JP5061815B2 - 頭部保護エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
(1) 上縁に間隔をおいて複数設けられたタブ部(21)を有し該タブ部(21)で車両のルーフ側部に取付けられるカーテンエアバッグ(20)と、
畳み状態にあるカーテンエアバッグ(20)をタブ部(21)間で保持して車両ボデー(11)に支持するクリップ(30)とを備え、
前記クリップ(30)が、クリップ中央部に形成されタブ部間部位でカーテンエアバッグ(20)に巻き付けられる巻付け部(31)と、クリップ一端部に形成されたボデー(11)への固定部(32)と、クリップ他端部に形成され該クリップ他端部以外のクリップ部分と係合する係合部(33)と、カーテンエアバッグ展開力で破断する脆弱部(34)と、を有し、1部材で形成されており、
前記クリップ(30)は、カーテンエアバッグ(20)の一部を当接させてカーテンエアバッグ(20)の回動を抑制する突起(39)を有しており、
前記突起(39)は、前記巻付け部(31)から前記クリップ(30)のカーテンエアバッグ(20)への巻付けの内側に向かって突出する内方突出部(40)を有し、
前記カーテンエアバッグ(20)の一部は該カーテンエアバッグ(20)の畳み方向において前記突起(39)の内方突出部(40)に当接され、前記突起(39)の内方突出部(40)に当接する方向の前記カーテンエアバッグ(20)の回動が抑制されている、
頭部保護エアバッグ装置(10)。
(2) 前記カーテンエアバッグ(20)の一部が、カーテンエアバッグ(20)の畳み方向の一端部、カーテンエアバッグ(20)の畳み方向の一端部に形成された切り欠き部(26)、カーテンエアバッグの畳み方向折り返し端部(24)、の何れかからなるカーテンエアバッグ(20)の畳み方向端部である(1)記載の頭部保護エアバッグ装置(10)。
(3) 前記カーテンエアバッグ(20)の一部が、カーテンエアバッグ(20)に形成された、前記クリップ(30)の突起(39)が挿通される、長孔(25)の縁部である(1)記載の頭部保護エアバッグ装置(10)。
(4) 畳み状態にあるカーテンエアバッグ(20)を内包しカーテンエアバッグ(20)の展開力で破断する脆弱部(51)が形成された布製カバー(50)をさらに有しており、該カバー(50)に切り欠き部または長孔からなるクリップ挿通部(52)が形成されており、該クリップ挿通部(52)に前記クリップ(30)が挿通している(1)記載の頭部保護エアバッグ装置(10)。
(5) 前記クリップ(30)の一端部は前記クリップ(30)の他端部より広幅に形成され、前記クリップ(30)の一端部に前記クリップ(30)の他端部を挿通させることが可能な孔(36)が形成され、前記クリップ(30)の他端部の一面に前記係合部(33)を構成する凹凸歯(37)が形成され、前記孔(36)の、前記凹凸歯(37)に対向する対向面に、前記凹凸歯(37)が挿入方向に移動する時には前記凹凸歯(37)を通過させるが、前記凹凸歯(37)が反挿入方向に移動する時には前記凹凸歯(37)と係合して前記凹凸歯(37)の反挿入方向の移動を拘束する凸部(38)が形成され、前記凹凸歯(37)と前記凸部(38)はワンウエイ係合構造を構成する、(1)〜(4)の何れか1つに記載の頭部保護エアバッグ装置(10)。
また、クリップが、巻付け部、固定部、係合部、脆弱部を有する1部材で形成されているので、複数部材の組み合わせからなる場合に比べて、クリップによるカーテンエアバッグの車両ボデーへの取付けが容易であり、また、クリップ自体のコストも低い。
上記(5)の頭部保護エアバッグ装置によれば、ワンウエイ係合構造が得られる。ワンウエイ係合構造は、クリップによるカーテンエアバッグの締め付けを容易にしている。また、ワンウエイ係合構造は、カーテンエアバッグの畳み状態のサイズが変わっても、共通に使用することを可能にしている。
図1〜図14は本発明の実施例1(カバーなしカーテンエアバッグを有する頭部保護エアバッグ装置)を示し、図15〜図18は本発明の実施例2(カバー付きカーテンエアバッグを有する頭部保護エアバッグ装置)を示す。
本発明の何れの実施例にも適用できる部分には、本発明の全実施例にわたって同じ符号を付してある。なお、図中、UPは上方を示し、FRは車両前後方向の前方、OUTは車両幅方向外側、INは車両幅方向内側をそれぞれ示す。
