JP5348481B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、水を水蒸気化させる蒸発部を有する燃料電池システムに関する。
特許文献1には、水を水蒸気化させる水蒸気発生部と、水蒸気で燃料原料を改質させてアノードガスを生成させる改質部と、改質部で生成されたアノードガスとカソードガスとで発電するスタックと、水を蒸発部に供給させるポンプとを備える燃料電池システムが開示されている。このものによれば、スタックの出力を変化させる場合には、水蒸気発生部の出口近傍に設けた温度センサで測定した水蒸気の温度または温度変化が所定の範囲内になるように、水量を変化させている。これによりスタックの破損を抑制している。上記した特許文献1に係る技術によれば、改質部における改質触媒のコーキング、スタックの破損が抑制される。コーキングとは、水蒸気改質における水蒸気不足により燃料原料から炭素が生成されることを意味する。
特許文献2には、改質水を加熱させて水蒸気を生成させる蒸発器と、改質水を一時的に蓄える貯留容器と、蒸発器に溜められている水の水位と貯留容器に溜められている水の水位とを連動させる連通管とをもつ水蒸気供給装置が開示されている。
特開2008−243771号公報 特開2006−155982号公報
上記した技術によれば、蒸発部における水枯れを抑制させるのには必ずしも充分ではない。蒸発部の水枯れが発生すると、改質部において水蒸気不足となり、改質部においてコーキング等を発生させ、システムの高性能を維持できなくなるおそれがある。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、蒸発部に対する増水処理により蒸発部における水枯れを抑制させるのに有利であり、更に、一時的な蒸発部の昇温要因に対処することができる燃料電池システムを提供することを課題とする。
本発明に係る燃料電池システムは、改質水が流れる給水通路と、給水通路に設けられ水を水蒸気化させる蒸発部と、蒸発部の下流に配置され蒸発部で生成された水蒸気を用いて燃料原料を改質させてアノードガスを生成させる改質部と、アノードガスとカソードガスとで発電する燃料電池と、給水通路に設けられ水源の水を蒸発部に供給させる水搬送源と、水搬送源を制御する制御部とを具備しており、制御部は、蒸発部の温度もしくは蒸発部で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度以上となるとき、または、蒸発部の温度もしくは蒸発部で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度以上になると推定されるとき、水搬送源の出力を増加させて蒸発部に供給する単位時間当たりの水の流量を増加させる増水処理を実行する。
一時的な昇温要因等により、蒸発部の温度もしくは蒸発部で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度以上となるとき、または、蒸発部の温度もしくは蒸発部で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度以上になると推定されるときがある。この場合、蒸発部の水不足または水枯れが発生するおそれがある。このとき本発明によれば、制御部は、水搬送源の出力を増加させて蒸発部に供給する水の流量を増加させる増水処理を実行する。このため蒸発部の水不足または水枯れが抑制される。従って、改質部における改質触媒のコーキング、スタックの破損が抑制される。
本発明は、蒸発部における水枯れを増水処理により抑制させるのに有利であり、更に、一時的な蒸発部の昇温要因に対処することができ、改質部におけるコーキングを抑制させるのに有利である。
実施形態1に係り、燃料電池システムの蒸発部付近を模式的に示す図である。 蒸発部付近を模式的に示す図である。 実施形態1に係り、一時的要因により蒸発部が一時的に昇温するときにおいて、経過時間とポンプの出力との関係、経過時間と蒸発部の温度との関係を示すグラフである。 実施形態1に係り、後発的で且つ固定的な要因により蒸発部が昇温するときにおいて、経過時間とポンプの出力との関係、経過時間と蒸発部の温度との関係を示すと共に異状時を示すグラフである。 制御部が実行するフローチャートである。 実施形態2に係り、一時的要因により蒸発部が一時的に昇温するときにおいて、経過時間とポンプの出力との関係、経過時間と蒸発部の温度との関係を示すグラフである。 実施形態3に係り、燃料電池システムの蒸発部付近を模式的に示す図である。 実施形態4に係り、電力負荷とポンプの出力との関係を示すグラフである。 実施形態5に係り、電力負荷とポンプの出力との関係を示すグラフである。 実施形態5に係り、制御部が実行するフローチャートである。 実施形態7に係り、電力負荷とポンプの出力との関係を示すグラフである。 実施形態7に係り、制御部が実行するフローチャートである。 実施形態8に係り、燃料電池システムの概念を模式的に示す図である。 実施形態8に係り、蒸発部および改質部付近を示す斜視図である。
蒸発部は、水を水蒸気化させる。改質部は、水蒸気で燃料原料を改質させてアノードガスを生成させる。蒸発部としては、水を溜める貯水部を有する方式でも、貯水部を有しない方式でも良い。燃料電池は、改質部で生成されたアノードガスとカソードガスとで発電する。水搬送源は、水源の水を蒸発部に供給させ、ポンプ、コンプレッサ、送水ファン等を例示できる。水源としては、高い純度を保持していることが好ましく、凝縮水タンクが例示される。
本発明の一視点によれば、制御部は記憶部を有する。記憶部は、第1技術情報を格納していると共に第2技術情報を格納している。第1技術情報は、燃料電池の電力負荷(発電出力に相当)の負荷が増加するにつれて水搬送源の出力を増加させるように、電力負荷と水搬送源の出力との関係を規定している。第2技術情報は、電力負荷の負荷が増加するにつれて水搬送源の出力を増加させるように、且つ、第1技術情報よりも水搬送源の出力が増加するように、電力負荷と水搬送源の出力との関係を規定している。第1技術情報はマップまたは演算式として記憶部に格納されていることが好ましい。第2技術情報はマップまたは演算式として記憶部に格納されていることが好ましい。
本発明の一視点によれば、制御部は、燃料電池の通常の発電運転において、第1技術情報に基づいて水搬送源の出力を制御している。この場合、一時的に昇温要因等により、蒸発部の温度もしくは蒸発部で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度以上となるとき、または、蒸発部の温度もしくは蒸発部で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度以上となると推定されるとき、制御部は、第1技術情報から第2技術情報に切り替え、第2技術情報に基づいて水搬送源の出力を増加させる増水処理を実行する。ここで、『蒸発部の温度もしくは蒸発部で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度以上となるとき』とは、温度センサによる測定を前提とする。『蒸発部の温度もしくは蒸発部で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度以上となると推定されるとき』とは、蒸発部以外の部位に設けられている温度センサ(例えば改質部に設けられている温度センサ)に基づいて当該温度を間接的に推定する形態、温度センサ以外のセンサに基づいて当該温度を間接的に推定する形態を含む。なお、第1閾値温度は、燃料電池システムの種類、発電条件、蒸発部の構造、増水処理における増水量等に応じて適宜選択される。
