JP2000027782A

JP2000027782A - 冷凍空調用圧縮機

Info

Publication number: JP2000027782A
Application number: JP10199994A
Authority: JP
Inventors: Takushi Sasa; 卓士佐々
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1998-07-15
Filing date: 1998-07-15
Publication date: 2000-01-25

Abstract

(57)【要約】【課題】２軸受け構造の冷凍空調用圧縮機のクランク
軸にたわみ変形が生じた場合、副軸受けが単なるすべり
軸受けであると、片あたりを生じ易く、信頼性や騒音に
問題が生じる。また、近年の低周波数域から高周波数域
まで使用される冷凍空調用圧縮機においては圧縮機構部
へのオイル潤滑を常に良好に保つ必要がある。【解決手段】クランク軸６の副軸６ｂを自動調心機能
を持つ半球面状の副軸受けブッシュ１７またはクランク
軸の副軸端部を自動調心機能を持つ半球面状にしてその
半球面状部を嵌合支持することで、上記課題を解決し、
性能、信頼性、振動・騒音及び組立性に優れた部品点数
の少ない安価な軸受け構造を持つ冷凍空調用圧縮機を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、業務用及び家庭用
の空気調和機（空調機）等に使用される冷凍空調用圧縮
機に関するもので、特にその駆動軸の軸受けの支持構造
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図７に従来の代表的な空調用密閉形横置
スクロール圧縮機の断面図を示す。

【０００３】すなわち、横置スクロール圧縮機は、図に
示すように、密閉容器１の内部の一端側に冷媒を吸入圧
縮する圧縮機構２が設けられ、中央部に、圧縮機構２を
駆動する電動機３の固定子４が密閉容器１の側周壁の内
面に固定され、この固定子４に対応する電動機３の回転
子５には圧縮機構２の駆動軸であるクランク軸６が結合
されて、この回転軸がほぼ水平になるように配設されて
いる。

【０００４】圧縮機構２は、旋回スクロール２ａが固定
スクロール２ｂと図に示すように各々のスクロール羽根
２ｃの内面、外面を互いに密着するようにクランク軸６
を介し、自転防止機構７によって旋回運動を行い、これ
によって、スクロール羽根２ｃどうしの密着点とスクロ
ール羽根高さによって形成される三日月状圧縮室の容積
を外側から中心部に向かって縮小することにより、圧縮
動作を行うものである。

【０００５】クランク軸６は、これの圧縮機構２側の一
端部に有する主軸８を、圧縮機構２にネジ止めして固定
された主軸受部材１０によって支承され、主軸８とは反
対側の他端部を、密閉容器１の他端側に位置して密閉容
器１の側周壁内面に固定された副軸受部材１１によって
支承されている。

【０００６】主軸受部材１０の主軸８を支承する部分
は、滑り軸受９であり、副軸受部材１１のクランク軸６
の他端部を支承する部分（副軸受け）は、図に示すよう
なラジアル型の転がり軸受（ボールベアリング）１２で
ある。これら滑り軸受９及び転がり軸受１２は、クラン
ク軸６の回転運動によって圧縮機構２が冷媒を圧縮する
際にクランク軸６に発生するラジアル方向のたわみ力を
支持するものである。またクランク軸６にかかるスラス
ト荷重は転がり軸受１２で受けている。

【０００７】なお、副軸受部材１１には給油機構１３を
有している。給油機構１３はクランク軸６の他端部で駆
動されるトロコイド歯車１３ａを内蔵した容積型のオイ
ルポンプであり、クランク軸６の回転で、潤滑油溜１４
より給油パイプ１３ｂ及び給油キャップ１３ｃを介して
吸い込んだ潤滑油を給油孔６ａを通して圧縮機構２側に
供給するようにしている。なお、１５は冷媒気体の吐出
管、１６は吸入管である。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の横置スクロール圧縮機の副軸受け部の構成では、副
軸受けに転がり軸受１２、すなわちボールベアリングを
用い、ボールベアリングの内輪、ボール、外輪間のガタ
（ラジアル内部隙間より発生する角隙間）を利用して、
圧縮時等のクランク軸６のたわみ変形による片あたりを
回避するようにしているため、ボールや内、外輪のレー
ルに摩耗や銅メッキが起こり易く、騒音異常や入力増大
の要因となり、ボールベアリング自体の信頼性に欠ける
という課題があった。

