JP2006093023A - 燃料電池システム及びこれを用いた電力供給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 触媒燃焼器における燃焼異常から早急に復帰して、未燃焼水素ガスの放出を抑制する。
【解決手段】 アノードオフガスを燃焼させる触媒燃焼器31は、燃焼触媒部35と、その上流温度を検出する上流温度検出手段36と、下流温度を検出する下流温度検出手段37を備える。燃料電池システム1のコントローラ38は、上流温度検出手段36及び下流温度検出手段37の検出結果に基づいて燃焼状態を判定する燃焼状態判定手段39と、燃焼状態に応じて触媒燃焼器31の再着火制御を行う再着火制御手段40を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池システム及びこれを用いた電力供給システムに関する。
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。特に固体高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池は、動作温度が低く、取り扱いが容易なことから電動車両用の電源として注目されている。すなわち、燃料電池車両は、高圧水素タンク、液体水素タンク、水素吸蔵合金タンクなどの水素貯蔵装置を車両に搭載し、そこから供給される水素と、酸素を含む空気とを燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池から取り出した電気エネルギで駆動輪につながるモータを駆動するものであり、排出物質は水だけであるという究極のクリーン車両である。
固体高分子型燃料電池に用いられる高分子電解質は、湿潤状態でなければ良好な陽イオン伝導性を発揮しないものが多いために、燃料電池に供給する水素ガスまたは酸化剤ガス(以下、両者を併せて反応ガスと呼ぶ)は加湿されている。また、発電効率を高めるために燃料電池の出力電流から要求される反応ガスの質量流量より多くのガスを供給し、余剰の水素ガスは、水素循環経路によりアノード入口へ再循環させている。
このような燃料電池システムにおいて、カソードからアノードへ電解質膜をリークした空気中の不活性ガス(窒素、アルゴン等)は、アノード循環経路内に蓄積して水素分圧を低下させ、発電効率を低下させる。また、発電の電気化学反応により生じる生成水が液水となってガス通路に蓄積し、ガス流通やガス拡散を妨げ、発電効率の低下や発電停止に至ることがある。このような不純物ガスや液水をガス通路内から一掃するために、アノードから排出されるアノーオフガスを循環経路外へ放出するパージ弁が設けられている。
アノードオフガスには、燃焼限界以上の水素ガスが含まれているので、通常、パージ弁の下流には、排水素処理装置として、触媒燃焼装置が設けられる。触媒燃焼装置は、燃焼触媒によりパージガス中の水素を燃焼させて水蒸気として系外へ放出していた(例えば、特許文献1)。
特開2002−198076号公報(第4頁、図1)
しかしながら、上記従来技術によれば、触媒燃焼器に導入されるオフガスを燃焼器の排出ガスで加熱する構成となっていたため、オフガス中の液水を気化させることにより、液水の触媒燃焼器への侵入を防止し、着火性の改善及び着火後の安定した触媒燃焼が可能となるが、システム運転中に異常が発生した場合等においても燃焼を維持できる保証は無く、不測の事態において触媒燃焼が停止し、未燃焼の水素ガスが放出されてしまうという問題点があった。
上記問題点を解決するために、本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスを混合した混合ガスを触媒燃焼器を用いて燃焼処理する燃料電池システムにおいて、前記触媒燃焼器の燃焼状態を判定する燃焼状態判定手段と、該燃焼状態判定手段が燃焼していないと判定した時に、再度燃焼の判定を得られるまで前記触媒燃焼器の再着火制御を行なう再着火制御手段と、を備えたことを要旨とする。
また、上記問題点を解決するために、本発明は、前記燃料電池システムと該燃料電池システムの余剰電力を蓄電する蓄電装置とを備え、前記燃料電池システムと前記蓄電装置とが協同して負荷装置へ電力供給する電力供給システムであって、前記燃焼判定手段を用いて燃焼状態を判定し、燃焼していないと判定した時に再着火制御を行なうことにより燃料電池スタックの発電量が低下する場合には前記蓄電装置から負荷装置へ電力不足分を供給し、再着火制御が負荷装置の運転に影響しないように制御することを要旨とする。
本発明によれば、燃料電池システム運転中に排水素の燃焼処理に異常があり、触媒燃焼器が失火しても、触媒燃焼器の失火をすぐに判定して再着火制御することにより、排出される未燃水素の量を最小限に抑制することができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。尚、本発明における「失火」とは、自動車用語のミスファイア(misfire)に由来する概念であり、触媒燃焼器における燃焼が消える、または触媒活性が低下して良好な燃焼を維持できなくなることを言うものとする。
図1は、本発明に係る燃料電池システムの実施例1の構成を説明するシステム構成図である。本実施例の燃料電池システム1は、燃料電池スタック2に発電反応を行なわせて電力制御装置18を介して負荷装置20へ電力供給するとともに、燃料電池スタック2が発電した余剰電力を蓄電装置19に蓄電し、燃料電池スタック2の発電電力が不足する場合、蓄電装置19からも負荷装置20へ電力を供給するものである。負荷装置20は、例えば車両駆動用モータであり、車両の走行トルクを発生させる。