本発明の一視点によれば、増水処理の実行後に、蒸発部の温度もしくは蒸発部で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度未満となるとき、または、蒸発部の温度もしくは蒸発部で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度未満と推定されるとき、制御部は、その制御目標を第2技術情報から第1技術情報に切り替え、第1技術情報に基づいて水搬送源の出力を制御する。減水処理に相当する。
本発明の一視点によれば、発電運転時において、蒸発部は、燃料電池から吐出されたアノードオフガスを酸素含有ガス(空気等)により燃焼させた燃焼火炎により加熱される構造を有する。燃焼火炎の制御応答性には限界があるため、蒸発部の一時的な昇温要因が発生し易い。
本発明の一視点によれば、制御部は、燃料電池の電力負荷を低下させるとき、蒸発部の実際の温度もしくは蒸発部で生成された水蒸気の実際の温度にかかわらず、蒸発部の温度もしくは蒸発部で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度以上となると推定し、増水処理を実行することができる。この場合、蒸発部の一時的な昇温要因が発生したとしても、温度センサの昇温を待たなくても良いため、増水処理を応答性よく迅速に実行でき、蒸発部の温度を速やかに低下させ得る。
本発明の一視点によれば、制御部は、蒸発部の温度もしくは蒸発部で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度以上となった後、第1閾値温度よりも高温の第2閾値温度以上となったとき、蒸発部の一時的な昇温要因ではなく、システム異状と判定する。なお、第2閾値温度は、燃料電池システムの種類、発電条件、増水処理における増水量等に応じて適宜選択される。
システムが経年変化していると、増水処理およびその後の減水処理が実行される頻度が高くなる。この場合、増水処理後において水搬送源の出力を低下させる減水処理を実行するときのカウント数が頻繁になる。この場合、水搬送源の経年変化により出力が低下している状態、または、水搬送源から蒸発部に供給させる水量を測定する流量計が設けられているときには、流量計の経年変化が発生している状態が発生していると推定される。
そこで、本発明の一視点によれば、制御部は、増水処理を実行した後の減水処理の実行をカウント数とするとき、カウント数が所定回数(N)以上となると、制御部は、第1技術情報による水搬送源の出力と、第2技術情報による水搬送源の出力との間における中間出力)を、第1技術情報による水搬送源の出力の代わりに制御目標として設定する。この場合には、カウント数が所定回数(N)以上となると、ポンプの経年劣化によりポンプの出力が低下している状態、給水通路の流路断面積が水垢等により小さくなった状態、つまり経年変化が発生していると推定される。なお、上記した所定時間および所定回数は、燃料電池システムの種類、発電条件、増水処理における増水量、減水処理における減水量等に応じて適宜選択される。
(実施形態1)
図1は実施形態1を示す。燃料電池システムは、改質水を供給する水源として機能するタンク44からの改質水が流れる給水通路として機能する改質水供給通路41と、改質水供給通路41に設けられ改質水を加熱させて水蒸気化させる蒸発部20と、改質水供給通路41に接続され蒸発部20で生成された水蒸気でガス状または液状の燃料原料を水蒸気改質させてアノードガス(水素を主要成分とするガス)を生成させる改質部22と、改質部22で生成されたアノードガスとカソードガスとで発電する燃料電池セルを組み付けたスタック1と、改質水供給通路41に設けられタンク44の水を蒸発部20に供給させる水搬送源として機能するポンプ42と、ポンプ42を制御する制御部100とを有する。更に燃料源50に繋がる燃料原料供給通路51が蒸発部20に繋がれている。燃料原料ポンプ55が作動すると、ガス状または液状の燃料原料が蒸発部20に供給される。
スタック1、蒸発部20および改質部22は断熱部30で覆われており、燃料電池モジュール3を構成している。このように燃料電池モジュール3の発電室32は、スタック1、蒸発部20および改質部22を収容している。更にタンク44、燃料電池モジュール3、制御部100は筐体9の収容室91に収容されている。図1に示すように、改質水供給通路41において、上流から下流にかけて、タンク44、ポンプ42、蒸発部20、改質部22の順に配置されている。改質部22で改質されたアノードガスは、アノードガス供給通路14を介してスタック1のアノードに供給される。スタック1には、電力を消費する電力負荷170が接続されている。スタック1の発電電力により電力負荷170が作動される。操作部160のスイッチがユーザ等により操作されると、電力負荷170の大きさを調整できる。制御部100は、入力処理回路と、出力処理回路と、CPUと、記憶部としてのメモリ110とを有する。
図2は蒸発部20の例を示す。図2(A)は、液相状の水を溜める貯水部を有しない蒸発部20を示す。図2(B)は液相状の水を溜める貯水部210を有する蒸発部20を示す。貯水部210は蒸発部20の内部に設けられていても良いし、外部に隣設されていても良い。液相状の水を溜める貯水部210が設けられている蒸発部20については、スタック1が発電運転しているとき、蒸発部20に供給される単位時間当たりの水の流量が低下したとしても、蒸発部20の昇温が遅い。貯水部210に溜められている水の蒸発潜熱による吸熱作用が蒸発部20に発生するためである。貯水部が設けられていない蒸発部20については、スタック1が発電運転しているとき、蒸発部20に供給される水の流量が低下するとき、蒸発部20の昇温が速い。
発電運転時において、スタック1から吐出されたアノードオフガスは、空気等の酸素含有ガスにより燃焼されて燃焼火炎24を燃焼用空間23において形成する。蒸発部20および改質部22はスタック1の上方に隣設されており、燃焼火炎24により蒸発部20および改質部22は加熱される。なお、アノードオフガスはスタック1から吐出されたガスの意味であり、発電反応後のガスでも良いし、発電反応を経ていないガスでも良い。
蒸発部20には、蒸発部20の温度もしくは蒸発部20で生成された水蒸気の温度を検知する温度センサ218が設けられている。温度センサ218が検知した温度信号は制御部100に入力される。温度センサ218は、図1において蒸発部20の出口側に設けられているが、これに限定されるものではなく、蒸発部20の入口側、蒸発部20の中間部でも良い。なお、本システムでは、温度センサ218の温度が第2閾値温度T2よりも高温になると、システム異状とされ、制御部100は運転を停止させる。
スタック1が一定の電力負荷170に通電させつつ発電運転(例えば定格運転)しているとき、制御部100はポンプ42の出力をP0に制御する。この場合、通常の発電運転においては、温度センサ218が検知する温度は基本的には温度T0に維持されており、蒸発部20の温度は適切とされており、適切な水蒸気量が改質部22に供給される。
しかし何らかの要因により、蒸発部20に供給される単位時間当たりの水の流量が低下すると、温度センサ218の温度が温度T0よりも上昇することがある。この場合、蒸発部20における蒸発潜熱による吸熱が低下するため、図3の温度特性線Tに示すように、温度センサ218の温度が第1閾値温度T1以上に一時的に昇温することがある。第1閾値温度T1としては、システムの種類、発電条件、季節、蒸発部20の構造、蒸発部20における貯水部の有無等に応じて適宜設定される。一時的な昇温要因としては、蒸発部20に繋がる改質水供給通路41における一時的な水詰まり、当該通路41およびポンプ42における一時的な空気の巻き込み、蒸発部20付近における一時的な熱こもり、筐体9内の一時的な熱こもり、電力負荷170を負荷を低下させたとき等が挙げられる。一時的な昇温要因であれば、その後、その昇温要因は自然解消することが多い。このようにスタック1の発電出力が大きく増加していないにもかかわらず、一時的な昇温要因等により、温度センサ218の温度が温度T0よりも上昇すると、蒸発部20における水不足であり、改質部22において水蒸気改質に使用される水蒸気量が不足するおそれがあり、改質部22に影響を与えるおそれがある。
