、まずステップS1−1で例えば操作パネル701にて所定の操作を行うことにより入力される上限開度を決定する運転の開始信号の有無を確認する。該信号の入力がない場合は待機状態とし、信号の入力がある場合は次のステップへ進む。ステップS1−2では、操作パネルへ前記上限開度を決定する運転を行うために必要となる操作をユーザへ報知するための表示(運転指示情報の表示)を行う。例えば、本運転では給液部201,202,203から給液口301へ送出される液体の流量情報が必要となるため、ユーザは給液口301を開放する必要がある。よってステップS1−2では、例えば「給湯口を開けてください」等の表示を行い、ユーザに給液口301を開ける必要がある旨を喚起する。なお、ここで同時に配管等の確認作業を促す注意喚起表示を行っても良い。
次にステップS1−3は、各々の給液部201,202,203に設けられた流量センサ401にて測定された各流量情報を一覧表示する。ここでは現在の状態、たとえば各給液部201,202,203の各制御部237で各流量調整弁501を行っている状態の流量情報を表示することで、現在の各給液部201,202,203から給液口301へ送出している液体の流量をユーザは比較確認することができる。
次のステップS1−4では、ステップS1−3で確認した流量情報をもとにユーザが流量調整弁501の上限開度を決定する運転を行うか否かを判断し、ユーザが該上限開度を決定する運転を行う場合は操作パネル701にて本運転を行うための所定の操作を行うことで前記供給量異常検出制御を行う。ここで、ユーザが前記上限開度を決定する運転を行う必要がないと判断する場合は、該運転を行わずに運転を終了する所定の操作をすることで、運転を終了することができる(図示なし)。
前記供給量異常検出制御は、ステップS1−5〜S1−12に示される。ステップS1−5では、各給液部201,202,203の各々に設けられた流量調整弁501を全開にする操作を行う。具体的には、マスタ装置である給液部201の制御部237からスレーブ装置である給液部202,203の制御部に各流量調整弁501を全開にする指示信号を出力し、各スレーブ機は該指示信号を入力した場合は各々の流量調整弁を全開とする。これらにより、各給液部201,202,203から給液口301に送出される液体の流量は、例えば配管の設置状況により発生する各圧力損失に応じた流量値となる。
次にステップS1−6では、操作パネル701にステップS1−5の状態の各給液部201,202,203に設けられた各流量センサ401により測定された流量値を一覧表示するとともに、現在の制御状態が各流量調整弁501が全開状態における流量の確認中である旨の表示を行う。ここでは、各流量センサ401の測定が安定したものになるように所定時間(例えば、1分)継続して測定及び表示を行う。ステップS1−7では、各流量調整弁が全開状態における流量の確認を終了するまでの時間を計測し、所定時間経過した場合にステップS1−8に進む。
ステップS1−8,S1−9は、上記の各流量調整弁501を全開状態とした場合の各流量センサ401の液体の流量測定結果がある所定の範囲に収まる良好なものか否かを判断して、ユーザに注意喚起を行う判定部となる。
ステップS1−8は、各給液部201,202,203に設けられた各流量センサ401で測定された実際の供給量が、所定値(例えば5L/min)以下(未満)であるかの判定を行う。実際の供給量の測定結果が所定値以下である流量値の給液部が1つでもある場合は、ステップS1−11に進む。液体の流量の測定結果が所定値以下の流量値となった給液部が1つも存在しなかった場合は、第2の判定処理のS1−9に進む。
ステップS1−9は、各給液部201,202,203からの供給量に基づいて算定対象下限供給量を決定し、実際の供給量が前記算定対象下限供給量に満たない給液部が存在するか否かを判定するステップである。具体的には、ステップS1−9では、最大値となった給液部の流量値に対して所定の割合(例えば75%)をかけた流量値を算定対象下限供給量とし、各給液部201,202,203に設けられた各流量センサ401で測定された液体の流量値が、算定対象下限供給量以下となる給液部が存在するか否かの判定を行う。流量値が所定値以下となった給液部が1つでも存在する場合は、ステップS1−10に進み、存在しなかった場合はステップS1−13に進む。