また、燃料電池スタック2の発電効率の低い低出力領域では、発電を一時停止させて、蓄電装置19から負荷装置20へ電力供給することにより、システム効率の向上が可能である。この蓄電装置19は、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、キャパシター等の既存の蓄電装置を用いることが可能である。これらの電力の制御は電力制御装置18にて行なわれる。
燃料電池スタック2は、発電反応を発生させるための水素を多量に含む燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガスとが供給されることによって発電する。この燃料電池スタック2は、例えば、固体高分子電解質膜を挟んで、燃料ガスとして水素が供給されるアノード(水素極)2aと酸化剤ガスとして空気が供給されるカソード(空気極)2bとを対設した燃料電池セルを備え、該燃料電池セルを複数積層することによって構成されている。すなわち、この燃料電池スタック2による発電は、アノード2aにて水素が電子を放出してイオン化し、生成された水素イオン(H+ )が高分子電解質膜を通過してカソード2bに到達し、この水素イオンがカソード2bにて酸素と結合して水(H2O)を生成することによって行われる。
このような燃料電池スタック2を発電させるに際して、燃料電池システム1では、燃料電池スタック2に導入する空気及び水素ガスの流量や圧力をコントローラ38によって制御する。
また、コントローラ38は、触媒燃焼器の燃焼状態を判定する燃焼状態判定手段39と、燃焼状態判定手段39が燃焼していないと判定した時に、再度燃焼の判定を得られるまで触媒燃焼器31の再着火制御を行なう再着火制御手段40とを備えている。
コントローラ38は、燃料電池システム1の運転中に燃焼状態判定手段39により触媒燃焼器31の燃焼状態を判定し、触媒燃焼器31が燃焼していないと判定したときに、再度燃焼の判定が得られるまで再着火制御手段40により触媒燃焼器31の再着火制御を行う。これにより、燃料電池システム運転中に排水素の燃焼処理に異常があり、触媒燃焼器が失火しても、触媒燃焼器の失火をすぐに判定して再着火制御することにより、排出される未燃水素の量を最小限に抑制することができるという効果がある。
本実施例においては、特に限定されないがコントローラ38は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、作業用RAM(Random Access Memory)及び入出力インタフェース等で構成され、ROMに記憶しておいたプログラムを実行することにより、燃料電池システム1を構成する各要素の動作を制御する。
また燃料電池スタック2に空気を導入するため、燃料電池システム1は、空気を圧縮する圧縮機8,圧縮機8で圧縮された空気を冷却する冷却器4、空気供給配管5、冷却器4でで冷却された空気にカソード排気の水分を加湿する加湿器6を備えている。
また燃料電池スタック2に水素ガスを供給するため、燃料電池システム1は、水素ガスを貯蔵する水素タンク11、水素供給配管12、水素圧力を運転圧力に調整する水素圧力調整弁13、アノードオフガスをアノード入口へ循環させる経路である水素循環配管14、アノードオフガスを圧送する水素循環ポンプ15、及びパージ弁16を有する。
燃料電池スタック2からのアノードオフガス(カソード排出ガス)を燃焼するために触媒燃焼器31を備える。また、燃料電池スタック2の下流の空気配管(カソードオフガス配管9)に酸化剤ガス流量検出手段10を設けることにより、触媒燃焼器31へ流入する酸化剤ガスの流量が測定可能である。触媒燃焼器31へ流入する酸化剤ガスの流量を検出することにより後述する各制御の応答性・信頼性を向上したり、配管の漏れ等のシステム不具合の検知が容易になる。
このような燃料電池システム1において、コントローラ38は、燃料電池スタック2を発電させる場合、圧縮機3を駆動して外気を取り込むことにより圧縮した空気を空気供給配管を介して燃料電池スタック2のカソード2bに供給する。このとき、燃料電池システム1では、空気供給配管5に設けた加湿器6によって燃料電池スタック2に供給する空気を加湿して、水分を含んだ状態の空気を燃料電池スタック2に導入する。
そして、燃料電池スタック2の発電に使用されなかったガスおよび発電の生成物である水分は、空気排出配管9を介してカソードオフガスとして酸化剤ガス流量検出手段10を通り、触媒燃焼器31に導入される。
また、コントローラ38は、燃料電池スタック2を発電させる場合、水素タンク11に内蔵する元弁や水素圧力調整弁13等の水素供給装置を制御することにより、水素供給配管12を介して燃料電池スタック2のアノード2aに水素ガスを供給する。なお、水素供給装置としては、水素タンク11から水素ガスを直接燃料電池スタック2に供給するものに限らず、炭化水素燃料やアルコール類等の原燃料を改質する改質器等を備え、水素リッチな改質ガスを供給するものであっても良い。
また、燃料電池スタック2の発電に使用されなかった水素ガス(アノードオフガス)は、通常水素循環配管14を介して再度燃料電池スタック2に導入される。水素循環配管14、水素循環ポンプ15や燃料電池スタック2のアノード2a内の不純物を排出する場合には、水素循環系の配管に設けたパージ弁16がコントローラ38によって開かれ、アノードオフガスは触媒燃焼器31に導入される。
触媒燃焼器31は、カソードオフガス及びアノードオフガスが導入され、これらカソードオフガス及びアノードオフガスを用いて燃焼動作を行って、水素濃度を十分に低下させた燃焼ガスにして排出する。なお、この触媒燃焼器31は、アノードオフガスを用いずに直接原燃料を燃焼させるものであっても良い。具体的には、触媒燃焼器31は、下流に設置した熱交換器を用いて燃焼熱を改質器に供給するシステムにおいては、改質に使用される原燃料が直接供給されて燃焼動作を行なう。