そこで制御部100は、温度センサ218が検知する温度が温度T1よりも上昇すると、これをトリガー信号α1として、ポンプ42の出力(回転数)をP0からP1(P1>P0)に増加させる増水処理を実行する。この増水処理により、蒸発部20に供給される単位時間当たりの水量が増加する。その後、タイムラグ等により温度センサ218の温度が温度Tk(T2>Tk>T1>T0)まで上昇するものの、増水処理により蒸発部20の水量が増加しているため、温度センサ218の温度が第1閾値温度T1未満となり、温度TO付近に戻る。この場合、上記した一時的な昇温要因が解消されたものと推定される。よって、温度センサ218の温度が第1閾値温度T1未満となったことをトリガー信号α2として、制御部100はポンプ42の出力をP0に戻す。
但し、上記した一時的な昇温要因が解消されないときには、一時的な昇温要因ではなく、後発的に発生した固定的な昇温要因と考えられる。後発的且つ固定的な昇温要因としては、ポンプ42の故障、改質水供給通路41からの水漏れ等が挙げられる。このように後発的且つ固定的な昇温要因の場合には、タンク44の水が蒸発部20に充分に供給されない。このため、図4に示すように、温度センサ218の温度が第1閾値温度T1および温度Tkよりも上昇することがある。場合によっては、温度センサ218の温度が、第1閾値温度T1よりも高温の第2閾値温度T2以上となることがある。この場合には、蒸発部20は過熱されて水不足となり、水枯れとなる。このため、温度センサ218の温度が第2閾値温度T2以上となると、制御部100はシステム異状である判定し、これをトリガー信号α3(図4参照)としてポンプ42を停止させると共に警告器に警告信号を出力する。この場合、制御部100はスタック1の発電運転を停止させる。
図5は制御部100が実行するフローチャートの一例を示す。フローチャートはこれに限定されるものではない。まず、制御部100は、発電運転しているとき、ポンプ42の出力をP0に維持する(ステップS102)。温度センサ218の信号を読み込み(ステップS104)、温度と第1閾値温度T1とを比較する(ステップS106)。温度が第1閾値温度T1以上であれば、蒸発部20が高温であるため、ポンプ42の出力をP1に設定し(ステップS108)、温度が安定するまで待機する(ステップS110)。再び温度センサ218の信号を読み込み(ステップS112)、温度と第1閾値温度T1とを再び比較する(ステップS114)。温度が第1閾値温度T1未満であれば、ポンプ42の出力をP0に戻す(ステップS116)、温度が第1閾値温度T1以上であれば、温度と第2閾値温度T2とを比較する(ステップS118)。温度が第1閾値温度T2以上であれば、蒸発部20は過熱状態であり、ポンプ42を停止させると共にシステムの発電運転を停止させる(ステップS120)。この場合、蒸発部20の過熱抑制のため、所定時間であればポンプ42を作動させておくことができる。なお本実施形態によれば、蒸発部20に設けられた温度センサ218が検知する実際の温度に基づいて、ポンプ42の出力を制御するが、これに限らず、改質部22に設けられた温度センサが検知する温度に基づいて、蒸発部20の温度もしくは水蒸気の温度を推定して上記した制御を実行しても良い。
(実施形態2)
図6は実施形態2を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有するため、図1および図2を準用する。電力負荷170の負荷が一定でスタック1が発電運転(例えば定格運転)しているとき、制御部100はポンプ42の出力をP0に制御する。この場合、温度センサ218が検知する温度は基本的には温度T0に維持されており、蒸発部20の温度は適切とされており、単位時間当たり適切な水蒸気量が改質部22に供給される。
しかし何らかの昇温要因により、蒸発部20に供給される水の流量が低下すると、温度センサ218の温度が温度T0よりも上昇し、温度センサ218の温度が第1閾値温度T1a(T1a>TO)以上に昇温することがある。このように温度センサ218の温度が温度T1aよりも上昇すると、改質部22において水蒸気量が不足するおそれがある。そこで制御部100は、温度センサ218の温度が温度T1aよりも上昇すると、これをトリガー信号β1として、ポンプ42の出力をP0からP1a(P1a>P0)に増加させる増水処理を実行する。これにより蒸発部20に供給される単位時間当たりの水量が増加する。しかし、温度センサ218の温度が更に上昇し、第1閾値温度T1b(T2>T1b>T1a>T0)以上となることがある。
そこで、温度センサ218の温度が温度T1b以上になると、これをトリガー信号とβ2として、制御部100は、ポンプ42の出力をP1aからP1b(P1b>P1a>P0)に増加させる増水処理を実行する。これにより蒸発部20に供給される単位時間当たりの水量が更に増加する。この増水処理により温度センサ218の温度が温度T1b未満になれば、これをトリガー信号β3として、制御部100はポンプ42の出力をP1bからP1aに低下させる。これによりポンプ42から蒸発部20に供給される単位時間当たりの水量を低下させる。このようにポンプ42の出力をP1bからP1aに設定させることにより減水処理を実行する。一時的な昇温要因が解消されていると、温度センサ218の温度が第1閾値温度T1a未満となる。この場合、制御部100は、これをトリガー信号β4として、ポンプ42の出力をP1aからP0に低下させることにより減水処理を実行する、これによりポンプ42から蒸発部20に供給される単位時間当たりの水量を低下させる。温度センサ218の温度が温度TO付近に戻る。この場合、上記した一時的な昇温要因が解消されたものと推定される。
但し、上記した一時的な昇温要因が解消されない場合には、一時的な昇温要因ではなく、後発的な固定的な昇温要因であると考えられる。この場合、前述同様に、温度センサ218の温度が第2閾値温度T2以上に上昇し、蒸発部20は過熱されて水不足が促進され、水枯れとなるおそれが高い。このため、制御部100はシステム異状である判定し、ポンプ42を停止させると共に警告器に警告信号を出力する。この場合、制御部100はスタック1の発電運転を停止させる。なお本実施形態によれば、蒸発部20に設けられた温度センサ218が検知する実際の温度に基づいて、ポンプ42の出力を制御するが、これに限らず、改質部22に設けられた温度センサが検知する温度に基づいて、蒸発部20の温度もしくは水蒸気の温度を推定して上記した制御を実行しても良い。
(実施形態3)
図7は実施形態3を示す。タンク44、ポンプ42、蒸発部20、改質部22およびスタック1が直列に配置される。蒸発部20および改質部22は加熱装置300により加熱される。加熱装置300は、スタック1から吐出されたアノードオフガスを燃焼させた燃焼火炎で蒸発部20および改質部22を加熱させる方式ではなく、バーナ等の他の加熱源で蒸発部20および改質部22を加熱させる。温度センサ218は蒸発部20の流路方向の中間部に配置されている。この場合においても、温度センサ218の温度が温度T0よりも上昇すると、蒸発部20に供給される単位時間当たりの水量が低下するため、蒸発部20が過熱され、改質部22において水蒸気改質に使用される水蒸気量が不足するおそれがある。そこで制御部100は、前述同様に、温度センサ218の温度が温度T1よりも上昇すると、これをトリガー信号として、ポンプ42の出力をP0からP1(P1>P0)に増加させる増水処理を実行する。実施形態1,2と同様な制御を実行することができる。