ステップS1−10では、マスタ装置となる給液部201の制御部にて流量測定結果が所定値以下(未満)となった給液部の番号やアドレス情報等の個体を識別する情報を制御部237に設けられた記憶装置250に記憶する。
ステップS1−11は、供給量の異常を検出した場合にこれを報知するステップである。具体的には、各々の給液部201,202,203から給液口301に送出される液体の流量に所定値以上の差が生じている状況である旨をユーザに報知するために、操作パネル701に表示を行う処理となる。後述する各給液部から給液口へ送出される流量の均一化制御やタンク部に貯留される高温液体の貯留量の減少を均一化する制御の効果が小さくなる可能性を示すもので、ステップS1−11の表示では、上述の各給液部間の流量の差が大きくなっているとともに、流量の差が大きくなる要因として配管の取り回しや機器(流量調整弁501等)の故障の確認等を促すための注意喚起も合わせて行う。
ステップS1−12は、操作パネル701にてステップS1−11の注意喚起が確実に確認されるように、ユーザが所定の確認操作をすることで注意喚起表示を終了するものである。ここで、図3では、ステップS1−12の確認操作がYesの場合、ステップS1−13に進めて正常時の動作として引き続き制御を行えるようにしているが、本制御を強制的に終了しても良く、また継続するか終了するか、さらに操作待機の2つもしくは3つからの選択方式としても良い。
ステップS1−13は、前述までの各々の給液部201,202,203に設けた各流量調整弁501を全開状態とした場合の、各給液部から給液口301に送出される液体の流量を確認する制御の終了を確認し、次の各流量調整弁の上限開度を設定する制御の開始を確認するもので、ユーザが操作パネル701にて確認操作を行った際に上限供給量設定制御を行う。
上限供給量設定制御では、検出した前記各給液部201,202,203の実際の供給量に基づいて基準供給量を決定し、実際の供給量が前記基準供給量を超えている給液部に対して、供給量が少なくなるように前記流量調整手段を調整する。このようにすれば、全体の供給量をなるべく多く確保しつつ、各給液部201,202,203ごとの供給量のばらつきを小さく抑えることができる。即ち、基準供給量を超えている給液部201,202,203の供給量を減少させることで、並列に接続された各給液部201,202,203同士の圧力関係が変化し、供給量が少なかった給液部からの供給量を増やすことができる。具体的には、基準供給量を超えている給液部の流量調整弁の開度を小さくすると、給液経路の圧力損失が大きくなることで、各給液部201,202,203同士の給液経路の圧力損失は偏差が小さくなり、供給量が少なかった給液部からより多く液体を供給することができる。
具体的には、前記基準供給量は、算定対象となる給液部の実際の供給量のうち、最も多い値と最も少ない値との間の値に設定される。より具体的には、前記基準供給量は、検出した前記各給液部201,202,203の実際の供給量の平均供給量である。そして、実際の供給量が前記平均供給量を超えている給液部に対して、供給量が前記平均供給量となるように前記流量調整手段を調整する。
上限供給量設定制御は、具体的には、図4に示される。ステップS1−14は、マスタ装置となる給液部201に設けられた制御部237にて、各給液部201,202,203に給液口301に送出される液体の流量を測定した各流量センサ401の結果から平均供給量を算出し、該平均供給量を各給液部201,202,203に設けられた流量調整弁501が開度調整制御を行う目標流量として設定する。該目標流量は、マスタ装置となる給液部201の制御部237からスレーブ装置となる給液部202,203の制御部237へ通信にて出力される。
また、上限供給量設定制御では、実際の供給量が前記算定対象下限供給量に満たない給液部が存在する場合、この給液部の実際の供給量を除外して前記基準供給量(具体的には、平均供給量)を算出する。なお、実際の供給量が算定対象下限供給量に満たない給液部は、先にステップS1−10で記憶されている。このように、基準供給量決定,目標値算出から除外することで、目標とする流量が小さくなることを防止する。
ステップS1−15では、各給液部201,202,203の制御部237は、各給液部に設けられた流量センサにて測定された各給液部201,202,203から給液口301に送出される液体の流量が、ステップS1−14で決定された目標値になるように各流量調整弁501を開度制御を行う。