このような燃料電池システム1では、空気を加湿して燃料電池スタック2に導入し、燃料電池スタック2から排出されたカソードオフガスを触媒燃焼器31に導入させているため、カソードオフガスに含まれる水分が空気排出配管や触媒燃焼器31内で凝縮する可能性がある。このような凝縮水分は、触媒燃焼器31で十分な熱を発生させている場合には、この燃焼熱によって蒸発して燃焼ガスと共に外部に放出される。また、この凝縮水分は、触媒燃焼器31の燃焼熱が水分を蒸発させるのに不十分な場合であっても、触媒燃焼器31に導入されるガス流量が多い場合や触媒燃焼器31内のガス流速が高い場合には触媒燃焼器31内のガス流動及びガス圧力によって、触媒燃焼器31外に排出される。
次に、上述した燃料電池システムにおける触媒燃焼器31の具体的な構成について説明する。触媒燃焼器31は、例えば円筒形状の配管である筐体に、アノードオフガス導入口33及びカソードオフガス導入口32が設けられる。また、この触媒燃焼器31は、内部に、アノードオフガスとカソードオフガスとを混合する混合気形成部34と、混合気形成部34にて形成された混合ガスを燃焼する燃焼触媒部35とが備えられている。
混合気形成部34は、スワラー、複数枚の多孔板、等既存のガス混合技術からなり、カソードオフガスに対してアノードオフガスを均等に混合することができるように構成されている。燃焼触媒部35は、水素を燃焼させる触媒、例えばメタルハニカムやセラミックハニカム等の担体に白金等の貴金属を担持して構成されている。また、図示しないが、燃焼触媒部35は、電流が供給されることにより、電気抵抗によって自己発熱する電熱触媒を備えるとなお良い。このように電流供給されることによって自己発熱機能を備えた燃焼触媒部35は、ガス燃焼時に供給される電流値がコントローラ38によって制御される。
燃料供給経路であるアノードオフガス導入口33は、例えばカソードオフガス導入口32からのカソードオフガス流路に対して直角にアノードオフガスを導入する位置に設けられている。この触媒燃焼器31の筐体としては、燃焼時の温度及び圧力に耐えられる物質、例えばステンレス合金等の材質によって構成される。また、この触媒燃焼器31の筐体形状や容量は、要求されるガス流量、発熱量等の要求を満足できるように設計されている。燃焼触媒部35で燃焼されたガスは図示しない下流の排気管からシステム外へ排出される。
燃料電池システム運転中はコントローラ38によって、運転状態がモニタリングされ、適切な制御が施される。この時に触媒燃焼器31の動作確認方法として、燃焼触媒部35にて正しい燃焼が行なわれているかを判定することが可能である。燃焼触媒部35における燃焼状態の判定方法として、例えば燃焼触媒部35前後に設置されている上流温度検出手段36および下流温度検出手段37を用いて、その温度差から燃焼触媒部35における燃焼による昇温幅を計算可能である。この燃焼触媒部35における燃焼による昇温幅とシステムの運転状態から想定される排出水素濃度における燃焼温度を比較することにより、触媒燃焼器31が正しく動作しているか判定可能である。
例えば、あるシステムの運転状態において排出されるアノードオフガスをカソードオフガスと混合した時の水素濃度が4[%]程度だと想定された場合、燃焼触媒部35における燃焼では上流温度検出手段36の温度よりも下流温度検出手段37の温度は300[℃]程度高くなることが想定される。
この時に燃焼触媒部35前後の温度差が著しく高い(温度差400[℃]以上)または低い(温度差100[℃]未満)または上流温度の方が下流温度より高い(温度差が負の値)場合、何らかの異常だと判断可能である。燃焼触媒部35において正しく燃焼されていない場合の制御の実施例については後述する。
このように、触媒燃焼による温度上昇幅を想定し、触媒上流・下流の温度を計測することにより、触媒燃焼の状態を正確に判定できるという効果がある。また、触媒上流・下流の温度を計測することにより、吹き消え/失火以外に逆火等も判定可能となるという効果がある。
[失火/吹き消え判定制御の実施例]
図2に触媒燃焼器の失火/吹き消え判定の基本的な制御を示す。本制御は燃料電池システム1のコントローラ38におけるサブルーチンとして、システム運転中常に一定間隔、例えば200[ms]毎に実施される。ステップS100において判定を開始する。ステップS101において、上位コントローラから現在のシステム運転状態に関する情報を得る。
この運転情報とは、例えば、燃料電池スタック1に供給する水素及び空気の温度・圧力・流量、燃料電池スタック内の温度・圧力・燃料電池の発電電圧・発電電流、排出されるオフガスの温度・流量、等がある。
ステップS102において、燃焼触媒部35の上流および下流の温度検出手段36,37により温度情報を取得する。次にステップS103に水素排出(システム運転)開始後の時間が所定時間(例えば運転開始後5[sec])を超えているか否かを判定し、所定時間未満の場合、経過時間不十分とし、十分なシステムの運転が行なわれていないため、本サブルーチンでの失火/吹き消え判定は行なえないとし、ステップS100へと戻る。
ステップS103での経過時間が所定時間を超えた場合、十分なシステム運転が行なわれていると判断し、失火/吹き消え判定の制御を継続する。ステップS104においては、ステップS101にて得たシステム運転情報から燃焼触媒に供給されるオフガス混合気の水素濃度を推定する。この水素濃度の推定には、予め定められたシステム運転条件をパラメータとする計算式を用いることが可能であり、この計算式は燃料電池の設計によって異なり、設計者により最適化される。