(実施形態4)
図8は実施形態4を示す。図8は、第1技術情報による第1特性線M1を示す。第1技術情報は、電力負荷170の負荷が増加するにつれて、ポンプ42の出力を増加させるように、電力負荷170とポンプ42の出力との関係を規定している。第1特性線M1は、蒸発部20の昇温が検知されない状態における通常の発電運転モードを示す。図8は、第2技術情報による第2特性線M2を示す。第2技術情報は、電力負荷170の負荷が増加するにつれて、ポンプ42の出力を増加させるように且つ第1技術情報よりもポンプ42の出力がΔP増加するように、電力負荷170とポンプ42の出力との関係を規定している。第2特性線M2は、蒸発部20の昇温が検知されたときに実行される増水処理モードを示す。図8に示すように、第1特性線M1によれば、スタック1の電力負荷170の負荷がW1,W2,W3と増加するにつれて、ポンプ42の出力はP11,P12,P13と増加する。第2特性線M2によれば、スタック1の電力負荷170の負荷がW1,W2,W3と増加するにつれて、ポンプ42の出力はP21,P22,P23と増加する。ここで、P21>P11,P22>P12,P23>P13の関係とされている。制御部100のメモリ110の所定のエリアには、第1特性線M1を規定する第1技術情報がマップもしくは演算式として格納されており、更に、第2特性線M2を規定する第2技術情報がマップもしくは演算式として格納されている。
本実施形態によれば、スタック1の通常の発電運転において、温度センサ218が検知する温度がT1以上とならない条件下において、制御部100は第1特性線M1に基づいて、電力負荷170(スタック1の発電出力)の負荷の大きさに応じてポンプ42の出力(単位時間あたりの回転数)を制御する。しかしながら、温度センサ218で検知された温度、すなわち、蒸発部20の温度もしくは蒸発部20で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度T1以上となるときがある。また、蒸発部20の温度もしくは蒸発部20で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度T1以上となると制御部100により推定されるときがある。これらの場合には、蒸発部20において生成される水蒸気量が減少しており、改質部22において水蒸気改質に使用される水蒸気量が不足するおそれがある。
そこで制御部100は、温度センサ218の温度が第1閾値温度T1よりも上昇すると、これをトリガー信号γ1として、制御目標を第1特性線M1から第2特性線M2に切り替える。従って制御部100は、第2技術情報で示される第2特性線M2に基づいて、電力負荷170の負荷に応じてポンプ42の出力を増加させる増水処理を実行する。これにより改質水タンク44から蒸発部20に供給される単位時間あたりの改質水の流量が増加する。この結果、システム異状でない限り、蒸発部20の温度が低下する。例えば、電力負荷170の負荷がW3でスタック1が通常に発電運転されているとき、蒸発部20の過剰昇温が特に認められないため、制御部100は、ポンプ42の出力を第1特性線M1に係るP13に設定している。しかし、一時的な昇温要因等により、温度センサ218の温度が第1閾値温度T1よりも上昇すると、これをトリガー信号γ1として、制御部100は、第1特性線M1に係る出力P13から、第2特性線M2に係る出力P23に切り替える。これにより増水処理を実行させる。
一時的に昇温要因であれば、上記した増水処理の結果、温度センサ218で検知された温度、すなわち、蒸発部20の温度もしくは蒸発部20で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度T1未満となり、温度T0付近に維持される。この場合、一時的な昇温要因が解消されたと推定される。このため、温度が第1閾値温度T1未満となると、これをトリガー信号γ2として、制御部100は、第2特性線M2に係るP23から、第1特性線M1に係る出力P13に切り替える。これにより減水処理を実行する。なお本実施形態においても、温度センサ218で検知された温度が第1閾値温度T1以上となった後、第2閾値温度T2以上となったときには、後発的で固定的な昇温要因と推定される。この場合、蒸発部20が適温以上に過熱されているため、制御部100はシステム異状であると判定し、システムを停止させて発電運転を停止させると共に警告する。ポンプ42は停止させても良いし、蒸発部20の冷却のため、しばらく作動させても良い。なお本実施形態によれば、蒸発部20に設けられた温度センサ218が検知する実際の温度に基づいて、ポンプ42の出力を制御するが、これに限らず、改質部22に設けられた温度センサが検知する温度に基づいて、蒸発部20の温度もしくは水蒸気の温度を推定して上記した制御を実行しても良い。
(実施形態5)
図9は実施形態5を示す。本実施形態は実施形態4と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有するため、図1および図2を準用する。本実施形態は、貯水部210が設けられている蒸発部20に適する。本実施形態においても、メモリ110(図1参照)の所定のエリアには、第1技術情報による第1特性線M1と、第2技術情報による第2特性線M2が格納されている。本実施形態によれば、スタック1が通常に発電運転しているとき、制御部100は、温度センサ218が検知する温度が第1閾値温度T1以上とならない条件下において、第1技術情報による第1特性線M1に基づいてポンプ42の出力(回転数)を制御する。
しかしながら、燃料電池システムが発電運転しているときには、ユーザ等の操作により、スタック1の電力負荷170の負荷がW3からW2に急に低下するときがある。この場合、電力負荷170に引かれる電力は速やかに低下するものの、燃料原料、改質部22で生成されたアノードガス等が配管に残留している。このため改質部22に供給される燃料原料の制御応答性、スタック1に供給されるアノードガスの流量の制御応答性、さらには、スタック1から吐出されるアノードオフガスの流量の制御応答性には、限界がある。このため、スタック1の電力負荷170が急に低下しているにもかかわらず、温度センサ218が検知する温度が第1閾値温度T1以上に上昇するおそれがある。これは、一時的に昇温要因の一つである。具体的には、電力負荷170の低下に伴いスタック1の発電電力が低下しているため、スタック1のアノードで単位時間当たり消費されるアノードガスの活物質(水素など)の量が低下し、スタック1から吐出されるアノードオフガスの流量が増加し、ひいては、蒸発部20を加熱させる燃焼火炎24の発熱量が増加し、蒸発部20が過熱されたり、蒸発部20付近に熱こもりが発生するためである。
そこで、スタック1の電力負荷170の負荷がW3からW2に急に低下したときには、制御部100は、まず、第1特性線M1に基づいて、ポンプ42の出力をP13からP12(P12<P13)に低下させる(図9の矢印MA)。そして、温度センサ218が検知する温度が第1閾値温度T1以上に上昇するまで、制御部100はポンプ42の出力をP12に維持させる(P12<P13)。温度センサ218が検知する温度が第1閾値温度T1以上に上昇しなかったときには、蒸発部20は過熱されておらず、制御部100はポンプ42の出力をP12に維持させたままとする。