ステップS1−16は、ステップS1−15の流量調整弁制御の結果を判定する処理となる。例えばマスタ装置となる給液部201の制御部237では、各給液部の流量センサ401の測定結果の全ての流量値をステップS1−14にて算出した目標流量と比較し、測定結果の流量値が目標流量を基準とした所定の範囲内(例えば95〜105%の範囲)となったら正常終了と判定し、ステップS1−19に進む。また、いずれかもしくは全ての流量測定結果が所定の範囲とならない場合、予め設定した所定時間経過するまでは判定を継続し(ステップS1−17)、所定時間を経過しても測定した流量値が所定の範囲内とならない場合はステップS1−18に進む。
ステップS1−18では、マスタ装置となる給液部201にてステップS1−16,S1−17で流量の測定結果が所定の範囲内にならなかった給液部の番号やアドレス情報等の個体を識別する情報を制御部237に設けられた記憶装置250に記憶する。そして、ここで記憶された給液部の情報は後述する通常時の流量調整弁制御に反映される。
ステップS1−19は、ステップS1−16,S1−17で判定された際の各給液部201,202,203の制御部237の制御情報を記憶する処理となる。例えば、ステップS1−17が終了した時点(各流量調整弁501が全開における給液運転中)の各給液部201,202,203から給液口301に送出される液体の流量値が、10L/min,9L/min,8L/minであった場合、ステップS1−15では目標流量として、
(10+9+8)/3=9L/min
と演算され、各給液部201,202,203の各制御部237は、各々の流量調整弁501を各々の流量センサ401の測定結果が9L/minとなるように開度制御を行う。
ここで、制御前に10L/minとなっていた給液部の流量調整弁は、例えば約90%の開度に調整することで、該給液部から給液口に送出される液体の流量を9L/minにすることができる。一方、制御前に8L/minとなっていた給液部の流量調整弁は、全開状態で8L/minだったものであるため9L/minに合わせることができず、「100%の流量調整弁開度で8L/min」、が結果となる。さらに、制御前に9L/minとなっていた給液部の流量調整弁は、もともと全開状態で9L/minだったものであるため、ほぼそのままの状態、すなわち、「100%の流量調整弁開度で9L/min」が結果となる。
そして、ここでの流量調整弁開度の結果(例えば、一つが90%で残りが100%)を後述する通常時の流量調整弁制御時の流量調整弁の上限開度や給液運転を行っていない時の待機時の開度とする。これにより、各々の給液部201,202,203から給液口に送出される液体の流量はある程度均一化が図れることになる。よって、ステップS1−19では、前記各流量調整弁開度を各々の給液部201,202,203に設けた流量調整弁の通常時の流量調整制御時の上限開度として、前記開度情報を制御部237に備えた外部記憶部に記憶する。
次にステップS1−20では、前記ステップS1−15,S1−16で各流量調整弁501を調整制御した結果の各流量センサ401の測定結果を操作パネル701に一覧表示し、ユーザによる操作パネル701の所定の終了確認操作を入力するまで表示状態を維持することで、ユーザに結果を報知する。ここでユーザによる終了確認操作を入力した場合は、ステップS1−21に進み、ここでは流量調整弁の上限開度決定制御が終了した旨の表示を行うとともに、「給湯口を閉めてください」等の給液口301を閉止を喚起する表示を行う。
ここで、上記説明では、各流量調整弁501の上限開度を決定する制御方法を開始する際に、例えば専用モード等を行うようにユーザによる積極的な操作をもとに運転を開始するように記載しているが、特に限定はなく、例えば各流量調整弁の開度が上限供給量を調整するのに適する所定値以上になっている状態にて、各流量センサ401にて測定した流量値が所定値以上になっている場合を検出し、自動的に制御を開始しても良い。またこの場合には、ステップS1−2やS1−21等の報知(ユーザに給液口301の解放や閉止を促す喚起的な内容の操作パネル701への表示)を行うとユーザを混乱させるおそれがあるので報知は特に必要ないが、報知を行うものであってもよい。
ところで、本発明の一実施例に係る給液装置では、上述したような初期設定時の給液調整制御の他に、通常運転制御時においても以下のような給液調整制御が行われる。なお、説明の便宜上、この通常運転制御時の給液調整制御を流量調整弁制御と称する。