【０００９】また、この他の構成として、特開平８−９
３６７２号公報や特開平７−３１７６８２号公報に示さ
れているように、副軸や固定された副軸受け内周面を片
あたり回避形状に加工して支持する構成としたものが提
案されているが、これらの場合は、副軸と副軸受けとは
点接触となり易く、接触部での摩耗等が懸念され、かつ
極めて精度を要求される切削加工となるため高価なもの
になり易い。

【００１０】一方、近年増加している冷凍空調用圧縮機
はインバータ駆動のように、１０Ｈｚ近辺の低周波数域
から１００Ｈｚを越える高周波数域まで使用されるよう
になってきており、圧縮機構部への潤滑油供給をあらゆ
る周波数域で良好なものとし、かつ組立性やコストの面
から部品点数を極力減らす必要が増してきている。

【００１１】本発明は、このような従来の課題を解決す
るものであり、圧縮力によるクランク軸のたわみにより
生じるクランク軸の片あたりを防止し、性能、信頼性、
振動・騒音及び組立性に優れた安価な冷凍空調用圧縮機
を提供することを目的としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、反圧縮機構部側（副軸受け側）に常時スラ
スト荷重がかかる構造にして、副軸受け構造を、すべり
軸受け構造及び自動調心機能を合わせ持つ凸型半球面状
の副軸受けブッシュまたは凸型半球面状端を持つクラン
ク軸と、前記凸型半球面状部を保持する凹部が半球面状
の支持部材とにより構成したものである。

【００１３】そして、上記構成により、圧縮力によるク
ランク軸のたわみにより生じる副軸の片あたりを防止
し、クランク軸のたわみ変形初期での副軸と副軸受け部
との接触をやわらげ、性能、信頼性、振動・騒音及び組
立性に優れた安価な軸受け支持構造を持つ冷凍空調用圧
縮機を得ることができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１記載の発明は、
クランク軸を介して圧縮動作を行う圧縮機構部と、クラ
ンク軸を駆動する電動機と、圧縮機構部への潤滑油を供
給する給油機構部とを配して構成される圧縮機におい
て、クランク軸は電動機を挟んだ主軸受け部と副軸受け
部とにより支持し、クランク軸には反圧縮機構部側に常
時スラスト荷重がかかるように構成し、副軸受け部を、
自動調心機能を持つ一端が凸型半球面状で他端が平面状
の副軸受けブッシュと、副軸受けブッシュの半球面状部
を保持する凹部が半球面の半球面状保持器と、半球面状
保持器を支持するための圧縮機内部に固定されたホルダ
とにより構成したものである。

【００１５】また、請求項２記載の発明は、インボリュ
ート曲線またはこれに類似した曲線により渦巻き状の羽
根を形成し、この羽根を２つ噛み合せるように用いて一
方の羽根を固定し、他方の羽根を回転駆動要素である電
動機のクランク軸により自転防止機構を介して旋回運動
させることによって気体を圧縮する圧縮機構部と、自転
防止機構及び圧縮機構部等に潤滑油を供給する給油機構
部とを配して構成されるスクロール圧縮機において、ク
ランク軸は電動機を挟んだ主軸受け部と副軸受け部とに
より支持し、クランク軸には反圧縮機構部側に常時スラ
スト荷重がかかるように構成し、副軸受け部を、自動調
心機能を持つ一端が凸型半球面状で他端が平面状の副軸
受けブッシュと、副軸受けブッシュの半球面状部を保持
する凹部が半球面の半球面状保持器と、半球面状保持器
を支持するための圧縮機内部に固定されたホルダとによ
り構成したものである。