これに対して、温度センサ218が検知する温度が第1閾値温度T1以上に上昇したときには、これをトリガー信号として、制御部100は、その制御目標を第1特性線M1のP12から第2特性線M2のP22に切り替える(図9の矢印MB)。よって制御部100は、第2技術情報で示される第2特性線M2に基づいて、ポンプ42の出力をP12からP22(P22>P12)にΔPぶん増加させる増水処理を実行する。これにより蒸発部20に供給される単位時間あたりの水の流量が増加する。この結果、システム異状でない限り、蒸発部20の蒸発潜熱による吸熱が増加し、蒸発部20の温度が低下する。従って、温度センサ218で検知された温度が第1閾値温度T1未満となり、温度T0付近に維持される。このように温度センサ218が検知する温度が第1閾値温度T1未満に下降すると、制御部100は、制御目標を第2特性線M2から第1特性線M1に切り替える(図9の矢印MC)。すなわち、制御部100は、第1特性線M1に基づいて、ポンプ42の出力をP22からP12(P22>P12)にΔPぶん減少させて元の水量に戻す減水処理を実行する。これにより蒸発部20に単位時間当たり供給される水量が過剰でなくなり、適切化される。従って改質部22における水蒸気改質も良好に実行される。
ところで、スタック1の電力負荷170の負荷がW3からW2に急に低下したとき、制御部100が、その制御目標を第1特性線M1から直ちに第2特性線M2に移行させて増水処理させることも考えられる。しかしこの場合、温度センサ218が検知する温度が上昇しなかったときには、蒸発部20に供給される単位時間当たりの水の流量が過剰となり、蒸発部20の温度が過剰に低下してしまい、改質部22においてコーキングが発生するおそれがある。
殊に、図2(B)に示す蒸発部20では、改質用の水を一時的に溜める貯水部210が形成されているため、ポンプ42により蒸発部20に供給される単位時間当たりの水の流量が低下したとしても、蒸発部20は直ちに昇温するものではない。すなわち、図2(B)に示す蒸発部20では、貯水部210に予め溜められている改質用の水が水蒸気化され、水蒸気化に伴う潜熱による吸熱現象が発生する。このため、蒸発部20に供給される単位時間当たりの水の流量が低下したとしても、蒸発部20は直ちに昇温しない。このため、制御目標が第1特性線M1から直ちに第2特性線M2に移行されて増水処理されると、蒸発部20における水が過剰となり、蒸発部20の温度が低下し、改質部22における水蒸気改質反応に影響を与えるおそれがある。この場合、改質部22にコーキングが発生するおそれがある。
この点本実施形態によれば、スタック1の電力負荷170の負荷がW3からW2に急に低下するとき、制御部100が、第1特性線M1に従ってポンプ42の出力を制御する。そして、温度センサ218が検知する温度が第1閾値温度T1以上となったことを条件として、制御部100は制御目標を第1特性線M1から第2特性線M2に切り替える増水処理を実行させる。ここで、温度センサ218が検知する温度が第1閾値温度T1以上とならないときには、制御部100は増水処理を実行させない。このため、蒸発部20および改質部22が過剰に冷えることが抑制される。このように本実施形態は、貯水部210が設けられている蒸発部20に対して良好に対処することができ、改質部22におけるコーキングの抑制に有利である。なお本実施形態においても、制御部100は、温度センサ218で検知された温度が第1閾値温度T1以上となった後において、第1閾値温度T1よりも高温の第2閾値温度T2以上となったときには、蒸発部20は過熱状態であるため、制御部100はシステム異状である判定する。この場合、制御部100は、システムの発電運転を停止させると共にその旨を警告させる。
図10は制御部100が実行するフローチャートの一例を示す。フローチャートはこれに限定されるものではない。まず、ポンプ42の出力を、通常運転用の第1特性線M1に基づいて制御する(ステップS200)。電力負荷170の負荷を読み込み(ステップS204)、負荷が低下しているか否か判定する(ステップS205)。負荷が低下していれば、モードを第1特性線M1に維持しつつ、第1特性線M1に基づいて、低下した負荷に応じてポンプ42の出力を低下させる(ステップS206)。状態が安定するまで待機する(ステップS208)。その後、温度センサ218の信号を読み込み(ステップS210)、温度と第1閾値温度T1とを比較する(ステップS212)。温度が第1閾値温度T1未満であれば、蒸発部20は正常であるため、モードを第1特性線M1に維持しつつ(ステップS240)、メインルーチンリターンする。温度が第1閾値温度T1以上であれば、温度と第2閾値温度T2とを比較する(ステップS214)。温度が第2閾値温度T2以上であれば、蒸発部20は過熱状態であり、ポンプ42を停止させると共にシステムの発電運転を停止させる(ステップS216)。この場合、所定時間であれば、蒸発部20の冷却のためポンプ42を作動させておいても良い。
温度が第2閾値温度T2未満であれば、モードを高温対処用の第2特性線M2に切り替える(ステップS218)。状態が安定するまで待機する(ステップS220)。その後、温度センサ218の信号を読み込み(ステップS222)、温度と第1閾値温度T1とを比較する(ステップS224)。温度が第1閾値温度T1未満であれば、システムは正常であるため、モードを第2特性線M2から、通常運転用の第1特性線M1に切り替える(ステップS226)。温度が第1閾値温度T1以上であれば、蒸発部20は高温であるため、モードを、増水用の第2特性線M2として維持させる(ステップS228)。その後、状態が安定するまで待機する(ステップS230)。なお本実施形態によれば、蒸発部20に設けられた温度センサ218が検知する実際の温度に基づいて、ポンプ42の出力を制御するが、これに限らず、改質部22に設けられた温度センサが検知する温度に基づいて、蒸発部20の温度もしくは水蒸気の温度を推定して上記した制御を実行しても良い。
(実施形態6)
本実施形態は実施形態5と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有するため、図1、図2および図9を準用する。本実施形態は、貯水部を有しない昇温性が速い蒸発部20に適する。燃料電池システムが発電運転されているとき、ユーザ等の操作により、スタック1の電力負荷170の負荷がW3からW2に急に低下する場合がある。これは、一時的に昇温要因である。この場合、電力負荷170に引かれる電力は速やかに低下する。システムの配管等の事情により、改質部22に供給させる燃料原料の制御応答性、スタック1に供給されるアノードガスの流量の制御応答性、スタック1から吐出されるアノードオフガスの流量の制御応答性が比較的速い場合がある。殊に、貯水部が設けられていない蒸発部20については、余剰の水が少ないため、蒸発部20に供給される水の流量が低下すると、蒸発部20の昇温速度は速い。
このため本実施形態によれば、図9から理解できるように、スタック1の電力負荷170の負荷がW3からW2に低下するようにユーザ等により操作部160のスイッチが操作されたとき、これをトリガー信号として、温度センサ218が検知する温度にかかわらず、制御部100は、蒸発部20の温度もしくは蒸発部20で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度T1以上であると推定する。温度センサ218の昇温を検知していたのでは、増水処理の応答が遅くなり、蒸発部20が過熱されるおそれがあるためである。この場合、制御部100は、制御目標を通常発電用の特性線M1から増水用の特性線M2に直ちに移行させる。これによりポンプ42の出力をP12ではなくP22(P22>P12)に直ちに設定させる。従って制御部100は、蒸発部20に供給する単位時間あたりの水の流量を増加させる増水処理を速やかに実行する。