次に、本発明の一実施例の各給液部201,202,203から給液口301に送出される液体の流量を各流量調整弁501にて制御を行う流量調整弁制御方法について図5のフローチャートにより説明する。
まず基本的な制御方法の流れとしては、マスタ装置である給液部201が各給液部201,202,203から給液口301へ送出される液体の供給量を把握して液体の供給量の基準値(即ち、基準供給量)を演算し、スレーブ装置となる給液部202,203へ基準供給量を通信を通じて出力する。
具体的には、前記基準供給量は、算定対象となる給液部の実際の供給量のうち、最も多い値と最も少ない値との間の値に設定される。より具体的には、前記基準供給量は、検出した前記各給液部201,202,203の実際の供給量の平均供給量である。
また、給液部201,202,203の制御部237は、該基準供給量と、各給液部のタンク部212に貯留された高温液体の貯留量と、各々の給液部201,202,203全体のタンク部212に貯留された高温液体の貯留量とを基に、各給液部201,202,203の貯留量を合わせるのに必要的であると考えられる必要供給量を演算し、制御部237は各給液部に設けた流量センサ401の測定流量が前記必要供給量になるように流量調整弁501を開度制御する構成となる。
以下、具体的に説明する。ステップS2−1では、マスタ装置である給液部201の制御部は、全ての給液部に設けた流量センサ401で測定された液体の平均流量(平均供給量)を算出する。ここで、前記供給量異常検出制御のステップS1−10において実際の供給量が前記算定対象下限供給量に満たない給液部が記憶されている場合には、このステップS2−1においても、この給液部の実際の供給量を除外して平均供給量を算出する。
マスタ装置である給液部201の制御部237は、算出結果が所定値(例えば2L/min)未満の場合は、給液運転をしていない状態と判断し、ステップS2−2へ進む。
ステップS2−2では、各給液部201,202,203の制御部237に各流量調整弁501が図3にて上述した上限開度に設定するように指令を出力する。
また、ステップS2−1において、前記平均流量の算出結果が所定値以上となる場合は、給液運転を行っていると判断し、ステップS2−12に進む。
ステップS2−12では、前記高温液体量検出手段としての温度センサ241a,241b,241cで検出した前記各給液部のタンク部に貯留される高温液体の量に基づいて基準貯留量を算出し、該基準貯留量と各々の給液部201,202,203の各タンク部212に貯留されている高温液体の貯留量を比較する処理を行う。具体的には、前記基準貯留量は、前記各タンク部212の貯留量のうち、最も多い値と最も少ない値との間の値に設定される。より具体的には、前記基準貯留量は、検出した前記各タンク部212の貯留量の平均供給量である。
そして、ステップS2−12において、各個別の貯留量が前記平均貯留量以上の場合は、ステップS2−2に進み、ステップS2−2では、該当する給液部の流量調整弁501の開度指令値を上述した上限開度に設定する。一方、各個別の貯留量が前記平均貯留量を下回る場合は、ステップS2−3に進む。
ステップS2−3では、各給液部201,202,203の貯留量を合わせるのに必要的であると考えられる必要供給量を演算する。具体的には、各給液部201,202,203の制御部237にて各給液部に備えた流量調整弁501の制御目標とする必要流量を算出する。ここで、該必要流量は、下式を用いて演算する。
必要流量=平均流量×(A/B)
ここでAは、制御する流量調整弁501が設けられている各給液部201,202,203の各タンク部212に貯留されている高温液体の貯留量(例えば%)であり、Bはこれら貯留量の平均貯留量(例えば%)を表している。
そして、前記必要供給量から前記貯留量が前記基準貯留量に満たない給液部の実際の供給量を引いた値が所定の余裕値よりも大きい場合は、この給液部からの液体の供給量が増えるように前記流量調整手段を制御する。
具体的には、ステップS2−4は、各給液部201,202,203の各制御部237にて、各流量調整弁501を制御するために前記必要流量と各給液部201,202,203に設けられた各流量センサ401で測定された各給液部から給液口301に送出される液体の流量値を比較する処理である。例えば必要流量が前記流量センサ401にて測定された流量値と比べて所定の余裕値(0を含む)より大きい場合は、ステップS2−5に進む。