【００１６】上記構成により、圧縮機組立時のクランク
軸心のずれ及び圧縮時の圧縮力によるラジアル方向のク
ランク軸のたわみ等により軸心が曲がって副軸部に片あ
たりを生じようとするが、副軸部は、自動調心機能を持
つ一端が凸型半球面状で他端が平面状の副軸受けブッシ
ュを介し、半球面状保持器で受ける構造にしているた
め、面接触で支承されることになり、片あたりや摩耗が
防止される。また副軸受けブッシュ、保持器及びホルダ
等は成形が容易で組立も簡単にできる。したがって、性
能、信頼性、振動・騒音性能等に優れた、安価な副軸受
け支持構造を実現することができる。

【００１７】また、請求項３，４記載の発明は、前記請
求項１，２記載の副軸受け部を、自動調心機能を持つ一
端が凸型半球面状で他端が平面状の副軸受けブッシュ
と、副軸受けブッシュの半球面状部を保持する凹型半球
面状部を有して圧縮機内部に固定されるようにしホルダ
とにより構成したものであり、これによって、前記保持
器をなくすることができ、部品点数の減少及び組立性を
より向上できる。

【００１８】また、請求項５記載の発明は、前記軸受け
ブッシュにクランク軸の副軸が嵌合する位置決め穴を設
け、クランク軸の副軸が位置決め穴に嵌合しかつ軸受け
ブッシュのブッシュ平面状部を介してスラスト荷重を受
けるように支持されている構成にしたものである。

【００１９】この構成により、クランク軸と軸受けブッ
シュとの軸ずれが確実に防止され、かつ位置決め穴を介
して給油機構よりの潤滑油を副軸受け部により供給し易
くすることができ、信頼性及び騒音性能の向上を一層図
ることができる。

【００２０】また、請求項６，７記載の発明は、前記ク
ランク軸の副軸部を自動調心機能を持つ凸型半球面状に
形成し、副軸受け部は副軸部の凸型半球面状部を保持す
る凹部が半球面の半球面状保持器と、半球面状保持器を
支持するための圧縮機内部に固定されたホルダとにより
構成したものである。

【００２１】上記構成により、クランク軸端に直接自動
調心機能を持つ凸型半球面状を形成することによって、
軸受けブッシュをなくすることができ、より一層部品の
合理化及び組立性の向上を図ることができる。

【００２２】また、請求項８，９記載の発明は、請求項
６，７記載の副軸受け部を、中央部に副軸部の凸型半球
面状部を保持するための凹型半球面状部を有し圧縮機内
部に固定されるようにしたホルダのみで構成したもので
ある。

【００２３】上記構成により、さらに前記の軸受けブッ
シュと保持器をなくすることができ、部品の合理化及び
組立性の向上を著しく図ることができる。

【００２４】また、請求項１０記載の発明は、前記請求
項２，４，７または９記載の給油機構部を差圧型にした
ものであり、これによって、クランク軸には副軸側に常
時スラスト荷重がかかり、副軸受け部は副軸部と自動調
心機能をもつ半球面状部で面接触する構成であるため、
圧縮機内と副軸受け部における潤滑油路（クランク軸の
給油孔）とのシール性が向上する。したがって構成の簡
単な差圧型のオイルポンプの採用が可能になりより安価
なスクロール圧縮機にすることができる。

【００２５】

【実施例】以下本発明の一実施例について図面を参照し
て説明する。

【００２６】（実施例１）図１は本発明の第１の実施例
の副軸受け構造の要部を示す分解斜視図である。また図
２はそれらを用いた空調用密閉形横置スクロール圧縮機
の断面図であり、図２において、従来例の図７と異なる
点は、副軸受け部と給油機構部の構成であって、その他
の従来例と同じ部材は同一の符号を付し、説明を省略す
る。