ステップS104にて推定された水素濃度からステップS105にて理論燃焼温度を予測する。この理論燃焼温度は、供給されるガスの組成・流量及び燃焼触媒部35の寸法形状等から燃焼工学的に温度上昇幅(以下推定昇温幅とする)の計算が可能である。ステップS106においてステップS102にて得た触媒の上流および下流の温度データから温度差(以下触媒温度差とする)を計算し、この触媒温度差をステップS105にて予測した推定昇温幅と比較する。この比較結果から、触媒温度差が推定昇温幅よりも大幅に低い場合には失火/吹き消えしたとステップS107で判断し、ステップS108にて再着火制御へと移行する。
ステップS106において、触媒温度差と推定昇温幅が等しいまたこの二つの差が十分に小さい場合には問題無く燃焼していると判断し、ステップS100の判定開始または上位コントローラの制御へと戻る。
なお、ステップS106における触媒温度差と推定昇温幅の差の閾値として、例えば温度差50℃等の一定の温度差やステップS105にて計算された燃焼温度±10[%]等の運転状態により変動する閾値を用いることが可能である。このステップS106での判定に用いる温度差の閾値が小さ過ぎると、失火/吹き消えが発生していないのに失火/吹き消えしたと判定し、再着火制御を頻繁に行なう可能性があり、逆に閾値が大き過ぎると実際に失火/吹き消えが発生しても認識されない可能性があり、失火/吹き消え判定に用いる閾値は各ステップにて取得・計算される値の精度を十分に考慮して決定する必要がある。
次に図3を用いて、図2におけるステップS102とS103の間に逆火判定を含む場合の逆火判定サブルーチンの実施例を示す。図2における制御と同様にステップS100、S101、S102を経てからステップS111から逆火判定サブルーチンへと制御は移行する。
第一の逆火判定として、ステップS111においてステップS102にて取得した触媒上流の温度が閾値を超えているか判定する。通常のスタック運転条件ではオフガス混合気供給温度がスタック運転温度を超えることは無く、スタック下流でかつ触媒よりも上流で燃焼(逆火)した場合、触媒へ供給される混合気の温度がスタックの通常運転温度を大幅に超えるため、ステップS111の判定閾値をスタック通常運転温度よりも高い温度とする。
例えば車両用の固体高分子型スタックの場合、通常のスタック運転温度は100[℃]以下であるため、ステップS111での判定閾値を例えば150[℃]と設定することが可能である。ステップS111において、触媒上流の温度が閾値を越えた場合、逆火が発生したと判断し、ステップS114から異常処理制御へとシステム制御を移行する。また、触媒上流温度が閾値以下の場合、第二の逆火判定ステップS112へと進む。ステップS112においては、触媒上流と下流の温度を比較する。
通常燃焼の場合、触媒燃焼によって昇温するため、触媒上流温度よりも触媒下流温度の方が高くなる。しかし、触媒燃焼中に逆火が発生すると触媒上流で気層燃焼が発生し触媒上流の温度が急激に上昇し、さらに気層燃焼によって燃料が消費されるため、触媒で燃焼される燃料が少なくなり、その分触媒下流の温度が低下する。
よって、ステップS112において触媒上流の温度が触媒下流の温度よりも測定誤差を越えて上回った場合、逆火したと判定し、ステップS114から異常処理制御へとシステム制御を移行する。例えば、測定誤差を考慮し、触媒上流温度が触媒下流温度よりも50[℃]以上高い場合には逆火と判断することが可能である。
触媒上流の温度が触媒下流温度も低い場合や温度差が少ない場合、逆火発生は無いと判断し、ステップS113から通常の失火/吹き消え判定制御をステップS103から継続する。
なお、本逆火判定サブルーチンは例えば図2におけるステップS102からステップS106の間のどこの部分に挿入しても同等な効果を得ることが可能である。
[失火/吹き消え発生時における再着火制御の詳細]
図4は、再着火制御の方法として触媒の自己加熱機能を働かせる場合のフローチャートである。図5は、再着火制御の方法としてアノードから排出される排水素流量を増加させる場合のフローチャートである。図6は、再着火制御の方法として触媒表面の液水を除去または削減する場合のフローチャートである。図7は、再着火制御の方法としてカソードから排出されるカソードオフガスの流量を低下させる場合のフローチャートである。
図4乃至図7の各図に示すステップS200において、通常運転制御から失火/吹き消え判定サブルーチンへと制御を移行する。
ステップS201においては、例えば前出の図2および図3に記載の[失火/吹き消え判定制御の詳細]と同様な判定を行なうことが可能である。ステップS201において、通常燃焼中であると判定された場合、ステップS200へ戻り通常の運転が継続される。ステップS201において、失火/吹き消えが発生したと判定された場合、再着火制御が行なわれる。
触媒の自己加熱機能を働かせて再着火制御する場合、例えば図4に示すステップS212において電熱触媒に電流を流すことにより、触媒の温度を昇温可能である。電熱触媒を用いることにより、軽量・安価・簡素的な自己加熱機能を触媒に持たせることができる。また、燃料電池スタックより発電される豊富なエネルギーを用いて触媒を通電させることにより自己加熱させるため、効率的な触媒の昇温ができるという効果がある。
アノードから排出される排水素流量を増加させて再着火制御する場合、例えば図5に示すステップS222において水素循環系に設置されているパージ弁を開く、またはパージ弁の開度を上げる等、アノードオフガスラインの圧損を下げる等によりパージ水素の流量を増加させ、それに伴いオフガス混合気内の水素濃度を上昇させることが可能である。
