JP2012241530A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Shuhei Koyama
修平 小山
Shin Kurita
慎 栗田
Tomohisa Matsui
友寿 松井
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Abstract

【課題】鋳鉄系材料製の揺動スクロールと鋼系材料製のスラストプレートとからスラスト軸受を構成する場合に、摺動性を改善し信頼性の高いスクロール圧縮機を得ること。
【解決手段】このスクロール圧縮機は、スラストプレート104の上面に摺動自在に支持される揺動スクロール102のスラスト面部102fが、揺動スクロール102の下面102dから垂下して形成され、スラスト面部102fの内周径(2×r1)と揺動スクロール102の旋回直径(2×r)との差がスラストプレート104の内径(2×r2)よりも大きく、且つ、スラスト面部102fの内周径(2×r1)と揺動スクロール102の旋回直径(2×r)とスラスト面部102fの半径方向幅の2倍寸法(2×W)との和がスラストプレート104の外径(2×r2+2×h)よりも小さくなるように、スラスト面部102fおよびスラストプレート104の径方向寸法が設定されている。
【選択図】図2

Description

この発明は、主に冷凍機、空気調和機、給湯機等に搭載される冷媒回路に用いられるスクロール圧縮機に関するものである。
従来のスクロール圧縮機としては、アルミニウム素材製の揺動スクロールの下面と、固定スクロールと揺動スクロール間で構成される圧縮室のシェル軸心方向の隙間を調整するために使用されるスウェーデン鋼製等のスラストプレートとを摺動させてスラスト軸受を構成しているものが知られている。一方で、鋳鉄製の揺動スクロールを用いる場合に、この揺動スクロールと、揺動スクロールを支持するバイメタル素材のスラスト受と、スウェーデン鋼製等のスラストプレートとを摺動させてスラスト軸受を構成しているスクロール圧縮機もある。
更に、スラスト荷重が大きい場合、または摺動特性が十分でない場合に、スラスト軸受を収容するフレームの上方に空隙部を設けたスクロール圧縮機も知られている(例えば、特許文献1参照)。このスクロール圧縮機は、揺動スクロールがスラスト荷重を受けたとき、フレームが弾性変形して揺動スクロールの変形に追従することで、揺動スクロールとスラスト軸受間の摩耗、凝着を防止するようにしている。
また、揺動スクロールの下面外周側にテーパ部を設けて冷凍機油のスラスト軸受内への給油引き込み量を増加させることで摺動特性を良好なものにするようにしたスクロール圧縮機も知られている(例えば、特許文献2参照)。このように摺動特性を良くすることで、揺動スクロールとスラスト軸受間の摩耗、凝着の防止を図っていたのである。
特開2007−146813号公報(第3−7頁、第4−6図) 実開平5−58887号公報(第8−11頁、第2−4図)
ところで、上記したような、アルミニウム素材製の揺動スクロールの下面とスウェーデン鋼製等のスラストプレートとを摺動させてスラスト軸受を構成しているスクロール圧縮機では、揺動スクロールがアルミニウム素材製であるため、例えば冷媒として二酸化炭素を用いた場合の高圧広域の運転に対して強度を確保しようとすると、スクロール部の歯厚および台板が厚肉となるので、スクロール圧縮機自体の大きさが肥大化する。そのため、アルミニウム素材で揺動スクロールを構成することは困難になる。また、冷蔵・冷凍機用途のスクロール圧縮機においては、特に夏場のように温度差が大きい条件で運転する場合、高圧と低圧の圧力差(圧縮比)が大きくなるので、二酸化炭素冷媒を使用する場合と同様に揺動スクロールが肥大化する。そのため、アルミニウム素材製の揺動スクロールは強度確保が困難になる。
