JP5063638B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍サイクル装置の構成要素の一つとして使用されるスクロール圧縮機に関するものである。
空気調和装置等の冷凍サイクル装置の構成要素の一つとして使用されるスクロール圧縮機は、圧縮機構部の揺動スクロールを公転させるシャフト(主軸)が設けられ、そのシャフトを電動機の上下に設けられた主軸受と副軸受とで支持するような構成が一般的である。つまり、主軸受及び副軸受で軸支されたシャフトが電動機によって回転駆動され、シャフト先端の偏心軸に取り付けられている揺動スクロールが公転することによって、圧縮機構部で冷媒を圧縮するようになっている。圧縮機構部で冷媒を圧縮する際、シャフトには半径方向のガス荷重が作用している。
また、電動機の下側に設けられている副軸受は、シャフトの回転を支持しているとともにシャフトの鉛直下向きの自重も支持している。このようなスクロール圧縮機においては、ラジアル方向の荷重(ラジアル荷重)、及び、スラスト方向の荷重(スラスト荷重)の双方を同時に支持することを目的として副軸受に玉軸受が採用されることが多い(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、玉軸受は、コストが高いこと、長期的な信頼性に劣ること等の種々の問題点を抱えている。
この対策として、スクロール圧縮機の副軸受にすべり軸受を採用することが検討されている。ラジアル荷重及びスラスト荷重を同時に支持可能なすべり軸受としては、コニカル軸受が挙げられる。このコニカル軸受は、略円錐形状をなす傾斜動圧面を有する軸受内に、同じく略円錐形状をなす傾斜動圧面を有する軸が相対回転可能に挿通されているとともに、それら軸の傾斜動圧面と、軸受の傾斜動圧面とのすきまに略円錐形状の傾斜軸受空間が形成され、その傾斜軸受空間内に潤滑流体が充填されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開平04−241786号公報(第3頁、第2図) 特開2005−3172号公報(第4頁、第2図)
一般的に、スクロール圧縮機の軸にはラジアル方向に大きな荷重が作用するため、軸にたわみが発生する。軸にたわみが発生した場合、軸受内において軸が傾斜して回転することになる。軸の回転を玉軸受で支持する場合、玉と内輪、玉と外輪のクリアランスが軸の傾斜を吸収し、軸の回転を支持することができる。しかしながら、上述したような玉軸受の問題点を解決することにはならない。また、コニカル軸受を採用した場合、軸と軸受が剛体であるとすれば、軸が傾斜することで片あたりが発生し、焼付きが発生することが懸念される。また、軸の停止時には、軸が軸受に沈み込み、起動時にこじりが発生して、焼付きに至る可能性がある。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、コニカル軸受を副軸受に採用し、ラジアル荷重及びスラスト荷重を同時に支持することが可能であり、かつ、長期的な信頼性を確保したスクロール圧縮機を提供することを目的とするものである。
本発明に係るスクロール圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動する駆動機構部と、前記駆動機構部の駆動力を前記圧縮機構部に伝達する主軸と、前記駆動機構部の一方側に設けられ、前記主軸を回転自在に支持する主軸受と、前記駆動機構部の他方側に設けられ、前記主軸の先端部を回転自在に支持する副軸受と、を有し、前記副軸受は、略円すい形状の軸受部を有し、この軸受部で同じく略円すい形状の前記主軸の先端部を支持する構成となっており、前記主軸の先端部と前記軸受部との傾斜動圧面において、前記主軸の先端部の摺動面における一対の母線どうしの間に形成された開角を、前記軸受部の摺動面における一対の母線どうしの間に形成される開角よりも小さい角度をなすように設定され、前記主軸が回転停止している状態では前記軸受部の面と前記主軸の先端部の面とが接触することを特徴とする。
本発明に係るスクロール圧縮機によれば、コニカル軸受を副軸受に採用し、ラジアル荷重及びスラスト荷重を同時に支持することが可能であり、軸受部の開角と主軸の先端部の開角とに差を設けた構造にすることにより、先端部が傾斜した状態で回転するときに、先端部と軸受部の摺動面とが互いに平行となり、先端部が軸受部の摺動面に片あたりすることがなくなるため、良好な回転を継続することができ、信頼性が向上することになる。また、停止中においては、傾斜動圧面の一部で主軸の先端部の面と軸受部の面とが接触するので、線接触状態と比較して接触面圧を著しく抑制することが可能になる。