アノードより排出される排水素流量を増加させることにより、触媒燃焼器内の水素濃度を上昇させることができ、効果的な再着火が可能となる。
触媒表面を被う液水を除去または削減して再着火制御する場合、例えば図6に示すステップS232において燃料電池スタックに供給される空気を増やし、それに伴いカソードオフガス流量が増加し、その圧損およびガス流動を用いて触媒表面の液水を除去することが可能である。
触媒表面を液水が被うと、触媒の効果を得られなくなり、吹き消え/失火し易くなる。触媒表面の液水を除去することによって、触媒効果を得られるようにすることにより、効果的な再着火が可能となる。
また、カソードオフガスの流量を低下させて再着火制御する場合、例えば図7に示すステップS242において燃料電池スタックに供給される空気を低下させ、それに伴い触媒へ供給される混合気の触媒内のガス空間速度SVを低下させることが可能である。
カソードオフガス流量を低下させることにより、触媒中を流れる混合気の滞留時間を増やすことが可能となり、その結果触媒反応を促進できるため効果的な再着火が可能である。また、アノードオフガス量が同じでカソードオフガス流量のみを低下させると、混合気内の水素濃度が上昇し、再着火し易くなる。
また、燃料電池システムの発電量を下げることにより、システムより排出されるガスの総流量が低下するため、同様に滞留時間を増やして触媒反応を促進する効果が得られる。
これらステップS212、S222、S232、S242に記載した制御を行なうことにより、触媒の再着火が促される。その後、S213にて再着火の判定を行なう。再着火された場合、その燃焼熱によって触媒下流の温度は再着火制御前に比較して上昇するため、例えば再着火判定としては、触媒下流の温度推移から、判定可能である。または、ステップS201の失火/吹き消え判定と同様な判定制御を行ない、失火/吹き消えしていないと判定されたら再着火に成功したと判定しても良い。再着火したと判定された場合、制御は通常運転ステップS200に戻る。
再着火しなかった場合、破線にて図示してあるように、一つ前のステップ(S212、S222、S232、またはS242)に戻して、再度再着火制御を行なう(再着火制御を継続する)ことにより、再着火を促すことが可能である。または実線で図示したステップS214、S224、S234、またはS244のように各再着火制御をより強力に行なうことも可能である。
例えば、図4に示すステップS214においては電熱触媒へ供給される電流を増加することにより、ステップS212よりも強力に再着火を促せる。また図7に示すステップS244においては、カソードオフガスを更に低下させることにより、ステップS214よりも混合気が触媒内に滞留する時間が延びることにより再着火を促せる。
再着火制御においては、カソードオフガスの流量を極端に低下させ過ぎたり、アノードオフガスの流量を増加させ過ぎたりすることによって、混合気内の水素濃度が上がり過ぎると逆火の発生原因となるため、逆火しない範囲での再着火制御となるように設計者は制御パラメータを検討する必要がある。
また、ステップS213における再着火判定において、逆火判定のサブルーチン、例えば図3に示した制御、を含むことにより、再着火制御中の不慮の逆火にも対応可能になる。
[複数の再着火制御方法を用いる場合の実施例]
図8に複数の再着火制御方法を用いる場合の実施例2を示す。システム運転中に例えば前出の図2および図3に示すような失火/吹き消え判定を行なうサブルーチンによって、失火/吹き消えが発生したと判定された時に、図8に示すステップS301より開始される制御へ移行し、失火原因に応じた再着火制御を行う。本実施例によれば、失火原因に応じて効果的な再着火制御方法を選択実施することにより、再着火までに要する時間を短縮およびシステム効率を向上でき、未燃水素の総排出量を削減できるという効果がある。
図8のステップS301において、失火/吹き消えの原因を判定し、その結果に基づいて、再着火制御を選定する。例えば、ステップS302、S303、S304、S305の4種類の再着火制御から選定し、その選定結果に応じた制御を行なう。
これら4種類の制御は、例えば前出の図4〜7のステップS212、S222、S232、およびS242に記載の制御をそれぞれ用いることが可能である。また、想定原因に選定範囲外の原因によって失火/吹き消えした場合、何らかの異常であると判断し、ステップS306においてその他の異常処理を行なう制御へと移行する。
再着火制御を行なった後に前出と同様にステップS213にて再着火判定を行ない、再着火した場合はステップS200における通常運転へ制御を戻す。再着火が確認できない場合、該当する各再着火制御ステップS302〜S305に戻り、再着火制御を継続する。
ステップS301の失火/吹き消え原因の詳細な判定方法として、例えば図9に記載のサブルーチンを用いることが可能である。ステップS310において、ステップS301からの制御が移行される。ステップS311において、先ず要因判定Aとして、燃焼器が失火/吹き消えした原因として、触媒へ供給される混合気の流量過大か判定を行なう。
SVが過大だと判定したら、ステップS312において、空気流量過大による吹き消えと判定する。ステップS311においてSVに問題無いと判定された場合、ステップS313において要因判定Bを行なう。
ステップS313において、触媒へ供給される混合気の水素濃度が十分か判定する。水素濃度が低下し、不足していると判定された場合、ステップS314において、水素濃度低下による失火と判定する。ステップS313において、水素濃度が十分だと判定された場合、ステップS315において、要因判定Cを行ない、多量の凝縮水が触媒へ供給されたかを判定する。