【００２７】図１、図２に示すように、クランク軸６の
端部には凸状に形成した径小の副軸６ｂを有し、副軸６
ｂ部は副軸受けブッシュ１７と副軸受けブッシュ１７を
受ける半球面状保持器（以下、保持器と略す）１８と、
保持器１８をねじ止めし、密閉容器１に固定されたホル
ダ１９とを介して回動自在に支持されている。また、ク
ランク軸６の給油孔６ａは副軸６ｂ端で開口し、シール
性を保って保持器１８に取り付けられた給油キャップ２
０ｃ内に連通し、副軸６ｂ端部において給油パイプ２０
ｂの吸入口２０ａより潤滑油を吸い込む差圧型のオイル
ポンプ２０を構成するようにしている。

【００２８】なお、電動機３の固定子４と回転子５と
は、軸方向でのセッティング位置を固定子４側が回転子
５より反圧縮機構側（副軸受け部側）に予め所定距離だ
けずれて密閉容器１に固定されており、このため、固定
子４と回転子５との磁力によって、クランク軸６は常時
副軸受け部側にスラスト荷重がかかる構造になってい
る。

【００２９】副軸受けブッシュ１７は、図１に示すよう
に、自動調心機能を持つ一端が凸型半球面状で他端が平
面状に形成されたもので、軸方向にクランク軸６の副軸
６ｂと嵌合する貫通穴（位置決め穴）１７ａを有してい
る。また、保持器１８は、中心部に副軸受けブッシュ１
７の半球面状部を嵌合保持する内面が半球面状に形成さ
れた凹部１８ａを有し、凹部１８ａの底にクランク軸６
の副軸６ａを支承する嵌合孔と凹部１８ａの外周に取付
け穴を備えたホルダ取付け用つば１８ｂを有している。

【００３０】ここで、副軸受けブッシュ１７は、ホルダ
１９によって支えられた保持器１８の凹部１８ａの半球
面状部と副軸受けブッシュ１７の平面状部にかかるクラ
ンク軸６のスラスト荷重により支持されている。そして
副軸受けブッシュ１７、保持器１８、ホルダ１９からな
る副軸受け部２１でクランク軸６の支持構造を構成した
場合、副軸受けブッシュ１７自体もクランク軸６の副軸
６ｂの傾斜方向に一致して傾くこととなり、その結果と
して前記片あたりを生じない。

【００３１】また、副軸受けブッシュ１７は副軸６ｂに
対して半径（ラジアル）方向と軸方向で、すべり軸受け
構造となっているため、面接触となり、摩耗の発生を軽
減し、騒音及び振動にも効果があるとともに、クランク
軸６の回転時には、差圧型ポンプ２０の作用により、潤
滑油を圧縮機構２側のみでなく、副軸６ｂと副軸受けブ
ッシュ１７との摺動面及び副軸受けブッシュ１７と凹部
１８ａとの接触部等にも供給するようにしている。

【００３２】また、副軸受けブッシュ１７は半球面形状
で自動調心機能を合わせ持つため、クランク軸６の上下
芯出しを容易にし、組立性にも優れた効果を発揮する。

【００３３】（実施例２）図３は本発明の第２の実施例
の空調用密閉形横置スクロール圧縮機の断面図である。
第１の実施例と異なる点は、副軸受け部に保持器がない
点であり、その他の同一の部分は同じ符号を付し説明を
略す。

【００３４】すなわち、同図に示すように、副軸受け部
２２は副軸受けブッシュ１７と密閉容器１に固定される
ホルダ２３からなり、ホルダ２３の中心部に副軸受けブ
ッシュ１７の半球面状部を嵌合保持する凹部２３ａを有
している。なお、ホルダ２３にはオイルポンプ２０が前
述同様のシール性を保持して直接取付けられている。