実施の形態1に係るスクロール圧縮機の断面構成を模式的に示す縦断面図である。 スクロール圧縮機の副軸受部分を拡大して示す模式図である。 主軸が傾斜して回転動作している状態の副軸受部分を拡大して示す模式図である。 主軸が回転停止している状態の副軸受部分を拡大して示す模式図である。 実施の形態2に係るスクロール圧縮機の副軸受部分を拡大して示す模式図である。 実施の形態3に係るスクロール圧縮機の副軸受部分を拡大して示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機100の断面構成を模式的に示す縦断面図である。図1に基づいて、スクロール圧縮機100の構成及び動作について説明する。このスクロール圧縮機100は、たとえば冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、空気調和機、冷凍装置、給湯器等の冷凍サイクル装置を構成する冷凍機器の1つとして搭載されるものである。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、スラスト荷重を矢印aで、ラジアル荷重を矢印bで、それぞれ表している。
このスクロール圧縮機100は、密閉容器13内に収容されている圧縮機構部A及び駆動機構部Bで構成されている。図1に示すように、圧縮機構部Aが密閉容器13の上側に配置され、駆動機構部Bが密閉容器13の下側に配置されている。そして、駆動機構部Bにより回転駆動される主軸6を介して圧縮機構部Aで冷媒が圧縮されることになる。また、密閉容器13には、冷媒を吸入するための冷媒吸入管15と、冷媒を吐出するための冷媒吐出管16とが連接されている。密閉容器13は、圧力容器となっており、スクロール圧縮機100の外郭をなすものである。この密閉容器13の底部は、図示省略の潤滑油を貯留する油溜め14となっている。
[圧縮機構部A]
圧縮機構部Aは、冷媒吸入管15から吸入した冷媒を圧縮して、吐出口4及び冷媒吐出管16を介して密閉容器13外部に冷媒を吐出する機能を有している。圧縮機構部Aは、固定スクロール1と、揺動スクロール2と、オルダム継手12と、上部ハウジング8aと、で主に構成されている。固定スクロール1は、台板と、台板の下面に設けられた渦巻突起と、で構成されている。固定スクロール1は、密閉容器13の側壁内面に固定されている上部ハウジング8aの上端部で固定されている。なお、固定スクロール1は、ボルト等の締結部材で固定するとよい。
揺動スクロール2も固定スクロール1と同様に、台板と、台板の上面に設けられた渦巻突起と、で構成されている。揺動スクロール2の台板の底面下側の中心近傍には、主軸6の上端に設けられている偏心軸6aが連結される偏心穴が形成されている。揺動スクロール2は、固定スクロール1に対して自転運動することなく公転運動を行うようになっている。揺動スクロール2は、揺動スクロール2と上部ハウジング8aとの間に設けられているオルダム継手12によって、揺動スクロール2の自転運動が阻止され、公転運動を行なうようになっている。
固定スクロール1と揺動スクロール2は、互いの渦巻突起が互いに噛み合わせるようにして設けられている。そして、互いの渦巻突起の噛み合わせによって、相対的に容積が変化する圧縮室5が形成される。したがって、密閉容器13内に吸入された冷媒は、圧縮室5の外周側に形成された吸入口3から流入し、圧縮室5で圧縮されて、固定スクロール1の中心部に形成された吐出口4から流出するようになっている。また、揺動スクロール2の下面側、つまり揺動スクロール2と上部ハウジング8aとの間には、スラスト軸受18が設けられている。
上部ハウジング8aは、その上端部で固定スクロール1を固定するとともに、スラスト軸受18を介して揺動スクロール2を下方から摺動自在に支持するようになっている。また、上部ハウジング8aの中心部近傍には、主軸6を貫通させる貫通穴が形成されている。そして、上部ハウジング8aの貫通穴には、主軸受19が設けられている。すなわち、上部ハウジング8aは、主軸受19を介して主軸6を回転自在に支持する機能も有しているのである。この主軸受19は、主軸6を回転自在に軸支するようになっている。
[駆動機構部B]
駆動機構部Bは、圧縮機構部Aで冷媒を圧縮させるために、揺動スクロール2を駆動する機能を有している。駆動機構部Bは、ローター10aと、ステータ10bと、で主に構成されている。ローター10aとステータ10bとで電動機10を構成している。ローター10aは、主軸6の周面に固設されており、ステータ10bへの通電が開始することにより回転駆動するようになっている。ステータ10bは、焼きばめ等によって密閉容器13の内周面に固定され、ギャップを介してローター10aを囲んでおり、ローター10aを回転させるようになっている。