このように本実施形態によれば、温度センサ218が検知する温度にかかわらず、制御部100は、蒸発部20の温度もしくは蒸発部20で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度T1以上となると推定して増水処理を実行する。このため、蒸発部20の過熱化に対して迅速に対応することができる。なお本実施形態においても、制御部100は、温度センサ218で検知された温度が第1閾値温度T1以上となった後において、第2閾値温度T2以上となったときには、制御部100はシステム異状であると判定し、システムを停止させる。なお本実施形態によれば、蒸発部20に設けられた温度センサ218が検知する実際の温度に基づいて、ポンプ42の出力を制御するが、これに限らず、改質部22に設けられた温度センサが検知する温度に基づいて、蒸発部20の温度もしくは水蒸気の温度を推定して上記した制御を実行しても良い。
(実施形態7)
図11は、実施形態7を示す。本実施形態は前記した各実施形態と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有する。本実施形態においても、図11に示すように、制御部100のメモリ110の所定のエリアには、第1技術情報による第1特性線M1がマップもくしは演算式として格納されていると共に、第2技術情報による第2特性線M2がマップもくしは演算式として格納されている。図11に示すように、第1特性線M1によれば、スタック1の電力負荷170の負荷がW1,W2,W3と増加するにつれて、ポンプ42の出力はP11,P12,P13と増加する。第2特性線M2によれば、スタック1の電力負荷170の負荷がW1,W2,W3と増加するにつれて、ポンプ42の出力はP21,P22,P23と増加する。更に、図11に示すように、第1特性線M1と第2特性線M2との間に存在する中間特性線Mmを規定する中間技術情報がマップまたは演算式としてメモリ110の所定のエリアに格納されている。
本実施形態によれば、制御部100は、電力負荷170の負荷が一定でスタック1が発電運転しているとき、温度センサ218が検知する温度がT1以上とならない条件下において、通常運転用の第1特性線M1に基づいてポンプ42の出力を制御している。しかしながら、スタック1が一定の電力負荷170で発電運転しているにもかかわらず、一時的な昇温要因等により、温度センサ218で検知された温度が第1閾値温度T1以上となるときがある。この場合、制御部100は、制御目標を通常発電用の第1特性線M1から増水用の第2特性線M2に切り替える。従って制御部100は、第2技術情報で示される第2特性線M2に基づいて、電力負荷170に応じてポンプ42の出力を増加させる増水処理を実行する。これにより改質水タンク44から蒸発部20に供給される単位時間あたりの改質水の流量が増加する。この結果、システム異状でなく一時的な昇温要因であれば、蒸発部20の温度は次第に低下する。このため、温度センサ218で検知された温度が第1閾値温度T1未満となり、温度T0付近に維持される。
このように温度が第1閾値温度T1未満になると、制御部100は、制御目標を増水用の第2特性線M2から通常運転用の第1特性線M1に切り替える。従って制御部100は第1特性線M1に基づいてポンプ42を制御する。これにより蒸発部20に供給される単位時間あたりの水の流量が適切化され、改質部22における改質反応が良好となる。しかしながら、前回の増水処理の終了時刻または開始時刻から所定時間内において、温度センサ218で検知された温度が第1閾値温度T1以上に再び上昇するときがある。この場合、制御部100は、再び、制御目標を第1特性線M1から第2特性線M2に切り替える。従って制御部100は増水用の第2特性線M2に基づいて、電力負荷170の負荷に応じてポンプ42の出力を増加させる増水処理を実行する。この結果、システム異状でなく、一時的な昇温要因であれば、蒸発部20の温度が次第に低下する。温度センサ218で検知された温度が第1閾値温度T1未満となり、温度T0付近に維持される。すると、制御部100は、制御目標を第2特性線M2から第1特性線M1に切り替える減水処理を再び実行する。従って制御部100は第1特性線M1に基づいてポンプ42を制御する。これにより蒸発部20に供給される単位時間あたりの水の流量が過剰となることが抑制される。蒸発部20が過剰冷却されることが抑制される。
上記した増水処理を実行した後に減水処理を実行するときにおけるカウント数を1回とする。この場合、スタック1の発電出力がほぼ一定であり、且つ、カウント1回目に相当する増水処理の時刻から(例えば、増水処理の終了時刻または開始時刻等のように、1回目の増水処理の特定の時刻)から所定時間以内である場合において、カウント数が所定回数(N)以上となると、増水処理および減水処理の発生頻度が過剰である。この場合、一時的な昇温要因というよりも、経時変化的な昇温要因と推定される。経時変化的な昇温要因としては、経年変化によるポンプ41の出力低下、堆積物に起因する改質水供給通路41における流路断面積の狭小化等が挙げられる。更に、ポンプ42から蒸発部20に供給させる水量を測定する流量計が設けられているときには、流量計の経年変化が挙げられる。
よって経時変化的な昇温要因と推定されるときには、制御部100は、第1特性線M1と第2特性線M2との間に存在する中間特性線Mmを、第1特性線M1の代わりに制御目標を切り替える。これによりスタック1が通常に発電運転するとき、制御部100は中間特性線Mmに基づく電力負荷に応じてポンプ42の出力を制御させる。以降については、制御部100は通常の運転において中間特性線Mmに基づいてポンプ42を制御させる。中間特性線Mmは、特性線M1,M2間の中央値ばかりではなく、特性線M1,M2の間に存在していればよい。なお本実施形態においても、温度センサ218で検知された温度が第1閾値温度T1以上となった後、第2閾値温度T2以上となったときには、後発的な固定的な昇温要因と考えられるため、制御部100はシステム異状である判定し、システムの発電運転を停止させる。
図12は制御部100が実行するフローチャートを示す。フローチャートはこれに限定されるものではない。まず、モードを第1特性線M1に維持させるようにポンプ42を制御する(ステップS302)。次に、温度センサ218の信号を読み込む(ステップS304)。温度と第1閾値温度T1とを比較する(ステップS306)。モードを通常運転用の第1特性線M1から、増水用の第2特性線M2に切り替える(ステップS308)と共に、タイマーをスタートさせる(ステップS310)。状態が安定する間で待機する(ステップS312)。次に、温度センサ218の信号を読み込む(ステップS314)。温度と第1閾値温度T1とを比較する(ステップS316)。温度が第1閾値温度T1以上であれば、温度と第2閾値温度T2とを比較する(ステップS318)。温度が第2閾値温度T2以上であれば、蒸発部20が過熱されており、ポンプ42を停止させると共にシステムの発電運転を停止させ、警告する(ステップS320)。温度が第2閾値温度T2未満であれば、モードを高温対処用の第2特性線M2に維持させる(ステップS322)。
ステップS316の判定の結果、温度が第1閾値温度T1未満であれば、モードを通常運転用の第1特性線M1に切り替える(ステップS330)。そして、カウント数を1増加させる(ステップS332)。初回の第2特性線M2による増水処理から所定時間経過しているか否か判定する(ステップS334)。所定時間以内であれば、カウント数と所定回数C1とを比較する(ステップS336)。カウント数が所定回数C1以上であれば、増水処理および減水処理が頻繁に繰り返されており、経年変化による昇温要因が発生していると推定される。そこでモードを中間特性線Mmに切り替える(ステップS338)と共にタイマーをリセットさせる(ステップS340)。
(実施形態8)