〔実施例1の構成〕
本発明の実施例1の頭部保護エアバッグ装置10の構成を、図1〜図14を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の頭部保護エアバッグ装置10は、カーテンエアバッグ(カーテンエアバッグ袋体)20と、クリップ30とを備えている。頭部保護エアバッグ装置10は、さらに、インフレータ60を備えている。
カーテンエアバッグ20のタブ部21間部分の、垂れ下がり(および/または断面内回動)を抑制するために、本発明では、図1〜図3に示すように、カーテンエアバッグ20は、タブ部21間部位で、クリップ30によって、保持されるとともに、ボデー11に支持される。クリップ30の配置位置は、たとえば、タブ部21間の丁度中央位置かその近傍、または、図1に示すように、隣接ピラー61間および/またはピラー61上方である。単純な構造の、かつ、低コストの、クリップ30で、カーテンエアバッグ20のタブ部21間部分の垂れ下がりを効果的に抑制するために、クリップ30は、望ましくは、以下の構造を採る。
クリップ30は固定部32でボデーのインナーパネル12に固定される。固定部32は、ボデーインナーパネル12のクリップ用孔18に挿通する時には、挿通方向と直交する方向のサイズが弾性的に減少し、挿通後は元のサイズに戻ることを可能にする、内部空隙35を有している。このタイプの固定部32はクリップ30のボデー11への押し込み型のワンタッチ取付けを可能にし、取付けを容易にしている。
脆弱部34がカーテンエアバッグ20の展開力で破断するため、クリップ30によるカーテンエアバッグ20の保持が、カーテンエアバッグ20の展開の支障にならない。
図5〜図9に示すように、クリップ30は、カーテンエアバッグ20の一部を当接させてカーテンエアバッグ20の断面内の回動を抑制する突起39を有する。突起39は単純突起(図9の内方突出部40のみからなる突起)であってもよいし、L字状突起(図5〜図8の突起)であってもよい。以下に、突起39の種々の例を挙げる。
突起39が単純突起の場合は、図9に示すように、突起39は、クリップ30のカーテンエアバッグ20への巻付けの内側に向かって延びる内方突出部40を有する。クリップ30の内方突出部40には、カーテンエアバッグ20の一部が当接し、カーテンエアバッグ20のタブ部21間部分の周方向の姿勢、位置が規制される。
図5〜図8に示すように、突起39は、内方突出部40の先端で内方突出部40に対してほぼ直角に折れ曲がり、折れ曲がった後係合部33の凹凸歯37側に向かってクリップ30の長手方向に延びる長手方向延設部41を有するL字状構造を有していてもよい。
突起39が長手方向延設部41を有する場合は、巻付け部31と長手方向延設部41との間に隙間が形成され、そこにカーテンエアバッグ20の一部が差し込まれ、カーテンエアバッグ20の一部が内方突出部40に当接し、カーテンエアバッグ20のタブ部21間部分の周方向の姿勢、位置が規制される。
図10に示すように、1つのクリップ30に複数の突起39がクリップ長手方向に互いに間隔をおいて形成されてもよい。これによって、カーテンエアバッグ20の複数の角度位置に対して対応することができる。
図9に示すように、突起39に当接される、カーテンエアバッグ20部分は、カーテンエアバッグ20の端縁20bであってもよい。この場合は、端縁20bが突起39に当接される方向には、カーテンエアバッグ20の回動は規制される。端縁20bが突起39から離れる方向には、カーテンエアバッグ20の回動は規制されず、端縁20bが突起39から離れる方向へのカーテンエアバッグ20の回動の規制はカーテンエアバッグ20とクリップ30との摩擦によることになる。
図8に示すように、カーテンエアバッグ20の端部に切り欠き26が形成され、切り欠き26に突起39が嵌められる。そして、図6に示すように、突起39に当接される、カーテンエアバッグ20の一部は、カーテンエアバッグ20の端部の切り欠き26の、カーテンエアバッグの長手方向に延びる縁26aからなる。この場合は、切り欠き26の縁26aが突起39に当接される方向には、カーテンエアバッグ20の回動は規制される。切り欠き26の縁26aが突起39から離れる方向には、カーテンエアバッグ20の回動は規制されず、切り欠き26の縁26aが突起39から離れる方向へのカーテンエアバッグ20の回動の規制はカーテンエアバッグ20とクリップ30との摩擦によることになる。