[その他の構成]
主軸6は、駆動機構部Bの駆動力を圧縮機構部Aに伝達する機能を有している。この主軸6の上端には、主軸6の中心に対して偏心して設けられた偏心軸6aが設けられている。偏心軸6aは、揺動スクロール2に設けられた偏心穴内に圧入されている揺動軸受17と摺動自在に連結されている。また、主軸6の上部であって偏心軸6aよりは下部となる位置には、バランサ6bが突設されている。さらに、主軸6には、軸心方向に貫通するように給油孔7aが形成されている。
主軸6の下端部には、ポンプ7bが設けられている。このポンプ7bは、上端開口が主軸6の下端部に嵌合されるように設けられており、下端開口が油溜め14の潤滑油中に浸漬されるようになっている。このポンプ7bと主軸6に貫通形成されている給油孔7aとにより給油機構7を構成している。給油機構7は、油溜め14に貯留してある潤滑油をポンプ7bによって吸い上げ、給油孔7aを介して圧縮機構部A(特に各種軸受(副軸受11、主軸受19、揺動軸受17、及び、スラスト軸受18)とオルダム継手12の摺動部)に給油する機能を有している。
密閉容器13内には、上述した上部ハウジング8aと下部ハウジング8bで構成されるハウジング8が設けられている。上部ハウジング8aは、上述したように固定スクロール1を固定するとともに、揺動スクロール2を支持する機能を果たす。下部ハウジング8bは、密閉容器13の側壁内面に固定されており、副軸受11を介して主軸6を回転自在に支持する機能を有している。上部ハウジング8aと下部ハウジング8bとの間には、上述した電動機10が設置されている。なお、副軸受11は、主軸6の先端部を回転自在に支持するようになっているが、詳細については下段で説明するものとする。
また、上部ハウジング8a及びステータ10bには、揺動スクロール2の下面側の面から主軸6の軸心方向下側に貫通する返油孔9が形成されている。この返油孔9は、圧縮機構部Aで使用された潤滑油を油溜め14に戻す機能を有している。なお、図1では、返油孔9が密閉容器13の一方の側面に1つだけ形成されている場合を例に示しているが、これに限定するものではない。たとえば、返油孔9を2つ以上形成してもよい。また、返油孔9は、ステータ10bの一部に切欠きを設けて形成するようにしてもよい。
以上のように、スクロール圧縮機100は、密閉容器13内の上部に圧縮機構部Aを、下部に駆動機構部Bを配置し、駆動機構部Bの駆動力を主軸6を介して圧縮機構部Aの揺動スクロール2に伝達し、揺動スクロール2を回転駆動するようになっている。なお、潤滑油の種類を特に限定するものではなく、圧縮機構部Aの潤滑油として使用できるものであればよい。たとえば、PAG(ポリアルキレングレコール)等を潤滑油として使用するとよい。また、冷媒の種類も特に限定するものではない。
スクロール圧縮機100の動作について説明する。
電動機10を構成するステータ10bに通電が開始されるとローター10aとともに主軸6が回転を開始する。主軸6が回転を開始すると、偏心軸6aに連結されている揺動スクロール2がオルダム継手12により自転を阻止されながら公転運動を行なう。これにより、揺動スクロール2と固定スクロール1のそれぞれの渦巻突起との組合せにより形成された圧縮室5が次第に容積を減じながら中心側に移動することになる。したがって、吸入口3から圧縮室5に吸入された冷媒は、次第にその圧力を高め、吐出口4及び冷媒吐出管16を通じて機外に吐出され、冷媒吐出管16に接続されている冷媒配管内へ圧送される。
このようにして密閉容器13内の冷媒が外部へ吐出されるので、密閉容器13内は負圧となり、機外の冷媒配管からの冷媒は冷媒吸入管15を通じて密閉容器13内に吸入されることになる。そして、密閉容器13内に吸入された冷媒は、電動機10を冷却した後、吸入口3から圧縮室5に吸入される。また、油溜め14の潤滑油は、給油機構7のポンプ作用により給油孔7aを通じて主軸6の上端部へ送られて副軸受11、主軸受19、揺動軸受17を潤滑する。揺動軸受17を経由した潤滑油は、スラスト軸受18及びオルダム継手12に供給されて、これら摺動部を潤滑する。また、オルダム継手12に供給された潤滑油は、返油孔9を経て油溜め14に戻される。
スクロール圧縮機100の動作に伴い副軸受11には、ラジアル荷重及びスラスト荷重の双方が作用することになる。すなわち、スクロール圧縮機100における副軸受11には、鉛直下向きに主軸6の自重が作用するとともに、主軸6の回転と同期した変動荷重がラジアル方向に作用するのである。そこで、スクロール圧縮機100の副軸受11は、これらのラジアル荷重とスラスト荷重を同時に支持することができ、かつ、長期的な信頼性を確保して軸受の焼付きを抑制することが可能であるとともに、安定した良好な起動性を有するものとしている。