図13および図14は実施形態8を示す。図13は固体酸化物形の燃料電池システムの概念を示す。図14はスタック1付近を示す。図14に模式的に示すように、固体酸化物形燃料電池システムにおいて搭載されているスタック1は、スタック1を収容する発電室32において、カソードガスが通過できる通路32rを形成するように複数の燃料電池セル10を並設して形成されている。隣接する燃料電池セル10は図示しない導電部材によって電気的に接続されている。燃料電池セル10は、アノードガスが供給される燃料極として機能するアノード11と、カソードガスが供給される酸化剤極として機能するカソード12と、アノード11およびカソード12で挟まれた固体酸化物を母材とする電解質15と、アノードガスを通過させる通路11rをもつ多孔性導電部11wと、コネクタ10xとを有する。カソード12は、カソードガスが流れる通路32rに対面する。電解質5を構成する固体酸化物は、酸素イオン(O2−)を伝導させる性質をもつものであり、イットリアを添加した安定化ジルコニア系、ランタンガレート系が例示される。多孔質導電部11wは、通路11rに供給されたアノードガスをアノード11に供給するとともにアノード11、電解質15、カソード12およびコネクタ10xを支持するものであり、材質はガス透過性と導電性を有し、金属と希土類酸化物の複合体が例示される。アノード11は、ニッケル等の金属相とジルコニアとが混在するサーメットが例示される。カソード12は、サマリウムコバルタイト、ランタンマンガナイトが例示される。コネクタ10xは、ガス不透過性と導電性を有し、通路11rから多孔質導電部26に拡散されたアノードガスと、カソードガスの通路32rに供給されたカソードガスを遮断するものであり、ペロブスカイト型酸化物が例示される。材質は上記に限定されるものではない。なお、スタック1の下部には、アノードガス通路14を介して供給されたアノードガスをスタック1の入口に案内するアノードガスマニホルド13が配置されている。
図14に示すように、改質器2は、蒸発部20と、燃料原料が供給される改質部22とを備えている。蒸発部20は、改質水系4から蒸発部20に供給される液相状の改質水を水蒸気化させる。改質部22は蒸発部20の下流に設けられており、蒸発部20で生成された水蒸気でガス状または液状の燃料原料を水蒸気改質させてアノードガス(水素リッチのため還元性雰囲気)を生成させ、アノードガスをアノードガス通路14およびアノードガスマニホルド13を介してアノード11側の多孔質導電部11wの通路11rに供給させる。アノードガスは水素ガスまたは水素含有ガスである。
筐体9は、筐体9の収容室91と、外気とを連通させる外気取込口92と、外気連通口93とをもつ。燃料電池モジュール3は筐体9の内部に収容されており、発電室32を形成する断熱材で形成された容器状の断熱部30を有する。断熱部30の発電室32にスタック1および改質器2を燃焼用空間23を介して収容することにより、燃料電池モジュール3は形成されている。
燃料電池モジュール3では、スタック1の上側には改質器2(改質部22および蒸発部20)が配置されている。燃料電池モジュール3では、スタック1と改質器2(改質部22および蒸発部20)との間には、燃焼用空間23が形成されている。殊に、スタック1の上部と改質器2(改質部22および蒸発部20)の下部との間には、燃焼用空間23が形成されている。
図13に示すように、改質水系4は、改質部22における水蒸気改質において水蒸気として消費される液相状の改質水を蒸発部20を介して改質部22に供給するものであり、水精製器40と改質器2の蒸発部20とを結ぶ改質水供給通路41と、改質水ポンプ42(改質水搬送源)と、給水バルブ43とを有する。水精製器40は、水を浄化させ得るイオン交換樹脂等の水精製材40aを有する。図13に示すように、燃料原料供給系5は、炭化水素系の燃料原料を改質器2に供給させるために燃料源50に繋がる燃料原料供給通路51と、入口バルブ52と、流量計53、脱硫器54と、燃料原料ポンプ55(燃料原料搬送源)とを有する。カソードガス供給糸6は、空気であるカソードガスを燃料電池モジュール3の発電室32に供給するカソードガス供給通路60と、除塵フィルタ61と、カソードガスポンプ62(カソードガス搬送源)と、流量計63とを有する。
カソードガスポンプ62が駆動すると、外気は外気取込口92から収容室91に流入し、除塵フィルタ61およびカソードガス供給通路60を介してカソードガスとして燃料電池モジュール3の発電室32に供給される。外気取込口92から取り込まれる外気(カソードガス)の温度を検知する温度センサ102が、筐体9の外気取込口92付近において設けられている。蒸発部20で生成される水蒸気の温度を検知する温度センサ218が蒸発部20に設けられている。改質器2の改質部22の温度を検知する温度センサ104が改質器22に設けられている。
スタック1の温度を検知する温度センサ105がスタック1に設けられている。センサ102,218,104,105の各信号は制御部100に入力される。
図13に示すように、貯湯系7は、熱交換器74および貯湯タンク70を循環する循環通路71と、貯湯タンク70と、循環通路71に設けられた貯湯ポンプ72(貯湯用水の水搬送源)とを有する。循環通路71は、貯湯タンク70の下側の出水ポート70pから導出された往路71aと、貯湯タンク70の上側の入水ポート70iに導入された復路71cとを有する。貯湯ポンプ72が作動すると、貯湯タンク72の水は、出水ポート70pおよび循環通路71の往路71aを介して熱交換器74の水通路74wに供給され、熱交換器74のガス通路74gにおける排気ガスとの熱交換により加熱され、復路71cおよび入水ポート70iから貯湯タンク70に帰還する。これにより貯湯タンク70は温水を貯留させる。貯湯タンク70の上部には温水取出通路70mが接続され、下部には新水通路70kが接続されている。貯湯タンク70では、上部の温水は下部よりも暖かいため、温水取出通路70mから取り出される。貯湯タンク70の水が不足するとき、新しい水が新水通路70kから貯湯タンク70の下部に導入される。
燃料電池モジュール3の近傍には熱交換器74が設けられている。熱交換器74は、燃料電池モジュール3から排出される排気ガス(スタック1の発電運転に伴い発生する高温の排気ガスが通過するガス通路74gと、貯湯系7の循環通路71の水が通過する水通路74wとをもつ。そして、熱交換器74のガス通路74gを流れる排気ガスの熱は、貯湯系7の循環通路71の水に伝達される。熱交換器74のガス通路74gから排気ガス通路75が筐体9の排気口76に向けて延設されている。燃料電池モジュール3の発電室32で生成された排気ガスは、熱交換器74で冷却された後、排気ガス通路75を介して排気口76から外気に排出される。熱交換器74のガス通路74gから凝縮水通路77が水精製器40に向けて延設されている。従って排気ガスに含まれている気相状の水分は、熱交換器74において冷却されて凝縮水を生成する。凝縮水は凝縮水通路77から重力等により水精製器40に供給される。
さて、スタック1の発電運転時には、バルブ52が開放した状態で燃料原料ポンプ55が駆動し、ガス状または液状の燃料原料が燃料原料供給通路51を介して改質器2の蒸発部20に供給される。また改質水ポンプ42が駆動し、改質水タンク44の液相状の改質水が改質水供給通路41を介して蒸発部20に供給される。ここで、蒸発部20は改質水を水蒸気化させる。水蒸気は改質部22に供給される。改質部22は燃料原料を水蒸気改質させ、アノードガスを生成させる。燃料原料がメタン系である場合には、水蒸気改質ではアノードガスの生成は、次の(1)式に基づくと考えられている。固体酸化物形のスタック1では、Hの他にCOも燃料となりうる。
(1)…CH+2HO→4H+CO
CH+HO→3H+CO
生成されたアノードガスは、アノードガス通路14およびアノードガスマニホルド13を介して、スタック1のアノード11側の通路11rに供給されて発電に使用される。またカソードガスポンプ62が駆動しているため、筐体9の外部の外気がカソードガスとして除塵フィルタ61およびカソードガス供給通路60を介して燃料電池モジュール3の発電室32に供給され、通路32rを介してカソード12に供給される。これによりスタック1が電力負荷170と接続されている状態において、スタック1はアノードガスとカソードガスとにより発電する。