触媒への凝縮水の供給の有無は、例えばスタックおよび水素循環系において凝縮水パージが行なわれたか診断する、または急激なオフガスラインの温度低下が発生したか診断することで判定可能である。ステップS315において凝縮水が発生したと判定された場合、ステップS316にて凝縮水が触媒を被ったことによる失火だと判定する。
ステップS315において凝縮水の発生は無いと判定された場合、ステップS317にて要因判定Dを行なう。要因判定Dとして、触媒の温度または触媒へ供給される混合気の温度が十分温まっているかを判定する。例えば触媒へ供給される混合気の温度が70[℃]以上ならば十分に温まっていると判定することが可能であるが、実際の判定基準温度の閾値は触媒の性能に応じて設計者が決定すれば良い。
ステップS317で温度が低いと判定した場合、ステップS318に温度低下による失火と判定する。ステップS317において、混合気の供給温度が十分に高いと判定された場合、判定要因A〜Dのいずれも原因では無いと判定され、ステップS319においてその他のシステム異常が起きている可能性があるとし、上位コントローラに異常信号が送られる。ステップS312、S314、S316、S318において判定された各失火/吹き消え原因に応じて、図8に記載のステップS302〜S305のいずれかを実施する。
次に失火/吹き消え原因として、複数の要因の組み合わせを判定する制御の実施例を図10に示す。図中のステップS310、S313、S313、S315、S317は前出の図9に示した制御の実施例と同様な制御を行なう。
本制御は、システムコントローラのメモリ機能に失火/吹き消え要因フラグ用のメモリブロックを例えば予め4ビット設定する。この4ビットの各ビットが各失火/吹き消え要因を示すように予め設定され、例えば4つの要因A、B、C、DのフラグをDCBAの4桁の2進数で示す。
例えばフラグ「1100」では失火/吹き消え要因のDとCを組み合わせた原因であり、フラグ「0001」では要因Aのみが原因で燃焼が停止したと判定されたことを示す。ステップS310において複数要因判定サブルーチンを開始し、ステップS320において失火/吹き消え要因フラグをリセットする。
フラグのリセットによってフラグは「0000」となる。ステップS311にて要因判定Aを行ない、SVが過大だと判定された場合、ステップS321にて要因判定Aのフラグが「0」から「1」に変更される。この結果、要因判定フラグは「0001」となる。
ステップS311にて、SVに問題は無いと判定された場合、要因判定フラグには何もされないため、要因判定Aのフラグは「0」のままである。要因判定フラグは「000*」の状態でステップS313の要因判定Bが開始される。なお、「*」とは「0」または「1」でサブルーチン上位ステップの結果によりことなるフラグの値を示す。
ステップS313にてH2濃度が希薄か判定し、H2濃度が希薄だと判定された場合、ステップS322にて要因判定Bのフラグが「0」から「1」に変更される。この結果、要因判定フラグは「001*」となる。ステップS313にて、H2濃度に問題無いと判定された場合、要因判定フラグには何もされないため、要因判定Bのフラグは「0」のままである。
要因判定フラグは「00**」の状態でステップS315の要因判定Cが開始され、同ステップS315にて凝縮水の発生が判定される。ステップS315にて凝縮水が発生したと判定された場合、ステップS323にて要因判定Cのフラグが「0」から「1」に変更される。この結果、要因判定フラグは「01**」となる。
ステップS315にて、凝縮水は未発生だと判定された場合、要因判定フラグには何もされないため、要因判定Cのフラグは「0」のままである。要因判定フラグは「0***」の状態でステップS317の要因判定Dが開始され、同ステップS317にて温度が判定される。ステップS317にて温度が低いと判定された場合、ステップS324にて要因判定Dのフラグが「0」から「1」に変更される。この結果、要因判定フラグは「1***」となる。
ステップS317にて、温度は十分に高いと判定された場合、要因判定フラグには何もされないため、要因判定Dのフラグは「0」のままである。要因判定フラグは「****」の状態でステップS325の要因判定フラグ確認が行なわれる。ここで、要因判定フラグが全くたっていない「0000」状態の場合、ステップS319にてその他のシステム異常が起きている可能性があるとし、上位コントローラに異常信号が送られる。なんらかの要因判定フラグが立っている場合(「****」の中に一つ以上の「1」があれば)、その各フラグ「1」が立っている要因を組み合わせた複合原因であると判定し、上位制御にて各複合要因に対応した再着火制御を行なう。
続いて、図11において、複数の再着火要因がある場合における再着火制御サブルーチンの実施例を示す。本サブルーチンは例えば前出の図10で示した要因判定サブルーチンの実施結果を受けて実行される。
本実施例においては図10サブルーチンがステップS326で終了した後に上位コントローラへ戻さずにステップS331へ制御が継続される場合においての説明を行なう。なお、図10のサブルーチンにおいて要因判定フラグ「****」はステップS326にて決定された物を用いる。
要因判定フラグ「0000」の際には図10に示したステップS319にてその他の異常処理がなされている。要因判定フラグが「0001」、「0010」、「0100」、「1000」の4つのいずれかの場合、複合要因でなく、フラグの立っている要因の失火/単独原因による吹き消えだと判断され、ステップS332から単独原因に対応する再着火制御が行なわれる。