図2は、スクロール圧縮機100の副軸受11部分を拡大して示す模式図である。図3は、主軸6が傾斜して回転動作している状態の副軸受11部分を拡大して示す模式図である。図4は、主軸6が回転停止している状態の副軸受11部分を拡大して示す模式図である。図2〜図4に基づいて、実施の形態1の特徴部分である副軸受11について詳細に説明する。副軸受11は、上述したように主軸6の先端部を回転自在に支持するものである。なお、以下の説明において、主軸6の副軸受11に支持される部位(主軸6の下端部)を副軸6cと、副軸6cを支持する部位を軸受部11’と称している。また、図3では、副軸受11に作用するラジアル荷重をWr、副軸受11に作用するスラスト荷重をWtとして表している。
この副軸6cは、先端に向かって縮径する略円すい形状であるとともに、その中心部がごくわずかにふくらんだ、樽型形状を有している。この樽型形状をクラウニング形状と呼ぶこととする。また、副軸受11の副軸6cの支持部、つまり軸受部11’も鉛直方向下側に向かって縮径する略円すい形状を有している。図2に示すように、副軸6cの両先端を結んでできる一対の母線どうしの間に形成された開角をθ1とする。また、クラウニング形状の曲率半径をRとする。また、軸受部11’の摺動面における一対の母線どうしの間に形成された開角をθ2とする。
スリーブ20について説明する。
副軸6cと軸受部11’の摺動面との間にはスリーブ20が設けられている。このスリーブ20は、副軸6cとの間で相対的に回転しないように副軸6cにピン21で固定されている。また、このスリーブ20のピン21で固定されている位置から略180°ずれた位置における内部には、重錘22が設けられている。スリーブ20の内周面における一対の母線どうしの間に形成された開角は、副軸6cの両先端を結んでできる一対の母線どうしの間に形成された開角と同じ値θ1に設定されている。また、スリーブ20の外周面は、内周面に対して平行である。そのため、スリーブ20の外周面における一対の母線どうしの間に形成された開角もθ1に設定される。
副軸6c及びスリーブ20は、主軸6の回転方向にピン21を介して固定されており、副軸6cのクラウニング形状に沿って紙面に対して垂直な軸周りに傾くことが可能となっている。そして、副軸受11では、θ1<θ2となるように設定する。また、軸受部11’の開角θ2と副軸6cの開角θ1との差の半値をβとし、下記式(1)で表す。
Figure 0005063638
βは、副軸受11における副軸6cの傾きα(副軸受11中で副軸6cの軸線が垂線に対してなす傾き)と等しくなるように設定する。
以上のように、スクロール圧縮機100において、副軸受11を、軸受部11’の開角θ2とスリーブ20の開角θ1とに差を設けた構造にすることにより、副軸6cが傾斜した状態で回転するときに、スリーブ20と軸受部11’の摺動面とが互いに平行となり(図3参照)、副軸6cが軸受部11’の摺動面に片あたりすることがなくなる。そのため、副軸6cが傾斜した状態で回転しても、良好な回転を継続することが可能となる。
軸受部11’の開角θ2の設定について説明する。
図3に示すスラスト荷重Wtは、主軸6、バランサ6b、及び、ローター10aの自重の和であり、ラジアル荷重Wrは、揺動軸受17から主軸6に作用する荷重を主軸受19と副軸受11に分配することで求められる。揺動軸受17から主軸6に作用する荷重によって、主軸6にはたわみが発生する。このとき、副軸受11中で副軸6cが垂線に対してαだけ傾いて回転しているとする。
しかしながら、副軸6cの傾きαは、軸受部11’の開角θ2の半値に対して、十分に小さいため0に近似することができる。このとき、副軸受11で支持するべき荷重は、半径方向にWr、スラスト方向にWtであるため、軸受部11’の開角θ2の半値は、下記式(2)で表すことができる。
Figure 0005063638
さらに、スリーブ20のピン21で固定されている位置から180°ずれた位置にはスリーブ20の内部に重錘22が設けられている。したがって、スクロール圧縮機100の運転が停止したとき、副軸受11の中でスリーブ20は、重錘22側に傾いて停止することになる(図4参照)。つまり、主軸6が回転停止している状態において、スリーブ20は、ピン21で副軸6cに固定されているため、ピン21を介して重錘22側に傾くことになるのである。