他方で、近年の地球温暖化の観点から、R410Aに代表されるHFC冷媒や二酸化炭素に代表される自然冷媒が用いられることが多いが、これらの冷媒は作動圧力が高いため、材質としてアルミニウム素材を用いることは強度上困難になってきている。そこで、スクロールの材質として鉄系材料を用いることが考えられる。揺動スクロールに鋳鉄を用いたスクロール圧縮機では、バイメタル等の専用のスラスト受とスラストプレートとからスラスト軸受を構成している。しかしながら、専用のスラスト受は円盤形状であるが、十分な平面度を確保する必要があり、加工が困難であるためにコストが増加する。更に、揺動スクロールの下面にスラスト受もしくはスラストプレートを固定する必要があるため、その加工費も必要となる。
上述したように、揺動スクロールに鋳鉄系材料を用い、その下面にスウェーデン鋼製のスラストプレートを配置したスラスト軸受構造が最も簡易的であるが、冷蔵・冷凍機用途のスクロール圧縮機のように高圧と低圧の圧力差が大きい条件になると、スラスト荷重が増加し、揺動スクロールとスラストプレートとの摺動性が悪化するため、揺動スクロール下面のスラスト面が摩耗しやすくなるという課題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、鋳鉄系材料製の揺動スクロールと、揺動スクロールの下面を支持するスウェーデン鋼等の鋼系材料製のスラストプレートとからスラスト軸受を構成する場合でも、摺動性を改善し信頼性の高いスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
この発明に係るスクロール圧縮機は、密閉容器である本体シェルと、本体シェル内の上部に固定配置されていて下面に渦巻歯を有する固定スクロールと、固定スクロールの渦巻歯とともに圧縮室を構成する渦巻歯が上面に形成されていて下面にボス部を有する鋳鉄系材料製の揺動スクロールと、揺動スクロールのボス部の揺動軸受に回転自在に係合する偏心軸部が上端部に形成された回転駆動軸と、揺動スクロールを支持するスラスト支持面、スラスト支持面よりもシェル半径方向内側に形成されて揺動スクロールのボス部を収納する凹部、および、凹部の下部に形成されて回転駆動軸を回動自在に軸支する主軸受部を有するとともに本体シェルの内周面に固定されたフレームと、圧縮室のシェル軸心方向の隙間を調整するために揺動スクロールの下面とフレームのスラスト支持面との間に配備された鋼系材料製のスラストプレートと、を備えて成るものにおいて、スラストプレートの上面に摺動自在に支持されるスラスト面部が、揺動スクロールの下面外周部に当該下面から垂下した底面視円環状に形成され、スラスト面部の内周径(2×r1)と揺動スクロールの旋回直径(2×r)との差がスラストプレートの内径(2×r2)よりも大きく(2×r1−2r>2×r2)、且つ、スラスト面部の内周径(2×r1)と揺動スクロールの旋回直径(2×r)とスラスト面部の半径方向幅の2倍寸法(2×W)との和がスラストプレートの外径(2×r2+2×h)よりも小さく(2×r1+2×r+2×W<2×r2+2×h)なるように、スラスト面部の径方向寸法およびスラストプレートの径方向寸法が設定されているものである。尚、前記した記号において、rは揺動スクロールの旋回半径、r1はスラスト面部の内周半径、r2はスラストプレートの内周半径、hはスラストプレートの半径方向の幅、Wはスラスト面部の半径方向の幅である。
この発明のスクロール圧縮機は、上記の手段で述べた所定条件を満たすように、スラスト面部の径方向寸法およびスラストプレートの径方向寸法が設定されているので、スラスト荷重を支持する揺動スクロールのスラスト面部がスラストプレートの内周縁および外周縁から径方向に突出することのないスラスト軸受を構成することができる。これによって、揺動スクロールのスラスト面部がスラストプレートの内周縁または外周縁からはみ出すことによりスラスト面部にかかるスラスト面圧が高くなるという不具合や、スラストプレート内外径の角部と揺動スクロール下面とが線接触して局所的な面圧上昇を引き起こすという不具合等を防止できるため、揺動スクロールのスラスト面部の摩耗・傷つきを抑制できるという効果を有する。また、揺動スクロールの下面において、垂下したスラスト面部とボス部との間には必然的に空隙部が生じるので、揺動スクロールを軽量化でき、バランスウエイトの縮小化による材料費の低減、バランスウエイト縮小による冷媒攪拌ロスの低減、揺動スクロール回転による遠心力が小さくなることに起因して軸受負荷が低減することによる圧縮機信頼性の向上、軸受摺動損失の低減による圧縮機効率の向上等といった効果も得られる。