【００３５】上記構成により自動調心機能を持つ副軸受
けブッシュ１７が直接ホルダ２３により支持される構成
のため、副軸受け支持構造がより簡単になり、部品点数
及び組立性の合理化を図ることができる。なお、上記構
成において、副軸受け部のクランク軸の作用、効果は第
１の実施例と同様であり説明を略す。

【００３６】（実施例３）図４は本発明の第３の実施例
の副軸受け構造の要部を示す分解斜視図である。また、
図５はそれらを用いた空調用密閉形横置スクロール圧縮
機の断面図である。第１の実施例と異なる点は副軸受け
ブッシュをなくし、かつクランク軸の副軸の形状を変え
た点である。なお、その他の同一部分は同じ符号を付し
説明を略す。

【００３７】すなわち、図４、図５に示すように、クラ
ンク軸２４は先端部が自動調心機能を持つ凸形半球面状
に形成された副軸２４ｂを有している。そして副軸２４
ｂは、密閉容器１と一体固定のホルダ１９に取付けられ
た保持器１８の凹部１８ａ半球面状部に嵌合保持されて
いる。

【００３８】なお、２４ａはクランク軸２４に設けた給
油孔であり、給油孔２４ａの副軸２４ｂ端での開口は前
述同様給油キャップ２０ｃ内に連通している。

【００３９】上記構成において、クランク軸２４の先端
に直接自動調心機能を持つ半球面状部を形成しているた
め、副軸受け部２５が保持器１８とホルダ１９のみで構
成でき、構造がよりシンプルとなって、一層安価な軸受
け支持構造にすることができる。なお上記構成におい
て、第１の実施例と同様の副軸受け部の作用、効果を得
ることができる。

【００４０】（実施例４）図６は本発明の第４の実施例
の空調用密閉形横置スクロール圧縮機の断面図である。
第３の実施例と異なる点は副軸受け部に保持器がない点
であり、その他の同一部分については説明を略す。

【００４１】すなわち、同図に示すように、副軸受け部
２６は、中心部にクランク軸２４の副軸２４ｂを嵌合保
持する半球面状の凹部２７ａを有したホルダ２７のみか
らなり、ホルダ２７は前述同様密閉容器１に固定され
て、クランク軸２４を前述のスラスト荷重を利用して凹
部２７ａで回動自在に支持している。また、ホルダ２７
にはオイルポンプ２０がシール性を保って直接取付けら
れており、クランク軸２４の回転によって潤滑油を圧縮
機構２側や副軸２４ｂと凹部２７ａとの接触部に供給さ
れるようにしている。

【００４２】上記構成により、軸受け支持構造が極めて
簡単な構成で可能となり、より一層の部品点数及び組立
性の合理化を図ることができる。また、上記構成におい
て、第１の実施例と同様の副軸受け部の作用、効果を得
ることができる。

【００４３】なお、以上の各実施例では給油機構を差圧
型のオイルポンプとしたが容積型のオイルポンプとして
もよいことはいうまでもない。

【００４４】

【発明の効果】上記説明から明らかなように、本発明
は、クランク軸を介して圧縮動作を行う圧縮機構部と、
クランク軸を駆動する電動機と、圧縮機構部への潤滑油
を供給する給油機構部とを配して構成される圧縮機また
はスクロール圧縮機において、クランク軸は電動機を挟
んだ主軸受け部と副軸受け部とにより支持し、クランク
軸には反圧縮機構部側に常時スラスト荷重がかかるよう
に構成し、副軸受け部を自動調心機能を持つ一端が凸型
半球面状で他端が平面状の副軸受けブッシュと、副軸受
けブッシュの半球面状部を保持する凹部が半球面の半球
面状保持器（保持器）と、半球面状保持器を支持するた
めの圧縮機内部に固定されホルダとにより構成したこと
により、圧縮機組立時のクランク軸心のずれ及び圧縮時
の圧縮力によるラジアル方向のクランク軸のたわみ等に
より軸心が曲がって副軸部に片あたりを生じようとする
が、副軸部は、自動調心機能を持つ一端が凸型半球面状
で他端が平面状の副軸受けブッシュを介し、保持器で受
ける構造にしているため、面接触で支承されることにな
り、片あたりや摩耗が防止される。また副軸受けブッシ
ュ、保持器及びホルダ等は成形が容易で組立も簡単にで
きる。したがって、性能、信頼性及び振動・騒音等に優
れた、安価な副軸受け支持構造を実現することができ
る。