このとき、スリーブ20と軸受部11’との接触面(傾斜動圧面)は、面接触となる。したがって、線接触の場合と比較して、接触面圧が著しく緩和されるため、スクロール圧縮機100の起動時のこじりによる焼付きを防止することができる。また、重錘22の設置する位置は、副軸6cに作用する荷重の作用点と同じ位置とすることで、運転中に副軸6cに作用するラジアル荷重Wrとともに、重錘22で発生する遠心力を支持することができる。ここで、副軸6cに作用する荷重の作用点は、軸方向には副軸6cの中点である。
さらに、荷重の作用点の周方向位置は、スクロール圧縮機100の形状や寸法によって異なる。したがって、スリーブ20における重錘22の取り付け位置は、軸方向に対して中央部でよいが、周方向に対してはスクロール圧縮機100の機種によって調整することが要求される。なお、スリーブ20の材質には、たとえば硬度がHV1000以上の合金工具鋼を使用するとよい。また、重錘22の材質には、たとえば金や銀、銅、白金等の比重が鉄よりも大きいものを使用する。このように構成することで、遠心力によるアンバランスがキャンセルされ、安定した運転が可能となる。さらに、起動時の安定性を向上させるために、副軸受11が常に潤滑油に浸漬するよう油面を保持することが望ましい。
以上のように、実施の形態1に係るスクロール圧縮機100は、副軸受11が、略円すい形状の軸受部11’を有し、この軸受部11’で同じく略円すい形状の副軸6cを支持する構成となっており、かつ、副軸6cと軸受部11’との傾斜動圧面において、副軸6cの摺動面における一対の母線どうしの間に形成された開角θ1を、軸受部11’の摺動面における一対の母線どうしの間に形成される開角θ2よりも小さい角度をなすように設定されるとともに、副軸6cの停止中において傾斜動圧面の一部で副軸6cと副軸受11の軸受部11’とが面接触となるように、重錘22を設けたスリーブ20を副軸6cに固定することを特徴としている。
そのため、実施の形態1に係るスクロール圧縮機100では、副軸受11において、ラジアル荷重Wrとスラスト荷重Wtの双方を同時に支持することが可能となる。したがって、スクロール圧縮機100は、長期的な信頼性を確保して副軸受11の焼付きを抑制することが可能となるとともに、安定した良好な起動性を有することができる。また、スクロール圧縮機100は、副軸受11にコニカル軸受を採用することで、玉軸受と比べて低コスト化、及び、長期信頼性の向上を図ることが可能となる。
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機の副軸受11a部分を拡大して示す模式図である。図5に基づいて、実施の形態2の特徴部分である副軸受11aについて詳細に説明する。副軸受11aは、実施の形態1で説明した副軸受11と同様に主軸6の先端部(副軸6c)を回転自在に支持するものである。なお、実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付している。
図5に示すように、副軸受11aは、略円すい形状の軸受部11a’を有し、この軸受部11a’で同じく略円すい形状の副軸6c’を支持する構成となっており、かつ、副軸6c’と軸受部11a’との傾斜動圧面において、副軸6c’の摺動面における一対の母線どうしの間に形成された開角θ1を、軸受部11a’の摺動面における一対の母線どうしの間に形成される開角θ2よりも小さい角度をなすように設定されている。また、副軸受11aの下端には円周状(軸受部11a’を囲むように)に切り欠き23が設けられている。すなわち、副軸受11aは、スリーブを設けずに、切り欠き23を設けている点で、実施の形態1の副軸受11と異なっている。
このような構造にすることにより、主軸6の回転中には、傾斜した副軸6c’の摺動面が軸受部11a’の摺動面に対して平行となるために、良好な回転運動を行うことができる。また、主軸6が回転停止している状態の時には、主軸6が下方に沈み込み、副軸受11の切り欠き23で支持される。このとき、切り欠き23を有することで副軸受11の下端部は、副軸6c’の傾斜面に対して追従するように変形する。そのため、副軸6c’と副軸受11aの軸受部11a’とは面接触状態となり、スクロール圧縮機100の起動時のこじりを回避することが可能である。なお、実施の形態1のようにスリーブ20を設けるようにしてもよい。
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機の副軸受11b部分を拡大して示す模式図である。図6に基づいて、実施の形態3の特徴部分である副軸受11bについて詳細に説明する。副軸受11bは、実施の形態1で説明した副軸受11と同様に主軸6の先端部(副軸6c)を回転自在に支持するものである。なお、実施の形態3では実施の形態1及び実施の形態2との相違点を中心に説明し、実施の形態1及び実施の形態2と同一部分には、同一符号を付している。