この発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機を示す側断面図である。 この発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の要部拡大断面図である。 この発明の実施の形態1における揺動スクロールの状態を示し、(a)は圧縮機停止時の状態を示す要部拡大図、(b)は圧縮機運転中の状態を示す要部拡大図である。 この発明の実施の形態1における揺動スクロールのスラスト面部にかかるスラスト面圧とスラスト面部のスラスト摩耗量との関係を示すグラフの図である。 この発明の実施の形態1における揺動スクロールの台板厚みに対する空隙部の高さの比とたわみ増加量との関係を示すグラフの図である。 この発明の実施の形態2におけるスクロール圧縮機の要部拡大断面図である。 この発明の実施の形態2における揺動スクロールの状態を示し、(a)は圧縮機停止時の状態を示す要部拡大図、(b)は圧縮機運転中の状態を示す要部拡大図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機を示す側断面図、図2はこの発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の要部拡大断面図である。
各図において、この実施形態に係るスクロール圧縮機は、例えば冷蔵庫、冷凍庫、自動販売機、空気調和機、冷凍装置、給湯機等に搭載された冷媒回路の構成要素として使用される。このスクロール圧縮機は、金属製密閉容器である本体シェル100と、本体シェル100内の上部に固定されていて台板下面に渦巻歯101aを有する固定スクロール101と、固定スクロール101の渦巻歯101aとともに圧縮室111を構成する渦巻歯102cが台板上面に形成されていて台板下面中央部にボス部102bを有する鋳鉄系材料製の揺動スクロール102と、揺動スクロール102のボス部102bの揺動軸受102aに回転自在に係合する偏心軸部11aが上端部に形成された回転駆動軸110と、揺動スクロール102の下方で本体シェル100の内周面100aに固定されたフレーム105と、圧縮室111におけるシェル軸心C方向の隙間を調整するために揺動スクロール102の下面とフレーム105との間に配備された鋼系材料製のスラストプレート104とを備えている。前記のフレーム105は、揺動スクロール102を支持するスラスト支持面105c、スラスト支持面105cよりもシェル半径方向内側に形成されて揺動スクロール102のボス部102bを収納する凹部105b、および、凹部105bの下部に形成されて回転駆動軸110をラジアル方向回動自在に軸支する主軸受部105aを有している。
そして、このスクロール圧縮機では、本体シェル100内の底部が冷凍機油109を一時貯留する油溜めとなっている。また、回転駆動軸110の下部は、本体シェル100下部の内周面100aに固定された下部軸受114にラジアル方向回動自在に軸支されている。そして、回転駆動軸110の下端部には、油溜め内の冷凍機油109を汲み上げて回転駆動軸110内の油流路を通し揺動スクロール102やフレーム105の摺動部分に給油するオイルポンプ108が取り付けられている。回転駆動軸110の途中には回転子106が固設されている。この回転子106は、本体シェル100下部の内周面100aに固定された固定子107とともにモータを構成しており、このモータにより回転駆動軸110が回転駆動される。また、揺動スクロール102とフレーム105との間には、揺動スクロール102の自転を防止するためのオルダムリング103が配備されている。そして、揺動スクロール102の台板とフレーム105には、オルダムリング103の爪一対をそれぞれ収容するためのオルダムリング爪収容部(いずれも図示省略)が形成されている。