【００４５】また、副軸受け部を、自動調心機能を持つ
一端が凸型半球面状で他端が平面状の副軸受けブッシュ
と、前記副軸受けブッシュの半球面状部を保持する凹型
半球面状部を有して圧縮機内部に固定されるようにした
ホルダとにより構成したことにより、保持器をなくする
ことができ、部品点数の減少及び組立性をより向上でき
る。

【００４６】また、軸受けブッシュにクランク軸の副軸
が嵌合する位置決め穴を設け、クランク軸の副軸が位置
決め穴に嵌合しかつ軸受けブッシュのブッシュ平面状部
を介してスラスト荷重を受けるように支持される構成に
したことにより、クランク軸と軸受けブッシュとの軸ず
れが確実に防止され、かつ位置決め穴を介して給油機構
よりの潤滑油を副軸受け部により供給し易くすることが
でき、性能、信頼性及び振動・騒音等の向上を一層図る
ことができる。

【００４７】また、クランク軸の副軸部を自動調心機能
を持つ凸型半球面状に形成し、副軸受け部は副軸部の凸
型半球面状部を保持する凹部が半球面の保持器と、保持
器を支持するための圧縮機内部に固定されたホルダとに
より構成したことにより、クランク軸端に直接自動調心
機能を持つ凸型半球面状を形成することによって、軸受
けブッシュをなくすることができ、より一層部品の合理
化及び組立性の向上を図ることができる。

【００４８】また、副軸受け部を、圧縮機内部に固定さ
れるようにし中央部に副軸部の凸型半球面状部を保持す
るための凹型半球面状部を有するホルダで構成したこと
により、さらに軸受けブッシュと保持器をなくすること
ができ、部品の合理化及び組立性の向上を著しく図るこ
とができる。

【００４９】また、スクロール圧縮機の給油機構部を差
圧型にしたことにより、クランク軸には副軸側に常時ス
ラスト荷重がかかり、副軸受け部は副軸部と自動調心機
能をもつ半球面状部で接触する構成であるため、圧縮機
内と副軸受け部における潤滑油路（クランク軸の給油
孔）とのシール性が向上する。したがって構成の簡単な
差圧型のオイルポンプの採用が可能になり、より安価な
スクロール圧縮機にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の副軸受け構造の要部を
示す分解斜視図

【図２】同副軸受け構造を用いて構成した空調用密閉形
横置スクロール圧縮機の断面図

【図３】同第２の実施例の空調用密閉形横置スクロール
圧縮機の断面図

【図４】同第３の実施例の副軸受け構造の要部を示す分
解斜視図

【図５】同副軸受け構造を用いて構成した空調用密閉形
横置スクロール圧縮機の断面図

【図６】同第４の実施例の空調用密閉形横置スクロール
圧縮機の断面図

【図７】従来の空調用密閉形横置スクロール圧縮機の断
面図

【符号の説明】

２圧縮機構２ｃ羽根３電動機６，２４クランク軸６ｂ，２４ｂ副軸７自転防止機構１７副軸受けブッシュ１７ａ貫通穴（位置決め穴）１８半球面状保持器（保持器）１８ａ凹部１９，２３，２７ホルダ２１，２２，２５，２６副軸受け部