図6に示すように、副軸受11bは、上部が略円すい形状であって下部が曲率半径Rの曲面部を有する軸受部11b’を有し、この軸受部11b’で同じく上部が略円すい形状であって下部が曲率半径Rの曲面部を有する副軸6c’’を支持する構成となっており、かつ、副軸6c’’と軸受部11b’との傾斜動圧面において、副軸6c’’の摺動面における一対の母線どうしの間に形成された開角θ1を、軸受部11b’の摺動面における一対の母線どうしの間に形成される開角θ2よりも小さい角度をなすように設定されている。すなわち、副軸受11bは、軸受部11b’及び副軸6c’’の形状が、実施の形態1の軸受部11’及び副軸6c、実施の形態2の軸受部11a’及び副軸6c’と異なっている。
このような構造にすることにより、主軸6の回転中には、傾斜した副軸6c’’の摺動面が軸受部11b’の摺動面に対して平行となるために、良好な回転運動を行うことができる。また、主軸6が回転停止している状態の時には、主軸6が下方に沈み込み、副軸受11bの曲面部で副軸6c’’の曲面部を支持する。そのため、副軸6c’’と副軸受11bの軸受部11b’とは面接触状態となり、スクロール圧縮機100の起動時のこじりを回避することが可能である。なお、実施の形態1のようにスリーブを設けてもよいし、実施の形態2のように切り欠き23を形成してもよい。
1 固定スクロール、2 揺動スクロール、3 吸入口、4 吐出口、5 圧縮室、6 主軸、6a 偏心軸、6b バランサ、6c 副軸、6c’ 副軸、6c’’ 副軸、7 給油機構、7a 給油孔、7b ポンプ、8 ハウジング、8a 上部ハウジング、8b 下部ハウジング、9 返油孔、10 電動機、10a ローター、10b ステータ、11 副軸受、11’ 軸受部、11a 副軸受、11a’ 軸受部、11b 副軸受、11b’ 軸受部、12 オルダム継手、13 密閉容器、14 油溜め、15 冷媒吸入管、16 冷媒吐出管、17 揺動軸受、18 スラスト軸受、19 主軸受、20 スリーブ、21 ピン、22 重錘、23 切り欠き、100 スクロール圧縮機、A 圧縮機構部、B 駆動機構部。

Claims (7)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機構部と、
    前記圧縮機構部を駆動する駆動機構部と、
    前記駆動機構部の駆動力を前記圧縮機構部に伝達する主軸と、
    前記駆動機構部の一方側に設けられ、前記主軸を回転自在に支持する主軸受と、
    前記駆動機構部の他方側に設けられ、前記主軸の先端部を回転自在に支持する副軸受と、を有し、
    前記副軸受は、
    略円すい形状の軸受部を有し、この軸受部で同じく略円すい形状の前記主軸の先端部を支持する構成となっており、前記主軸の先端部と前記軸受部との傾斜動圧面において、前記主軸の先端部の摺動面における一対の母線どうしの間に形成された開角を、前記軸受部の摺動面における一対の母線どうしの間に形成される開角よりも小さい角度をなすように設定され、
    前記主軸が回転停止している状態では前記軸受部の面と前記主軸の先端部の面とが接触する
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 内部の一部に重錘を設けたスリーブを前記主軸の先端部に設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記スリーブは、
    前記重錘と略180°ずれた位置で前記主軸の先端部に固定されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記スリーブは、
    硬度がHV1000以上の合金工具鋼で構成されている
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記重錘は、
    比重が鉄よりも大きい金属材料で構成されている
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記副軸受の下端であって前記軸受部を囲むように切り欠きを形成している
    ことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  7. 前記副軸受及び前記主軸の先端部のそれぞれの下端に曲面部を形成している
    ことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
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