例えば、ステップS322が前出の図8におけるステップS301に相当する制御を担い、続いてステップS302、S303、S304、またはS305のいずれかが実施される等、図8に示すステップS301以降のサブルーチンが実施される。
要因判定フラグの「****」において要因が複数ある(「1」のフラグが複数本立っている)場合、図11に示すステップS334〜ステップS344のいずれかが実施される。
例えば、要因判定フラグが「1111」の場合、4要因全て原因であると判定され、ステップS334において4つの再着火制御が同時に、または順番に実行される。同様に要因判定フラグが「0111」の場合、ステップS335において、温度低下対策以外の3つの再着火制御が行なわれる。要因判定フラグの値に応じて、ステップS334〜ステップS344のいずれかの制御サブルーチンが実行された後、ステップS233に再着火判定が行なわれる。再着火判定の方法は前出の実施例と同様な方法を用いれば良い。
S233の再着火判定の結果、再着火が確認された場合、本サブルーチンは終了しステップS200から通常運転へて制御が戻る。ステップS233にて再着火が確認されない場合、再着火制御を継続する必要があり、前出の該当する再着火制御サブルーチンステップS334〜ステップS344のいずれか該当するステップへ戻る制御を行なう。
ステップS334〜ステップS344の再着火サブルーチンの実施例として、要因判定フラグ「1001」におけるステップS342のサブルーチンを図12に示す。ステップS401にて、ステップS342のサブルーチンを開始する。本サブルーチンにおける複合要因は温度低下およびSV過大である。
この場合において、同時に2つの再着火制御を開始する制御も可能であるが、本実施例においては順番に再着火制御を行ない、かつ失火原因判定手段が判定した失火原因に対応した再着火制御がシステム運転条件により行うことができない場合、1種類または複数種類の別の再着火制御を組み合わせて行う場合を示す。推定失火要因から選定した再着火制御が、システム運転条件等の他要因により実施できない場合がある。このような場合は、選定した再着火制御が可能になるのを待たないで別の実施可能な再着火制御を行なうことにより、制御開始を待っている間に排出される未燃水素を無くせるという効果がある。
図12のステップS401の後に、ステップS214にて温度低下に対する再着火制御を開始し、電熱触媒に電流を流す。
本実施例においては、電熱触媒の昇温に用いる電力は十分に小さく、電熱触媒に電流を流してもシステムへの影響は無いものとしている。例えば、燃料電池スタックの発電能力が定格50[kW]、アイドル時5[kW]のシステムにおいて、電熱触媒の昇温に必要な消費電力が250[W]だとすると、ステップS214の制御におけるシステムへの影響は小さいと考えられる。次にステップS402において、SV過大に対する再着火制御を行なっても良いか判定する。
本実施例におけるSV過大に対する再着火制御としては、カソードより排出される空気の流量を下げることにより燃焼触媒内の空間速度(SV)を下げる。しかし、排出水素削減の観点からカソード流量を減らす要求を行なっても、システム運転状態によってはカソード流量低下を許容できない場合がある。
例えば、スタック出力と要求空気流量は密接な関係があり、スタック出力を得るために必要な空気量以下に空気流量を下げることはできない。この場合、システムの運転条件や蓄電装置19の状態からスタックの出力を下げても良いか判定する必要がある。例えば蓄電装置19から不足分の電力を負荷装置20へ供給することにより、燃料電池スタック出力を低下させても駆動システムに影響が無ければステップS402でSVを下げることを許可可能である。
ステップS402にて運転条件上SVを減らせない場合、SV過大に対する再着火制御は行なわずに、ステップS214にて行なっている温度に対する再着火制御のみとなる。ステップS402でSVを減らせないと判定された後、ステップS233にて再着火を確認する。再着火が確認されればステップS200から通常運転に制御を移行する。
ステップS233にて再着火の確認ができなかった場合、再度ステップS214に戻り再着火制御を継続して行なう。ステップS402において、SV低下が許容された場合、ステップS242にてカソードの流量を下げる。これは前出の図7に示した制御と同様に行なうことが可能である。SVを低下させた後に、ステップS233にて再着火の確認行なう。その結果ステップS200にて通常運転へ戻るか、ステップS214へ戻り再度再着火制御を行なうループを繰り返すことに確実に再着火を促すことが可能となる。
本発明に係る燃料電池システムの一実施例の構成を説明するシステム構成図である。 実施例におけるコントローラの失火判定を説明するフローチャートである。 逆火判定を含む場合の制御フローチャートである。 電熱触媒の自己加熱機能による再着火制御を説明するフローチャートである。 アノードオフガス流量の増加による再着火制御を説明するフローチャートである。 触媒表面の液水を除去することによる再着火制御を説明するフローチャートである。 カソードオフガス流量を低下させることによる再着火制御を説明するフローチャートである。 本発明に係る燃料電池システムの実施例2を説明するフローチャートであり、燃料電池の運転状態に基づく失火原因判定を行い、失火原因に応じて再着火制御する制御を説明するフローチャートである。 失火原因判定サブルーチンを説明する詳細フローチャートである。 複数の失火要因判定を説明する詳細フローチャートである。 複数の再着火制御を組み合わせて行う詳細フローチャートである。 失火原因に対応した再着火制御可否判定を含めた複数の再着火制御を説明する詳細フローチャートである。