そして、揺動スクロール102の下面102dの外周部には、この下面102dから垂下した垂下部102hが全周にわたって形成されている。この垂下部102hの下面はスラスト面部102fとなっている。このスラスト面部102fは底面から見て円環状に形成されており、スラストプレート104の上面で摺動自在に支持されるようになっている。特に、スラスト面部102fの径方向寸法(内径および外径)およびスラストプレート104の径方向寸法(内径および外径)は、次の条件1および条件2の双方を満たすように設定されている。尚、下記の条件中に示す、rは揺動スクロールの旋回半径、r1はスラスト面部102fの内周半径、Wはスラスト面部102fの半径方向の幅、r2はスラストプレート104の内周半径、hはスラストプレート104の半径方向の幅である。
前記の条件1は内径側の規制に関するものであり、スラスト面部102fの内周径(2×r1)と揺動スクロール102の旋回直径(2×r)との寸法差(2×r1−2×r)がスラストプレート104の内径(2×r2)よりも大きくされることである。すなわち、「2×r1−2r>2×r2」の式を満たす条件である。また、前記の条件2は外径側の規制に関するものであり、スラスト面部102fの内周径(2×r1)と揺動スクロール102の旋回直径(2×r)とスラスト面部102fの半径方向の幅Wの2倍寸法(2×W)との寸法和がスラストプレート104の外径(2×r2+2×h)よりも小さくなるようにされることである。すなわち、「2×r1+2×r+2×W<2×r2+2×h」の式を満たす条件である。
前記した揺動スクロール102は、良好な摺動性を確保するために、黒鉛を多く含む鋳鉄系材料が用いられる。このような鋳鉄系材料としては、例えば球状黒鉛鋳鉄、強靭鋳鉄、可鍛鋳鉄、合金鋳鉄等が挙げられる。一方、スラストプレート104は鋼系材料が用いられる。このような鋼系材料としては、例えばスウェーデン鋼、ステンレス鋼等が挙げられる。
次に動作について説明する。このスクロール圧縮機において、本体シェル100の電源端子(図示省略)が通電されると、固定子107と回転子106にトルクが発生し、回転駆動軸110が回転する。回転駆動軸110の回転は、偏心軸部110aおよび揺動軸受102aを介して揺動スクロール102に伝達される。このとき、オルダムリング103により揺動スクロール102の自転が防止され、揺動スクロール102は公転運動を行なって、固定スクロール101と協動する。そこで、冷媒ガスは吸入管112から吸入され、本体シェル100内の固定スクロール101と揺動スクロール102によって構成された圧縮室111へ吸入されて圧縮された後、吐出管113を経てシェル外へ吐出される。運転時、圧縮ガスによるスラスト荷重によって、揺動スクロール102がフレーム104のスラスト軸受部104fに強く押し付けられながら公転運動をする。この実施形態のスクロール圧縮機は冷媒として二酸化炭素を用いている。この二酸化炭素は従来のHFC冷媒等と比べて常用密度が高く、揺動スクロール102にかかるスラスト荷重も高くなる。
圧縮室111内は周囲よりも圧力が高いため、図3に示すように、揺動スクロール102はシェル軸心C方向下向きにスラスト荷重を受けて変形する。因みに、従来のスクロール圧縮機の構成では、スラストプレートの内外径の角部と揺動スクロール下面が線接触して局所的に面圧が上昇し、揺動スクロール下面が摩耗する。揺動スクロールの回転は下面側の摩耗に伴なって不安定となり、圧縮室を構成する固定スクロールとの間の隙間が増加して圧縮ロスが生ずることにより、圧縮機効率が低下する。また、揺動スクロールとスラストプレートとの間に凝着が生じ、運転不良に陥る場合もある。