ステップS2−5では、現在の該流量調整弁501の開度指令値に所定の操作量を加算する。そしてステップS2−6に進み、ステップS2−6では、前記加算後の流量調整弁開度指令値が前述で決定した上限開度を超えているかどうかを判定し、超えている場合はステップS2−7にて前記上限開度値を流量調整弁開度指令値に設定し、制御を終了する。
一方、ステップS2−4にて前記必要流量と各給液部201,202,203に設けられた各流量センサ401で測定された各給液部から給液口301に送出される液体の流量の比較結果が、必要流量の方が所定の余裕値以下である場合は、ステップS2−8に進む。
そして、前記貯留量が前記基準貯留量に満たない給液部の実際の供給量から前記必要供給量を引いた値が所定の余裕値よりも大きい場合は、この給液部からの液体の供給量が減るように前記流量調整手段を制御する。
具体的には、ステップS2−8では、必要流量が前記流量センサ401にて測定された流量値と比べて所定の余裕値(0を含む)より大きいか否かの判定を行う。この判定の結果がYESの場合は、ステップS2−9に進み、ステップS2−9では、現在の該流量調整弁501の開度指令値から所定の操作量を減算する。
そしてステップS2−10に進み、ステップS2−10では、前記減算後の流量調整弁開度指令値が予め決定した所定の下限開度未満か否かを判定し、下限開度未満の場合は、ステップS2−11にて該所定の下限値を流量調整弁指令に設定し、制御を終了する。なお、全閉に至る前に下限開度を設定することにより、小さい開度で給液することによりエアが混入する等の不都合を防止することができる。ただし、前記所定の下限開度を特に設けず、全閉状態まで制御するものであっても良い。
ここで、ステップS2−4からステップS2−11では、前記流量調整弁501の開度指令値を操作する方法として、単純に必要流量に対して、現在の測定流量値が所定値以上の大小関係となっているか否か確認し、所定値以上の大小関係時には所定開度値を現在の流量調整弁開度指令に加減算する方法を記載しているが、一般的なP制御,PI制御,PID制御およびファジー制御等を使用してもよい。
なお、制御部237では、上記の給液調整制御の他に、熱媒体回路の運転・停止、および圧縮機231の回転速度の制御,膨張弁233の開度の制御,タンク部212への貯留を行う貯留運転,除霜運転等の制御を行っている。
例えば、制御部237は、貯留運転時には、圧縮機231の回転速度を制御し、運転開始から徐々に回転速度を増して高速回転とし、加熱の立上げ時間を早め、加熱が安定した後は中低速運転を行う制御を行う。このとき、制御部237は、熱負荷、および加熱温度に見合った回転速度で運転するよう圧縮機231の回転速度を制御する。
また、制御部237は、その日の高温の液体の使用が終了すると、タンク221,222,223内の高温の液体の残量を温度センサ241a,241b、および241cを用いて測定し、翌日の液体の使用量を推定して、タンク部112に蓄積される高温の液体の量が使用推定量より大きくなるように、加熱部211の運転を行う。このとき、制御部237は、夜間割引電気料金の適用時間、例えば、23時〜7時内に加熱運転が終了するように運転開始時刻を設定し、設定時刻になると、貯留運転を開始し、終了するように制御している。
以上のように、本実施形態によれば、流量を直接検出することができるため、各給液部201,202,203から前記給液口に供給される液体の供給量の調整を高精度に行うことができる。また、液体の供給量の調整を行うのに際して高温の液体を用いる必要がないため、例えば、据付時に給湯量の偏りを調整する際の運転を短時間に行うことができる。
即ち、給液部201,202,203の流量調整弁501を操作する開度の上限を各給液部201,202,203の据付環境に応じた上限値として予め決定しておくことができ、またこの上限値は各給量調整弁の待機開度となるため、給液部201,202,203の各々から給液口301に送出される液体の流量の均一化を図ることができる。これにより、給液部201,202,203のうちの特定の給液部の加熱部211の圧縮機231が過剰に運転されることを防止でき、特定の給液部の加熱部211の圧縮機231の寿命が短縮することを防止できる。
また、通常運転制御に先立って行われる、前記各給液部からの液体の供給量の異常を検出する供給量異常検出制御を有するため、施工不良や機器の故障等の異常を検出することができる給液装置を提供することができる。