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Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】クランク軸を介して圧縮動作を行う圧縮
機構部と、前記クランク軸を駆動する電動機と、前記圧
縮機構部への潤滑油を供給する給油機構部とを配して構
成される圧縮機において、前記クランク軸が前記電動機
を挟んだ主軸受け部と副軸受け部とにより支持され、前
記クランク軸には反圧縮機構部側に常時スラスト荷重が
かかるように構成され、前記副軸受け部は自動調心機能
を持つ一端が凸型半球面状で他端が平面状の副軸受けブ
ッシュと、前記副軸受けブッシュの半球面状部を保持す
る凹部が半球面の半球面状保持器と、前記半球面状保持
器を支持するための圧縮機内部に固定されたホルダとに
より構成されていることを特徴とする冷凍空調用圧縮
機。
【請求項２】インボリュート曲線またはこれに類似し
た曲線により渦巻き状の羽根を形成し、この羽根を２つ
噛み合せるように用いて一方の羽根を固定し、他方の羽
根を回転駆動要素である電動機のクランク軸により自転
防止機構を介して旋回運動させることによって気体を圧
縮する圧縮機構部と、前記自転防止機構及び前記圧縮機
構部等に潤滑油を供給する給油機構部とを配して構成さ
れるスクロール圧縮機において、前記クランク軸が前記
電動機を挟んだ主軸受け部と副軸受け部とにより支持さ
れ、前記クランク軸には反圧縮機構部側に常時スラスト
荷重がかかるように構成され、前記副軸受け部は自動調
心機能を持つ一端が凸型半球面状で他端が平面状の副軸
受けブッシュと、前記副軸受けブッシュの半球面状部を
保持する凹部が半球面の半球面状保持器と、前記半球面
状保持器を支持するための圧縮機内部に固定されたホル
ダとにより構成されていることを特徴とする冷凍空調用
圧縮機。
【請求項３】クランク軸を介して圧縮動作を行う圧縮
機構部と、前記クランク軸を駆動する電動機と、前記圧
縮機構部への潤滑油を供給する給油機構部とを配して構
成される圧縮機において、前記クランク軸が前記電動機
を挟んだ主軸受け部と副軸受け部とにより支持され、前
記クランク軸には反圧縮機構部側に常時スラスト荷重が
かかるように構成され、前記副軸受け部は自動調心機能
を持つ一端が凸型半球面状で他端が平面状の副軸受けブ
ッシュと、前記副軸受けブッシュの半球面状部を保持す
る凹型半球面状部を有して圧縮機内部に固定されるよう
にしたホルダとにより構成されていることを特徴とする
冷凍空調用圧縮機。
【請求項４】インボリュート曲線またはこれに類似し
た曲線により渦巻き状の羽根を形成し、この羽根を２つ
噛み合せるように用いて一方の羽根を固定し、他方の羽
根を回転駆動要素である電動機のクランク軸により自転
防止機構を介して旋回運動させることによって気体を圧
縮する圧縮機構部と、前記自転防止機構及び前記圧縮機
構部等に潤滑油を供給する給油機構部とを配して構成さ
れるスクロール圧縮機において、前記クランク軸が前記
電動機を挟んだ主軸受け部と副軸受け部とにより支持さ
れ、前記クランク軸には反圧縮機構部側に常時スラスト
荷重がかかるように構成され、前記副軸受け部は自動調
心機能を持つ一端が凸型半球面状で他端が平面状の副軸
受けブッシュと、前記副軸受けブッシュの半球面状部を
保持する凹型半球面状部を有して圧縮機内部に固定され
るようにしたホルダとにより構成されていることを特徴
とする冷凍空調用圧縮機。
【請求項５】軸受けブッシュにはクランク軸の副軸が