カーテンエアバッグ20の端部に切り欠き26が形成される場合は、切り欠き26の、カーテンエアバッグの周方向に延びる縁26bが突起39とカーテンエアバッグ20の長手方向に係合し、突起39はカーテンエアバッグ20がカーテンエアバッグ長手方向に移動するのを規制する。よって、突起39が、周方向の位置決めとなるとともに、カーテンエアバッグ20の長手方向の位置決めとなる。
図11に示すように、クリップ30に、カーテンエアバッグ20の折り返し部24に対応する部位に、突起39を設けて、カーテンエアバッグ20の折り返し部24を突起39に係合させることにより、カーテンエアバッグ20の周方向位置を規制してもよい。その場合は、突起39に当接される、カーテンエアバッグ20の一部は、カーテンエアバッグ20の折り返し部24となる。
図14に示すように、カーテンエアバッグ20の端部かその近傍部に、長孔25が形成される。この長孔25はカーテンエアバッグ20の長手方向(車両前後方向)に延びる。突起39は長孔25に挿通され、内方突出部40の部位で長孔25の縁と係合する。
この場合は、カーテンエアバッグ20が断面内で左右何れの方向に回動しようとしても、突起39が長孔25の長手方向縁25aに係合するので、カーテンエアバッグ20の断面内の左右両方向の回動が規制される。また、カーテンエアバッグ20が車両長手方向に位置ずれしようとしても、突起39が長孔25の長手方向縁25aと直交する周方向縁25bに係合するので、カーテンエアバッグ20の車両長手方向の移動または位置ずれが規制される。
クリップ30は、タイプラップ以外の係合部33の構造をとってもよい。図12はその一例を示すものである。クリップ30の巻付け部31を間にして隔たったクリップ両端部の対向面に、一方向(対向面に平行方向で巻付け部31の巻付け半径が小さくなる方向)には移動できるが反対方向には係合する、のこ歯形状部42、43を形成する。クリップ両端部が対向面と直交する方向に互いに離れる方向に移動すると、のこ歯形状部42、43が離れて係合が外れるが、畳んだ状態にあるカーテンエアバッグ20から、内側から押されているので、のこ歯形状部42、43が外れることはない。
上記の実施例1の構成は、本発明の他の実施例(実施例2)にも共通に適用され得る。
本発明の実施例1の作用、効果はつぎのとおりである。
まず、クリップ30で、畳み状態にあるカーテンエアバッグ20をタブ部21間で保持して車両ボデーに支持するので、カーテンエアバッグ20のタブ部21間部分の自重による垂れ下がりを抑制できる。その結果、カーテンエアバッグ20が垂れ下がった場合に生じるかもしれないカーテンエアバッグのタブ部21間部分の周辺部品へのかみ込みを抑制できる。
上記の実施例1の作用、効果は、本発明の他の実施例の作用、効果にも適用される。
本発明の実施例の頭部保護エアバッグ装置10は、図15〜図18に示すように、畳み状態にあるカーテンエアバッグ20を内包しカーテンエアバッグ20の展開力で破断する脆弱部51が形成された布製カバー50を、さらに有している。カバー50は、畳み状態にあるカーテンエアバッグ20を、カーテンエアバッグ20の全長にわたって包んでもよいし、あるいは、カーテンエアバッグ20の長手方向の一部を包んでもよい。カバー50は、たとえば布製である。脆弱部51は、たとえばミシン目などからなり、カーテンエアバッグ20の展開力で破断する。55はカバー縫合部を示す。
(イ)クリップ30によってカバー50のみを周方向に位置規制し、カバー50の内面と畳み状態のカーテンエアバッグ20の外面との摩擦によって、結果的にカーテンエアバッグ20を周方向に位置規制する。
(ロ)クリップ30によってカーテンエアバッグ20とカバー50を周方向に同時に位置規制する。
実施例2の頭部保護エアバッグ装置10が、カーテンエアバッグ20を内包するカバー50をさらに備えており、カバー50にはクリップ挿通部52が形成されていて、クリップ挿通部52をクリップ30の突起39が挿通しているので、カバー50の回動がクリップ30によって抑制される場合(上記(イ)の場合)は、カバー50とカーテンエアバッグ20との接触摩擦によって、カーテンエアバッグ20の断面内回動も抑制され、カーテンエアバッグ展開方向のばらつきとそれによるカーテンエアバッグ20の周辺部品へのかみ込みが抑制される。