発電反応においては、水素含有ガスで供給されるアノード11では基本的には(2)の反応が発生すると考えられている。酸素が供給されるカソード12では基本的には(3)の反応が発生すると考えられている。カソード12において発生した酸素イオン(O2−)がカソード12からアノード11に向けて電解質15を伝導する。
(2)…H+O2−→HO+2e
COが含まれている場合には、CO+O2−→CO+2e
(3)…1/2O+2e→O2−
発電反応後のアノードオフガスは、スタック1の上方の燃焼用空間23に排出され、発電反応後のカソードオフガスおよび発電反応を経ていないカソードガスにより燃焼し、燃焼火炎24を燃焼用空間23において形成し、その後、排気ガスとして、熱交換器74を経て排気ガス通路75の先端の排気口76から筐体9の外部に放出される。排気ガスに含まれる水分が凝縮した凝縮水は、熱交換器74から導出される凝縮水通路77から水精製器40に供給され、水精製器40で精製される。精製された水は、改質水タンク44に改質水44wとして貯留される。なお、アノードガス(燃料原料)の流量としては、スタック1のアノード11における発電反応で使用される流量と、燃焼用空間23においてアノードオフガスが燃焼火炎24を形成する流量と、余裕流量とを加算した流量が設定されている。カソードガスの流量としては、スタック1のカソード12における発電反応で使用される流量と、燃焼用空間23において燃焼用空気として燃焼火炎24を形成する流量と、余裕流量とを加算した流量が設定されている。
蒸発部20は、燃焼用空間23の燃焼火炎24により加熱される。蒸発部20は、炭化水素系の燃料原料を水蒸気改質させる改質触媒部220を有する水蒸気改質反応室(吸熱室)を有する改質部22に繋がる。改質触媒部220は、水蒸気改質反応を促進させる改質触媒と、改質触媒を担持するセラミックス担体(例えばアルミナ、マグネシア)とを有する。触媒としては、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、金等の貴金属系、または、ニッケル等の卑金属系等の公知のものが例示される。本実施形態によれば、制御部100は、上記した各実施形態の増水処理および/または減水処理を実行させることができる。
(その他)
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。スタック1は実施形態では円筒平板型であるが、これに限らず、平板積層型、チューブ型でも良い。蒸発部20は改質部22と一体的に形成されているが、これに限らず、蒸発部20は改質部22から物理的に分離されていても良い。改質水ポンプ42、燃料原料ポンプ55およびカソードガスポンプ62はポンプに限らず、コンプレッサ、ファンでも良い。上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
[付記項1]改質水が流れる給水通路と、給水通路に設けられ水を水蒸気化させる蒸発部と、蒸発部の下流に配置され蒸発部で生成された水蒸気を用いて燃料原料を改質させてアノードガスを生成させる改質部と、改質部で生成されたアノードガスとカソードガスとで発電する燃料電池と、給水通路に設けられ水源の水を蒸発部に供給させる水搬送源と、水搬送源を制御する制御部とを具備する燃料電池システム。水搬送源により水は蒸発部に供給される。
本発明は例えば定置用、車両用、電子機器用、電気機器用の固体酸化物形燃料電池システムに利用することができる。
1はスタック、11はアノード、12はカソード、2は改質器、20は蒸発部、22は改質部、23は燃焼用空間、24は燃焼火炎、3は燃料電池モジュール、30は断熱部、32は発電室、32rは通路、4は改質水系、40は水精製器、41は改質水供給通路、42はポンプ(水搬送源)、44はタンク(水源)、5は燃料原料供給系、51は燃料原料供給通路、55は燃料原料ポンプ(燃料原料搬送源)、6はカソードガス供給系、60はカソードガス供給通路、62はカソードガスポンプ(カソードガス搬送源)、100は制御部、150はメモリ(記憶部)、160は操作部、170は電力負荷を示す。

Claims (5)

  1. 水が流れる給水通路と、前記給水通路に設けられ水を水蒸気化させる蒸発部と、前記蒸発部の下流に配置され前記蒸発部で生成された水蒸気を用いて燃料原料を改質させてアノードガスを生成させる改質部と、アノードガスとカソードガスとで発電する燃料電池と、前記給水通路に設けられ水源の水を前記蒸発部に供給させる水搬送源と、前記水搬送源を制御する制御部とを具備しており、
    前記制御部は、
    前記蒸発部の温度もしくは前記蒸発部で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度以上となるとき、または、前記蒸発部の温度もしくは前記蒸発部で生成された水蒸気の温度が前記第1閾値温度以上になると推定されるとき、前記水搬送源の出力を増加させて前記蒸発部に供給する単位時間当たりの水の流量を増加させる増水処理を実行する燃料電池システムであって、
    前記増水処理後において前記搬送源の出力を低下させる減水処理を実行するときのカウント数が、前記増水処理後の前記所定時間以内に、所定回数以上となるとき、前記制御部は、前記増水処理における前記水搬送源の出力値と前記減水処理における前記水搬送源の出力値との間に、前記水搬送源の出力値を設定する燃料電池システム
  2. 請求項1において、前記制御部は記憶部を有しており、前記記憶部は、前記燃料電池の電力負荷の負荷が増加するにつれて前記水搬送源の出力を増加させるように前記電力負荷と前記水搬送源の出力との関係を規定した第1技術情報を格納していると共に、前記電力負荷の負荷が増加するにつれて前記水搬送源の出力を増加させるように且つ前記第1技術情報よりも前記水搬送源の出力が増加するように前記電力負荷と前記水搬送源の出力との関係を規定した第2技術情報を格納しており、
    前記制御部は、前記燃料電池の発電運転において、前記第1技術情報に基づいて前記水搬送源の出力を制御しており、
    前記制御部は、前記蒸発部の温度もしくは前記蒸発部で生成された水蒸気の温度が第1閾値温度以上となるとき、または、前記蒸発部の温度もしくは前記蒸発部で生成された水蒸気の温度が前記第1閾値温度以上となると推定されるとき、前記第1技術情報から前記第2技術情報に制御目標を切り替え、前記第2技術情報に基づいて前記水搬送源の出力を増加させる前記増水処理を実行する燃料電池システム。
  3. 請求項2において、前記増水処理の実行後に、前記蒸発部の温度もしくは前記蒸発部で生成された水蒸気の温度が前記第1閾値温度未満となるとき、または、前記蒸発部の温度もしくは前記蒸発部で生成された水蒸気の温度が前記第1閾値温度未満と推定されるとき、
    前記制御部は、前記第2技術情報から前記第1技術情報に切り替え、前記第1技術情報に基づいて前記水搬送源の出力を制御する燃料電池システム。
  4. 請求項1〜3のうちの一項において、発電運転時において、前記蒸発部は、前記燃料電池から吐出されたアノードオフガスを酸素含有ガスにより燃焼させた燃焼火炎により加熱される構造を有する燃料電池システム。
  5. 請求項1〜のうちの一項において、前記制御部は、前記蒸発部の温度もしくは前記蒸発部で生成された水蒸気の温度が前記第1閾値温度以上となった後、前記第1閾値温度よりも高温の第2閾値温度以上となったとき、異状と判定する燃料電池システム。
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