嵌合する位置決め穴を設け、前記クランク軸の副軸が前
記位置決め穴に嵌合しかつ前記軸受けブッシュのブッシ
ュ平面状部を介してスラスト荷重を受けるように支持さ
れていることを特徴とする請求項１，２，３または４記
載の冷凍空調用圧縮機。
【請求項６】クランク軸を介して圧縮動作を行う圧縮
機構部と、前記クランク軸を駆動する電動機と、前記圧
縮機構部への潤滑油を供給する給油機構部とを配して構
成される圧縮機において、前記クランク軸は前記電動機
を挟んだ主軸受け部と副軸受け部とにより支持され、前
記クランク軸には反圧縮機構部側に常時スラスト荷重が
かかるように構成され、前記クランク軸の副軸端部は自
動調心機能を持つ凸型半球面状を有し、前記副軸受け部
は前記クランク軸の凸型半球面状部を保持する凹部が半
球面の半球面状保持器と、前記半球面状保持器を支持す
るための圧縮機内部に固定されたホルダとにより構成さ
れていることを特徴とする冷凍空調用圧縮機。
【請求項７】インボリュート曲線またはこれに類似し
た曲線により渦巻き状の羽根を形成し、この羽根を２つ
噛み合せるように用いて一方の羽根を固定し、他方の羽
根を回転駆動要素である電動機のクランク軸により自転
防止機構を介して旋回運動させることによって気体を圧
縮する圧縮機構部と、前記自転防止機構及び前記圧縮機
構部等に潤滑油を供給する給油機構部とを配して構成さ
れるスクロール圧縮機において、前記クランク軸が前記
電動機を挟んだ主軸受け部と副軸受け部とにより支持さ
れ、前記クランク軸には反圧縮機構部側に常時スラスト
荷重がかかるように構成され、前記クランク軸は副軸端
部が自動調心機能を持つ凸型半球面状を有し、前記副軸
受け部は前記クランク軸の凸型半球面状部を保持する凹
部が半球面の半球面状保持器と、前記半球面状保持器を
支持するための圧縮機内部に固定されたホルダとにより
構成されていることを特徴とする冷凍空調用圧縮機。
【請求項８】クランク軸を介して圧縮動作を行う圧縮
機構部と、前記クランク軸を駆動する電動機と、前記圧
縮機構部への潤滑油を供給する給油機構部とを配して構
成される圧縮機において、前記クランク軸は前記電動機
を挟んだ主軸受け部と副軸受け部とにより支持され、前
記クランク軸には反圧縮機構部側に常時スラスト荷重が
かかるように構成され、前記クランク軸の副軸端部は自
動調心機能を持つ凸型半球面状を有し、前記副軸受け部
は前記クランク軸の凸型半球面状部を保持する凹型半球
面状部を有した圧縮機内部に固定されるホルダで構成さ
れていることを特徴とする冷凍空調用圧縮機。
【請求項９】インボリュート曲線またはこれに類似し
た曲線により渦巻き状の羽根を形成し、この羽根を２つ
噛み合せるように用いて一方の羽根を固定し、他方の羽
根を回転駆動要素である電動機のクランク軸により自転
防止機構を介して旋回運動させることよって気体を圧縮
する圧縮機構部と、前記自転防止機構及び前記圧縮機構
部等に潤滑油を供給する給油機構部とを配して構成され
るスクロール圧縮機において、前記クランク軸は前記電
動機を挟んだ主軸受け部と副軸受け部とにより支持さ
れ、前記クランク軸には反圧縮機構部側に常時スラスト
荷重がかかるように構成され、前記クランク軸の副軸端
部は自動調心機能を持つ凸型半球面状を有し、前記副軸
受け部は前記クランク軸の凸型半球面状部を保持する凹
型半球面状部を有した圧縮機内部に固定されるホルダで
構成されていることを特徴とする冷凍空調用圧縮機。
【請求項１０】給油機構部は差圧型であることを特徴
とする請求項２，４，７または９記載の冷凍空調用圧縮
機。