11 ボデー
12 インナーパネル
13 ナット
14 ボルト
15 ルーフライニング
16 ピラーガーニッシュ
17 ジャンプ台
18 クリップ用孔
19 ウエザーストリップ
20 カーテンエアバッグ
20a カーテンエアバッグのタブ部間部分
20b カーテンエアバッグの端部
21 タブ部 22 金属プレート
23 孔
24 折り返し部
25 長孔
25a 長手方向縁
25b 周方向縁
26 切り欠き
26a 長手方向縁
26b 周方向縁
30 クリップ
31 巻付け部
32 固定部
33 係合部
34 脆弱部
35 内部空隙
36 孔
37 凹凸歯
38 凸部
39 突起
40 内方突出部
41 長手方向延設部
42、43 のこ歯
50 カバー
51 (カバーの)脆弱部
52 クリップ挿通部
53 (カバーの)切り欠き部
54 (カバーの長孔)
55 (カバーの)縫合部
60 インフレータ
61 ピラー
Claims (5)
- 上縁に間隔をおいて複数設けられたタブ部(21)を有し該タブ部(21)で車両のルーフ側部に取付けられるカーテンエアバッグ(20)と、
畳み状態にあるカーテンエアバッグ(20)をタブ部(21)間で保持して車両ボデー(11)に支持するクリップ(30)とを備え、
前記クリップ(30)が、クリップ中央部に形成されタブ部間部位でカーテンエアバッグ(20)に巻き付けられる巻付け部(31)と、クリップ一端部に形成されたボデー(11)への固定部(32)と、クリップ他端部に形成され該クリップ他端部以外のクリップ部分と係合する係合部(33)と、カーテンエアバッグ展開力で破断する脆弱部(34)と、を有し、1部材で形成されており、
前記クリップ(30)は、カーテンエアバッグ(20)の一部を当接させてカーテンエアバッグ(20)の回動を抑制する突起(39)を有しており、
前記突起(39)は、前記巻付け部(31)から前記クリップ(30)のカーテンエアバッグ(20)への巻付けの内側に向かって突出する内方突出部(40)を有し、
前記カーテンエアバッグ(20)の一部は該カーテンエアバッグ(20)の畳み方向において前記突起(39)の内方突出部(40)に当接され、前記突起(39)の内方突出部(40)に当接する方向の前記カーテンエアバッグ(20)の回動が抑制されている、
頭部保護エアバッグ装置(10)。 - 前記カーテンエアバッグ(20)の一部が、カーテンエアバッグ(20)の畳み方向の一端部、カーテンエアバッグ(20)の畳み方向の一端部に形成された切り欠き部(26)、カーテンエアバッグの畳み方向折り返し端部(24)、の何れかからなるカーテンエアバッグ(20)の畳み方向端部である請求項1記載の頭部保護エアバッグ装置(10)。
- 前記カーテンエアバッグ(20)の一部が、カーテンエアバッグ(20)に形成された、前記クリップ(30)の突起(39)が挿通される、長孔(25)の縁部である請求項1記載の頭部保護エアバッグ装置(10)。
- 畳み状態にあるカーテンエアバッグ(20)を内包しカーテンエアバッグ(20)の展開力で破断する脆弱部(51)が形成された布製カバー(50)をさらに有しており、該カバー(50)に切り欠き部または長孔からなるクリップ挿通部(52)が形成されており、該クリップ挿通部(52)に前記クリップ(30)が挿通している請求項1記載の頭部保護エアバッグ装置(10)。
- 前記クリップ(30)の一端部は前記クリップ(30)の他端部より広幅に形成され、前記クリップ(30)の一端部に前記クリップ(30)の他端部を挿通させることが可能な孔(36)が形成され、前記クリップ(30)の他端部の一面に前記係合部(33)を構成する凹凸歯(37)が形成され、前記孔(36)の、前記凹凸歯(37)に対向する対向面に、前記凹凸歯(37)が挿入方向に移動する時には前記凹凸歯(37)を通過させるが、前記凹凸歯(37)が反挿入方向に移動する時には前記凹凸歯(37)と係合して前記凹凸歯(37)の反挿入方向の移動を拘束する凸部(38)が形成され、前記凹凸歯(37)と前記凸部(38)はワンウエイ係合構造を構成する、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の頭部保護エアバッグ装置(10)。
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