それに対し、この実施形態のスクロール圧縮機によれば、揺動スクロール102に下面外周部に内径(2×r1)の垂下部102hを設け、スラスト荷重を揺動スクロール102のスラスト面部102fで支持し、揺動スクロール102の旋回半径rを考慮してもスラスト面部102fがスラストプレート104の内径(2×r2)及び外径((2×r2)+2h)から径方向に突出しないよう、内径側の規制により(r1−r>r2)を満たし、且つ、外径側の規制により(r1+r+W<r2+h)を満たすようにしているので、旋回揺動する揺動スクロール102が下向きの荷重を受けたとき、揺動スクロール102からのスラスト荷重はスラストプレート104の上面で支持される。そこで、揺動スクロール102の旋回半径rを考慮し、上記した条件1および条件2を満たすことで、スラスト面部102fがスラストプレート104の内周縁および外周縁から径方向に突出しないようにすることができる。同時に、揺動スクロール102の台板中心部が下向きに弾性変形してたわむことにより、スラストプレート104上でのスラスト面部102fの線接触を防止でき、スラスト面部102fの摩耗や傷つきを防止することができる。
因みに、実際にスラスト軸受部分の寸法を設定する場合、まず、求められる圧縮機の性能・運転範囲・容量により、クランク半径r、揺動スクロール102の収納半径(r2+h)が定まる。また、揺動軸受102aに作用する荷重により揺動軸受102aの大きさが定まり、スラストプレート104の内径の半径r2が制限され、スラストプレート104の半径方向の幅hが求まる。よって、内径側の規制条件(r1−r>r2)により、垂下部102hの内周径の半径r1が制限されるのである。
揺動スクロール102のスラスト面部102fの半径方向の幅Wは、圧縮機運転時に揺動スクロール102に作用するスラスト荷重により制限される。図4は、圧縮機のスラスト面圧を変数として運転した後のスラスト面部102fのスラスト摩耗量を示している。図4のグラフより、スラスト面圧が0.11kgf/mm2を超えると、102fのスラスト摩耗量が増大していることを確認できる。従って、揺動スクロール102の自重を支えるスラスト面圧が、0.00kgf/mm2を超え、0.11kgf/mm2未満となるよう、スラスト面部102fの幅Wが決定される。仮に、スラスト面部102fの幅Wを十分に大きく取れる場合があったとしても、スラスト軸受を構成するスラスト面部102f全面に冷凍機油を給油しなければ摩耗を回避できない。そのため、スラスト面部102fにかかるスラスト面圧を0.11kgf/mm2に近づけるように、スラスト面部102fの幅Wを決定することが望ましい。
また、空隙部102eの高さδ(図2)を設定するに当たり、揺動スクロール102の台板厚みtに対して空隙部102eの高さδを変数とすると、空隙部102eの存在による揺動スクロール102の台板のたわみ増加量は図5のグラフのようになる。図5より、δ/t<0.02の条件を満たせば、空隙部102eの形成による影響はないと考えられるため、前記条件を満たす範囲内で空隙部102eの高さδを適切に決定することができる。
また、揺動スクロール102の下面をくり貫いて、垂下部102h、スラスト面部102fおよび空隙部102eを形成すると、揺動スクロール102の重量が軽くなり、第一バランサ及び第二バランサ(いずれも図示省略)を小型化できる。これらのバランサの小型化により、圧縮機運転時のバランサ回転による攪拌抵抗が低減するため、圧縮機効率を向上させることができる。加えて、軸受に作用する荷重が小さくなるため、軸受の信頼性が向上する。軸受への押し付け荷重が低減するため、軸受の摩擦損失が低減し圧縮機効率が向上する。そして、高い加工精度が要求される面として、揺動スクロール102の下面全体でなく、スラスト軸受を構成しているスラスト面部102fの面積に限定できるため、それ以外の下面102dの加工精度は緩和できる。従って、加工時間を短縮でき製造コストを低減できる。これは、スラストプレート104に関しても、スラスト面積が小さくなることから同様である。
このスクロール圧縮機は冷媒として二酸化炭素を使用しているので、スラスト面圧が高くならざるを得ず、揺動スクロール102のスラスト面部102fが摩耗や傷付きを生じやすい傾向にある。しかしながら、このような不具合は、本発明を適用することにより解消される。
実施の形態2.