さらに、各給液部201,202,203に設けられたタンク部212に貯留された高温液体の貯留量に給液部ごとに差が生じた場合においては、平均貯留量に対して貯留量の小さい給液部の流量調整弁501を平均貯留量に対する貯留量の比率に応じて流量が小さくなるように制御するため、貯留量の差分を小さくするように運転することが可能となる。
また、各給液部のタンク部に貯留される高温液体の量に基づいて基準貯留量を算出し、貯留量が前記基準貯留量に満たない給液部に対しては、この給液部の貯留量と基準貯留量との比率と、前記基準供給量とに基づいてこの給液部の必要供給量を演算し、該必要供給量に基づいて前記流量調整手段を制御するため、各給液部から前記給液口に供給される液体の供給量の調整を高精度に行うことができる。
これらによって、給液部201,202,203の稼働率を均一にでき、給液部201,202,203の加熱部211の稼働率を均一にできることで、給液部201,202,203のうち特定の給液部の加熱部211が過剰に運転されることを防止できる。これにより、加熱部211の圧縮機231の寿命の短縮を防止できる。また、タンク部212に貯留される高温の液体の使用も均一化されるため、高温の液体が使用されないことによる温度低下を防止でき、熱効率の向上を図ることができる。また、一つのタンクでは湯余り状態であるにもかかわらず、他のタンクでは湯切れ状態となる現象も防止することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲で、種々の実施形態に適用できることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、図1に示すように、タンク部212は、3つのタンク221,222、および223から構成したが、タンク部212は、一つのタンクで構成されるものであってもよく、また、2つ、または4つ以上複数のタンクによって構成されるものであってもよい。
さらに、上記実施形態では、図1に示すように、タンク部212を構成する3つのタンク221,222,223を直列に接続した構成としているが、並列に接続した構成であってもよい。
また、上記実施形態では、図1に示すように、3つの給液部201,202,203の各々に加熱部211、およびタンク部212を設けたが、単一の加熱部211を3つの給液部201,202,203で共通化してもよい。
また、上記実施形態においては、流量調整手段は各給液部に設けられる流量調整弁501によって構成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、各給液部から供給される液体の合流部分に配置される混合弁によって構成されるものであってもよい。
これ以外にも、流量調整手段を各給液部に設けられる開閉弁によって構成するものであってもよい。この場合には、各給液部の積算給液量が上限供給量となるように開閉弁を開閉制御する方法が考えられる。
100 給液装置
201,202,203 給液部
211 加熱部
212 タンク部
237 制御部
250 記憶装置
301 給液口
401(401a,401b,401c) 流量センサ
501(501a,501b,501c) 流量調整弁
601 注液口
701 操作パネル

Claims (2)

  1. 並列に接続された複数の給液部からの液体を共通の給液箇所に供給する給液装置であって、
    前記複数の給液部の各々から前記給液口に供給される前記液体の供給量を検出する供給量検出手段と、
    前記各給液部から液体を前記給液箇所に供給する通常運転制御と、該通常運転制御に先立って行われる、前記各給液部からの液体の供給量の異常を検出する供給量異常検出制御を有し、
    前記供給量異常検出制御では、前記各給液部ごとの想定供給量を合わせた状態で液体の供給を行って実際の供給量を前記各給液部ごとに検出し、
    前記各給液部からの供給量に基づいて決定される基準供給量に満たない給液部が存在する場合、異常を報知することを特徴とする給液装置。
  2. 運転状態を表示する表示部を備え、前記各給液部からの供給量に基づいて決定される基準供給量に満たない給液部が存在する場合、前記表示部に異常に関する表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の給液装置。
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