符号の説明
1…燃料電池システム
2…燃料電池スタック
10…酸化剤ガス流量検出手段
31…触媒燃焼器
34…混合気形成部
35…燃焼触媒部
36…上流温度検出手段
37…下流温度検出手段
38…コントローラ
39…燃焼状態判定手段
40…再着火制御手段

Claims (17)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスを混合した混合ガスを触媒燃焼器を用いて燃焼処理する燃料電池システムにおいて、
    前記触媒燃焼器の燃焼状態を判定する燃焼状態判定手段と、
    該燃焼状態判定手段が燃焼していないと判定した時に、再度燃焼の判定を得られるまで前記触媒燃焼器の再着火制御を行なう再着火制御手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記再着火制御手段は、燃料電池システムの運転状態に基づいて前記触媒燃焼器の失火原因を判定する失火原因判定手段を備え、
    該失火原因判定手段が判定した失火原因に応じて、再着火制御を行なうことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記失火原因判定手段が失火原因が複合要因によると判断した場合に、
    複数の再着火制御を組み合わせてを行なうことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記失火原因判定手段が判定した失火原因に対応した再着火制御がシステム運転条件により行うことができない場合に、1種類または複数種類の別の再着火制御を組み合わせて行なうことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記触媒燃焼器は、触媒の上流及び下流にそれぞれ温度検出手段を備え、
    前記燃焼状態判定手段は、これら温度検出手段が検出した各温度とその温度差を用いて、
    前記触媒燃焼器の通常燃焼、逆火燃焼、または失火の判定を行なうことを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記触媒燃焼器のガス混合部の上流にカソードオフガスの流量検出手段を備え、
    該流量検出手段が検出した流量を前記燃料電池システムの運転条件の一つとして用いることを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 再着火制御の方法として、
    触媒の自己加熱機能を働かせて触媒を加熱することを特徴とする請求項2乃至請求項6の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記自己加熱機能が電熱触媒であることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 再着火制御の方法として、
    アノードより排出される排水素流量を増加させることを特徴とする請求項2乃至請求項6の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 再着火制御の方法として、
    触媒表面を被う液水を除去または液水量を削減することを特徴とする請求項2乃至請求項6の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  11. 再着火制御の方法として、
    カソードオフガスの流量を低下させることを特徴とする請求項2乃至請求項6の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  12. 前記触媒燃焼器の失火原因が触媒温度低下または触媒活性不足によると判断した場合において、
    触媒の自己加熱機能を働かせて触媒を加熱することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の燃料電池システム。
  13. 前記触媒燃焼器の失火原因が燃料流量の低下または燃焼反応不足によると判断した場合において、
    アノードより排出される排水素流量を増加させることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。
  14. 前記触媒燃焼器の失火原因が液水の触媒表面への付着によると判断した場合において、
    触媒表面を被う液水を除去または液水量を削減することを特徴とする請求項10に記載の燃料電池システム。
  15. 前記触媒燃焼器の失火原因がカソードオフガス流量超過または触媒内のガス空間速度超過によると判断した場合において、
    カソードオフガスの流量を低下させることを特徴とする請求項11に記載の燃料電池システム。
  16. 請求項1から請求項15の何れかに記載の燃料電池システムと該燃料電池システムの余剰電力を蓄電する蓄電装置とを備え、前記燃料電池システムと前記蓄電装置とが協同して負荷装置へ電力供給する電力供給システムであって、
    前記燃焼判定手段を用いて燃焼状態を判定し、燃焼していないと判定した時に再着火制御を行なうことにより燃料電池スタックの発電量が低下する場合には前記蓄電装置から負荷装置へ電力不足分を供給し、再着火制御が負荷装置の運転に影響しないように制御することを特徴とする電力供給システム。
  17. 前記負荷装置が車両駆動用モータであることを特徴とする請求項16に記載の電力供給システム。
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