実施の形態1では、揺動スクロール102の下面102dに空隙部102eおよび垂下部102hを設けて、スラスト面部102fの摩耗・傷つきを防止するようにしたが、圧縮機運転中の圧力条件や冷媒の種類によってはスラスト荷重が過大となり、揺動スクロール102のスラスト面部102fをスラストプレート104に面接触させることが強度上困難になる場合がある。そこで、この実施の形態2では、図6に示すように、揺動スクロール102のスラスト面部102fの内周縁に面取り部102gを形成してある。この面取り部102gも本発明におけるスラスト面部の一部である。
前記の揺動スクロール102のスラスト面部102fおよび面取り部102gの幅W(=W1+W2)は、圧縮機運転時に揺動スクロール102に作用するスラスト荷重により制限される。これらの幅W1,W2のいずれも、スラスト面圧が0.00kgf/mm2を超え、0.11kgf/mm2未満となるように設定される。
このように、揺動スクロール102のスラスト面部102fの内周縁に面取り部102gを設けたことにより、図7に示すように、揺動スクロール102は下向きのスラスト荷重を受けたときに弾性変形して、面取り部102gがスラスト面部となる(同図(b))。これにより、面取り部102gがスラストプレート104の上面に面接触して、スラスト軸受を構成する。従って、スラスト面部の内周側で線接触となることを防止でき、スラスト面部102fの摩耗や傷つきを防止できる。加えて、揺動スクロール102の空隙部102eの存在による軽量化の効果は、実施の形態1と同様に享受できることは言うまでもない。
100 本体シェル、100a 内周面、101 固定スクロール、101a 渦巻歯、102 揺動スクロール、102a 揺動軸受、102b ボス部、102c 渦巻歯、102d 下面、102e 空隙部、102f スラスト面部、102g 面取り部、102h 垂下部、103 オルダムリング、104 スラストプレート、105 フレーム、105a 主軸受部、105b 凹部、105c スラスト支持面、110 回転駆動軸、110a 偏心軸部、111 圧縮室、C シェル軸心、h 幅、r 旋回半径、r1 内周半径、r2 内周半径、W 幅、W1 幅、W2 幅。

Claims (4)

  1. 密閉容器である本体シェルと、
    前記本体シェル内の上部に固定配置されていて下面に渦巻歯を有する固定スクロールと、
    前記固定スクロールの渦巻歯とともに圧縮室を構成する渦巻歯が上面に形成されていて下面にボス部を有する鋳鉄系材料製の揺動スクロールと、
    前記揺動スクロールのボス部の揺動軸受に回転自在に係合する偏心軸部が上端部に形成された回転駆動軸と、
    前記揺動スクロールを支持するスラスト支持面、前記スラスト支持面よりもシェル半径方向内側に形成されて前記揺動スクロールのボス部を収納する凹部、および、前記凹部の下部に形成されて前記回転駆動軸を回動自在に軸支する軸受部を有するとともに前記本体シェルの内周面に固定されたフレームと、
    前記圧縮室のシェル軸心方向の隙間を調整するために前記揺動スクロールの下面と前記フレームのスラスト支持面との間に配備された鋼系材料製のスラストプレートと、を備えて成るスクロール圧縮機において、
    前記スラストプレートの上面に摺動自在に支持されるスラスト面部が、前記揺動スクロールの下面外周部に当該下面から垂下した底面視円環状に形成され、前記スラスト面部の内周径と前記揺動スクロールの旋回直径との差が前記スラストプレートの内径よりも大きく、且つ、前記スラスト面部の内周径と前記揺動スクロールの旋回直径と前記スラスト面部の半径方向幅の2倍寸法との和が前記スラストプレートの外径よりも小さくなるように、前記スラスト面部の径方向寸法および前記スラストプレートの径方向寸法が設定されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 圧縮機運転中のスラスト面部に作用する面圧が0.00kg/mm2を超え、0.11kg/mm2未満となるように、前記スラスト面部の半径方向の幅が設定されていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 揺動スクロールのスラスト面部の内周縁に面取り部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 使用される冷媒が二酸化炭素であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
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